(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
[比較例1]
図1は、比較例1に係る電子部品の断面図である。
図1に示すように、基板10は支持基板10aと圧電基板10bとを有する。支持基板10aは例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、水晶基板またはシリコン基板である。圧電基板10bは、例えばタンタルリチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。圧電基板10bは支持基板10aの上面に接合されている。支持基板10aの線熱膨張係数は圧電基板10bより小さい。
【0019】
基板10の上面に機能素子12および配線14が設けられている。基板10の下面に端子18が設けられている。端子18は、機能素子12および22を外部と接続するためのフットパッドである。基板10を貫通する貫通電極16が設けられている。貫通電極16は、端子18と配線14とを電気的に接続する。
【0020】
基板10の外縁において圧電基板10bが除去され、支持基板10a上に環状金属層32が設けられている。配線14、貫通電極16、端子18および環状金属層32は、例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。環状金属層32上に環状電極34が設けられている。環状電極34は、例えば下層34a、中層34bおよび上層34cを含む。下層34aは例えばチタン層であり環状金属層32および圧電基板10bとの密着層である。中層34bは例えばニッケル層であり封止部30と環状金属層32との相互拡散を抑制するバリア層である。上層34cは例えば金層であり封止部30と濡れ性の良い金層である。
【0021】
デバイスチップ21は、基板20、機能素子22および配線24を有している。基板20の下面に機能素子22および配線24が設けられている。基板20は、例えばシリコン基板、ガラス基板、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板または水晶基板等の絶縁基板または半導体基板である。配線24は例えば銅層、アルミニウム層または金層等の金属層である。基板20はバンプ28を介し基板10にフリップチップ実装(フェースダウン実装)されている。バンプ28は、配線14および24と接合する。バンプ28は、例えば金バンプ、半田バンプまたは銅バンプである。
【0022】
基板10上に基板20を囲むように封止部30が設けられている。封止部30は、半田等の金属または樹脂である。封止部30は、環状電極34に接合されている。基板20の上面および封止部30の上面に平板状のリッド36が設けられている。リッド36は例えばコバール板等の金属板または絶縁板である。リッド36および封止部30を覆うように保護膜38が設けられている。保護膜38はニッケル膜等の金属膜または絶縁膜である。
【0023】
機能素子12は空隙26を介し基板20に対向している。機能素子22は空隙26を介し圧電基板10bに対向している。機能素子12および22は、封止部30、基板10、基板20およびリッド36により封止される。バンプ28は空隙26に囲まれている。端子18は貫通電極16および配線14を介し機能素子12と電気的に接続され、さらに、バンプ28および配線24を介し機能素子22に電気的に接続されている。
【0024】
図2(a)は、比較例および実施例で用いられる機能素子12の平面図、
図2(b)は機能素子22の断面図である。
図2(a)に示すように、機能素子12は弾性表面波共振器である。基板10の圧電基板10b上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器42が形成されている。IDT40は、互いに対向する1対の櫛型電極40aを有する。櫛型電極40aは、複数の電極指40bと複数の電極指40bを接続するバスバー40cとを有する。反射器42は、IDT40の両側に設けられている。IDT40が圧電基板10bに弾性表面波を励振する。IDT40および反射器42は例えばアルミニウム膜または銅膜により形成される。
【0025】
電極指40bの配列方向は弾性波が伝搬する方向でありX方向とする。電極指40bの延伸方向をY方向とする。基板10の法線方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電基板10bの結晶方位のX軸、Y軸およびZ方向とは必ずしも一致しない。回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板および回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板では、X方向が結晶方位のX軸方向である。
【0026】
図2(b)に示すように、機能素子22は圧電薄膜共振器である。基板20上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極44および上部電極48が設けられている。下部電極44と基板20との間に空隙45が形成されている。下部電極44および上部電極48は圧電膜46内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。下部電極44および上部電極48は例えばルテニウム膜等の金属膜である、圧電膜46は例えば窒化アルミニウム膜である。基板20は絶縁基板または半導体基板である。
【0027】
機能素子12および22は、弾性波を励振する電極を含む。このため、弾性波を制限しないように、機能素子12および22は空隙26に覆われている。
【0028】
比較例1において、環状金属層32が設けられている理由は以下である。圧電基板10bは支持基板10aおよび金属層より熱伝導率が低い。そこで、圧電基板10bの少なくとも一部を除去し環状金属層32を設けることで、封止部30と支持基板10aとの間の熱抵抗が低くなる。これにより、熱が電子部品全体に伝導しやすくなり、放熱効率が高くなる。また、支持基板10a、圧電基板10bおよび封止部30等の熱応力により圧電基板10bにクラック等が導入される可能性がある。そこで、熱応力が集中しやすくなる圧電基板10bの外縁に環状金属層32を設けることにより、圧電基板10bに応力が集中することを抑制し、圧電基板10bの劣化を抑制できる。
【0029】
しかしながら、比較例1においても圧電基板10bにクラックが導入されることがある。
図3は、比較例1の断面SEM(Scanning Electron Microscope)画像の模式図である。支持基板10aはサファイア基板、圧電基板10bはタンタル酸リチウム基板、環状金属層32は銅、環状電極34の下層34aはチタン、中層34bはニッケル、封止部30は錫銀である。上層34cは金層であるが封止部30の錫銀と反応し合金を形成しており、SEM画像では確認できない。
【0030】
図3に示すように、環状電極34の側面が圧電基板10bに接する領域70から、圧電基板10bと支持基板10aとの間の界面の領域72にクラック60が導入されている。
【0031】
[比較例1のシミュレーション]
比較例1において、応力が集中する箇所についてシミュレーションした。
図4(a)および
図4(b)は、シミュレーションした構造の平面図および断面図である。
図4(a)に示すように、基板10上に複数の環状電極34が形成されている。複数の環状電極34内に各々基板20がフリップチップ実装されている。各環状電極34および基板20は電子部品となるべき領域62に設けられている。領域62はX方向およびY方向に複数配列されている。X方向は、
図2(a)における電極指の配列方向である。領域62間には、電子部品を個片化するときに切断されるべき切断領域64が設けられている。
【0032】
図4(b)は、
図4(a)におけるX−X断面およびY−Y断面に相当する。シミュレーションは、
図4(b)の範囲について2次元の有限要素法を用いた。
図4(b)に示すように、シミュレーションを行った範囲は、基板20から切断領域64を挟んだ隣の環状電極34までである。シミュレーションした範囲には、貫通電極16およびバンプ28が含まれている。なお、シミュレーションでは配線14はないものとした。
【0033】
その他のシミュレーション条件は以下である。
支持基板10a:厚さが100μmのサファイア基板
圧電基板10b:厚さが20μmの42°回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板
貫通電極16:直径が40μmの銅層
端子18:膜厚が2μmの銅層および膜厚が5μmのニッケル層
基板20:厚さが150μmのシリコン基板
バンプ28:高さが15μm、直径が80μmの金バンプ
環状金属層32:厚さが20μm、幅が67.5μmの銅層
環状電極34の下層34a:膜厚が100nmのチタン層
中層34b:膜厚が2500nmのニッケル層
上層34c:膜厚が200nmの金層
【0034】
表1は主な材料のヤング率および線熱膨張係数である。LTはタンタル酸リチウムであり、XおよびYは結晶方位のX軸方向およびY軸方向を示す。
【表1】
表1に示すように、LTおよびサファイアはヤング率が大きい、TiおよびNiはCuおよびAuよりヤング率が大きい。サファイアはLTより線熱膨張係数が小さく、CuはLTより線熱膨張係数が大きい。
【0035】
図5(a)および
図5(b)は、X−X断面およびY―Y断面における応力を示す図である。矢印の方向が応力の方向を示し、矢印の大きさが応力の強さを示している。
図5(a)に示すようにX−X断面では、支持基板10a内の圧電基板10b近くにX方向の応力が加わっている。圧電基板10bには環状金属層32の近くでZ方向の応力が加わっている。
図5(b)に示すようにY−Y断面では支持基板10a内の応力は
図5(a)より小さい。圧電基板10bと環状金属層32との界面にZ方向の応力が加わっている。
【0036】
図6(a)は、
図5(a)の領域Aの拡大図、
図6(b)は、
図5(a)の圧電基板内の応力の大きさを示す図である。
図6(a)に示すように、領域66では、支持基板10a内にX方向の応力が加わり、圧電基板10b内にZ方向の応力が加わっている。このように応力が集中している。
図3の領域72は
図6(a)の領域66とほぼ同じ位置である。これにより、
図3のクラック60は、領域66が起点となっているのではないかと考えられる。
【0037】
図6(b)において、領域68は、圧電基板10b内の応力の大きさが1.0×10
−8Pa以上の領域である。環状金属層32付近にZ方向に応力の大きい領域が存在する。
図3のように、環状電極34の側面が圧電基板10bに接した領域70では圧電基板10bに応力が加わる。このたため、
図6(a)の領域66を起点とし、
図6(b)の領域68を通り
図3の領域70にクラック60が導入されるのではないかと考えられる。
【0038】
環状電極34の端部において圧電基板10bに応力が集中することを抑制するため、環状電極34の端部を環状金属層32上に位置するようにすることも考えられる。しかし、この場合、環状金属層32が露出すると例えば銅等による汚染が生じる。また、封止部30の環状電極34への接合を強固とするためには環状電極34の幅は大きい方が好ましい。以上のような理由から、環状電極34の端部を環状金属層32上に設けることは難しい。
【0039】
以下、比較例1の問題を解決する実施例について説明する。
【実施例1】
【0040】
図7(a)は、実施例1に係る電子部品の断面図、
図7(b)は、基板10の平面図である。
図7(a)に示すように、圧電基板10bおよび環状金属層32の上面と環状電極34との間に保護膜35が設けられている。保護膜35は例えば酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁膜である。保護膜35は、平面視において環状金属層32の側面と圧電基板10bとが接する界面74、および環状電極34の機能素子12側の側面76と重なる。その他の構成は比較例1と同じであり説明を省略する。
【0041】
図7(b)では、環状金属層32、環状電極34および保護膜35を図示している。圧電基板10bと環状金属層32とが接する界面74を破線、環状電極34の内側の側面76を点線で示している。保護膜35の外側の端部35a(輪郭または内周)は界面74より外側に位置し、保護膜35の内側の端部35b(輪郭または外周)は環状電極34の側面76より内側に位置している。これにより、保護膜35は、平面視において界面74および側面76と重なる。
【0042】
環状金属層32の幅W32は、例えば50μmから65μmである。環状電極34の幅W34は例えば65μmから70μmである。保護膜35の幅W35は例えば75μmから100μmである。界面74と端部35aとの距離L35aは例えば25μmから50μmである。側面76と端部35bとの距離L35bは、例えば10μmから35μmである。圧電基板10bの厚さは例えば1μmから20μmである。
【0043】
[実施例1の製造方法]
図8(a)から
図9(c)は、実施例1に係る電子部品の製造方法を示す断面図である。
図8(a)に示すように、支持基板10aの上面に圧電基板10bの下面を接合する。支持基板10aと圧電基板10bとは数nmのアモルファス層等を介し直接接合されていてもよいし、接着剤等により接合されていてもよい。
【0044】
図8(b)に示すように、圧電基板10bを例えばエッチングにより除去し開口31を形成する。圧電基板10bおよび支持基板10aに貫通孔15を例えばレーザ光照射により形成する。この時点では貫通孔15は支持基板10aを貫通していない。開口31内に環状金属層32、貫通孔15内に貫通電極16を形成する。環状金属層32および貫通電極16は例えば銅層であり、めっき法を用い形成する。圧電基板10b、貫通電極16および環状金属層32の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。環状金属層32および貫通電極16は電気抵抗が低くかつ熱伝導率が低いことが好ましい。この観点から環状金属層32および貫通電極16は銅を主成分とすることが好ましい。
【0045】
図8(c)に示すように、圧電基板10b上に機能素子12および配線14を形成する。基板10上に開口51を有するマスク層50を形成する。マスク層50は例えばフォトレジストである。開口51内およびマスク層50上に保護膜35を形成する。保護膜35は酸化シリコン膜であり例えば真空蒸着法を用い形成する。
【0046】
図8(d)に示すように、マスク層50を除去する。これにより、マスク層50上の保護膜35がリフトオフされる。
【0047】
図9(a)に示すように、保護膜35および環状金属層32上に環状電極34を形成する。環状電極34は、例えば真空蒸着法およびリフトオフ法により形成する。環状電極34の下層34a、中層34bおよび上層34cは例えばチタン層、ニッケル層および金層である。
【0048】
図9(b)に示すように、基板10上にバンプ28を介しデバイスチップ21をフリップチップ実装する。これにより、機能素子12と22とは空隙26を挟み対向する。
【0049】
図9(c)に示すように、デバイスチップ21を囲むように、例えば錫銀半田からなる封止部30を形成する。封止部30は環状電極34の上層34cと接合する。封止部30およびデバイスチップ21上にリッド36を設ける。デバイスチップ21の上面は封止部30で覆われていてもよい。リッド36は設けられてなくてもよい。
【0050】
その後、支持基板10aの下面をCMP法等を用い研磨する。これにより、貫通電極16が支持基板10aの下面に露出する。貫通電極16に接触する端子18を形成する。基板10を切断領域64で切断する。これにより、電子部品が個片化される。封止部30およびリッド36を囲む保護膜38を形成する。これにより、
図7(a)および
図7(b)の電子部品が製造される。
【0051】
[実施例1の変形例]
図10(a)および
図10(b)は、実施例1の変形例1および2に係る電子部品の断面図である。
図10(a)に示すように、保護膜35は環状金属層32の外周77まで設けられている。これにより、環状金属層32と環状電極34とは接していない。このように、保護膜35は環状金属層32の上面を完全に覆ってもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。環状金属層32と環状電極34とを電気的に接続するため、実施例1のように環状金属層32と環状電極34とは一部接していることが好ましい。
【0052】
図10(b)に示すように、平面視において保護膜35の内側の端部78はデバイスチップ21に重なっている。このように、保護膜35はデバイスチップ21の直下まで延伸していてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。保護膜35が配線14と接触することを抑制するため、実施例1のように、保護膜35の内側の端部78は平面視においてデバイスチップ21と重ならないことが好ましい。
【0053】
図11は、実施例1の変形例3に係る電子部品の基板の平面図である。
図11に示すように、保護膜35は、平面形状が四角形である界面74および側面76のうち、Y方向に延伸する辺に設けられ、X方向に延伸する辺に設けられていない。表1のように、圧電基板10bの線熱膨張係数に結晶方位依存性がある場合、
図5(a)のように、圧電基板10bと支持基板10aとの線熱膨張係数が大きい方向に応力が加わりやすい。このため、保護膜35は、平面視において界面74の一部および側面76の一部に重なるように設け、界面74の残部および側面76の残部には重ならなくてもよい。
【0054】
図12(a)および
図12(b)は、実施例1の変形例4および5に係る電子部品の断面図である。
図12(a)に示すように、環状電極34上にカバー部材80が接合されている。カバー部材80は、例えばシリコンキャップである。
図12(b)に示すように、環状電極84上にカバー部材としてリッド82が設けられている。環状電極84は例えば銅または半田等を含む。リッド82は金属板または絶縁体板である。実施例1の変形例4および5のように電子部品はデバイスチップを含まなくてもよい。
【0055】
[実施例1およびその変形例の効果]
実施例1およびその変形例によれば、環状金属層32(第1金属層)は、支持基板10a上に機能素子12を囲むように設けられ、側面が圧電基板10bの側面と接する。環状電極34(第2金属層)は、圧電基板10bおよび環状金属層32上に、平面視において圧電基板10bと環状金属層32とが接する界面74と重なるように設けられている。実施例1およびその変形例1から3では、封止部30、デバイスチップ21およびリッド36はカバー部材として機能し、封止部30が環状電極34と接合し機能素子12を空隙26に封止する。実施例1の変形例4および5では、デバイスチップを含まないカバー部材は、環状電極34または84と接合し機能素子12を空隙26に封止する。
【0056】
このような電子部品においては、
図3のように、環状電極34の側面と圧電基板10bとの間からクラック60が形成されることがある。そこで、保護膜35を圧電基板10bおよび環状金属層32と、環状電極34と、の間に、平面視において環状電極34の機能素子12側の側面76の少なくとも一部と界面74の少なくとも一部と重なるように設ける。これにより、環状電極34の側面における圧電基板10b内の応力の集中が抑制される。よって、圧電基板10bへのクラック導入等の圧電基板10bの劣化を抑制できる。
【0057】
圧電基板10bと環状金属層32との界面74が傾いている場合、保護膜35は、平面視において界面74の少なくとも一部に重なることが好ましく、圧電基板10bと環状金属層32との上面における界面74と重なることが好ましい。環状電極34が傾いている場合、保護膜35は、平面視において側面76の少なくとも一部に重なることが好ましく、環状電極34の下面における側面76と重なることが好ましい。
【0058】
保護膜35のヤング率は環状電極34のうち保護膜35と接する下層34aのヤング率より小さいことが好ましい。これにより、圧電基板10b内の環状電極34の端部の応力を緩和できる。保護膜としては酸化シリコン膜等の絶縁膜または金属膜を用いことができる。
【実施例2】
【0059】
図13(a)は、実施例2に係る電子部品の断面図、
図13(b)は、
図13(a)の空隙37付近の拡大図である。
図13(a)に示すように、圧電基板10bの側面と環状金属層32の側面との間に空隙37が設けられている。空隙37の幅W37は例えば100nmであり、好ましくは10μmから200μmである。その他の構成は比較例1および実施例1と同じであり説明を省略する。
【0060】
図14(a)から
図14(d)は、実施例2に係る電子部品の製造方法を示す断面図である。
図14(a)に示すように、支持基板10aに接合された圧電基板10bに開口31を形成する。
図14(b)に示すように、開口31内の圧電基板10bの側面に接するように犠牲層37aを形成する。犠牲層37aは、例えば酸化シリコン膜であり真空蒸着法およびリフトオフ法を用い形成する。
図14(c)に示すように、圧電基板10bおよび支持基板10aに貫通孔15を形成する。貫通孔15内に貫通電極16を、開口31内に環状金属層32を形成する。圧電基板10b、貫通電極16、環状金属層32および犠牲層37aの上面をCMP法等を用い平坦化する。
図14(d)に示すように、犠牲層37aを除去し空隙37を形成する。その後、実施例1の
図8(d)から
図9(c)の工程を行う。
【0061】
[実施例2の効果]
実施例2によれば、環状金属層32の側面の少なくとも一部は圧電基板10bの側面の少なくとも一部と空隙37(第1空隙)を挟み対向する。これにより、領域66(
図6(a)参照)に応力が集中することを抑制できる。よって、領域66を起点とするクラック60の導入を抑制できる。
【0062】
実施例1の変形例3のように、空隙37は界面74のうち、Y方向に延伸する辺に設けられ、X方向に延伸する辺に設けられていなくてもよい。実施例1の変形例4および5のように、カバー部材はデバイスチップを含まなくてもよい。実施例1のように保護膜35を設けかつ空隙37を設けてもよい。
【0063】
支持基板10aの線熱膨張係数を圧電基板10bの線熱膨張係数より小さくすることで、機能素子12の周波数温度特性を抑制できる。しかし、比較例1のように圧電基板10bにクラック60が導入されやすくなる。そこで、実施例1および2のように保護膜35および/または空隙37を設けることでクラック60等を抑制できる。
【0064】
環状金属層32は支持基板10aと接していなくてもよい。環状金属層32が支持基板10aに接している場合、
図6(a)のように、領域66に応力が集中しやすくなる。よって、比較例1のように圧電基板10bにクラック60が導入されやすくなる。そこで、実施例1および2のように保護膜35および/または空隙37を設けることでクラック60等を抑制できる。
【0065】
環状金属層32が支持基板10aに接し、かつ環状金属層32と圧電基板10bの厚さが略同じの場合、領域66に応力が集中しやすくなる。そこで、保護膜35および/または空隙37を設ける。これにより圧電基板10bのクラック60等を抑制できる。
【0066】
圧電基板10bがタンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板の場合、圧電基板10bが脆く、クラックが導入されやすい。そこで、保護膜35および/または空隙37を設ける。これにより圧電基板10bのクラック60等を抑制できる。
【0067】
環状金属層32が銅を主成分とする場合、環状金属層32を設けることで環状金属層32の電気抵抗および熱抵抗を小さくできる。よって、電子部品の放熱効率が高くなる。しかし、圧電基板10bにクラックが導入されやすくなる。そこで、保護膜35および/または空隙37を設ける。これにより圧電基板10bのクラック60等を抑制できる。
【0068】
実施例1および2のように、カバー部材は、機能素子12に空隙26を介し対向するデバイスチップ21を有する。カバー部材はデバイスチップ21を囲み環状電極34と接合する半田からなる封止部30(環状金属層32および環状電極34の融点より低い融点を有する金属封止部)を有する。このような場合、環状電極34は、バリア層を含む。バリア層はヤング率が高い金属からなるため環状電極34の端部において圧電基板10b内に応力が集中しやすくなる。さらに、環状電極34の上層34cの金と半田とにより形成される合金のヤング率は高い。よって、保護膜35および/または空隙37を設けることが好ましい。
【0069】
機能素子12および22として弾性波素子を例に説明したが、機能素子22はインダクタまたはキャパシタ等の受動素子、トランジスタを含む能動素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子でもよい。
【0070】
機能素子12および22は各々弾性波フィルタを形成してもよい。機能素子12および22は、デュプレクサ、トリプレクサまたはクワッドプレクサ等のマルチプレクサを形成してもよい。
【0071】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。