特許第6963499号(P6963499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963499実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963499
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/18 20060101AFI20211028BHJP
   B65H 21/00 20060101ALI20211028BHJP
   B65H 19/20 20060101ALI20211028BHJP
   B65H 20/06 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   B65H19/18
   B65H21/00
   B65H19/20
   B65H20/06
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-518298(P2017-518298)
(86)(22)【出願日】2015年10月13日
(65)【公表番号】特表2017-533155(P2017-533155A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2015073628
(87)【国際公開番号】WO2016059022
(87)【国際公開日】20160421
【審査請求日】2018年10月12日
(31)【優先権主張番号】14188864.4
(32)【優先日】2014年10月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】キュンメル マチュー
(72)【発明者】
【氏名】フォンテーヌ セバスチャン
【審査官】 松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−153134(JP,A)
【文献】 特開2003−206059(JP,A)
【文献】 実開平05−051853(JP,U)
【文献】 特開2012−076853(JP,A)
【文献】 特開2008−081274(JP,A)
【文献】 特開2004−210379(JP,A)
【文献】 特開2002−067561(JP,A)
【文献】 特開2004−248510(JP,A)
【文献】 特開平06−115775(JP,A)
【文献】 特開平07−137896(JP,A)
【文献】 米国特許第05827166(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00−19/30
B65H 20/00−20/40
B65H 21/00−21/02
B29C 65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具であって、前記器具が、
−第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせ位置に搬送するための搬送ユニットであって、前記搬送ユニットが前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料を相互に平行に搬送し、前記継ぎ合わせ位置で前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の重なった部分を形成するように適合されているものと、
−機械的衝撃を約100ミリ秒〜約500ミリ秒の範囲の持続時間で前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の前記重なった部分の一部分に適用し、それによって前記第一の実質的に平面の連続材料を前記第二の実質的に平面の連続材料と少なくとも部分的に融合するように適合される、前記継ぎ合わせ位置内に配置される圧力ユニットとを備え、前記搬送ユニットがベルトコンベヤーを含み、また前記ベルトコンベヤーが、前記継ぎ合わせ位置内で前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の前記重なった部分の前記一部分の外に配置され、前記一部分で、前記圧力ユニットが機械的衝撃を加えるように適合され
前記搬送ユニットが、コンベヤーベルトを含み、前記圧力ユニットが少なくともハンマー端を含み、また融合されるゾーンの外になるように前記コンベヤーベルトが前記ハンマー端から前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の幅方向にずれている、器具。
【請求項2】
前記重なった部分が前記継ぎ合わせ位置内にある時に前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の搬送を中断するための、また融合された実質的に平面の連続材料が生成された時に前記第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の搬送を継続するための、搬送制御装置をさらに備える、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記圧力ユニットが、前記搬送ユニットによる前記第一の実質的に平面の連続材料および前記第二の実質的に平面の連続材料の移動方向を横断して配置されたハンマー端を備え、前記移動方向を横断する方向が前記移動方向と直角をなす方向から、約10度〜約60度の範囲の継ぎ合わせ角度だけ偏向している、請求項1〜2のいずれか1項に記載の器具。
【請求項4】
前記圧力ユニットが、約100ニュートン〜約600ニュートンの範囲の力で機械的衝撃を適用するように適合される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の器具。
【請求項5】
前記コンベヤーベルトが、2つのハンマー端の間に配置される、請求項に記載の器具。
【請求項6】
前記搬送ユニットが、ガス流を供給するように適合された搬送保持ユニットを備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の器具。
【請求項7】
実質的に平面の連続材料を保管するためのバッファをさらに備え、前記バッファが前記継ぎ合わせ位置の下流に配置されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の器具。
【請求項8】
実質的に平面の連続材料のエンボス加工をするためのエンボス加工ローラーを備えた、請求項1〜のいずれか1項に記載の器具。
【請求項9】
前記圧力ユニットの少なくとも一部分を加熱するように適合される加熱ユニットを備えた、請求項1〜のいずれか1項に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法に関連する。特に、喫煙物品の製造で使用される実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品またはそれらの構成要素、例えば、フィルタープラグやたばこプラグなどでは、少なくとも部分的に、紙、たばこまたはプラスチックウェブなどの実質的に平面の連続材料から製造されうる。これらのプラグの製造に使用されるのは特殊な材料であるため、加工ラインの一部の加工工程では、後続する2つのウェブの従来的な結合方法が許容されない。例えば、接着剤などの接合材料は最終製品の味覚に影響を及ぼしうる。テープ貼りまたはステープル止めは有効ではないか、または例えば、接合したウェブの送り込み工程や捲縮工程で機械の妨害物となりうるさらなる材料をウェブに加えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法に対するニーズがある。特に、実質的に平面の連続材料がエアロゾル発生物品または喫煙物品の製造に使用されうる、実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具および方法に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせるための器具が提供されている。器具は、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料を継ぎ合わせ位置に搬送するための搬送ユニットを備える。搬送ユニットは、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料を相互に平行に搬送し、継ぎ合わせ位置で第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の重なった部分を形成するように適合されている。器具はさらに、継ぎ合わせ位置で、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の重なった部分の少なくとも一部に機械的インパルスを適用し、それによって第一の実質的に平面の連続材料を第二の実質的に平面の連続材料と少なくとも部分的に融合し、それによって融合された実質的に平面の連続材料を生成するように適合されるよう配置された圧力ユニットを備える。器具の一部の実施形態はまた、重なった部分が継ぎ合わせ位置内にある時に第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の搬送を中断するための搬送制御装置を備えることが好ましい。これにより、継ぎ合わせは、融合される第一および第二の連続材料が静止している間に実施されうる。搬送制御装置があることで、融合された実質的に平面の連続材料が生成された時点で、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料のさらなる搬送が開始されうる。こうしたさらなる搬送は、速度プロフィールの制御により制御されることが好ましい。速度は、徐々に、好ましくは一定して最終搬送速度まで上昇されることが好ましい。速度プロフィールの制御により、連続材料に対する過度の引っ張りが回避されるかまたは最小限に抑えられ、従って、融合された連続材料の引き裂かれるリスクが回避または低減されうる。
【0005】
重なった部分の少なくとも一部分への実質的に平面の連続材料に適用される機械的衝撃は、2つのウェブ間の強力な接続をもたらす。継ぎ合わせ工程により、材料は相互に融合され、形状結合または化学的接続、または形状結合および化学的接続の組み合わせが形成される。接続は、例えば、機械的衝撃領域の少なくとも部分で、材料を部分的にまたは完全に溶融させることにより形成されうる。
【0006】
適用される力の量は、平面の材料の融合を達成するように適合されてもよく、また実質的に平面の連続材料の機械的または物理的な仕様に応じて変化させてもよい。本発明による器具の一部の実施形態によれば、圧力ユニットは、約100ニュートンおよび約600ニュートンの範囲、好ましくは300ニュートンを超える、例えば450ニュートンの力の機械的衝撃を適用するよう適合される。さらに、連続ウェブに適用される圧力は、連続ウェブと接することになる圧力ユニットの表面積に依存する。表面積は約1平方センチメートル〜約200平方センチメートル、好ましくは約2平方センチメートル〜約100平方センチメートル、より好ましくは約4平方センチメートル〜約50平方センチメートルであることが好ましい。
【0007】
機械的衝撃の持続時間は、数百ミリ秒程度としうる。機械的衝撃の持続時間は、約100ミリ秒〜約500ミリ秒の範囲、より好ましくは200ミリ秒〜400ミリ秒の範囲、例えば350ミリ秒であることが好ましい。
【0008】
2つの重なった平面の材料(シートなど)に適用されるこれらの規模や持続時間範囲での機械的衝撃は、喫煙物品またはエアロゾル発生物品の製造に通常使用されるシート間の安定した確実な接続を提供してきた。適用された機械的衝撃は熱を生じうる。そのように発生した熱は、実質的に平面の連続材料を少なくとも部分的に溶融し、それによって継ぎ合わせ工程を支援する。熱はまた、継ぎ合わせ工程を支援するために外部熱源からも供給されうる。本発明による器具の一部の実施形態では、器具は、圧力ユニットの少なくとも一部分、好ましくはハンマー端または継ぎ合わせに伴い材料が接触するようになるハンマー端の部分を加熱するための加熱ユニットを備える。
【0009】
継ぎ合わせによってウェブを破損することなく、言及した力範囲での力が適用されうる。ところが、当業者にとっては、適用される最小または最大の機械的衝撃は、継ぎ合わせられる実質的に平面の連続材料に依存しうるが、従って例えば、実質的に平面の連続材料の厚さまたは硬さに適合されうることが明らかである。
【0010】
圧力ユニットは、例えば、実質的に平面の連続材料のウェブの反対側でハンマーの反対側に配置されたアンビルを叩くハンマーとして実現されてもよい。圧力ユニットは、実質的に平面の連続材料が少なくとも融合工程のために継ぎ合わせ位置で好ましくは静止している間に、重なった実質的に平面の連続材料に作用する。実質的に平面の連続材料が静止した状態で、また好ましくは静止した圧力ユニット(実質的に平面の連続材料の移動方向の点から見て静止)により、有利なことに継ぎ合わせ工程中の剪断力が回避されうる。この点は、それがなければ特に継ぎ合わせ作業中に材料が搬送方向に引き込まれる時に剪断力により実質的に平面の連続材料がずれたり破損したりしうるため、有利である。
【0011】
本明細書で使用される場合、重なった部分は、先行する第一の実質的に平面の連続材料の端部および後続の第二の実質的に平面の連続材料の頭部が重なる、すなわち、相互の上に位置するか、または相互に横並びに重なった状態で位置する(器具内のウェブ材料の向きに依存する)平面の材料の部分である。その点で、連続材料の端部および頭部は、材料の搬送方向に対応した長軸方向に見える。継ぎ合わされる2つの連続材料は、同一の幅を持つことが好ましい。2つの連続材料は、それらの長軸方向の中央軸について整列されることが好ましい。その好ましい実施形態では、重なった部分は個別の材料の幅と同一の幅を持つ。重なった部分の長軸方向の延長部は、材料の信頼できる継ぎ合わせを保証するよう予め決定される。重なった部分の長軸方向の延長部は、継ぎ合わされる材料および材料の融合を実施する機械的衝撃に適合されることが好ましい。重なった部分の長軸方向の延長部は小さく保たれることが好ましい。重なった部分の長軸方向の延長部は、例えば、機械的衝撃に伴い材料に作用するハンマー端の幅(ここで、ハンマー端の幅は材料の搬送方向に延びる)よりも少なくとも約2.5倍大きくてもよい。これにより、重なった部分がその後に製品から除去される場合に、廃棄物は最小限に保たれうる。
【0012】
本発明による器具では、第一の実質的に平面の連続材料は、例えば、捲縮または集合させた、または捲縮して集合させた実質的に平面の連続材料のエンドレスロッドの製造に使用される。実質的に平面の連続材料、または実質的に平面の連続材料が巻き付けられているボビンがそれぞれ終わる場合、第二の実質的に平面の連続材料が器具に供給されうる。この第二の実質的に平面の連続材料は次に、搬送ユニットによって第一の実質的に平面の連続材料と重なるように搬送され、継ぎ合わせ位置まで搬送される。2つの実質的に平面の連続材料を融合した後、実質的に平面の連続材料のエンドレスロッドの製造はこの時点で融合された実質的に平面の連続材料で継続されうるが、中断なく同一の速度であることが好ましい。
【0013】
本発明による器具では、内部に材料が使用されているエアロゾル発生器の味覚に影響を与える可能性のある添加物または追加的な材料なしに強力な接続が提供されうる。実質的に平面の連続材料に適用された機械的衝撃は、重なった部分の少なくとも一部分で、2つの材料の融合をもたらし、またこれにより2つの実質的に平面の連続材料の間の接続は単一の実質的に平面の連続材料の強度に実質的に対応する。
【0014】
さらに、シート加工ラインでの継ぎ合わせ工程の後に続く工程に全く影響を与えないかまたは限定的な影響のみを与える接続を提供しうる。こうした後続のプロセスは、例えば後続のエンボス加工プロセスまたはロッド形成プロセスとしうる。本発明による器具では、加工ラインは高速で連続運転することができ、継続的な一定の品質で製品が製造される。さらに、生じる可能性のある廃物材料は最小限に保たれうる。
【0015】
本明細書で使用される場合、実質的に平面の連続材料は、紙、たばこまたはプラスチックウェブなどの材料のウェブ、または喫煙物品の製造で使用されうる金属箔としうる。実質的に平面の連続材料は、ポリ乳酸の連続的なシートまたはたばこシートであることが好ましい。実質的に平面の連続材料は、前処理しうる。前処理は、捲縮またはエンボス加工、またはその両方としうる。
【0016】
本発明による器具の態様によれば、圧力ユニットは、搬送ユニットの移動方向を横断して配置されているハンマー端を備える。移動方向を横断する方向は、継ぎ合わせ角度だけ移動方向と直角をなす方向から偏向する。継ぎ合わせ角度は約10度〜約60度の範囲、好ましくは約15度〜約45度、例えば40度としうる。すなわち、ハンマー端は移動方向に直角には配置されておらず、この正確に直角をなす方向に対してわずかに斜めである。ハンマー端は、それぞれ、継ぎ合わされる実質的に平面の連続材料の幅、または実質的に平面の連続材料の重なった部分の少なくとも部分または全体にわたる延長部を持つことが好ましい。ところが、2つのウェブ材料の信頼できる継ぎ合わせを保証するためにハンマー端が連続材料の幅全体にわたり連続的に延びることは要求されない。例えば、ハンマー端はまた、連続材料のそれぞれの側面上に延びてもよく、または連続材料の幅にわたり不連続的な継ぎ合わせラインを提供してもよい。
【0017】
2つのシートを組み合わせることにより、材料は2つのシートが重なる場所で厚くなる。さらに、追加的なバンプまたは逆バンプが、重なった部分に作用する機械的衝撃によって形成されうる。バンプは基本的に、例えば、材料がそれに沿って案内される駆動ローラーまたは捲縮ローラーといった、ローラーに対する速度バンプとしての役目を果たしうる。ところが、実質的に平面の連続材料の不規則な案内によって、材料が損傷したり、またはシートが搬送方向に対して斜めに配置されたり引かれたりすることになりうる。不規則な捲縮は不規則なロッド形成につながることがあり、従ってロッド仕様の再現性が限定される。ハンマー端を搬送方向に対してある角度に配置することにより、またそうすることで実質的に平面の連続材料の移動方向に対してある角度で機械的衝撃を適用することにより、下流のローラーまたはローラー対は、同一時点ではそれぞれの実質的に平面の連続材料の幅全体またはローラーの幅全体ではバンプに遭遇しない。通常、ローラーまたはローラー対は実質的に平面の連続材料の搬送方向に直角に配置される。ローラーは、ローラーの幅にわたり分布された1つの、場合によっては幾つかの位置でバンプに遭遇する。例えば、ハンマー端は、実質的に平面の連続材料の幅の部分または全体にわたり延びる直線状の端でもよい。次に、ハンマー端によって生成された継ぎ合わせラインは、実質的に平面の連続材料の幅を横切って斜めに延びる。従って、実質的に平面の連続材料を通過するローラーは継ぎ合わせラインの一方の端に遭遇し、その後、滑らかかつ連続的に継ぎ合わせライン上を転がる。
【0018】
ハンマー端は、連続的な端として具体化されうる。別の方法として、ハンマー端は、複数の端セクションとして具体化されうる。こうした複数のハンマー端セクションの端セクションは、所定の距離で分離されたライン上に配置されることが好ましい。
【0019】
ハンマー端は、実質的に長方形の衝撃面または実質的に長方形の衝撃面の組み合わせを持ちうる。別の方法として、衝撃面は楕円または三角形など異なる形態を持ちうる。衝撃面は、尖った角のない形状を持つことが好ましい。任意の角は、少なくとも0.5mmの半径を持つことが好ましい。三角形の頂点は、実質的に平面の連続材料の中心に配置されることが好ましい。これにより、斜めに配置された2つの継ぎ合わせラインは、2つの実質的に平面の連続材料を組み合わせる際に実質的に平面の連続材料内で生成されうる。ローラーはまず三角形の頂点に遭遇し、次に2つの継ぎ合わせライン上を連続的に転がる。
【0020】
ハンマー端の横断方向と直角をなす方向の間の角度は小さいことが好ましい。長軸方向の延長部または融合部分の長さ、例えば継ぎ合わせラインの長軸方向の延長部を制限するために、これを実施しうる。融合部分の長さを制限することで、重なった部分の長さも短く保ちうる。これにより、重なった部分が製品から除去される場合に、廃棄物は最小限に保たれうる。
【0021】
本発明による器具のさらなる態様によれば、搬送システムはベルトコンベヤーを備える。実質的に平面の連続材料はベルトコンベヤー上に配置され、ベルトコンベヤーによって、圧力ユニットへ、またそれを通過して、さらには加工ライン内に案内されうる。ベルトコンベヤーは、吸込みがベルトに適用される真空ベルトとしうる。吸込みは、例えば、ベルト内に配置された開口部に適用される。吸込みは、ベルトに対する実質的に平面の連続材料の保持を支援しうる。これは特に軽い材料が使用される時、または実質的に平面の連続材料に作用する重力を補正するために好ましい。第二の実質的に平面の連続材料は、第二のベルトコンベヤーを経由して、継ぎ合わせ位置または継ぎ合わせ位置の上流で第一の実質的に平面の連続材料へ搬送されうる。ベルトコンベヤーの材料は、実質的に平面の連続材料の搬送が最適化されるように適合されうる。ベルトの材料は、例えば、実質的に平面の連続材料の静電気、またはベルトコンベヤーへの実質的に平面の連続材料の固着を低減するよう適合されうる。ベルトコンベヤーのベルトは、例えば、ポリウレタン製であるかポリウレタンを含みうる。
【0022】
継ぎ合わせ工程を最適化するために、継ぎ合わされる2つの連続材料のみが圧力ユニットのハンマーとアンビルとの間に配置されることが好ましい。ところが、例えば、コンベヤーベルトなどの搬送システムの搬送要素が連続材料の搬送に使用される場合、こうしたコンベヤーベルトは融合するゾーンにも存在しうる。すなわち、コンベヤーベルトは、ハンマーおよびアンビルの間にも配置されうる。コンベヤーベルトの材料は、従って機械的衝撃に耐えるように選択される。コンベヤーベルトの連続的な搬送により、機械的摩耗が最小限に保たれうるように機械的衝撃はコンベヤーベルトの異なる位置に適用される。
【0023】
ベルトコンベヤーは、継ぎ合わせ位置で第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料が重なった部分の少なくとも一部分の外に配置されうるが、少なくともその部分では、圧力ユニットは機械的衝撃を適用するように適合される。搬送システムのコンベヤーベルトは、融合するゾーン外となるようにハンマー端から横方向にずれてもよい。これにより、圧力ユニットまたはこうした圧力ユニットの一つまたは複数のハンマー端は、機械的衝撃をコンベヤーベルトに適用せず、重なった連続材料のみに適用する。コンベヤーベルトは、例えば、2つのハンマー端の間に配置されうる。
【0024】
本発明による器具の別の態様によれば、搬送システムはガス流を供給するように適合された搬送保持ユニットを備える。ガス流は、実質的に平面の連続材料の移動方向に配向され、第一の実質的に平面の連続材料または第二の実質的に平面の連続材料、または両方の実質的に平面の連続材料を移動方向に案内するために使用されることが好ましい。ガス流は、実質的に平面の連続材料、例えば感熱性の実質的に平面の連続材料の冷却にも使用されうる。ガス流は、静電気を防止または減少させるため、または既に静電気的に帯電した実質的に平面の連続材料を放電するために、帯電防止効果も持ちうる。このために、ガス流は、例えば、水の小滴またはイオン化粒子を含みうる。冷却に使用されるガス流は、組み合わせる工程の途中または後に適用されることが好ましい。従って、一つまたは複数のノズルは、圧力ユニットの横に、または搬送ラインに沿って配置されうる。
【0025】
本発明による器具の別の態様によれば、器具はさらに、実質的に平面の連続材料を保管するためのバッファを備える。バッファは、継ぎ合わせ位置の下流に配置されることが好ましい。バッファを提供することにより、継ぎ合わせ工程のための実質的に平面の連続材料の流れの中断が補正されうる。これにより、圧力ユニットの下流のプロセスは、なおも連続的に、好ましくは実質的に一定の高速で、実施されうる。バッファがあると、例えば、継ぎ合わせ工程の下流の中断による場合などの一次的な搬送速度の増減も補正されうる。
【0026】
本発明による器具のさらなる態様によれば、器具は、実質的に平面の連続材料にエンボス加工を施すためのエンボス加工用ローラーを備える。エンボス加工用ローラーセットが提供され、ここで実質的に平面の連続材料がローラーセットの2つのローラーの間を案内されることが好ましい。2組のローラーセットが提供されるが、ここで1組のローラーセットは、実質的に平面の連続材料に、実質的に平面の連続材料の実質的に長軸方向でエンボス加工構造を施すためであり、もう一組のローラーセットは、実質的に平面の連続材料に、実質的に平面の連続材料の移動方向で実質的に直角にエンボス加工構造を施すためであることが好ましい。従って、実質的に平面の連続材料には、長軸方向の構造、横断する構造、または格子縞状の構造が提供されうる。エンボス加工用ローラーは継ぎ合わせ位置の下流に配置され、連続材料にエンボス加工構造を提供して、例えばロッド状のウェブ材料の集合を向上または促進させることが好ましい。
【0027】
エンボス加工は、既に存在する連続材料の捲縮構造に加えて施してもよい。
【0028】
同一の構造を持つローラーセットが提供されることが好ましい。異なるローラーセットは、ローラー間に同一のギャップを持つものが提供されることが好ましい。エンボス加工を促進するために、ローラー(単数または複数)の表面に物質が塗布されうる。例えば、静電気的に帯電する傾向にあるか、または例えば、ローラーを通過する連続材料に起因する摩擦によって加熱される傾向にある、例えば、たばこシートまたは実質的に平面の連続材料のエンボス加工を促進するために水を適用してもよい。
【0029】
本発明の別の態様によれば、実質的に平面の連続材料を融合する方法が提供されている。方法は、第一の実質的に平面の連続材料を提供し、第二の実質的に平面の連続材料を提供し、第一の実質的に平面の連続材料と第二の実質的に平面の連続材料を重なった様態で整列して重なった部分を形成する工程を含む。方法はさらに、機械的衝撃を重なった部分に適用する工程を含む。それによって、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料が融合される。方法はまた、継ぎ合わせられている時に連続材料が静止するように、重なった部分が継ぎ合わせ位置内にある時に、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の搬送を中断する工程を含むことが好ましい。方法は次に、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の継ぎ合わせ工程の後で、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の搬送を継続する工程をさらに含むことが好ましい。
【0030】
一部の好ましい実施形態では、機械的衝撃を好ましくは静止した重なった部分に適用する工程は、重なった部分の幅にわたり、また重なった部分の不連続な長軸方向の位置に機械的衝撃を適用する工程を含む。
【0031】
一部の好ましい実施形態では、機械的衝撃を好ましくは静止した重なった部分に適用する工程は、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料にまたがる平面に直角に機械的衝撃を適用する工程を含む。実質的に平面の連続材料に直角に適用される力は、非常に直接的な力の適用方法であり、非常に局所的なものとしうる。これにより、融合部分、すなわち実質的に平面の連続材料が効果的に融合される領域が小さく保たれうるため、重なった部分の長さを小さく保ちうる。さらに、連続材料の平面に直角に施される機械的衝撃は、機械的衝撃を施す装置、例えば、ハンマー端の移動に対してのみの1自由度が要求されるという利点を持つ。なおさらに、直角の機械的衝撃により、静止または移動している連続材料との調整が必要な機械的衝撃を施すための装置の回転を回避できる。
【0032】
有利なことに、機械的衝撃を適用する工程は、搬送システムの搬送経路の外で、例えば、継ぎ合わせ位置内のコンベヤーベルトの搬送経路の外で実施される。これにより、機械的衝撃は、コンベヤーベルトまたは搬送システムのその他の任意の要素には作用せず、継ぎ合わせられる材料にのみ作用する。
【0033】
継ぎ合わせは、例えば、継ぎ合わせ位置で搬送システムの搬送経路の2つの側面、例えば、コンベヤーベルトの2つの側面に機械的衝撃を適用することにより実施されうる。
【0034】
本発明による方法のさらなる態様によれば、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料の搬送方向から見た時、重なった部分の長さは、約15ミリメートル〜約100ミリメートルの範囲、好ましくは約20ミリメートル〜80ミリメートル、例えば40ミリメートルの範囲である。重なった部分は、実質的に平面の連続材料の長軸方向の延長部の点から見て最小に保たれることが好ましい。実質的に平面の連続材料内の重なった部分は、例えば、喫煙物品内のプラグなどの製品内で使用される実質的に平面の連続材料の仕様を満たさない可能性がある。こうして、重なった部分(すなわち、継ぎ合わされた2つのシートの接続部)を含むロッド部分は不合格となり、さらなる製品製造から除外されうる。これは、例えば、排除装置をシート加工ラインのさらに下流に提供することにより実施されうる。例えば、排除装置は、ロッドが形成された後で、かつ個別のロッド状の要素に切断中に、位置しうる。重なった部分の識別は、適切な検出手段によって、例えば光学検出システムによって実施しうる。これは例えば、ウェブ中の重なった部分の位置を検出して、制御ユニット内に保存することができる。これは例えば、接続が形成されている場所(例えば、圧力ユニット内)としうる。圧力ユニットからある距離だけ、例えばロッド切断位置に移動した重なった部分を含むウェブ部分が、その後除去される。
【0035】
本発明の方法の態様によれば、方法は、組み合わせる工程を実施する途中またはその後で、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料を冷却する工程をさらに含む。
【0036】
本発明の方法の別の態様によれば、方法は、ガス流を提供し、ガス流を少なくとも第一の実質的に平面の連続材料または第二の実質的に平面の連続材料の移動方向に配向する工程をさらに含む。それによって、少なくとも第一の実質的に平面の連続材料または第二の実質的に平面の連続材料、好ましくは第一および第二の実質的に平面の連続材料の両方は、ガス流によって移動方向に案内される。搬送ガス流または搬送ガス流用に使用されるガス供給源は、実質的に平面の連続材料または実質的に平面の連続材料が接触するようになる物体を冷却するためにも使用されうる。
【0037】
方法のさらなる態様および利点は本発明による機器に関連して説明してきたため、繰り返さない。
【0038】
本発明の方法の別の態様によれば、方法は、機械的衝撃を適用する前に、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料に端切断部、好ましくは、実質的に補完的な端切断部を提供するように、第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料を切断する工程と、第一の実質的に平面の連続材料の端切断部および第二の実質的に平面の連続材料の端切断部を、端切断部が相互に重なるように整列する工程といったさらなる工程を含む。補完的な端切断部の場合、端切断部は重なった時に相互に平行に整列される。
【0039】
方法は、2つの材料を重ねる前に、液体、好ましくは水を、少なくとも第一の実質的に平面の連続材料または第二の実質的に平面の連続材料に配給するさらなる工程を含みうる。
【0040】
実質的に平面の連続材料の切断により、継ぎ合わされて継続する連続的な実質的に平面の連続材料を提供する、先行する実質的に平面の連続材料の所定の端部および後続の実質的に平面の連続材料の所定の頭部が提供される。従って、重なった部分の長軸方向の延長部、および実質的に平面の連続材料が融合される融合部分の長軸方向の延長部が、より正確に画定されうる。特に、長軸方向の延長部のサイズは制限される場合があり、これにより重なった部分が除去された場合には廃棄物が減少しうる。
【0041】
機械的衝撃は、重なった部分、または重なった部分の少なくとも機械的衝撃が適用される部分の厚さを減少させる。厚さの減少は、重なった部分の約10パーセント〜約30パーセントの範囲としうる。例えば、それぞれ厚さ約50ミクロンを持つ2つのポリ乳酸シートを重ねる時、融合部分の厚さは約80ミクロン程度としうる。
【0042】
実質的に平面の連続材料の切断は、その後で実施されうる。切断は、両方の実質的に平面の連続材料について同時に実施されうる。切断は、同一または個別の切断ユニット内で実施されうる。切断は、2つのウェブの重ね合わせが切断工程の後で、好ましくは2つの連続的なシートを相互に平行に整列した後で実施されるよう、別個の切断ユニットで実施されることが好ましい。従って、切断ユニット(単数または複数)の配置に応じて、実質的に平面の連続材料は相互に横並びに配置されてもよく、または切断時に既に相互の上に来るようにしてもよい。重ね合わせる時、実質的に平面の連続材料は、実質的に平面の連続材料の長軸方向の中心軸に沿って中心を揃えて相互の上に来るように整列されることが好ましい。切断により端切断部が提供され、端部および頭部が明確に画定される。これにより、重なった部分も明確に画定されうるが、特に補完的な切断部では、規則正しいまたは対称的な重なった部分が形成されうる。
【0043】
切断は、ある角度で、好ましくはそれぞれ継ぎ合わせ角度またはハンマー端の角度に相当する切断角度で実施されることが好ましい。このために、1つまたは2つのナイフまたは切刃が連続材料の移動方向を横断して配置される。1つまたは2つのナイフまたは切刃は、連続的シート材料の移動方向と直角をなす方向に対して、ある角度で配置されることが好ましい。その点で、移動方向を横断する方向は、移動方向に対して直角をなす方向から約10度〜約60度の範囲、好ましくは約15度〜約45度、例えば40度の切断角度だけ偏向する。すなわち、切刃(単数または複数)は、移動方向に直角には配置されておらず、正確な直角をなす方向に対してわずかに斜めでもある。
【0044】
液体、好ましくは水を、少なくとも一つの実質的に平面の連続材料に加えることで、実質的に平面の連続材料の材料を湿らせて軟化させうる。実質的に平面の連続材料、特にたばこシートの材料はそれ自体がある一定の粘着性を持ちうるが、そうした粘着性は水を加えることで促進されうる。液体または水は、一方の実質的に平面の連続材料にのみ追加されることが好ましい。これにより、追加された液体は、接続にマイナスの影響を及ぼしかねない余分な水なしに、実質的に平面の連続材料の接触領域での実質的に平面の連続材料の継ぎ合わせ工程をサポートしうる。液体として、最終製品内で発生されうるエアロゾルに影響を及ぼさない流体が使用されることが好ましい。継ぎ合わせ工程を支援するための使用に適した水以外の液体としては、例えば、アルコールなどの揮発性物質が考えられる。
【0045】
切断位置は、継ぎ合わせ位置の上流に位置することが好ましい。実質的に平面の連続材料に水を配給する水配給装置は、第一または第二の実質的に平面の連続材料を切断するためのナイフの位置に配置されることが好ましい。
【0046】
第一の実質的に平面の連続材料および第二の実質的に平面の連続材料は、ポリ乳酸シート(PLA)またはたばこシートであることが好ましい。
【0047】
ポリ乳酸シートは、約10ミクロン〜約250ミクロン、好ましくは約50ミクロンの厚さを持ちうる。ポリ乳酸シートは、約80℃程度の低い融解温度を持つ。継ぎ合わせに伴い、融解温度に達することが好ましい。
【0048】
たばこシートは、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこまたはその任意の組み合わせを含みうる。たばこシートはキャストリーフたばこであることが好ましい。キャストリーフたばこは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、風味、および結合剤を含むスラリーから形成される再構成たばこの一形態である。たばこ粒子は、望ましいシートの厚さおよびキャスティングギャップに応じて、微粒子サイズが約30ミクロン〜80ミクロンまたは約100ミクロン〜250ミクロン程度であることが好ましいたばこダストの形態としうる。繊維粒子は、たばこ茎材料、葉柄またはその他のたばこ植物材料、およびその他のセルロース系繊維(リグニン含有量の低い木材繊維など)を含みうる。繊維粒子は低い含有率(例えば、およそ2〜15%の率)に対してキャストリーフに十分な引張強さをもたらす要求に応じて選択しうる。別の方法としてまたは追加的に、繊維(植物繊維など)を上述の繊維とともにまたは代替として使用しうるが、これには大麻および竹などが含まれる。
【0049】
キャストリーフたばこを形成するスラリーに、エアロゾル形成体を追加されうる。機能上、エアロゾル形成体は、キャストリーフたばこがたばこ製品内で使用されることが意図される温度範囲内で気化する能力を備えているべきであり、かつエアロゾル形成体がその気化温度よりも高く加熱された時にエアロゾル中のニコチンまたは風味またはニコチンと風味の両方の運搬を促進する。エアロゾル形成体は、室温温度かその付近の温度で化学的に安定しキャストリーフたばこ内で本質的に静止した状態を保つがそれより高い温度、例えば40〜450℃で気化することができるその能力に基づき選択されることが好ましい。
【0050】
エアロゾルという用語は本明細書で使用される時、固体粒子または液体粒子および気相を含むコロイドを意味する。エアロゾルは、固体粒子および気相から構成される固体エアロゾルでもよく、液体粒子および気相を含む液体エアロゾルでもよい。エアロゾルは、気相中に固体粒子および液体粒子の両方を含みうる。ガスおよび蒸気の両方は本明細書で使用される時、ガスであると考えられる。
【0051】
たばこシートは、乾燥質量ベースで約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。好ましい実施形態において、たばこシートは乾燥質量ベースにおいておよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0052】
エアロゾル形成体は極性があり、かつキャストリーフたばこ内で望ましい範囲内に水分を保つのに役立つことができる湿潤剤としての機能を持つことが好ましい。キャストリーフたばこ中の湿潤剤の含有量は、15パーセント〜35パーセントであることが好ましい。
【0053】
エアロゾル形成体は、ポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、脂肪酸および一価アルコール(メントールなど)から選択することができ、また多価アルコール(プロピレングリコールなど)、グリセリン、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレン炭素塩、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニル酢酸塩、エチルバニリン酸塩、トリブチリン、ラウリル酢酸塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、およびプロピレングリコールといった化合物のうち一つ以上を含みうる。
【0054】
一つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせて、組み合わされたエアロゾル形成体の一つ以上の属性を利用しうる。例えば、トリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせて、有効成分を運搬するトリアセチンの能力とグリセリンの湿潤性を利用しうる。
【0055】
たばこキャストリーフまたはその他のたばこシートは、その後ロッド状のセグメントの形態に捲縮した、集められた、および/または折り畳まれたものであることが好ましい。キャストリーフ材料は、粘着性である傾向があり、また可塑的に変形が可能である。こうしたキャストリーフセグメントに圧力が作用する場合、セグメントは、その意図された、例えば円形の形状から不可逆的に逸脱する傾向にある。
【0056】
ところが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、酢酸セルロース(CA)、およびアルミ箔またはその任意の組み合わせから構成される群から選択されるシート材料など、その他のシート材料も、本発明による方法で継ぎ合わされうる。
【0057】
本発明による方法で使用される実質的に平面の連続材料は、約150ミリメートル〜約250ミリメートルの幅を持つことが好ましい。
【0058】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1図1は、継ぎ合わせの前の実質的に平面の連続材料の2つのウェブの上面図を示す。
図2図2は、継ぎ合わせ中の実質的に平面の連続材料の2つのウェブの上面図を示す。
図3図3は、継ぎ合わせの後の実質的に平面の連続材料の2つのウェブの上面図を示す。
図4図4は、機械的圧力ユニットを示す。
図5図5は、図4の圧力ユニットのハンマーを示す。
図6図6は、本発明による器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1〜3には、継ぎ合わせ工程が示されている。第一の連続的に平面の材料ウェブ70および後続する第二の連続的に平面の材料ウェブ71は、搬送方向100に沿って搬送される。両方のシート材料70、71は、同一の幅を持ち、またそれらの長軸方向の中央軸に沿って整列されている。第一のウェブの端部および第二のウェブの頭部は切断され、相互に補完的な形態を持つ所定の端切断部700が提供される。ナイフ(図示せず)は、ウェブが角度102でウェブの幅に、または搬送方向100に対して直角をなす方向101で切断されるように、配置されている。図2に示す通り、ウェブ70、71は次に重ね合わされて、重なった部分701を形成する。斜めに切断されたウェブのために、重なった部分701は平行六面体を形成する。ウェブが切断される角度102は、重なった部分のサイズに影響する。特に、重なった部分の長軸方向の延長部702は、小さな切断角度102で小さく保たれうる。切断角度は約10度〜約60度の範囲、好ましくは約15度〜約45度、例えば40度としうる。重なった部分の長軸方向の延長部102は、10ミリメートル〜100ミリメートル、例えば40ミリメートル〜80ミリメートルの範囲であることが好ましい。
【0061】
図3では、2つのウェブは、重なった部分を部分的に融合することにより継ぎ合わされている。2つのウェブの接続部は、ウェブ70、71の2つの側面上に配置された2つの平行六面体の形態の融合部分703によって形成される。2つの部分はウェブの側端に延びるが、2つの部分の間には空隙を残している。連続的な融合部分703は、信頼できる継ぎ合わせのために、ウェブの幅全体が必ずしも連続的に融合される必要はないことが示されている。さらに、融合された部分の間の空隙には、ウェブを搬送するためのコンベヤーベルト10(例えば、真空 ベルト)が、ウェブの下に配置されており、点線で示されている。融合部分703は、アンビルに衝突する2つのハンマーにより機械的衝撃をウェブ上に適用して形成されるが、ここで、ハンマーの間に配置されたコンベヤーベルトには機械的衝撃は適用されない。ハンマーはウェブの幅にわたり延びるように配置されるが、搬送方向100に直角をなす方向101に対して、ある角度でも配置される。表示した実施形態では、切断角度102および継ぎ合わせ角度は実質的に同一である。継ぎ合わせ角度はまた、切断角度と異なる角度でもよく、約10度〜約60度の範囲、好ましくは約15度〜約45度、例えば40度としうる。
【0062】
図4は、2つのハンマー31および駆動手段32(例えば、加圧空気供給源)を備えた圧力ユニット3を示す。駆動手段32は、ピストン30を駆動し、このピストンがハンマーを駆動する。従って、ピストンは拡大した頭部300を含み、ここに2つのハンマー31が取り付けられる。ハンマー31は、継ぎ合わされる平面の材料に作用する長軸方向のハンマー表面310を含みうる。ハンマー31は、2つのハンマー表面310が同一の想像線上にあるように整列される。ハンマー31は、この想像線上で互いに間隔を置いている。ハンマー31は、ハンマーを減衰するために、それぞれ2つのばね座金313またはベローズを備える。各ハンマーには、ハンマー31を加熱する、または冷却する、または加熱および冷却をするための外部接続312が提供されている。圧力ユニットはさらに、ピストン30の拡大した頭部300と機械的に接続された長軸方向の案内手段24を備える。案内手段24は、叩く動作時に、すなわち、ハンマー31を介してウェブ材料に機械的衝撃を適用する時に、ピストン30を案内する。これらは、ハンマー31への力の分布の均衡を支援し、また意図しないハンマーの回転を防止しうる。圧力ユニット34は、サポート35を介して器具に取り付けられる。
【0063】
継ぎ合わされるウェブの搬送方向は、矢印100によって示されている。ハンマー31の位置は、搬送方向100に対して、かつ搬送方向と直角をなす方向に対して、切断角度102に対応する継ぎ合わせ角度だけ斜めである。ピストン30は回転しないように固定されるが、この回転位置は変動しうることが好ましい。従って、ピストン30は、ハンマー31の位置を変化させるために、すなわち継ぎ合わせ角度を変化させるために、その長軸方向軸の周りを回転しうる。
【0064】
図5には、図4の圧力ユニットにある2つのハンマー31のうち一つが示されている。ハンマー31は、継ぎ合わされるウェブ材料に作用するハンマー表面を備えたハンマー端310を持つ。ハンマー31はまた、加熱用または冷却用の接続部をハンマーに接続するための開口部311を備える。こうした加熱の接続は、例えば、電気的接続、または加熱用または冷却用の流体をハンマーの内部に導入したり通過させたりするための管による接続でもよい。ハンマーの模範的な値は、重さ120グラム、寸法:105×18×35ミリメートル、ハンマー表面の幅は6ミリメートルとしうる。
【0065】
実質的に平面のハンマー端310は、ウェブ材料の融合用に使用されることが好ましい。例えば、低い融解温度を持つ、すなわち機械的衝撃に伴い融解温度に到達するかまたは超える薄い材料では、継ぎ合わせ用に平坦な断面を使用することが好ましい場合がある。材料の溶融は、強力な融合部分を生成するのに十分でありうる。従って、平面のハンマー表面は、融合部分703で材料を弱める傾向のある穴や薄いスポットが形成されるリスクなしに、2つのウェブ間での信頼できる接続部の形成を保証する。
【0066】
ところが、例えば厚めの材料(例えばウェブ当たり200ミクロンよりも厚い)など継ぎ合わされるウェブ材料によっては、構造化されたハンマー表面が使用されてもよい。構造化されたハンマー表面は、例えば、三次元の鋸歯状のプロフィールを持つか、またはピラミッド型の突起グリッド構造である。構造は、一方のウェブの材料を第二のウェブの材料に融合することを支援しうる。
【0067】
図6は、それぞれが、例えば、紙またはプラスチックのウェブ、金属箔またはたばこウェブなどの実質的に平面の連続材料を搬送するための2つの搬送ベルト10を備えた搬送ユニット1を示す。搬送ベルト10は、切断ユニット2の下を通過し、次に偏向ローラー12によって案内され、圧力ユニット3を通り相互に平行に、また、圧力ユニット3の下流に配置されたエンボス加工ローラー5を通って導かれる。駆動ローラー11の上では、コンベヤーベルトが再び偏向ローラー12によって案内され、それによって連続的なベルトループが形成されうる。
【0068】
切断ユニット2はそれぞれ、切断ユニット12の下のコンベヤーベルト上を搬送される連続ウェブを切断するためのナイフ20を保持するナイフホルダーを備える。切断ユニット2には、例えば、図1〜3に関連して図示または描写した通り、それぞれが、切断領域でまたは将来の重なった部分701の一部となるウェブ部分上に水をウェブに供給するための水配給装置21も提供されている。水配給装置は、例えばノズルを備えてもよい。一つの水配給装置は随意選択できるように、または一度に一つの水配給装置のみを有効にしうるように、一方のウェブ上、好ましくは将来的に下側に来るウェブ上のみに水が配給または噴霧されることが好ましい。
【0069】
圧力ユニット3は、ピストンの遠位端に配置された一つまたは複数のハンマー31を備えるピストン30を作動させるためのアクチュエータ32を備える。アンビル33は、ピストン30およびハンマー31の反対側に配置されている。搬送ベルト10によって搬送されるウェブは、ハンマー31とアンビル33の間に位置する継ぎ合わせ位置36を通過して並列に案内される。継ぎ合わせ位置36では、ウェブは、確実にウェブを継ぎ合わせるのに必要な重なった部分を持って配置されている。次に、圧力ユニット3は、ハンマー31からのアンビル33に対する打撃など機械的インパルスを適用するために作動させられるが、そこで重なった部分がハンマーとアンビルの間に配置される。これにより、2つのウェブは一つに融合され、さらに下流には、エンボス加工用ローラー5間を通過する際に、例えば、エンボス加工構造、捲縮構造または折り畳み構造といった構造が提供されうる。図6に示す通り、ウェブは垂直下方向に搬送され、圧力ユニット3に入り、圧力ユニットを通過する。それによって、ウェブの搬送および重ね合わせが重力により支えられる。融合され、かつエンボス加工が施された連続ウェブはさらに垂直に搬送されて器具を出て、その一方で、ベルト10は、駆動ローラー11によって案内されて戻り、実際に使用されるウェブ材料の次の端部に継ぎ合わされるさらなるウェブ材料を供給する。
【0070】
制御ユニット4は、圧力ユニット3および駆動ローラー11を制御し作動させるために提供されている。ウェブは、継ぎ合わされている間は静止していることが好ましい。従って、制御ユニット4を介して、駆動ローラー11は、継ぎ合わせ工程用にコンベヤーベルト10を減速または停止しうる。継ぎ合わせ工程の後、少なくとも一つのコンベヤーベルト10は、この時点で継ぎ合わされたウェブの搬送を継続し始める。これは、ベルト(単数または複数)の速度を最終速度に達するまでゆっくりと上げて実施されることが好ましい。
【0071】
継ぎ合わせ設定の模範的実施形態は次の通りである。
【0072】
材料:厚さ50ミクロン±5ミクロンの2つのポリ乳酸ウェブ;斜めに切断したウェブ(切断角度40度で切断)が、約80ミリメートルの重なった部分の長軸方向の延長部で重ね合わされるように作製される。
【0073】
圧力ユニット:空気圧2.4バールが、50ミリメートルの断面と20平方センチメートルのピストン面積を持つピストン30にかけられる;それぞれが約100℃に加熱される、約6平方センチメートルのハンマー端面積を持つ2つのハンマー31;450ニュートンで350ミリ秒の持続時間の力の機械的インパルスが重なったPLAウェブにかけられる。
【0074】
図示した実施形態は2つのハンマーを備えるが、本発明の範囲を逸脱することなく、この設定の変形が意図されている。例えば、1つまたは3つのハンマーが提供されてもよく、一方で、1つ、2つまたはそれ以上のコンベヤーベルトは融合ゾーン外で案内される。例えば、コンベヤーベルトは、ハンマーの位置の外から見て横方向にずらしてもよく、また隣接するハンマー間に配置されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6