【課題を解決するための手段】
【0017】
上記した目的を達成するために、本発明は、
一方の炭素系三次元材料を一極として、他方の炭素系三次元材料又は不活性材料を他極として、それぞれ直流電源の両極(即ち、正極と負極)と接続し、そのうち、少なくとも一極の炭素系三次元材料の一方の端面が、作業面として電解質溶液の液面と平行して接触する工程、
その後通電を始め、通電電解する間に、前記作業面としての端面の作業区間が、前記電解質溶液の液面の下方から上方までの−5mm〜5mm(負値は、液面の下方にあることを表し、正値は、液面の上方にあることを表し、作業の時溶液液面の上昇現象が生じるため、正値が現れる)の範囲内にある工程、
前記端面が前記作業区間内にあるように断続又は連続して制御することにより、少なくとも一極の炭素系三次元材料の端面におけるグラファイトシート層が、酸化グラフェンに電気化学的酸化膨張解離及び切断され、前記電解質溶液に分散され、酸化グラフェンを含有する電解質溶液が得られる工程、
を含む、炭素系三次元材料端面を電気化学的酸化切断することにより酸化グラフェンを製造する方法を提供する。
【0018】
上記した方法において、好ましくは、前記酸化グラフェンを含有する電解質溶液において、酸化グラフェンの濃度が0.01−100mg/mLである。
【0019】
上記した方法において、ただ一極の炭素系三次元材料の一方の端面のみが作業面として電解質溶液の液面と平行して接触する時に、他極の炭素系三次元材料又は不活性材料の全体又は一部が前記電解質溶液に浸漬する。両極の炭素系三次元材料は、同じ種類又は異なる種類の材料である。
【0020】
上記した方法において、一極及び他極の炭素系三次元材料の一方及び他方の端面はいずれも作業面として、いずれも前記電解質溶液の液面と平行して接触してもよく、両極の炭素系三次元材料は、同じ種類又は異なる種類の材料でもよい。
【0021】
上記した方法において、選択された炭素系三次元材料は、グラファイト層状構造を含有し、規則形状を有する構造物であり、好ましくは、前記炭素系三次元材料は、天然グラファイト又は人工グラファイトより製造されたグラファイトシート、紙、板、糸、管、棒;炭素繊維トウおよびそれで編んだ構造物であるフェルト、布、紙、縄、板、管などの中の一種または複数種の組み合わせを含む。
【0022】
上記した方法において、好ましくは、前記の作業面として電解質溶液の液面と平行して接触する炭素系三次元材料の端面は、前記炭素系三次元材料の微視的グラファイトシート層二次元配向のうち一つとの夾角が60°以上(より好ましくは60−90°である)である巨視的表面である。
【0023】
上記した方法において、好ましくは、前記電気化学的酸化方式は、ただ一極の炭素系三次元材料の一方の端面のみをずっと陽極作業面として、或いは交互に循環して陽極、陰極作業面とする(同時に、一方の炭素系三次元材料又は不活性材料を他極として、他極の全体又は半分を電解質溶液に浸漬又は浸漬する)。電解過程において、直流電源の動作電圧が80Vを超えず、前記端面に対する動作電流密度が+又は±1〜300A/cm
2(但し、符号+は、陽極電流密度を表し、符号±は、交互循環過程における陽極と陰極電流密度を表す)である。交互循環電解過程において、交互して陽極又は陰極とする動作電流密度が同じでも異なっていてもよい。
【0024】
上記した方法において、好ましくは、前記電気化学的酸化方式は、一極及び他極の炭素系三次元材料の一方及び他方の端面がいずれも作業面として、両端面が交互に循環して、それぞれ陽極又は陰極作業面とする。電解過程において、直流電源の動作電圧が100Vを超えず、各端面に対する動作電流密度が±1〜300A/cm
2(但し、符号±は、交互循環過程における陽極と陰極電流密度を表す)である。交互循環電解過程において、交互して陽極又は陰極とする動作電流密度が同じでも異なっていてもよい。
【0025】
上記した製造過程において、一方の炭素系三次元材料を陽極として、他方の炭素系三次元材料又は不活性電極を陰極として、それぞれ直流電源の正極、負極と接続する。通電する前に、少なくとも陽極としての炭素系三次元材料の一方の端面を電解質溶液の液面と平行して接触させる(端面が溶液に入る許容誤差を液面に対して5mm未満とする)。通電した後、表面張力と電極表面で生じる泡の機械的作用の下で、液面上昇が生じることにより、炭素系三次元材料端面が通電前の電解液液面の上方にあるように作業してもよい。通電する間に、炭素系三次元材料端面の作業区間は、電解液の液面の下方から上方までの−5mm〜5mmの範囲内にある。炭素系三次元材料端面が上記した通電液面移動作業区間にあるように断続又は連続して制御することにより、炭素系三次元材料端面における微視的グラファイトシート層は、酸化グラフェンに電気化学的酸化膨張解離及び切断され、前記電解質溶液に分散される。又、一極及び他極の炭素系三次元材料の一方及び他方の端面を全て作業面として、いずれも前記電解質溶液の液面と平行して接触した後、通電反応してもよい。両極の極性を交換した後、通電反応することにより、一極の炭素系三次元材料の一方の端面、或いは両極の炭素系三次元材料の両端面を、交互に循環して陽極、陰極作業面としてもよい。
【0026】
上記した製造過程において、一方の炭素系三次元材料の端面を、交互に循環して陽極作業面、陰極作業面とする効果は以下のとおりである。即ち、炭素系三次元材料の酸化、還元、再酸化という循環処理を実現でき、上記した単独の酸化過程に比べて、酸化切断深さに対する制御を達成できるという長所を有するが、生産効率がやや低いという短所を有する。この短所を補うために、一極及び他極の炭素系三次元材料の一方及び他方の端面を全て作業面として、いずれも前記電解質溶液の液面と平行して接触させ、両端面を交互に循環してそれぞれ陽極又は陰極作業面とする。その効果は以下のとおりである。即ち、両極炭素系三次元材料の同時の酸化、還元、再酸化という循環処理を実現でき、上記した一極の交替酸化還元処理過程に比べて、生産効率が高いという長所を有するが、両極の作業面積がいずれも小さいので、生産のエネルギー消費量が高いという短所を有する。より具体的に、炭素系三次元材料の端面を陰極作業面とする時、それが還元反応を生じることにより、酸化されたグラファイトシート層を還元することができ、その後交互して陽極作業面として、さらに酸化過程により解離及び切断することで、酸化切断深さに対する制御を達成できる。
【0027】
上記した方法において、前記酸化グラフェンは酸化グラフェン量子ドット及び/又は酸化グラフェン微小板を含み、好ましくは、そのうち酸化グラフェン量子ドットは、厚さが1−10個の1原子層であり、粒子径が1−100nmである酸化グラフェン量子ドットであり、酸化グラフェン微小板は厚さが1−30個の1原子層であり、粒子径が101nm−10μmの酸化グラフェン微小板である。
【0028】
上記した方法において、好ましくは、前記酸化グラフェン(即ち、酸化グラフェン量子ドット及び/又は酸化グラフェン微小板)は、炭素と酸素及び/又は窒素との原子比が1:1−25:1(即ち、炭素原子数:酸素及び/又は窒素原子数)である。
【0029】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、上記した方法は、具体的に、炭素繊維先端面を電気化学的酸化切断することにより(酸化)グラフェン量子ドットを製造する方法を含むことができ、当該方法は以下の工程を含む。
トウ状炭素繊維(モノフィラメント又はマルチフィラメント)を陽極として、不活性電極を陰極として、それぞれ直流電源の正極、負極と接続する;
前記不活性電極を電解質溶液に浸漬する(全体浸漬又は一部浸漬してもよい);
炭素繊維陽極の作業面は揃ったトウ先端面からなり、通電する前に炭素繊維先端面を前記電解質溶液の液面と平行して接触させる;
その後通電を始め、通電する間に、炭素繊維先端面の作業区間が電解質溶液の液面の下方から上方までの−5mm〜5mm(好ましくは−3mm〜5mm)の範囲内にある;
炭素繊維先端面が前記作業区間内にあるように断続又は連続して制御することにより、炭素繊維先端面における微結晶グラファイトシート層は、グラフェン量子ドット(即ち、酸化グラフェン量子ドット)に電気化学的酸化膨張解離及び切断され、前記電解質溶液に分散され、グラフェン量子ドット溶液(即ち、酸化グラフェン量子ドット溶液)が得られる。
【0030】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、採用された原料炭素繊維は微結晶グラファイトシート層構造からなり、微結晶三次元サイズが10−100nmであり、微結晶グラファイトシート層配向が繊維軸配向に対して60%以上であり、高温炭化によって得られた種々の形状の導電性炭素材料であり、トウのモノフィラメント直径が1−15μmである。微結晶グラファイトシート層のサイズが小さく、続く電気化学的酸化切断作用に有利であり、1−10層、粒子径1−100nmの(酸化)グラフェン量子ドットに解離されることができる。高配向は、電気化学的切断過程による酸化グラフェン量子ドットのサイズ及び形状に対する制御に有利である。高温炭化によって得られた炭素繊維は、導電性が良く、電気化学的酸化切断過程に必要な電子輸送に有利であり、製造過程における発熱現象を減少することにも有利である。トウ状形態は、より均一な電流分布に有利であり、電流を各微結晶構造に直接に作用させることで快速の酸化切断過程を完成することにも有利である。そして、規則形態は繊維の制御不能な断線を防止することができ、生成物の有効生産率を向上させることにも有利である。
【0031】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造過程において、トウ状炭素繊維を陽極として、不活性電極を陰極として、それぞれ直流電源の正極、負極と接続する。その中、不活性電極を電解槽の電解質溶液に全体浸漬する。炭素繊維陽極作業面は揃ったトウ先端面からなり、通電する前に炭素繊維先端面を電解質溶液の液面と平行して接触させる(先端面が溶液に入る許容誤差は、液面に対して3mm未満である)。通電した後、表面張力と陽極酸化によって生じる泡の機械的作用の下で、液面上昇が生じることにより、炭素繊維先端面も通電前の電解質溶液の液面の上方にあるように作業してもよい。通電する間に、炭素繊維先端面の作業区間は、電解質溶液の液面の下方から上方までの−5mm〜5mm(好ましくは−3mm〜5mm)の範囲内にある。炭素繊維先端面が上記した通電液面移動作業区間にあるように断続又は連続して制御することにより、炭素繊維先端面における微結晶グラファイトシート層は、1−10層であり、粒子径1−100nmである酸化グラフェン量子ドットに電気化学的酸化膨張解離及び切断され、そして電解質溶液に分散される。さらに酸化グラフェン量子ドットと溶液を分離し、コロイド状態又は固体状態の酸化グラフェン量子ドットを得ることもできる。
【0032】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、前記炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維及びグラファイト繊維などのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。
【0033】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、前記電気化学的酸化切断過程における電気化学の制御パラメータは以下のとおりである。直流電源の動作電圧は80V以下であり、炭素繊維先端面に対する動作電流密度は1−30A/cm
2であり、動作電流密度の要求を満たす条件下で、直流電源は定電圧又は定電流出力制御方式でもよい。直流動作電圧は十分な動作電流を出力する要求を満たすためのものである。炭素繊維先端面における動作電流密度が低いと、酸化切断能力が低減し、効率が低いだけではなく、製品の品質にも影響を及ぼす。動作電流密度が高いと、酸化切断能力を向上させることができるが、高すぎると炭素繊維のアブレーションになり、溶液温度が大いに上昇し、ひいては大量分解して、生産率が下がり、エネルギー消費量が増加し、さらに製品の品質に影響を及ぼす。
【0034】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、前記の1−10層で、粒子径1−100nmの(酸化)グラフェン量子ドットの生産率は90%以上である。(ここでは、生産率とは、反応物としての炭素系三次元材料のうち有効に目的生成物としての酸化グラフェンに転換されることができる部分の質量と炭素系三次元材料の初期質量との比である。)
【0035】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、製造された(酸化)グラフェン量子ドットの炭素/酸素原子比が2:1−20:1である。
【0036】
上記した酸化グラフェン量子ドットの製造方法において、好ましくは、原料としてポリアクリロニトリル系炭素繊維を用いる時、得られた(酸化)グラフェン量子ドットに窒素ドープが含有され、窒素原子比含有量(原子個数含有量)が1−6%である。
【0037】
上記した酸化グラフェン製造方法及びそれに具体的に含まれる酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法において、好ましくは、前記電解質溶液がイオン導電能力を有する溶液であり、且つ当該電解質溶液の導電率が10mS/cm以上である。溶液の導電率が低すぎると、電気化学的加工効率が下がり、溶液温度の上昇が速すぎるようになり、エネルギー消費量が増加し、製品の品質が落ちる。
【0038】
上記した酸化グラフェン製造方法及びそれに具体的に含まれる酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法において、前記不活性材料は電解質溶液による腐食に耐える導電性材料であり、好ましくは、前記不活性材料はステンレス、チタン、白金、ニッケル基合金、銅、鉛、グラファイト及びチタン基酸化物などのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。
【0039】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、上記した酸化グラフェン製造方法及びそれに具体的に含まれる酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法は、さらに以下の工程を含む。物理及び/又は化学方法によって前記酸化グラフェンを含有する電解質溶液及び/又は前記(酸化)グラフェン量子ドット溶液を分離することにより、その中の電解質及び不純物などを除去し、酸化グラフェンを含有する水又は有機溶液或いはコロイド状態又は固体状態の酸化グラフェン、及び/又は(酸化)グラフェン量子ドットを含有する水又は有機溶液或いはコロイド状態又は固体状態の(酸化)グラフェン量子ドットを得る。その中、有機溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、N−2−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。より好ましくは、前記物理及び/又は化学方法は、ろ過、真空乾燥、凍結乾燥、遠心分離、透析、蒸留、抽出、及び化学沈殿などのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。
【0040】
より具体的に、上記した酸化グラフェン製造方法は、さらに以下の工程を含む。物理及び/又は化学方法によって前記酸化グラフェンを含有する電解質溶液を分離することで、その中の電解質及び不純物などを除去し、酸化グラフェンを含有する水又は有機溶液或いは固体状態の酸化グラフェンを得る。その中、有機溶媒は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、N−2−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。より好ましくは、前記物理及び/又は化学方法は、ろ過、遠心分離、透析、蒸留、抽出、及び化学沈殿などのうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。上記した酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法は、さらに以下の工程を含む。前記(酸化)グラフェン量子ドット溶液における(酸化)グラフェン量子ドットと液体を分離し、コロイド状態又は固体状態の(酸化)グラフェン量子ドットを得る。より好ましくは、前記(酸化)グラフェン量子ドット溶液のおける(酸化)グラフェン量子ドットと液体を分離する方法は、遠心分離、真空乾燥および凍結乾燥のうちの一種又は複数種の組み合わせを含む。
【0041】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、上記した酸化グラフェン製造方法及びそれに具体的に含まれる酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法は、さらに以下の工程を含む。前記酸化グラフェンを含有する電解質溶液及び/又は前記(酸化)グラフェン量子ドット溶液は、真空ろ過及び/又は透析処理することにより、生成物の粒子径分布をさらに狭くする。
【0042】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、上記した方法はさらに以下の工程を含む。前記酸化グラフェン(溶液或いはコロイド状態又は固体状態)及び/又は前記(酸化)グラフェン量子ドット(溶液或いはコロイド状態又は固体状態)に対して、液相化学的還元、電気化学的還元、熱還元、紫外線照射還元、マイクロ波還元、活性金属還元及び気相還元のうちの一種又は複数種の処理をすることにより、炭素/酸素原子比をさらに向上させる。この際、還元状態のグラフェン量子ドット及び/又はグラフェン微小板が得られる。
【0043】
本発明で提供する酸化グラフェンの製造方法は、従来の電気化学的製造過程に比べて、電流をとても小さい範囲に集中作用させることができ、電流密度の均一な分布を実現し、従来の電気化学的製造方法において作用電極の異なる部分(端面、側面、溶液中、液面の所)が電流密度の不均一な分布により生じた断片、生成物形態及びサイズの違いという問題を回避できるだけではなく、極めて高いエネルギー密度を得る。従来の電気化学的製造方法に比べて、より高い酸化膨張解離及び切断能力を有するので、層数がより低く、粒子径サイズ及び分布を制御することが可能であり、快速で生産量が高い酸化グラフェン製造を実現した。
【0044】
本発明は、上記した炭素系三次元材料端面を電気化学的酸化切断することで酸化グラフェンを製造する方法により製造されて得られた酸化グラフェンも提供する。なお、上記した方法における還元処理により炭素/酸素原子比を上げた後、還元状態のグラフェン(グラフェン量子ドット及び/又はグラフェン微小板を含む)を得る。
【0045】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、前記酸化グラフェンは酸化グラフェン量子ドット及び/又は酸化グラフェン微小板を含み、そのうち酸化グラフェン量子ドットは厚さが1−10個の1原子層であり、粒子径が1−100nmである酸化グラフェン量子ドットであり、酸化グラフェン微小板は厚さが1−30個の1原子層であり、粒子径が101nm−10μmの酸化グラフェン微小板である。なお、上記した方法における還元処理により炭素/酸素原子比を上げた後、得られた還元状態のグラフェン量子ドット及び/又はグラフェン微小板のサイズは、相変わらず上記した範囲内にある。
【0046】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、前記酸化グラフェン(即ち、化グラフェン量子ドット及び/又は酸化グラフェン微小板)の炭素と酸素及び/又は窒素の原子比は1:1−25:1(即ち、炭素原子数:酸素及び/又は窒素原子数)である。なお、上記した方法における還元処理により炭素/酸素原子比を上げた後、得られた還元状態のグラフェン量子ドット及び/又はグラフェン微小板の炭素と酸素及び/又は窒素の原子比は、相変わらず上記した範囲内にある。
【0047】
本発明は、上記した酸化グラフェン量子ドットの好ましい製造方法により得られたグラフェン量子ドット(酸化グラフェン量子ドットを含む)であって、1−10層であり、粒子径が1−100nmあるグラフェン量子ドット(酸化グラフェン量子ドットを含む)である、グラフェン量子ドットも提供する。
【0048】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、前記グラフェン量子ドット(酸化グラフェン量子ドットを含む)は、炭素/酸素原子比が2:1−20:1である。
【0049】
本発明を実施するための形態によれば、好ましくは、前記グラフェン量子ドット(酸化グラフェン量子ドットを含む)は、窒素ドープを含有し、窒素原子比含有量が1−6%である。
【0050】
なお、本発明に記載された「(酸化)グラフェン量子ドット」は、「酸化グラフェン量子ドット」を指す。
【0051】
以上を纏めると、本発明の酸化グラフェンの製造方法は、化学酸化法及び従来の電気化学的製造方法に比べて、より高い酸化膨張解離及び切断能力を有し、生成物の小さい粒子径、低い層数、制御可能な粒子径サイズ分布及び酸化強さを実現することができるし、原料由来が広くて安価であり、生産設備が簡単であり、製造過程が容易であり、エネルギー消費量が低く、生産効率が高く、生産率が高く、及び、汚染せず工業化量産できる、などの長所を有している。