特許第6963516号(P6963516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963516
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】スロットル装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/02 20060101AFI20211028BHJP
   F02M 69/32 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   F02D9/02 305Z
   F02M69/32 J
   F02M69/32 L
   F02M69/32 B
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-11890(P2018-11890)
(22)【出願日】2018年1月26日
(65)【公開番号】特開2019-127934(P2019-127934A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】関口 眞一
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕美
(72)【発明者】
【氏名】北岡 竜也
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−228509(JP,A)
【文献】 特開2005−054775(JP,A)
【文献】 特開2004−183523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/02 − 9/10
F02M 69/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主通路を開閉するスロットル弁と、
前記主通路と,前記スロットル弁を迂回するべく,上流側通路,下流側通路,前記上流側通路と前記下流側通路を連通させる折返し通路を含む副通路と,前記折返し通路から分岐する分岐通路を含む第2副通路と,を有するボディと、
前記下流側通路の通路面積を調整するべく前記ボディに螺合された調整ネジと
前記分岐通路の通路面積を調整するべく前記ボディに設けられた電磁弁を備え、
前記ボディは、
前記調整ネジよりも上流側でかつ前記第2副通路よりも上流側において、前記副通路内に突出するように形成されて流体を衝突させる衝突壁と、
前記折返し通路を外側に向けて開放する開口部を有し、
前記電磁弁は、前記開口部を塞ぐように前記ボディに着脱自在に連結されるフランジ部を含む、
ことを特徴とするスロットル装置。
【請求項2】
前記折返し通路は、前記上流側通路から前記下流側通路に向かう流体に対して、折り返しつつ旋回する流れを生じさせるように形成されている、
ことを特徴とする請求項に記載のスロットル装置。
【請求項3】
前記第2副通路は、前記副通路の途中に合流して前記主通路に連通するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスロットル装置。
【請求項4】
前記調整ネジ及び前記電磁弁は、各々の軸線が平行になるように前記ボディに配置されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のスロットル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車等に搭載されるエンジンの吸気系に配置されるスロットル装置に関し、特に、スロットル弁を迂回する副通路にアイドル調整用の調整ネジを備えたスロットル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットル装置としては、吸気通路を画定するボディ、吸気通路を開閉するスロットル弁、スロットル弁を迂回するようにボディに形成されたバイパス通路、バイパス通路の計量孔の直近下流に捩じ込まれて流量を調整するアイドル調整弁を備え、アイドル調整弁が、ボディのネジ孔に捩じ込まれるネジ軸、外周に形成された計量溝、内部に形成された行き止まり孔、行き止まり孔と計量溝を連通する複数の通孔、及び通孔よりも奥側において行き止まり孔に形成された異物溜まりを有する、エンジンのアイドル調整装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このスロットル装置においては、バイパス通路に侵入した微細な異物が、ボディに形成された計量孔の壁面に付着するのを防止するべく、アイドル調整弁に設けた行き止まり孔及び異物溜まりで捕獲しようとする構造、すなわち、アイドル調整弁の内部通路において異物を捕獲する構造である。
【0004】
上記従来の装置では、アイドル調整弁の内部に形成された通路も、バイパス通路の一部をなす計量孔と同様な狭い通路である。
したがって、アイドル調整弁の内部通路において異物を捕獲することにより、ボディに形成されたバイパス通路の計量孔における異物の付着は防げても、アイドル調整弁の内部通路に異物が堆積すると、結果的にバイパス通路を流れる吸気量が変化することになる。
したがって、アイドル調整弁の再調整や取り外しによる清掃等が必要になる虞がある。
また、アイドル調整弁に種々の通路を形成するため、アイドル調整弁の品質管理の工数や製造コストの増加を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−223047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、異物の捕獲を確実に行うことができ、アイドル調整用の調整ネジの初期設定を維持できるスロットル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスロットル装置は、主通路を開閉するスロットル弁と、主通路と,スロットル弁を迂回するべく,上流側通路,下流側通路,上流側通路と下流側通路を連通させる折返し通路を含む副通路と,折返し通路から分岐する分岐通路を含む第2副通路と,を有するボディと、下流側通路の通路面積を調整するべくボディに螺合された調整ネジと、分岐通路の通路面積を調整するべくボディに設けられた電磁弁を備え、ボディは、調整ネジよりも上流側でかつ第2副通路よりも上流側において副通路内に突出するように形成されて流体を衝突させる衝突壁と、折返し通路を外側に向けて開放する開口部を有し、電磁弁は、開口部を塞ぐようにボディに着脱自在に連結されるフランジ部を含む、構成となっている。
【0017】
上記スロットル装置において、第2副通路は、副通路の途中に合流して主通路に連通するように形成されている、構成を採用してもよい。
【0018】
上記スロットル装置において、調整ネジ及び電磁弁は、各々の軸線が平行になるようにボディに配置されている、構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0019】
上記構成をなすスロットル装置によれば、異物の捕獲を確実に行うことができ、アイドル調整用の調整ネジの初期設定を長期に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るスロットル装置を含むエンジンの吸気系を示すシステム図である。
図2】本発明に係るスロットル装置の一実施形態を示す外観斜視図である。
図3】本発明に係るスロットル装置の一実施形態を示す外観斜視図である。
図4図2及び図3に示すスロットル装置の分解斜視図である。
図5】本発明に係るスロットル装置の主通路、スロットル弁、副通路、衝突壁、第2副通路、調整ネジ、電磁弁を示す模式図である。
図6】スロットル装置の一部を切断したものであり、主通路、副通路、スロットル弁を示す部分断面斜視図である。
図7】スロットル装置の一部を切断したものであり、主通路、副通路、中間通路の上流側通路及び折返し通路、第2副通路を示す部分断面斜視図である。
図8】スロットル装置の一部を切断したものであり、主通路、中間通路の折返し通路及び下流側通路、第2副通路を示す部分断面斜視図である。
図9】スロットル装置の一部を切断したものであり、中間通路の折返し通路、第2副通路、電磁弁を示す部分断面図である。
図10】スロットル装置の副通路の一部をなす折返し通路を開口部側から視た部分図である。
図11】スロットル装置の副通路の一部をなす折返し通路を開口部側から視た部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図1ないし図11を参照しつつ説明する。
この実施形態に係るスロットル装置1は、図1に示すように、二輪車等に搭載されるエンジン2の吸気系3において、エアクリーナ4より下流側で吸気管5の途中に組み付けられるものである。
【0022】
スロットル装置1は、ボディ10、弁軸20、スロットル弁30、ボディ10に螺合された調整ネジ40、ボディ10に取り付けられた電磁弁50を備えている。
ここで、弁軸20は、スロットル装置1に隣接して設置される駆動源6により、制御ユニット7の制御信号に応じて適宜回転駆動される。
また、電磁弁50は、制御ユニット7の制御信号に応じて、適宜デューティ制御される。
【0023】
ボディ10は、アルミニウム等の金属材料により形成され、接続フランジ部11a,11b、主通路12、弁軸20を通す弁軸孔13、副通路14、第2副通路の一部をなす分岐通路15、衝突壁16、開口部17、取付け孔18、フランジ部19を備えている。
【0024】
接続フランジ部11a,11bは、主通路12が吸気系3の吸気通路の一部を画定するように、吸気管5の途中に連結される。
ここでは、接続フランジ部11aが上流側に連結され、接続フランジ部11bが下流側に連結される。
主通路12は、流体としての吸気が流れるように、軸線L方向に伸長する円筒状に形成されている。
弁軸孔13は、弁軸20が回転自在に通されるように円形孔に形成されている。
尚、弁軸20は、弁軸孔13に嵌合された軸受を介して支持されてもよい。
【0025】
副通路14は、スロットル弁30を迂回するように、主通路12から分岐して再び主通路12に合流するように形成されている。
ここで、副通路14は、主通路12から分岐する分岐通路14a、調整ネジ40が配置される領域よりも上流側において折れ曲がるように形成された中間通路14b、主通路12に合流する合流通路14cにより形成されている。
【0026】
分岐通路14aは、スロットル弁30よりも上流側において、円形断面で、主通路12から分岐して斜めに伸長するように形成されている。
中間通路14bは、分岐通路14aに連通する上流側通路14b1、上流側通路14b1と平行に伸長する下流側通路14b2、上流側通路14b1と下流側通路14b2を連通させる折返し通路14b3を含む、折れ曲がり通路として形成されている。
【0027】
上流側通路14b1は、略扇状の断面で、分岐通路14aの通路面積よりも大きい通路面積をなすと共に軸線Sと平行な一方向S1に伸長するように形成されている。
下流側通路14b2は、上流側通路14b1の通路面積よりも小さい通路面積をなす円形断面で、上流側通路14b1と平行で逆向きに伸長するように形成されている。
【0028】
折返し通路14b3は、上流側通路14b1の下流端と下流側通路14b2の上流端を連通させると共に通路面積が拡大する略円筒状の拡大空間として形成されている。
また、折返し通路14b3は、上流側通路14b1から流れ込んだ流体が下流側通路14b2に向けて流れ込む際に、その流体に対して折り返しつつ旋回する流れを生じさせるように湾曲して形成されている。
さらに、折返し通路14b3は、電磁弁50のフランジ部52が開口部17を塞ぐように連結されることにより、外部との連通が遮断されるようになっている。
【0029】
合流通路14cは、円形断面で、下流側通路14b2に連通すると共に、スロットル弁30よりも下流側において主通路12に向けて斜めに伸長して合流するように形成されている。
また、合流通路14cの上流端には、円形孔14c1が形成され、合流通路14cが主通路12に合流する下流端には、吸気の流れを湾曲流に変換させる湾曲壁14c2が形成されている。
【0030】
分岐通路15は、円形断面で、折返し通路14b3から分岐して、下流側通路14b2と平行に伸長し、調整ネジ40を迂回して合流通路14cの途中に合流するように形成されている。
すなわち、分岐通路15及び合流通路14cにより、中間通路14bの途中から分岐してスロットル弁30を迂回すると共に、副通路14の途中に合流して主通路12に連通する第2副通路が形成されている。
尚、分岐通路15の上流端には、電磁弁50の弁体53が着座し得る座面15aが形成されている。
【0031】
このように、第2副通路としての分岐通路15及び合流通路14cは、副通路14の途中の領域において調整ネジ40を迂回するように形成されるため、スロットル弁30の下流側においては、一つの副通路14が主通路12に開口する。それ故に、副通路14と第2副通路を形成する分岐通路15を別々に開口させる場合に比べて、主通路12に対する副通路14の開口位置の選定が簡単になる。
【0032】
衝突壁16は、調整ネジ40よりも上流側において、副通路14内を流れる吸気の流体に含まれる異物を衝突させて捕獲するものであり、中間通路14bの領域において、内部に突出するように形成されている。
ここで、衝突壁16は、上流側通路14b1の領域に形成された直線状の複数の衝突壁16a、折返し通路14b3の領域に形成された湾曲状の複数の衝突壁16bにより構成されている。
【0033】
複数の衝突壁16aは、上流側通路14b1の内壁から突出すると共に互いに離隔して一方向S1に平行に伸長する薄板状に形成されている。
これにより、上流側通路14b1内に複数の衝突壁16aが設けられても、開口部17から上流側通路14b1の最奥部まで視認できるようになっている。
【0034】
複数の衝突壁16bは、折返し通路14b3の内壁から突出すると共に千鳥状に配列され、一方向S1に平行に伸長する薄板状に形成されている。
これにより、折返し通路14b3内に複数の衝突壁16bが設けられても、開口部17から折返し通路14b3の最奥部まで視認できるようになっている。
【0035】
開口部17は、折返し通路14b3を外側に向けて開放するように形成されている。
そして、開口部17は、電磁弁50のフランジ部52がボディ10のフランジ部19に接合して連結されることにより塞がれるようになっている。
すなわち、開口部17を通して、上流側通路14b1、下流側通路14b2、折返し通路14b3、分岐通路15、複数の衝突壁16(16a,16b)を、全て視認できるようになっている。
【0036】
したがって、これらの領域において、一定量を超える異物が堆積した場合は、開口部17を通して、何ら調整作業を伴うことなく異物を容易に取り除くことができる。
また、アルミニウム材料等を用いて、ボディ10を型成形する場合には、開口部17を通して型を抜くことができるため、成型作業を容易に行うことができる。また、ドリル加工も、開口部17を通して容易に行うことができる。
【0037】
取付け孔18は、調整ネジ40を取り付けるためのものであり、軸線Sと平行な軸線S2方向に伸長するように形成されている。
取付け孔18は、調整ネジ40の雄ネジ41を螺合するための雌ネジ18a、シール42を密接させるシール面18b、嵌合部43を密接させる円筒面18cを備えている。
【0038】
フランジ部19は、電磁弁50を取り付けるためのものであり、軸線Sに垂直な方向に延出するように形成されている。
フランジ部19は、電磁弁50のフランジ部52を接合する接合面19a、フランジ部52を締結するネジb2を捩じ込むネジ孔19bを備えている。
【0039】
弁軸20は、金属材料等により円形断面で軸線S方向に伸長するように形成され、略中央領域においてスロットル弁30を嵌め込むスリット21及びネジ孔22を備えている。
弁軸20は、ボディ10の弁軸孔13に通された状態で、スリット21に嵌め込まれたスロットル弁30がネジb1により締結されることにより、スロットル弁30を開閉自在に保持する。
【0040】
スロットル弁30は、金属材料等により略円板状に形成され、ネジb1を通す円孔31を備えている。
スロットル弁30は、弁軸20が弁軸孔13に通された後に、スリット21に通されてネジb1により弁軸20に固定され、主通路12を開閉するように配置される。
そして、スロットル弁30は、弁軸20の回転に応じて、所望の開度に主通路12を開放するようになっている。
【0041】
調整ネジ40は、ボディ10の取付け孔18に捩じ込まれて、エンジン2のアイドル運転状態において、下流側通路14b2すなわち副通路14を流れる吸気の流量を調整する役割をなすものである。
調整ネジ40は、金属材料等を用いて、軸線S2方向に伸長するように形成され、雄ネジ41、シール42、嵌合部43、テーパ部44、頭部45を備えている。
【0042】
雄ネジ41は、取付け孔18の雌ネジ18aと所定のストロークに亘って螺合するように形成されている。
シール42は、取付け孔18のシール面18bと密接に接触して吸気の漏れを防止するようになっている。
嵌合部43は、取付け孔18の円筒面18cに密接に嵌合するように円柱状に形成されている。
テーパ部44は、下流側通路14b2の下流端に臨むように配置され、下流側通路14b2の内壁面と協働して吸気の流量を調整する計量部Cを画定するものである。
頭部45は、調整ネジ40を取り付け又は調整する際の工具を連結する溝部及び六角部を備えている。
【0043】
調整ネジ40は、取付け孔18に捩じ込まれて、その捩じ込み量が適宜調整されることにより、中間通路14bのうち下流側通路14b2の通路面積を調整するように配置される。すなわち、調整ネジ40は、副通路14の計量部Cを流れる吸気の流量を調整するようになっている。
尚、調整ネジ40は、スロットル装置1が市場に出荷される際に、所望される仕様に応じて予め調整済である。そして、衝突壁16により、調整ネジ40よりも上流側で異物が捕獲されることにより、再調整が殆ど不要となる。
【0044】
電磁弁50は、電磁駆動用のソレノイドを内蔵したハウジング51、ハウジング51に一体的に形成されたフランジ部52、フランジ部52側において軸線S3方向に往復動自在に設けられた弁体53、ハウジング51から突出して形成され電気的接続を行うコネクタ54を備えている。
【0045】
フランジ部52は、電磁弁50をボディ10に連結するだけでなく、ボディ10の開口部17を塞ぐ閉塞部材としても機能する。
弁体53は、座面15aからのリフト量が連続的に変化するようにデューティ制御され、軸線S3方向に往復動して分岐通路15を流れる吸気量を調整し得るようになっている。
【0046】
すなわち、電磁弁50は、適宜デューティ制御されることにより、弁体53が分岐通路15の座面15aに着座した閉弁状態から軸線S3方向に適宜移動して開弁し、分岐通路15を流れる吸気の流量を制御する。
したがって、エンジン2の運転状態において、副通路14を流れる吸気量では足りない場合は、電磁弁50を適宜開弁させて第2副通路の一部をなす分岐通路15を流れる吸気量を調整することで、所望される吸気量を確保することができる。
【0047】
また、電磁弁50のフランジ部52が開口部17を塞ぐようにボディ10に着脱自在に連結されるため、仮に異物の堆積が懸念される場合は、電磁弁50を取り外すことにより、中間通路14bの折返し通路14b3又は上流側通路14b1に溜まった異物を容易に取り除くことができる。
【0048】
上記スロットル装置1おいて、調整ネジ40及び電磁弁50は、各々の軸線S2,S3が平行になるようにボディ10に配置されている。
したがって、調整ネジ40及び電磁弁50を同一の方向に配列することができ、スロットル装置1の外輪郭の簡素化等を達成できる。
【0049】
次に、上記スロットル装置1がエンジン2の吸気系3に配置された状態において、衝突壁16の作用について説明する。
エンジン2が始動して、アイドル運転状態にあるときは、スロットル弁30が閉弁し、スロットル弁30を迂回するように副通路14を通して吸気が下流側に流れ込む。
すなわち、吸気は、主通路12から分岐通路14a、中間通路14b及び合流通路14cを経て、再び主通路12に流れ込む。
【0050】
ここで、中間通路14bが、上流側通路14b1、折返し通路14b3及び下流側通路14b2により形成されているため、吸気にカーボンや粉塵等の異物が混入している場合、吸気が中間通路14b内を折れ曲がるように流れ、折れ曲がる通路の通路抵抗が加わることで、異物の速度が低下する。
また、中間通路14bに設けられた衝突壁16として、上流側通路14b1に複数の衝突壁16aが設けられ、折返し通路14b3に複数の衝突壁16bが設けられているため、異物は複数の衝突壁16a,16bに衝突して捕獲される。
【0051】
すなわち、異物が混入した吸気の流体が折れ曲がる中間通路14bを流れる際に、折れ曲がる通路の通路抵抗が異物に加わる。そして、異物の速度が低下すると共に衝突壁16に衝突することで、異物は効果的に捕獲される。
【0052】
また、折返し通路は、図10及び図11に示すように、上流側通路14b1から下流側通路14b2に向かう流体に対して、折り返しつつ旋回する流れを生じさせるように湾曲して形成されている。
これによれば、吸気に混入した異物は、折返し通路14b3を流れる際に、旋回により遠心力を受けるため、折返し通路14b3内の外周壁に設けた衝突壁16bにより効果的に捕獲される。
【0053】
また、中間通路14bが、上流側通路14b1、折返し通路14b3及び下流側通路14b2により形成され、衝突壁16が上流側通路14b1及び折返し通路14b3に設けられているため、下流側通路14b2よりも上流側の領域で異物が確実に捕獲される。
すなわち、吸気に混入した異物は、上流側通路14b1に設けられた衝突壁16a又は折返し通路14b3に設けられた衝突壁16bにより確実に捕獲される。
そして、下流側通路14b2には、異物が取り除かれた吸気のみが流れ込むため、調整ネジ40の周りの狭い計量部Cには異物が溜まらず、予め調整された通路面積を確実に維持することができる。
【0054】
このように、カーボンや粉塵等の異物が混入した吸気の流体が、主通路12から副通路14を経て再び主通路12に流れ込む際に、混入した異物は、調整ネジ40よりも上流側において副通路14内の衝突壁16に衝突して捕獲される。
これにより、調整ネジ40の周りの狭い計量部Cには異物が堆積しないため、調整ネジ40により初期調整された通路面積が維持され、所望の吸気量が確保される。
したがって、調整ネジ40の初期設定を長期に亘って維持することができ、市場における調整ネジ40の再調整が不要か又は再調整の頻度を減らすことができる。
【0055】
一方、エンジン2が始動して、副通路14を流れる吸気量では足りない不安定な運転状態においては、電磁弁50が適宜デューティ制御されて、分岐通路15を流れる吸気量が調整され、所望される吸気量が確保される。
【0056】
すなわち、吸気は、副通路14を流れる状態に加えて、中間通路14bの折返し通路14b3、分岐通路15及び合流通路14cを経て、再び主通路12に流れ込む。
【0057】
ここで、衝突壁16aが上流側通路14b1に設けられ、衝突壁16bが折返し通路14b3に設けられているため、下流側通路14b2と同様に、分岐通路15よりも上流側の領域において、吸気に混入した異物は確実に捕獲される。
すなわち、第2副通路の一部をなす分岐通路15よりも上流側において、流体としての吸気を衝突させる衝突壁16a,16bが設けられている。
したがって、吸気に異物が混入している場合、電磁弁50の弁体53の近傍における異物の堆積を防止ないし抑制することができる。
【0058】
以上述べたように、上記スロットル装置1によれば、異物の捕獲を確実に行うことができ、アイドル調整用の調整ネジ40の初期設定を長期に亘って維持することができる。
【0059】
上記実施形態においては、折返し通路14b3を塞ぐ閉塞部材として、電磁弁50のフランジ部52を適用したが、これに限定されるものではなく、電磁弁50を備えないスロットル装置においては、専用の閉塞部材を設けてもよい。
この場合でも、仮に異物の堆積が懸念される場合は、閉塞部材を取り外すことで内部に溜まった異物を容易に取り除くことができる。
【0060】
上記実施形態においては、副通路として、分岐通路14a、中間通路14b、合流通路14cを含む副通路14を示したが、これに限定されるものではなく、調整ネジ40が配置される領域よりも上流側において衝突壁を設けるものであれば、その他の形態をなす副通路を採用してもよい。
【0061】
上記実施形態においては、副通路の一部なす中間通路として、上流側通路14b1、下流側通路14b2、及び折返し通路14b3を含む中間通路14bを示したが、これに限定されるものではなく、折れ曲がるように形成された中間通路であれば、その他の形態をなす中間通路を採用してもよい。
また、中間通路の一部をなす折返し通路として、流体に対して折り返しつつ旋回する流れを生じさせるように湾曲して形成された折返し通路14b3を示したが、これに限定されるものではなく、同様の作用が得られる形態であれば、例えば、直線的に折れ曲がって形成された折返し通路、その他の形態をなす折返し通路を採用してもよい。
【0062】
以上述べたように、本発明のスロットル装置は、吸気に混入した異物を調整ネジよりも上流側で捕獲することができ、調整ネジの初期設定を長期に亘って維持することができるため、二輪車に搭載されるエンジンのスロットル装置として適用できるのは勿論のこと、その他の車両に搭載されるエンジンのスロットル装置としても有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 スロットル装置
10 ボディ
12 主通路
14 副通路
14b 中間通路
14b1 上流側通路
14b2 下流側通路
14b3 折返し通路
14c 合流通路(第2副通路)
15 分岐通路(第2副通路)
16,16a,16b 衝突壁
17 開口部
30 スロットル弁
40 調整ネジ
50 電磁弁
52 フランジ部(閉塞部材)
S2 調整ネジの軸線
S3 電磁弁の軸線
図1
図2
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図4
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図11