特許第6963543号(P6963543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963543プラスチック金属ハイブリッド構成部材の作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963543
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】プラスチック金属ハイブリッド構成部材の作製方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20211028BHJP
   C23C 28/00 20060101ALI20211028BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20211028BHJP
   B23K 26/342 20140101ALI20211028BHJP
【FI】
   B32B15/08 K
   C23C28/00 A
   B29C45/14
   B23K26/342
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-506613(P2018-506613)
(86)(22)【出願日】2016年12月12日
(65)【公表番号】特表2019-501789(P2019-501789A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】DE2016000437
(87)【国際公開番号】WO2017101897
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年8月27日
(31)【優先権主張番号】102015016259.4
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516305813
【氏名又は名称】インプロ イノヴェーションズゲゼルシャフト フューア フォルトゲシュリッテネ プロドゥクツィオーンスズュステーム イン デーア ファールツォイクインドゥストリー エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ホイヤー,オーラフ
(72)【発明者】
【氏名】シュレンブルク,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ミンコウ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】エッサー,ゲルト
【審査官】 深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−213378(JP,A)
【文献】 特開昭56−021827(JP,A)
【文献】 特開2013−226796(JP,A)
【文献】 特開平09−039037(JP,A)
【文献】 特開2003−035162(JP,A)
【文献】 特開2010−247206(JP,A)
【文献】 米国特許第01960042(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0252986(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0222059(US,A1)
【文献】 西独国特許出願公開第10357180(DE,A)
【文献】 特開2010−120384(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101244642(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
C23C 24/00−30/00
B29C 45/00−45/84
B29C 63/00−63/48、65/00−65/82
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック金属ハイブリッド構成部材の作製方法であって、
腐食保護層の設けられた金属製の本体の金属表面と、少なくとも1つのプラスチックコンポーネントとの付着性を改善するために、前記本体の金属表面の腐食保護層にアンダーカット部を備える表面構造体が設けられ、
前記アンダーカット部には、それぞれ直接射出成形プロセスにおいて前記少なくとも1つのプラスチックコンポーネントが少なくとも部分的に、前記プラスチックコンポーネントの爪係合が前記本体の金属表面の腐食保護層の表面構造体のアンダーカット部において行われるように充填され、その際に前記プラスチック金属ハイブリッド構成部材が形成される方法において、
前記本体の金属表面の腐食保護層と良好に接合可能であり、電気化学的に耐性のある溶加材が、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形態の順次連続するエレメントの形状で、前記本体に対する相対運動の際にレーザまたは択一的に集束された熱源によって溶融され、前記本体の金属表面の腐食保護層の上に溶接されて前記アンダーカット部を有する表面構造体が作製され、
前記腐食保護層上に施与された前記溶加材の前記エレメントは、該腐食保護層を実質的に損傷することなく、それぞれ溶融され、前記腐食保護層上に溶接される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
スチール製の前記本体の前記金属表面の亜鉛製の前記腐食保護層と良好に接合可能な溶加材としてベルト状のワイヤウールが使用され、
前記ベルト状のワイヤウールは、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の互いに接続された金属のエレメントとして部分ごとに前記腐食保護層上に連続的に施与され、並びに前記施与されたエレメントはそれぞれレーザまたは択一的に集束された熱源によって溶融され、前記腐食保護層上に溶接される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
直径が数cmから数mmの前記エレメントが選択される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
スチール製の前記本体の前記金属表面の亜鉛製の前記腐食保護層と良好に接合可能な溶加材として、ワイヤロールから繰り出される構造体ワイヤが使用され、
前記構造体ワイヤは、前記腐食保護層の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるワイヤ変形機によって、前記構造体ワイヤの繰り出された端部から連続的に、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の互いに接続された金属のエレメントに部分ごとに変形され、
前記金属のエレメントは、それぞれ連続的に、前記構造体ワイヤの繰り出された端部から前記腐食保護層上に施与され、レーザまたは択一的に集束された熱源によって前記腐食保護層上に溶接される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
スチール製の前記本体の前記金属表面の亜鉛製の前記腐食保護層と良好に接合可能な前記溶加材の前記エレメントは、ロールから繰り出される構造体ワイヤの幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の部分によって形成され、
前記部分は、前記腐食保護層の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるワイヤ切断機によって、前記構造体ワイヤの繰り出された端部から個別に分離され、前記ワイヤ切断機から下方に前記腐食保護層の上に連続的に互いに間隔を置いて施与され、前記レーザまたは前記択一的に集束される熱源によってそれぞれ溶融され、前記腐食保護層の上に溶接される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
直径が数cmから数mmの範囲に選択される前記構造体ワイヤの前記部分は、繰り出される前記構造体ワイヤから直径/長さ比が<1であるように前記ワイヤ切断機によって個別に分離される、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エレメントの直径は、数cmから数mmに選択される、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
スチール製の前記本体の前記金属表面の亜鉛製の前記腐食保護層と良好に接合可能な前記溶加材の金属のエレメントとして粒子が使用され、
前記粒子は個別に順次連続して、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状で前記腐食保護層上に施与され、引き続きそれぞれ前記レーザまたは前記択一的に集束される熱源によって溶融され、前記腐食保護層上に溶接される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子は、粉体が充填されており、前記腐食保護層の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるロート状の施与装置によって前記金属表面の前記腐食保護層上に、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の金属のエレメントとして施与され、
引き続きそれぞれ前記レーザまたは前記択一的に集束される熱源によって溶融され、前記腐食保護層上に溶接される、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子の大きさは、数cmから数mmの範囲に選択され、したがって直接射出成形された前記プラスチック材料の表面において構造化部は可視でない、ことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック金属ハイブリッド構成部材の作製方法に関する。この方法では、腐食保護層の設けられた金属製の本体の金属表面と、少なくとも1つのプラスチックコンポーネントとの付着性を改善するために、金属表面の腐食保護層にアンダーカット部を備える表面構造体が設けられ、このアンダーカット部には、それぞれ直接射出成形プロセスにおいて少なくとも1つのプラスチックコンポーネントが少なくとも部分的に、後者の爪係合が腐食保護層の表面構造体のアンダーカット部において行われるように充填され、その際にプラスチック金属ハイブリッド構成部材が形成される。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド構造形式の軽量構成部材は、少なくとも金属製の本体と、これに挿入または接合されたプラスチック部材との形状的結合を特徴とする。この種の軽量構成部材は、相応の形態で例えば自家用車または輸送用車両の構成部材のような車両構成部材のために使用される。
【0003】
高温の射出層が金属基板に析出されると、通常は射出層と基板との間の大きな温度差のため、大きな機械的応力が発生し、この機械的応力は層の付着性に不利に作用する。例えばプラズマ溶射、火炎溶射、高速火炎溶射または光アークワイヤ溶射のような通常の高温射出成形法では、噴射粒子が溶融状態で、冷えた基板上に析出され、高い冷却速度により急冷される。同様に層と基板の機械的および熱的特性が異なることも、とりわけ大きな機械的負荷または温度変化負荷の下では層の付着性に不利に作用する。
【0004】
滑らかで未処理の基板表面での付着性は、通常は不十分である。高温の射出層の付着性を改善するために、一般的には熱的被覆の前に基板表面の粗化が必要である。これにより基板材料と層材料との間の接触面積が増大され、ある程度の機械的な絡み合いを生じさせる。この種の粗化は、例えばサンドスプレー、研削または精密仕上げないし機械加工によって行うことができる。
【0005】
特許文献1から公知の方法では、金属表面と少なくとも1つのプラスチックコンポーネントの付着性を改善するために、第1の方法ステップで金属表面に、それを粗化するためにショートパルスレーザビームによって巨視的および/または微視的なアンダーカット状のスリットが取り付けられ、それらの凹状の開口領域は、それを上および断面で見ると、それぞれ幾何学的に正確に規定された反復する形状を有する。ここでは金属表面に取り付けるべきスリットの表面領域に対して、それを上から見ると規定の常に反復される形状、例えば円形状、銀杏の葉の形状、ブーメラン形状、楕円形状、正方形状、多角形状等が形成され、スリットの縦断面に対しては三角形状、四角形状または台形状が形成される。そして第2の方法ステップでは、直接射出成形プロセスにおいて金属表面にそのように正確に成形されたスリットに少なくとも1つのプラスチックコンポーネントが少なくとも部分的に、このプラスチックコンポーネントと金属表面のスリットとの間で改善された付着性が達成されるように充填される。
【0006】
特許文献2にはさらに、とりわけ金属、プラスチックまたはセラミック製の構成部材表面を、その上に熱的に施与すべき高温の射出層の付着性を改善するために粗化する方法が記載されている。この方法では表面が微視的なアンダーカット部を形成しながら粗化され、表面には、パルス状のレーザビームによって20゜から80゜の範囲の傾斜角で斜めに延在するポケットパターンが取り付けられ、これらのポケットパターンは、当該ポケットパターンの少なくとも1つのエッジが金属表面を基準にしてアンダーカット部を形成するように寸法設定されている。上記表面は少なくとも領域的に、別の方向角、傾斜角および/または別のレーザエネルギーを有するパルス状のレーザビームによって多重に処理される。そこには、噴射流がポケットパターンと同じ傾斜により表面上を案内されると、被覆部の品質に対して有利であると記載されている。さらにポケットパターンは、表面を基準にしてアンダーカットされたただ1つのエッジと、同じように平行に形成されることが望まれる。したがって噴射流の適合した適切な角度は、パターンポケットが深ければ深いほど、より正確に規定しなければならない。角度調整の公差が対応して減少する。したがって不適切に選択された噴射流は、ポケットパターンを不十分にしか充填せず、このことは射出層の付着強度に不利に影響し、あるいは付着強度を低下させる。
【0007】
さらに特許文献3から、金属表面の上に高温で噴射される層の付着性を改善するために金属表面を粗化する方法が公知である。ここでは第1の方法ステップで、材料切除処理または材料切削処理において切欠部または凹部が表面に取り付けられる。これにより表面の金属が突き出た隆起微細構造体、とりわけ突起、溝、隆起部または膨張部が形成される。これらの微細構造体は、少なくとも1つの第2の方法ステップで、構造体の主要部分が表面を基準にしてアンダーカット部を形成するように変形および/または破砕的に後処理される。
【0008】
特許文献4にはさらに、とりわけ自動車適用のための構成部材複合物の作製方法が公知として開示されている。この構成部材複合物は、第1の接触表面を備える少なくとも1つの第1の構成部材と、この第1の接触表面に当接する第2の接触表面を備える少なくとも1つの第2の構成部材とを含み、第1の構成部材の第1の接触表面上にはレーザによって、ナノ構造体により覆われたミクロ構造体を有する表面構造体が形成される。第1の構成部材の第1の接触表面の表面構造化の後、この第1の構成部材は、プラスチック材料、とりわけ熱可塑性材料から形成された第2の構成部材と、この第1の構成部材を第2の構成部材によって少なくとも部分的にオーバモールド成形することにより形状結合的に接続される。
【0009】
最後に特許文献5から、亜鉛メッキされたスチールまたは鉄製の本体である本体から成るハイブリッド構造形式の軽量構成部材が公知であり、この軽量構成部材は熱可塑性プラスチックにより補強され、大きな機械的負荷を伝達するのに適する。亜鉛メッキされたスチールまたは鉄製の本体には、本体と熱可塑性プラスチックとの間に強い形状的結合を達成するために表面処理が施される。亜鉛メッキされたスチールまたは鉄製の本体の予備処理は、種々の方法によって行うことができ、例えば亜鉛表面をパルス状のNd:YAGレーザビームによってレーザ処理することができる。これにより種々の構造体を亜鉛表面に施与することができる。好ましい構造体は、点状構造体、ライン状構造体または十字形構造体である。そして熱可塑性プラスチックの射出は、好ましくは1つの作業工程で行われる。
【0010】
金属およびプラスチックから成る軽量構成部材ないしハイブリッド構成部材のこれまで公知の作製方法では、第1の表面構造化が切削的方法、例えばレーザ切削法によって行われる。このことは、腐食保護される領域ないし基板において保護層が損傷ないし破壊されるという欠点を有する。さらに構造化ゾーンにおける基板断面がレーザ切削(穿孔)によって減少する。さらなる欠点は、熱が影響するゾーンにおける組織変化である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2014−051041号公報
【特許文献2】独国特許102007023418号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102006004769号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102008040782号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102008058225号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の基礎とする課題は、金属製の本体の腐食保護された金属表面の、アンダーカット部を有する表面構造体を作製する際に、この腐食保護層の損傷並びに前に述べた欠点が回避される冒頭に述べた形式の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は本発明により、金属製の本体の金属表面の腐食保護層と良好に接合可能であり、電気化学的に耐性のある溶加材が、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形態の順次連続する好ましくは金属エレメントの形状で金属製の本体の金属表面の腐食保護層上に、当該本体に対する相対運動の際に所期のとおりに限定的に施与され、腐食保護層上に施与された溶加材の金属エレメントはそれぞれ溶融され、腐食保護層上に溶接されることによって解決される。
【0014】
好ましくは、例えばスチール製の本体の金属表面の例えば亜鉛製の腐食保護層と良好に接合可能であり、電気化学的に耐性のある金属溶加材としてベルト状の金属ウールが使用され、前記ベルト状の金属ウールは、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の互いに接続された金属エレメントとして部分ごとに金属表面の腐食保護層上に連続的に施与され、施与された金属エレメントはそれぞれレーザまたは択一的に集束された熱源によって溶融され、腐食保護層上に溶接される。
【0015】
同様に、スチール製の本体の金属表面の亜鉛製の腐食保護層と良好に接合可能であり、電気化学的に耐性のある金属溶加材として、ワイヤロールから繰り出されるワイヤを使用することができる。このワイヤは、腐食保護層の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるワイヤ変形機によって、繰り出されたワイヤ端部から連続的に、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の互いに接続された金属エレメントに部分ごとに変形される。この金属エレメントは、それぞれ連続的に、繰り出されたワイヤ端部から腐食保護層上に施与され、レーザまたは択一的に集束された熱源によって腐食保護層上に溶接される。
【0016】
好ましくは数cmから数mmの直径を有する構造体ワイヤおよびベルト状のワイヤウールが選択される。
【0017】
好ましくはスチール製の本体の金属表面の亜鉛製の腐食保護層と良好に接合可能な金属溶加材の金属エレメントとして粒子が使用される。この粒子は個別に順次連続して、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状で腐食保護層上に施与され、引き続きレーザまたは択一的に集束された熱源によって溶融され、腐食保護層上に溶接される。
【0018】
好ましくは上記粒子は、金属粉体が充填されており、亜鉛製の腐食保護層の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるロータ状の施与装置によって腐食保護層上に、後者と良好に接合可能な金属溶加材の金属エレメントとして幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状で施与され、引き続きそれぞれレーザまたは択一的に集束された熱源によって溶融され、腐食保護層上に溶接される。
【0019】
好ましくは粒子の大きさは同様に数cmから数mmの範囲に選択され、したがって直接射出成形されたプラスチック材料の表面において構造化部は可視でなくなる。
【0020】
さらに粒子による表面処理のために、プラスチック溶融物が本体の表面に取り付くことができることを保証する。
【0021】
スチール製の本体の金属表面の亜鉛製の腐食保護層と良好に接合可能な金属溶加材の金属エレメントは、ロールから繰り出されるワイヤから、腐食保護層の上方に配置されており、これに対して相対的に運動されるワイヤ切断機によって幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状に個別に分離され、ワイヤ切断機から下方に腐食保護層上に連続的に互いに間隔を置いて施与され、そしてレーザまたは択一的に集束される熱源によってそれぞれ溶融され、腐食保護層上に溶接されるようにすることもできる。
【0022】
好ましくは直径が数cmから数mmの範囲に選択される構造体ワイヤの部分は、繰り出される構造体ワイヤから直径/長さ比が<1であるようにワイヤ切断機によって個別に分離される。
【0023】
本発明による方法は、とりわけアンダーカット部を備える表面構造体が腐食保護層上に、腐食保護層を損傷することなく作製される点で有利であると判明している。付加的に材料施与することに基づき、金属表面の腐食保護層は存在したままである。さらに基板断面の弱化も生じない。これにより基板幾何形状の寸法設定が各段に容易になる。さらにレーザ処理中に基板材料における組織変化も生じない。本方法により、目的どおりの局所的構造化並びにオーダーメードの金属勾配層が可能になる。さらに接着の際に接合特性の最適化を行うことができる。
【0024】
本発明を、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】スチール製の本体の金属表面のアンダーカット部を有する腐食保護層の作製を、構造体ワイヤロールから繰り出される構造体ワイヤを腐食保護層と良好に接合可能な溶加材として使用する場合において概略的に示す図である。
図2】本発明の方法により作製されたプラスチック金属ハイブリッド構成部材の詳細断面図であり、ここでは図1の構造体ワイヤが腐食保護層上にクラッディングされる。
図3図1に対応する概略図であるが、ここではベルト状のワイヤウールが腐食保護層と良好に接合可能な溶加材として使用される。
図4図1に対応する概略図であり、ここでは粉体の粒子が腐食保護層と良好に接合可能な溶加材として使用される。
図5】本発明の方法により作製されたプラスチック金属ハイブリッド構成部材の詳細断面図であり、ここでは腐食保護層上への図4の粉体の粒子のレーザクラッディングまたは火炎溶射が行われる。
図6図4に対応する概略図であるが、ここでは構造体ワイヤロールから繰り出される構造体ワイヤの分離された部分が腐食保護層と良好に接合可能な溶加材として使用される。
図7】本発明の方法により作製されたプラスチック金属ハイブリッド構成部材の詳細断面図であり、ここではワイヤ切断機により構造体ワイヤから分離され、腐食保護層の上に降下された構造体ワイヤの部分が腐食保護層上に、図6によりレーザクラッディングされる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に示すように、図2に詳細断面図に概略的に示されたプラスチック金属ハイブリッド構成部材1の作製方法の一実施形態では、スチール製の本体4の金属表面3の亜鉛製の腐食保護層2と良好に接合可能な溶加材として、構造体ワイヤロール5から繰り出される構造体ワイヤ6が使用される。構造体ワイヤ6は、腐食保護層2の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるワイヤ変形機7によって、構造体ワイヤ6の繰り出された端部8から連続的に、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の互いに接続された金属エレメント9に部分ごとに変形される。変形された構造体ワイヤ6の互いに接続されたエレメント9は、ここでは連続的にそれぞれ構造体ワイヤ6の繰り出された端部8から腐食保護層2上に施与され、レーザ10または択一的に集束された熱源によって腐食保護層2上の溶接点11に溶接される。これは図2に示されている。ここでは、本体4の金属表面3の腐食保護層2にアンダーカット部12を有する表面構造体13が作製される。
【0027】
さらに図2から分かるように、変形された構造体ワイヤ6の互いに接続され、腐食保護層2上で溶接点11においてレーザ10によって溶接されたエレメント9は、直接射出成形プロセスにおいて熱可塑性のプラスチックコンポーネント14の溶融物によって取り囲まれる。ここで腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12には少なくとも部分的にプラスチックコンポーネント14が、後者の爪係合が腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12において行われるように充填され、プラスチック金属ハイブリッド構成部材1が形成される。
【0028】
図3が示すように、本方法の択一的な実施形態によれば、ベルト状のワイヤウール15が腐食保護層2と良好に接合可能な溶加材として使用可能である。そのために、ワイヤウール15が充填され、例えばスチール製の本体4の金属表面3の例えば亜鉛製の腐食保護層2の上方に配置されており、腐食保護層2に対して相対的に運動される貯蔵器17のチャネル状の案内部16からワイヤウール15がベルト状に引き出され、引き出された端部18から、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形態の互いに接続された金属エレメント9の形状で部分ごとに腐食保護層2上に、これと良好に接合可能な溶加材として連続的に施与される。次に腐食保護層2に施与されたベルト状のワイヤウール15のエレメント9は、それぞれレーザ10または択一的に集束された熱源によって溶融され、腐食保護層2上に溶接される。その際に本体4の金属表面3の腐食保護層2にアンダーカット部12を有する表面構造体13が作製される。引き続く直接射出成形プロセスでは、プラスチック金属ハイブリッド構成部材1が、上に図2を参照して記載したように作製される。
【0029】
図4から分かるように、本方法のさらなる択一的な実施形態によれば、スチール製の本体4の金属表面3の亜鉛製の腐食保護層2と良好に接合可能な溶加材の金属エレメントとして粒子19が使用可能であることが分かる。そのために粒子19は、粉体20が充填されており、腐食保護層2の上方に配置され、かつこれに対して相対的に運動されるロート状の施与装置21によって本体4の金属表面3の腐食保護層2の上に、幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状で施与され、引き続きそれぞれレーザ10または択一的に集束された熱源によって溶融され、腐食保護層2上に溶接される。ここでは、本体4の金属表面3の腐食保護層2にアンダーカット部12を有する表面構造体13が作製される。
【0030】
図5から明らかなように、引き続き直接射出成形プロセスにおいて、腐食保護層2上にそれぞれ溶接点11の1つにおいて溶接された粒子19が熱可塑性プラスチックコンポーネント14の溶融物によって取り囲まれる。ここで腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12にはそれぞれプラスチックコンポーネント14が少なくとも部分的に、後者の爪係合が、スチール製の本体4の金属表面3の腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12において行われるように充填され、プラスチック金属ハイブリッド構成部材1が形成される。
【0031】
図6は、図4を基準にした本方法の択一的な実施形態を示す。この実施形態では、スチール製の本体4の金属表面3の亜鉛製の腐食保護層2と良好に接合可能な溶加材のエレメントが、構造体ワイヤ6の幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状の部分22によって形成される。そのために構造体ワイヤロール5から繰り出される構造体ワイヤ6の部分22は、腐食保護層2の上方に配置され、これに対して相対的に運動されるワイヤ切断機23によって幾何学的に特定および/または幾何学的に不特定の形状で個別に分離され、ワイヤ切断機23から下方に腐食保護層2の上に連続的に互いに間隔を置いて施与され、並びにレーザ10または択一的に集束された熱源によってそれぞれ溶融され、腐食保護層2上に溶接される。その際に、本体4の金属表面3の腐食保護層2にアンダーカット部12を有する表面構造体13が作製される。
【0032】
図7から分かるように、引き続き直接射出成形プロセスにおいて、腐食保護層2上でそれぞれ溶接点11の1つに溶接された構造体ワイヤ6の部分22が熱可塑性プラスチックコンポーネント14の溶融物によって取り囲まれる。ここで腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12にはそれぞれプラスチックコンポーネント14が少なくとも部分的に、後者の爪係合が、スチール製の本体4の金属表面3の腐食保護層2の表面構造体13のアンダーカット部12において行われるように充填され、プラスチック金属ハイブリッド構成部材1が形成される。
【0033】
本発明の実施形態は、ここに開示された特別の構造体、方法ステップまたは材料に限定されるものではなく、関連分野の平均的な当業者にとって明らかであるように、それらの等価物に拡張できることは自明である。ここに使用される専門用語は特定の実施形態を記述するためにだけ使用され、限定的に解釈すべきでないことは自明である。記載した特徴、構造または特性は、いずれかの適切なやり方で1つまたは複数の実施形態において組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 プラスチック金属ハイブリッド構成部材
2 腐食保護層
3 金属表面
4 本体
5 構造体ワイヤロール
6 構造体ワイヤ
7 ワイヤ変形機
8 構造体ワイヤの繰り出された端部
9 金属エレメント
10 レーザ
11 溶接点
12 アンダーカット部
13 表面構造体
14 熱可塑性プラスチックコンポーネント
15 ワイヤウール
16 チャネル状の案内部
17 貯蔵器
18 ベルト状のワイヤロールの端部
19 粒子
20 粉体
21 ロート状の施与装置
22 構造体ワイヤの分離された部分
23 ワイヤ切断機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7