(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
吸収性デバイスのトップシートとコアとの間に置かれる、3次元アパーチャ付き成形フィルム・トップシートまたは捕捉分配層であって、吸収性デバイスの使用者の皮膚側に向いた上向きの3次元マイクロアパーチャと、3次元マイクロアパーチャのフィールド内のパターン中に散在し吸収材コアに向いた下向きの3次元マクロアパーチャとの両方を有するトップシートは、当技術分野でよく知られている。3次元マイクロアパーチャは、綿のように柔らかく布様または絹様の肌合いの触感を提供するとともに、使用後の表面湿潤の量の低減も向上させることが知られている。
【0004】
このようなフィルムは、バキュームフォーミング・プロセスおよびハイドロフォーミング・プロセスを含めたいくつかの方法のうちの1つを使用して作成することができる。この両方の方法では、所望のマイクロアパーチャ・パターンに対応する開口を有する回転スクリーン上にフィルムが付着させられる。バキュームフォーミングでは、フィルムが開口中に引き込まれるようにスクリーンにわたって相対的な真空が確立され、それにより、フィルム表面上に一連の突起が形成される。真空差が十分な場合、フィルム中の各突起の頂点に開口が形成される。ハイドロフォーミングでは、フィルムの、スクリーンとは反対の側で高圧水流を当てることによって、同様の突起が形成される。水流の圧力は、フィルムをスクリーンの穴に押し込む。十分な圧力が加えられた場合、フィルム中の各突起の頂点に開口が形成される。
【0005】
マイクロアパーチャはまた、ニードル穿孔などの機械的方法を使用して形成することもできるが、このような方法は、最終的な材料の知覚される柔らかさを高める傾向のある3次元性を提供するために、追加のステップを必要とする傾向がある。
【0006】
本質的に「ハイドロフォーミング・プロセス」に対する親特許である、カーロ(Curro)他に譲渡された米国特許第4,609,518号(カーロ‘518)では、1つまたは複数の3次元形成構造を使用して高分子ウェブを作成することができるが、この特許では、次のことが教示されている。すなわち、高メッシュ・カウントの3次元マイクロアパーチャ・パターンが高圧水流によって形成され、これらは、「約3ミル〜約7ミルの直径[またはランド幅]範囲の...フィラメント[またはランド]と、1平方インチ当たり約140×140〜1平方インチ当たり約80×80の範囲のメッシュ・カウントとをそれぞれ有し...、ノズルから発する...高圧液体ジェットを受けたとき、通常、非常に柔らかい感触の3次元アパーチャ付きウェブを作成することになる...。このようなウェブ中で生み出された比較的小さい3次元アパーチャは、交差フィラメント[またはランド]間の...間隙中で生み出された空隙[または開口]にほぼ対応する」。次いで、第2段階プロセスで3次元マクロアパーチャが形成されるが、第2段階プロセスでは、この形成スクリーンは、吸収性デバイスのトップシートを通して吸収材コア中に液体を適正に捕捉するのに適するように設計された、より低いメッシュ・カウントの、大きい開口を有する。
【0007】
Procter&Gamble Co.(オハイオ州)によって販売されているPremium ALWAYS(登録商標)ブランドの女性用衛生パッドは、カーロ‘518のハイドロフォーミング・プロセスによって実質上作成されたトップシートを利用する。3次元マイクロアパーチャ・パターンは、様々な小売店のいずれかから購入されたパッドから数えたとき、概して100メッシュ前後である。このパターンは、その綿のように柔らかい触感で知られ、これは快適さと清潔さの両方を使用者に与える。3次元マイクロアパーチャを拡大して見たとき、これらのアパーチャは、縦方向(MD)で伸長または長軸を有する。MDは、女性用パッドの長さまたは前後方向に対応する。多くのアパーチャは、その長軸の末端でいくらか尖っている。これらは、「猫の目」の虹彩によく似た形状に見え、したがって、以下ではこれらの形状を「猫の目」形状と呼ぶ。この猫の目形状は、従来技術のハイドロフォーミング・プロセスで形成された3次元アパーチャで一般的である。
【0008】
3次元マクロアパーチャは、柔らかさをもたらす3次元マイクロアパーチャのパターンをすでに含む「前駆体」ウェブ中に形成することができる。カーロ‘518では、ハイドロフォーミングの第2段階が使用される。他の方法は、針、ピン、または類似の突起のパターンを有するローラを使用し、突起は、前駆体ウェブを通して、貫通容易な可鍛性材料に押し付けられるか、または理想的には、溝、スロット、またはキャビティなどのくぼみの対応パターンに押し付けられる。通常、マイクロアパーチャの突出方向は上であり、マクロアパーチャの突出方向は下である。
【0009】
ディ・ベラルディーノ(Di Berardino)に譲渡された米国特許第8,168,102号(ディ・ベラルディーノ‘102)は、ある機械的穿孔方法を開示している。この特許は、その要約書で次のように述べている。「触れて柔らかく、弾性があり、かつ排水用に適したフィルムを作成および製造するのに利用される機械。このような機械によって作成されたフィルムは、少なくとも一方の表面上で、マイクロ開口が起点を有する表面に対して本質的に直角であるようにして向けられた3次元(3D)マイクロ
ファネルの本質的に連続的なパターンを提示する。このフィルムはまた、反対側の表面上で、マクロ
ファネルが起点を有する表面に対して本質的に直角であるようにして向けられた3Dマクロ
ファネルによって構成される連続的なパターンを提示する。「マイクロ
ファネル」という用語は、450mm以上の高さの距離で人間の目によって区別不可能な多数の
ファネルを記述するものとし、一方「マクロ
ファネル」という用語は、450mmよりも高い距離で人間の目によってはっきりと視認可能な
ファネルを記述するものとする。」
【0010】
ディ・ベラルディーノ‘102の請求項9はさらに、この方法について次のように述べている。「マイクロ穴をすでに有するフィルムから、マクロ穴を有する熱可塑性フィルムを形成するためのデバイスであって:表面に複数の針を有する第1のリールと;複数の溝を有する第2のリールであって、第1および第2のリールの回転中に溝が針に結合されてマクロ穴が得られる、第2のリールと;孔を有する第3のリールであって、第1のリールの回転中に孔が第1のリールの針と結合されて、マイクロ穴をほぼ損傷することなく熱可塑性フィルムが第1のリールから取り外される、第3のリールとを備え、第3のリールが、静電気を介して熱可塑性フィルムのマクロ穴に力を及ぼすことによって、静電気を使用して熱可塑性フィルムを第1のリールから取り外す、デバイス。」
【0011】
Kimberly−Clark Corporationによって販売されているU BY KOTEX(登録商標)ブランドの女性用ナプキンは、このタイプのトップシート材料を利用し、これをXpress DRI(登録商標)カバーと呼んでいる。3次元マイクロアパーチャ・パターンは、様々な小売店のいずれかから購入されたパッドから数えたとき、概して60メッシュ前後である。このパターンもまた、その綿のように柔らかい触感で知られ、これは快適さと清潔さの両方を使用者に与える。3次元マイクロアパーチャを拡大して見たとき、これらのアパーチャは、バキュームフォーミング・プロセスで形成された3次元アパーチャで一般的なように、本質的に丸い。
【0012】
加えて、3次元マイクロアパーチャ付きウェブの十分なオープン面積は、どんな3次元アパーチャ付きウェブの場合でもそうであるように、適正な柔らかさのために必要とされるだけでなく、使用後の表面の清潔さに関係する液体捕捉を助けるためにも必要とされることが知られている。100メッシュのハイドロフォーミングされたパターンは十分に柔らかく清潔であることが証明されているが、100メッシュ〜約75メッシュのパターンは、バキュームフォーミング方法では、マイナス1気圧よりもわずかに低い(約14.0PSI)その限られた最大圧力差のせいで、良好な3次元アパーチャ開口を形成しないことになる。より小さい開口は、開口を生み出すのに、ハイドロフォーミングの数百PSIのようなより高い力を必要とする。したがって、バキュームフォーミングによって達成可能なフィルムのオープン面積は、メッシュ・カウントが75メッシュを超えて増加するにつれて0%に実質的に近付くが、このオープン面積は、使用後の残留表面湿潤の低減における良い性能には不十分である。開口サイズがより小さいこと、および頂点で薄くならないことはまた、柔らかさの知覚に悪影響を及ぼす可能性もある。
【0013】
反対に、約40〜約75メッシュのマイクロアパーチャの範囲の、より低いメッシュ・カウントのバージョンは、バキュームフォーミング・プロセスでは、十分なオープン面積を有する良好な丸い開口を形成するが、このバージョンは、ハイドロフォーミング・プロセスによって作成されるときは、液体捕捉力学のための十分なオープン面積または十分な柔らかさプロパティを有する開口を形成しないことになる。論理的には、これらのマイクロアパーチャ・メッシュ・カウント内では、形成スクリーンが漸進的により大きい開口を有する場合にハイドロフォーミングの猫の目形状はますます著しくなるが、この猫の目形状は、結果的なフィルムのオープン面積を低減する。円の長軸(すなわちその直径)は全方向に存在するが、猫の目形状(楕円または他の卵形の形態である場合がある)は、一方の方向の長軸値と、他方の方向の短軸値とを有する。したがって、猫の目形状は、同じ長軸値を有する円よりも小さい開口面積を有する。ハイドロフォーミングはまた、一般により小さいアパーチャを生み出し、したがって、その長軸は、円の軸の値よりも小さいことになり、これはオープン面積の損失を悪化させる。
【0014】
この差が生じる理由は主に、バキュームフォーミング方法では、ポリマー・ウェブが、溶融した形で提供され、したがって完全に柔軟かつ形成可能であることである。結果として、真空による圧力差は、溶融した材料がアパーチャの壁に対してそれ自体を成形するようにさせる。溶融されているこの最後の瞬間に、材料は本質的に、スクリーン・アパーチャの正確な複製を形成する。しかし、冷却されて固体になるにつれて、材料は収縮する。この収縮は、フィルム・アパーチャ寸法を、スクリーン・アパーチャ寸法のパーセンテージのみに縮小する。
【0015】
反対に、ハイドロフォーミング・プロセスは、固形の(すなわち溶融していない)フィルム・ウェブを形成スクリーンの上に配置することを伴う。このようなウェブは、固形フィルムを歪ませてその新しい3次元アパーチャの形に再び形作るために、より高い圧力差を必要とする。フィルムは、バキュームフォーミングの溶融したウェブの場合のように成形されるのではなく、圧力によって伸展され、歪まされるかまたは変形される。したがって、柔らかさのために必要なより高いメッシュ・カウントで見られるように、猫の目形状が結果として生じる。
【0016】
ハイドロフォーミング・フィルムの結果的な猫の目はまた、乏しい柔らかさプロパティの原因でもある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
「アパーチャ」は、平面状ウェブ中の、また典型的には、本発明の主要応用例では高分子フィルムのウェブ中の、開口として定義され、したがって、フィルムのウェブが黒色であったかまたは他の方法でほぼ不透明にされた場合、開口を通る光を見ることができる。アパーチャは3次元開口であり、スルーホールが、相互接続されたフィルム(ランド)の雌平面中で始まり、開口の頂点で第2の平面に延びる。したがって、アパーチャ開口をパターンに集めたものは、1平方単位当たりのフィルム・ウェブについての「オープン面積」を有することになる。本明細書では、「1平方インチ当たり」の面積単位を使用する。
【0024】
「3次元アパーチャ」は、ウェブ中の突出する開口として定義される。3次元アパーチャの本体は、2次元開口がそうなるはずのように完全にウェブの平面中にあるわけではない。3次元アパーチャは、ベースと、遠位端または頂点とを有するが、これは、3次元アパーチャがウェブの元のベース平面からZ方向に突出して第2の平面中のその遠位端または頂点で終端する結果として生じる。3次元アパーチャは、突起の遠位端または頂点で、X−Y方向の寸法を持つ開口を有することになり、この寸法は、ウェブの元のベース平面上の突起のベース開口の寸法よりも小さいことになる。したがって、ほとんどの3次元アパーチャは、少なくともいくぶん円錐形または
ファネル様である。
【0025】
当技術分野の用語内で「3」次元と考えられるためには、一般に、遠位平面と元のベース平面とが、少なくとも約40ミクロンの拡張距離または「嵩張り(loft)」だけ離れている。この距離は、突出する3次元アパーチャを形成することによって引き起こされるそのZ方向拡張により、元のウェブの最上部から底部までのZ方向寸法またはウェブ厚さに加えられる。
【0026】
本発明の技術に適用可能な定義内では、例えばホット・ニードル貫通または他の方法(これらは、ウェブからアパーチャの外周の付近の中へまたは上への肥厚したグロメットもしくはギャザー付き端部もしくはフラップもしくは熱摩擦抵抗フラグメントを生み出すことがあるか、または、最上部から底部までのZ方向が40ミクロン近くに拡張された可能性があるような肥厚した外周を引き起こす他の結果を生み出すことがある)によって形成された3次元アパーチャは、用語「3次元アパーチャ」についての本明細書における定義内に属すると考えられないことになることに留意されたい。というのは、これらには、円錐形または
ファネル様の形状の側壁がないからである。
【0027】
「3次元マイクロアパーチャ」は、微細スケール寸法または小さい寸法の3次元アパーチャとして定義される。微細であることまたは小さいことは、メッシュによって最もよく範囲設定される。30未満のメッシュ・カウントのパターンの3次元アパーチャは、普通、当技術分野では「3次元マクロアパーチャ」と呼ばれる。したがって、30よりも高いメッシュのパターンの3次元アパーチャは、一般的に、当技術分野では「3次元マイクロアパーチャ」と呼ばれる。論理的には、より多くの3次元アパーチャを1インチの整合された長さに収めるには、アパーチャはより小さくなければならない。したがって、より高いメッシュは、より小さい3次元マイクロアパーチャを必要とする。論理的には、この場合、「マクロアパーチャ」のパターンを構成するには、30未満のメッシュ・カウントが使用される。数学および常識が、マイクロアパーチャとマクロアパーチャの両方を有する成形フィルムのメッシュ組合せの選択を導くであろう。
【0028】
「メッシュ」および/または「メッシュ・カウント」は、カーロ‘518において使用されるような織物スクリーンから導出される用語である。3次元アパーチャが列に整合された場合に、線に沿った1インチの距離内で数えることができる3次元アパーチャの数が、メッシュ・カウントである。
【0029】
「ランド」は、3次元アパーチャ間で発生する。というのは、3次元アパーチャのベース開口の外周は、アパーチャ間の空間に存在するウェブの相互接続部分によって囲まれるはずだからである。ランドの材料からなる3次元アパーチャ間の空間の測定値が、「ランド幅」を定義する。3次元アパーチャ間のこれらのランドは、ウェブの元の平面中で相互接続されたままである。3次元アパーチャの開口は、それらの遠位端または頂点でも外周を有する。しかし、この第2の平面では、相互接続されたウェブはない。ランドは、アパーチャがそこから突出するウェブの元のベース平面にしか存在しない。このベース平面は、当技術分野では「雌」側としても知られる。延ばされた開口における、アパーチャの突出した頂点の、本質的に共通の平面は、「雄」側として知られる。
【0030】
3次元マイクロアパーチャのパターンを含むフィルム・ウェブが吸収性デバイス中のトップシートとして使用されることになる場合は、マクロアパーチャのパターンを導入することができる。この場合、各マイクロアパーチャはその周りでランド幅を有するが、より高いメッシュ・カウントのマイクロアパーチャのパターンが、より低いメッシュ・カウントのマクロアパーチャを囲むランド幅になる。
【0031】
マイクロアパーチャは使用中の表面湿潤を低減することができるが、マイクロアパーチャは、それら自体だけでは、トップシートに取り入れられた多量の液体を移動させるのに十分な開口サイズではない。したがって、この機能のためにマクロアパーチャを追加することができ、一方マイクロアパーチャ付きランドは主に、快適な触感を実現する。
【0032】
これらのランドは、ウェブの元の平面中で相互接続され、ウェブの保全性および強度を維持するのに役立つ。狭いランド幅はランド面積を低減し、このことは、吸収性デバイス中の使用後の残留湿潤を低減する助けとなる。しかし、狭いランド幅は、より弱いフィルム強度を引き起こす可能性があり、したがって、3次元アパーチャ付き成形フィルム作成の当業者なら、性能と強度とのバランスが維持されなければならないことを理解するであろう。
【0033】
成形フィルムは形成スクリーン上で形成されるので、スクリーンが存続保全性を有さなければならないこともまた、当技術分野におけるファクタである。これは、様々な成形フィルム・プロセスによって加えられる様々な応力の中でスクリーンが有用かつ経済的な耐用期間を有することができるように、開口面積に対するランド幅面積と、スクリーン厚さとのバランスを取ることによって、達成されなければならない。さらに、様々なスクリーン作製方法は、ランド幅と総オープン面積と厚さとの調和をとることを必要とする制限を有する。
【0034】
「パターン」は、3次元アパーチャとそれらの間のランドとの組合せによって生成される幾何学的アレイとして定義される。最も有用なマイクロアパーチャ・パターンのためには、アパーチャ形状は丸く、またアパーチャ形状は、60度正三角形分割によって形成されるアレイ中に位置決めされる。整合されたアパーチャは、横方向(TD)で整合され、したがって、正三角形アレイは、縦方向(MD)のアパーチャが互い違いに配列されるようにする。正方形パターン、または当技術分野で知られている他のパターンが利用されてもよい。アパーチャ形状が六角形でありランド幅が共通の幅に保たれる場合は、六角形をパターンに位置決めすると必然的に60度正三角形構成となる。
【0035】
3次元マクロアパーチャ・パターンのより広い範囲では、三角形、正方形、五角形、六角形、多角形、円、長円、楕円などのアパーチャ形状幾何形状を利用することができる。これらはアレイ中で近接して配置され、この結果として普通、可能な最も狭いランド幅となる。また、可能なときは常に、ランド幅はパターン全体にわたって一様であることが望ましい。成形フィルム技術分野からの、幾何形状とランド幅可能性との組合せの全範囲は、箇条書きにするには膨大すぎる。したがって、3次元アパーチャ付きフィルム作成の当業者なら従来技術からの発明的逸脱を理解するのにこの網羅的な教示を必要としないであろうという信念により、本明細書では、本発明のパターンに関係する明細のみについて論じる。
【0036】
成形フィルム技術分野における形成「スクリーン」装置は、通常、静止スロットの上で回転するシリンダまたはベルトである。スロット・エリアは、圧力差が加えられてフィルムが形成スクリーンのアパーチャのパターンに形成されるゾーンを提供する。スクリーンは、様々な方法によって作成される可能性がある。これらの方法は、金属または非金属材料からの、エッチング、フォトエッチングおよび積層、電気めっき、機械彫刻、またはレーザ彫刻を含む。
【0037】
成形フィルム・プロセスにおいて一般的に利用されるほとんどのタイプのスクリーンでは、スクリーン・アパーチャは、スクリーンの3次元アパーチャ・パターンのパーセンテージを複製するように形成されることになるウェブの平面の、X方向とY方向のいずれかに整合されることになる。Y方向は通常、縦方向(MD)と呼ばれ、X方向は横方向(TD)と呼ばれる。これは、MDが前ウエストと後ろウエストとの間の方向になり、TDが左脚カフと右脚カフとの間の方向になる吸収性デバイスに相関する。
【0038】
本発明の技術分野の応用例の大多数を構成する吸収性デバイス技術分野では、MDで整合された3次元アパーチャがトップシートに使用されることはめったにない。
【0039】
これは、整合された3次元アパーチャが断裂開始線を生み出し、吸収性デバイスのトップシートまたは他の層の断裂は望ましくないからである。したがって、現代の吸収性デバイスにおいては、パターンのMDで、3次元アパーチャが整合されず互い違いに配列されることが一般的である。本発明の好ましい実施形態では、マイクロアパーチャとマクロアパーチャの両方のすべての3次元アパーチャは、常にTDで整合されMDで互い違いに配列されると考えられることになる。
【0040】
「圧縮センサ・ポイント(Compression Sensor Point)」(CSP)は、皮膚がいくらかの量の接触圧および剪断運動を伴ってウェブと接触したときに皮膚中の感覚神経によって検出できる、ウェブ中の突起として定義される。フィルムの表面上の突起が柔らかい「布様の」触感を生じるように生成された従来技術特許である、アール(Ahr)の米国特許第4,463,045号から、次のように引用する。「経験により、表面変形部が隆起を構成する場合であろうとそうでなかろうと、前述の高さ基準を満たす巨視的に拡張された3次元プラスチック・ウェブにおいて、より布様または繊維様の触感が知覚されることが実証された。...これは、いずれの場合にも、ウェブの表面が少なくとも0.2ミル(すなわち0.0002インチ)の距離で相互から分離された少なくとも2つの異なる平面に分割されることによると考えられる。隆起の場合、観察者の皮膚に接触するのは変形部の最上部である。...上記の分割は微細な微視的パターン中で実施されるので、パターンの存在が触知されるのではなく、ウェブの一番上の表面との低減された接触エリアのみが触知されると考えられる。」
【0041】
従来技術をさらに参照すると、カーロ他に譲渡された米国特許第4,629,643号(カーロ‘643)は、マイクロアパーチャ、この場合ではハイドロフォーミングによって作成されたマイクロアパーチャから導出される触覚機能について、次のように述べている。「本発明はさらに、離散的な表面変形部の微細スケール・パターンを呈するこのようなウェブに関し、この各表面変形部は、その高さが、この表面変形部の発生する表面に対してほぼ直角に配向される。各表面変形部の最大高さにほぼ一致するごく小さいアパーチャ(マイクロアパーチャ)が設けられる。各表面変形部のピークでアパーチャによって生み出される不連続性は、個々の表面変形部の耐圧縮性と耐剪断性の両方をかなり低減する。加えて、各マイクロアパーチャの周囲に形成される噴火口様のエッジは通常、薄い不規則形状の花弁の形であり、これらの花弁は、使用者の皮膚との総接触面積を低減するだけでなく、使用者の皮膚との相対移動が発生したときに容易に偏向されもする。したがって、本発明のマイクロアパーチャ付きウェブは、著しく改善された触覚反応を呈する。特に、各アパーチャ表面変形部のピークに存在する噴火口様のエッジに使用者の皮膚が接触するときに経験される触覚反応は、全くアパーチャのない表面変形部の同様の微細スケール・パターンで経験されるよりもはるかに柔らかい感覚である。この触感の差は、剪断作用において、すなわち、ウェブの皮膚接触が、皮膚に対して直角な単純な圧縮運動ではなく、皮膚に対して相対的な横方向運動を伴うときに、最も顕著である。」
【0042】
したがって、この教示から、本明細書で使用される用語CSPは、皮膚の感覚神経が、皮膚との接触時の剪断力と結合された圧縮の中で突出(変形部)を検出することとして導出される。したがって、本技術および任意の関連従来技術の3次元マイクロアパーチャ付きフィルムに対する要件は、拡張を引き起こすためのこの方法のメカニズムがまた、3次元アパーチャの頂点におけるその遠位端開口の外周の周りで、いくらかの部分がフィブリル化することを伴って、いくらかの量だけ薄くなることも引き起こすことである。
【0043】
柔らかさのための別の要件は、集合的に感じることができるCSPの数である。通常、メッシュ・カウント75〜140のハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャは、猫の目アパーチャ形状であっても、集合的に感じられる。猫の目比率が高い場合、アパーチャは単一のCSPとして感じられるが、75メッシュよりも高いCSPカウントでは、集合的な柔らかさ感覚を生じることになる。しかし、猫の目形状を伴う75未満のCSPカウントの場合、ハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャはより個別に感じられ、ざらざらした、またはより粗い触感を生じることになる。
【0044】
しかし、40〜75メッシュの3次元マイクロアパーチャが丸くなると、バキュームフォーミング・プロセスの場合と同様、マイクロアパーチャの直径の間隔は、アパーチャの両側でCSPを生じる。これは、メッシュ・カウントの約2倍のCSPカウントを生み出し、この場合、例えば丸いアパーチャの60メッシュ・パターンは、実際には、柔らかい触感のための120メッシュCSPカウントを生じる。40メッシュは80のCSPカウントを生じ、43.5メッシュは87のCSPカウントを生じ、その他同様である。これが、バキュームフォーミングされたフィルムからの40〜75メッシュの丸い穴が柔らかく感じられる理由であり、また、これらのメッシュ・カウントのハイドロフォーミングされたフィルムが、柔らかく感じられるために猫の目形状から丸い形状に変更される必要があった理由である。
【0045】
上で論じたように、3次元アパーチャを有するフィルムの形成は当技術分野で知られており、このようなフィルムを作成する主要な方法は、バキュームフォーミング・プロセスおよびハイドロフォーミング・プロセスである。これらの方法は両方とも、頂点に開口を有する小さい表面突起を作成する。しかし、カーロ‘518およびカーロ‘643(カーロ特許)に記載のように、ハイドロフォーミングは、これらの開口が花弁形状のエッジを呈するという追加の利点を有し、これらのエッジは、フィルムの明白な柔らかさを高めると考えられる。しかし、カーロによって述べられた方法のようなハイドロフォーミング方法は、横方向(TD)よりも縦方向(MD)でより長い寸法を有する卵形アパーチャを作成することがわかっている。これは、実質的に円形の穴を作成するのに使用できるバキュームフォーミング・プロセスとは異なる。
【0046】
本発明は、ハイドロフォーミングによって作成される花弁形状のエッジの触覚利点を維持しながら、円形またはほぼ円形の3次元アパーチャを有するフィルムを作成する方法を提供する。これは、所望の比率のMD寸法およびTD寸法を有するアパーチャを作成するように構成され配向された楕円形の穴を有するスクリーンを、ハイドロフォーミング・プロセスで使用することを通して、少なくとも部分的に達成される。
【0047】
後続の段落では、従来技術の方法および製品について述べる。
【0048】
ここで
図1を参照すると、概して平面状のウェブ中で形成された、単一のバキュームフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャ10の断面が示されている。マイクロアパーチャ10は、雄側平面11および雌側平面12を有する。アパーチャ14は、平面12から平面11に続き、スルーホールを形成する。雄側平面11と雌側平面12との間の距離は、バキュームフォーミングされたマイクロアパーチャのZ方向高さであり、これは一般的に、成形フィルムの「嵩張り」と呼ばれる。バキュームフォーミング・フィルム3次元アパーチャは、ランド13を有し、ランド13は、雌平面12を画定する隣接するバキュームフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャ(図示せず)のランドに相互接続されるものとすることができる。ランド13のフィルム塊は、継続して、アパーチャ14の側壁になる。側壁は薄くなり続け、最も薄い部分15は、アパーチャの開口において平面11上のその頂点で最高点に達することに留意されたい。バキュームフォーミング・フィルム3次元アパーチャの、薄くされた部分15は、概して丸くされ平滑であることになる。薄くされた部分15は、バキュームフォーミング・プロセスにおける形成中の不十分な真空圧力差および溶融から固形への位相変化のせいで、カーロ特許に記載の花弁形状のエッジを形成するようにフィブリル化しない。
【0049】
図2に、雄側平面を見下ろす3次元マイクロアパーチャ10の平面図を示す。アパーチャ14は、MDを上下、TDを左右として配向されている。ランド13、およびランド13のフィルム塊は、マイクロアパーチャのスルーホール14を囲む薄くされた先端15まで延びる。スルーホール14は、バキュームフォーミング・プロセスによって形成されたときは一般に、MDとTDとでほぼ等しい寸法を有することになる。すなわち、形成後は本質的に円形の形状を有することになる。ウェブを縦方向に下流に移行することによって加えられる応力が、スルーホール・マクロアパーチャをわずかに伸展および伸長する働きをすることがある。しかし、形成されると実質的に円形である。
【0050】
図3に、マイクロアパーチャを作るために設計された典型的な形成スクリーン・パターンのセクション30の概略図を示す。本発明を記述するために使用される例では、このスクリーンは60メッシュ・スクリーンである。スクリーン・セクション30は、マイクロアパーチャ31の60度正三角形分割されたパターンを有し、整合されたアパーチャはTDで整合され、MDマイクロアパーチャは互い違いに配列される。マイクロアパーチャ31は、ランド32によって囲まれる。ランド幅は、すべての側でほぼ等しい。この例では、ランド幅は152ミクロンである。TDアパーチャ直径33は約250ミクロンであり、MDアパーチャ直径34は約250ミクロンで等しい。TDで整合されたマイクロアパーチャの中心間の間隔35は、424ミクロンである。
【0051】
中心間の間隔35の値を使用して、「メッシュ」を決定することができる。424ミクロンをインチに変換すると、0.0167インチとなる。整合されたアパーチャ距離1.0インチを中心間の間隔0.0167インチで割ると、60メッシュ・カウントとなる。60度正三角形アレイ中のマイクロアパーチャを有する
図3の60メッシュ・スクリーンは、形成スクリーンの1平方インチ当たり約4140個のアパーチャを生じ、この形成スクリーン上で形成されるフィルムについても、1平方インチ当たりほぼ同じ値のマイクロアパーチャを生じることになる。スクリーン・オープン面積は約31%である。
【0052】
図4に、
図3のスクリーンから作られた60メッシュ・バキュームフォーミング3次元マイクロアパーチャ付きフィルムの平面図の顕微鏡写真を示す。バキュームフォーミングされたフィルムの、丸いアパーチャ形状41に留意されたい。このバキュームフォーミングされたマイクロアパーチャ付きフィルムのフィルム・オープン面積は、約24.5%である。
【0053】
図5に、
図4のバキュームフォーミングされたフィルムの単一バキュームフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャ41の拡大された顕微鏡写真を示す。このアパーチャは、MDとTDの両方で約202ミクロンの直径を有する。バキュームフォーミング・プロセスは一般に、スクリーンのアパーチャの直径の約60%〜80%のフィルム・アパーチャ直径を達成する。この例では、フィルムのマイクロアパーチャ直径は、スクリーンのアパーチャ直径の約80%である。丸いアパーチャ直径はMDとTDの両方で実質的に等価な半径を有するので、この半径は、面積(πR2)に対応する。したがってまた、フィルムのアパーチャ面積もスクリーンのアパーチャ面積の約80%であると言うことができる。
【0054】
図6および7に、カーロ特許に記載の方法などのハイドロフォーミング方法を使用して形成された単一の3次元マイクロアパーチャ60の断面図および平面図を示す。マイクロアパーチャ60は、雄側平面61および雌側平面62を有する。マイクロアパーチャ64は、平面62から平面61に続き、スルーホールを形成する。雄側平面61と雌側平面62との間の距離は、ハイドロフォーミングされた3次元アパーチャのZ方向高さであり、これは一般的に、成形フィルムの「嵩張り」と呼ばれる。ハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャは、ランド63を有し、ランド63は、雌平面62を形成する隣接するハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャ(図示せず)のランドに相互接続される。ランド63のフィルム塊は、継続して、アパーチャ64の側壁になる。側壁は薄くなり続け、最も薄い部分65は、平面61上のアパーチャの開口頂点で最高点に達することに留意されたい。ハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャの、これらの薄くされた先端は、カーロ特許によって示されるように従来技術において「花弁」と呼ばれるフィブリル化部66をしばしば形成することになる。
【0055】
図7の平面図に、雄側平面61を見下ろす3次元マイクロアパーチャ40を示す。マイクロアパーチャ64は、縦方向(MD)を上下、横方向(TD)を左右として配向されている。ランド63、およびランド63のフィルム塊は、マイクロアパーチャのスルーホール64を囲む薄くされた先端65まで延びる。以下で実証されるように、スルーホール64は、従来技術のハイドロフォーミング・プロセスによって形成されたときは、MDとTDとでほぼ等しくない寸法を有することになる。すなわち、卵形または「猫の目」形状を有することになる。
【0056】
図8に、
図3のスクリーンを使用して作られた従来技術の60メッシュ・ハイドロフォーミング3次元マイクロアパーチャ付きフィルムのセグメントの顕微鏡写真を示す。フィルム・アパーチャ81は、はるかに小さく、TD軸よりも大きいMD軸を有することに留意されたい。これが猫の目形状である。猫の目形状は、「軸比」を生じ、この場合、大きい方の軸が小さい方の軸で割られる。図示のハイドロフォーミングされたフィルムは、
図4に示されるバキュームフォーミングされたフィルムが作られたのと同じスクリーン上で作られたにもかかわらず、約9%のオープン面積を有し、約1.85〜2.12の軸比範囲を有する。
【0057】
猫の目アパーチャ開口面積もまた、その半径に対応する(π[Ra×Rb])。成形フィルム作成の技術分野では、ハイドロフォーミングは形成スクリーンのアパーチャ面積の約25%〜45%のフィルム・アパーチャ面積しか生まないことになることが知られている。したがって、ハイドロフォーミングされたアパーチャは、同じスクリーン上で作成されたバキュームフォーミングされたフィルムの対応するアパーチャよりも著しく小さい。面積の低減は、一部には、TD半径寸法が減少した猫の目形状のせいだが、全体的にアパーチャが概してより小さいからでもある。
【0058】
この、猫の目マイクロアパーチャ形状の狭窄効果が、約40〜75メッシュのメッシュ・カウントについての所望の柔らかさファクタの損失の主要な原因である。これについては、以下で
図13および14を使用してより詳細に論じる。
【0059】
3次元アパーチャの軸比が、ウェブの平面状表面に対して平行な突起の断面について一定である傾向があることは、理解されるであろう。これは、突起の頂点における実際の孔まで(孔を含む)の、噴火口形状の突起の上部について、特に当てはまる。この部分は、皮膚との接触時の触感に影響を及ぼすエリアである。
【0060】
図9に、
図3のスクリーン上でハイドロフォーミング・プロセスによって作られた、
図8からの単一の従来技術マイクロアパーチャ81の拡大された顕微鏡写真を示す。このアパーチャは、約195ミクロンのMD軸寸法、および約95ミクロンのTD軸寸法を有する。これは約2.05の軸比となる。従来技術のハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャの軸比は、スクリーン・パターンおよび稼働条件の相違に応じて変動することになる。
【0061】
より低いメッシュ・カウント値のより大きいマイクロアパーチャは、フィルム・アパーチャをその中に形成すべき形成スクリーン・アパーチャ中の空間がより多いせいで、より低い軸比を有することになることは、ハイドロフォーミングの当業者には知られている。いくらかの分布を含むデータから導出された一般化を述べると、ハイドロフォーミング・マイクロアパーチャの従来技術プロセスの40メッシュ軸比は、約1.45という低さであることがあり、140メッシュ軸比は、2.35という高さである可能性がある。
【0062】
加えて、水圧、水温、スクリーン回転のレート、利用されているポリマー・ブレンドなど、ハイドロフォーミング・プロセス条件の多くの他の変数が、変動を生み出すことになる。しかし、これらの条件操作はどれも、猫の目形状およびその結果的な軸比をうまく除去しないことがわかっている。したがって、40メッシュ〜140メッシュの従来技術ハイドロフォーミング3次元マイクロアパーチャの全軸比範囲は、約1.45〜概して約2.35である。バキュームフォーミングの同様に丸いアパーチャを達成し、ハイドロフォーミング・プロセスから導出される花弁からの追加の柔らかさの利点を得るために、ハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャの猫の目形状を実質的に除去するための発明的ステップが必要とされた。
【0063】
本発明は、ハイドロフォーミング・プロセスにおける新規な変形を提供する。この変形では、以前の方法の猫の目問題に対抗するために、3次元アパーチャの形成に使用されるスクリーン中の開口が特に調整される。
【0064】
通常のハイドロフォーミング・プロセスの場合と同様、本発明の方法は、動く有孔形成スクリーン上にフィルムを連続的に配置することを実現する。形成スクリーンは通常、スクリーンの有孔壁が静止スロットの上を通過するように構成された、回転可能な中空シリンダまたはベルトである。フィルムは、スクリーン上に付着させられた後、一連の整合された高圧水ノズルの真下を通され、ノズルへの圧力は、高圧水ポンプ・システムによって供給される。ノズルは、いくぶん平坦なスプレー・パターンを送達するように設計され、各ノズルのスプレー・パターンのエッジが隣接ノズルのエッジとわずかに重なるように間隔を空けられる。したがって、システムの長さに沿って、加えられる圧力に隙間が存在しない。
【0065】
高圧水流は、フィルムがスクリーン中の開口の中を通って押されるようにし、したがって、これらはある程度、孔の3次元形状をとる。これが発生するとき、フィルムは伸展され、それにより、薄くされ最終的に破裂して変形の頂点で孔が形成される。次いで、突起はそのままで、フィルムはスクリーンから除去される。次いで、フィルムは、さらに処理されてもよく(例えば、さらに他のマイクロもしくはマクロ孔の追加を通して)、または、保管もしくは輸送のために巻かれてもよい。
【0066】
上で論じたように、以前に使用されたこのタイプのハイドロフォーミング方法は、伸長された猫の目形状のアパーチャをウェブ中に作成した。これらのアパーチャの長軸は、フィルム・ウェブおよび形成スクリーンの動きの方向に整合された。伸長形状は、規則化された(通常は円形の)スクリーン開口を使用する結果として生じると考えられる。
【0067】
本方法は、伸長効果を低減または除去するためにスクリーン孔の構成がプロセスおよびフィルム材料の特性に適応されるという点で、以前のハイドロフォーミング方法とは異なる。一般に、これは、スクリーン開口を楕円形(または類似の卵形形状)にすることを伴い、開口の短軸は縦方向に整合され、開口の長軸は横方向に整合される。長軸と短軸の正確な比率は、材料、製造ラインの速度、水圧および水温などの関数である。
【0068】
水温は通常、フィルムを柔らかくはするが溶融はしないように、180°Fに高められる。しかし、120〜200°Fの範囲内の温度も機能する可能性がある。水ノズルは、回転スクリーン・シリンダから約4〜5インチ離して配置されるが、2〜10インチの距離が適用されることもある。フィルム・ウェブ・キャリパは、厚さ12〜70ミクロンの範囲にわたる可能性があり、一般的なゲージは22〜24ミクロンの範囲にわたる。ウェブは、単層または共押出し多層における様々なオレフィン・ポリマーからなるものとすることができる。
【0069】
本発明の方法は、任意の適切なポリマーから形成されたフィルムと共に使用することができる。特に適するポリマーは、次のものに限定されないが、ポリエチレン、低密度および超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度および中密度ポリエチレン、メタロセン、ブロック共重合体、酢酸ビニル共重合体、ならびに様々なエラストマーを含む。これらは、単層フィルムにブレンドされて使用されてもよく、または単独で押し出されるかもしくは2層〜5層以上を有する共押出しフィルムに形成されて使用されてもよく、フィルム押出しの当業者なら、様々なフィルム属性要件を満たすように設計できるであろう。
【0070】
次に
図10を参照すると、本発明の方法において使用される例示的な形成スクリーン100の一部が示されている。例示的なスクリーン100は、43.5メッシュ・スクリーンである。スクリーン100のアパーチャ101は、短軸104よりも約1.35倍(すなわち軸比)長い長軸103を有する。スクリーン100は、ランド102に囲まれたアパーチャ101を有する。ランド幅は、すべての側で等しいことが好ましい。この例では、ランド幅は102ミクロンである。TDアパーチャ直径103は約483ミクロンであり、MDアパーチャ104は約345ミクロンである。TDで整合されたアパーチャの中心間の間隔105は、585ミクロンである。
【0071】
図示の例の軸比は1.35だが、約1.15〜2.50の軸比のスクリーンを利用できることは、当業者によって理解されるであろう。
【0072】
これらの変形は、様々なメッシュ・カウント、パターン・アレイ、または単層フィルムおよび/もしくは共押出しフィルムのためのポリマー・ブレンドに対して、必要であることがある。共押出しフィルムは、2〜5層を効果的に利用することができ、この場合、各層の特徴は、ハイドロフォーミング・アパーチャ形成と最終使用要件とのどちらかまたは両方における特定の機能に向けて設計される。
【0073】
中心間の間隔105を使用して、「メッシュ」を決定することができる。585ミクロンをインチに変換すると、0.023インチとなる。整合されたアパーチャ距離1.0インチを中心間の間隔0.023インチで割ると、約43.5メッシュ・カウントとなる。
図10の43.5メッシュ・スクリーンは、TDで整合されMDで互い違い配列のアレイ中にあるアパーチャを有する。一様なランド幅では、これは、形成スクリーンの1平方インチ当たり約2414個のアパーチャを生じる。スクリーンがTDで1インチ当たり43.5個のアパーチャを有し、MDで約55.5個のアパーチャを有する場合は、1平方インチ当たり43.5×55.5=2414個のアパーチャである。スクリーン・オープン面積は50%前後である。ハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャ付きフィルムが
図10の形成スクリーン100上で作成されるとき、これは、縦方向の引っ張り(フィルムを歪ませてアパーチャをTDでわずかにより密に詰めることがある)に応じて、1平方インチ当たりほぼ同じ値のアパーチャを生じることになる。
【0074】
約50%の大きいオープン面積と比較的多い1平方インチ当たりアパーチャ数とを有し、一方102ミクロンの狭いランド幅も有する、好ましい一実施形態のこの発明的スクリーンを生み出すために、
図10の形成スクリーン100は、参照により本明細書に組み込まれるリーカー(Rieker)に譲渡された米国特許第5,562,932号によって教示されるフォトエッチングおよび積層方法によって作られたが、例外として、積層される層は、オフセット角度で積み重ねられるのではなく垂直に積み重ねられる。本発明に必要とされるように形成スクリーンを作るための別の好ましい技法は、参照により本明細書に組み込まれるトーマス(Thomas)他に譲渡された米国特許第8,460,778号によって開示される、ゴムのような熱硬化性材料をレーザ彫刻する方法である。ゴム・スクリーンの上のニッケルめっきコーティング仕上げは、これらのゴム・レーザ彫刻スクリーンの強度および熱的プロパティを高める。金属スクリーンにレーザ彫刻することもまた、適正に操作されればどんなスクリーン作成方法もそうであるように、真実味があるであろう。
【0075】
図11に、
図10の発明的スクリーン上でハイドロフォーミング・プロセスによって作られた3次元マイクロアパーチャ111の43.5メッシュ・ハイドロフォーミング・フィルムの一部を示す。アパーチャが実質的に丸いことに留意されたい。この発明的なハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムのオープン面積は、約25%である。したがって、ハイドロフォーミング・プロセスは、形成スクリーン・アパーチャのサイズおよびオープン面積の約50%のアパーチャ111を生み出した。とりわけ、これらのアパーチャは、認識できる猫の目形状を有さず、むしろ、MD軸とTD軸とが本質的に等価であり実質的に丸く見える。
【0076】
図12は、
図11からの単一のマイクロアパーチャ111の拡大された顕微鏡写真である。アパーチャ111は、約292ミクロンのMD軸、およびほぼ同程度の292ミクロンのTD軸を有する。これは、軸比1.00の丸い穴となる。
図11に示されるアパーチャのうちの少数は、約292ミクロンのMD軸および約255ミクロンのTD軸を有し、著しく低減された実質的に丸い約1.15の軸比となる。測定値は、
図11に示されるよりもはるかに多数のアパーチャから取られたが、本方法によって行われたどの測定も、1.35よりも高いマイクロアパーチャ軸比をもたらさなかった。
【0077】
本質的に丸いアパーチャを形成するバキュームフォーミングの従来技術について上述したように、バキュームフォーミングされた3次元マイクロアパーチャは、約40〜75のメッシュ・カウントにおいて著しい程度の柔らかさを達成することができるが、フィブリル化された花弁の特徴がないので、「優れた」柔らかさに欠ける。
【0078】
バキュームフォーミングされた3次元マイクロアパーチャの60メッシュ・フィルムが、今日、柔らかいので販売に成功していること、および、100メッシュの従来技術のハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムが、柔らかさで市場成功を有してきたことが、従来技術において示された。しかし、例えばハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャ付きフィルムの60メッシュ・バラエティは、必要とされる柔らかさに欠ける。この観察を説明するために
図13を利用する。また
図14に、猫の目形状ではなく丸い形状のハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャを生み出すことが、なぜハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャ付きフィルムを柔らかく感じさせる発明的ステップであるかを示す。
【0079】
次に
図13を参照すると、従来技術のハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムのセグメント130の断面が見える。セグメント130は、長さ約254ミクロンであり、60メッシュ・パターンのスクリーンからきている。セグメント130は、雄側平面131および雌側平面132を有する。マイクロアパーチャ134は、平面132から平面131に続き、スルーホールを形成する。雄側平面131と雌側平面132との間の距離は、ハイドロフォーミングされたアパーチャのZ方向高さであり、これは、成形フィルムの「嵩張り」と一般的に呼ばれる。ハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャは、ランド133を有し、ランド133は、雌平面132を形成する隣接するハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャのランドに相互接続される。ランド133のフィルム塊は、継続して、アパーチャ134の側壁になる。側壁は薄くなり続け、最も薄い先端135は、平面131上のアパーチャの開口頂点で最高点に達することに留意されたい。これらのハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャは、猫の目形状を有し、
図13に示されるアパーチャ134の狭い軸幅は、
図13中で左右のTD軸幅にある。MDにおける長軸は、
図13を見る人から離れていく方に向いている。ハイドロフォーミングされているので、いくつかのマイクロアパーチャは花弁146を有することがあるが、それらの柔らかさ効果は、他の圧倒的なファクタによって無効化される。
【0080】
上で定義したように、皮膚の神経による感覚認識をもたらす突起は、「圧縮センサ・ポイント(CSP)」である。複数の従来技術教示(いくつかは上述した)において、マイクロアパーチャの結果として生じるCSPは密に詰まっているべきであることが示されている。というのは、CSPが離れすぎていると、それらは個別に感知され、感覚はざらざらしたまたは粗い方に向かうからである。柔らかさの感覚を最もよく検出するには、皮膚は、皮膚接触時の間に圧縮して屈曲する可能性のある突起先端の集合的効果を検出しなければならない。CSPの頂点における薄くされた開口、および時折の花弁は、柔らかさをもたらすCSPカウントの範囲内にCSPがあるという条件で、柔らかさの感覚を最もよく実現するCSPの圧縮および屈曲メカニズムを提供するのに役立つ。柔らかさが第1に発生する場合の柔らかいCSPカウントは、一般に約80と考えられている。
【0081】
図13で留意すべき主要なファクタは、アパーチャが、高い軸比による著しい猫の目形状を有し、広がっているのではなく細いので、アパーチャが「個別の」CSP137になることである。中心間間隔138が424ミクロンなので、これらのCSP137は60メッシュ・カウントのCSPカウントで間隔を空けられ、したがって、皮膚は、これらを複数のユニットの集合体としてではなく、単一CSPユニットとして感じる可能性がある。また、従来技術において示されるように、CSPカウントが80未満なので、この感覚は、柔らかさ触感を奪い、むしろざらざらしたまたは粗い感覚の方に向かっている。
【0082】
バキュームフォーミング・プロセスが、同じ60メッシュ・カウントの丸い3次元マイクロアパーチャを作成するとき、CSPは、側壁間の距離が広くなるせいで、アパーチャのどちらの側の側壁にもなる。したがって、60メッシュのバキュームフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムは、約120メッシュのCSPを生み、したがってこれは、100メッシュのハイドロフォーミングされたフィルムが柔らかく感じられるのと同様に柔らかく感じられる。というのは、両方のCSPカウントは、柔らかさのための最小カウントである約80よりも高いからである。
【0083】
次に
図14を参照すると、発明的なハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムのセグメント140が示されている。このセグメントの140の長さもまた約254ミクロンである。フィルム・セグメント140は、雄側平面141および雌側平面142を有する。マイクロアパーチャ144は、平面142から平面141に続き、スルーホールを形成する。雄側平面141と雌側平面142との間の距離は、ハイドロフォーミングされたマイクロアパーチャのZ方向高さであり、これは一般的に、成形フィルムの「嵩張り」と呼ばれる。ハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャは、ランド143を有し、ランド143は、雌平面142を形成する隣接するハイドロフォーミング・フィルム3次元マイクロアパーチャのランドに相互接続される。ランド143のフィルム塊は、継続して、アパーチャ144の側壁になる。側壁は薄くなり続け、最も薄い先端145は、平面141上のアパーチャの開口頂点で最高点に達することに留意されたい。いくつかの薄くされた先端145は、花弁146を有する。
【0084】
マイクロアパーチャ144は、約585ミクロンのTD整合された中心間間隔148を有し、43.5メッシュ前後のメッシュ・カウントを生じる。マイクロアパーチャ144は、約292ミクロンのMDおよびTD直径を有する。また、CSP147はこの場合、マイクロアパーチャ144の薄くされた側壁なので、CSP間隔は、アパーチャ開口の両端間149とアパーチャ間149’との両方で、約292ミクロンであり、これは共にはるかに近い。43.5メッシュでは、この発明的なフィルムのCSP147カウントは約87であり、これは、柔らかさのための最小値80よりも高い。ハイドロフォーミングされた花弁146が追加されることで、より高い柔らかさを達成することができる。加えて、15%よりも大きいオープン面積のマイクロアパーチャ付きフィルムは、使用後の残留液体の適正な除去を実現することになる。したがって、
図11および14に描かれる、25%のオープン面積を有するこの発明的なフィルムの好ましい実施形態は、トップシートとして利用された場合、十分な乾きを実現するはずである。
【0085】
したがって、本発明は、残留液体の除去を向上させるための十分なオープン面積を有する、十分に柔らかいハイドロフォーミングされた3次元マイクロアパーチャ付きフィルムを提供する。このフィルムは、次のものに限定されないが、女性用ナプキン、パンティ・ライナ、乳児用おむつ、成人用おむつ、失禁用インサート、包帯などの吸収性デバイス中のトップシートとして有用であることになり、マクロアパーチャのパターンがそれに追加されたときは特にそうである。
【0086】
本発明が広範な有用性および応用例を許容することは、当業者にはすぐに理解されるであろう。本明細書に記載された以外の本発明の多くの実施形態および適応、ならびに多くの変形、修正、および等価な配置構成は、本発明の実体または範囲を逸脱することなく、本発明および本発明に関する上記の記述から明らかになるであろうし、またはそれらによって妥当に示唆されるであろう。
【0087】
したがって、ここでは本発明をその好ましい実施形態との関係で詳細に述べたが、本開示は、本発明の例証および例示に過ぎず、本発明に関する完全かつ実施可能な開示を提供する目的でなされるに過ぎないことを理解されたい。本発明の精神および範囲を逸脱することなく、上で開示した実施形態に対する多くの修正を加えることができる。したがって、前述の開示は、本発明を限定すると解釈されるものとはせず、また他の方法でいずれか他のそのような実施形態、適応、変形、修正、および等価な配置構成を排除するものともしない。