特許第6963574号(P6963574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963574
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】装着式耳洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 35/00 20060101AFI20211028BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   A61H35/00 Z
   A47K7/00 106
【請求項の数】14
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-568928(P2018-568928)
(86)(22)【出願日】2017年4月14日
(65)【公表番号】特表2019-527570(P2019-527570A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(86)【国際出願番号】US2017027763
(87)【国際公開番号】WO2018004785
(87)【国際公開日】20180104
【審査請求日】2020年4月9日
(31)【優先権主張番号】62/357,320
(32)【優先日】2016年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518458872
【氏名又は名称】サフカン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ディワン,アアディル
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 スイス国特許出願公開第702267(CH,A2)
【文献】 米国特許第08328830(US,B1)
【文献】 特開昭59−032455(JP,A)
【文献】 特表2013−531518(JP,A)
【文献】 国際公開第87/06456(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 35/00
A47K 7/00
A61F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の耳の外耳道を灌注するための装置であって、
カニューレと、一方の人の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の空洞を有し人の耳の上に装着されるようなサイズ及び寸法の耳当てと、備え
前記カニューレは、
前記カニューレの近接端から前記カニューレの遠位端に向かって先細となる本体であって、前記カニューレの前記遠位端が前記耳の鼓膜に衝突する前に前記本体が前記耳の耳道の側壁に衝突するように前記本体が人の耳の中に位置決め可能とされる、本体と、
前記カニューレの前記近接端に位置決めされた灌注インレットポートと、
前記カニューレの前記近接端に位置決めされた排出物収集アウトレットポートと、
前記灌注インレットポートに関して比較的前記遠位端に向かって位置決めされた複数の灌注アウトレットアパーチャであって、前記灌注インレットポートと流体で連絡している、灌注アウトレットアパーチャと、
前記排出物収集アウトレットポートに関して比較的前記遠位端に向かって位置決めされた排出物収集インレットポートであって、前記排出物収集アウトレットポートと流体で連絡している、排出物収集インレットポートと、を有し、
前記耳当て
前記カニューレが選択的に脱着式に物理的に連結可能なカニューレ連結器インターフェースと、洗浄液流体連絡経路と、排出物流体連絡経路と、ハウジングと、を有し、
前記洗浄液流体連絡経路は、前記カニューレが前記カニューレ連結器インターフェースと連結されたときに、洗浄剤リザーバに収納された洗浄剤が前記洗浄剤リザーバを出て前記洗浄流体連絡経路を通って前記カニューレへと進むように、前記洗浄剤リザーバと前記カニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供し、
前記排出物流体連絡経路は、前記カニューレが前記カニューレ連結器インターフェースと連結されたときに、前記耳からの排出物が前記カニューレを出て前記排出物流体連絡経路を通って排出物収集リザーバへと進むように、前記排出物収集リザーバと前記カニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供し、
前記ハウジングは、前記洗浄剤リザーバと前記排出物収集リザーバとを前記ハウジングの一部に固定するために使用可能な一つ以上の連結機構を含む、装置。
【請求項2】
前記耳当ては、第1の耳当てであり、
前記洗浄剤リザーバは、第1の洗浄剤リザーバであり、
前記排出物収集リザーバは、第1の排出物収集リザーバであり、
前記カニューレ連結器インターフェースは、第1のカニューレ連結器インターフェースであり、
前記洗浄液流体連絡経路は、第1の洗浄液流体連絡経路であり、
前記排出物流体連絡経路は、第1の排出物流体連絡経路であり、
前記カニューレは、第1のカニューレであり、
前記装置は、
第2のカニューレであって、前記第2のカニューレの近接端から前記第2のカニューレの遠位端に向かって先細となる本体と、前記第2のカニューレの前記近接端に位置決めされた灌注インレットポートと、前記第2のカニューレの前記近接端に位置決めされた排出物収集アウトレットポートと、を有する、第2のカニューレと、
一方の人の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の空洞を有し、人の耳の上に装着されるようなサイズ及び寸法の第2の耳当てと、
を更に備え
前記第2の耳当て
前記第2のカニューレが選択的に脱着式に物理的に連結可能な第2のカニューレ連結器インターフェースと、
第2の洗浄剤リザーバと前記第2のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第2の洗浄液流体連絡経路と、
第2の排出物収集リザーバと前記第2のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第2の排出物流体連絡経路と、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記洗浄液流体連絡経路は、前記カニューレが前記カニューレ連結器インターフェースに連結されるときに前記カニューレの前記灌注インレットポートと噛み合う洗浄剤ポートを有し、
前記排出物流体連絡経路は、前記カニューレが前記カニューレ連結器インターフェースに連結されるときに前記カニューレの前記排出物収集アウトレットポートと噛み合う真空ポートを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記耳当てが、前記一方の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の前記空洞を少なくとも部分的に形成する、弾性又は整合的な環状メンブレンを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記耳当てが、
前記洗浄剤を保持するための前記洗浄剤リザーバと、
前記排出物を収集するための前記排出物収集リザーバと、
前記排出物収集リザーバと前記洗浄剤リザーバの一方又は両方が選択的に脱着可能な蓋部を含む前記ハウジングと、
を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記耳当てが、前記洗浄液流体連絡経路に沿って前記洗浄剤リザーバから前記カニューレ連結器インターフェースに向かって前記洗浄剤を移動させるように流体で連結された少なくとも1つのポンプアセンブリを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記耳当てが、前記排出物流体連絡経路に沿って前記カニューレ連結器インターフェースから前記排出物収集リザーバに向かって前記排出物を移動させるために負圧を加えるように流体で連結された少なくとも1つのポンプアセンブリを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記耳当てが、前記ハウジングに収容され、前記少なくとも1つのポンプアセンブリを制御するように通信可能に連結されたセットのコントローラ回路を更に含む、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記耳当てが、前記装置の外部からアクセス可能ないくつかのユーザ実行可能選択可能制御部を更に含み、
前記ユーザ実行可能選択可能制御部が、前記少なくとも1つのポンプアセンブリを制御するように通信可能に連結された前記セットのコントローラ回路に通信可能に連結される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記カニューレが、前記排出物収集インレットポートと前記排出物収集アウトレットポートとの間に伸びる流路と、前記排出物収集インレットポートと前記排出物収集アウトレットポートとの間の流路内に位置決めされたトラップと、を更に含み、
前記トラップは、ある量の液体及び空気のうちの少なくとも一方を通す間に物理的デブリをトラップするように構成されている、請求項に記載の装置。
【請求項11】
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に連結された非一時的コンピュータ可読媒体と、を更に含み、
前記非一時的コンピュータ可読媒体が、
前記少なくとも1つのポンプアセンブリに、前記洗浄液流体連絡経路に沿って前記洗浄剤リザーバから第1の量の前記洗浄を分配させるか、又は、前記排出物流体連絡経路の少なくとも一部分に沿って負圧を発生させる、いくつかの信号を前記少なくとも1つのポンプアセンブリに提供するように前記プロセッサを明確にプログラムするプロセッサ実行可能命令を記憶する、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項12】
前記カニューレは、前記カニューレの遠位端における斜角を付けた部分を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記カニューレ連結器インターフェースが、前記カニューレの対応するインターフェースに物理的に係合するように構成された環状壁を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記一つ以上の連結機構は、前記排出物収集リザーバの隣に前記洗浄剤リザーバを固定するように使用可能である、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に装着式耳洗浄装置を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
耳垢(cerumen)としても知られる耳あか(ear wax)は、人の耳道の外側部分に自然に形成され、耳道を保護し潤滑する働きをする。人の顎の動きは古い耳あかが耳道の外側に向かって移動するのを支援し、そこで耳あかは乾燥し剥がれ落ちる。残念なことに、耳あかは、人の聴覚に影響を及ぼす程度まで耳道内に蓄積する可能性がある。その上、人によっては、綿棒などの装置で自分の耳を掃除しようと試み、それが一般に鼓膜に向かって耳道内のより深いところに耳あかを押し込む。このため、綿棒で耳道を掃除しようという試みは実際には、実質的な恩恵を提供せずに人の聴覚を害する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
耳道を洗浄するために、生食、過酸化水素、及び/又は水の混合物を使用して、耳道を灌注し、耳あかの過剰な蓄積を除去する。しかしながら、耳道の灌注は、医師を訪問し、操作するのに複数の人を必要とする装置の使用が必要になる可能性がある。加えて、耳道を灌注するために使用される装置及び技法の結果、使用された洗浄剤又は洗浄液が通常流された耳あかを運んで耳道から出て、患者に影響を及ぼす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
人の耳の外耳道を灌注するための装置は、一方の人の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の空洞を有し、人の耳の上に装着されるようなサイズ及び寸法の第1の耳当て(over-ear earpiece)を含み、第1の耳当ては、洗浄剤を保持するための第1の洗浄剤リザーバと、灌注からの排出物を収集するための第1の排出物収集リザーバと、カニューレが選択的に脱着式に物理的に連結可能な第1のカニューレ連結器インターフェースと、第1の洗浄剤リザーバと第1のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第1の洗浄液流体連絡経路と、第1の排出物収集リザーバと第1のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第1の排出物流体連絡経路とを含むものとして要約することができる。
【0005】
この装置は、一方の人の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の空洞を有し、人の耳の上に装着されるようなサイズ及び寸法の第2の耳当てを更に含むことができ、第2の耳当ては、洗浄剤を保持するための第2の洗浄剤リザーバと、灌注からの排出物を収集するための第2の排出物収集リザーバと、カニューレが選択的に脱着式に物理的に連結可能な第2のカニューレ連結器インターフェースと、第2の洗浄剤リザーバと第2のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第2の洗浄液流体連絡経路と、第2の排出物収集リザーバと第2のカニューレ連結器インターフェースとの間の流体連絡を提供する第2の排出物流体連絡経路とを含む。
【0006】
この装置は、互いに間隔をあけて離れた状態で第1の耳当てと第2の耳当てを調節可能に接続する調節可能ヘッドストラップを更に含むことができ、調節可能ヘッドストラップは、第1の耳当てが第1の耳の上に位置決めされ、第2の耳当てが第2の耳の上に位置決めされた状態で人の頭の上に装着されるようなサイズ及び寸法である。
【0007】
この装置は、第1の軸の周りを旋回するように第1の耳当てを調節可能ヘッドストラップに旋回式に連結する少なくとも第1の座付連結器と、第2の軸の周りを旋回するように第2の耳当てを調節可能ヘッドストラップに旋回式に連結する少なくとも第2の座付連結器とを更に含むことができ、第1及び第2の軸は第1及び第2の耳当てのそれぞれのカニューレ連結器インターフェースの間に伸びる軸に対して垂直である。
【0008】
第1の洗浄剤リザーバはポートを有することができ、第1の排出物収集リザーバはポートを有することができ、第1の耳当ては第1のハウジングを更に含むことができ、第1のハウジングは第1のハウジングの内部を形成する皿状部と蓋部とを含み、第1のハウジングを通って伸び、第1の洗浄剤リザーバのポートと位置合わせされ、それと噛み合うようなサイズ及び寸法である第1の通路と、第1のハウジングを通って伸び、第1の排出物収集リザーバのポートと位置合わせされ、それと噛み合うようなサイズ及び寸法である第2の通路とを備え、第1のハウジングの内部は第1及び第2の通路からシールされる。
【0009】
第1の耳当ては第1の環状ブラケットを更に含むことができ、第1の環状ブラケットは調節可能ヘッドストラップに旋回式に連結され、第1のハウジングは第1の環状ブラケットに選択的に脱着式に連結される。
【0010】
第1の耳当ては、一方の耳を受け入れるようなサイズ及び寸法の空洞を少なくとも部分的に形成する、弾性又は整合的な環状メンブレンを更に含むことができる。
【0011】
第1の耳当ては、第1の洗浄剤リザーバを形成する第1のシェルと、第1の排出物収集リザーバを形成する第2のシェルとを更に含むことができる。第1の排出物収集リザーバは第1の洗浄剤リザーバに関して選択的に脱着可能にすることができる。第1の洗浄剤リザーバは第1の排出物収集リザーバに関して選択的に脱着可能にすることができる。
【0012】
第1の耳当ては、第2のシェルに対して脱着式に固定可能であり、第2のシェルとともに第1の排出物収集リザーバを形成する、第1のカバーを更に含むことができる。
【0013】
第1の耳当ては、第1のシェルに対して脱着式に固定可能であり、第1のシェルとともに第1の洗浄剤リザーバを形成する、第2のカバーを更に含むことができる。
【0014】
第1の耳当ては、第1の排出物収集リザーバと第1の洗浄剤リザーバが選択的に脱着可能な第1のハウジングを更に含むことができる。
【0015】
第1の耳当ては、第1の洗浄リザーバを第1のハウジングに脱着式に磁気的に連結する第1の対の強磁性連結器を更に含むことができる。
【0016】
第1の耳当ては、第1の排出物収集リザーバを第1のハウジングに脱着式に磁気的に連結する第2の対の強磁性連結器を更に含むことができる。
【0017】
第1の耳当ては、第1の洗浄液流体連絡経路に沿って洗浄剤リザーバから第1のカニューレ連結器インターフェースに向かって洗浄剤を移動させるように流体で連結された少なくとも1つのポンプを更に含むことができる。
【0018】
第1の耳当ては、第1の排出物流体連絡経路に沿って第1のカニューレ連結器インターフェースから第1の排出物収集リザーバに向かって排出物を移動させるために負圧を加えるように流体で連結された少なくとも1つのポンプを更に含むことができる。
【0019】
第1の耳当ては、第1のハウジングと、第1の洗浄液流体連絡経路又は排出物流体連絡経路のうちの少なくとも1つに流体で連結された少なくとも1つのポンプと、第1のハウジングに収容され、少なくとも1つのポンプを制御するように通信可能に連結された第1のセットのコントローラ回路とを更に含むことができる。
【0020】
第1の耳当ては、第1の耳当ての外部からアクセス可能ないくつかのユーザ実行可能選択可能制御部(user-actable selectable control)を更に含むことができ、ユーザ実行可能選択可能制御部は少なくとも1つのポンプを制御するように通信可能に連結された第1のセットのコントローラ回路に通信可能に連結される。
【0021】
第1の耳当ては、近接端及び遠位端と、近接端に位置決めされた灌注インレットポートと、近接端に位置決めされた排出物収集アウトレットポートと、灌注インレットポートに関して比較的遠位端に向かって位置決めされた複数の灌注アウトレットアパーチャであって、灌注インレットポートと流体で連絡している灌注アウトレットアパーチャと、排出物収集アウトレットポートに関して比較的遠位端に向かって位置決めされた排出物収集インレットポートであって、排出物アウトレットポートと流体で連絡している排出物収集インレットポートとを有する、使い捨てカニューレを更に含むことができる。
【0022】
使い捨てカニューレは、排出物収集インレットポートと排出物収集アウトレットポートとの間に伸びる流路と、排出物収集インレットポートと排出物収集アウトレットポートとの間の流路内に位置決めされたトラップとを更に含むことができる。
【0023】
この装置は、第1のプロセッサと、第1のプロセッサに通信可能に連結された第1の非一時的コンピュータ可読媒体とを更に含むことができ、第1の非一時的コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのポンプにより第1の洗浄液流体連絡経路に沿って第1の洗浄剤リザーバから第1の量の洗浄液を分配させ、第1の排出物流体連絡経路の少なくとも一部分に沿って負圧を発生させるいくつかの信号を少なくとも1つのポンプに提供するように第1のプロセッサを明確にプログラムする第1のプロセッサ実行可能命令を記憶する。第1のプロセッサ実行可能命令は、第1の量の洗浄液の分配から第1の期間の間、負圧の発生を時間遅延するように第1のプロセッサを明確にプログラムすることができる。第1のプロセッサ実行可能命令は、第1の量の洗浄液の分配から少なくとも1分の間、負圧の発生を時間遅延するように第1のプロセッサを明確にプログラムすることができる。
【0024】
カニューレは、本体を含み、本体が長さと近位端と遠位端とを有し、遠位端が本体の長さを越えて近位端と向かい合い、本体が近位端に位置決めされた灌注インレットポートと、近位端に位置決めされた排出物収集アウトレットポートと、灌注インレットポートに関して比較的遠位端に向かって位置決めされた複数の灌注アウトレットアパーチャと、遠位端に位置決めされた排出物収集インレットポートとを更に有し、本体が灌注インレットポートと複数の灌注アウトレットアパーチャとの間の少なくとも1つの灌注流路を提供する少なくとも1つの灌注通路と、排出物収集インレットポートと排出物収集アウトレットポートとの間に伸びる少なくとも1つの排出物流路を提供する少なくとも1つの排出物収集通路と、少なくとも1つの排出物流路内で排出物収集インレットポートと排出物収集アウトレットポートとの間の排出物通路内に位置決めされた少なくとも1つのトラップとを更に有するものとして要約することができる。
【0025】
本体は、耳当ての補完インターフェースに取り外し可能に物理的に連結し、カニューレの灌注インレットポートを耳当ての洗浄剤ポートと位置合わせし、同時に、カニューレが耳当てに物理的に連結された時に排出物収集アウトレットポートを耳当ての真空ポートと位置合わせするようなサイズ及び寸法のインターフェースを更に含むことができる。少なくとも1つのトラップは、少なくとも部分的に排出物収集通路を横切って伸びるフィルタにすることができる。排出物収集通路は内周を有することができ、そこで少なくとも1つのトラップは排出物収集通路の中心軸に向かって排出物収集通路の内周から半径方向に内向きに伸びる複数の突起部を含むことができる。少なくとも1つのトラップは、ある量の液体及び空気のうちの少なくとも一方を通す間に少なくとも1つの定義済み寸法の物理的デブリをトラップするようなサイズ及び寸法にすることができる。複数の灌注アウトレットアパーチャは、遠位端に近接して少なくとも3つの灌注アウトレットアパーチャを含むことができる。少なくとも3つの灌注アウトレットアパーチャのうちの少なくとも1つは、少なくとも3つの灌注アウトレットアパーチャのうちの少なくとも1つから出る洗浄剤の流れをカニューレの遠位端から半径方向に外向きに誘導するようなサイズ及び形状にすることができる。近位端はそれぞれの断面領域を有することができ、遠位端はそれぞれの断面領域を有することができ、遠位端の断面領域は近位端の断面領域より小さくすることができ、カニューレの本体は遠位端に向かって近位端から先細にすることができる。先細型の本体は、側壁を有し、鼓膜に至る人の耳道内にカニューレが挿入された時にカニューレの遠位端が鼓膜に衝突する前にカニューレの本体の一部分が人の耳道の側壁に衝突するようなサイズ及び形状にすることができる。カニューレの本体は円錐形の形状を形成することができ、遠位端は斜角を付けた部分を含むことができる。近位端は外径を備えた内壁と内径を備えた外壁とを含むことができ、内壁及び外壁は、内壁の外径と外壁の内径との間に耳当ての補完インターフェースを取り外し可能に確実に係合するようなサイズ及び形状にすることができる。本体は、単体のシングルピースプラスチック本体にすることができ、回転体である形式を有することができる。灌注インレットポートは、排出物収集アウトレットポートから半径方向にオフセットすることができる。本体は中心軸/縦軸を有することができ、排出物収集インレットポートは中心軸/縦軸の周りに配置することができる。本体は中心軸/縦軸を有することができ、灌注アウトレットアパーチャは中心軸/縦軸から外向きに半径方向にオフセットすることができる。
【0026】
図面では、同一の参照番号は同様の要素又は行為を識別する。図面内の要素のサイズ及び相対位置は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。例えば、様々な要素の形状及び角度は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、これらの要素のいくつかは、図面の可読性を改善するために任意に拡大され、位置決めされている。更に、描かれている要素の特定の形状は必ずしも、その特定の要素の実際の形状に関する情報を伝達するためのものではなく、単に図面内で認識しやすくするために選択されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】少なくとも1つの例示された実施形態による灌注装置の等角図である。
図1B】少なくとも1つの例示された実施形態による耳当ての等角図である。
図2A】少なくとも1つの例示された実施形態による灌注装置の1つの耳当ての分解図である。
図2B】少なくとも1つの例示された実施形態により、長方形の形状因子を有する耳当ての等角図である。
図3A】少なくとも1つの例示された実施形態により、耳当てのコンポーネントとして含むことができる皿状部の第1の側面の等角図である。
図3B】少なくとも1つの例示された実施形態による図3Aの皿状部の第2の側面の等角図である。
図4】少なくとも1つの例示された実施形態により、耳当てのコンポーネントとして含むことができる蓋部の等角図である。
図5】少なくとも1つの例示された実施形態による耳当ての洗浄剤リザーバの等角図である。
図6】少なくとも1つの例示された実施形態による耳当ての排出物リザーバの等角図である。
図7A】少なくとも1つの例示された実施形態による耳当ての使い捨て洗浄剤リザーバの等角図である。
図7B】少なくとも1つの例示された実施形態による耳当ての使い捨て排出物収集リザーバの等角図である。
図7C】少なくとも1つの例示された実施形態により、そのうちの一方が使い捨て洗浄剤リザーバを保持するようなサイズ及び寸法であり、そのうちのもう一方が使い捨て排出物収集リザーバを保持するようなサイズ及び寸法である、2つの空洞に分割されたシェルの等角図である。
図7D】少なくとも1つの例示された実施形態により、使い捨て洗浄剤リザーバ及び使い捨て排出物収集リザーバのための別個のセクションを含む単体の使い捨て容器の等角図である。
図8】灌注装置とともに又はその一部として使用可能な、一実施形態によるカニューレの側面平面図である。
図9】そこから洗浄剤がカニューレを出て、排出物がカニューレに入る先端部を示す、図7のカニューレの前部側面等角図である。
図10図7のカニューレの後部側面等角図である。
図11】耳当て上のカニューレ連結器インターフェースにカニューレを連結するために使用されるインターフェースを含む、図7のカニューレの後部平面図である。
図12】カニューレの内部内の灌注通路及び排出物収集通路の経路を示す、図7のカニューレの透明側面後部等角図である。
図13】灌注装置とともに又はその一部として使用可能な、1つの例示された実施形態によるコントローラ回路及び電源のブロック図である。
図14】少なくとも1つの例示された実施形態によるユーザ実行可能選択可能制御部の一例を示している。
図15】少なくとも1つの例示された実施形態により、灌注装置を操作するためのユーザ実行可能選択可能制御部のセットのフローダイヤグラムを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、様々な開示されている実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が明記されている。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上がなくても又はその他の方法、コンポーネント、材料などにより、実施形態を実践できることを認識するであろう。その他の事例では、洗浄溶液中の様々な成分及びこのような成分の比率を含む、耳洗浄に関連する構造及び溶液は、諸実施形態の説明を不必要に曖昧にするのを回避するために詳細に図示又は記載されていない。
【0029】
文脈がそうではない場合を要求しない限り、以下に示す明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「comprise」という単語並びに「comprises」及び「comprising」などのその変形は、制限のない包括的な意味で、即ち、「including, but not limited to(限定されずに含む)」として解釈すべきである。
【0030】
本明細書全体を通して「one implementation」又は「an implementation」に対する言及は、1つ以上の実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つ以上の実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して様々な箇所に「in one implementation」又は「in an implementation」という語句が出現しても必ずしもすべて同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は1つ以上の実施形態において任意の適切なやり方で組み合わせることができる。
【0031】
本明細書及び特許請求の範囲で使用する「a」、「an」、及び「the」という単数形は、文脈が明らかにそうではない場合を示さない限り、複数の指示物を含む。また、「or」という用語は一般に、文脈が明らかにそうではない場合を示さない限り、「and/or」を含む意味で使用されることに留意されたい。
【0032】
本明細書で提供される見出し及び要約書は、便宜上のみのものであり、諸実施形態の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0033】
図1Aは、少なくとも1つの例示された実施形態により、人の頭の上に装着できる灌注装置100を示している。灌注装置100は、第1及び第2の耳当て101a、101b(総称的に「耳当て101」)と、調節可能ヘッドストラップ103と、それぞれのカニューレ連結器インターフェース106a、106bに接続された第1及び第2のカニューレ105a、105b(総称的に「カニューレ105」)(図1Aでは1つのみ見えている)とを含む。図1Bは耳当て101をより詳細に示している。
【0034】
いくつかの実施形態では、灌注装置100は、第1の耳当て101aがユーザの右耳の上にフィットし、第2の耳当て101bがユーザの左耳の上にフィットするようなサイズ及び形状にすることができる。それぞれの耳当ては、灌注装置100を装着しているユーザが直立姿勢である時に地面に対して実質的に垂直な垂直軸102と、灌注装置100を装着しているユーザが直立姿勢である時に地面に対して実質的に平行な水平軸104とを有することができる。参照しやすくするために直立姿勢に関して述べられているが、ユーザは必ずしも灌注装置100の使用中に直立姿勢である必要はないことは注目に値する。
【0035】
それぞれの耳当て101は内部側面107と対向する外部側面109とを含むことができ、内部側面107はユーザが灌注装置100を装着する時にユーザの頭の側面に向かって向けられ、そこに隣接している。それぞれの耳当て101は、内部側面107と外部側面109との間に伸びる外周部113を有することができる。外周部113は、耳当て101がある範囲の耳の形状を囲い込めるようなサイズ及び形状にすることができる。いくつかの実施形態では、耳当て101の外周部113は、実質的に円形、卵形、及び/又は楕円形の形状にすることができる。いくつかの実施形態では、耳当て101は、灌注装置100に電力及び/又は通信を提供するために使用できるポート114を含むことができる。例えば、1つ以上の物理的コネクタ(例えばUSBコネクタ)を接続し、それにより灌注装置内の内部バッテリを充電することにより、充電を達成することができる。いくつかの実施形態では、ポート114は、電磁結合により内部バッテリを充電できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、耳当て101のうちの1つのみがポート114を含む可能性がある。いくつかの実施形態では、耳当て101のそれぞれは、例えば、調節可能ヘッドストラップ103内を貫通する1つ以上の電気接続部を解して電気的に連結することができる。
【0036】
耳当て101は、耳当て101の外周部113で又はそれに近接して内部側面107上に位置決めされた環状メンブレン111を含むことができる。いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、内壁115が外壁117と同心であり、外壁117によって完全に囲い込まれるような距離119だけ分離された内壁115と外壁117とを有する。内壁115と外壁117は、距離119を横断するリム121によって接続することができる。いくつかの実施形態では、リム121は、図1に示されているように、耳当て101から外向きに離れるように湾曲する表面にすることができる。いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、固体トーラスの一部分(例えばドーナツの上半分)に類似するようなサイズ及び形状にすることができる。このような湾曲した又は部分的にトロイドの表面は、耳当て101を装着した時のユーザの快適さを増すために使用することができる。いくつかの実施形態では、リム121は、内壁115及び外壁117のうちの一方又は両方に対して垂直である、実質的に平らな表面を形成することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、それに対して力が加えられた時に圧縮するクッション付き材料で作ることができる。このような材料としては、例えば、プラスチック、皮革、又は合成皮革材料の外部カバーを含むことができる、エラストマ、独立気泡発泡体(例えばポリウレタン)、連続気泡発泡体、袋に入れたゲル、シリコーン、及び/又はゴムを含むことができる。いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、その寿命及び耐久性を増すために弾性材料で構成することができる。このようなクッション付き材料及び/又は弾性材料は、灌注装置100を装着した時にユーザにより快適なフィットを提供するために使用することができる。いくつかの実施形態では、クッション付き材料は、灌注装置100が使用中の時にユーザの頭の側面の形状に適合することができる。このため、クッション付き材料は、それによりユーザの頭に対するシールを形成して、灌注手順中にカニューレ105及び/又はユーザの耳道から漏れ出る洗浄剤をトラップすることができる。環状メンブレン111は、例えば、エラストマベースの材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、少なくとも部分的にエラストマベースの材料で構成されるコアと、湿った時に劣化しないプラスチック又はその他の合成材料など、周囲の環境からコアを保護する材料で構成できる対応するカバーとで形成することができる。いくつかの実施形態では、環状メンブレン111は、耳当て101から脱着式に取り外すことができ、従って、灌注装置100の使用後、毎回、交換することができる。
【0038】
環状メンブレン111の内壁115は、ユーザの耳の一方を囲い込んで受け入れるようなサイズ及び形状の空洞123を形成する。環状メンブレン111及び空洞123のサイズ及び形状は、ユーザが灌注装置100を装着している時にユーザの耳道内にカニューレ105を位置決めするために更に使用することができる。いくつかの実施形態では、空洞123は、円筒形の形状であり、カニューレ105を空洞123の中心軸124に沿って配向させることができる。いくつかの実施形態では、空洞123は、内壁115の外周部が実質的に楕円形又は卵形の形状を形成するように長くすることができる。このような実施形態では、空洞は垂直軸102に沿って比較的長くなり、水平軸104に沿って比較的短くなる可能性がある。このように空洞123を長くすると、より良好でより快適なフィットをユーザに提供することができる。空洞123は更に、様々なサイズの耳を受け入れるようなサイズ及び寸法にすることができる。
【0039】
空洞123は、内壁115の高さ125によって形成された深さを有することができる。いくつかの実施形態では、空洞123の深さはカニューレ105の高さより小さくすることができ、カニューレ105が環状メンブレン111のリム121を通り越して伸び、それによりユーザが灌注装置100を装着した時にユーザの耳道に入るようにすることができる。いくつかの実施形態では、以下に述べるように、カニューレ105は、ユーザの耳道内にカニューレ105の先端部を挿入して位置決めする際に支援するために更に先細にすることができ、先端部はカニューレ105の基部より狭くなっている。しかしながら、カニューレ105の先細りは、カニューレ105の先端部がユーザの鼓膜に衝突する前に先端部と基部との間のカニューレ105の一部分がユーザの耳道の外側開口部に衝突し、それにより鼓膜への危害を防止するように設計することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、灌注装置100は、2つの対向するカニューレ連結器インターフェース106aと106bとの間に伸びる横軸127に沿って間隔をあけて離れた状態で第1の耳当て101a及び第2の耳当て101bを調節可能に接続する調節可能ヘッドストラップ103を含む。調節可能ヘッドストラップ103は、ユーザの頭の上にフィットし、それによりユーザの第1の耳の上に第1の耳当て101aを、ユーザの第2の耳の上に第2の耳当て101bを同時に位置決めするようなサイズ及び形状にすることができる。調節可能ヘッドストラップ103は、第1の耳当て101a及び第2の耳当て101bが横軸127に沿って横方向に移動又は屈曲できるように柔軟なものにすることができる。いくつかの実施形態では、耳当て101a、101bのうちの一方又は両方は、ユーザが灌注装置100を装着している時に耳当て101が調節可能ヘッドストラップ103に関して垂直軸102に沿って移動できるようにする垂直アジャスタ129を含むことができる。垂直アジャスタ129は、例えば、様々なユーザの耳同士の間の種々の周囲距離(例えば、ユーザの一方の耳からユーザの頭の上を越えてユーザのもう一方の耳まで)に対応するように灌注装置を調節するために使用することができる。従って、垂直アジャスタ129のうちの一方又は両方は、比較的大きい頭を有するユーザに対応するように伸長することができる。
【0041】
調節可能ヘッドストラップ103は、1つ以上の座付連結器130を介して耳当て101のそれぞれに接続することができる。座付連結器130は、耳当て101a、101bのそれぞれがそれぞれの耳当て101a、101b上の座付連結器130同士の間を通るそれぞれの軸131a、131bの周りを独立して旋回できるようにすることができ、それぞれの軸131a、131bは第1のカニューレ連結器インターフェース106aと第2のカニューレ連結器インターフェース106bとの間に伸びる横軸127に対して垂直にすることができる。このような座付連結器130は、ユーザが灌注装置100を操作する時に耳当て101a、101bのそれぞれがユーザの頭の輪郭及び形状により快適にフィットできるようにする。
【0042】
いくつかの実施形態では、耳当て101a、101bはそれぞれの環状ブラケット133a及び133bを含むことができる。環状ブラケット133a、133bは、それぞれの耳当て101a、101bの外周部113の一部分よりわずかに大きくなるようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、環状ブラケット133a、133bは、それぞれの耳当て101a、101bの外周部113の上半分に沿って通るようなサイズ及び形状にすることができる。このような実施形態では、環状ブラケット133a、133bは、接合部135a及び135bで調節可能ヘッドストラップ103に旋回式に連結することができ、従って、耳当て101のそれぞれが接合部135a及び135bに対して独立して旋回できるようにする。
【0043】
図2Aは、少なくとも1つの例示された実施形態による灌注装置100の1つの耳当て101のコンポーネントを示している。耳当て101のコンポーネントとしては、洗浄剤リザーバ201と、カニューレ連結器インターフェース203と、排出物収集リザーバ205とを含むことができる。また、耳当て101のコンポーネントとしては、洗浄剤リザーバ201に連結し、正圧(例えば、1気圧より大きいか又は周囲圧力より大きい)を発生するように動作可能な圧力ポンプ及び/又はマニホルドを有することができるポンプアセンブリ207aと、排出物収集リザーバ205に連結し、負圧(例えば、1気圧より小さいか又は周囲圧力より小さい)を発生するように動作可能な真空ポンプ及び/又はマニホルドを有することができる真空アセンブリ207bと、蓋部209及び皿状部211を含むハウジング210と、コントローラ回路213と、1つ以上の電源215と、ユーザ実行可能選択可能制御部のセット217も含むことができる。
【0044】
洗浄剤リザーバ201は、ユーザの耳道を洗浄するために使用される洗浄剤を保持する。このような洗浄剤としては、例えば、生食、過酸化水素、及び/又は水のうちの1つ以上を含むことができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤リザーバ201は、ユーザの快適さのためにユーザの体温、或いはそれよりわずかに上又は下の温度まで加熱される洗浄剤を充填することができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤リザーバ201は、体温又はそのあたり或いはそれよりわずかに温かい洗浄剤を充填することができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤リザーバ201は、収容された洗浄剤をユーザの体温又はそのあたりの温度まで加熱するか及び/又は収容された洗浄剤をユーザの体温又はそのあたりの温度に維持するために位置決めされた加熱コンポーネント(例えば、ヒータ又は抵抗素子)を含むか又はそれに物理的に連結することができる。このような加熱コンポーネントはコントローラ回路213に電気的に通信可能に連結することができ、そのコントローラ回路は加熱コンポーネントに制御信号を送信することができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤リザーバ201は、洗浄剤リザーバ201内に収容された洗浄剤の温度を測定するために内部温度計を含むことができる。このような実施形態では、温度計はコントローラ回路213に電気的に通信可能に連結することができる。このような実施形態では、温度計は洗浄剤リザーバ201内の温度を示す電気信号をコントローラ回路213に送信することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路213は、加熱コンポーネントを制御するためのフィードバックとして温度計からの信号を使用することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路213は、洗浄剤リザーバ201内に保持された洗浄剤が熱すぎるか又は冷たすぎる時に灌注手順が実行されるのを防止することによりユーザの安全性及び/又は快適さを提供するために温度計からの信号を使用することができる。
【0045】
洗浄剤リザーバ201は、洗浄液流体連絡経路219を使用してカニューレ連結器インターフェース203と流体で連絡することができる。図2Aに示されているように、洗浄液流体連絡経路219は、蓋部209内の開口部を通り、ハウジング210の洗浄剤通路212内を通って、カニューレ連結器インターフェース203まで進むことができる。灌注手順が始まると、洗浄剤は洗浄剤リザーバ201を出て、洗浄液流体連絡経路219を通ってカニューレ105まで進む。洗浄剤リザーバ201からの洗浄剤の流れを容易にするために、ポンプアセンブリ207aからの空気圧又は液体圧を洗浄剤リザーバ201に加えることができる。いくつかの実施形態では、ポンプアセンブリ207aは、洗浄剤リザーバ201から洗浄剤を抜き取り、所望の正圧でカニューレ105に向かって洗浄剤を排出するために使用される水ポンプ又は液体ポンプにすることができる。洗浄剤は、以下に更に述べるように、カニューレ内に進み、1つ以上の灌注アウトレットアパーチャを通って排出することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、灌注装置100は、洗浄剤を除去する前にある期間(例えば、少なくとも1分)の間、ユーザの耳道内に洗浄剤を残すことができる。いくつかの実施形態では、この期間は、ユーザ実行可能選択可能制御部217を介してユーザによって設定することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路213は、洗浄剤がユーザの耳道内に残存するための1つ以上の事前設定期間を定義するプロセッサ実行可能命令を記憶することができる。ユーザは、関連のプロセッサ実行可能命令がコントローラ回路213内に含まれるプロセッサによって実行されるようにユーザ実行可能選択可能制御部217を介してこれらの事前設定期間のうちの1つを選択することができる。耳道内に洗浄剤を投入してからそれを耳道から除去するまでのこの期間は、洗浄剤がユーザの耳道内の蓄積を更に軟化できるようにし、従って、灌注装置100の洗浄能力及びユーザの経験を強化することができる。
【0047】
この期間が終了すると、灌注からの排出物は、以下に述べるように、カニューレ105上に位置する排出物収集インレットポートを介してユーザの耳道から除去される。排出物はカニューレ105から排出物流体連絡経路221に出るが、これはカニューレ連結器インターフェース203からハウジング210内の排出物通路214を通り、蓋部209内の1つ以上の開口部を通って、排出物収集リザーバ205まで進む。いくつかの実施形態では、真空アセンブリ又は真空ポンプ207bは、耳道からの排出物の除去を容易にするために排出物収集リザーバ205内に真空又は低圧エリア(即ち、周囲の環境圧より低い、例えば、1気圧より低い)を発生するために使用される。本明細書及び特許請求の範囲における真空に対する言及は、絶対真空ではなく、周囲の環境圧より低い(例えば、1気圧より低い)圧力を指す。
【0048】
いくつかの実施形態では、灌注装置100は、ある期間の間(例えば、30秒まで、35秒、1分まで、又はそれより長い)ユーザの耳道内に洗浄剤をパルス出力することができる。このようなパルスは、例えば、2秒おきに発生する可能性がある。このような実施形態では、真空アセンブリ207bは、洗浄剤が最初にユーザの耳道内にパルス出力される前に作動状態になり、その期間全体の間、作動状態のままになる可能性がある。この期間が終了した後、真空アセンブリ207bは非活動化することができる。
【0049】
図2Bは、少なくとも1つの例示された実施形態により、長方形の耳当て101cを備えた灌注装置100の実施形態を示している。このような長方形の耳当て101cは、1つ以上の側壁161によって接続される内部側面157及び外部側面159とともに、幅151、高さ153、及び深さ155を有することができる。いくつかの実施形態では、深さ155は幅151より小さくすることができ、幅151は高さ153より小さくすることができる。このような寸法は、その他の形状の耳当て101と比較した時に、より流線型のフィット及び外観を提供することができる。ユーザの耳の上に配置された時に、高さ153は、内部側面157がユーザの顔の側面に隣接した状態で垂直に配向され、灌注装置100を装着しているユーザが直立姿勢である時に地面に対して垂直になる可能性がある。カニューレ105は実質的に、長方形の耳当て101cの内部側面157の中心に位置し、ユーザが長方形の耳当て101cを備えた灌注装置100を装着している時にユーザの耳道内にカニューレ105を位置決めすることができる。長方形の耳当て101cは、内部側面157の外周部の周りに伸びる環状メンブレン111を含むことができる。上述のように、環状メンブレンは、様々なサイズの耳を受け入れるようなサイズ及び寸法にすることができる空洞123を形成することができる。洗浄剤リザーバ201及び排出物収集リザーバ205は、外部側面159に沿って長方形の耳当て101cに取り付けられた1つ以上の容器内に囲い込むことができる。ユーザ実行可能選択可能制御部のセット217は側壁161の1つに沿って位置することができる。いくつかの実施形態では、このユーザ実行可能選択可能制御部のセット217は、灌注装置100にコマンドを入力し、そこから状況更新及びフィードバックを受け取るための1つ以上のボタン、スイッチ、及び/又はタッチスクリーンパッドを含むことができる。
【0050】
少なくとも1つの例示された実施形態により、図3A及び図3Bはそれぞれ皿状部211の第1の側面301及び第2の側面303の等角図であり、図4は蓋部209の等角図である。前に注記したように、皿状部211及び蓋部209は一緒にハウジング210を形成することができる。皿状部211の第1の側面301はカニューレ105に向かって耳当て101の内部側面107に面している。皿状部211の第2の側面303は洗浄剤リザーバ201及び排出物収集リザーバ205に向かって耳当て101の外部側面109に面している。蓋部209は1つ以上の連結機構、例えば、ねじ302を介して皿状部211の第2の側面303に取り付けられる。蓋部209は(皿状部211に取り付けられた場合)及び皿状部211の第1の側面301は、ハウジング210の深さを形成する距離305だけ分離される。側壁306は、蓋部209と皿状部211の第1の側面301との間の距離305を橋渡しする。取り付けられた蓋部209、皿状部211の第1の側面301、及び側壁306は、ハウジング210の内部307を規定する。
【0051】
図3Aに示されているように、カニューレ連結器インターフェース203は、洗浄剤ポート316と、真空ポート318と、1つ以上のインターフェース319とを含むことができる。洗浄剤ポート316は、洗浄剤用の洗浄液流体連絡経路219の一部にすることができ、カニューレ105上に位置する対応する灌注インレットポートと噛み合うことができる。例えば、洗浄剤ポート316は雄型コネクタ又はファスナにすることができ、カニューレ105上に位置する灌注インレットポートは対応する雌型コネクタ又はファスナにすることができる。洗浄剤ポート316と灌注インレットポートとの噛み合わせを使用して、洗浄剤が洗浄剤リザーバ201からカニューレ105に移動するための流体経路の一部を形成することができる。真空ポート318は、排出物用の排出物流体連絡経路221の一部にすることができ、カニューレ105上に位置する対応する排出物収集アウトレットポートと噛み合うことができる。例えば、真空ポート318は雄型コネクタ又ファスナにすることができ、カニューレ105上に位置する排出物収集アウトレットポートは対応する雌型コネクタ又ファスナにすることができる。真空ポート318と排出物収集アウトレットポートとの噛み合わせを使用して、排出物がカニューレ105から排出物収集リザーバ205に移動するための流体経路の一部を形成することができる。
【0052】
カニューレ連結器インターフェース203は、カニューレ105上の1つ以上の対応するインターフェースに物理的に連結する1つ以上のインターフェース319を有することができる。これらの補完インターフェースは、カニューレ105が耳当て101上のカニューレ連結器インターフェース203に対して選択的に脱着可能になり、物理的に連結できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、カニューレ連結器インターフェース203用のインターフェース319は、内径323、外径325、及び高さ327を備えた環状壁321の形にすることができる。内径323及び外径325は、洗浄剤ポート316及び真空ポート318を取り囲む同心形状(例えば、円、卵形、正方形など)を形成することができる。環状壁321は、例えば、環状壁321よりわずかに大きくなるようなサイズ及び形状のスロット又は開口部などのカニューレ105上の対応するインターフェースと物理的に係合し、それと連結することができる。このため、摩擦力によって、カニューレ連結器インターフェース203に物理的に連結された状態にカニューレ105を保持することができる。このような実施形態では、Oリングなどの1つ以上の柔軟で圧縮性の機構を使用して、カニューレ連結器インターフェース203上の連結器インターフェースとカニューレ105との間に気密及び/又は水密シールを形成することができる。いくつかの実施形態では、インターフェース319は、インターフェース319がカニューレ105上の対応するインターフェースと係合された時にカニューレ連結器インターフェース203の洗浄剤ポート316及び真空ポート318をカニューレ105上に位置する対応する灌注インレットポート及び排出物収集アウトレットポートと適切に位置合わせする働きをする1つ以上の見当合わせ機構を有することができる。例えば、環状壁321は、カニューレ105上の対応するインターフェースから伸びる対応するタブを受け入れるようなサイズ及び形状のスロット329を有することができる。スロット329とタブとの位置合わせを使用して、カニューレ連結器インターフェース203の洗浄剤ポート316及び真空ポート318がそれぞれカニューレ105上に位置する灌注インレットポート及び排出物収集アウトレットポートと適切に位置合わせされることを保証することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、カニューレ連結器インターフェース203は、物理的に脱着式にカニューレ105と連結するためにその他の又は追加のタイプのインターフェース319を含むことができる。例えば、カニューレ連結器インターフェース203及びカニューレ105は、カニューレ連結器インターフェース203上にカニューレ105をねじ留めできるようにする補完的ねじ山を含むことができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105は、差し込みピンスタイルの連結器を使用してカニューレ連結器インターフェース203に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105は、1つ以上のラッチ又はその他の連結機構を使用して、カニューレ連結器インターフェース203の上にぴったりフィットし、それに連結するようなサイズ及び形状である。
【0054】
図3Bは、皿状部211の第2の側面303の等角図であり、これは洗浄剤通路212及び排出物通路214を含むことができる。洗浄剤通路212は、ハウジング210を通って洗浄剤リザーバ201からカニューレ連結器インターフェース203への第1の通路を提供し、それにより洗浄液流体連絡経路219の一部を形成することができる。洗浄剤リザーバ201に向かって向けられた洗浄剤通路212の開口部212aは、洗浄剤リザーバ201上のポートと噛み合うようなサイズ、形状、及び位置決めにすることができる。例えば、開口部212aは、洗浄剤リザーバ201上のポートを形成する雌型コネクタ又はファスナと噛み合う雄型コネクタ又ファスナを形成することができる。皿状部211は、ハウジング210を通ってカニューレ連結器インターフェース203から排出物収集リザーバ205への第2の通路を提供し、それにより排出物流体連絡経路221の一部を形成する排出物通路214を含むことができる。排出物収集リザーバ205に向かって向けられた排出物通路214の開口部214aは、排出物収集リザーバ205上のポートと噛み合うようなサイズ、形状、及び位置決めにすることができる。例えば、開口部214aは、排出物収集リザーバ205上のポートを形成する雌型コネクタ又はファスナと噛み合う雄型コネクタ又ファスナを形成することができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤通路212及び排出物通路214のいずれか一方又は両方はカニューレ105の一部にすることができる。このような実施形態では、それぞれのカニューレ105は洗浄剤リザーバ201へのそれ自体の洗浄剤通路212及び/又は排出物収集リザーバ205へのそれ自体の排出物通路214を提供することになる。
【0055】
いくつかの実施形態では、洗浄剤通路212及び排出物通路214のうちの一方又は両方はハウジング210の内部307の残りの部分からシールされる。従って、洗浄剤及び排出物は、ハウジング210の内部307に漏れ出ずに、それぞれ洗浄剤通路212及び排出物通路214を通って進む。いくつかの実施形態では、ハウジング210の内部307は、例えば、圧力ポンプアセンブリ207a、真空ポンプアセンブリ207b、コントローラ回路213、及び/又は電源215などの1つ以上の追加のコンポーネントを囲い込み、それを固定するために使用することができる。
【0056】
皿状部211は、皿状部211及び/又はハウジング210を環状ブラケット133に連結できるようにするために側壁306上に位置する1つ以上の連結アパーチャ309を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、環状ブラケット133は、側壁306上に位置する1つ以上の連結アパーチャ309に対応する補完的連結機構(例えば、タブ)を有することができる。このため、ハウジング210、ひいては耳当て101は、皿状部211及び環状ブラケット133上の対応する連結機構を介して選択的に脱着式に環状ブラケット133に連結することができる。環状ブラケット133上の連結機構及びハウジング210内の対応する連結アパーチャ309は、上述のように、連結機構同士の間を通る軸131に対して耳当て101が旋回できるようにする座付連結器130のセットを形成することができる。
【0057】
図4は、少なくとも1つの例示された実施形態により、距離405だけ分離された第1の側面401と対向する第2の側面403とを有する蓋部209を示している。第1の側面は洗浄剤リザーバ201及び排出物収集リザーバ205に向かって耳当て101の外部側面109に面する。第2の側面403は皿状部211及びカニューレ連結器インターフェース203に向かって耳当て101の内部側面107に面する。蓋部209は、洗浄剤が洗浄剤リザーバ201からカニューレ105へ通過できるようにする洗浄剤アパーチャ407を含むことができる。蓋部209は、排出物がカニューレ105から排出物収集リザーバ205へ通過できるようにする排出物アパーチャ409を含むことができる。蓋部209は、蓋部209の第2の側面403上に位置するポンプアセンブリ207aの出力が蓋部209の第1の側面401上に位置する洗浄剤リザーバ201に物理的に連結できるようにするポンプアパーチャ411を含むことができる。ポンプアセンブリ207aは、洗浄剤リザーバ201内で正圧(例えば、1気圧より大きいか又は周囲圧力より大きい)を発生するように動作可能な圧力ポンプ及び/又はマニホルドを含むことができる。図4に示されているように、ポンプアパーチャ411は、蓋部209のエッジに近接して位置することができる。蓋部209は、蓋部209の第2の側面403上に位置する真空アセンブリ207bが蓋部209の第1の側面401上に位置する排出物収集リザーバ205と物理的に噛み合うことができるようにする真空アパーチャ413を含むことができる。真空アセンブリ207bは、カニューレ105により耳道から排出物収集リザーバ205内に排出物を抜き取るために排出物収集リザーバ205内で負圧(例えば、1気圧より小さいか又は周囲圧力より小さい)を発生するように動作可能な真空ポンプ及び/又はマニホルドを含むことができる。
【0058】
蓋部209は1つ以上の連結機構415を含むことができる。連結機構415は、洗浄剤リザーバ201及び排出物収集リザーバ205のうちの一方又は両方を蓋部209に固定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、連結機構415は、洗浄剤リザーバ201又は排出物収集リザーバ205のいずれか一方で反対極性の対応する磁石を有する、磁石417などの磁石及び/又は強磁性片にすることができる。連結機構415としての磁石417の使用は有利なことに、洗浄剤リザーバ201及び排出物収集リザーバ205の両方を耳当て101に確実に連結できることを保証しながら、充填するために洗浄剤リザーバ201を及び/又は空にするために排出物収集リザーバ205をユーザが迅速かつ容易に取り外せるようにすることができる。
【0059】
図5は、少なくとも1つの例示された実施形態による洗浄剤リザーバ201の等角図である。洗浄剤リザーバ201は、洗浄剤が保持される密閉空間503を規定する複数の側面を有するシェル501を含むことができる。いくつかの実施形態では、密閉空間503は、1つ以上の灌注手順を実行するために十分な洗浄剤を保持する容積を有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、密閉空間503は100mLまでの洗浄剤を保持することができる。シェル501は、装填アパーチャ505、洗浄剤ポート507、及び圧力アパーチャ509を含む、複数のアパーチャを含むことができる。
【0060】
装填アパーチャ505は、密閉空間503内に洗浄剤を装填するために使用することができる。いくつかの実施形態では、装填アパーチャ505は、洗浄剤カバー511と噛み合い、それによってシールすることができる。いくつかの実施形態では、カバー511は、反対極性の対応する磁石515a、515b、及び515cに磁気的に連結する1つ以上の磁石513a、513b、及び513cを含み、従って、装填アパーチャ505のエッジに近接して間隔をあけて配置された複数対の強磁性連結器を提供することができる。代替的に又は加えて、いくつかの実施形態では、装填アパーチャ505及び洗浄剤カバー511は、洗浄剤カバー511を装填アパーチャ505にねじ込むことができるようにする補完的ねじ山を有することができる。いくつかの実施形態では、カバー511は、装填アパーチャ505のエッジに近接した対応するスロット又は開口部によってぴったりフィットするようなサイズ及び形状の突出部を含むことができる。いくつかの実施形態では、カバー511用のこのような突出部は、装填アパーチャ505自体の内側にぴったりフィットするようなサイズ及び形状にすることができる。柔軟な水密材料(例えば、Oリング)は、水密及び気密シールのために装填アパーチャ505のエッジに隣接しているカバー511の一部分を一周するように配置することができる。このため、いくつかの実施形態では、洗浄剤リザーバ201は、シェル501及び洗浄剤カバー511によって形成することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、洗浄剤ポート507は、ハウジング210を通って伸びる洗浄剤通路212の開口部212aと噛み合い、その結果、密閉空間503からの洗浄剤のための出口を提供するようなサイズ及び形状である。いくつかの実施形態では、圧力アパーチャ509はポンプアセンブリ207aの出力に噛み合う。このような実施形態では、ポンプアセンブリ207aは、密閉空間503内部の圧力を増加し、その結果、増加した圧力で洗浄剤に洗浄剤ポート507を強制的に通過させるために使用することができる。いくつかの実施形態では、ポンプアセンブリ207aは、洗浄剤ポート507から洗浄剤を直接抜き取り、それを指定の正圧で洗浄剤通路212を通って分配する、水又は液体ポンプにすることができる。このような実施形態では、洗浄剤リザーバ201は圧力アパーチャ509を含まない可能性がある。ポンプアセンブリ207aの圧力は、洗浄剤がカニューレ105から出る時にユーザに対して不快感を引き起こさないように設定することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ポンプアセンブリ207aの圧力は約100kPaより小さくすることができる。
【0062】
シェル501は、蓋部209及び/又はハウジング210上に位置する対応する連結機構311と連結し、それにより上述のようにシェル501をハウジング210に固定する、1つ以上の連結機構517を含むことができる。いくつかの実施形態では、連結機構517は、ハウジング210上に位置する反対極性の対応する磁石315と磁気的に連結する磁石518を含むことができる。それぞれの磁石対はそれにより1対の強磁性連結器317を形成することができる。強磁性連結器317は、シェル501及び洗浄剤リザーバ201をハウジング210に選択的に脱着式に磁気的に連結するために使用することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、装填アパーチャ505は、シェル501内に配置されたへこみ又はくぼみ519の内側にある可能性がある。従って、洗浄剤カバー511がシェル501内に固定されると、洗浄剤カバー511は、洗浄剤カバー511が取り付けられるシェル501の側面によって形成される平面にあるか又はそれより下にある可能性がある。このため、カバー511は、強磁性連結器317の磁気結合を妨害又は干渉する可能性はない。
【0064】
図6は、少なくとも1つの例示された実施形態による排出物収集リザーバ205の等角図である。図6に示されているように、排出物収集リザーバ205は、灌注からの排出物が保持される密閉空間603を規定する複数の側面を有するシェル601を含むことができる。いくつかの実施形態では、密閉空間603は、洗浄剤リザーバ201によって保持される洗浄剤の容積よりわずかに大きい容積を有することができる。シェル601は、排出物除去アパーチャ605、排出物ポート607、及び真空アパーチャ609を含む、複数のアパーチャを含むことができる。
【0065】
排出物除去アパーチャ605は、密閉空間603から排出物を除去するために使用することができる。いくつかの実施形態では、排出物除去アパーチャ605は、排出物カバー611と噛み合い、それによってシールすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、排出物カバー611は、反対極性の対応する磁石615a、615b、及び615cに磁気的に連結する1つ以上の磁石613a、613b、及び613cを含み、従って、排出物除去アパーチャ605のエッジに近接して間隔をあけて配置された複数対の強磁性連結器を提供することができる。代替的に又は加えて、排出物除去アパーチャ605及び排出物カバー611は、排出物カバー611を排出物除去アパーチャ605にねじ込むことができるようにする補完的ねじ山を有することができる。いくつかの実施形態では、排出物カバー611は、排出物除去アパーチャ605のエッジに近接した対応するスロット又は開口部によってぴったりフィットするようなサイズ及び形状の突出部を含むことができる。いくつかの実施形態では、排出物カバー611用のこのような突出部は、排出物除去アパーチャ605自体の内側にぴったりフィットするようなサイズ及び形状にすることができる。柔軟な水密材料(例えば、エラストマOリング)は、水密及び気密シールを形成するために排出物除去アパーチャ605のエッジに隣接している排出物カバー611の一部分を一周することができる。このため、いくつかの実施形態では、排出物収集リザーバ205は、シェル601及び排出物カバー611によって形成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、排出物ポート607は、ハウジング210を通って伸びる排出物通路214の開口部214aと噛み合い、その結果、密閉空間603まで移動するための排出物のための出口を提供するようなサイズ及び形状である。いくつかの実施形態では、真空アパーチャ609は真空アセンブリ207bの出力に噛み合う。このような実施形態では、真空アセンブリ207bは、密閉空間603内部に低圧領域を形成し、その結果、排出物ポート607から密閉空間603内に排出物を抜き取るために使用することができる。真空アセンブリ207bの真空圧は、ユーザの快適さ及び/又は安全性のために設定することができる。いくつかの実施形態では、例えば、真空アセンブリ207bの真空圧は約100kPaより小さくすることができる。
【0067】
シェル601は、ハウジング210上に位置する対応する連結機構311と連結し、それにより上述のようにシェル601をハウジング210に固定する、1つ以上の連結機構617を含むことができる。いくつかの実施形態では、連結機構617は、ハウジング210上に位置する反対極性の対応する磁石315と磁気的に連結する磁石618を含み、それにより1対の強磁性連結器317を形成することができる。強磁性連結器317は、シェル601及び排出物収集リザーバ205をハウジング210に脱着式に磁気的に連結するために使用することができる。更に、いくつかの実施形態では、洗浄剤用のシェル501及び排出物用のシェル601は独立してハウジング210に連結することができる。このような実施形態では、洗浄剤シェル501及び排出物シェル601のそれぞれは、互いに対して選択的にかつ独立してハウジング210から取り外すことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、除去アパーチャ605は、シェル601内に配置されたへこみ又はくぼみ619の内側にある可能性がある。従って、排出物カバー611がシェル601内に固定されると、それは、排出物カバー611が取り付けられるシェル601の側面によって形成される平面にあるか又はそれより下にある可能性がある。このため、排出物カバー611は、強磁性連結器317の磁気結合を妨害又は干渉する可能性はない。
【0069】
図7Aは、少なくとも1つの例示された実施形態による耳当て101の使い捨て洗浄剤リザーバ700の等角図である。使い捨て洗浄剤リザーバ700は前面702及び背面704を含むことができる。いくつかの実施形態では、前面702及び背面704は実質的に互いに平行にすることができる。このような実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバ700は、前面702と背面704との間の距離に橋を架ける1つ以上の側壁706を含むことができる。いくつかの実施形態では、前面702及び背面704は、背面704が前面702から外向きに湾曲するか及び/又は前面702が背面702から外向きに湾曲するようにエッジで交わることができる。このような実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバ700の断面領域は、背面704及び前面702に関連する側面のうちの一方又は両方に沿った弧を含むことができる。
【0070】
前面702、背面704、及び側壁706(存在する場合)は、使い捨て洗浄剤リザーバ700用の中空空間708を規定することができ、前面702、背面704、及び側壁706のそれぞれは中空空間の境界を示している。いくつかの実施形態では、中空空間708は、使い捨て洗浄剤リザーバ700の前面702に位置するへこみ712内に位置する使い捨て洗浄剤リザーバポート710を介してアクセス可能にすることができる。使い捨て洗浄剤リザーバポート710は、カニューレ105の反対側端部で、例えば、洗浄剤通路212の開口部212aで洗浄液流体連絡経路219と選択的に脱着式に物理的に噛み合うようなサイズ及び寸法にすることができる。使い捨て洗浄剤リザーバポート710が洗浄液流体連絡経路219と噛み合うと、使い捨て洗浄剤リザーバ700は1つ以上の灌注手順のために洗浄剤を提供することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバポート710は、カニューレ105に向かって使い捨て洗浄剤リザーバ700から洗浄剤を抜き取る水ポンプであるポンプアセンブリ207aに流体で連結することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバポート710は、洗浄剤が使い捨て洗浄剤リザーバ700の中空空間708内に配置された後で製造及び/又は組立プロセス中に柔軟なメンブレンでシールすることができる。いくつかの実施形態では、洗浄液流体連絡経路219(例えば、洗浄剤通路212の先端部)は、使い捨て洗浄剤リザーバ700が耳当て101上に取り付けられた時にメンブレンに穴を開け、それにより洗浄液にアクセスすることができる。
【0071】
使い捨て洗浄剤リザーバ700は、例えば、医療措置における使用のために承認されたプラスチック材料などの任意の適切なプラスチック材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバ700は、灌注ルーチンの1灌注サイクルを実行するのに十分な洗浄剤を保持することができる。このような灌注サイクルは、例えば、ユーザの一方の耳を洗浄するために十分なものである可能性がある。従って、このような使い捨て洗浄剤リザーバ700は、毎回使用後に交換し、それにより複数ユーザに曝される灌注装置100のコンポーネントの数を低減することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバ700は、1つ以上のファスナ又は物理的連結器を使用して耳当て101上に直接取り付けることができる。いくつかの実施形態では、以下に述べるように、使い捨て洗浄剤リザーバ700は、シェルが耳当てに取り付けられた時にシェル内に装填し、耳当て101に取り付けることができる。
【0072】
図7Bは、少なくとも1つの例示された実施形態による耳当て720の使い捨て排出物収集リザーバの等角図である。使い捨て排出物収集リザーバ720は前面722及び背面724を含むことができる。いくつかの実施形態では、前面722及び背面724は実質的に互いに平行にすることができる。このような実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバ720は、前面722と背面724との間の距離に橋を架ける1つ以上の側壁726を含むことができる。いくつかの実施形態では、前面722及び背面724は、背面724が前面722から外向きに湾曲するか及び/又は前面722が背面722から外向きに湾曲するようにエッジで交わることができる。このような実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバ720の断面領域は、背面724及び前面722に関連する側面のうちの一方又は両方に沿った弧を含むことができる。
【0073】
前面722、背面724、及び側壁726(存在する場合)は、使い捨て排出物収集リザーバ720用の中空空間728を規定することができ、前面722、背面724、及び側壁726のそれぞれは中空空間728の境界を示している。いくつかの実施形態では、中空空間728は、使い捨て排出物収集リザーバ720の前面722に位置する第1のへこみ732内に位置する使い捨て排出物収集リザーバポート730を介してアクセス可能にすることができる。使い捨て排出物収集リザーバポート730は、カニューレ105の反対側端部で、例えば、排出物通路214の開口部214aで排出物流体連絡経路221と選択的に脱着式に物理的に噛み合うようなサイズ及び寸法にすることができる。使い捨て排出物収集リザーバポート730が排出物流体連絡経路221と噛み合うと、使い捨て排出物収集リザーバ720は1つ以上の灌注手順中に排出物を収集するために使用することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバポート730は、製造及び/又は組立プロセス中に柔軟なメンブレンでシールすることができる。いくつかの実施形態では、排出物流体連絡経路221(例えば、排出物通路214の先端部)は、使い捨て排出物収集リザーバ720が耳当て101上に取り付けられた時にメンブレンに穴を開け、それにより使い捨て排出物収集リザーバ720の中空空間728へのアクセスを可能にすることができる。
【0074】
使い捨て排出物収集リザーバ720の前面722は、使い捨て排出物収集リザーバ720の中空空間728へのアクセスを可能にする真空アセンブリポート734を含むことができる。真空アセンブリポート734は、使い捨て排出物収集リザーバ720の前面722の第2のへこみ736内に位置することができる。真空アセンブリポート734は、使い捨て排出物収集リザーバ720が耳当て101上に取り付けられた時に真空アセンブリ207bと物理的に流体で連結するようなサイズ及び寸法にすることができる。真空アセンブリ又は真空ポンプ207bは、灌注手順中及び/又は灌注手順後に耳道からの排出物の除去を容易にするために使い捨て排出物収集リザーバ720内に真空又は低圧の領域(即ち、周囲の環境圧より低い、例えば、1気圧より低い)を発生するために使用することができる。
【0075】
使い捨て排出物収集リザーバ720は、例えば、医療措置における使用のために承認されたプラスチック材料などの任意の適切なプラスチック材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバ720の中空空間728は、灌注ルーチンの少なくとも1灌注サイクルからの排出物を収容するのに十分な容積を保持することができる。このような灌注サイクルは、例えば、ユーザの一方の耳を洗浄するために十分なものである可能性がある。従って、このような使い捨て排出物収集リザーバ720は、毎回使用後に交換し、それにより複数ユーザに曝される灌注装置100のコンポーネントの数を低減することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバ720は、1つ以上のファスナ又は物理的連結器を使用して耳当て101上に直接取り付けることができる。いくつかの実施形態では、以下に述べるように、使い捨て排出物収集リザーバ720は、シェルが耳当てに取り付けられた時にシェル内に装填し、耳当て101に取り付けることができる。
【0076】
図7Cは、少なくとも1つの例示された実施形態により、そのうちの第1の空洞782が使い捨て洗浄剤リザーバ700を保持するようなサイズ及び寸法であり、第2の空洞784が使い捨て排出物収集リザーバ720を保持するようなサイズ及び寸法である、2つのリザーバ空洞に分割されたリザーバシェル780の等角図である。リザーバシェル780は、長さ781、幅783、及び高さ785を有することができ、耳当て101の露出部分の上にフィットするようなサイズ及び寸法にすることができる。リザーバシェル780は、リザーバシェル780の長さ781の端から端まで伸びて、第2の空洞784から第1の空洞782を分離する内壁786を含む。第1のカラー788は、内壁786に取り付けられ、第1の空洞782に向かって内壁786に対して垂直に伸びることができる。第1のカラー788は、内部開口部788aを備えた環状形状を有することができる。いくつかの実施形態では、内部開口部788aは、使い捨て洗浄剤リザーバ700が第1の空洞782に装填された時に使い捨て洗浄剤リザーバポート710と位置合わせすることができる。このような位置合わせは、使い捨て洗浄剤リザーバポート710と洗浄液流体連絡経路219との噛み合わせを容易にすることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、使い捨て洗浄剤リザーバ700は、使い捨て洗浄剤リザーバポート710を有する使い捨て洗浄剤リザーバ700の端部を第1のカラー788の後ろで内壁786に向かって第1の空洞782内にスライドさせることによって第1の空洞782内に装填することができる。いくつかの実施形態では、リザーバシェル780は任意選択で、内壁786の反対側の第1の空洞782のエッジに沿って位置するラッチ789又はその他の同様の固定機構を有することができる。使い捨て洗浄剤リザーバ700の対応する端部は、ラッチ789の後ろで第1の空洞782に押し込まれ、それにより使い捨て洗浄剤リザーバ700を第1の空洞782内に固定することができる。
【0078】
第2のカラー790及び第3のカラー792は、内壁786に取り付けられ、第2の空洞784に向かって内壁786に対して垂直に伸びることができる。第2のカラー790は、内部開口部790aを備えた環状形状を有することができる。いくつかの実施形態では、内部開口部790aは、使い捨て排出物収集リザーバ720が第2の空洞784に装填された時に使い捨て排出物収集リザーバポート730と位置合わせすることができる。このような位置合わせは、使い捨て排出物収集リザーバポート730と排出物流体連絡経路221との噛み合わせを容易にすることができる。第3のカラー792は、内部開口部792aを備えた環状形状を有することができる。いくつかの実施形態では、内部開口部792aは、使い捨て排出物収集リザーバ720が第2の空洞784に装填された時に真空アセンブリ207bからの出力と位置合わせすることができる。このような位置合わせは、真空アセンブリポート772と真空アセンブリ207bとの噛み合わせを容易にすることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、使い捨て排出物収集リザーバ720は、使い捨て排出物収集リザーバポート730を有する使い捨て排出物収集リザーバ720の端部を第2のカラー790及び/又は第3のカラー792の後ろで内壁786に向かって第2の空洞784内にスライドさせることによって第2の空洞784内に装填することができる。いくつかの実施形態では、リザーバシェル780は任意選択で、内壁786の反対側の第2の空洞784のエッジに沿って位置するラッチ794又はその他の同様の固定機構を有することができる。使い捨て排出物収集リザーバ720の対応する端部は、ラッチ794の後ろで第2の空洞784に押し込まれ、それにより使い捨て排出物収集リザーバ720を第2の空洞784内に固定することができる。
【0080】
図7Dは、少なくとも1つの例示された実施形態により、洗浄剤セクション751及び排出物収集セクション753のための別個のセクションを含む使い捨て容器750の等角図である。使い捨て容器750は、前面752及び背面754と、潜在的に1つ以上の側壁756とを含むことができ、これらは単体の本体755を形成する。いくつかの実施形態では、前面752及び背面754は実質的に互いに平行にすることができる。このような実施形態では、使い捨て容器750は、前面752と背面754との間の距離に橋を架ける1つ以上の側壁756を含むことができる。いくつかの実施形態では、前面752及び背面754は、背面754が前面752から外向きに湾曲するか及び/又は前面752が背面752から外向きに湾曲するようにエッジで交わることができる。このような実施形態では、使い捨て容器750の断面領域は、背面754及び前面752に関連する側面のうちの一方又は両方に沿った弧を含むことができる。
【0081】
前面752、背面754、及び側壁756(存在する場合)は、使い捨て容器750用の中空空間758を規定することができ、前面752、背面空間754、及び側壁756のそれぞれは中空空間758の境界を示している。いくつかの実施形態では、隔壁760は中空空間758を複数セクションに分割することができる。このような実施形態では、1つのセクションの流体内容物が他のセクションに使い捨て容器750内で直接移動できないように、異なるセクションは互いに流体的に分離される可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、中空空間758は洗浄剤リザーバセクション762及び排出物収集リザーバセクション764に分割することができ、このようなセクションは使い捨て容器750内で互いに流体的に分離される。
【0082】
いくつかの実施形態では、中空空間758の洗浄剤リザーバセクション762は、使い捨て容器750の前面702上の第1のへこみ766内に位置する洗浄剤ポート765を介してアクセス可能にすることができる。洗浄剤ポート765は、カニューレ105の反対側端部で、例えば、洗浄剤通路212の開口部212aで洗浄液流体連絡経路219と選択的に脱着式に物理的に噛み合うようなサイズ及び寸法にすることができる。使い捨て容器750が洗浄液流体連絡経路219と噛み合うと、洗浄剤リザーバセクション762は1つ以上の灌注手順のために洗浄剤を提供することができる。いくつかの実施形態では、洗浄剤ポート765は、洗浄剤が使い捨て容器750の洗浄剤リザーバセクション762内に配置された後で製造及び/又は組立プロセス中に柔軟なメンブレンでシールすることができる。いくつかの実施形態では、洗浄液流体連絡経路219(例えば、洗浄剤通路212の先端部)は、使い捨て容器750が耳当て101上に取り付けられた時にメンブレンに穴を開け、それにより洗浄液にアクセスすることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、排出物収集リザーバセクション764は、使い捨て容器750の前面752上の第2のへこみ770内に位置する排出物収集リザーバポート768を介してアクセス可能にすることができる。排出物収集リザーバポート768は、カニューレ105の反対側端部で、例えば、排出物通路214の開口部214aで排出物流体連絡経路221と選択的に脱着式に物理的に噛み合うようなサイズ及び寸法にすることができる。排出物収集リザーバポート768が排出物流体連絡経路221と噛み合うと、排出物収集リザーバセクション764は1つ以上の灌注手順中に排出物を収集するために使用することができる。いくつかの実施形態では、排出物収集リザーバセクション764は、製造及び/又は組立プロセス中に柔軟なメンブレンでシールすることができる。いくつかの実施形態では、排出物流体連絡経路221(例えば、排出物通路214の先端部)は、使い捨て容器750が耳当て101上に取り付けられた時にメンブレンに穴を開け、それにより排出物収集リザーバセクション764へのアクセスを可能にすることができる。
【0084】
使い捨て容器750の前面752は、使い捨て容器750の排出物収集リザーバセクション764へのアクセスを可能にする真空アセンブリポート772を含むことができる。真空アセンブリポート772は、使い捨て容器750の前面752の第3のへこみ774内に位置することができる。真空アセンブリポート772は、使い捨て容器750が耳当て101上に取り付けられた時に真空アセンブリ207bと物理的に流体で連結するようなサイズ及び寸法にすることができる。真空アセンブリ又は真空ポンプ207bは、灌注手順中及び/又は灌注手順後に耳道からの排出物の除去を容易にするために排出物収集リザーバセクション764内に真空又は低圧の領域(即ち、周囲の環境圧より低い、例えば、1気圧より低い)を発生するために使用することができる。
【0085】
使い捨て容器750は、例えば、医療措置における使用のために承認されたプラスチック材料などの任意の適切なプラスチック材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、使い捨て容器750の洗浄剤リザーバセクション762は、灌注ルーチンの少なくとも1灌注サイクルからの排出物を収容するのに十分な容積を保持することができる。いくつかの実施形態では、排出物収集リザーバセクション764は、灌注ルーチンの少なくとも1灌注サイクルからの排出物を収容するのに十分な容積を保持することができる。このような灌注サイクルは、例えば、ユーザの一方の耳を洗浄するために十分なものである可能性がある。従って、このような使い捨て容器750は、毎回使用後に交換し、それにより複数ユーザに曝される灌注装置100のコンポーネントの数を低減することができる。いくつかの実施形態では、使い捨て容器750は、1つ以上のファスナ又は物理的連結器を使用して耳当て101上に直接取り付けることができる。いくつかの実施形態では、使い捨て容器750は、シェル(例えば、内壁786なしのリザーバシェル780)が耳当てに取り付けられた時にシェル内に装填し、耳当て101に取り付けることができる。
【0086】
図8図9図10、及び図11は、一実施形態により様々な視点からカニューレ105を示している。カニューレ105は、長さ807によって分離され、それを越えて互いに対向する近位端803及び遠位端805を有する本体801を含む。本体801は、近位端803の断面領域が、ユーザの耳道内に挿入される遠位端805の断面領域より大きくなるように、遠位端805に向かって近位端803から先細にすることができる。このような実施形態では、カニューレ105の先細りは、カニューレ105の遠位端805がユーザの鼓膜に衝突する前に本体801の比較的より大きい部分をユーザの耳道の側壁に衝突させることにより、ユーザの鼓膜を保護することができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105の本体801は、円錐の先細型端部が切り詰められている円錐形形状などの部分的に円錐形の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105の本体801の先細りは線形にすることができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105の本体801の先細りは、基部から先端部に移動する時に輪郭において曲線及び/又は段状部分を備えた非線形にすることができる。いくつかの実施形態では、先細りは、カニューレ105の本体801のある部分について線形にし、カニューレ105の本体801の他の部分について非線形にすることができる。いくつかの実施形態では、カニューレ105の本体801は、プラスチックの単体のシングルピースで形成することができる。いくつかの実施形態では、代替的に、カニューレ105の本体801は、一緒に接合された複数のピースで形成することができる。いくつかの実施形態では、本体801は中心軸802の周りの回転体という形式を有する可能性がある。いくつかの実施形態では、カニューレ105の本体801は回転体の形式ではない可能性がある。
【0087】
1つ以上の灌注アウトレットアパーチャ809は遠位端805に近接して位置することができる。いくつかの実施形態では、灌注アウトレットアパーチャ809のうちの1つ以上は、カニューレ105の遠位端805でエッジから短い距離(例えば、5mmまで)を後退させることができる。灌注アウトレットアパーチャ809は、カニューレ105から出る洗浄剤の外向きの流れを誘導するために使用することができる。いくつかの実施形態では、複数の灌注アウトレットアパーチャ809は、遠位端805に近接してカニューレ105の本体801の周りに半径方向に間隔をあけて配置することができる。灌注アウトレットアパーチャ809は、カニューレ105の近位端803に位置する灌注インレットポート813と、灌注インレットポート813に対して比較的遠位端805に向かって位置する灌注アウトレットアパーチャ809との間に灌注流路811を提供する灌注通路810の端部に位置することができる。灌注インレットポート813は、実質的に円筒形の形状である場合もあれば、その他の形状、例えば、卵形又は楕円形を有する場合もある。
【0088】
排出物収集インレットポート817は、カニューレ105の遠位端805に又は少なくともそれに近接して位置することができる。排出物収集インレットポート817は、灌注手順中にユーザの耳道からの排出物を収集するために使用することができる。いくつかの実施形態では、排出物収集リザーバ205内の真空アセンブリ207bによって発生された真空或いは比較的低圧又は負の空気圧の領域を介して、排出物収集インレットポート817で吸引力を発生することができる。この吸引力は排出物の収集を支援することができる。排出物収集インレットポート817は、比較的カニューレ105の遠位端805に向かって位置する排出物収集インレットポート817と、カニューレ105の近位端803に位置する排出物収集アウトレットポート821との間に排出物のための流路を提供する排出物流路819の端部に位置することができる。排出物収集アウトレットポート821は実質的に円筒形の形状にすることができる。いくつかの実施形態では、排出物収集アウトレットポート821はその他の形状(例えば、卵形、楕円形など)を取ることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、灌注インレットポート813は排出物収集アウトレットポート821から半径方向にオフセットされる。いくつかの実施形態では、灌注アウトレットアパーチャ809は中心軸802から外向きに半径方向にオフセットすることができ、このような配置の結果、灌注アウトレットアパーチャ809が弧を形成する可能性がある。いくつかの実施形態では、排出物収集インレットポート817は中心軸802の周りに配置することができる。
【0090】
トラップ833は排出物流路819に沿って位置することができる。いくつかの実施形態では、例えば、トラップ833はカニューレ105の近位端803に近接して位置することができる。いくつかの実施形態では、トラップ833は、ある量の液体及び空気のうちの少なくとも一方を通す間に少なくとも1つの定義済み寸法の物理的デブリをトラップするようなサイズ及び寸法にすることができる。例えば、トラップ833は、排出物中で運ばれる耳あかをトラップするようなサイズ及び寸法にすることができる。いくつかの実施形態では、トラップ833は、例えば、排出物流路819を横切って伸び、排出物流路819内の排出物の流れの方向に対して垂直になるように配向されたメッシュフィルタ、織物フィルタ、又は非織物フィルタなどのフィルタ833aにすることができる。いくつかの実施形態では、トラップ833は、排出物収集通路820の内周835から半径方向に内向きに伸びる複数の指部又は突起部833bを含むことができる。複数の指部又は突起部833bが示されているが、トラップは、全面的に又は少なくとも部分的に排出物収集通路820を横切って伸びる、単一のバー又はロッド或いは細長い部材を含むことができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、カニューレ105の遠位端805は、排出物収集インレットポート817の少なくとも一部分の上に張り出す斜角を付けた部分815を含むことができる。このような実施形態では、斜角を付けた部分815は、中心軸802に対して垂直又は平行のいずれでもない平面内にあって、中心軸802に対してある角度で向けられるように、排出物収集インレットポート817を位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、斜角を付けた部分815は、直立姿勢のユーザが灌注装置100を装着した時に水平軸104に対して下向きの角度で排出物収集インレットポート817を配向するような形状にすることができる。このような配向は、灌注手順の排出物を収集するために排出物収集インレットポート817で導入される吸引の効果及び効率を改善することができる。いくつかの実施形態では、斜角を付けた部分815は、灌注アウトレットアパーチャ809のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0092】
近位端803はフランジ付き部分823を含むことができる。いくつかの実施形態では、フランジ付き部分823は、カニューレ連結器インターフェース203上の補完インターフェースにカニューレ105を確実に係合し、それによりカニューレ105を耳当て101に固定するために、1つ以上のインターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、フランジ付き部分823は、外径828を有する内壁827、内径830を有する外壁829、及び外径828と内径830との間のオープンスペース831によって形成されるインターフェース825を含むことができる。このような実施形態では、カニューレ連結器インターフェース203は、オープンスペース831内にぴったりフィットし、外壁829及び内壁827と接触するような設計及び形状の環状壁321などの対応する補完インターフェース319を含むことができる。カニューレ連結器インターフェース203は、カニューレ連結器インターフェース203の環状壁321が内壁827と外壁829との間に係合された時にカニューレ105の動きに対向する摩擦力を介して所定の位置にカニューレ105を確実に保持することができる。しかしながら、このような摩擦力は、望ましい時にユーザがカニューレ連結器インターフェース203からカニューレ105を除去するのを防止するほど大きくない可能性がある。従って、このようなインターフェース825は、カニューレ連結器インターフェース203上の補完インターフェース319とカニューレ105を取り外し可能に確実に係合する。
【0093】
フランジ付き部分823は、カニューレ105がカニューレ連結器インターフェース203と取り外し可能に確実に契合できるようにする、その他のタイプのインターフェース(例えば、ねじ山を切ったねじ、差し込みコネクタ(例えば、出っ張りと補完的くぼみ))を含むことができる。フランジ付き部分823は、カニューレ105とカニューレ連結器インターフェース203との間に水密及び/又は気密シールを提供する、1つ以上の柔軟で整合的な材料(例えば、ゴムのOリング)を含むことができる。
【0094】
インターフェース825は、カニューレ105の近位端803上に位置する灌注インレットポート813をカニューレ連結器インターフェース203上に位置する洗浄剤ポート316と位置合わせすることができる。インターフェース825は、カニューレ105の近位端803上に位置する排出物収集アウトレットポート821をカニューレ連結器インターフェース203上に位置する真空ポート318と位置合わせすることができる。このような実施形態では、カニューレ105がカニューレ連結器インターフェース203に固定されると、このインターフェースは、灌注インレットポート813が洗浄剤ポート316と確実に噛み合うことと、排出物収集アウトレットポート821が真空ポート318と確実に噛み合うことを可能にすることができる。1つ以上の柔軟で整合的なシールは、灌注インレットポート813と洗浄剤ポート316との間及び/又は排出物収集アウトレットポート821と真空ポート318との間に気密及び/又は水密シールを提供するために更に使用することができる。
【0095】
図12は、少なくとも1つの例示された実施形態により、カニューレ105を示し、灌注通路810及び排出物収集通路820の経路をより良好に示している。灌注通路810は、カニューレ105の近位端803に位置する灌注インレットポート813をカニューレ105の遠位端805に近接して位置する1つ以上の灌注アウトレットアパーチャ809と接続する。灌注インレットポート813は、実質的に円筒形にすることができ、カニューレ105がカニューレ連結器インターフェース203と物理的に連結された時にカニューレ連結器インターフェース203上の洗浄剤ポート316と噛み合うようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、灌注インレットポート813は雌型コネクタ又はファスナにすることができ、カニューレ連結器インターフェース203上の対応する洗浄剤ポート316は補完的な雄型コネクタ又はファスナにすることができる。灌注通路810は、それがカニューレ105のフランジ付き部分823を過ぎて進み、カニューレの遠位端805に向かって移動する時に平らになる可能性がある。このような扁平化により、灌注通路810はカニューレ105の遠位端805に近接して伸び、様々な灌注アウトレットアパーチャ809間に延びる弧形状を形成することができる。
【0096】
排出物収集通路820は、排出物収集インレットポート817と排出物収集アウトレットポート821との間に排出物流路819を提供し、カニューレ105がカニューレ連結器インターフェース203と物理的に連結された時にカニューレ連結器インターフェース203上の真空ポート318と噛み合うようなサイズ及び形状にすることができる。例えば、排出物収集アウトレットポート821は雌型コネクタ又はファスナにすることができ、カニューレ連結器インターフェース203上の対応する真空ポート318は補完的な雄型コネクタ又はファスナにすることができる。排出物収集通路820は、カニューレ105の近位端803における排出物収集通路820の直径と比較して、遠位端805においてより小さい直径を有することができる。このような狭小化は、排出物収集通路820がカニューレ105の長さに沿って徐々に先細になるように漸進的なものにすることができる。このような狭小化は、急激なものであり、例えば、排出物収集通路820がカニューレのフランジ付き部分823から外に移動するポイントで発生する可能性がある。前述のように、トラップ833は、排出物収集通路820内に位置し、排出物内で運ばれる指定のサイズの粒子を捕捉するようなサイズ、形状、及び配向にすることができる。
【0097】
図13は、1つの例示された実施形態によるコントローラ回路213及び1つ以上の電源215を示している。コントローラ回路213は、少なくとも1つのプロセッサ1201と、電源215(例えば、1つ以上のバッテリ)への接続部1203と、1セット以上のプロセッサ実行可能命令1207を記憶する1つ以上のメモリ1205と、入力インターフェース1209と、出力インターフェース1211とを含む。これらのコンポーネントのそれぞれは、コントローラ回路213の様々なコンポーネント間の双方向通信を提供できるバス1213によって通信可能に接続することができる。バス1213は、例えば、少なくとも1つの本体に含まれる複数のバス(例えば、データバス、命令バス、電力バス)の形を取ることができる。
【0098】
入力インターフェース1209は、ユーザ実行可能選択可能制御部217に電気的に通信可能に連結し、電気信号の形のユーザ入力を受信するために使用することができる。このようなユーザ入力としては、例えば、1つ以上のメモリ1205によって複数セットのプロセッサ実行可能命令1207として記憶された複数の灌注プログラム間の選択を含むことができる。出力インターフェース1211は、ポンプアセンブリ207a及び真空アセンブリ207bのうちの一方又は両方に電気的に通信可能に連結することができる。出力インターフェース1211は、プロセッサ1201によって生成され、その結果、ポンプアセンブリ207a及び/又は真空アセンブリ207bを活動化又は非活動化する電気信号を送信するために使用することができる。
【0099】
プロセッサ1201は、1つ以上の中央演算処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、書き換え可能ゲートアレイ(FPGA)などの任意の論理処理装置にすることができる。電源215は、電力接続部1217を介して灌注装置100の様々なコンポーネントに電力を提供する1つ以上の電源215を含むことができる。電源215は、バッテリ、エネルギ源、燃料電池などの内部電源にすることができる。
【0100】
1つ以上のメモリ1205は読み取り専用メモリ(「ROM」)及びランダムアクセスメモリ(「RAM」)を含むことができる。1つ以上のメモリ1205は、データ及び/又はプロセッサ実行可能命令を記憶するためのフラッシュドライブを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のメモリ1205は、ハードディスクから読み取り、そこに書き込むためのハードディスクドライブ、取り外し可能光ディスクから読み取り、そこに書き込むための光ディスクドライブ、及び/又は磁気ディスクから読み取り、そこに書き込むための磁気ディスクドライブを含むことができる。1つ以上のメモリ1205は、システムバス1213を介してプロセッサ1201と通信することができる。当業者であれば、WORMドライブ、RAIDドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(「DVD」)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなど、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶できるその他のタイプのコンピュータ可読媒体を使用できることを認識するであろう。
【0101】
1セット以上のプロセッサ実行可能命令1207は、実行されると、灌注装置100により1つ以上の灌注ルーチンを実行させる。このような灌注ルーチンは、実行されると、プロセッサ1201により、指定の時間に出力インターフェース1211を介して真空アセンブリ207bに第1の信号を送信させることができ、その結果、真空アセンブリ207bがオンになり、それにより排出物流体連絡経路221を通ってカニューレ105の排出物収集インレットポート817内に更に排出物リザーバ205内に排出物を移動させるための真空力を発生する。このような灌注ルーチンは、実行されると、プロセッサ1201により、指定の時間に出力インターフェース1211を介してポンプアセンブリ207aに第2の信号を送信させることができ、その結果、ポンプアセンブリ207aがオンになり、それにより強制的に洗浄剤を洗浄剤リザーバ201から洗浄液流体連絡経路219を通ってカニューレ105に移動又は流出させ、そこで洗浄剤は圧力で灌注アウトレットアパーチャ809を通って出る。プロセッサ1201は、ポンプアセンブリ207aがオフになる前に灌注ルーチン中の短時間の持続時間(例えば、約2秒)の間、ポンプアセンブリ207aが活動化及び非活動化される複数のパルスを使用してポンプアセンブリ207aを活動化することができる。このセットのプロセッサ実行可能命令1207は、異なる期間(例えば、30秒まで、30秒、1分、又は1分より長い)の灌注手順を提供することができる。
【0102】
図14は、少なくとも1つの例示された実施形態によるユーザ実行可能選択可能制御部217を示している。ユーザ実行可能選択可能制御部217は、耳選択ボタン1301及びプログラム選択ボタン1303と、開始ボタン1305と、LEDセット1307と、耳活動化インジケータ1309と、電力インジケータ1311と、充電インジケータ1313とを含む。耳選択ボタン1301は、灌注装置100をオンにし、洗浄すべき耳を選択するために使用することができる。いくつかの実施形態では、耳選択は、所望の耳の上の又はそれに近接した(例えば、接合部135a及び135b上又はその周りの)灌注装置100の接触感知式又は接触反応式領域(例えば、抵抗、誘導、又は静電容量接触センサ)に触れることによって実行することができる。プログラム選択ボタン1303は、1つ以上のメモリ1205内に記憶された複数セットのプロセス実行可能命令1207に対応可能な複数の灌注ルーチン間を選択するために使用することができる。例えば、プログラム選択ボタン1303は、複数の灌注ルーチン間を切り替えるか又は循環するために使用することができる。LEDセット1307は、ユーザによって現在どのルーチンが選択されているかを示すために使用することができる。従って、いくつかの実施形態では、それぞれのLEDは、特定の灌注ルーチンに関する命令1207を記憶するメモリ1205内の位置に対応することができる。現在選択されている灌注ルーチンに対応するLEDが点灯する可能性がある。開始ボタン1305は、現在選択されている灌注ルーチンを開始するために使用することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、耳活動化インジケータ1309は、現在どちらの耳当て101が動作中であるかを示すことができ、「R」はユーザの右耳の上にフィットするように設計された耳当て101aに対応し、「L」はユーザの左耳の上にフィットするように設計された耳当て101bに対応する。電力インジケータ1311は、灌注装置100が現在電源オンになっていて、洗浄サイクルを実行中であるかどうかを示す。充電インジケータ1313は、バッテリ215が充電されるように灌注装置100が現在電源に電気的に連結されているかどうかを示す。バッテリ215が現在保持している荷電量は、点灯している充電インジケータ1313の量に直接関係する可能性がある。加えて又は代替的に、バッテリ215が完全に充電されると、充電インジケータ1313は、バッテリ充電中に対応する1つの色(例えば赤色)から、バッテリが完全に充電されたことを示す第2の色(例えば緑色)に切り替えることができる。いくつかの実施形態はその他の信号及びインジケータを含むことができる。例えば、1つ以上のインジケータを使用して、ポンプアセンブリ207aが高すぎる圧力で洗浄剤を提供していること、真空アセンブリ207bが強すぎる真空を提供していること、排出物通路214が詰まっていることなどを示すことができる。いくつかの事例では、灌注装置100は、ユーザに対する危害又は灌注装置100に対する損傷を防止するために自動的にシャットダウンする可能性がある。いくつかの実施形態では、ユーザ実行可能選択可能制御部217のうちの少なくとも1つは、灌注装置100を自動的にシャットダウンするための「強制終了」スイッチとして使用することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、灌注装置100は、灌注装置100の動作を制御し、それに関するフィードバックを提供するためのタッチスクリーン制御部を含むことができる。このようなタッチスクリーン制御部は、灌注装置100の一部分に取り入れることができる。いくつかの実施形態では、灌注装置100は、ユーザのスマートホン/タブレット又は専用のタブレットデバイスなどのワイヤレスデバイスを介してタッチスクリーン制御部を表示できるように無線通信機能(例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、近距離通信を介する)を有することができる。
【0105】
図15は、1つの例示された実施形態により、灌注手順を実行するための灌注装置の動作方法1400を示している。1402では、コントローラ回路213の1つ以上のメモリ1205内に記憶されている様々な灌注手順間を選択する信号が受信される。
【0106】
1404では、現在選択されている灌注手順を開始する信号が受信される。
【0107】
1406では、コントローラ回路213によって生成され、出力インターフェース1211を通って送信された信号を介して真空アセンブリ207bが活動化される。
【0108】
1408では、パルスサイクルのためにポンプアセンブリ207aが活動化される。前に注記したように、ポンプアセンブリ207aを活動化すると、その結果、洗浄剤リザーバ201から洗浄液流体連絡経路219を介してカニューレ105に向かって洗浄剤が分配され、洗浄剤は圧力を受けてそこから出る。従って、ポンプアセンブリ207aを活動化するための信号を送信すると、特定の量の洗浄剤が洗浄剤リザーバ201から分配される。
【0109】
1410では、遅延が観察された後でポンプアセンブリ207aが非活動化され、その結果、1パルス分の洗浄剤を提供する。遅延及びその結果のパルス持続時間は、例えば、2秒までにすることができる。いくつかの実施形態では、遅延は2秒より長く又は短くすることができる。
【0110】
1412では、パルスサイクルが完了したかどうかの判断が行われる。パルスサイクルが完了していない場合、動作1400は1408に移行して、ポンプアセンブリ207aを活動化する。いくつかの実施形態では、それぞれの連続するパルスはユーザの耳道内の耳あかを軟化して取り除く働きをすることができる。それぞれのパルスサイクルは、例えば、30秒まで、1分、90秒、又はそれより長くすることができる。パルスサイクルが完了している場合、動作1400は1414に移行する。
【0111】
1414では、灌注手順を終了するために真空アセンブリ207bが非活動化される。
【0112】
上記の詳細な説明は、ブロック図、概略図、及び例の使用により装置及び/又はプロセスの様々な実施形態について明記している。このようなブロック図、概略図、及び例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、このようなブロック図、フローチャート、又は例内のそれぞれの機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上すべての組み合わせにより、個別に及び/又は一括して実施できることは当業者によって理解されるであろう。当業者であれば、本明細書に記載されている方法又はアルゴリズムの多くは、追加の行為を使用するか、いくつかの行為を省略するか、及び/又は指定されたものとは異なる順序で行為を実行することができることを認識するであろう。
【0113】
上記の様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わせることができる。加えて、2016年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/357,320号を含み、本明細書において参照されるか及び/又は出願データシートに列挙されている米国特許、米国特許出願文献、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許文献はいずれも参照により全体として本明細書に組み込まれる。様々な特許、出願、及び文献の概念を使用して更なる実施形態を提供するために、必要であれば、諸実施形態の態様を変更することができる。上記の詳細な説明を考慮して、諸実施形態に対してこれら及びその他の変更を行うことができる。
【0114】
一般に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、本明細書及び特許請求の範囲に開示されている特定の実施形態に特許請求の範囲を限定するものと解釈してはならないが、このような特許請求の範囲に含まれる資格がある全範囲の同等物とともに、すべての可能な実施形態を含むものと解釈しなければならない。従って、特許請求の範囲は開示内容によって限定されない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15