特許第6963575号(P6963575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963575
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】ダニ捕獲確認具
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/14 20060101AFI20211028BHJP
   A01M 1/02 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   A01M1/14 J
   A01M1/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-11745(P2019-11745)
(22)【出願日】2019年1月26日
(65)【公開番号】特開2020-115819(P2020-115819A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2020年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】509081540
【氏名又は名称】有限会社日革研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100082832
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 邦章
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 秀夫
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−112011(JP,A)
【文献】 特開平09−154465(JP,A)
【文献】 特開2001−354503(JP,A)
【文献】 特開2003−235426(JP,A)
【文献】 実開平03−048472(JP,U)
【文献】 特開平10−052205(JP,A)
【文献】 特開2006−136296(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0077917(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/14
A01M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウスダスト混入防止壁を外周部に設けるとともにダニ侵入部を設けたプラスチックケースにダニ捕獲基材シートを内装して、上記プラスチックケースの上面部を透明として侵入して捕獲したダニを視認可能とし
上記プラスチックケースに内装したダニ捕獲基材シートの中央部にダニ誘引剤を設けて、そのダニ捕獲基材シートの上面にその周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった微小間隙を設けてダニ捕獲視認用の透明粘着シートをその内側部をダニ捕獲基材シートに貼付して
上記透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の周部の外周側から内側に漸次間隔が狭くなった微小間隙から誘引して上記透明粘着シートに捕獲したダニをプラスチックケースの透明の上面部からハウスダストと見誤ることなく確認できるように形成したことを特徴とするダニ捕獲確認具。
【請求項2】
ダニ捕獲基材シートの5〜10mmの周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった1〜5mmの微小間隙を設けてダニ捕獲基材シートの上面にダニ捕獲視認用の裏側に粘着剤を塗着した透明粘着シートをダニ捕獲基材シートに押し付けるようにして貼付したことを特徴とする請求項1に記載のダニ捕獲確認具。
【請求項3】
プラスチックケース、ダニ誘引捕獲基材シートを長方形状とし、プラスチックケースの下ケースにダニ捕獲基材シートを長手方向にわたって設け、そのダニ捕獲基材シートの中央部に長手方向にわたってダニ誘引剤を設け、ダニ捕獲確認用の透明粘着シートをダニ誘引捕獲基材シートの長手方向にわたって貼付したことを特徴とする請求項1または2に記載のダニ捕獲確認具。
【請求項4】
プラスチックケースの上ケースと下ケースが開閉可能に嵌合してハウスダストが混入するのを防止可能にハウスダスト混入防止壁を設けるとともに、このプラスチックケースの外周壁に微小の間隙のダニ侵入部を所定間隔で設け、ダニ捕獲基材シートがダニが好む布材や不織布で薄状の暗黒色のものであり、プラスチックケースの少なくともダニ捕獲視認用の透明粘着シートの上方部が透明体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のダニ捕獲確認具。
【請求項5】
ダニ捕獲確認のプラスチックケースをダニ捕獲マットに貼り付けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のダニ捕獲確認具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生分野におけるダニ捕獲確認具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の住宅環境から、ダニが生息するのに好都合な環境が作り出され、屋内のカーペット、畳、布団、べッド、じゅうたん、自動車のシート等にダニが繁殖し、それらがアトビー性皮膚炎、気管支喘息等を誘引する原因であることがきわめて濃厚と考えられている。
【0003】
そこで、出願人は、特許第3844935号公報のように誘引されて捕獲されたダニを簡単に確認できる覗き窓や観察窓を付けたものを開発している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5844935号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ダニ捕獲具をカーペットや布団、ベッド等に設置すると、静電作用等によって吸引されたりしてダニ捕獲具にゴミ、塵などのハウスダストが混入し、洗い出し検査では100%ダニを捕獲できているにもかかわらず、50〜60%の利用者がダニが見えなかったという結果で、捕獲したダニを確実に確認できるダニ捕獲確認具を開発するのが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、ハウスダスト混入防止壁を外周部に設けるとともにダニ侵入部を設けたプラスチックケースにダニ捕獲基材シートを内装して、上記プラスチックケースの上面部を透明として侵入して捕獲したダニを視認可能とし、上記プラスチックケースに内装したダニ捕獲基材シートの中央部にダニ誘引剤を設けて、そのダニ捕獲基材シートの上面にその周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった微小間隙を設けてダニ捕獲視認用の透明粘着シートをその内側部をダニ捕獲基材シートに貼付して上記透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の周部の外周側から内側に漸次間隔が狭くなった微小間隙から誘引して上記透明粘着シートに捕獲したダニをプラスチックケースの透明の上面部からハウスダストと見誤ることなく確認できるように形成したことを特徴とするダニ捕獲確認具を提供するものである。
【0007】
また、ダニ捕獲基材シートの5〜10mmの周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった1〜5mmの微小間隙を設けてダニ捕獲基材シートの上面にダニ捕獲視認用の裏側に粘着剤を塗着した透明粘着シートをダニ捕獲基材シートに押し付けるようにして貼付したことを特徴とするダニ捕獲確認具を提供するものである。
【0008】
また、プラスチックケース、ダニ誘引捕獲基材シートを長方形状とし、プラスチックケースの下ケースにダニ捕獲基材シートを長手方向にわたって設け、そのダニ捕獲基材シートの中央部に長手方向にわたってダニ誘引剤を設け、ダニ捕獲確認用の透明粘着シートをダニ誘引捕獲基材シートの長手方向にわたって設けたことを特徴とするダニ捕獲確認具を提供するものである。
【0009】
さらに、プラスチックケースの上ケースと下ケースが開閉可能に嵌合してハウスダストが混入するのを防止可能にハウスダスト混入防止壁を設けるとともに、このプラスチックケースの外周壁に微小の間隙のダニ侵入部を所定間隔で設け、ダニ捕獲基材シートがダニが好む布材や不織布で薄状の暗黒色のものであり、プラスチックケースの少なくともダニ捕獲視認用の透明粘着シートの上方部が透明体であることを特徴とするダニ捕獲確認具を提供するものである。
【0010】
さらにまた、ダニ捕獲確認のプラスチックケースをダニ捕獲マットに貼り付けたことを特徴とするダニ捕獲確認具を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のダニ捕獲確認具は、特許請求の範囲の請求項1のように、ハウスダスト混入防止壁を外周部に設けるとともにダニ侵入部を設けたプラスチックケースにダニ捕獲基材シートを内装して、上記プラスチックケースの上面部を透明として侵入して捕獲したダニを視認可能とし、上記プラスチックケースに内装したダニ捕獲基材シートの中央部にダニ誘引剤を設けて、そのダニ捕獲基材シートの上面にその周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった微小間隙を設けてダニ捕獲視認用の透明粘着シートをその内側部をダニ捕獲基材シートに貼付して上記透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の周部の外周側から内側に漸次間隔が狭くなった微小間隙から誘引して上記透明粘着シートに捕獲したダニをプラスチックケースの透明の上面部からハウスダストと見誤ることなく確認できるように形成したことによって、ダニ捕獲確認具のプラスチックケース内へのハウスダストの混入を防止できて、ダニが光や乾燥を著しく嫌ってすぐに潜り込む習性でダニをダニ侵入部から誘引して、外周側に向って漸次間隔が広くなって内側部をダニ捕獲基材シートに貼付した透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の微小間隙に侵入させて透明粘着シートに捕獲でき、プラスチックケースの上からハウスダストと見誤ることなく、捕獲したダニを確実に確認することができる。
【0012】
また、請求項2のように、ダニ捕獲基材シートの5〜10mmの周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった1〜5mmの微小間隙を設けてダニ捕獲基材シートの上面にダニ捕獲視認用の裏側に粘着剤を塗着した透明粘着シートをダニ捕獲基材シートに押し付けるようにして貼付したことによって、上記のように透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとのダニ捕獲基材シートの5〜10mmの周部の外周側に向って漸次間隔が広くなった1〜5mmの微小間隙から侵入させて透明粘着シートに捕獲でき、確実に捕獲したダニを見誤ることなく、プラスチックケースの上からダニを確実に確認することができる。
【0013】
さらに、請求項3のように、プラスチックケース、ダニ誘引捕獲基材シートを長方形状とし、プラスチックケースの下ケースにダニ捕獲基材シートを長手方向にわたって設け、そのダニ捕獲基材シートの中央部に長手方向にわたってダニ誘引剤を設け、ダニ捕獲確認用の透明粘着シートをダニ誘引捕獲基材シートの長手方向にわたって設けたことによって、ダニをダニ捕獲基材シートの長手方向にわたったダニ誘引剤で誘引でき、長手方向にわたって設けた透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の微小間隙に大量のダニを誘引できて、ダニを確実に確認することができる。
【0014】
さらにまた、請求項4のように、プラスチックケースの上ケースと下ケースが開閉可能に嵌合してハウスダストが混入するのを防止可能にハウスダスト混入防止壁を設けるとともに、このプラスチックケースの外周壁に微小の間隙のダニ侵入部を所定間隔で設け、ダニ捕獲基材シートがダニが好む布材や不織布で薄状の暗黒色のものであり、プラスチックケースの少なくともダニ捕獲視認用の透明粘着シートの上方部が透明体であることによって、ハウスダストが混入するのを防止でき、ダニがプラスチックケースの外周の微小の間隙のダニ侵入部から誘引でき、ダニが好む布材や不織布の薄状の暗黒色であり、ダニ捕獲基材シートに潜り込んだりして侵入しやすくて、ダニをプラスチックケースから確実に確認することができる。
【0015】
またさらに、請求項5のように、ダニ捕獲確認のプラスチックケースをダニ捕獲マットに貼り付けたことによって、ダニ捕獲具を布団、べッド等の所要のところに設置して、上記のようにダニ捕獲確認具で誘引されたダニを確認できるので、ダニ捕獲マットに確実にダニが誘引されて捕獲されていることを推定でき、商品の信頼性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例のダニ捕獲確認具の平面図、
図2】同上の側断面図、
図3】同上の説明用分解断面図、
図4】同上のダニ捕獲確認具をダニ捕獲マットに貼り付けた状態の側面図、
図5】同上の微小間隙についての他の実施例の拡大説明図(a)、(b)、(c)、
図6】同上の他の実施例のダニ捕獲確認具の平面図(a)と背面図(b)、
図7】同上の側断面図、
図8】同上の説明用分解断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のダニ捕獲確認具は、ハウスダスト混入防止壁を外周部に設けるとともにダニ侵入部を設けたプラスチックケースにダニ捕獲基材シートを内装して、上記プラスチックケースの上面部を透明として侵入して捕獲したダニを視認可能とし、上記プラスチックケースに内装したダニ捕獲基材シートの中央部にダニ誘引剤を設けて、そのダニ捕獲基材シートの上面にその周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった微小間隙を設けてダニ捕獲視認用の透明粘着シートをその内側部をダニ捕獲基材シートに貼付して上記透明粘着シートとダニ誘引捕獲基材シートとの間の周部の外周側から内側に漸次間隔が狭くなった微小間隙から誘引して上記透明粘着シートに捕獲したダニをプラスチックケースの透明の上面部からハウスダストと見誤ることなく確認できるように形成したことを特徴としている。
【0018】
ダニ捕獲確認具1は、図1図3のように長方形状の矩形状として、薄い透明なシートで形成したプラスチックケース2の上ケース2aを下ケース2bに折り畳み自在として開閉可能に形成し、内部にダニ捕獲基材シート3を装着してダニを誘引して確実に確認できるようにしている。
【0019】
下ケース2bは、図1図3のように外周部に上方に折曲した断面コ字状のハウスダスト混入防止壁4を設け、その長手方向部に所定間隔で少し凹設して微小の間隙のダニ侵入部5を設け、その内側の段落部にダニ捕獲基材シート3を下ケース2bの長手方向にそって貼り付けて設けている。
【0020】
上記ダニ捕獲基材シート3は、ダニが好む布材や不織布とした薄状の暗黒色のものであり、このダニ捕獲基材シート3の中央部に開口したりしてダニ誘引剤6を設け、このダニ誘引剤6を設けたダニ捕獲基材シート3にダニ捕獲確認用の裏側に粘着剤を塗着した透明のプラスチックシートの透明粘着シート7をその周部に微小間隙8を設けて貼付している。
【0021】
上記ダニ捕獲基材シート3の周囲には、ダニ捕獲基材シート3の大きさの10〜50%に該当するようにダニ捕獲基材シート3に透明粘着シート7を中央部分等を押さえるようにして透明粘着シート7とダニ誘引捕獲基材シート3との周部に外周側に向って漸次間隔が広くなった1〜5mm程の間隙のダニが侵入しやすい微小間隙8が生じるようにして貼付することが好ましく、光や乾燥を著しく嫌ってすぐに潜り込む習性のダニを微小間隙8に誘引して捕獲することができる。微小間隙8部は、外周側に向って漸次間隔を広くすることによって、ダニが侵入しやすく、捕獲しやすく、ハウスダストの混入を防止でき、後述するいろいろな手段で実施することができる。
【0022】
ダニ誘引剤6としては、ビール酵母等の食餌性誘引物質、食品香料等の臭香性誘引物質等が使用でき、特に臭香性のものが好ましい。
【0023】
上ケース2aは、図1図3のように周部に立ち上げ部9を設けて上記した下ケース2bの外周部のハウスダスト混入防止壁4部に密接状態に嵌合するようにしていて、上ケース2a、下ケース2bの一端部に蝶番状に折曲部10を突設して折り曲げ自在とし、折り曲げて閉塞したときにその他方に突設した突き出し片11が上ケース2bの突き出し片12の切欠部13に係入させて閉じておけるようにしている。なお、図4のように上ケース2aの両側片の中程部にそれぞれ少し高く折曲してダニ侵入部5aを設けて上記のダニ侵入部5と連通してダニを侵入可能としている。
【0024】
上記ダニ捕獲確認具1は、単独で使用できるが、図4のようにプラスチックケース2の背面に両面接着シート14等を貼り付けて、ダニ捕獲マット15に取り付けて使用することもできる。このようにすると、ダニ捕獲確認具1を布団、べッド等の所要のところに設置して、上記のとおり誘引されたダニを確認して、ダニ捕獲マット15に確実にダニが誘引されて捕獲されることを推定でき、商品の信頼性を高められる。
【0025】
上記ダニ捕獲基材シート3には、図5(a)〜(c)のように透明粘着シート7に所要の凹部の微小間隙形成部16を設けたり、下ケース2bに外周部側に微小高く傾斜した微小間隙形成部16を設けたり、ダニ誘引剤6部を少し高く設置して微小間隙形成部16を設けたり、いろいろな手段で透明粘着シート7の周部に所要の微小間隙8を設けるようにできる。
【0026】
ダニ捕獲確認具1は、図6図8のように所定径の円盤状として、プラスチックケース2の上ケース2aを下ケース2bに開閉可能に嵌合するように形成できる。このダニ捕獲確認具1は、プラスチックケース2の下ケース2bの円盤状の外周部に歯車のように均一状に所定の間隔で突出部17を突設し、その段落した内側に円形状のダニ捕獲基材シート3を内装し、このダニ捕獲基材シート3の中央部にダニ誘引剤6を設け、ダニ捕獲基材シート3に上記と同様にダニ捕獲確認用の透明粘着シート7をその周部に微小間隙8を設けて貼付している。
【0027】
上ケース2aは、図6図8のように周部を折曲して上記所定の間隔で突出部17に嵌合するように嵌合部18を均一状に所定の間隔で全周にわたって設けてハウスダスト混入防止壁4とし、これらの嵌合部18間で形成される円弧状の微小な間隙部をダニ侵入部5として、上記と同様にしてダニを誘引して確認できるようにしている。
【0028】
上記のようにダニ捕獲捕獲具1としては、矩形状や円形状の形態のものについて説明したが、その他の形状のものであっても同様に適用でき、またダニ侵入部やダニ捕獲確認等について本発明の趣旨にもとづいて適宜な変形態様を採択することができる。
【実施例】
【0029】
図1以下は、本発明の実施例を示すものである。図1図3のようにダニ捕獲確認具1は、プラスチックケース2を0.1mmの厚さの透明なポリプロピレン材で、ほぼ110mm×60mm寸法、5mm厚さの矩形状に形成している。
【0030】
ダニ捕獲確認具1は、図1図3のようにハウスダスト混入防止壁4を外周部に設けるとともに微小な間隙のダニ侵入部5、5aを設けて、プラスチックケース2にダニ捕獲基材シート3を内装し、ダニ捕獲基材シート3の中央部にダニ誘引剤6を設け、ダニ捕獲基材シート3に裏側に粘着剤を塗着した透明のプラスチックシートのダニ捕獲確認用の透明粘着シート7をその周部に外周側に向って漸次間隔を広い1〜5mmの微小間隙8を設けて貼着してダニを誘引して捕獲するようにしている。

【0031】
上記ダニ捕獲基材シート3は、ダニが好む布材の薄状の黒色のものであり、ダニ捕獲基材シート3の5〜10mmの周部に上記したように透明粘着シート7の周部を1.0〜5.0mm浮かせるようにして微小間隙8を設けている。ダニ誘引剤6としては、ビール酵母の食餌性誘引物質、食品香料の臭香性誘引物質の臭香性のよいものとして、ダニを誘引しやすくしている。
【0032】
上ケース2aは、図1図3のように周部に立ち上げ部9を設けて上記した下ケース2bの外周部のハウスダスト混入防止壁4部に密接状態に嵌合するようにしていて、上ケース2a、下ケース2bの一端部に蝶番状に折曲部10を突設して折り曲げ自在とし、折り曲げて閉塞したときにその他方に突設した突き出し片11が上ケース2bの突き出し片12の切欠部13に係合して閉じておけるようにしている。
【0033】
本実施例のダニ捕獲確認具1を布団、べッド等に設置すると、プラスチックケース2内へのハウスダストの混入を防止でき、ダニの光や乾燥を著しく嫌ってすぐに潜り込む習性からダニ誘引捕獲基材シート3と透明粘着シート7との間の微小間隙8に誘引して粘着剤で捕獲し、プラスチックケース2からダニを確実に確認することができる。
【0034】
本実施例のダニ捕獲確認具1を布団に2〜3日間設置した結果、ダニ捕獲基材シート3の上面の透明粘着シート7との間の微小間隙8部に百〜数百匹のダニが集まり、微小間隙8部にハウスダストの混入を防止できて、見誤ることなく、プラスチックケース2からダニを確実に確認することができた。
【0035】
プラスチックケース2、ダニ誘引捕獲基材シート3を長方形状としてその長手方向にわたってダニ誘引剤6を設けたことによって、ダニをダニ捕獲基材シート3の長手方向にわたってダニ誘引剤6で誘引でき、透明粘着シート7との微小間隙8に大量のダニを誘引できて、確実に確認することができた。
【0036】
図4は、上記ダニ捕獲確認具1をプラスチックケース2の背面に両面接着シート14を介して貼り付けて、ダニ捕獲マット15に貼り付けたものである。このようにすると、ダニ捕獲確認具1を布団、べッド等の所要のところに設置して、上記のとおりダニ捕獲確認具1で誘引されたダニを確認して、ダニ捕獲マット15に確実にダニが誘引されて捕獲されていることを推定でき、使用者の信頼性を高められる。
【0037】
上記ダニ捕獲基材シート3には、図5(a)〜(c)のように透明粘着シート7に所要の凹部の微小間隙形成部16を設けたり、下ケース2bに外周部側に微小高さに傾斜した微小間隙形成部16を設けたり、ダニ誘引剤6部を少し高く設置して微小間隙形成部16を設けて透明粘着シート7の周部に所要の微小間隙8を設けるようにできる。
【0038】
図6図8は、本発明の他の実施例で、ダニ捕獲確認具1は図のようにほぼ70mm径、5mm厚さの円盤状としていて、プラスチックケース2の上ケース2aを下ケース2bに開閉可能に嵌合したものである。
【0039】
上記ダニ捕獲確認具1は、0.1mmの厚さの透明なポリプロピレン材のプラスチックケース2の下ケース2bの円盤状の外周部に歯車のように均一状に20mmほどの間隔で5mmほどの高さに突出部7を全周にわたって突設し、その段落した内側に円形状のダニ捕獲基材シート3を内装し、このダニ捕獲基材シート3の中央部にダニ誘引剤6を設け、ダニ捕獲基材シート3に上記と同様にその周部に1〜5mmの所要の微小間隙8を設けてダニ捕獲確認用の透明粘着シート7を貼付している。
【0040】
上ケース2aは、図5図7のように周部を折曲して上記所定の間隔で突出部17に嵌合するように嵌合部18を均一状に所定の間隔で全周にわたって設けてハウスダスト混入防止壁4とし、これらの嵌合部18間の円弧状の微小な間隙をダニ侵入部5として、上記と同様にしてダニを誘引して確認できるようにしている。
【0041】
上記のダニ捕獲確認具1についても、同様にプラスチックケース2内へのハウスダストが微小間隙8に混入するのを防止できて、ダニをダニ侵入部5から誘引して透明粘着シート7とダニ誘引捕獲基材シート3との間の微小間隙8に誘引して捕獲して、プラスチックケース2からダニを確実に確認することができるようにしている。
【0042】
本実施例でも、上記の実施例と同様に透明粘着シート7とダニ誘引捕獲基材シート3との間の微小間隙8に誘引し、ハウスダストとの誤認することなく、プラスチックケース2からダニを確実に確認することができ、本当にダニが捕獲されることを確認できた。
【0043】
上記のようにダニ捕獲確認具1としては、矩形状や円形状の形態のものについて説明したが、その他の形状のものであっても同様に適用でき、本発明の趣旨にもとづいて適宜な変形態様を採択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、屋内のカーペット、畳、布団、べッド、じゅうたん、ブーツ、バッグ、自動車のシート等にダニが繁殖し、それらがアトビー性皮膚炎、気管支喘息等を誘引する原因であることがきわめて濃厚と考えられている衛生分野におけるダニ捕獲・捕殺用に利用できるとともに、ダニ汚染調査等にも広く利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1…ダニ捕獲確認具 2…プラスチックケース 3…ダニ捕獲確認基材シート
4…ハウスダスト混入防止壁 5…ダニ侵入部 6…ダニ誘引剤
7…透明粘着シート 8…微小間隙 16…ダニ捕獲マット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8