特許第6963599号(P6963599)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963599GPR40−アゴニストおよびGPR120−アゴニストとしてのスルホンアミド類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963599
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】GPR40−アゴニストおよびGPR120−アゴニストとしてのスルホンアミド類
(51)【国際特許分類】
   C07C 311/21 20060101AFI20211028BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 231/38 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 277/52 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 263/50 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/433 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 285/08 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 285/135 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/42 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 261/16 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 249/14 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 249/08 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/425 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 275/03 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 249/04 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 257/06 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20211028BHJP
   C07D 235/30 20060101ALI20211028BHJP
   C07C 311/29 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   C07C311/21CSP
   A61K31/192
   A61K31/415
   C07D231/38 Z
   C07D277/52
   A61K31/426
   A61K31/421
   C07D263/50
   A61K31/433
   C07D285/08
   C07D285/135
   A61K31/42
   C07D261/16
   A61K31/4196
   C07D249/14 506
   C07D249/08 536
   A61K31/425
   C07D275/03
   A61K31/4192
   C07D249/04 504
   A61K31/41
   C07D257/06 Z
   A61K31/4184
   C07D235/30 A
   C07C311/29
   A61P3/10
   A61P3/04
   A61P3/06
   A61P19/08
【請求項の数】19
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2019-506650(P2019-506650)
(86)(22)【出願日】2017年8月7日
(65)【公表番号】特表2019-528262(P2019-528262A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】EP2017069958
(87)【国際公開番号】WO2018029150
(87)【国際公開日】20180215
【審査請求日】2020年8月6日
(31)【優先権主張番号】16183294.4
(32)【優先日】2016年8月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516388388
【氏名又は名称】ドンペ ファーマスーチシ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリア デ ピッツォル
(72)【発明者】
【氏名】アンナ シリコ
(72)【発明者】
【氏名】マラ ツィッポリ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンルカ ビアンキーニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ベッカーリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア アラミニ
(72)【発明者】
【氏名】キアーラ ロッサーナ マリア リベラティ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/139987(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/040225(WO,A1)
【文献】 Adrian, Javier et al.,Generation of broad specificity antibodies for sulfonamide antibiotics and development of an enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) for the analysis of milk samples,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2009年,57(2),,385-394.
【文献】 Finn, Paul W. et al.,Novel sulfonamide derivatives as inhibitors of histone deacetylase,Helvetica Chimica Acta,2005年,88(7),1630-1657.
【文献】 Sparks, Steven M. et al.,Identification of diarylsulfonamides as agonists of the free fatty acid receptor 4 (FFA4/GPR120),Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2014年,24(14),,3100-3103.
【文献】 Costanzi, Stefano et al.,Virtual screening leads to the discovery of novel non-nucleotide P2Y1 receptor antagonists,Bioorganic & Medicinal Chemistry ,2012年,20(17),,5254-5261.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中:
Aは、任意選択的に部分的または完全に不飽和であってもよく、炭素原子および任意選択的にN、SまたはOから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む、単環式または二環式の炭素環残基であり;
1、R2、R3は、−H、−ハロゲン、−CF3、−CN、−CH2CN、−OMe、−OCF3、−OH、フェニル、−OPh、−OCH2Ph、−OCH2OMe、−OCH2CN、−NO2、−NR’R”、直鎖または分枝C1〜C6アルキル、−O(CH2p−S(O)2Me、および5員環ヘテロ環を含む群から独立的に選択され;
R’およびR”は、独立的に−HまたはC1〜C4アルキルであり;
フェニルおよび前記5員環ヘテロ環は、独立的に、無置換であるか、または直鎖または分枝C1〜C4アルキル、ハロゲン、−OMeおよび−OHを含む群から選択される基により置換されており;
pは1〜4であり;
Xは、−CH2または−C(O)であり;
nは0、1または2であり;
4は、−Y−C(O)OH(式中、Yは、飽和または不飽和の直鎖C4〜C18炭化水素である)であり;
4は、芳香族環のメタ位またはパラ位に位置し;
Aがフェニルであり、nは0であり、および、YはC4炭化水素である場合、前記R1、R2、R3の少なくとも1つは水素ではなく;
Aがフェニルであり、nは0であり、YはC4炭化水素であり、および、1およびR2が水素である場合、R3は芳香環のパラ位に位置するClではない。)
の化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Yは6〜10炭素原子を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、または、5つの環原子を有し、1、2、3または4個の環原子がN、OおよびSから独立的に選択される5員環ヘテロ環である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記5員環ヘテロ環は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、およびベンズイミダゾールを含む群から選択され、前記5員環ヘテロ環は、任意選択的に部分的に飽和されていてもよい、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
1、R2、R3は、−H、−ハロゲン、−CF3、−OMe、−OH、フェニル、−OPh、−OCH2Ph、−OCH2OMe、−OCH2CN、−NO2、−NH2、−NMe2、直鎖または分枝C1〜C6アルキル、−O(CH2p−S(O)2Meを含む群から独立的に選択される、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
nが0または1である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
4が芳香族環のメタ位に位置する、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (1);
7−(3−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (2);
7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (3);
7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (4);
7−(3−(N−(4−(ジメチルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (5);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (6);
7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (7);
7−(3−(N−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (8);
7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (9);
7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (10);
6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸 (11);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (12);
7−(3−(N−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (13);
7−(3−(N−(4,5−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (14);
7−(3−(N−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (15);
7−(3−(N−(5−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (16);
7−(3−(N−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (17);
7−(3−(N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (18);
7−(3−(N−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (19);
7−(3−(N−(5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (20);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (21);
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (22);
7−(3−((5−ヒドロキシナフタレン−1−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (23);
7−(3−((4−フルオロ−2,6−ジメチルベンゾイル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (24);
7−(4−((4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (25);
7−(3−(N−(2−エチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (26);
7−(3−(N−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (27);
7−(3−(N−(4−メチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (28);
7−(3−(N−(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ(d)イミダゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (29);
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (30);
7−(3−(N−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (31);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (32);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (33);
7−(3−(N−(4−(ベンジルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (34);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (35)
から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (1);
7−(3−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (2);
7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (3);
7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (4);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (6);
7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (7);
7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (9);
7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (10);
6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸 (11);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (33);
から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
医薬を調製するための請求項1から8のいずれかに記載の化合物の使用
【請求項11】
前記医薬が、GPR120および/またはGPR40によって調節される疾病または疾患の予防および/または治療のためのものである請求項10に記載の使用
【請求項12】
前記疾病または疾患は、糖尿病(特に2型糖尿病)、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の使用
【請求項13】
生理学的に許容される賦形剤と組み合わせて、請求項1から9のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を活性成分として含む薬剤組成物。
【請求項14】
静脈内経路、腹腔内経路、吸入経路、局所経路、または経口経路による投与に適当である、請求項13に記載の薬剤組成物。
【請求項15】
液体または固体の形態にある請求項13または14に記載の薬剤組成物。
【請求項16】
カプセル、タブレット、被覆タブレット、シロップ、粉末、顆粒、クリーム、ローション、スプレーまたは軟膏の形態にある、請求項15に記載の薬剤組成物。
【請求項17】
GPR120および/またはGPR40によって調節される疾病または疾患の予防および/または治療において使用する薬剤の調製のための、式(I)
【化1】
(式中、Aがフェニルであり、R1、R2およびR3が水素であり、nが0であり、R4が−(CH24−C(O)OHである)
の化合物の使用
【請求項18】
GPR120および/またはGPR40によって調節される疾病または疾患の予防および/または治療において使用する薬剤の調製のための、式(I)
【化1】
(式中、Aがフェニルであり、R1およびR2が水素であり、R3が芳香環のパラ位に位置するClであり、nが0であり、R4が−(CH24−C(O)OHである)
の化合物の使用
【請求項19】
前記疾病または疾患は、糖尿病(特に2型糖尿病)、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患から選択されることを特徴とする、請求項17または18に記載の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Gタンパク共役受容体120(GPR120)アゴニストおよび/またはGタンパク結合受容体40(GPR40)アゴニストとして機能する化合物、それらを含有する薬剤組成物、ならびに、糖尿病(特に2型糖尿病)、経口耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患のような、前記GPR類によって調節される疾病または疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
Gタンパク共役受容体(GPCRs)スーパーファミリーは、栄養素、ホルモンおよび神経刺激伝達物質を含む広範な化学物質の検出に関与する受容体で構成される。遊離脂肪酸受容体1および4(FFA1−4)としても知られているGPR40およびGPR120は、ともに、食物のトリグリセリドから誘導される、中鎖または長鎖の飽和および不飽和脂肪酸により活性化される(非特許文献1参照)。ヒトおよび齧歯類において、GPR40は、脳の種々の領域中、および膵臓β細胞中に発現されることが最初に見出され(非特許文献2参照)、GPR40の活性化は、細胞内カルシウム濃度の上昇およびその結果としてのインスリン分泌をもたらす。また、GPR40は、消化管腸内分泌細胞によっても発現され(非特許文献3および4参照)、受容体は脂肪酸により活性化され、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)のようなインクレチンホルモンの放出を引き起こす。GLP120は、腸(結腸の腸内分泌L細胞およびSTC−1のような細胞系列)に高度に発現されるが、肺、胸腺、脾臓および膵臓中にも発現される(非特許文献5〜7参照)。
【0003】
GPR40と同様に、腸内分泌細胞におけるGPR120の活性化は、GLP−1の分泌をもたらす細胞内カルシウム濃度の上昇に寄与する。
【0004】
GLP−1は、食後に腸管L細胞から分泌される腸由来のペプチドである。GLP−1は、血糖の制御、グルコール依存インスリン分泌の刺激、プロインスリン遺伝子発現、およびβ細胞増殖経路に大きな効果を発揮する(非特許文献8参照)。GLP−1分泌は、2型糖尿病の患者において減少し、これは、部分的に、それらの個人において観察される高血糖症に寄与する可能性がある(非特許文献9参照)。2型糖尿病(T2D)の患者の治療に関して、GLP−1が血糖を低下させることに成功したとの確認は、2型糖尿病(T2D)の患者の治療のための、GLP−1受容体アゴニストのエキセンディン−4(Byetta)およびリラグルチド(Victoza)、ならびにGLP−1ペプチダーゼの阻害剤であるジペプチジル−ペプチダーゼ−4(DPP−4)の認可をもたらした。
【0005】
少なくとも初期的には、T2Dに罹患した個人は、インスリン治療を必要としない。なぜなら、β細胞がインスリン産生を増加させることによって補償するからである。疾病が進行するにつれて、補償応答は、インスリンの産生および通常のグルコース濃度維持に失敗し、患者に薬剤治療の必要性をもたらす。
【0006】
インスリン抵抗性(メトホルミン、チアゾリジンジオン類)またはβ細胞によるインスリン放出(スルホイルウレア、エキセナチド)のいずれかを標的とする現在の治療は、低血糖を引き起こす危険を伴う。したがって、β細胞からのインスリン分泌を誘起する作用のグルコール依存機構に基づく治療が必要とされている。
【0007】
GPR−40および/またはGPR−120の選択的活性化は、T2Dおよび付随する症状を、低血糖の危険を最小限にしつつ治療することに、潜在的な治療上の利点をもたらす可能性がある。GPR120は、分化および成熟に重要な役割を果たす脂肪細胞にも同様に発現する。脂肪細胞の分化中の増加したmRNA濃度は、ヒト脂肪組織に加えて、脂肪生成のインビトロモデルにおいても説明されている(非特許文献10参照)。ヒト脂肪組織中のGPR120発現は、比較対照よりも肥満した個人において著しく高いことが示され、GPR120の発現が食物性脂肪の蓄積によって促進されることを示唆している。同一の研究が、GPR−120欠損HFDマウスが肥満症に係ったことを明らかにした(非特許文献11参照)。これらのデータは、GPR120が脂肪センサーとして機能すること、およびGPR120アゴニストによる脂肪分解の抑制が血中のFFA濃度の減少をもたらし、脂肪濃度を通常化し、実際にインスリン抵抗性の改善をもたらすであろうことを示す。
【0008】
体脂肪質量をより低い低骨密度と相関させ、骨折の危険が増大するという臨床研究に基づいて、脂肪は、骨に直接的影響を有すると考えられる。したがって、GPR120/40アゴニストの効果は、骨代謝調節における治療分子として試験された(非特許文献12参照)。
【0009】
最後に、炎症性サイトカイン放出の抑制のために、マクロファージ上のGPR120がω−3脂肪酸によって活性化できることが示されている。GPR120の抗炎症性効果は、β−アレスチンシグナリングに仲介されている(非特許文献13参照)。経口的に利用可能なGPR120アゴニストにより治療された肥満マウスにおけるインビボ実験において、GPR10活性化の強力な抗炎症性効果、およびその結果として耐糖能の改善、高インスリン症の減少、インスリン感度の上昇、および肝臓脂肪症の減少が例示された(非特許文献14参照)。
【0010】
国際公開第2014/073904号パンフレットは、GPR40受容体アゴニスト活性を有する新規化合物、それらの調製方法、および活性成分としてそれらを含有する薬剤組成物を開示している(特許文献1参照)。当該新規化合物は、インスリン分泌を促進し、グルコース負荷後の血糖上昇を阻害し、それによって、糖尿病およびそれらの合併症の治療に有用である。
【0011】
国際公開第2014/209034号パンフレットは、GPR120アゴニストとしての新規ビアリル誘導体、それら誘導体を調製する方法、活性成分としてそれら誘導体を含む薬剤組成物、および糖尿病、糖尿病合併症、肥満症、非アルコール性脂肪肝、脂肪性肝炎、骨多孔症、または炎症を予防または治療するためのそれら誘導体の使用を開示している(特許文献2参照)。
【0012】
米国特許出願公開第2011/0184031号明細書は、GPR120および/またはGPR40に関するアゴニスト活性を有する新規フェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物を開示している(特許文献3参照)。
【0013】
国際公開第2016/057731号パンフレットは、種々の疾病、症候群および疾患の治療のための、GPR40アゴニストである新規化合物に関連する(特許文献4参照)。それら疾病、症候群および疾患は、2型糖尿病、真性糖尿病、肥満症、肥満症関連疾患、耐糖能障害、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、高血圧症のような他の心血管系危険要因、管理されていないコレステロール濃度および/または脂肪濃度に関連する心血管系危険要因、骨多孔症、炎症、および湿疹を含む。
【0014】
米国特許出願公開第2015/0274672号明細書は、糖尿病、肥満症、高脂血症、炎症および関連歯間の治療および/または予防のための、GPR120調節剤としての化合物を報告している(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2014/073904号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2014/209034号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0184031号明細書
【特許文献4】国際公開第2016/057731号パンフレット
【特許文献5】米国特許出願公開第2015/0274672号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Hudson B. D.ら、Adv Pharmaol (2011), 62: p.175-218
【非特許文献2】Briscoe C. P.ら、J Biol Chem (2003), 278(13): p.11303-11
【非特許文献3】Edfalk S.ら、Diabetes (2008), 57(9): p.2280-7
【非特許文献4】Liou A. P.ら、Gastroenterology (2011), 140(3): p.903-12
【非特許文献5】Hirasawa A.ら、Nat Med (2005), 11(1): p.90-4
【非特許文献6】Taneera J.ら、Cell Metab (2012), 16(1): p.122-34
【非特許文献7】Tanaka T.ら、Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol (2008), 377(4-6): p.523-7
【非特許文献8】Drucker D. J.ら、Cell Metab (2006), 3(3): p.153-65
【非特許文献9】Mannucci E.ら、Diabet Med (2000), 17(10): p.713-9
【非特許文献10】Gotoh C.ら、Biochem Biophys Res Commun (2007), 354(2): p.591-7
【非特許文献11】Ichimura A.ら、Nature (2012), 483(7389): p.350-4
【非特許文献12】Cornish J.ら、Endocrinology (2008), 149(11): p.5688-95
【非特許文献13】Oh D. Y.ら、Cell (2010), 142: p.687-98
【非特許文献14】Oh D. Y.ら、Nat Med (2014), 20: p.942-7
【非特許文献15】handbook of Pharmaceutical Excipients, sixth edition 2009
【非特許文献16】Handbook of pharmaceutical salts, P. Starl, C. Wermuth, WILEY-VCH, 127-133, 2018
【非特許文献17】「Remington's Pharmaceutical Sciences Handbook」、MACK Publishing, New York, 18th ed., 1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、GPR120および/またはGPR40の新規アゴニストを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
今や、本発明者らは、GPR120および/またはGPR40のアゴニストとして機能する、新たな種類の置換ベンゼンスルホンアミド類を見出した。
【発明の効果】
【0019】
これら化合物は、前述のGPR類によって調節される疾病または疾患の治療に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(定義)
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語、表現および他の科学用語は、本開示内容が属する技術の通常の知識を有するものに一般的に理解される意味を有することが意図される。いくつかの場合において、一般的に理解される意味を有する用語を、明確性および/または便利な参照のために、本明細書中で定義する。よって、本明細書におけるそのような定義の包含は、当該技術で一般的に理解されるものと実質的な相違を表すと解釈するべきではない。
【0021】
本明細書における用語「生理学的に許容される賦形剤」は、それ自身で何らの薬学的効果を持たず、かつ、哺乳類、好ましくはヒトに投与された際に有害な反応をもたらさない物質を意味する。生理学的に許容される賦形剤は、当該技術においてよく知られており、たとえば、参照により本明細書の一部をなすものとするhandbook of Pharmaceutical Excipients, sixth edition 2009に開示されている(非特許文献15参照)。
【0022】
本明細書における用語「薬学的に許容される塩」は、塩に変化される化合物の生物学的有効性および特性を有し、かつ、哺乳類、好ましくはヒトに投与された際に有害な反応をもたらさない塩を意味する。薬学的に許容される塩は、無機塩であっても有機塩であってもよく、薬学的に許容される塩の例は、炭酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、およびパラ−トルエンスルホン酸塩を含むが、それらに限定されるものではない。薬学的に許容される塩のさらなる情報は、参照により本明細書の一部をなすものとするHandbook of pharmaceutical salts, P. Starl, C. Wermuth, WILEY-VCH, 127-133, 2018に見出される(非特許文献16参照)。
【0023】
本明細書における用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を意味する。
【0024】
本明細書における用語「C1〜C6アルキル」は、1〜6炭素原子を含有する分枝または直鎖の炭化水素を意味する。C1〜C6アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルを含むが、それらに限定されるものではない。
【0025】
本明細書における用語「アリール」は、芳香族性の単環系および多環系を意味し、多環系のそれぞれの炭素環は縮合していてもよいし、単結合を介して互いに結合していてもよい。好適なアリール基は、フェニル、ナフチル、およびビフェニルを含むが、それらに限定されるものではない。
【0026】
本明細書における用語「ヘテロ環」は、飽和または不飽和であってもよく、炭素原子とN、OおよびSから選択される1種または複数種のヘテロ原子を含む、4員環、5員環、6員環、7員環または8員環の単環を意味する。ここで、窒素ヘテロ原子およびイオウヘテロ原子は任意選択的に酸化されていてもよく、および窒素ヘテロ原子は任意選択的に4級化されていてもよい。ヘテロ環は、安定な構造の生成をもたらす限りにおいて、任意のヘテロ原子または炭素原子と結合してもよい。また、この用語は、前述のヘテロ環がアリールまたは別のヘテロ環と縮合している二環系を含む。ヘテロ環が芳香族ヘテロ環である場合、「ヘテロ芳香環」と定義することができる。
【0027】
本明細書における用語「5員環ヘテロ環」は、5つの環原子を有する飽和または不飽和の環を意味し、1、2、3または4個の環原子は、独立的にN、OおよびSから選択される。また、この用語は、任意の二環系も含む。例示的な5員環ヘテロ環は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ベンズイミダゾールなどである。
【0028】
本明細書における用語「不飽和環」は、部分的または完全に不飽和である環を意味する。たとえば、不飽和単環C6環は、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、およびベンゼンを意味する。
【0029】
本明細書における用語「置換」は、単一置換または多重置換が化学的に許容される限りにおける、指定(または非定義)の置換基による単一置換または多重置換を意味する。たとえば、2つ以上の置換基で置換された炭素環またはヘテロ環は、化学的に容認される限りにおいて、同一の環原子上に複数の置換基を有することができる。たとえば、飽和ヘテロ環中の環イオウ原子は、典型的には、1つ(−S(=O)−)または2つ(−SO2−)のオキソ基で置換することができる。本明細書における用語「約」および「約」は、測定中に発生する可能性がある実験誤差の範囲を意味する。
【0030】
用語「含む」、「有する」、「含む」および「含有する」は、オープンエンドの用語(すなわち「含むが、それらに限定されるものではない」との意味)に解釈されるべきものであり、「から実質的に構成される」、「から実質的になる」、「から構成される」、「からなる」のような用語のサポートを提供するとみなされるべきものである。
【0031】
用語「から実質的に構成される」、「から実質的になる」は、発明の基本的特徴および新規特徴に実質的に影響する他の成分を含まない(よって、任意選択的な賦形剤を含んでもよい)との意味を有する、半クローズエンドの用語と解釈されるべきものである。
【0032】
用語「から構成される」、「からなる」は、クローズエンドの用語と解釈されるべきものである。
【0033】
本発明の第1の態様は、式(I):
【0034】
【化1】
【0035】
(式中:
Aは、単環式または二環式の炭素環残基であり、任意選択的に部分的または完全に不飽和であってもよく、炭素原子および任意選択的にN、SまたはOから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含み;
1、R2、R3は、−H、−ハロゲン、−CF3、−CN、−CH2CN、−OMe、−OCF3、−OH、フェニル、−OPh、−OCH2Ph、−OCH2OMe、−OCH2CN、−NO2、−NR’R”、直鎖または分枝C1〜C6アルキル、−O(CH2p−S(O)2Me、および5員環ヘテロ環を含む群から独立的に選択され;
R’およびR”は、独立的に−HまたはC1〜C4アルキルであり;
フェニルおよび前記5員環ヘテロ環は、独立的に、無置換であるか、あるいは、直鎖または分枝C1〜C4アルキル、ハロゲン、−OMeおよび−OHを含む群から選択される基により置換されており;
pは1〜4であり;
Xは、−CH2または−C(O)であり;
nは0、1または2であり;
4は、−Y−C(O)OH(式中、Yは、飽和または不飽和の直鎖C4〜C18炭化水素であり、好ましくはYは6〜10炭素原子を有する)であり;
4は、芳香族環のメタ位またはパラ位に位置し;
Aがフェニルである場合、nは0であり、YはC4炭化水素であり、前記R1、R2、R3の少なくとも1つは水素ではなく;
Aがフェニルである場合、nは0であり、YはC4炭化水素であり、R1およびR2が水素であり、R3は芳香環のパラ位に位置するClではない。)
を有する化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0036】
好ましくは、Aは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、または、5つの環原子を有し、1、2、3または4個の環原子がN、OおよびSから独立的に選択される5員環ヘテロ環である。
【0037】
より好ましくは、5員環ヘテロ環は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、およびベンズイミダゾールを含む群から選択され、任意選択的に部分的に飽和されていてもよい。
【0038】
好ましい実施形態によれば、R1、R2、R3は、−H、−ハロゲン、−CF3、−OMe、−OH、フェニル、−OPh、−OCH2Ph、−OCH2OMe、−OCH2CN、−NO2、−NH2、−NMe2、直鎖または分枝C1〜C6アルキル、−O(CH2p−S(O)2Meを含む群から独立的に選択される。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、nは0または1である。
【0040】
本発明の別の実施形態において、R4は、芳香族環のメタ位に位置する。
【0041】
本発明にしたがう式(I)の好ましい化合物は:
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (1);
7−(3−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (2);
7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (3);
7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (4);
7−(3−(N−(4−(ジメチルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (5);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (6);
7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (7);
7−(3−(N−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (8);
7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (9);
7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (10);
6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸 (11);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (12);
7−(3−(N−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (13);
7−(3−(N−(4,5−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (14);
7−(3−(N−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (15);
7−(3−(N−(5−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (16);
7−(3−(N−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (17);
7−(3−(N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (18);
7−(3−(N−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (19);
7−(3−(N−(5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (20);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (21);
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (22);
7−(3−((5−ヒドロキシナフタレン−1−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (23);
7−(3−((4−フルオロ−2,6−ジメチルベンゾイル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (24);
7−(4−((4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (25);
7−(3−(N−(2−エチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (26);
7−(3−(N−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (27);
7−(3−(N−(4−メチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (28);
7−(3−(N−(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ(d)イミダゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (29);
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (30);
7−(3−(N−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (31);
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (32);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (33);
7−(3−(N−(4−(ベンジルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (34);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (35)
から選択される。
【0042】
本発明にしたがう式(I)のより好ましい化合物は:
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (1);
7−(3−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (2);
7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (3);
7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (4);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (6);
7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (7);
7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (9);
7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (10);
6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸 (11);
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸 (33);
から選択される。
【0043】
実施例セクションに示されるように、上記の混合物を、GPR120受容体およびGPR40受容体に仲介されるカルシウム動員分析における効力を測定することにより、および腸内分泌細胞におけるGLP−1分泌を評価することにより、特徴付けた。
【0044】
実施例36に詳細に記載されるように、本発明者らは、上記化合物1〜35がGPR120および/またはGPR40の強力なアゴニストであることを見出した。全ての化合物のGPRアゴニスト活性は、ヒトGPR120またはヒトGPR40を安定的に発現するCHO−k1細胞における細胞内カルシウム濃度を測定することにより、インビトロで決定した。全ての化合物は、第1表に示すように、GPR120に関して2〜18μMのAC50を有する細胞内カルシウムの濃度依存増加、およびGPR40に関して5〜13μMのAC50を有する細胞内カルシウムの濃度依存増加をもたらした。野生型細胞において応答が観察されなかったため、それぞれの化合物に対するこれらの応答は、GPR120およびGPR40の活性化を反映した。
【0045】
さらに、実施例37に詳細に記載されるように、上記化合物をインビトロで試験して、ネズミSTC−1およびヒトNCI−H716腸内分泌細胞系統におけるGLP−1分泌を評価した。
【0046】
それら化合物による処置は、GLP−1の良好な増大を示し、それ系列の中で最良の分子は化合物9(STC−1およびヒトNCI−H716において、DMSOに対してそれぞれ14.5倍および6.2倍の増加)、およびSTC−1およびヒトNCI−H716において、DMSOに対してそれぞれ4.7倍および2.5倍の増加を示した化合物10であった(第1表)。
【0047】
よって、本発明の第2の態様は、GPR120および/またはGPR40のアゴニストとして使用するための、式(I)を有する上記化合物である。
【0048】
したがって、本発明の第3の態様は、医薬としての使用のための上記化合物である。
【0049】
本発明の第4の態様は、GPR120および/またはGPR40によって調節される疾病または疾患、好ましくは糖尿病(特に2型糖尿病)、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患の予防および/または治療に用いるための上記化合物である。
【0050】
本発明の第5の態様は、生理学的に許容される賦形剤と組み合わせて、式(I)の上記化合物の少なくとも1種を含む薬剤組成物である。
【0051】
1つの実施形態によれば、前記薬剤組成物は、式(I)の上記化合物の少なくとも1種を、唯一の活性成分として含む。代替の実施形態によれば、前記薬剤組成物は、少なくとも1種の他の活性成分とともに、式(I)の上記化合物の少なくとも1種を含む。本発明の好ましい実施形態によれば、前述の実施形態と組み合わせてもよいが、薬剤組成物は、静脈内投与、腹腔内投与、吸入投与、局所投与、または経口投与のためのものであってもよい。
【0052】
「Remington's Pharmaceutical Sciences Handbook」、MACK Publishing, New York, 18th ed., 1990に記載されているような慣用の技術および賦形剤を用いて、式(I)の本発明の化合物を慣用的に調合して、薬剤組成物にする(非特許文献17参照)。
【0053】
本発明の第6の態様は、必要のある患者に対して式(I)の上記化合物を投与することを含む、前記疾患または疾病の予防、それら疾患または疾病によるリスクの減少、それら疾患または疾病の改善、および/またはそれら疾患または疾病の治療のための治療方法である。前記疾患または疾病は、好ましくは、糖尿病(特に2型糖尿病)、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患であってもよい。
【0054】
本発明の化合物は、唯一の活性成分として投与することもできるし、他の治療的に活性な化合物との組み合わせで投与することもできる。
【0055】
本発明の化合物の投与は、カプセル、タブレット、シロップ、除放性薬剤などの形態において経口的に実施することに加えて、静脈内または腹腔内注射により、ボーラスとして、皮膚科用調合物(クリーム、ローション、スプレーおよび軟膏)にて、吸入により、実施することができる。
【0056】
平均1日量は、患者の疾患の深刻度、症状、年齢、性別、および体重のようないくつかの要因に依存する。容量は、一般的に、1日当たり式(I)の化合物1mgから1500mgまで変動し、任意選択的に複数回の投与に分割してもよい。
【0057】
本発明の第7の態様は、GPR120および/またはGPR40により調節される疾病または疾患の予防および/または治療に用いるための、Aがフェニルであり、R1、R2およびR3が水素であり、nが0であり、R4が−(CH24−C(O)OHである、式(I)の化合物である。
【0058】
本発明の第8の態様は、GPR120および/またはGPR40により調節される疾病または疾患の予防および/または治療に用いるための、Aがフェニルであり、R1およびR2が水素であり、R3が芳香環のパラ位に位置するClであり、nが0であり、R4が−(CH24−C(O)OHである、式(I)の化合物である。
【0059】
好ましくは、前記疾病または疾患は、糖尿病(特に2型糖尿病)、耐糖能障害、インスリン抵抗性、肥満症、肥満症関連疾患、メタボリックシンドローム、脂質異常症、LDL増大、トリグリセリド増大、肥満症誘起炎症、骨多孔症、および肥満症関連心臓血管系疾患から選択される。
【0060】
本発明の範囲を限定するものを示すと解釈されない以下の実施例によって、本発明を説明する
【実施例】
【0061】
(化合物1〜35の合成)
第1表に列挙した化合物を、以下のスキームおよび実施例に記載した手順に従って合成した。
【0062】
【化2】
【0063】
【化3】
【0064】
(材料および方法)
全ての反応剤は、Sigma-Aldrich、Fluorochem、およびAlfa Aesarから購入し、さらなる精製なしに使用した核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Brukar Avance3 400MHz装置で、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を有する指示した溶媒中で記録した。化学シフトは、内部標準に対する百万分率(ppm)単位で報告する。以下の通りの略語を用いる:s=単一線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、bs=ブロードな単一線。結合定数(J値)は、ヘルツ(Hz)単位で与える。解析HPLC−MSスペクトルは、Thermo Finnigan LCQ DECA XP-PLUS装置と連結され、C18(10μM、4.6mm×150mm)Phenomenex Gemini逆相カラムを取り付けたThermo Finnigan Surveyerで測定した。溶離液混合物は、0.200mL/分の流速で90:10から10:90に至る傾斜にしたがって用いられる、10mM(pH4.2)ギ酸アンモニウム/ギ酸緩衝液およびアセトニトリルで構成された。全てのMS実験は、陽イオンモードおよび陰イオンモードのエレクトロスプレーイオン化を用いて実施された。
【0065】
全ての反応は、Grace Resolv Davisilシリカゲルプレート250μm厚、60 F254上で実施され、UV(254nm)で可視化されるか、KMnO4、p−アニスアルデヒド、およびモリブデン酸セリウムアンモニウム(CAM)で着色される、薄層クロマトグラフィー(TLC)で監視した。Grace Resolv Davisilシリカ60のシリカゲルカラムで、クロマトグラフィー精製を実施した。全ての有機溶液は、無水Na2SO4またはMgSO4で乾燥し、ロータリーエバポレータで濃縮した。別段の記載がない限り、生物学的分析に用いる全ての化合物は、220nmおよび254nmの波長で監視されるHPLC分析結果に基づいて少なくとも98%純度を有する。
【0066】
セミ分取精製を、ポンプGilson 321、UVセルGilson 152、フラクションコレクターGilson 202、システムインターフェースGilson 506C、カラム:Phenomenex Gemini-NX AXIA 150×21.2mm、5μm、110Åを取り付けたHPLC−UVで実施した。
【0067】
(一般的手順)
(手順A)
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチル(中間体a)の合成
【0068】
無水アセトン(1.5mL)中に、4−フルオロ−2,6−ジメチルアニリン(74.2mg、0.533mmol)を溶解させた。ピリジン(0.65mL、8.0mmol)、DMAP(130mg、1.07mmol)および7−(3−(クロロスルホニル)フェニル)ヘプタン酸メチル(170mg、0.533mmol)を添加し、混合物を終夜にわたって還流させた。減圧下で混合物を濃縮し、残渣をセミ分取HPLC(トリフルオロ酢酸を含有する水/アセトニトリルを用いる傾斜溶出)により精製し、無色油状物として生成物を得た(66mg、Y=29%)。
MS(ESI+) m/z 422.2 [M+H]+
【0069】
(実施例1)
7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(1)の合成
ジオキサン(3mL)中に、7−(3−(N−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチル(中間体a、66mg、0.16mmol)を溶解させた。2MのNaOH水溶液(1.2mL、2.4mmol)を添加し、混合物を室温で攪拌した。完全な変換(2時間、HPLC−UV−MS監視)時に、減圧下で混合物を濃縮した。残渣を酢酸エチル(5mL)に溶解させ、0.3MのHCl水溶液(3×5mL)および食塩水(3×5mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮して、白色固体として化合物1を得た(56mg、Y=88%)。
1H-NMR (クロロホルム-d): δ 1.22-1.43 (m, 4H) 1.51-1.67 (m, 4H) 1.99 (s, 6H) 2.35 (t, J=7.02 Hz, 2H) 2.62 (t, J=7.11 Hz, 2H) 6.24 (br s, 1H) 6.71 (d, J=9.2 Hz, 2H) 7.34-7.40 (m, 2H) 7.46-7.54 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 408.2 [M+H]+
【0070】
(手順B)
3−ブロモ−N−(2,4,6−トリメチルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(中間体b)の合成
3−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(271mg、1.07mmol)とメシチルメタンアミン(160mg、1.07mmol)の反応により、手順Aに記載されるように、3−ブロモ−N−(2,4,6−トリメチルベンジル)ベンゼンスルホンアミドを得た。
MS(ESI+) m/z 390.1 [M+Na]+
【0071】
7−(3−N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプト−6−イン酸(中間体c)の合成
DME/H2O混合物(1/1体積比)(2mL)中に、3−ブロモ−N−(2,4,6−トリメチルベンジル)ベンゼンスルホンアミド(中間体b、302mg、0.820mmol)、炭酸カリウム(397mg、2.87mmol)、テトラキス(トリフェニルホスホラニル)パラジウム(95mg、0.082mmol)、およびヨウ化銅(I)(15.63mg、0.082mmol)を懸濁させた。得られた混合物を窒素下で5分間にわたって攪拌し、ヘプト−6−イン酸(0.212mL、1.64mmol)を添加した。混合物に対して、80℃において1時間にわたってマイクロ波を照射した。減圧下でDMEを除去した後に、残渣をAcOEt(15mL)に溶解させ、2MのHCl水溶液(2×10mL)および食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、残渣をセミ分取HPLC−UVで精製して、無色油状物として生成物を得た(206mg、Y=61%)。
MS(ESI+) m/z 279.1 [M+H]+
【0072】
(実施例2)
7−(3−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(2)の合成
メタノール(10mL)中に10重量%パラジウムを担持した炭素(273mg、0.256mmol)を懸濁させ、7−(3−N−(2,4,6−トリメチルベンジル)スルファモイル)フェニル)ヘプト−6−イン酸(中間体c、530mg、1.28mmol)を添加した。15分間にわたり混合物を通して水素をバブリングし、その後、混合物を水素雰囲気下1時間にわたって室温にて攪拌したままにした。この時点において、変換は完了した(HPLC−UV−MS)。混合物をセライト濾過し、メタノール(30mL)で洗浄した。減圧下で混合物を濃縮し、残渣をセミ分取HPLC−UVで精製して、無色油状物として生成物を得た(390mg、Y=73%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.20 (d, J=7.03 Hz, 6H) 1.27-1.40 (m, 4H) 1.48-1.70 (m, 4H) 1.99 (s, 6H) 2.35 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.60 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.79 (spt, J=7.03 Hz, 1H) 6.21 (br s, 1H) 6.85 (s, 2H) 7.31-7.43 (m, 2H) 7.48 (s, 1H) 7.53-7.64 (m, 1H).
MS (ESI+) m/z: 440.2 [M+Na]+
【0073】
(化合物3〜35の合成)
(実施例3)
7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(3)の合成
4−イソプロピル−2,6−ジメチルアニリン塩酸塩(31mg、0.16mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−イソプロピル−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(25mg、Y=36%)。
MS (ESI+) m/z: 446.3 [M+H]+
【0074】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(25mg、0.056mmol)の加水分解により、化合物3を黄色ワックス状固体として得た(22mg、Y=91%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.20 (d, J=7.03 Hz, 6H) 1.27-1.40 (m, 4H) 1.48-1.70 (m, 4H) 1.99 (s, 6H) 2.35 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.60 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.79 (spt, J=7.03 Hz, 1H) 6.21 (br s, 1H) 6.85 (s, 2H) 7.31-7.43 (m, 2H) 7.48 (s, 1H) 7.53-7.64 (m, 1 H).
MS (ESI+) m/z: 432.2 [M+H]+
【0075】
(実施例4)
7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(4)の合成
4−クロロ−2,6−ジメチルアニリン(1.50g、9.64mmol)から出発して、手順Bに記載されるように、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)ベンゼンスルホンアミドを合成し、モノスルホンアミドおよびジスルホンアミドの混合物を得て、当該混合物をNaOH水溶液/ジオキサンによる加水分解により、完全にモノスルホンアミドに変換した(3.00g、Y=83%)。
MS (ESI+) m/z: 395.9 [M+Na]+
【0076】
次いで、手順Bに記載されるように、スルホンアミド(2.90g、7.74mmol)を、ヘプト−6−イン酸(2.00mL、15.5mmol)とカップリングして、7−(3−(N−(4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプト−6−イン酸を得た(980mg、Y=32%)。
MS (ESI+) m/z: 420.1 [M+H]+
【0077】
次いで、化合物2について記載されるように、アルキン誘導体(980mg、2.33mmol)の還元により、化合物4を白色固体として得た(158mg、Y=16%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.27-1.43 (m, 4H) 1.51-1.69 (m, 4H) 1.99 (s, 6H) 2.37 (t, J=7.31 Hz, 2H) 2.62 (t, J=7.59 Hz, 2H) 6.56 (s, 1H) 7.01 (s, 2H) 7.37-7.41 (m, 2H) 7.48-7.57 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 446.1 [M+Na]+
【0078】
(実施例5)
7−(3−(N−(4−(ジメチルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(5)の合成
N1,N1,3,5−テトラメチルベンゼン−1,4−ジアミン(19.7mg、0.120mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−(ジメチルアミノ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(21mg、Y=38%)。
MS (ESI+) m/z: 461.3 [M+H]+
【0079】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(21mg、0.046mmol)の加水分解により、化合物5をベージュ色固体として得た(19mg、Y=97%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.26-1.40 (m, 4H) 1.48-1.69 (m, 4H) 1.95 (s, 6H) 2.34 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.61 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.90 (s, 6H) 6.01 (s, 1H) 6.37 (s, 2H) 7.30-7.41 (m, 2H) 7.47-7.61 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 433.2 [M+H]+
【0080】
(実施例6)
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(6)の合成
2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)アニリン塩酸塩(34mg、0.150mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(11.4mg、Y=16%)。
MS (ESI+) m/z: 486.2 [M+H]+
【0081】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(5.7mg、0.012mmol)の加水分解により、化合物5をベージュ色ワックス状固体として得た(2.0mg、Y=37%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.29-1.43 (m, 4H) 1.53-1.70 (m, 4H) 2.17 (s, 6H) 2.41 (t, J=7.36 Hz, 2H) 2.64 (t, J=7.44 Hz, 2H) 6.47 (s, 1H) 7.13-7.42 (m, 4H) 7.46-7.70 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 480.2 [M+Na]+
【0082】
(実施例7)
7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(7)の合成
4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン(24mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(9.5mg、Y=16%)。
MS (ESI+) m/z: 496.1 [M+H]+
【0083】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(8.5mg、0.017mmol)の加水分解により、化合物7を白色固体として得た(8.0mg、Y=99%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.20-1.44 (m, 4H) 1.48-1.69 (m, 4H) 1.98 (s, 6H) 2.36 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.62 (t, J=7.58 Hz, 2H) 6.29 (br s, 1H) 7.16 (s, 2H) 7.33-7.42 (m, 2H) 7.46-7.55 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 468.2 [M+H]+
【0084】
(実施例8)
7−(3−(N−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(8)の合成
アルゴン雰囲気下、乾燥DMF(1mL)中に、4−アミノ−3,5−キシレノール(50mg、0.36mmol)およびナトリウム2−メチルプロパン−2−オレート(52mg、0.55mmol)を溶解させた。ヨードメタン(0.021mL、0.33mmol)を添加し、終夜にわたって混合物を攪拌下。DCM(20mL)を添加し、溶液を、1MのNaOH水溶液(2×15mL)および食塩水(2×15mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカ(ヘキサン/AcOEt 2/1)上で精製し、4−メトキシ−2,6−ジメチルアニリン(24mg、Y=43%)を得た。
MS (ESI+) m/z: 152.1 [M+H]+
【0085】
4−メトキシ−2,6−ジメチルアニリン(24mg、0.16mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(12mg、Y=17%)。
MS (ESI+) m/z: 456.2 [M+Na]+
【0086】
手順Aに記載されるように、エステル誘導体(12mg、0.028mmol)を加水分解して、化合物8を橙色油状物として得た(11mg、Y=95%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.22-1.36 (m, 4H) 1.49-1.66 (m, 4H) 1.97 (s, 6H) 2.30 (t, J=6.76 Hz, 2H) 2.61 (t, J=7.58 Hz, 2H) 3.75 (s, 3H) 6.53 (s, 1H) 7.31-7.39 (m, 3H) 7.46-7.57 (m, 3H).
MS (ESI+) m/z: 442.2 [M+Na]+
【0087】
(実施例9)
7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(9)の合成
DME(10mL)中に、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)(234mg、0.286mmol)、フェニルボロン酸(907mg、7.44mmol)および5−ブロモ−4−フルオロ−2−メチルアニリン(1.17g、5.72mmol)を溶解させた。2Mの炭酸ナトリウム水溶液(5.7mL、11mmol)を添加し、120℃において、2時間にわたって混合物にマイクロ波を照射した。減圧下でDMEを除去した後に、残渣をAcOEt(15mL)中に溶解させ、食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をセミ分取HPLC−UVで精製して、暗色油状物として6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−アミン(812mg、Y=70%)を得た。
MS (ESI+) m/z: 202.1 [M+H]+
【0088】
6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−アミン(751mg、3.73mmol)から出発して、手順Bに記載されるように、3−ブロモ−N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)ベンゼンスルホンアミドを合成し、モノスルホンアミドおよびジスルホンアミドの混合物を得て、当該混合物をNaOH水溶液/ジオキサンによる加水分解により、完全にモノスルホンアミドに変換した(1.41g、Y=89%)。
MS (ESI+) m/z: 442.0 [M+Na]+
【0089】
次いで、手順Bに記載されるように、スルホンアミド(1.03g、2.46mmol)をヘプト−6−イン酸(0.63mL、4.92mmol)とカップリングして、7−(3−(N−(6−フルオロ−4−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプト−6−イン酸を得た。(290mg、Y=25%)
MS (ESI+) m/z: 466.2 [M+H]+
【0090】
次いで、化合物2について記載されるように、アルキン誘導体(290mg、0.623mmol)の還元により、化合物9を白色固体として得た(235mg、Y=80%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.20-1.33 (m, 4H) 1.47-1.59 (m, 4H) 2.01 (s, 3H) 2.31 (t, J=7.34 Hz, 2H) 2.58 (t, J=7.56 Hz, 2H) 6.88 (d, J=10.96 Hz, 1H) 7.00 (s, 1H) 7.27 (d, J=7.45 Hz, 1H) 7.32-7.43 (m, 7H) 7.51-7.60 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 470.2 [M+H]+
【0091】
(実施例10)
7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(10)の合成
2−ブロモ−4−フルオロ−6−メチルアニリン(360mg、1.76mmol)から出発して、化合物9について記載したように、鈴木カップリングにより、5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−2−アミン(336mg、Y=94%)を合成した。
MS (ESI+) m/z: 202.1 [M+H]+
【0092】
5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−2−アミン(266mg、1.32mmol)から出発して、手順Bに記載されるように、3−ブロモ−N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−2−イル)ベンゼンスルホンアミドを合成し、モノスルホンアミドおよびジスルホンアミドの混合物を得て、当該混合物をNaOH水溶液/ジオキサンによる加水分解により、完全にモノスルホンアミドに変換した(540mg、Y=97%)。
MS (ESI+) m/z: 442.1 [M+Na]+
【0093】
次いで、手順Bに記載されるように、スルホンアミド(540mg、1.28mmol)をヘプト−6−イン酸(0.33mL、2.57mmol)とカップリングして、7−(3−(N−(5−フルオロ−3−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプト−6−イン酸を得た。(290mg、Y=41%)
MS (ESI+) m/z: 466.2 [M+H]+
【0094】
次いで、化合物2について記載されるように、アルキン誘導体(250mg、0.537mmol)の還元により、化合物10を白色固体として得た(75mg、Y=30%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.24 - 1.42 (m, 4 H) 1.51 (tt, J=7.34, 7.34 Hz, 2 H) 1.64 (tt, J=7.23, 7.23 Hz, 2 H) 2.36 (t, J=7.34 Hz, 2 H) 2.48 (t, J=7.67 Hz, 2 H) 2.52 (s, 3 H) 6.65 (s, 1 H) 6.70 (dd, J=8.66, 2.96 Hz, 1 H) 6.78 (d, J=6.58 Hz, 2 H) 6.95 - 7.28 (m, 8 H).
MS (ESI+) m/z: 470.2 [M+H]+
【0095】
(実施例11)
6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸(11)の合成
【0096】
2,4,6−トリメチルアニリン(15mg、0.16mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、6−(3−((2,4,6−トリメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘキサン酸メチルを得た(20mg、Y=34%)。
MS (ESI+) m/z: 404.4 [M+H]+
【0097】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(20mg、0.053mmol)の加水分解により、化合物11をベージュ色固体として得た(12mg、Y=61%)。
1H-NMR (300MHz、DMSO-d): δ ppm 1.21-1.32 (m, 2H) 1.42-1.65 (m, 4H) 1.81-2.05 (s, 6H) 2.11-2.23 (m, 5H) 2.65-2.71 (m, 2H) 6.84 (s, 2H) 7.41 (s, 1H) 7.52-7.61 (m, 3H) 9.1 (br s, 1H) 11.9 (br s, 1H).
MS (ESI+) m/z: 390.3 [M+H]+
【0098】
(実施例12)
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(12)の合成
3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−アミン(300mg、2.70mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(380mg、Y=35%)。
MS (ESI+) m/z: 394.2 [M+H]+
【0099】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(380mg、0.966mmol)の加水分解により、化合物12を白色固体として得た(257mg、Y=70%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.30-1.45 (m, 4H) 1.52-1.71 (m, 4H) 2.14 (s, 6H) 2.31 (t, J=7.23 Hz, 2H) 2.66 (t, J=7.41 Hz, 2H) 7.02 (s, 1H) 7.37-7.44 (m, 2H) 7.50-7.66 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 380.3 [M+H]+
【0100】
(実施例13)
7−(3−(N−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(13)の合成
2,4−ジメチルチアゾール−5−アミン(250mg、1.95mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2,4−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(372mg、Y=46%)。
MS (ESI+) m/z: 411.2 [M+H]+
【0101】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(372mg、0.907mmol)の加水分解により、化合物13を白色固体として得た(257mg、Y=71%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.28-1.41 (m, 4H) 1.50-1.72 (m, 4H) 2.06 (s, 3H) 2.27 (s, 3H) 2.34 (t, J=7.26 Hz, 2H) 2.71 (t, J=7.37 Hz, 2H) 6.94 (s, 1H) 7.12-7.31 (m, 2H) 7.48-7.56 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 397.2 [M+H]+
【0102】
(実施例14)
7−(3−(N−(4,5−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(14)の合成
4,5−ジメチルチアゾール−2−アミン(15mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4,5−ジメチルチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(17mg、Y=35%)。
MS (ESI+) m/z: 425.2 [M+H]+
【0103】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(17mg、0.040mmol)の加水分解により、化合物14を白色固体として得た(4.3mg、Y=27%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.05-1.43 (m, 4H) 1.53-1.72 (m, 4H) 2.13 (s, 6H) 2.30 (t, J=6.49 Hz, 2H) 2.68 (t, J=7.03 Hz, 2H) 7.06 (s, 1H) 7.30-7.37 (m, 2H) 7.68-7.73 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 397.1 [M+H]+
【0104】
(実施例15)
7−(3−(N−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(15)の合成
4,5−ジメチルオキサゾール−2−アミン(13.5mg、0.120mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4,5−ジメチルオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸エチルを得た(18mg、Y=37%)。
MS (ESI+) m/z: 409.2 [M+H]+
【0105】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3mg、7μmol)の加水分解により、化合物15を橙色ワックス状固体として得た(2mg、Y=71%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.07-1.44 (m, 4H) 1.56-1.72 (m, 7H) 1.99 (s, 3H) 2.28 (t, J=6.76 Hz, 2H) 2.61 (t, J=6.94 Hz, 2H) 6.97 (s, 1H) 7.28-7.34 (m, 2H) 7.56-7.71 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 381.2 [M+H]+
【0106】
(実施例16)
7−(3−(N−(5−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(16)の合成
5−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−3−アミン(17mg、0.094mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(5−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(7.5mg、Y=17%)。
MS (ESI+) m/z: 460.2 [M+H]+
【0107】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(2.5mg、5.4μmol)の加水分解により、化合物16を白色固体として得た(2.3mg、Y=94%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.12-1.45 (m, 4H) 1.55-1.68 (m, 4H) 2.21 (t, J=7.01 Hz, 2H) 2.48 (t, J=6.90 Hz, 2H) 7.03 (s, 1H) 7.39-7.70 (m, 5H) 7.84-7.98 (m, 4H).
MS (ESI+) m/z: 446.2 [M+H]+
【0108】
(実施例17)
7−(3−(N−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(17)の合成
3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(14mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3−メチル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(8.1mg、Y=16%)。
MS (ESI+) m/z: 398.2 [M+H]+
【0109】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(2.7mg、6.8μmol)の加水分解により、化合物17を黄色ワックス状固体として得た(0.6mg、Y=23%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.10-1.46 (m, 4H) 1.55-1.73 (m, 4H) 2.11 (s, 3H) 2.31 (t, J=6.91 Hz, 2H) 2.60 (t, J=7.06 Hz, 2H) 6.88 (br s, 1H) 7.30-7.35 (m, 2H) 7.54-7.70 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 384.2 [M+H]+
【0110】
(実施例18)
7−(3−(N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(18)の合成
5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(14mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(12mg、Y=25%)。
MS (ESI+) m/z: 398.2 [M+H]+
【0111】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(1.5mg、3.8μmol)の加水分解により、化合物18を白色固体として得た(1.3mg、Y=90%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.11-1.49 (m, 4H) 1.56-1.74 (m, 4H) 2.28 (t, J=6.86 Hz, 2H) 2.53 (s, 3H) 2.62 (t, J=7.00 Hz, 2H) 7.02 (s, 1H) 7.36-7.47 (m, 2H) 7.64-7.74 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 384.1 [M+H]+
【0112】
(実施例19)
7−(3−(N−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(19)の合成
3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−アミン(14mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(11mg、Y=22%)。
MS (ESI+) m/z: 395.2 [M+H]+
【0113】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(11mg、0.027mmol)の加水分解により、化合物19を黄色ワックス状固体として得た(4.0mg、Y=39%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.24-1.46 (m, 4H) 1.55-1.71 (m, 4H) 1.82 (s, 3H) 2.06 (s, 3H) 2.36 (t, J=7.03 Hz, 3H) 2.67 (t, J=7.58 Hz, 3H) 7.37-7.45 (m, 2H) 7.48-7.53 (m, 1H) 7.58 (s, 1H).
MS (ESI+) m/z: 381.2 [M+H]+
【0114】
(実施例20)
7−(3−(N−(5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(20)の合成
5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−アミン(50mg、0.509mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(77mg、Y=40%)。
MS (ESI+) m/z: 381.2 [M+H]+
【0115】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(50mg、0.131mmol)の加水分解により、化合物20を白色固体として得た(17mg、Y=35%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.16-1.42 (m, 4H) 1.54-1.72 (m, 4H) 2.25 (s, 3H) 2.30 (t, J=6.88 Hz, 2H) 2.58 (t, J=7.02 Hz, 2H) 7.36-7.48 (m, 3H) 7.66 (s, 1H).
MS (ESI+) m/z: 367.1 [M+H]+
【0116】
(実施例21)
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(21)の合成
3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−アミン(40mg、0.357mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3,5−ジメチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(60mg、Y=43%)。
MS (ESI+) m/z: 395.2 [M+H]+
【0117】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(60mg、0.152mmol)の加水分解により、化合物21を白色固体として得た(23mg、Y=40%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.20-1.45 (m, 4H) 1.56-1.72 (m, 4H) 2.44 (s, 6H) 2.32 (t, J=6.90 Hz, 2H) 2.59 (t, J=7.06 Hz, 2H) 7.35-7.43 (m, 2H) 7.73-7.81 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 381.1 [M+H]+
【0118】
(実施例22)
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(22)の合成
3−フェニルイソチアゾール−5−アミン(22mg、0.12mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(11mg、Y=20%)。
MS (ESI+) m/z: 459.2 [M+H]+
【0119】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(11mg、0.025mmol)の加水分解により、化合物22をベージュ色固体として得た(6.0mg、Y=53%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.15-1.43 (m, 4H) 1.49-1.73 (m, 4H) 2.34 (t, J=7.03 Hz, 2H) 2.65 (t, J=7.03 Hz, 2H) 7.08 (s, 1H) 7.35-7.42 (m, 5 H) 7.68-7.88 (m, 4H).
MS (ESI+) m/z: 445.2 [M+H]+
【0120】
(実施例23)
7−(3−((5−ヒドロキシナフタレン−1−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(23)の合成
5−アミノナフタレン−1−オール(24mg、0.15mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−((5−ヒドロキシナフタレン−1−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(34mg、Y=51%)。
MS (ESI+) m/z: 442.3 [M+H]+
【0121】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3.2mg、8.4μmol)の加水分解により、化合物22をワックス状黄色固体として得た(2.2mg、Y=71%)。
1H-NMR (300MHz、メタノール-d): δ ppm 1.11-1.20 (m, 2H) 1.22-1.40 (m, 5H) 1.55-1.78 (m, 2H) 2.21-2.41 (m, 2H) 2.43-2.56 (m, 2H) 6.73-6.74 (m, 1H) 7.04-7.09 (m, 1H) 7.19-7.22 (m, 1H) 7.28-7.34 (m, 5H) 7.53-7.54 (m, 1H) 8.09-8.11 (m, 1H).
MS (ESI+) m/z: 428.4 [M+H]+
【0122】
(実施例24)
7−(3−((4−フルオロ−2,6−ジメチルベンゾイル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(24)の合成
4−フルオロ−2,6−ジメチルベンズアミド(18mg、0.11mmol)から出発して、ピリジンを水素化ナトリウムで置換し、反応を乾燥DMF中で実施することを除いて手順Aに記載されるように、7−(3−((4−フルオロ−2,6−ジメチルベンゾイル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(13mg、Y=26%)。
MS (ESI+) m/z: 450.4 [M+H]+
【0123】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3.9mg、8.6μmol)の加水分解により、化合物24を黄色ワックス状固体として得た(3.3mg、Y=88%)。
1H-NMR (クロロホルム-d): δ ppm 1.20-1.43 (m, 4H) 1.53-1.57 (m, 4H) 1.90 (s, 6H) 2.34 (t, J=7.03 Hz, 2H) 2.54 (t, J=7.08 Hz, 2H) 6.21 (br s, 1H) 6.67 (d, J=9.2 Hz, 2H) 7.33-7.41 (m, 2H) 7.47-7.54 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 436.5 [M+Na]+
【0124】
(実施例25)
7−(4−((4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(25)の合成
4−フルオロ−2,6−ジメチルアニリン(74.2mg、0.533mmol)から出発して、7−(4−(クロロスルホニル)フェニル)ヘプタン酸メチルから出発することを除いて手順Aに記載されるように、7−(4−((4−フルオロ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(81mg、Y=36%)。
MS (ESI+) m/z: 422.4 [M+H]+
【0125】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体の加水分解により、化合物25を褐色ワックス状固体として得た(71mg、Y=91%)。
1H-NMR (クロロホルム-d): δ ppm 1.21-1.45 (m, 4H) 1.50-1.59 (m, 4H) 1.98 (s, 6H) 2.37 (t, J=7.02 Hz, 2H) 2.63 (t, J=7.11 Hz, 2H) 6.25 (br s, 1H) 6.69 (d, J=9.2 Hz, 2H) 7.32-7.38 (m, 2H) 7.45-7.54 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 408.3 [M+H]+
【0126】
(実施例26)
7−(3−(N−(2−エチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(26)の合成
2−エチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン(17mg、0.15mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2−エチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(16mg、Y=26%)。
MS (ESI+) m/z: 395.2 [M+H]+
【0127】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(16mg、0.041mmol)の加水分解により、化合物26をベージュ色固体として得た(12mg、Y=77%)。
1H-NMR (400MHz、アセトン-d6): δ ppm 1.29-1.42 (m, 7H) 1.49-1.65 (m, 4H) 2.28 (t, J=7.31 Hz, 2H) 2.69 (t, J=7.63 Hz, 2H) 4.25 (q, J=7.31 Hz, 2H) 7.40-7.51 (m, 3H) 7.58-7.69 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 381.2 [M+H]+
【0128】
(実施例27)
7−(3−(N−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(27)の合成
2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(15mg、0.15mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(10mg、Y=17%)。
MS (ESI+) m/z: 382.2 [M+H]+
【0129】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3.6mg、9.4μmol)の加水分解により、化合物27を白色固体として得た(2.0mg、Y=58%)。
1H-NMR (400MHz、アセトン-d6): δ ppm 1.33-1.44 (m, 4H) 1.49-1.69 (m, 4H) 2.28 (t, J=6.68 Hz, 2H) 2.81 (t, J=7.14 Hz, 2H) 3.58 (s, 3H) 7.03 (s, 1H) 7.48-7.53 (m, 2H) 7.77-7.96 (m, 1H).
MS (ESI+) m/z: 368.2 [M+H]+
【0130】
(実施例28)
7−(3−(N−(4−メチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(28)の合成
4−メチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−アミン(15mg、0.15mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−メチル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(9.5mg、Y=16%)。
MS (ESI+) m/z: 383.2 [M+H]+
【0131】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3.6mg、9.4μmol)の加水分解により、化合物28を白色固体として得た(3.0mg、Y=87%)。
1H-NMR (400MHz、アセトン-d6): δ ppm 1.23-1.43 (m, 5H) 1.53-1.69 (m, 4H) 2.28 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.70 (t, J=9.50 Hz, 2H) 3.98-4.12 (m, 1H) 4.24-4.37 (m, 1H) 4.57-4.66 (m, 1H) 7.43 (m, 1H) 7.56-7.77 (m, 2H) 8.18 (br s, 1H).
MS (ESI+) m/z: 369.2 [M+H]+
【0132】
(実施例29)
7−(3−(N−(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(29)の合成
3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−アミン(18mg、0.13mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸2−エチルヘキシルを得た(31mg、Y=45%)。
MS (ESI+) m/z: 520.4 [M+H]+
【0133】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(4.0mg、7.7μmol)の加水分解により、化合物29を白色固体として得た(3.0mg、Y=96%)。
1H-NMR (400MHz、溶媒): δ ppm 1.56-1.71 (m, 4H) 1.74-1.84 (m, 6H) 2.01-2.16 (m, 6H) 2.26 (t, J=7.02 Hz, 2H) 2.70 (t, J=6.82 Hz, 2H) 3.16 (br d, J=8.27 Hz, 1H) 3.57-3.64 (m, 1H) 7.02-7.06 (m, 1H) 7.12 (br s, 1H) 7.38-7.41 (m, 1H) 7.63-7.72 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 408.2 [M+H]+
【0134】
(実施例30)
7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(30)の合成
3−フェニルイソチアゾール−4−アミン(23mg、0.13mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3−フェニルイソチアゾール−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸2−エチルヘキシルを得た(23mg、Y=31%)。
MS (ESI+) m/z: 557.3 [M+H]+
【0135】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(3.0mg、5.4μmol)の加水分解により、化合物30を黄色固体として得た(2.0mg、Y=84%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.16-1.43 (m, 4H) 1.55-1.71 (m, 4H) 2.22 (t, J=7.00 Hz, 2H) 2.46 (t, J=6.69 Hz, 2H) 7.00 (s, 1H) 7.39-7.70 (m, 6H) 7.84-7.98 (m, 4H).
MS (ESI+) m/z: 445.2 [M+H]+
【0136】
(実施例31)
7−(3−(N−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(31)の合成
乾燥DCM(0.5mL)に化合物8(11mg、0.026mmol)を溶解させた。混合物を0℃に冷却し、1Mの三臭化ホウ素のDCM溶液(0.072mL、0.072mmol)を添加した。混合物を、室温まで温まるままにし、5時間にわたって攪拌した。水(1mL)を添加し、混合物を10分間にわたって攪拌した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をシリカ(DCM/MeOH 95/5)上で精製して、化合物31を黄色液体として得た(2.6mg、Y=24%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.16-1.70 (m, 8H) 1.85 (s, 6H) 2.38 (t, J=7.03 Hz, 2H) 2.57 (t, J=7.46 Hz, 2H) 6.03 (br s, 1H) 6.48 (s, 2H) 7.30-7.46 (m, 3H) 7.52-7.76 (m, 1H).
MS (ESI+) m/z: 406.2 [M+H]+
【0137】
(実施例32)
7−(3−(N−(3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(32)の合成
4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン(1.0g、5.0mmol)から出発して、化合物9について記載したように、鈴木カップリングにより、3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−アミン(354mg、Y=36%)を合成した。
MS (ESI+) m/z: 198.2 [M+H]+
【0138】
3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−アミン(30.9mg、0.157mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(3,5−ジメチル−(1,1’−ビフェニル)−4−イル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(13mg、Y=17%)。
MS (ESI+) m/z: 480.2 [M+H]+
【0139】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(13mg、0.027mmol)の加水分解により、化合物32を褐色油状物として得た(11mg、Y=87%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.22-1.36 (m, 4H) 1.49-1.69 (m, 4H) 2.08 (s, 6H) 2.29 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.60 (t, J=7.30 Hz, 2H) 6.32 (br s, 1H) 7.22-7.27 (m, 2H) 7.31-7.46 (m, 5H) 7.48-7.62 (m, 4H).
MS (ESI+) m/z: 488.3 [M+Na]+
【0140】
(実施例33)
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(33)の合成
乾燥トルエン(2.5mL)中に、4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン(500mg、2.50mmol)、フェノール(282mg、3.00mmol)、ヨウ化銅(I)(47.6mg、0.250mmol)、1−ブチル−1H−イミダゾール(0.164mL、1.25mmol)および炭酸カリウム(691mg、5.00mmol)を懸濁させた。150℃において、2時間にわたって混合物にマイクロ波を照射した。減圧下で溶媒を除去した後に、残渣をAcOEt(15mL)中に溶解させ、食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、セミ分取HPLC−UVで精製して、2,6−ジメチル−4−フェノキシアニリンを褐色個体として得た(280mg、Y=52%)。
MS (ESI+) m/z: 214.1 [M+H]+
【0141】
2,6−ジメチル−4−フェノキシアニリン(33.4mg、0.157mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(17mg、Y=22%)。
MS (ESI+) m/z: 518.2 [M+Na]+
【0142】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(17mg、0.034mmol)の加水分解により、化合物33を褐色油状物として得た(16mg、Y=97%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.23-1.37 (m, 4H) 1.52-1.68 (m, 4H) 1.97 (s, 6H) 2.33 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.63 (t, J=7.30 Hz, 2H) 6.21 (br s, 1H) 6.63 (s, 2H) 6.99 (d, J=8.12 Hz, 2H) 7.05-7.19 (m, 1H) 7.29-7.43 (m, 4H) 7.45-7.60 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 504.2 [M+Na]+
【0143】
(実施例34)
7−(3−(N−(4−(ベンジルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(34)の合成
アセトン(3mL)中に、4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール(400mg、2.92mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネートを溶解させ、混合物を22時間にわたって攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣にヘキサン(10mL)を添加した。混合物を70時間にわたって攪拌し、その後に濾過した。固体残渣をシリカ(ヘキサン/AcOEt 9/1)上で精製し、tert−ブチル(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)カルバメートを白色固体として得た(433mg、Y=63%)。
MS (ESI+) m/z: 260.1 [M+Na]+
【0144】
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中に、tert−ブチル(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)カルバメートを溶解させた。(ブロモメチル)ベンゼン(0.381mL、3.20mmol)、炭酸カリウム(885mg、6.41mmol)およびヨウ化カリウム(798mg、4.80mmol)を添加し、100℃において、2時間にわたって混合物にマイクロ波を照射した。AcOEt(20mL)を添加し、混合物を食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、セミ分取HPLC−UVで精製して、tert−ブチル(4−ベンジルオキシ−2,6−ジメチルフェニル)カルバメートを得た(353mg、Y=37%)。
MS (ESI+) m/z: 350.2 [M+Na]+
【0145】
乾燥ジクロロメタン(2mL)中に、tert−ブチル(4−ベンジルオキシ−2,6−ジメチルフェニル)カルバメート(353mg、1.08mmol)を溶解させた。4Mの塩化水素のジオキサン溶液(0.54mL、2.16mmol)を添加し、混合物を12時間にわたって攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、4−ベンジルオキシ−2,6−ジメチルアニリン塩酸塩をベージュ色固体として得た(285mg、Y=定量的)。
MS (ESI+) m/z: 228.2 [M+H]+
【0146】
4−ベンジルオキシ−2,6−ジメチルアニリン塩酸塩(41.4mg、0.157mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(4−(ベンジルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(27mg、Y=34%)。
MS (ESI+) m/z: 532.3 [M+Na]+
【0147】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(27mg、0.053mmol)の加水分解により、化合物34をベージュ色固体として得た(23mg、Y=87%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.24-1.38 (m, 4H) 1.50-1.70 (m, 4H) 1.97 (s, 6H) 2.33 (t, J=7.30 Hz, 2H) 2.61 (t, J=7.58 Hz, 2H) 5.00 (s, 2H) 6.19 (br s, 1H) 6.62 (s, 2H) 7.31-7.45 (m, 7H) 7.50-7.58 (m, 2H).
MS (ESI+) m/z: 496.2 [M+H]+
【0148】
(実施例35)
7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸(35)の合成
窒素雰囲気下、乾燥ジクロロメタン(5mL)中に、4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(759mg、3.98mmol)、3−(メチルスルホニル)プロパン−1−オール(500mg、3.62mmol)およびトリエチルアミン(0.555mL、3.98mmol)を溶解させ、混合物を12時間にわたって攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をセミ分取HPLC−UVで精製して、4−メチルベンゼン−1−スルホン酸3−(メチルスルホニル)プロピルを白色固体として得た(881mg、Y=83%)。
MS (ESI+) m/z: 293.1 [M+H]+
【0149】
乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)中に、tert−ブチル(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)カルバメート(化合物34の合成において報告したように合成したもの)(269mg、1.13mmol)、4−メチルベンゼン−1−スルホン酸3−(メチルスルホニル)プロピル(398mg、1.36mmol)および炭酸カリウム(188mg、1.36mmol)を溶解させ、窒素雰囲気下80℃において、混合物を12時間にわたって攪拌した。AcOEt(20mL)を添加し、混合物を食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をセミ分取HPLC−UVで精製して、tert−ブチル(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)カルバメートを白色固体として得た(375mg、Y=93%)。
MS (ESI+) m/z: 380.2 [M+Na]+
【0150】
化合物34の合成において報告したように、tert−ブチル(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)カルバメート(375mg、1.05mmol)から出発して、2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)アニリン塩酸塩を得た(309mg、Y=定量的)。
MS (ESI+) m/z: 258.1 [M+H]+
【0151】
2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)アニリン塩酸塩(46.1mg、0.157mmol)から出発して、手順Aに記載されるように、7−(3−(N−(2,6−ジメチル−4−(3−(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)スルファモイル)フェニル)ヘプタン酸メチルを得た(33mg、Y=39%)。
MS (ESI+) m/z: 562.3 [M+Na]+
【0152】
次いで、化合物1について記載されるように、エステル誘導体(20mg、0.046mmol)の加水分解により、化合物35を白色固体として得た(23mg、Y=83%)。
1H-NMR (300MHz、クロロホルム-d): δ ppm 1.24-1.43 (m, 4H) 1.51-1.67 (m, 4H) 1.96 (s, 6H) 2.26-2.41 (m, 4H) 2.61 (t, J=7.58 Hz, 2H) 2.97 (s, 3H) 3.22-3.31 (m, 2H) 4.04 (t, J=5.68 Hz, 2H) 6.32 (br s, 1H) 6.52 (s, 2H) 7.33-7.41 (m, 2H) 7.48-7.58 (m, 2H) 9.36 (br s, 2H).
MS (ESI+) m/z: 526.2 [M+H]+
【0153】
(実施例36)
GPR120/40活性化:インビトロCa2+動員
全ての化合物によるGPR120/40の活性化を、Ca2+感受性蛍光染料を用いる細胞内カルシウム濃度の変化を測定することにより決定した。実験を、ヒトGPR120またはGPR40を安定的に発現しているCHO−k1細胞を用いて実施した。細胞は、384プレートの完全培地中に10000細胞/セルで播種され、37℃、5%CO2において終夜にわたって成長させた。播種後24時間の時点で、細胞培養培地を除去し、細胞に、蛍光性Ca2+指示薬(タイロード緩衝液中のFluo-8 NW染料)を装填した。染料を装填した細胞プレートを、黄色光ナトリウムランプの下で、室温において、1時間にわたって培養した。
【0154】
細胞を、10μM、30μMおよび60μMの試験化合物および対照標準で処理した。7分間の期間にわたって速度論的応答を監視した(FLIPRETETRAシステムを使用)。次いで、〜EC50の3倍濃縮参照アゴニストの第2注入物を細胞に投与し、さらなる3分間の期間にわたって放出される蛍光の信号を測定した。アゴニストの効果は、活性化のパーセンテージで表され、100%活性化は、試験ウェルの応答値が刺激剤対照標準(αリノレン酸基準アゴニストEC100)のレベルと同一のレベルに到達する結果であり、0%活性化は、試験ウェルの応答値がAGO_KRV(アゴニストの速度論的応答値)応答値における中性対照標準(分析緩衝液)のレベルと同一のレベルに到達する結果である。それぞれの化合物で得られた結果を第1表で報告する。
【0155】
(実施例37)
GPR120/40活性化:インビトロGLP−1分泌
12−プレートに2×105のSTC−1細胞を播種し、24時間後に選択された化合物で処理した。マトリゲル被覆された12−プレートにおいて、1×106のNCI−H716細胞を分化させ、48時間後に処理した。
【0156】
実験の当日、ウェルを1mLのPBSで一回洗浄し、次いで、細胞を、STC−1について30μMの選択された化合物を含有するDMEM(血清不含、フェノールレッド不含)0.5mLで、分化したNCI−H716について100μMの選択された化合物を含有するDMEM(血清不含、フェノールレッド不含)0.5mLで、30分間にわたって刺激した。負の対照標準としてDMSOを用い、正の対照標準としてα−リノレン酸(内因性アゴニスト)を用いた。刺激の後に、上澄みを収集し、4℃において4秒間にわたり4000rpmで遠心分離し、ELISAによるGLP−1検出のために用いた。
【0157】
STC−1細胞においてアリールスルホンアミド化合物を試験し、結果を第1表に示した。
【0158】
最も活性が高い化合物1、2、3、4、6、7、9、10、11および33は、低いマイクロモル範囲においてGPR120およびGPR40に対する著しいアゴニスト活性(カルシウム動員分析におけるAC50値として測定される)を示した。同一の化合物は、STC−1(ネズミ)およびNCI−H716(ヒト)腸内分泌細胞の両方におけるGLP−1分泌においても有効であることが見出された。したがって、さらなるキャラクタリゼーションのための、それら化合物の可能性が確認された。
【0159】
【表1】
【0160】
【表2】
【0161】
【表3】
【0162】
【表4】
【0163】
【表5】