(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記傾斜壁部を第1傾斜壁部とした場合に、前記切出し片は、前記第1傾斜壁部よりも前記他端側で、前記一端側から前記他端側に向かうにつれて前記針部材の前記径方向の外側に向かって延在する第2傾斜壁部を更に備える、請求項1に記載のセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、針部材内に挿入された検出部材は、針部材の周壁等に衝突すると測定精度の低下や破損等を生じ得るため、針部材内での検出部材の移動を規制することが求められている。検出部材は、被計測物質の検出を確保するために、針部材内に導入された液体とよく接触することが求められている。特許文献1に開示のセンサでは、貫通孔が担体筒で覆われているため、検出部材への液体の接触が妨げられるという問題があった。
【0006】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、検出部材への液体の接触を妨げることなく、検出部材の移動を規制することが可能なセンサ、計測装置、及びセンサの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様としてのセンサは、中空部を区画し、貫通孔を有する針部材と、前記中空部に位置し、前記針部材の延在方向に沿って延在する長尺状の検出部材と、を備え、前記針部材の周壁には、前記針部材の径方向の内側に突出し、前記検出部材の前記径方向への移動を規制する突起部が設けられている。
【0008】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記針部材が周壁に貫通孔を備え、前記突起部が前記延在方向に沿って前記貫通孔と隣接している。
【0009】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記突起部が、前記延在方向に沿う一端以外を自由端とする切出し片であり、前記切出し片は、前記一端側から他端側に向かうにつれて、前記径方向の内側に向かって延在する傾斜壁部を備える。
【0010】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記傾斜壁部を第1傾斜壁部とした場合に、前記切出し片が、前記第1傾斜壁部よりも前記他端側で、前記一端側から前記他端側に向かうにつれて前記針部材の前記径方向の外側に向かって延在する第2傾斜壁部を更に備える。
【0011】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記切出し片が、前記他端が前記周壁の外周面よりも前記径方向の内側に位置する。
【0012】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記切出し片が、前記第1傾斜壁部と前記第2傾斜壁部との間に、前記径方向の内側に凸状に湾曲した頂部を備える。
【0013】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記突起部を複数備え、当該複数の突起部が、前記延在方向に直交する所定の面に沿って位置し、前記所定の面において、前記検出部材の半径は前記針部材の周方向に隣り合う前記突起部同士の最小間隔よりも大きい。
【0014】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記突起部を複数備え、前記延在方向の異なる位置に設けられている突起部が、前記針部材の周方向の異なる位置に配置されている。
【0015】
本発明の一実施形態としてのセンサは、前記検出部材が、検出部を備え、前記突起部が、前記延在方向において前記検出部とは異なる位置に位置する。
【0016】
本発明の一態様としての計測装置は、上記センサを備える。
【0017】
本発明の一態様としてのセンサの製造方法は、中空部を区画し貫通孔が形成された針部材と、前記中空部に位置し前記針部材の延在方向に沿って延在する長尺状の検出部材と、を備えるセンサの製造方法であって、前記針部材の周壁に、前記針部材の径方向の内側に突出した突起部を形成する突起部形成工程と、前記検出部材を、前記基端側から前記中空部に挿入する挿入工程と、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示のセンサ、計測装置、及びセンサの製造方法によると、検出部材への液体の接触を妨げることなく、検出部材の移動を規制することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、各実施形態について、図面を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0021】
(第1実施形態)
[計測装置1]
図1は、第1実施形態としての計測装置1を示す概略図である。
図1に示すように、計測装置1は、センサ10と、制御部2と、支持部材3と、ハウジング4と、を備えている。センサ10は、被計測物質を検出し、検出結果の情報を制御部2に送信する。制御部2は、プロセッサやメモリ等により構成され、センサ10から受信した検出結果を解析し、解析結果を必要に応じて外部の表示装置等に送信する。支持部材3は、センサ10を基端側で支持している。ハウジング4は、制御部2を格納し、支持部材3と係合する。計測装置1は、支持部材3とハウジング4が係合した状態で、センサ10の先端側を外部に排出可能に構成されている。
【0022】
[センサ10]
図2は、センサ10の縦断面図である。
図3は、
図2のI−I線に沿う断面図である。
図2に示すように、センサ10は、針部材20と、検出部材40と、固定部材50と、を備えている。
【0023】
針部材20は、内部に中空部21を区画する筒状の中空針であり、太さは、25〜33ゲージ(直径0.5mm〜0.2mm)であり、長さは、1mm〜10mmであり、好ましくは3〜6mmである。針部材20の先端部には、刃面26が形成されている。刃面26は、先端開口22を区画している。針部材20の周壁23には、被験者の間質液等の体液を中空部21に導入するための複数の貫通孔25が形成されている。中空部21は、貫通孔25及び先端開口22を通じて、針部材20の外部と連通している。針部材20の周壁23には、針部材20の径方向Cの内側に突出した突起部が設けられている。本実施形態の突起部は、周壁23に形成された切出し片30である。切出し片30の寸法は貫通孔25のサイズよりも小さくてもよい。
【0024】
検出部材40としては、被計測物質の量または濃度に応じた電気的信号を検出する部材を用いることができる。検出部材40は、長尺状の部材である。検出部材40は、中空部21に位置し、針部材20の延在方向Aに沿って延在している。検出部材40は、導電性の芯材をベースに構成され、芯材の外壁上に被計測物質を検出するよう構成された検出部41と、芯材の外壁上が絶縁性の素材でコーティングされた保護部42とを備える。検出部41は、被計測物質に対する電気的特性の変化を検出する作用電極である。検出部41は、芯材表面にディッピング、スプレーコート、電解重合、スパッタリング等の薄膜形成手段を用いて形成される。検出部41としての作用電極に対する参照電極または対極として、針部材20を利用することができる。検出部材40は、
図7を参照して後述するように、基端部に、支持部材3を貫通して制御部2に接続する接続部43を備える。検出部41によって検出された被計測物質の情報は、接続部43を経由して、制御部2に送信される。
【0025】
あるいは、検出部材40として、被計測物質の量または濃度に応じた光学的信号を検出する部材を用いることもできる。検出部材40は、長尺状の部材である。検出部材40は、中空部21に位置し、針部材20の延在方向A(長軸方向)に沿って針部材20の基端側から針部材20の先端側に向かって延在している。検出部材40は、フッ素樹脂、PMMA、PC、COPなどの光透過性に優れた芯材をベースに構成される。検出部材40は、芯材の一部に被計測物質を検出するよう構成された検出部41と、芯材の外壁上が芯材よりも屈折率の低い素材でコーティングされた保護部42とを備える。検出部41は、検出部41に含まれる被計測物質特異的試薬との反応による蛍光特性の変化を検出する蛍光物質と、被計測物質を透過しかつ蛍光物質を保護する物質により構成され、芯材を貫通する孔内に形成される。検出部材40は、
図7を参照して後述するように、基端部に、支持部材3を貫通して制御部2に接続する接続部43を備える。検出部41によって検出された被計測物質の情報は、接続部43を経由して、制御部2に送信される。検出部41に対する励起信号は制御部2から接続部43を経由して、送信することができる。
【0026】
固定部材50は、接着剤等の固定材料で構成され、センサ10の基端部で、針部材20に対する検出部材40の位置を固定している。検出部材40は、基端側では固定部材50により固定されているが、先端側では固定されていない。このため、検出部材40の先端側の少なくとも一部は、針部材20内で、径方向Cにおける外側(外周面24側)に移動し得る。固定部材50としては、接着剤等の固定材料により構成されるもののみならず、例えば、針部材20により挟持、支持等されることにより、針部材20によって係止される固定部材50としてもよい。
【0027】
[切出し片30]
以下、切出し片30について詳細に説明する。突起部としての切出し片30は、上記したように径方向Cにおいて、針部材20の内側方向(外周面24から延在方向Aにおける針部材20の中心軸方向)に向かって突出している。そのため、検出部材40が、径方向Cの外側へ移動することを規制できる。具体的に、検出部材40が径方向Cの外側に移動すると、検出部材40は突起部としての切出し片30に当接し、検出部材40の径方向Cの外側へのそれ以上の(更なる)移動が規制される。
【0028】
図2に示すように、突起部としての切出し片30は、延在方向Aに沿って貫通孔25と隣接している。従って、突起部としての切出し片30により、検出部材40が貫通孔25の縁等に接触して損傷することを抑制することができる。なお、本実施形態では、切出し片30は、貫通孔25に対して針部材20の基端側に隣接している。
【0029】
図2に示すように、切出し片30は、延在方向Aに沿う一端である基端31以外を自由端としている。換言すると、切出し片30は、基端31で周壁23と連続しているが、他端である先端32を含む基端31以外の箇所では、周壁23とは不連続となっている。貫通孔25は、切出し片30と周壁23とが互いに不連続となる箇所により区画されている。
【0030】
図2に示すように、切出し片30は、基端31側から先端32側に向かうにつれて、径方向Cの内側に向かって延在する第1傾斜壁部33を備えている。このように、切出し片30が第1傾斜壁部33を備え、周壁23よりも径方向Cの内側に突出する部分が形成されることで、検出部材40の径方向Cの外側への移動は、切出し片30に突き当たることで規制される。そのため、検出部材40が貫通孔25の縁等に接触することが抑制される。延在方向Aにかかる力に対して強度を保持するために、センサ10の縦断面視で、基端31における、第1傾斜壁部33と周壁23との角度θが、45度未満であることが好ましい。
【0031】
図2に示すように、切出し片30は、第1傾斜壁部33よりも先端32側で、基端31側から先端32側に向かうにつれて径方向Cの外側に向かって延在する第2傾斜壁部34を備えている。このように、切出し片30が第2傾斜壁部34を備えることで、検出部材40が先端32に接触して先端32のバリ等で損傷することを抑制することができる。
【0032】
図2に示すように、切出し片30は、先端32が針部材20の周壁23の外周面24よりも径方向Cの内側に位置している。このため、先端32が針部材20の外部には突出せず、穿刺時等に被験者が感じる痛みを軽減することができる。
【0033】
図2に示すように、切出し片30は、第1傾斜壁部33と第2傾斜壁部34との間に、径方向Cの内側に凸状に湾曲した頂部35を備えている。このため、検出部材40が移動して切出し片30に接触する場合であっても、凸状に湾曲した頂部35により検出部材40の損傷を抑制することができる。
図2の断面視において、本実施形態の突起部としての切出し片30は、頂部35のみならず、第1傾斜壁部33及び第2傾斜壁部34も径方向Cの内側に向かって、凸状に湾曲している。より具体的に、
図2に示す断面視において、本実施形態の切出し片30は、第1傾斜壁部33、頂部35、及び、第2傾斜壁部34により、一様な円弧状断面を有している。
【0034】
図2に示すように、突起部としての切出し片30は、延在方向Aにおいて検出部材40の検出部41とは異なる位置に位置している。このため、検出部材40が移動して切出し片30に接触したとしても、検出部41が切出し片30に直接接触することを抑制することができる。従って、検出部41の非計測物質への接触面積の変化による測定精度の低下や、検出部41に塗布されたグルコース検出試薬が切出し片30との接触によって損傷する(剥がれる)ことを抑制できる。切出し片30の頂部35が保護部42に常に当接するように構成することで、検出部41の移動を抑制する構成としてもよい。これにより、検出部材40を針部材20内の所定の位置に保持することで、センサ10の感度を維持できる。保護部42を樹脂等の耐摩耗性の素材でコーティングすることで、センサ10の感度を更に良好に維持することができる。樹脂の例としては、ポリウレタン、フッ素樹脂(PTFE,FEP、PFA)、PET、ポリイミド、シリコーン、セルロース、酢酸セルロース、PAN、PMMA、PP、PVC、などが挙げられる。
【0035】
図2及び
図3に示すように、センサ10は、切出し片30を複数備えている。
図3に示すように、センサ10は、延在方向Aに直交する面の周面に沿って、複数の切出し片30を備えている。切出し片30の周方向Bに沿う間隔は略等間隔であることが好ましく、この箇所で、検出部41を針部材20内に確実に保持する。
図3に示すように、I−I線に沿う面において、検出部材40(保護部42)の半径Rと、針部材20の周方向Bに隣り合う切出し片30同士の最小間隔Wとの関係は、W≦R×√2の関係を満たしている。そのため、検出部材40が径方向Cの外側に移動しても、周方向Bに隣り合う切出し片30の頂部35に同時に当接するので、隣り合う切出し片30の間に入り込むことはない。従って、検出部材40が、複数の切出し片30に当接することなく周壁23に当接するまで移動することを、確実に規制できる。切出し片30が周壁23から打ち抜き加工等により形成されている場合であっても、切出し片30の打ち抜き断面が検出部材40に接触し難い。そのため、検出部材40が切出し片30の打ち抜き断面と接触して損傷することを抑制できる。
図2では、センサ10が切出し片30を延在方向Aにおける異なる位置に2箇所備える例を示したが、センサ10は切出し片30を延在方向Aにおける異なる位置に3箇所以上備えてもよい。後述する
図4から
図6に示すように、センサ10は、切出し片30を延在方向Aにおいて1箇所のみ備えてもよい。センサ10は、切出し片30および貫通孔25を、針部材20の延在方向Aにおいても複数箇所に備える方が好ましい。センサ10は、検出部41を、針部材の延在方向Aにおいて、複数の切出し片30の間に位置するような構成とするのが好ましい。このような構成とすることで、検出部材40の検出部41を、体液に効率良く接触させることができる。
【0036】
[センサ10の製造方法]
図4から
図7は、センサ10(
図2等参照)の製造方法を模式的に示す図である。
図4から
図6は、切出し片30(
図2等参照)の形成工程を含む針部材20(
図2等参照)の形成工程を示す。
図7は、検出部材40(
図2等参照)を中空部21に挿入する挿入工程を示す。
図4(c)は、
図4(b)のII−II線に沿う断面図である。
【0037】
まず、針部材20の形成工程を説明する。
図4(a)に示すように、帯状をなす金属製の板材60から、針部材展開体61及び切出し片展開体62を、プレス成形機を用いて打ち抜く。針部材展開体61は、完成後の針部材20を展開させた形状であり、完成後の針部材20の延在方向Aに対応する方向A’(以下、単に「延在方向A’」と記載する。)に沿う両端で、板材60の他の部位と一部が繋がっている。切出し片展開体62は、延在方向Aに沿う一端である基端65で、針部材展開体61と一部が繋がっている。換言すれば、切出し片展開体62は、基端65以外を自由端としている。切出し片展開体62は、完成後の針部材20の周方向に対応する方向B’(以下、単に「周方向B’」と記載する。)に沿って、複数形成される。切出し片展開体62の延在方向A’の長さαは針部材20の延在方向Aの長さの1/2未満である。切り出し片展開体62の周方向B’の長さβは、針部材20の周方向Bの外周長さの1/4未満であり、好ましくは針部材20の周方向Bの外周長さの1/8未満である。各々の切出し片展開体62の周方向B’の長さβの和が、針部材20の周方向Bの外周長さの1/2以上になると、強度が不足する。上述の針部材展開体61を打ち抜く工程を、針部材展開体形成工程とも記載し、切出し片展開体62を打ち抜く工程を、切出し片展開体形成工程とも記載する。
【0038】
次に、
図4(b)及び(c)に示すように、切出し片展開体62を、板材60が延在する平面に垂直な方向に押し出した形状に成形する。このとき、
図4(c)に示すように、切出し片展開体62は、基端65から先端66に向かうにつれて板材60が延在する平面となす角が大きくなるように湾曲し、先端66で最も突出している。切出し片展開体62の突出に伴い、貫通孔64が同時に形成される。
【0039】
そして、
図5(a)に示すように、板材60を、切出し片展開体62が突出した面が下面となるように、第1下型91の凹面と第1上型92の凸面との間に配置し、針部材展開体61をプレス加工により湾曲させる。第1下型91は、板材60に対して下側に置かれる金型であり、針部材展開体61の下面をプレスする凹面を備える金型である。第1下型91の凹面には、突出した切出し片展開体62に対応する位置に溝等の凹部が形成されている。第1上型92は、針部材展開体61の上面をプレスし、針部材20の中空部21となる部分を形成する金型で、棒状の金型である。第1下型91が、突出した切出し片展開体62に対応する位置に凹部を備えることで、切出し片展開体62が第1下型91側に突出した状態を維持したまま、針部材展開体61を湾曲した形状にプレス加工することができる。
【0040】
第1下型91及び第1上型92により針部材展開体61の一部(
図5(a)に示す下半分)が湾曲すると、
図5(b)に示すように、板材60を、第2下型93の凹面と第2上型94の凹面との間に配置し、針部材展開体61の残り(
図5(b)に示す上半分)をプレス加工により湾曲させる。第2下型93は、板材60に対して下側に置かれる金型であり、針部材20の外面となる部分を形成する凹面を備える金型である。第2下型93の凹面には、突出した切出し片展開体62に対応する位置に針部材20の外面に沿った円筒面もしくは凸部が形成されている。第2上型94は、針部材展開体61における針部材20の外面となる部分を形成する凹面を備える金型である。第2上型94の凹面には、第1下型91の凹面と同様に突出した切出し片展開体62に対応する位置に溝等の凹部が形成されている。このため、針部材展開体61は、第2下型93と第2上型94によって略筒状に整えられるとともに、第2下型93に接触する切出し片展開体62(
図5(b)に示す下半分)は、第2下型93の凸部によって、突出方向とは逆方向に押し込まれる。一方、第2上型94の凹面に対応する切出し片展開体62は、湾曲面から外側方向へ突出した状態を維持する。
【0041】
図6に、第2下型93の凹面により切出し片展開体62が押し込まれる様子を示す。
図6(a)に示すように突出した切出し片展開体62は、
図6(b)に示すように最も突出した先端66が押し込まれる。具体的に、
図6(b)に示すように、切出し片展開体62は湾曲形状を保ったまま、基端65を中心として回転するように先端66が押し込まれる。このようにして、切出し片展開体62は、
図2に示した切出し片30と同様に、第1傾斜壁部33、第2傾斜壁部34及び頂部35を備えた形状に形成される。
【0042】
第2下型93及び第2上型94により針部材展開体61が筒状に形成されると、
図5(c)に示すように、板材60を、第2下型93の凹面と第3上型95の凹面との間に配置し、プレス加工する。第3上型95は、針部材展開体61における針部材20の外面となる部分を形成する凹面を備える金型である。第3上型95の凹面には、第2下型93の凹面と同様に、突出した切出し片展開体62に対応する位置に針部材20の外面に沿った円筒面、もしくは、切出し片展開体62に応じた凸部が形成されている。これにより第2下型93と第3上型とによるプレス加工時に、切出し片展開体62は突出方向とは逆方向に押し込まれる。すなわち、
図6に示したように、切出し片展開体62は、針部材20における中空部21方向に突出した、第1傾斜壁部33、第2傾斜壁部34及び頂部35を備えた切出し片30として形成される。上述の切出し片展開体62から切出し片30を形成する工程を、切り出し片形成工程とも記載する。その後、筒状に形成された針部材展開体61を板材60の他の部分から分離し、端部に刃面26(
図2参照)を形成することで、針部材20が形成される。このように、プレス加工を用いることで、針部材20を製造する工程中に、切出し片30および貫通孔25の加工を組み込むことが可能となるため、効率的な製造が可能となる。針部材20における切出し片30の位置を精度よく設定できる。
【0043】
次に、検出部材40の挿入工程を説明する。
図7(a)に示すように、検出部41と、絶縁部を有する保護部42と、導電部を有する接続部43とを備える検出部材40を用意する。
図7(b)に示すように、針部材20の基端に連結した支持部材3を通じて、検出部材40を針部材20の基端側から中空部21に挿入する。このとき、切出し片30の頂部35が径方向Cの内側に湾曲しているため、切出し片30の第1傾斜壁部33により検出部材40の挿入が誘導され、円滑に挿入することができる。更に、径方向Cの内側に湾曲した切出し片30が、貫通孔25に対して針部材20の基端側に隣接して設けられることで、検出部材40が貫通孔25から飛び出たり、貫通孔25の縁等に接触して損傷したりすることが抑制される。検出部材40の挿入長さを調整することで、検出部材40が挿入された状態において、
図7(c)に示すように、検出部41が切出し片30とは、延在方向Aにおいて異なる位置に位置させることが可能となる。このため、計測中に検出部41が切出し片30に当接することがないので、精度の良いセンサが製造できる。
【0044】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態としてのセンサ11の縦断面図である。センサ11は、第1実施形態のセンサ10の構成に加えて、参照部材70を更に備えている。参照部材70は、参照電極71と絶縁部72とを備えている。参照電極71は、検出部41としての作用電極に対する参照電極である。センサ11は、参照電極71を備えるため、針部材20を参照電極として利用する必要がない。
【0045】
切出し片30は、延在方向Aにおいて、参照部材70の参照電極71とは異なる位置に位置している。参照電極71と検出部材40の検出部41とは、延在方向Aにおいて、互いに異なる位置に位置している。これにより、検出部材40と参照部材70とが接触しても、検出部41と参照電極71とが接触して測定精度が低下することを抑制することができる。検出部材40及び参照部材70は、互いに離間した状態で、基端側で固定部材50により固定されている。センサ11を製造する際には、検出部材40及び参照部材70を中空部21に別々に挿入してもよいし、検出部材40及び参照部材70を互いに離間した状態で予め基端側で固定してから中空部21に同時に挿入してもよい。検出部材40及び参照部材70の損傷を抑制する点で、予め固定してから中空部21に同時に挿入する方が好ましい。
【0046】
図8における参照部材70の代わりに、検出部材40の検出部41が計測する物質と異なる被計測物質を計測可能なセンサを用いて、複数の測定を同時に行うことも可能である。
図8では、検出部材40と参照部材70とを用いる場合を示したが、検出方法に応じて、中空部21に挿入する部材を任意に設定できる。検出部材40として、被計測物質の量または濃度に応じた光学的信号を検出する部材を用いる場合は、計測に影響を与える外乱光や干渉物質等の影響を測定する参照部材70を用いて参照測定を行うことができる。
【0047】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態としてのセンサ12の側面図である。
図10は、
図9のIII−III線に沿う断面図である。
【0048】
図9及び
図10に示すように、センサ12は、切出し片30を複数備え、延在方向Aの異なる位置に設けられている切出し片30は、周方向Bの異なる位置に配置されている。具体的に、センサ12では、延在方向Aのある位置に向かい合う2つの切出し片30の組が形成される。また、センサ12の延在方向Aの異なる位置には、他の2つの切出し片30の組が周方向Bに約90°回転した位置に形成されている。切出し片30をこのように配置することで、検出部材40の径方向Cの外側への移動を規制しつつ、延在方向Aの同じ位置に形成される切出し片30の数を第1実施形態のセンサ10よりも抑えることができるため、針部材20の強度を向上させることができる。
【0049】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態としてのセンサに含まれる針部材の形成工程の一部を模式的に示す図である。
図11(b)は、
図11(a)のIV−IV線に沿う断面図である。
図11(a)及び(b)に示すように、帯状をなす金属製の板材68から、針部材展開体69及び貫通孔29を、プレス成形機を用いて打ち抜く。同時に、プレス成形機を用いて、延在方向A’に沿って貫通孔29と隣接する位置に、突起部としての凸部39を形成する。貫通孔29及び凸部39は、それぞれ、周方向B’に沿って複数備えられる。このように、本実施形態のセンサは、第1実施形態のセンサ10の切出し片30に代えて凸部39を備え、凸部39により検出部材40の移動を規制することができる。本実施形態のセンサは、完成後の針部材の延在方向に直交する所定の面において、検出部材40の半径が、針部材の周方向に隣り合う4個の凸部39同士の間隔(凸部39表面と凸部39表面との隙間に相当)よりも大きいことが好ましい。このように構成することで、検出部材40が複数の凸部39に当接せずに凸部39の間を移動することを確実に規制することができる。本実施形態のセンサは、第1実施形態のセンサ10と同様に、突起部としての凸部39が、針部材の延在方向において、検出部41(
図2等参照)とは異なる位置に位置することが好ましい。
【0050】
(第5実施形態)
図12は、第5実施形態としてのセンサに含まれる針部材の形成工程の一部を模式的に示す図である。
図12(b)は、
図12(a)のV−V線に沿う断面図である。
図12(a)及び(b)に示すように、本実施形態の板材68’は、第4実施形態の板材68と異なり、貫通孔29及び凸部39を、延在方向A’及び周方向B’の異なる位置に、それぞれ複数備えている。貫通孔29及び凸部39をこのように配置することで、検出部材40の移動を規制しつつ、延在方向A’の同じ位置に形成される貫通孔29及び凸部39の数を第4実施形態のセンサよりも抑えることができるため、針部材の強度を向上させることができる。
【0051】
本開示は、上述した各実施形態で特定された構成に限定されず、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。