【実施例】
【0119】
以下、製造例及び実施例を挙げて本発明の特定実施形態について説明するが、特に断らない限り、これらの特定実施形態は何ら本発明の範囲を制限するものではない。
【0120】
製造1:
(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール
(a)4−ヒドロキシ−3−クロロメチルアセトフェノン
4−ヒドロキシアセトフェノン360g(2.637mol)を5000mL三口フラスコに投入し、ホルムアルデヒド水溶液775.5g(10.34mol)を加え、撹拌しながら濃塩酸3216gを加え、固体を完全に溶解させ、冷水浴中で反応混合物の温度を20℃とし、HClを導入し、反応溶液が赤色を呈するまで攪拌を続け、固体が析出した後、5時間攪拌を続け、反応混合物を氷水に投入し、30分間撹拌し、固体をろ別し、水1000mLで固体を5回洗浄し、次に石油エーテルで2回洗浄した。固体を50℃のオ−ブン中で乾燥させ、4−ヒドロキシ−3−クロロメチルアセトフェノンを赤色固体として400g、収率82.1%で得た。
(b)4−ヒドロキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノン
4−ヒドロキシ−3−クロロメチルアセトフェノン397.5g(2.153mol)を2000mL三口フラスコに投入し、氷酢酸1000mLを加え、撹拌しながら酢酸ナトリウム215g(2.62mol)を加え、反応混合物を100℃に加熱し、反応溶液が褐色を呈し、この温度下で3時間攪拌を続けて反応させた後、反応を終了した。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水に投入し、ジクロロメタン600mLで3回抽出し、有機相を合わせ、3回水洗し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過して乾燥剤を除去し、ジクロロメタンを減圧除去し、固体残留物を酢酸エチル200mLで加熱溶解し、冷却して結晶化させた。固体をろ別し、4−ヒドロキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノンを白色固体として211g、収率47%で得た。
(c)4−ベンジルオキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノン
4−ヒドロキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノン315g(1.51mol)を3000mL三口フラスコに投入し、1800mLDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を加えて溶解させた。内部温度が10℃まで冷却させ、無水炭酸カリウム215gを加え、この温度下で、臭化ベンジル291g(1.65mol)を2時間かけて滴下した。反応混合物の温度を30℃に上げて、さらに10時間反応させた。炭酸カリウムをろ過により除去し、溶液におけるN,N−ジメチルホルムアミドを減圧除去し、残留物に水1500mLを加え、エチルエーテル1000mLで3回抽出し、エチルエーテル抽出液を合わせ、エチルエーテル層を1000mLで3回水洗し、エチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、エチルエーテルを除去し、残留物をエタノール150mLで加熱溶解し、放冷して結晶化させた。固体をろ別し、4−ベンジルオキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノンを白色固体として334g、収率74%で得た。
(d)4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシメチルアセトフェノン
4−ベンジルオキシ−3−アセチルオキシメチルアセトフェノン238g(0.798mol)を3000mL三口フラスコに投入し、メタノール1900mLを加え、加熱して撹拌し、原料を溶解させた。その後、水酸化ナトリウム83.11g(1.995mol)を加え、加熱して還流反応を1時間行い、反応を停止し、溶媒を減圧除去し、水1000mLを加え、ジクロロメタン800mLで3回抽出し、ジクロロメタン層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過により除去し、溶液を減圧濃縮させ、一部のジクロロメタンを除去した後、等体積の酢酸エチルを加え、冷蔵庫に入れて結晶化させた。固体をろ別し、4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシメチルアセトフェノンを白色固体として172.56g、収率84.4%で得た。
(e)4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチルアセトフェノン
4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシメチルアセトフェノン172.56g(0.673mol)をテトラヒドロフラン1000mLに溶解して2L三口フラスコに投入し、内部温度が30℃まで加熱し、バッチ式で水素化ナトリウムを合計34.65g(1.0mol)添加し、添加終了後、20分間攪拌を続け、この温度下で臭化ベンジル(176.28g(1.0mol)を約1時間かけて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら10時間反応を続けた。溶媒を減圧除去し、残留物に水800mLを加え、酢酸エチル600Mlで3回抽出し、抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、減圧下で乾固するまで濃縮させ、残留物をエタノールで溶解して結晶化させ、固体をろ別し、白色の4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチルアセトフェノンを164.15g、収率70.4%で得た。
(f)4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチルブロモアセトフェノン
4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチルアセトフェノン178.5g(500.1mmol)を3L三口フラスコに投入し、ジクロロメタン2200mlを加え、30min撹拌し、20〜25℃の内部温度で臭素88g(510mmol)を2時間かけて滴下した後、30min反応させ、大量の固体生成物が得られ、TLC分析を行ったところ、少量の原料が完全に反応しなかった。固体をろ過により除去し、固体を混合溶媒としてジクロロメタン2000mlで溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶で液洗し(1000mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、ポンプにより減圧して(20℃)溶媒をすべて除去し、固体を得た。無水エタノールで再結晶させ、自然乾燥することにより生成物を180.5g、収率83.1%で得た。
(g)(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ブロモエタノール
(1R,2S)−(+)−1−アミノ−2−インダノール0.360g(2.37mmol)を2L三口フラスコに投入してTHF145mlを加え、20〜25℃で撹拌した。ボランジメチルスルフィド3.3ml(34.8mmol)を加えて20min撹拌し、20〜25℃で4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル基ブロモアセトフェノン130.72g(300.0mmol)とTHF1396mlとの溶液、及びボランジメチルスルフィド24.54ml(258.8mmol)とTHF
364mlとの溶液を3時間かけて同時に滴下した。20〜25℃に保持して窒素ガス雰囲気下で30min反応させた。TLC分析を行ったところ、完全に反応が進行した。外用剤である氷浴中で冷却(10℃未満)させてメタノール145.4mlを滴下し、滴下終了後、氷浴(10℃未満)を保持しながら10分間撹拌した。40℃でポンプにより減圧して溶媒をすべて除去した。水及び酢酸エチルをそれぞれ500ml加えて室温で撹拌し、気泡を発生させ、室温で5min撹拌した後、分液漏斗に移し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(150ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
乾燥剤を除去し、40℃でポンプ減圧して溶媒をすべて除去し、粗製品を得た。粗製品についてカラムクロマトグラフィーを行い、粘稠な油状物として113.1g、収率86.0%で得た。
1HNMR(ppm):(CD3Cl),7.52−7.38(5H), 7.36−7.29(5H),7.27−7.19(2H),6.88(d,1H),5.19(s,2H),5.10(s,2H),4.92(t,1H),3.86−3.79(m,1H),3.66−3.52(m,1H), 2.18(Br,1H)
HPLC分析(キラルカラム、ダイセル社 AD−Hカラム、4.6mm×250mm)、96.831%(R配置)、2.54%(S配置)
(h)(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール
中間体である(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ブロモエタノール87.4g(200.0mmol)を500ml三口フラスコに投入し、ベンジルアミン162.3g(1.517mol)、及びジオキサン100mLを加え、油浴中において100〜110℃で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。45℃でポンプにより減圧し、溶媒を除去した。酢酸エチル500ml、及び水500mlを加えて撹拌し、重炭酸ナトリウムを加えて水層のPHを8〜9に調整し、分液漏斗に移して有機層を分離し、水層を酢酸エチル(300ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。
上記油状物に酢酸エチル160mlを加え、撹拌して溶解させ、氷浴中で冷却して結晶化させ、白色固体をろ過により収集し、少量の酢酸エチルで洗浄し、生成物について60℃で2時間送風乾燥し、結晶生成物として64.8g、反応収率75.5%で得た。
1HNMR(ppm,DMSO(d6)): 7.52−7.38(5H), 7.36−7.09(10H),7.27−7.19(2H),6.88(d,1H),5.19(s,2H),5.10(s,2H),4.92(t,1H),3.86−3.79(m,1H),3.66−3.52(m,1H), 2.18(Br,1H)
【0121】
製造2
(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン
(a)R−シクロペンチルマンデル酸
5L三口フラスコに、シクロペンチルマンデル酸ラセミ体320g(1.453mol)、アセトニトリル2670mL、及び水211mLを加え、撹拌しながら加熱溶解し、反応混合物の温度が40〜45℃になると、固体が完全に溶解した。この温度下でD−チロシンメチルエステル141.53g(0.725mol)を加え、固体を析出させ、反応混合物が還流するまで加熱し、固体を完全に溶解させ、澄明な溶液を得た。加熱を停止し、反応混合物を氷浴中で0℃に冷却させ、4時間撹拌を続け、大量の結晶を析出させた。固体をろ別し、固体をアセトニトリルで3回(150mL×3回)洗浄し、自然乾燥させ、R−シクロペンチルマンデル酸−D−チロシンメチルエステル塩を230.69g、収率76.6%で得た。
上記R−シクロペンチルマンデル酸−D−チロシンメチルエステル塩230.69gを5L三口フラスコに加え、トルエン2000mL、及び水1000mLを添加し、撹拌しながら濃塩酸66mLを加え、水浴中で40℃に加熱し、固体を完全に溶解させた。冷却させ、分液漏斗で水相と有機相を分離した。水相に濃塩酸20mLを加え、トルエンで2回抽出した(250mL×2回)。有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、残留物にn−ヘキサン500mLを加えて撹拌し、大量の固体を生成した。固体をろ別し、45℃で3時間乾燥させ、R−シクロペンチルマンデル酸を白色固体として134.4g、収率83.4%で得た。
(b)(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノール
10L反応釜に、R−シクロペンチルマンデル酸134g(0.608mol)、及びエチレングリコールジメチルエーテル2Lを加え、撹拌して溶解させた。反応混合物を−5℃に冷却させ、三塩化アルミニウム243.21g(1.824mol)をゆっくりと加え、この温度を保持したまま、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム92g(2.43mol)を半時間かけて添加した。反応混合物の温度を50℃に上げて、撹拌しながら4時間反応を続け、反応終了後、10℃程度に冷却させ、2mol/Lの塩酸1.1Lを滴下し、反応混合物の温度を一定に制御した。滴下終了後、イソプロピルエーテルで3回抽出し(500mL×3回)、有機相を合わせ、有機相用飽と重炭酸ナトリウム溶液で3回洗浄し(200mL×3回)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、残留物に石油エーテルを加えて研磨し、固体をろ別して(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノールを99.88g、収率79.6%で得た。
(c)(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノール−p−トルエンスルホン酸エステル
ジクロロメタン350mLを2L三口フラスコに投入し、(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノール98.88g(0.479mol)を加え、撹拌して溶解させた。反応混合物を−5℃に冷却させ、N−メチルモルホリン121.17g(1.198mol)を加え、塩化パラトルエンスルホニル91.32g(0.479mol)を含むジクロロメタン溶液400mLを1時間かけて滴下し、滴下終了後、この温度下で4時間反応を続けた。反応混合物を水で3回洗浄し(500mL×3回))、有機相を分離し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ過により除去し、溶液から溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロピルエーテルを加えて研磨し、固体をろ別し、(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノール−p−トルエンスルホン酸エステルを140g、収率81.1%で得た。
(d)(R)−1−フェニル−1−シクロペンチル−エチレンオキシド
ジメチルスルホキシド700mLを2L三口フラスコに投入し、(R)−2−ヒドロキシ−2−フェニル−2−シクロペンチルエタノール−p−トルエンスルホン酸エステル139g(0.386mol)を加え、反応混合物の温度を30℃に上げて、撹拌しながら固体を完全に溶解させた。固体水素化ナトリウム(60%)
20.07g(0.502mol)を添加し、添加終了後、反応混合物の温度を50℃に上げ、3時間反応を続け、原料が完全に消えた。反応液を10℃に冷却させ、300mLの水を滴下し、イソプロピルエーテルを加えて3回抽出し(500mL×3回)、有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、(R)−1−フェニル−1−シクロペンチル−エチレンオキシドを固体として70g、収率96.3%で得た。
(e)(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン
ジメチルスルホキシド500mLを2L反応釜に投入し、R−(−)−3−キヌクリジノールアルコール47.5g(0.373mol)を加えて撹拌したが、固体は溶解しなかった。水素化ナトリウム(60%)7.5g(0.313mol)を加え、気泡を発生させ、反応混合物を80℃に加熱し、この温度下で撹拌しながら1時間反応させた。(R)−1−フェニル−1−シクロペンチル−エチレンオキシド70g(0.372mol)を含むジメチルスルホキシド溶液100mLを約1時間かけて滴下した。滴下終了後、この温度下で2時間反応を続け、反応混合物を20℃に冷却させ、水785mLを滴下し、滴下終了後、酢酸エチルで3回抽出し(500mL×3回)、有機相を合わせ、有機相を3回水洗し(200mL×3回)、有機相を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、固体(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタンを88.5g、収率75.2%で得た。
【0122】
製造3
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ベンジルアミン−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン
(a)8−アセチルオキシ−(1H)−キノリン−2−オン
8−ヒドロキシキノリンN−オキシド80g(0.5mol)を500mL三口フラスコに投入し、無水酢酸300mL(3.15mol)を加え、撹拌して90〜100℃に加熱し、この温度を保持したまま、撹拌しながら4時間反応を続け、反応混合物を氷浴中で冷却し、固体を析出させた。固体をろ別し、固体を氷冷した無水酢酸で2回洗浄し(50ml×2回)、真空乾燥させ、8−アセチルオキシ−(1H)−キノリン−2−オンを固体として82.2g、収率81.0%で得た。
(b)5−アセチル−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オン
500mL三口フラスコに、1,2−ジクロロエタン200mLを加えた後、8−アセチルオキシ−(1H)−キノリン−2−オン61g(0.30mol)を加えて溶媒に懸濁させ、反応混合物を80℃に加熱し、バッチ式で三塩化アルミニウム120g(0.90mol)を加え、さらにこの温度下で1.5時間反応させ、完全に5−アセチル−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オンに変換した。その後、反応混合物を1Lの80℃熱湯に注入し、この温度下で30分間保持し、次に熱時ろ過し、水で固体を研磨して洗浄し、80℃で真空乾燥させ、淡黄色の5−アセチル−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オンを50.3g、収率82.6%で得た。
(c)5−アセチル−8−ベンジルオキシ−(1H)−キノリン−2−オン
5−アセチル−8−ヒドロキシ−(1H)−キノリン−2−オン32.52g(0.16mol)を500mLの反応フラスコに投入し、N,N−ジメチルホルムアミド200mLを加えて溶解し、無水炭酸カリウム27.2g(0.20mol)を加え、撹拌しながら臭化ベンジル27.4g(0.16mol)を滴下し、室温で撹拌しながら4時間反応させた。炭酸カリウムをろ過により除去し、残留物をジクロロメタン1500mLで溶解した。3回水洗し(300mL×3回)、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過して濃縮によりジクロロメタンを除去し、残留物をアセトンで研磨し、固体をろ別してアセトン/水(1/1、35mL×2回)で洗浄し、5−アセチル−8−ベンジルオキシ−(1H)−キノリン−2−オンを42.8g、収率91.5%で得た。
(d)8−ベンジルオキシ−5−ブロモアセチル−(1H)−キノリン−2−オン
5−アセチル−8−ベンジルオキシ−(1H)−キノリン−2−オン40.0g(0.137mol)を1L三口フラスコに投入し、ジクロロメタン500mLを加え、撹拌して溶解させた。氷浴中で反応液を0℃程度に冷却させ、無水三塩化アルミニウム0.267g(0.002mol)を加えた。その後、臭素20g(0.15mol)を約30分間かけて滴下し、滴下終了後、反応混合物を室温に昇温した。この温度下で、撹拌しながら4時間反応を続け、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回洗浄し(100mL×3回)、有機相を無水硫酸マグネシウムで3時間乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過により除去し、減圧濃縮により溶媒を除去し、8−ベンジルオキシ−5−(2−ブロモアセチル)−(1H)−キノリン−2−オンを固体として42.2g、収率82.9%で得た。
(e)8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン
(1R,2S)−(+)−1−アミノ−2−インダノール0.12g(0.79mmol)を500mL三口フラスコに投入してTHF50mlを加え、20〜25℃で撹拌した。ボランジメチルスルフィド1.1ml(11.6mmol)を加えて20min撹拌し、20〜25℃で8−ベンジルオキシ−5−(2−ブロモアセチル)−(1H)−キノリン−2−オン37.2g(100.0mmol)とTHF500mlとの溶液、及びボランジメチルスルフィド8.1ml(86.3mmol)とTHF120mlとの溶液を同時に3時間かけて滴下した。20〜25℃を保持したまま、窒素ガス雰囲気下で30min反応させた。TLC分析を行ったところ、完全に反応が進行した。外用剤である氷浴中で冷却させ(10℃未満)、メタノール50mlを滴下し、滴下終了後、氷浴(10℃未満)を保持したまま10分間撹拌した。45℃以下でポンプにより減圧し、溶媒を除去した。水及び酢酸エチルをそれぞれ200ml加えて室温で撹拌し、気泡を発生させ、室温で5min撹拌し、分液漏斗に移し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、粗製品を得た。粗製品をアセトニトリル400mLで加熱溶解し、活性炭3gを加え、5分間還流させ、熱時ろ過し、冷却して結晶を析出させ、固体をろ別し、8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オンを31.8g、収率85.5%で得た。
(f)8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ベンジルアミン−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン
中間体である8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン29.9g(80.0mmol)を500ml三口フラスコに投入し、ベンジルアミン40.3g(0.51mol)、及びジオキサン30mLを加え、油浴中において100〜110℃で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去した。酢酸エチル150ml及び水200mlを加えて撹拌し、重炭酸ナトリウムを加えて水層のPHを8〜9に調整し、分液漏斗に移して有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。
上記油状物に酢酸エチル160mlを加え、撹拌して溶解させ、氷浴中で冷却して結晶化させ、白色固体をろ過により収集し、少量の酢酸エチルで洗浄し、生成物について60℃で2時間送風乾燥し、結晶生成物として25g、反応収率81.2%で得た。
【0123】
製造4
(R)−2−ベンジルアミノ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール
(a)(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ニトロ)フェニル]エタノール
(1R,2S)−(+)−1−アミノ−2−インダノール0.132g(0.87mmol)を2L三口フラスコに投入してTHF180mlを加え、10℃程度で撹拌した。ボランジメチルスルフィド9.2ml(97.0mmol)を加えて25min撹拌し、反応混合物の温度を5〜10℃に保持するとともに、4−ベンジルオキシ−3−ニトロ−ブロモアセトフェノン63.6g(180.16mmol)とTHF600mlとの溶液、及びボランジメチルスルフィド8.1ml(86.3mmol)とTHF120mlとの溶液を3時間かけて滴下した。5〜10℃を保持したまま、窒素ガス雰囲気下で30min反応させた。TLC分析を行ったところ、完全に反応が進行した。外用剤である氷浴中で冷却させ(10℃未満)、メタノール50mlを滴下し、滴下終了後、氷浴(10℃未満)を保持したまま10分間撹拌した。45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去した。残留物に水及び酢酸エチルをそれぞれ200ml加えて、室温で撹拌し、気泡を発生させ、室温で5min撹拌し、分液漏斗に移し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。油状物をn−ヘキサンで研磨して冷却し、固体を析出させ、固体をろ別して(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ニトロ)フェニル]エタノールを57.9g、収率90.5%で得た。
(b)(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−アミノ)フェニル]エタノール
(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ニトロ)フェニル]エタノール55g(156.15mmol)を1L水素化反応釜に投入し、メタノール600mLを加えて撹拌して溶解させ、溶解終了後、10%のパラジウム炭素5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4MPaに保持し、反応温度を5℃以下に維持した。このような条件下で12時間反応させ、ろ過した。パラジウム炭素をメタノールで3回洗浄し(100mL×3回)、溶媒を減圧除去した。残留物を酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶解し、0℃冷却して結晶化させ、固体をろ別し、乾燥させ、(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−アミノ)フェニル]エタノールを41.9g、収率83.3%で得た。
(c)(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノ)フェニル]エタノール
500mL三口フラスコに、無水ギ酸88gを加え、0〜5℃に冷却させ、撹拌しながら無水酢酸19.6g(18.7mmol)を滴下し、反応温度を0〜5℃に保持し、15分間撹拌し、(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−アミノ)フェニル]エタノール40.0g(12.4mmol)を反応液に加え、さらにこの温度下で10時間反応させ、原料である(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−アミノ)フェニル]エタノールが完全に反応された。過剰なギ酸を減圧除去し、残留物にジクロロメタン400mLを加えて溶解し、ジクロロメタン層を3回水洗し(100mL×3回)、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶液から溶媒を減圧除去し、残留物にメタノール300mLを加えて加熱溶解し、冷却して結晶化させ、固体をろ別し、(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノ)フェニル]エタノールを30.2g、収率72.8%で得た。
(d)(R)−2−ベンジルアミン−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノ)フェニル]エタノール
中間体である(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノ)フェニル]エタノール30.0g(85.7mmol)を500ml三口フラスコに投入し、ベンジルアミン40.3g(0.51mol)、及びジオキサン30mLを加え、油浴中において100〜110℃で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。ポンプにより減圧して(45℃、〜0.095MPa)溶媒をすべて除去した。酢酸エチル250ml及び水200mlを加えて撹拌し、重炭酸ナトリウムを加えて水層のPHを8〜9に調整し、分液漏斗に移して有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。
上記油状物に酢酸エチル260mlを加え、撹拌して溶解させ、氷浴中で冷却して結晶化させ、白色固体をろ過により収集し、少量の酢酸エチルで洗浄し、生成物について60℃で2時間送風乾燥し、結晶生成物として19.65g、反応収率80.1%で得た。
【0124】
製造5
8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミン]エチル−5−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(一般式28)
(a)2−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシアセトフェノン
2,5−ジヒドロキシアセトフェノン152g(1.0mol)を1L三口フラスコに投入し、無水エタノール400mLを加え、撹拌して溶解させた。室温下で重炭酸ナトリウム92.4g(1.1mol)を加えて5分間撹拌し、反応混合物の温度を0〜10℃に保持し、臭化ベンジル180g(1.05mol)を20分間かけて滴下した。この温度下で撹拌しながら3時間反応を続け、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、原料2,5−ジヒドロキシアセトフェノンが完全に反応された。溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタン400mLで溶解し、飽和クエン酸水溶液で3回洗浄し(150mL×3回)、無水硫酸マグネシウムでジクロロメタン溶液を乾燥させた。無水硫酸マグネシウムをろ過により除去し、溶液ジクロロメタンを減圧除去し、残留物を無水エタノール300mLで溶解し、冷却して結晶化させ、2−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシアセトフェノンを白色固体として213.7g、収率88.3%で得た。化学純度は99.0%(HPLC)であった。
(b)2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−ベンジルオキシアセトフェノン
2L三口フラスコに、2−ヒドロキシ−5−ベンジルオキシアセトフェノン210g(0.868mol)を加え、氷酢酸900mLを加えて溶解し、反応混合物を10〜20℃に冷却させ、63%の濃硝酸64.3mL(0.90mol)を20分間かけて滴下した。この温度下で1時間撹拌を続け、反応を終了した。反応混合物を氷水900mLに加えて、1時間撹拌を続け、結晶を析出させ、固体をろ別し、固体を氷水で3回洗浄し、50℃で真空乾燥させ、2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−ベンジルオキシアセトフェノンを固体として224g、収率89.9%で得た。化学純度は99.2%(HPLC)であった。
(c)2−ヒドロキシ−3−アミノ−5−ベンジルオキシアセトフェノン
2−ヒドロキシ−3−ニトロ−5−ベンジルオキシアセトフェノン固体220g(0.767mol)を2L水素化反応釜に投入し、ジオキサン800mLを加え、次に酸化白金11gを加え、室温下で、水素ガスを導入し、水素導入が停止するまで圧力を3MPaに保持し、触媒をろ過により除去して処理せずに次の反応に用いた。
(d)8−アセチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン
3L三口フラスコに無水炭酸カリウム272g(2.0mol)を加え、上記工程(c)のろ液を加えて撹拌した。ジオキサンに溶解したクロロアセチルクロリド112.5g(0.90mol)を室温下で30分間かけて滴下した。反応混合物を70℃に昇温し、撹拌しながら2時間反応を続けた。溶媒を減圧除去し、残留物に水1Lを加え、ジクロロメタン1Lで溶解して水相を抽出し、有機相を分離した。水相を別にジクロロメタンで2回抽出し(500mL×2回)、有機相を合わせ、水で3回洗浄し(500mL×3回)、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、一部のジクロロメタンを減圧除去して体積を500mL程度にし、石油エーテル1500mLを加えて撹拌して結晶化させた。ろ過して結晶を収集し、50℃で乾燥させ、8−アセチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンを固体として156.7g、2つの工程の合計収率68.8%で得た。化学純度は99.1%(HPLC)であった。 (e)8−(ブロモアセチル)−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン
8−アセチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン148.5g(0.50mol)を固体として2L三口フラスコに投入し、ジオキサン1000mLを加え、撹拌して溶解させた。氷浴中で反応液を0℃程度に冷却させ、無水三塩化アルミニウム1.0g(0.01mol)を加えた。その後、臭素176g(0.55mol)を約30分間かけて滴下し、次に、反応混合物を室温に昇温した。この温度下で、撹拌しながら4時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行った結果、完全に反応が進行した。反応混合物から溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタン1000mLで溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回洗浄し(100mL×3回)、有機相を無水硫酸マグネシウムで3時間乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過により除去し、減圧濃縮により溶媒を除去し、得た油状物を石油エーテルで研磨し、8−(ブロモアセチル)−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンを固体として161.2g、収率85.7%で得た。化学純度は98.3%(HPLC)であった。
(f)8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ブロモ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン
(1R,2S)−(+)−1−アミノ−2−インダノール0.308g(2.61mmol)を3L三口フラスコに投入してTHF380mlを加え、10℃程度で撹拌した。ボランジメチルスルフィド21.4ml(0.226mol)を加えて25min撹拌し、反応混合物の温度を5〜10℃に保持し、8−(ブロモアセチル)−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンを固体として158.2g(0.42mol)とTHF1200mlとの溶液、及びボランジメチルスルフィド18.9ml(0.20mol)とTHF120mlとの溶液を3時間かけて同時に滴下した。5〜10℃を保持したまま窒素ガス雰囲気下で30min反応させた。TLC分析を行ったところ、完全に反応が進行した。外用剤である氷浴中で冷却させ(10℃未満)、メタノール120mlを滴下し、滴下終了後、氷浴(10℃未満)を保持して10分間撹拌した。45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去した。残留物に水及び酢酸エチルをそれぞれ500ml加えて室温で撹拌し、気泡を発生させ、室温で5min撹拌し、分液漏斗に移し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(100ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。油状物をn−ヘキサンで研磨して冷却して固体を析出させ、固体をろ別し、8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ブロモ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンを144.5g、収率91.0%で得た。化学純度は98.5%(HPLC)、ee値は95%であった。
(g)8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミン]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン
中間体である(8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ブロモ]エチル−5−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン143.6g(0.38mol)を1000ml三口フラスコに投入し、ベンジルアミン321.0g(3.0mol)、及びジオキサン120mLを加え、油浴中において100〜110℃で3.5時間反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。ポンプにより減圧(45℃、〜0.095MPa)して溶媒をすべて除去した。ジクロロメタン1050ml及び水400mlを加えて撹拌し、重炭酸ナトリウムを加えて水層のPHを8〜9に調整し、分液漏斗に移して有機層を分離し、水層をジクロロメタン(200ml×3回)で抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、45℃以下でポンプにより溶媒を減圧除去し、油状物を得た。
上記油状物に酢酸エチル460mlを加え、撹拌して溶解させ、氷浴中で冷却して結晶化させ、白色固体をろ過により収集し、少量の酢酸エチルで洗浄し、生成物について60℃で2時間送風乾燥し、8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミン]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オンを結晶生成物として123.6g、反応収率83.6%で得た。異性体純度は98.5%であった。
【0125】
実施例1
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(3−ブロモプロピル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール30mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン6.0g(19.02mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに1,3−ジブロモプロパン153.6g(760.8mmol)を加え、室温下で撹拌しながら12時間反応させた。エタノール及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去し、残留物をジクロロメタンとn−ヘキサン(1/2)で結晶化させ、臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(3−ブロモプロピル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩を固体として9.5g、収率96.1%で得た。MS(m/z) 436.3,438.3。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−(3−ベンジルオキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルベンジルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール2.396g(5.283mmol)(製造1)及び(a)2.733g(5.283mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.566mmol)を加え、反応混合物の温度を80℃に上げて、この温度下で5時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別し、目的生成物を3.0g、収率63.8%で得た。MS(m/z) 809.9。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物2.5g(4.83mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.6g、収率53.5%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.19−7.24(m,5H),6.95−7.01(m,3H),5.0(s,1H), 4.80(s,2H),4.74(m,1H),3.93(s,2H),3.68(d,2H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.55(m,2H),2.43(S,1H),2.36(m,2H),2.21(S,1H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,6H);C32H47BrN
2O
5のMS(m/z):計算値619.63,実測値539.27(M−Br)。
【0126】
実施例2
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(3−ブロモプロピル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法により製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルベンジルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(b)の方法を参照して製造した。
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ベンジルアミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン2.0g(5.0mmol)(製造2)及び(a)2.587g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.566mmol)を加え、反応混合物の温度を80℃に上げて、この温度下で5時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.3g、収率54.9%で得た。MS(m/z)758.65。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチルアミノ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(c)の方法を参照して製造した。
(b)生成物2.2g(2.62mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.4gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.3g、収率90.0%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6)8.0(s,1H), 7.36(d,1H), 7.19−7.24(m,5H),6.71(d,1H)6.57(d,1H),6.52(d,1H),5.01(s,1H), 4.79(s,2H),4.73(m,1H),3.93(s,2H),3.68(d,2H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.54(m,2H),2.43(S,1H),2.36(m,2H) ,2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.82(m,3H),1.75(m,1H),1.68(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.35−1.46(m,6H)。
C
34H
46BrN
3O
5のMS(m/z):計算値656.65,実測値576.26(M−Br)。
【0127】
実施例3
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{4−[(R)−2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルアミノ]ブチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(4−ブロモブチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法を参照して製造した。
三口フラスコ250mLに、無水エタノール25mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン5.0g(15.85mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに1,4−ジブロモブタン78.4mL(634.0mmol)を加え、室温下で撹拌しながら18時間反応させた。エタノール及び過剰な1,4−ジブロモブタンを減圧除去し、残留物をジクロロメタンとn−ヘキサン(1/2)で結晶化させ、臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(4−ブロモブチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩を固体として8.1g、収率96.1%で得た。MS(m/z) 450.3,452.3。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{4−[(R)−2−(3−ベンジルオキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルベンジルアミノ]ブチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール4.096g(7.253mmol)(製造1)及び(a)3.854g(7.253mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、N,N−ジメチルホルムアミド30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム3.038g(21.759mmol)を加え、反応混合物の温度を55〜60℃に上げ、この温度下で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を3.24g、収率48.0%で得た。MS(m/z) 823.811。 (c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{4−[(R)−2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシエチルアミノ]ブチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物2.8g(3.11mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.7gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。12時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.5g、収率76.5%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.18−7.23(m,5H),6.96−7.01(m,3H),5.0(s,1H), 4.80(s,2H),4.74(m,1H),3.93(s,2H),3.68(d,2H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.83(m,1H),2.55(m,2H),2.43(S,1H),2.35(m,2H),2.21(S,1H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,8H),1.34−1.46(m,6H);C33H49BrN
2O
5のMS(m/z):計算値633.66,実測値553.38(M−Br)。
【0128】
実施例4
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}ブチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(4−ブロモブチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例3(a)に従って製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシ)フェニル]エチルベンジルアミノ}ブチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例3(b)の方法を参照した。
(R)−2−ベンジルアミノ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール1.882g(5.0mmol)(製造4)及び(a)2.66g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、アセトニトリル30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.5g(11.0mmol)を加え、反応混合物の温度を55〜60℃に上げ、この温度下で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を3.04g、収率73.6%で得た。MS(m/z) 746.911。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニルエチルアミノ]ブチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例3(c)の方法を参照して製造した。
(b)生成物2.9g(3.42mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。15時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.5g、収率67.8%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.21(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.23(m,5H),6.66−6.71(m,2H),5.0(s,1H),4.74(m,1H),4.0(s,1H),3.92(s,2H),3.68(d,2H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.83(m,1H),2.54(m,2H),2.42(S,1H),2.35(m,2H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,8H),1.34−1.46(m,6H);C33H
48BrN
3O
5のMS(m/z):計算値646.65,実測値566.28。
【0129】
実施例5
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(9{−(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
メタンスルホン酸(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(9−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(9−ブロモノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法を参照して製造した。
三口フラスコ250mLに、無水エタノール35mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン5.0g(15.85mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに1,9−ジブロモノナン60.69g(212.2mmol)を加え、室温下で撹拌しながら18時間反応させた。エタノール及び過剰な1,9−ジブロモノナンを減圧除去し、残留物をジクロロメタンと石油エーテル(1/3)で結晶化させ、目的生成物を9.1g、収率95.4%で得た。MS(m/z) 520.18,522.18。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−9−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(5−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルベンジルアミノ}ノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミノ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン2.02g(5.0mmol)(製造5)及び(a)3.0g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.0g(7.35mmol)を加え、反応混合物の温度を65−70℃に上げ、この温度下で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を3.56g、収率77.0%で得た。MS(m/z) 844.35(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(9−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物3.4g(3.67mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。15時間反応させた後、水素導入を停止し、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.5g、収率54.8%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.0(s,1H),7.15−7.20(m,5H),6.60(d,1H),6.20(d,1H),5.0(s,1H), 4.88(s,2H), 4.73(m,1H),3.93(s,1H),3.68(d,1H),3.14(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.55(m,2H),2.36(m,2H),2.21(S,1H),2.10(s,1H),2.0(m,2H),1.96(m,1H),1.79−1.80(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,10H),1.27−1.29(m,10H);C
39H
58BrN
3O
6のMS(m/z):計算値744.80,実測値664.35(M−Br)。
(d)メタンスルホン酸(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(9−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ノニル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物0.56g(0.75mmol)をメタノール水(v/v 1:1)10mLに溶解し、酸化銀0.10gを加え、室温で30分間撹拌し、固体をろ過により除去し、固体を水5mLで洗浄し、ろ液を合わせ、減圧濃縮させて一部の溶媒を除去し、メタンスルホン酸82mgを加え、10分間撹拌し、溶液に活性炭0.2gを加え、さらに5分間撹拌し、ろ過し、ろ液を乾固するまで濃縮させ、残留物をイソプロパノール3mLで結晶化させ、目的生成物を0.45g、収率59.2%で得た。C
40H61N
3O
9S元素分析(%)(計算値)C 63.10(63.21)、H 7.97(8.09)、N 5.36(5.53)
上記と類似した方法及び原料を用いて、以下の化合物を合成できる。
【0130】
製造6
4−t−ブトキシホルミルアミノ−1−ブタノール
炭酸ナトリウム318g(3.0mol)を3L三口フラスコに投入し、ジオキサン500mL、及び水500mLを加えて溶解し、4−アミノ−1−ブタノール178g(2.0mol)を一括して反応フラスコに加えて、均一に撹拌した。反応混合物の温度を10℃程度に維持しながら、ジ−tert−ブチルジカ一ポネート545g(2.50mol)を含むジオキサン溶液500mLを滴下し、この反応温度でさらに撹拌して4時間反応させた。ジオキサンを減圧除去し、水相をジクロロメタンで3回(1000mL×3回)抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧除去し、目的生成物を343g、収率90.7%で得た。
製造7
4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−2−ブロモエチルエーテル
500mL三口フラスコに、4−t−ブトキシホルミルアミノ−1−ブタノール37.8g(0.20mol)を加え、テトラヒドロフラン200mLで溶解した。水素化ナトリウム(60%)8.0g(0.20mol)を加え、15分間撹拌し、1,2−ジブロモエタン75.2g(0.40mol)を滴下し、滴下終了後、反応混合物の温度を50℃に上げ、さらに4時間反応させた。溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去し、残留物を酢酸エチル300mLで溶解し、3回(100mL×3回)水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を48.5g、収率77.2%で得た。
【0131】
実施例25
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}ブトキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−t−ブトキシホルミルアミノブトキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール25mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン5.0g(15.85mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−2−ブロモエチルエーテル(製造7)16.2g(50.0mmol)を加え、室温下で撹拌しながら24時間反応させた。エタノールを減圧除去し、残留物をジクロロメタンとn−ヘキサン(2/1)で結晶化させ、目的生成物を固体として6.1g、収率63.1%で得た。MS(m/z) 531.3(M−Br)。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−アミノブトキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)生成物5.9g(8.92mmol)を50mL一口フラスコに投入し、2モルのHBr/ジオキサン溶液30mLを加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残った固体をN−メチルモルホリンで中和した後、カラムクロマトグラフィーを行い、目的生成物を3.3g、収率72.3%で得た。MS(m/z) 431.3(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシ)フェニル]エチルアミノ}ブトキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
中間体である(R)−2−ブロモ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノ)フェニル]エタノール(製造4)3.20g(9.39mmol)を50ml三口フラスコに投入し、(b)3.20g(6.26mmol)、無水炭酸カリウム2.76g(20mmol)、及びジオキサン5mLを加え、100〜110℃の油浴中で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。ポンプで減圧して(45℃、〜0.095MPa)溶媒をすべて吸引した。残留物を石油エーテルとジクロロメタン混合溶媒(3/1)で研磨し、固体を得た。固体をイソプロパノールで結晶化させ、目的生成物を3.8g、収率77.7%で得た。MS(m/z) 700.3(M−Br)
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}ブトキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物3.50g(4.48mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.8g、収率58.2%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.20(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.23(m,5H),6.64−6.71(m,2H),5.0(s,1H),4.74(m,1H),4.0(s,1H),3.93(s,1H),3.67(d,1H),3.37−3.47(m,4H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.83(m,1H),2.53−2.55(m,4H),2.25(m,2H),2.10(s,1H),1.96−2.0(m,3H),1.75−1.81(m,3H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,6H);C
35H
52BrN
3O
6のMS(m/z):計算値690.71,実測値MS(m/z) 610.30(M−Br)。
【0132】
製造8
4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−5−ブロモペンチルエーテル
製造7の方法を参照して製造した。
【0133】
製造9
4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−4−ブロモブチルエーテル
製造7の方法を参照して製造した。
【0134】
製造10
4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−3−ブロモプロピルエーテル
製造7の方法を参照して製造した。
【0135】
製造11
2−t−ブトキシホルミルアミノエチル−2−ブロモエチルエーテル
製造7の方法を参照して製造した。
【0136】
実施例26
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[5−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ブトキシ)ペンチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[5−(4−t−ブトキシホルミルアミノブトキシ)ペンチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール25mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン5.0g(15.85mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに4−t−ブトキシホルミルアミノブチル−5−ブロモペンチルエーテル(製造8)17.58g(52.0mmol)を加え、40℃で撹拌しながら4時間反応させた。エタノールを減圧除去し、残留物をジクロロメタンとn−ヘキサン(2/1)で結晶化させ、目的生成物を固体として6.0g、収率60.1%で得た。MS(m/z) 573.3(M−Br)。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−アミノブトキシ)ペンチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)生成物5.9g(9.02mmol)を50mL一口フラスコに投入し、2モルのHBr/ジオキサン溶液30mLを加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残った固体をN−メチルモルホリンで中和した後、カラムクロマトグラフィーを行い、目的生成物を3.2g、収率64.2%で得た。MS(m/z) 473.3(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[5−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ブトキシ)ペンチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
中間体である8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ブロモ]エチル−5−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン(製造5(f))4.20g(11.2mmol)を50ml三口フラスコに投入し、(b)3.10g(5.60mmol)、炭酸カリウム2.76g(20mmol)、及びジオキサン5mLを加え、100〜110℃の油浴中で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。45℃以下でポンプにより減圧し、溶媒をすべて吸引した。残留物を石油エーテルとジクロロメタン混合溶媒(3/1)で研磨し、固体を得た。固体をイソプロパノールで結晶化させ、目的生成物を3.9g、収率81.8%で得た。MS(m/z) 770.4(M−Br)
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[5−(4−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}ブトキシ)ペンチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物3.80g(4.47mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.9g、収率55.8%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.0(s,1H), 7.18−7.20(m,5H),6.65(d,1H),6.20(d,1H),5.0(s,1H),4.88(s,2H),4.74(m,1H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.37−3.40(m,4H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.55(m,2H),2.36(t,2H),2.10(s,1H),1.98−2.0(m,3H),1.75−1.81(m,4H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,12H),1.29(m,2H);C
39H
58BrN
3O
7のMS(m/z):計算値760.80,実測値MS(m/z) 680.35(M−Br)。
【0137】
実施例27
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[4−(4−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}ブトキシ)ブチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[4−(4−t−ブトキシホルミルアミノブトキシ)ブチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例25(a)を参照して製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[4−(4−アミノブトキシ)ブチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例25(b)の方法を参照して製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[4−(4−{(R)−[2−(3−ベンジルオキシヒドロキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}ブトキシ)ブチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
中間体である(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ブロモエタノール(製造1(g))3.50g(8.19mmol)を50ml三口フラスコに投入し、(b)3.20g(5.09mmol)、炭酸カリウム2.76g(20mmol)、及びジオキサン5mLを加え、100〜110℃の油浴中で3h反応させ、TLC分析を行ったところ、中間体が完全に反応された。45℃以下でポンプにより減圧し、溶媒をすべて吸引した。残留物を石油エーテルとジクロロメタン混合溶媒(3/1)で研磨し、固体を得た。固体をイソプロパノールで結晶化させ、目的生成物を4.1g、収率93.8%で得た。MS(m/z) 777.4(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[4−(4−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}ブトキシ)ブチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物4.0g(4.10mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.8gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。20時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.6g、収率55.4%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.17−7.20(m,5H),6.95(m,2H),6.64(d,1H),5.0(s,1H),4.79(s,2H),4.74(m,1H),3.93(d,1H),3.67(d,1H),3.37−3.47(t,4H),3.14(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.53−2.55(m,2H),2.36(m,2H),1.96−2.0(m,5H),1.74−1.81(m,4H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,14H);C
37H
57BrN
2O
6のMS(m/z):計算値705.76,実測値625.34(M−Br)。
以下の化合物は、上記原料を用いて上記方法により製造できる。
【0138】
【0139】
製造12
1,3−ジ(2−ブロモエトキシ)プロパン
1,3−プロピレングリコール38g(0.50mol)をテトラヒドロフラン500mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%)40g(1.0mol)を加え、室温で15分間撹拌し、1,2−ジブロモエタン752g(4.0mol)を滴下し、滴下終了後、還流反応を3時間行い、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去した。残留物にジクロロメタン500mLを加えて溶解し、3回(200mL×3回)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を80g、収率61%で得た。
【0140】
製造13
ジ(2−ブロモエトキシエチル)エーテル
ジ(2−ヒドロキシエチル)エーテル42.4g(0.40mol)をテトラヒドロフラン400mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%)33.6g(1.05mol)を加え、室温で25分間撹拌し、1,2−ジブロモエタン752g(4.0mol)を滴下し、滴下終了後、還流反応を5時間行い、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去した。残留物にジクロロメタン400mLを加えて溶解し、3回(200mL×3回)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を70g、収率54.7%で得た。
【0141】
実施例45
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(2−{2−[2−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}ブロモエチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール30mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン6.0g(19.02mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらにジ(2−ブロモエトキシエチル)エーテル(製造13)243.6g(760.8mmol)を加え、室温下で撹拌しながら10時間反応させた。エタノールを減圧除去し、カラムクロマトグラフィーで残留物における過剰なジ(2−ブロモエトキシエチル)エーテルを除去し、粗製品をジクロロメタンとn−ヘキサン(1/1)で結晶化させ、目的生成物を9.3g、収率76.9%で得た。MS(m/z) 654.2、656.2。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(2−{2−[2−(2−{(R)−[2−(3−ベンジルオキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩 (R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール2.396g(5.283mmol)(製造1)及び(a)3.46g(5.283mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.566mmol)を加え、反応混合物の温度を80℃に上げて、この温度下で3時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.8g、収率57.7%で得た。C51H
69BrN
2O
8のMS(m/z):計算値918.0,実測値838.4(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−(2−{2−[2−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物2.4g(2.61mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。20時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.3g、収率67.5%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.18−7.21(m,5H),6.59−6.95(m,3H),5.0(s,1H), 4.79(s,2H),4.74(m,1H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.47−3.54(m,12H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.83(m,1H),2.72(t,2H),2.53(m,2H),2.36(m,1H),2.21(S,1H),2.10(s,1H),1.96−2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.74(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.33−1.45(m,6H);
C
37H
57BrN
2O
8のMS(m/z):計算値737.76,実測値657.3(M−Br)。
【0142】
実施例46
塩素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[2−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)塩素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[2−(2−クロロエトキシ)エトキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール30mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン6.0g(19.02mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに1,2−ジ(2−クロロエトキシ)エタン(上海瀚鴻化工)142.3g(760.8mmol)を加え、45℃に昇温し、撹拌しながら6時間反応させた。エタノールを減圧除去し、カラムクロマトグラフィーで残留物における過剰な1,2−ジ(2−クロロエトキシ)エタンを除去し、粗製品をジクロロメタンとn−ヘキサン(3/1)で結晶化させ、目的生成物を8.3g、収率86.8%で得た。C26H41ClNO4のMS(m/z):計算値502.51,実測値466.24(M−Cl)、468.23(M−Cl)。
(b)塩素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[2−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシ)フェニル]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−2−ベンジルアミノ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール1.882g(5.0mmol)(製造4)及び(a)2.568g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、アセトニトリル30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.5g(11.0mmol)を加え、反応混合物の温度を75〜80℃に上げて、この温度下で8時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.4g、収率63.8%で得た。C
42H
58ClN
3O
7のMS(m/z):計算値752.38,実測値716.84(M−Cl)。
(c)塩素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[2−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物2.1g(2.79mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール25mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.4gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.1g、収率59.5%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.20(s,1H),7.40(dd,1H), 7.19−7.21(m,5H),6.64−6.76(m,2H),5.01(s,1H),4.73(m,1H),4.0(s,1H),3.93(d,2H),3.68(d,2H),3.47−3.54(m,8H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.72(t,2H),2.53(d,2H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.68(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,6H);C
35H
52ClN
3O
7のMS(m/z):計算値662.26,実測値626.74(M−Cl)。 以上の原料を用いて、実施例45と46の方法によって以下の化合物を製造できる。
【0143】
製造14
2−[(4−ブロモエトキシ)フェニル]エチルアルコール
(a)4−[2−ヒドロキシエチル]フェノール
p−ヒドロキシフェニル酢酸メチル166g(1.0mol)をメタノール500mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム56.75g(1.50mol)を加え、約2時間かけて滴下を終了した。撹拌しながら2時間反応を続け、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、原料が完全に反応された。溶媒を減圧除去し、残留物に水を加えて溶解し、2M塩酸でpHを2に調整し、ジクロロメタンで3回(300Ml×3)抽出し、抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、残留物を酢酸エチルと石油エーテル(1/5)で結晶化させた。目的化合物を120.0g、収率86.9%で得た。
(b)2−[(4−ブロモエトキシ)フェニル]エチルアルコール
(a)生成物30g(0.217mol)をエタノール300mLに溶解し、重炭酸ナトリウム22.4(0.26mol)を加えると同時に1,2−ジブロモエタン188g(1.0mol)を加え、加熱して撹拌し、50℃で5時間反応させ、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン300mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を35.0g、収率65.8%で得た。m/z 245.01,247.05(M+H).
【0144】
製造15
2−[(4−ブロモプロポキシ)フェニル]エチルアルコール
製造14における(a)生成物30g(0.217mol)をエタノール300mLに溶解し、重炭酸ナトリウム22.4g(0.26mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン202g(1.0mol)を加え、加熱して撹拌し、50℃で6時間反応させ、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン300mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を40g、収率71.1%で得た。m/z 259.03、261.04(M+H)。
【0145】
製造16
3−(4−ブロモプロポキシフェニル)プロパノール
(a)4−(3−ヒドロキシプロピル)フェノール
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル45.0g(0.25mol)をメタノール200mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム14.2g(0.375mol)を加え、約1時間かけて滴下を終了した。さらに室温で撹拌しながら2時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、原料が完全に反応された。溶媒を減圧除去し、残留物に水を加えて溶解し、2M塩酸でpHを2に調整し、ジクロロメタンで3回(200Ml×3)抽出し、抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタンと石油エーテル(1/5)で結晶化させた。目的化合物を32.0g、収率84.2%で得た。 (b)3−(4−ブロモプロポキシフェニル)プロパノール
(a)生成物30g(0.197mol)をエタノール300mLに溶解し、重炭酸ナトリウム22.4(0.26mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン161.6g(0.80mol)を加え、加熱して撹拌し、50℃で5時間反応させ、溶媒及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を25g、収率46.5%で得た。m/z 273.03、275.04(M+H).
【0146】
製造17
4−ブロモプロポキシベンジルアルコール
製造16(b)の方法を参照して製造し、収率は75.1%であった。 m/z 245.01、247.0(M+H).
【0147】
製造18
1−(4−ブロモプロポキシフェニル)アセトン
1−(4−ヒドロキシフェニル)アセトン45g(0.30mol)をエタノール300mLに溶解し、炭酸カリウム62.1(0.45mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン161.6g(0.80mol)を加えて撹拌し、室温で5時間反応させ、溶媒及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を44.8g、収率52.5%で得た。m/z 285.01、287.02(M+H).
【0148】
製造19
1−(4−ブロモエトキシフェニル)アセトン
製造18の方法を参照して製造した。収率62.3%、 m/z 271.03、273.02(M+H).
【0149】
製造20
4−ブロモプロポキシ−3,5−ジクロロベンジルアルコール
(a)4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ安息香酸メチル
4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ安息香酸62.1g(0.30mol)をメタノール300mLに溶解し、p−トルエンスルホン酸3gを加え、反応混合物を加熱して6時間還流させ、溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタン500mLで溶解し、3回(200mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を除去して目的生成物を56.3g、収率84.9%で得た。m/z219.01(M−H)。
(b)4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロベンジルアルコール
(a)56g(0.253mol)をメタノール300mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム15.13g(0.40mol)を加え、約1.5時間かけて滴下を終了した。撹拌しながら2時間反応を続け、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、原料が完全に反応された。溶媒を減圧除去し、残留物に水を加えて溶解し、2M塩酸でpHを2に調整し、ジクロロメタンで3回(200Ml×3)抽出し、抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタンと石油エーテル(1/5)で結晶化させた。目的化合物を30.3g、収率62.0%で得た。m/z192.02(M−H)。
(c)4−ブロモプロポキシ−3,5−ジクロロベンジルアルコール
製造16(b)の方法を参照して製造した。収率68、5%、m/z311.03(M−H)。
【0150】
製造21
4−(3−ブロモプロポキシ)アセトフェノン
4−ヒドロキシアセトフェノン40.8g(0.30mol)をメタノール400mLに溶解し、炭酸カリウム62.1(0.45mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン161.6g(0.80mol)を加えて撹拌し、室温下で10時間反応させ、溶媒及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を44.8g、収率58.1%で得た。m/z 257.01、259.01(M+H)。
【0151】
製造22
2−(4−ブロモプロポキシフェニル)−2−プロパノール
(a)2−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−プロパノール
4−ベンジルオキシブロモベンゼン62.3g(0.25mol)をテトラヒドロフラン300mLに溶解し、アルゴンガスの保護下で金属マグネシウム6.3g(0.263mol)を加え、触媒量のヨウ素を加え、加熱して30分間還流させた。アセトン58g(1mol)を滴下し、滴下終了後、さらに還流反応を3時間行い、反応混合物を室温まで冷却させ、氷浴中で冷却させながら2Mの塩酸132mLを滴下し、テトラヒドロフランと過剰なアセトンを減圧除去した。残留水相をエチルエーテルで3回(200mL×3)抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて一晩放置した。乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を38.8g、収率68.0%で得た。m/z 228.11。
(b)2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロパノール
(a)生成物35g(0.153mol)をメタノール150mLに溶解し、10%Pd−C 2.4gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。4時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、目的生成物を18.8g、収率80.7%で得た。m/z152.08。
(c)2−(4−ブロモプロポキシフェニル)−2−プロパノール
(b)生成物15.8g(0.104mol)をメタノール200mLに溶解し、炭酸カリウム31.1(0.225mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン80.8g(0.40mol)を加えて撹拌し、室温下で20時間反応させ、溶媒及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を24.8g、収率87.3%で得た。m/z 272.04、274.0。
【0152】
製造23
4−(3−ブロモプロポキシ)プロピオニルベンゼン
製造22(c)の方法を参照して製造した。収率65.8%、m/z270.02、272.02.
【0153】
製造24
1−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−メチル−2−プロパノール
(a)1−[(4−ベンジルオキシ)フェニル]−2−メチル−2−プロパノール
4−ベンジルオキシベンジルブロミド131.50g(0.50mol)をテトラヒドロフラン600mLに溶解し、アルゴンガスの保護下で金属マグネシウム12.6g(0.526mol)を加え、触媒量のヨウ素を加え、室温で30分間撹拌した。アセトン116g(2.0mol)を滴下し、滴下終了後、さらに室温で撹拌しながら4時間反応させ、反応混合物を氷浴中で冷却させ、2Mの塩酸266mLを滴下し、テトラヒドロフランと過剰なアセトンを減圧除去した。残った水相をジクロロメタンで3回(400mL×3)抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて一晩放置した。乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を91.2g、収率75.28%で得た。m/z 242.31。
(b)1−[(4−ヒドロキシ)フェニル]−2−メチル−2−プロパノール
(a)生成物88.0g(0.363mol)をメタノール400mLに溶解し、10%Pd−C4.4gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。5時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をジクロロメタン/石油エーテル(1:1)で結晶化させ、目的生成物を53.4g、収率88.6%で得た。m/z166.1.
(c)1−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−2−メチル−2−プロパノール (b)生成物20.8g(0.125mol)をメタノール200mLに溶解し、炭酸カリウム31.1(0.225mol)を加えると同時に1,2−ジブロモエタン75.2g(0.40mol)を加えて撹拌し、50℃に加熱して20時間反応させ、ろ過し、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を21.9g、収率80.3%で得た。m/z 272.04、274.0。
【0154】
製造25
1−[4−(2−ブロモプロポキシ)フェニル]−2−メチル−2−プロパノール
製造24(b)の方法を参照して製造した。収率78.9%、 m/z 286.05、288.0。
【0155】
製造26
3−メチル−4−(3−ブロモプロポキシ)アセトフェノン
4−ヒドロキシ−3−メチルアセトフェノン30.38g(0.20mol)をメタノール300mLに溶解し、炭酸カリウム31.1(0.225mol)を加えると同時に1,3−ジブロモプロパン121.2g(0.60mol)を加えて撹拌し、室温下で20時間反応させ、溶媒及び過剰な1,3−ジブロモプロパンを減圧除去した。残留物をジクロロメタン250mLで溶解し、3回(100mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的化合物を28.3g、収率52.2%で得た。m/z 270.02、272.0。
【0156】
製造27
3−メチルオキシ−4−(3−ブロモプロポキシ)アセトフェノン
製造26の方法を参照して製造した。収率65.8%、 m/z 286.02、288.0。
【0157】
製造28
(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン
製造2における(e)生成物31.45g(0.10mol)をジクロロメタン300mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、トリエチルアミン20.0gを加え、5分間撹拌し、反応温度を10℃以下に制御しながら、ベンジルオキシベンゾイルクロライド20.40g(0.12mol)を滴下し、この温度下で4時間反応させ、ろ過し、ろ液をジクロロメタン200mLに加えて希釈し、重炭酸ナトリウム飽和溶液で3回(200mL×3)洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、約350mLの溶媒を減圧除去し、石油エーテル200mLを加えて冷却して結晶化させ、目的化合物を40.50g、収率90.1%で得た。MS 449.26.
【0158】
実施例57
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
安息香酸(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−ヒドロキシエチルフェノキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
三口フラスコ250mLに、無水エタノール30mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン20.0g(44.50mmol)(製造28)を加えて撹拌することにより溶解した後、さらに(4−ブロモエトキシ)フェニルエチルアルコール(製造14)69.9g(285.3mmol)を加え、室温下で撹拌しながら12時間反応させた。エタノールを減圧除去し、カラムクロマトグラフィーで残留物における過剰な(4−ブロモエトキシ)フェニルエチルアルコールを除去し、粗製品をジクロロメタンとn−ヘキサン(2/1)で結晶化させ、目的生成物を20.61g、収率75.4%で得た。MS(m/z) 614.23。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−メタンスルホニルオキシエチルフェノキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)生成物19.3g(31.4mmol)をジクロロメタン150mLに溶解し、N−メチルモルホリン5.0g(50.0(mmol)を加え、氷浴中で冷却させ、塩化メタンスルホニル5.50g(48.0mmol)を滴下し、この温度下で撹拌しながら4時間反応を続け、溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィーを行い、目的生成物を18.8g、収率87.8%で得た。MS(m/z) 682.21。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ベンジルオキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール2.396g(5.283mmol)(製造1)及び(b)3.57g(5.283mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.566mmol)を加え、反応混合物の温度を80℃に上げて、この温度下で5時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.85g、収率51.87%で得た。C61H61BrN
2O
8のMS(m/z):計算値1040.0,実測値959.4(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.60g(2.50mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール18mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。24時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.2g、収率66.0%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.19−7.21(m,5H),7.01(d,2H),6.59−6.95(m,5H),5.0(s,1H), 4.79(s,2H),4.74(m,1H),4.04(t,2H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.67−2.90(m,8H),1.96−2.0(m,5H),1.79−1.81(m,3H),1.74(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.45(m,6H);C
39H
53BrN
2O
6のMS(m/z):計算値725.75,実測値645.32(M−Br)。
(e)安息香酸(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(d)生成物0.545g(0.75mmol)を水50mLに溶解し、強塩基性陰イオン交換カラムで吸着して溶出し、溶出液を50mLに減圧濃縮させ、安息香酸100mgを含有するエタノール溶液2mLを加え、5分間撹拌し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた、目的生成物を0.42g、収率72.9%で得た。元素分析(%)(計算値)C 71.98(72.04),H 7.52(7.62),N3.61(3.65).
【0159】
実施例58
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[3−(4−ヒドロキシメチル基フェノキシ)プロピル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法によって製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[3−(4−メタンスルホニルオキシメチルフェノキシ)プロピル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(b)の方法によって製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ベンジルアミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン2.0g(5.0mmol)(製造2)及び(b)3.20g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.566mmol)を加え、反応混合物の温度を80℃に上げて、この温度下で5時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.6g、収率52.6%で得た。C56H
64BrN
3O
8のMS(m/z):計算値986.89,実測値906.35(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.40g(2.43mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.5gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。15時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.08g、収率58.2%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6)8.01(s,1H), 7.35(d,1H), 7.19−7.21(m,5H),6.95(d,2H),6.71(d,1H)6.57−6.65(m,3H),6.52(d,1H),5.01(s,1H), 4.74(m,1H),3.94(m,3H),3.81(t,2H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.36(m,2H) ,2.10(s,1H),2.0(m,4H),1.79−1.82(m,5H),1.75(m,1H),1.68(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.35−1.46(m,6H)。
C
41H
52BrN
3O
6のMS(m/z):計算値762.772.,実測値682.30(M−Br)。
【0160】
実施例59
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(3,5−ジクロロ−4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[3,5−ジクロロ−4−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法によって製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[3,5−ジクロロ−4−(メタンスルホニルオキシメチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(b)の方法を参照して製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(3,5−ジクロロ−4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシ)フェニル]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−2−ベンジルアミノ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール1.882g(5.0mmol)(製造4)及び(b)3.69g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、アセトニトリル30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.5g(11.0mmol)を加え、反応混合物の温度を65−70℃に上げ、この温度下で10時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.92g、収率56.6%で得た。C54H
62BrC
l2N
3O
8のMS(m/z):計算値1031.76,実測値950.27(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(3,5−ジクロロ−4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.80g(2.71mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.8gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。15時間反応させた後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.38g、収率63.1%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.20(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.21(m,5H),6.84(d,2H)6.64−6.76(m,2H),5.01(s,1H),4.73(m,1H),4.01(s,1H),3.93(m,3H),3.81(d,2H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.83(m,1H),2.36(m,2H),2.10(s,2H),1.98−2.0(m,3H),1.79−1.81(m,5H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,6H);C
39H
50BrC
l2N
3O
6のMS(m/z):計算値807.64,実測値726.22(M−Br)。
【0161】
実施例60
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)[−2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}イソブチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル)プロピルフェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法を参照して製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−メタンスルホニルオキシ−2−メチル)プロピルフェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(b)の方法を参照して製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}イソブチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミノ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン2.02g(5.0mmol)(製造5)及び(b)3.57g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.0g(7.35mmol)を加え、反応混合物の温度を55〜60℃に上げ、この温度下で10時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール10mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.98g、収率58.5%で得た。
C57H
68BrN
3O
9のMS(m/z):計算値1018.93,実測値938.38(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニルエトキシエトキシ]−1−{2−[4−(2−{(R)[−2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}イソブチル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.80g(2.75mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.8gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。12時間反応させた後、水素導入を停止し、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.46g、収率66.8%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.01(s,1H),7.18−7.20(m,5H),7.01(d,2H),6.72(d,2H),6. 65(d,1H),6.20(d,1H),5.01(s,1H), 4.87(s,2H), 4.74(m,1H),4.04(t,2H),3.93(s,1H),3.68(d,1H),3.14(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.78(t,2H),2.59(s,2H),2.10(m,2H),2.0(m,2H),1.96(m,1H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,6H),1.15(s,6H)。
C
42H
56BrN
3O
7のMS(m/z):計算値794.93,実測値714.33(M−Br)。
【0162】
製造29
(R)−1−[(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)フェニル]−2−アミノエタノール
製造1における(g)生成物44g(0.10mol)をメタノール300mLに溶解し、水素化反応釜に投入し、10%Pd−C 6.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPaに保持し、室温で水素化反応を20時間行った後、水素導入を停止し、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として15.6g、収率85.1%で得た。MS(m/z)182.09(M−H)。
【0163】
製造30
8−ヒドロキシ−5−[(R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン
【0164】
製造3の(f)生成物を用いて、製造29の方法によって製造した。
【0165】
製造31
(R)−2−アミノ−1−[(4−ヒドロキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール
製造4の(d)生成物を用いて、製造29の方法によって製造した。
【0166】
製造32
8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−アミノ]エチル−6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン
製造5の(g)生成物を用いて、製造29の方法によって製造した。
【0167】
実施例61
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}プロピル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[2−(4−アセトンフェノキシ)エチル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法によって製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}プロピル)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例3(b)の方法を参照する。
(R)−2−アミノ−1−[(4−ヒドロキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール0.981g(5.0mmol)(製造31)及び(a)2.86g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジクロロメタン50mLを加えて10分間撹拌後、さらにトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム1.27g(6.0mmol)を加えるとともに、1滴の酢酸を加えて触媒した。反応混合物を室温下で24時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を1.56g、収率73.6%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.20(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.20(m,5H),7.01(d,2H),6.72(d,2H),6.66−6.71(m,2H),5.0(s,1H),4.74(m,1H),4.04(t,2H),4.0(s,1H),3.92(d,1H),3.67(d,1H),3.15−3.18(m,2H), 2.91(m,1H),2.78(t,2H),2.54(m,2H),2.76−2.51(dd,2H),2.10(s,1H),1.96−2.0(m,4H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,6H),1.10(d,3H);C
40H
54BrN
3O
6のMS(m/z):計算値752.78,実測値671.32(M−Br)。 (C)化合物61−S及び化合物61−Rの製造
(b)生成物0.80gをメタノール5mLに溶解し、分取コラムを用いて分離精製し、アセトニトリルと水とを混合して勾配溶出を行い、それぞれ61−S及び61−R画分を収集し、溶媒を減圧除去し、残留物をそれぞれエタノールで結晶化させ、化合物(61−S)0.28g、化合物(63−R)0.31gを得た。
【0168】
実施例62
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}プロピレン)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[3−(4−プロピオニルフェノキシ)プロピル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法によって製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}プロピレン)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩 トリアセチル水素化ホウ素ナトリウム1.27g(6.0mmol)を、ジクロロメタン50mLに懸濁させ、8−ヒドロキシ−5−[(R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン(製造30)1.10g(5.0mmol)と(a)3.0g(5.0mmol)を加えるとともに、1滴の酢酸を加えて触媒した。室温下で撹拌しながら20時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール8mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.3g、収率58.2%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6)8.01(s,1H), 7.36(d,1H), 7.19−7.21(m,5H),7.02(d,2H),6.71(m,3H)6.56(d,1H),6.52(d,1H),5.01(s,1H),4.74(m,1H),3.94−3.90(m,4H),3.67(d,1H),3.16(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.36(m,2H) ,2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,5H),1.75−1.74(m,3H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.35−1.46(m,6H),0.96(t,3H)。
C
43H
56BrN
3O
6のMS(m/z):計算値790.82,実測値719.32(M−Br)。
(C)化合物62−S及び化合物62−Rの製造
(b)生成物1.10gをメタノール10mLに溶解し、分取コラムによって分離精製し、メタノールと水とを混合して勾配溶出を行い、62−S及び62−R画分を収集し、溶媒を減圧除去し、残留物をそれぞれイソプロパノールで結晶化させ、化合物62−S 0.35g、化合物62−R 0.30gを得た。
【0169】
実施例63
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(4−(3−メチル−1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}エチレン)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(4−アセチル−3−メチル)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法を参照して製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(3−メチル−1−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}エチレン)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
トリアセチル水素化ホウ素ナトリウム1.27g(6.0mmol)を、ジクロロメタン50mLに懸濁させ、8−ヒドロキシ−5−[(R)−2−アミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン(製造32)1.12g(5.0mmol)と(a)2.93g(5.0mmol)を加えるとともに、1滴の酢酸を加えて触媒した。室温下で撹拌しながら18時間反応を続け、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール6mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を1.86g、収率46.8%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.02(s,1H),7.19−7.21(m,5H),6.82(m,2H),6. 65−6.60(m,2H),6.20(d,1H),5.0(s,1H), 4.88s,2H),4.74(m,1H),4.08(q,1H),3.94(m,3H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.35(m,4H),2.09(m,1H),2.0(m,2H),1.96(m,1H),1.79−1.81(m,5H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,9H)。
C
42H
56BrN
3O
7のMS(m/z):計算値794.81,実測値714.30(M−Br)。
(C)化合物63−S及び化合物63−Rの製造
(b)生成物0.60gをメタノール3mLに溶解し、分取コラムによって分離精製し、アセトニトリルと水とを混合して勾配溶出を行い、63−S及び63−R画分を収集し、溶媒を減圧除去し、残留物をそれぞれエタノールで結晶化させ、化合物63−S 0.146g、化合物63−R 0.187gを得た。
以下の化合物は上記原料及び類似方法を用いて製造できる。
【0170】
【0171】
製造33
1,4−ジ(3−ブロモプロポキシ)ベンゼン
1,4−ヒドロキノン110.1g(1.0mol)をメタノール800mLに溶解し、1,3−ジブロモプロパン606g(3.0mol)、無水炭酸カリウム276g(2.0mol)を加え、還流反応を6時間行い、反応を停止した。固体をろ過により除去し、乾固するまで溶液から溶媒を減圧除去し、酢酸エチル500mLを加えて溶解し、3回(200mL×3)水洗し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させて一晩放置した。乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を209g、収率59.4%で得た。m/z351.95。
【0172】
製造34
2−メチルオキシ−1,4−ジ(3−ブロモプロポキシ)ベンゼン
2−メチルオキシ−1,4−ヒドロキノン98.1g(0.70mol)をメタノール600mLに溶解し、1,3−ジブロモプロパン404g(2.0mol)、無水炭酸カリウム207g(1.50mol)を加え、還流反応を8時間行い、反応を停止した。固体をろ過により除去し、溶液からメタノールと過剰な1,3−ジブロモプロパンを乾固するまで減圧除去し、酢酸エチル400mLを加えて溶解し、3回(200mL×3)水洗し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させて一晩放置した。乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を189g、収率49.5%で得た。m/z381.96。
【0173】
製造35
1,4−ジ(2−ブロモエトキシ)ベンゼン
製造32の方法を参照して製造した。
【0174】
製造36
2−メチルオキシ−5−クロロ−4−(3−ブロモプロピルアミド)ベンジルアルコール
(a)2−メチルオキシ−5−クロロ−4−アミノ安息香酸メチル塩酸塩
無水メタノール500mLを1000mL三口フラスコに投入し、氷塩浴中で−5℃程度に冷却させ、塩化チオニル130mLを滴下し、滴下終了後、撹拌しながら2−メチルオキシ−5−クロロ−4−アミノ安息香酸100.5g(0.50mol)を加え、固体が完全にに溶解せず、反応混合物を室温に自然昇温させ、撹拌しながら24時間反応を続け、固体をろ別した。固体をメタノール250mLで加熱溶解し、冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別し、自然乾燥させ、目的生成物を94.9g、収率75.7%で得た。
(b)2−メチルオキシ−5−クロロ−4−(3−ブロモプロピオンアミド)安息香酸メチル
(a)生成物94.0g(0.373mol)をDMF 300mLに溶解し、N−メチルモルホリン37.4g(0.373mol)を加え、氷浴中で冷却させ10分間撹拌し、さらに3−ブロモプロピオン酸57.1g(0.373mol)とジシクロヘキシルカルボジイミド103g(0.50mol)を加え、滴下終了後、反応混合物を室温に昇温し、撹拌しながら24時間反応を続け、溶媒を減圧除去し、残留物を酢酸エチル300mLで溶解し、固体をろ過により除去し、固体を酢酸エチル200mLで3回洗浄し、酢酸エチル溶液を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回(150mL×3)洗浄し、3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を108.3g、収率82.8%で得た。m/z348.97、350.97。
(c)2−メチルオキシ−5−クロロ−4−(3−ブロモプロピルアミド)ベンジルアルコール
(b)生成物107g(0.306mol)をメタノール400mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム18.9g(0.50mol)を約1時間かけて添加し、添加終了後、この温度下で撹拌しながら2時間反応を続け、徐々に室温に昇温した後、さらに4時間反応させた。溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタン500mLで溶解し、3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、乾固するまで濃縮させ、目的生成物を77.9g、収率78.9%で得た。m/z320.98、322.97。
【0175】
製造37
2−メチルオキシ−4−(3−ブロモプロピルアミド)ベンジルアルコール
製造36の製造方法によって製造した。
【0176】
製造38
3−メチル−4−(3−ブロモプロピルアミド)ベンジルアルコール
製造36の製造方法によって製造した。
【0177】
製造39
4−(3−ブロモプロピルアミド)ベンジルアルコール
製造36の製造方法によって製造した。
【0178】
製造40
1,1−ジメチルオキシ−1−[4−(2−ブロモエトキシメチル)フェニル]エタン (a)1,1−ジメチルオキシ−1−(4−メチルオキシホルミル)フェニルエタン
4−アセチル安息香酸メチル89g(0.50mol)をメタノール400mLに溶解し、塩化水素20gを導入し、50℃に加熱して4時間反応させ、反応を終了した。過剰なメタノールと塩酸ガスを減圧除し、残留物をジクロロメタン400mLで溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回(150mL×3)洗浄し、3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を100.80g、収率90.0%で得た。m/z224.1。
(b)1,1−ジメチルオキシ−1−(4−ヒドロキシメチル)フェニルエタン
(a)生成物98.0g(0.437mol)をメタノール300mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム37.6g(1.0mol)を、2時間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を室温に昇温し、撹拌しながら2時間反応を続けた。メタノールを減圧除去し、残留物をジクロロメタン400mLで溶解し、ジクロロメタン層を3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を68.80g、収率80.2%で得た。m/z196.1。
(C)1,1−ジメチルオキシ−1−[4−(2−ブロモエトキシメチル)フェニル]エタン
(b)生成物67.0g(0.341mol)をテトラヒドロフラン300mLに溶解し、水素化ナトリウム(60%)15.0g(0.375mol)を加え、室温で15分間撹拌し、1,2−ジブロモエタン263.2g(1.40mol)を滴下し、滴下終了後、還流反応を4時間行い、溶媒を減圧除去し、残留物をジクロロメタン400mLで溶解し、ジクロロメタン層を3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去し、目的生成物を88.90g、収率86.0%で得た。m/z302.0(M−H)。
【0179】
製造41
1,4−ジ(2−ブロモエトキシメチル)ベンゼン
(a)1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン
テレフタル酸ジメチル138.0g(0.75mol)をメタノール400mLに溶解し、氷浴中で冷却させ、バッチ式で水素化ホウ素ナトリウム75.20g(2.0mol)を2時間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を加熱して還流反応を4時間行った。メタノールを減圧除去し、残留物をジクロロメタン500mLで溶解し、ジクロロメタン層を3回(150mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去して目的生成物を80.80g、収率77.9%で得た。m/z138.07。
(b)1,4−ジ(2−ブロモエトキシメチル)ベンゼン
(a)生成物78.0g(0.565mol)をテトラヒドロフラン500mLに溶解し、水素化ナトリウム24.86g(0.622mol)を加え、室温で15分間撹拌し、1,2−ジブロモエタン526.4g(2.80mol)を滴下し、滴下終了後、還流反応を8時間行い、溶媒及び過剰な1,2−ジブロモエタンを減圧除去し、残留物をジクロロメタン800mLで溶解し、ジクロロメタン層を3回(250mL×3)水洗し、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させ、乾燥剤を除去し、溶媒を減圧除去して目的生成物を138.80g、収率69.8%で得た。m/z352.0。
【0180】
実施例113
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(3−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}プロポキシ)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(3−ブロモプロポキシ)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例3(a)に従って製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(3−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ベンジルオキシ)フェニル]エチルベンジルアミノ}プロポキシ)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−2−ベンジルアミノ−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール1.882g(5.0mmol)(製造4)及び(a)3.38g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.5g(11.0mmol)を加え、反応混合物の温度を55〜60℃に上げ、この温度下で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール10mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を3.26g、収率67.7%で得た。C55H
68BrN
3O
7のMS(m/z):計算値963.0,実測値883.4(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−(3−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}プロポキシ)フェノキシ]プロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物3.10g(3.22mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.4〜0.43MPa、温度を室温に保持した。20時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.38g、収率54.7%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.21(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.23(m,5H),6.66−6.71(m,2H),5.0(s,1H),4.74(m,1H),4.0(s,1H),3.92(s,2H),3.68(d,2H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.83(m,1H),2.54(m,2H),2.42(S,1H),2.35(m,2H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,8H),1.34−1.46(m,6H);C
41H
56BrN
3O
7のMS(m/z):計算値782.8,実測値702.3(M−Br)。
【0181】
実施例114
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エトキシ)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−ブロモエトキシ)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法を参照して製造した
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ベンジルオキシメチル−4−ベンジルオキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルベンジルアミノ}エトキシ)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−1−[(4−ベンジルオキシ−3−ベンジルオキシメチル)フェニル]−2−ベンジルアミノエタノール2.40g(5.28mmol)(製造1)及び(a)3.38g(5.28mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン20mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.60mmol)を加え、反応混合物の温度を65−70℃に上げ、この温度下で反応8時間、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノールを加えて溶解して冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を3.42g、収率64.0%で得た。C60H71BrN
2O
7のMS(m/z):計算値1012.1,実測値932.4(M−Br)。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−(3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)フェニル−2−ヒドロキシ]エチルアミノ}エトキシ)フェノキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物3.30g(3.26mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.8gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。10時間反応後、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで溶解し、冷凍することにより結晶化させ。目的化合物を固体として1.38g、収率57.1%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 7.19−7.22(m,5H),6.95−7.01(m,2H),6.66(d,2H),6.63−6.59(m,3H),5.0(s,1H), 4.79(s,2H),4.74(m,1H),4.04(t,2H),4.06(t,2H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.97(t,2H),2.90(m,1H),2.74(m,1H),2.78(t,2H),2.21(S,1H),2.10(s,1H),2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,6H);C
39H
53BrN
2O
7のMS(m/z):計算値741.8,実測値661.3(M−Br)。
【0182】
実施例115
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[5−クロロ−2−メチルオキシ−4−({(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}メチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[(5−クロロ−2−メチルオキシ−4−ヒドロキシメチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法によって製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[(5−クロロ−2−メチルオキシ−4−メタンスルホニルオキシメチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(b)の方法によって製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[5−クロロ−2−メチルオキシ−4−({(R)−[(2−ヒドロキシ−2−(8−ベンジルオキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルベンジルアミノ}メチル)アニリノ]オキソプロピル)−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−ベンジルアミノ−1−ヒドロキシエチル]−(1H)−キノリン−2−オン2.0g(5.0mmol)(製造2)及び(b)4.28g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加え、10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.475g(10.57mmol)を加え、反応混合物の温度を65−70℃に上げ、この温度下で5時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過して不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール10mLを加えて溶解し、冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別し、自然乾燥させ目的生成物を2.96g、収率51.2%で得た。C64H70BrClN
4O
9のMS(m/z):計算値1154.49,実測値1073.86(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[5−クロロ−2−メチルオキシ−4−({(R)−[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)]エチルアミノ}メチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.88g(2.49mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.7gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。18時間反応させた後、水素導入を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで溶解して結晶化させた。目的化合物を固体として1.48g、収率70.7%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.10(s,1H),8.01(s,1H), 7.36(d,1H), 7.18−7.21(m,5H),6.97(d,1H),6.94(d,1H),6.71(d,1H),6.52(d,1H),5.0(s,1H), 4.74(m,1H),3.93(m,1H),3.81(d,2H),3.73(s,3H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.90(m,1H),2.84(m,1H),2.74(t,2H),2.33(t,2H) ,2.05(s,1H),2.0(m,4H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.68(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.35−1.46(m,6H)。
C
42H
52BrClN
4O
7のMS(m/z):計算値840.24,実測値759.77(M−Br)。
【0183】
実施例116
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−({(R)−2[−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}メチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[3−(4−ヒドロキシメチルアニリノ)オキソプロピル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(a)の方法を参照して製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−[3−(4−メタンスルホニルオキシメチルアニリノ)オキソプロピル]−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例57(b)の方法を参照して製造した。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ベンジルオキシホルミルオキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−({(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルベンジルアミノ}メチル)アニリノホルミル]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−[(R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミノ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン2.02g(5.0mmol)(製造5)及び(b)3.96g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.0g(7.35mmol)を加え、反応混合物の温度を65−70℃に上げ、この温度下で10時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過し、不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にイソプロパノール10mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を2.88g、収率60.0%で得た。
C62H
69BrN
4O
9のMS(m/z):計算値1094.0,実測値1014.38(M−Br)。
(d)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{3−[4−({(R)−2[−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}メチル)アニリノ]オキソプロピル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(c)生成物2.70g(2.47mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール20mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPaに保持し、室温で16時間反応させた後、水素導入を停止し、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をイソプロパノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.26g、収率65.4%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.05(s,1H), 8.0(s,1H),7.52(d,2H),7.19−7.21(m,5H),7.04(d,2H),6. 65(d,1H),6.20(d,1H),5.0(s,1H), 4.88(s,2H), 4.74(m,1H),3.93(d,1H),3.81(d,2H),3.68(d,1H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.74(t,2H),2.33(t,2H),2.10(m,2H),2.0(m,2H),1.96(m,1H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.56−1.60(m,6H),1.34−1.46(m,6H)。
C
40H
51BrN
4O
7のMS(m/z):計算値779.76,実測値700.33(M−Br)。
【0184】
実施例117
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}エチレン)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(1,1−ジメチルオキシエチル)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法により製造した。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(3−ホルムアミド−4−ヒドロキシ)フェニル]エチルアミノ}エチレン)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(R)−2−アミノ−1−[(4−ヒドロキシ−3−ホルムアミド)フェニル]エタノール0.981g(5.0mmol)(製造30)と(a)3.09g(5.0mmol)を250mLの反応フラスコに投入し、ジクロロメタン50mLを加えて10分間撹拌後、さらにトリアセチル水素化ホウ素ナトリウム2.54g(12.0mmol)を加えるとともに、1滴の酢酸を加えて触媒した。反応混合物を室温下で24時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、ろ過し、不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール5mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物を1.62g、収率43.0%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.21(s,1H),7.40(m,1H), 7.18−7.20(m,5H),7.14(d,2H)7.05(d,2H),6.76(dd,1H),6.64(dd,1H),5.0(s,1H),4.74(m,1H),4.63(s,2H),4.08(m,1H),4.0(s,1H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.47(t,2H),3.15(m,1H), 2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.53(t,2H),2.10(s,1H),1.96−2.0(m,3H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,6H),1.38(d,3H);C
40H
54BrN
3O
6のMS(m/z):計算値752.78,実測値672.32(M−Br)。
(C)117−S−体及び117−R体の分割
(b)生成物0.80gをメタノールに溶解し、分取コラムによって分離し、メタノールと水を用いて勾配溶出を行い、それぞれS体とR体の画分を収集し、減圧して吸引乾燥させ、残留物をエタノールで再結晶させ、S体0.24gとR体0.28gを得た。
【0185】
実施例118
臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}エトキシメチル)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(a)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−ブロモエトキシメチル)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
実施例1(a)の方法を参照して製造した。
三口フラスコ250mLに、無水エタノール35mL、(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン5.0g(15.85mmol)(製造2)を加えて撹拌することにより溶解した後、1,4−ジ(2−ブロモエトキシメチル)ベンゼン(製造40)44.66g(126.3mmol)を加え、室温下で撹拌しながら18時間反応させた。エタノールを減圧除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーで目的生成物を8.50g、収率80.4%で得た。MS(m/z) 686.18、688.17。
(b)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(5−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)] エチルベンジルアミノ}エトキシメチル)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
8−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−ベンジルアミノ]エチル−6−ベンジルオキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン2.02g(5.0mmol)(製造5)及び(a)3.38g(5.0mmol)を反応フラスコ50mLに加えて、ジオキサン30mLを加えて10分間撹拌後、さらに無水炭酸カリウム1.0g(7.35mmol)を加え、反応混合物の温度を75〜80℃に上げて、この温度下で12時間反応させ、薄層クロマトグラフィーを行ったところ、完全に反応が進行した。反応を停止し、室温まで冷却させ、ろ過し、不溶物を除去した。ろ液の溶媒を減圧除去し、残留物にエタノール15mLを加えて冷凍することにより結晶化させ、固体をろ別して目的生成物3.36gとして、収率67.8%で得た。MS(m/z) 901.45。
(c)臭素化(R)−(−)−3−[(R)−2−ヒドロキシ−2−シクロペンチル−2−フェニル]エトキシ−1−{2−[4−(2−{(R)−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−8−イル)]エチルアミノ}エトキシメチル)ベンジルオキシ]エチル}−1−アザビシクロ[2,2,2]オクトニウム塩
(b)生成物3.20g(3.23mmol)を水素化反応釜に投入し、メタノール30mLを加えて溶解し、10%Pd−C 0.6gを加え、水素ガスを導入し、圧力を0.43MPa、温度を室温に保持した。18時間反応させた後、水素導入を停止し、反応を停止し、触媒をろ過により除去し、乾固するまで減圧濃縮させ、残留物をエタノールで結晶化させた。目的化合物を固体として1.48g、収率56.5%で得た。
1HNMR(δppm)(DMSO−d6) 8.0(s,1H),7.15−7.20(m,5H),7.12(d,4H),6. 65(d,1H),6.20(d,1H),5.0(s,1H), 4.88(s,2H),4.73(m,1H),4.63(s,4H),3.93(d,1H),3.68(d,1H),3.49(t,2H0,3.47(t,2H),3.15(m,1H),2.91(m,1H),2.84(m,1H),2.72(t,2H),2.53(t,2H),2.10(s,1H),2.0(m,2H),1.96(m,1H),1.79−1.81(m,3H),1.75(m,1H),1.69(m,2H),1.55−1.61(m,6H),1.34−1.46(m,6H)。
C
42H
56BrN
3O
8のMS(m/z):計算値810.8,実測値730.3(M−Br)。
以上合成した原料及び合成方法を用いて、以下の化合物を製造できる。
【0186】
【0187】
実験例1:本発明の化合物がカルバコール(CCh)の拮抗によるモルモット気管平滑筋に収縮反応を誘発させる強度
モルモットから単離した気管平滑筋標本の作製
モルモットをウレタンにより麻酔した後、喉とカリーナの間の気管を取り、5%CO
2と95%O
2の混合ガスを導入したKrebs−Henseleit(K−H)液(組成(g/L):NaCl 6.92、KCl 0.35、CaCl
2 0.28、KH
2PO
4 0.16、MgSO
4・7H
2O 0.4568、NaHCO
3 2.1、Glucose 2.0)に入れた。気管周囲の疎性結合組織と脂肪を分離した後、幅約3mm、長さ20mmの気管片にし、両端を結紮し、K−H液5mlを含む7℃の恒温槽(pH7.4)に入れ、5%CO
2と95%O
2を含む混合ガスを連続的に導入した。上端を筋張力トランスデューサに接続し、標本に静止張力を1.0g負荷し、筋張力の変化を記録し、20minごとに栄養液を1回交換し、60min平衡化した後、実験を開始させた。 投与方法:気管片が安定的になった後、槽に3×10
−6mol/LのCChを加え、気管片の収縮張力がピ−クになると、それぞれ10
−9〜10
−5molの累積的投与法によってマグナスバス(Magnut’bath)に実施例の化合物、イプラトロピウム臭化物及びチオトロピウム臭化物を加え、気管片の拡張状況を観察し、変化がない場合(サブスレッショルド濃度)、続いて、次の用量を順次加えて、変化が発生した場合、拡張状態になった後、次の用量を加えた。上記操作を収縮曲線が最小値になるまで繰り返した。最後に、10
−6mol/Lのイソプロテレノールを加え、最大弛緩にして曲線を記録した。
統計方法:Sigma Stat統計ソフトウェアパッケ−ジを用いて統計し、デ−タについて分散分析を行い、複数のサンプルの平均数を比較する場合はStudent−Newman−Keuls(SNK)検定を用い、統計的検定水準α=0.05(両側)である。EC
50(95%信頼限界)は上海科学技術出版社のPOMS 2.0版ソフトウェアを用いて計算される。
3×10
−6mol/LCChはモルモット気管平滑筋に持続的に安定した収縮反応を発生させることができる。累積的投与法によってマグナスバス(Magnut’bath)に測定目的化合物及び対照薬としてのイプラトロピウム臭化物及びチオトロピウム臭化物を加えた結果、各実施例の化合物及び対照薬はいずれもCChによる気管平滑筋の収縮を弛緩させることができ、結果を表1に示した。
【0188】
表1:本発明の一部の化合物がin vivoにおいて濃度3×10
−6mol/LのCChによるモルモット気管平滑筋収縮に対する抑制EC
50(μM)
【表1】
表1の結果から明らかなように、本発明に係る化合物はいずれもカルバコールによって誘発されたモルモット気管平滑筋収縮を遮断する作用を有し、多数の化合物の遮断作用が陽性対照剤であるイプラトロピウム臭化物より高く、一部の化合物の作用強度が陽性対照剤であるチオトロピウム臭化物に相当した。本発明の化合物及びイプラトロピウム臭化物の作用発現時間がいずれもチオトロピウム臭化物よりも短く、その一方で、チオトロピウム臭化物の作用発現が遅かった。本発明の化合物及びチオトロピウム臭化物は作用持続時間が長く、それに対し、イプラトロピウム臭化物の作用時間は短かった。
【0189】
実験例2:本発明の化合物がメタコリン(Mch)によって誘発されたモルモット支気管収縮反応に対する拮抗強度及び作用持続時間の測定
一回換気量、気道流速、経肺圧測定
ウレタン1.5g/kgを腹腔内注射してモルモットを麻酔した。モルモットを仰臥位で固定し、気管内挿管を行い、外頸静脈を分離して留置針を挿入し、モルモットを身体容積描記用ボックス内に入れて、胸腔挿管の鈍い針をモルモット前胸の第4〜5肋間に挿入し、胸内圧(水圧力計のコラムが負値であり、且つモルモットの呼吸に伴い上下波動する)を測定した。安定にあった後、MedLab生体信号収集処理システムを用いてMch投与前のモルモットの一回換気量、気道流速及び経肺圧値を基準値として記録した。10μg/kg体重でMchを静脈内注射した。5分間内のモルモットの気道流速、一回換気量及び経肺圧の変化を観察した。R
aw及びR
dynの計算:Mchエアロゾル吸入後のR
aw値の増加百分率及びR
dynの低下百分率の変化を算出した。
R
aw及びR
dynの計算式はそれぞれ以下のとおりである。
R
aw増加%=(Mch吸入後のR
aw−Mch吸入前のR
aw(基準値))/Mch吸入前のR
aw(基準値)×100%
R
dyn減少%=(Mch吸入前のR
aw(基準値)−吸入後のR
aw/Mch吸入前のR
aw(基準値))×100%
用量効果関係:各実施例の化合物用のモルモット27匹を、本発明の化合物[48、70、99、138]0.1μg/kg群、本発明の化合物[48、70、99、138]0.3μg/kg及び本発明の化合物[48、70、99、138]1μg/kg群の3群にランダムに分け、溶媒対照群にモルモット15匹を使用した。気道に上記濃度の医薬品を滴下してから30min後、10μg/kg体重でMchを静脈内注射して誘発させ、5min内の気道抵抗(R
aw)と肺の動的コンプライアンス(R
dyn)を測定した。
時間効果関係:モルモット麻酔後、気道に本発明の化合物[48、70、99、138]0.5μg/kg及び1μg/kgを滴下した。それぞれ投与0.25h、0.5h、1h、1.5h、2h、4h、6h、12h及び24h後に10μg/kg体重でMchを静脈内注射して誘発させ、5min内の気道抵抗(R
aw)と肺の動的コンプライアンス(R
dyn)を測定した。
用量効果関係:本発明の化合物[48、70、99、138]の投与量をそれぞれ0.1μg/kg、0.3μg/kg、1μg/kgとして、気道に滴下してから30min後、10μg/kg体重でMchを静脈内注射して誘発させ、5min内の気道抵抗(R
aw)と肺の動的コンプライアンス(R
dyn)を測定し、結果を以下の表に示した。
【0190】
表2.本発明の化合物の実施例48、70、99、138によるMchによって誘発されたモルモット支気管収縮反応の拮抗作用−用量効果(Mean±S.E.M)関係
【表2】
統計方法:one−way ANOVA、各群間の比較:Bonferroni法検定;溶媒対照群との比較:
*P<0.05、
**P<0.01、
***P<0.001.
Mch 10μg/kgを静脈内注射する場合、モルモットの気道抵抗は320%増加し、肺の動的コンプライアンスは71%低下した。モルモット気道に化合物[48、70、99、138]化合物0.1、0.3、1μg/kgを滴下する場合、用量依存的に気道抵抗の増加及び肺の動的コンプライアンスの低下を抑制した。化合物48の3つの用量群は、気道抵抗増加への抑制率がそれぞれ66.2%(p<0.01)、88.3%(p<0.001)及び91.6%(p<0.001)であり、肺の動的コンプライアンス低下への抑制率がそれぞれ32.2%(p>0.05)、48.9%(p<0.001)及び50.1%(p<0.001)であった。化合物70の3つの用量群は、気道抵抗増加への抑制率がそれぞれ69.6%(p<0.01)、86.5%(p<0.001)及び92.1%(p<0.001)であり、肺の動的コンプライアンス低下への抑制率がそれぞれ34.2%(p>0.05)、47.8%(p<0.001)及び49.3%(p<0.001)であった。化合物99の3つの用量群は、気道抵抗増加への抑制率がそれぞれ73.5%(p<0.01)、86.8%(p<0.001)及び91.9%(p<0.001)であり、肺の動的コンプライアンス低下への抑制率がそれぞれ35.0%(p>0.05)、48.8%(p<0.001)及び49.7%(p<0.001)であった。化合物138の3つの用量群は気道抵抗増加への抑制率がそれぞれ74.8%(p<0.01)、88.9%(p<0.001)及び92.6%(p<0.001)であり、肺の動的コンプライアンス低下への抑制率がそれぞれ31.0%(p>0.05)、48.2%(p<0.001)及び49.9%(p<0.001)であった。
時間効果関係:Mch 10μg/kgを静脈内注射すると、モルモットの気道抵抗は328%増加した。モルモット気道に化合物[48、70、99、138]1μg/kgを滴下してから0.25h後、気道抵抗増加への抑制率は80%以上であり、1h後最大抑制率である90%以上になった。24h経過した後にも気道抵抗増加への抑制率は85%以上であり、且つ溶媒対照群と比較すると、有意差があった(p<0.01〜0.001)。結果の正確性を確保するために、化合物[48、70、99、138]の投与量を0.5μg/kgに低下し、その結果、モルモット気道に化合物[48、70、99、138]0.5μg/kgを滴下してから12h後、気道抵抗抑制率は85%以上(p<0.001)、24h後の気道抵抗抑制率は75%以上(p<0.01)であった。気道に化合物[48、70、99、138]1μg/kg及び0.5μg/kgを滴下し、12h後比較したところ、気道抵抗抑制率には有意差がなかった。それに対し、24h後、化合物[48、70、99、138]1μg/kg及び0.5μg/kgを比較したところ、気道抵抗抑制率には有意差がなかった(p<0.05)。以上の結果から、化合物[48、70、99、138]1μg/kg及び0.5μg/kgの気道滴下投与の場合の作用時間はいずれも24hを超え、長期間作用型の気管拡張剤であることが明らかになった。
【0191】
実験例3 本発明の化合物による、HEK及びRHO細胞が発現させたヒト組換えβ
1及びβ
2アドレナリン受容体の活性及び選択性の研究
作動薬によるヒトβ
1及びβ
2アドレナリン受容体への活性及び選択性を測定するために、各組み換え細胞系が発現させた受容体のcAMP累積量を測定した。相同性のラジオイムノアッセイを用いてcAMPを測定し、即ち細胞をPBS緩衝液で洗浄し、室温下で緩衝液に懸濁させて1ウェルあたり30000〜40000個の細胞があるようになるまで成長させた。試験化合物を0.1%BSAを含むPBS緩衝液で希釈し、100uM〜0.1pMの範囲における11個の勾配濃度で試験を行った。β
1アドレナリン受容体を分析するときに、β
2アドレナリン受容体のHEK293細胞内での発現を遮断するように10nMのIRI118551を加えた。化合物を懸濁させた細胞に加えた後、シンチレータプレートを37℃で10分間インキュベートし、反応を氷冷したアッセイ緩衝液で停止し、4℃で一晩保管した後、その放射活性を測定した。
作動活性(pEC
50値)については、ソフトウェアパッケ−ジ(GraphPad Software、San Diego、RA)のS型用量応答モデルを用いて回帰分析を行った。選択性は、測定したβ
1及びβ
2アドレナリン受容体cAMPを分析して得られた比値から算出され、sel.β
1/β
2=(ER
50(β
1)/ER
50(β
2))と示される。
【0192】
表3.本発明の一部の化合物によるβ
1及びβ
2アドレナリン受容体への活性及び選択性の研究結果
【表3】
結果を分析した結果、本発明の化合物は、β
2アドレナリン受容体に対して優れた作動活性及び機能選択性を有する。
【0193】
実験例4 本発明の化合物による、RHO細胞が発現させたヒト組換えM1、M2、M3受容体サブタイプへのインビトロ活性の測定及び選択性の研究
トランスフェクトしたRHOm
1、RHOm
2、RHOm
3細胞をそれぞれDMEM培地(15%ウシ胎児血清、4mML−グルタミン、1%非必須アミノ酸、1%抗生物質/抗真菌含有)に入れて、37℃、5%RO
2インキュベーター内で培養した。
文献[胡雅児、施菊、夏宗勤.M2受容体cDNAトランスフェクトRHOm2細胞の一部の薬理学的及び生物学的特性[J].核技術、1999、11(22):642−646]を参照し、培養ビン内において細胞が成長して増殖して単層細胞になり、ビンの底部全体の約90%に亘って生長すると(約接種後48時間)、培地を捨てて、PBS(PH7.4)緩衝液で2回洗浄し、次に氷冷したリン酸塩緩衝液(PH7.7、5mmol/LMgRl
2含有)を用いて細胞を掻き取った。収集した細胞をTeflonガラスホモジナイザ−で均質化し、均質化液を低温で20000r×20min遠心分離し、沈殿に反応緩衝液を加えて均質化して膜タンパク質懸濁液を得た。各反応チューブに添加したタンパク量はそれぞれm1(約0.05mg)、m2(0.05mg)、m3(0.1mg)であり、[
3H]−QNBの濃度は0.1〜2.16nmol/Lであった。非特異的結合チューブに1μmol/Lのアトロピンを加えた。反応の全体積を300μLとした。その後、25℃で5h反応させ、氷冷した反応緩衝液で反応を停止し、さらにマルチヘッドセルハーベスターでガラス繊維濾過膜に収集した。80℃でベークした後、ろ過シートを液体シンチレーションバイアルに入れて、5mlの液体シンチレーション剤を加え、遮光下で一晩放置し、液体シンチレーション装置でcpmを測定した。Graphpad prismソフトウェアを用いてBmax及びKd値を算出した。
標識リガンドとして、各実験チューブにM受容体に対して非選択的な
3H−QNBを加え、各チューブの最終濃度をm1、m3(1.042nmol/L)、m2(1.81nmol/L)とし、さらに各種濃度のチオトロピウム臭化物、イプラトロピウム臭化物及び各試験化合物を加え、最終濃度を10
―10〜10
−4mol/Lとし、合計11個の用量を設定し、さらに同じ量の膜タンパク質標本(前述飽和実験と同じ)を加え、反応の全体積を300μLとして、競争結合反応を行った。別に非特異的結合チューブを設置し、大量のアトロピン(最終濃度1μmol/L)を用いて非特異的結合を測定した。25℃で5h反応させ、氷冷した反応緩衝液で反応を停止し、次にマルチヘッドセルハーベスターでガラス繊維濾過膜に収集した。80℃でベークした後、ろ過シートを液体シンチレーションバイアルに入れて、5mlの液体シンチレーション剤を加え、遮光下で一晩放置し、液体シンチレーション装置を用いてcpmを測定した。Graphpad prismソフトウェアを用いて、各化合物による3種のM受容体サブタイプのそれぞれに対するKi値を算出した。チオトロピウム臭化物、イプラトロピウム臭化物及び各試験化合物によるM受容体サブタイプへの選択性を比較した。
【0194】
表4.本発明の一部の化合物によるM受容体拮抗薬への活性の測定及び選択性の実験結果
【表4】
*:Mx/My=Ki(y)/Ki(x)
実験結果から分かるように、本発明の化合物は、M
3受容体に対する選択性が最も高く、M
1受容体に対する選択性が二番目であり、M
2受容体に対する選択性が最も低く、M
3及びM
1受容体のいずれにも強い作用を示した。鼻炎、気道過敏性、老人性慢性気管支炎、ROPDなどの疾患を治療する場合は、従来技術よりも明らかな優位性を有する。
【0195】
実験例5 モルモットから単離した気管を用いた化合物MABA、M受容体及びβ
2アドレナリン受容体活性の測定
(1)実施例の化合物によるカルバコール(RRh)によって誘発されたモルモット気管平滑筋収縮への拮抗作用
モルモットから単離した気管平滑筋標本の作製:実験例1と同様である。
投与方法:気管片が安定的にあった後、最終濃度3×10
−6mol/Lのカルバコールを加え、気管片の圧力値が安定期まで増加すると、投与を開始した。実験には、空白群と各試験品投与群に分けた。群ごとにK−H液で調製したDMSO溶液及び各試験品溶液50μlを加え、試験品投与群では、累積濃度換算で始終濃度10
−9、0.3×10
−8、10
−8、0.3×10
−7、10
−7、0.3×10
−6及び10
−6mol/Lの測定目的化合物及び対照品を加え、空白群では、対応した希釈DMSO溶液を加え、Medlabで気管片の平滑筋の弛緩程度を記録し、最後に最終濃度10〜5mol/Lのイソプロテレノールを加え、100%弛緩とした。結果を表5に示した。
(2)実施例の化合物によるモルモット気管平滑筋M受容体への遮断作用
モルモットから単離した気管平滑筋標本の作製:実験例1と同様である。
投与方法:気管片が安定的にあった後、最終濃度10
−5mol/Lの塩酸プロプラノロール溶液を加えて10min作用させてβ受容体を遮断し、最終濃度3×10
−6mol/Lのカルバコール(プロプラノロールがβ受容体を遮断した後、化合物によるM受容体への拮抗作用を観察した)を加え、気管片の圧力値が安定期に増加すると、投与を開始した。実験には、空白群、プロプラノロール+空白群、各試験品投与群及びプロプラノロール+各試験品投与群に分けた。空白群と各試験品投与群にそれぞれK−H液で調製したDMSO溶液と試験品溶液50μlを加え、プロプラノロール+空白群及びプロプラノロール+各試験品投与群では、それぞれプロプラノロール溶液50μlを加えて10min作用させた後、K−H液で調製したDMSO溶液と試験品溶液50μlを加えた。試験品投与群では、累積濃度換算で最終濃度10
−9、0.3×10
−8、10
−8、0.3×10
−7、10
−7、0.3×10
−6及び10
−6mol/Lの測定目的化合物を加え、空白群では、対応した希釈DMSO溶液を加え、プロプラノロール+各試験品投与群では、プロプラノロールを加えて10min作用させた後、累積濃度換算で最終濃度10
−9、0.3×10
−8、10
−8、0.3×10
−7、10
−7、0.3×10
−6及び10
−6mol/Lの測定目的化合物を加え、プロプラノロール+空白群では、プロプラノロールを加えて10min作用させた後、対応した希釈DMSO溶液を加えた。Medlabで気管片平滑筋の弛緩程度を記録し、最後に、最終濃度2×10
−4mol/Lのニトロプルシドナトリウムを加え、100%弛緩とした。結果を表5に示した。
(3)実施例の化合物によるモルモット気管平滑筋β
2受容体への作動作用
モルモットから単離した気管平滑筋標本の作製:実験例1と同様である。
投与方法:気管片が安定的にあった後、最終濃度3×10
−5mol/Lのヒスタミン溶液を加えて10min作用させ、最終濃度3×10
−6mol/Lのカルバコール(β受容体の作動作用を観察する)を加え、気管片の圧力値が安定期に増加すると、投与を開始した。実験には、空白群、ヒスタミン+空白群、各試験品投与群及びヒスタミン+各試験品投与群に分けた。空白群及び各試験品投与群にそれぞれK−H液で調製したDMSO溶液と試験品溶液50μlを加え、ヒスタミン+空白群及びヒスタミン+各試験品投与群では、それぞれヒスタミン溶液50μlを加えて10min作用させた後、K−H液で調製したDMSO溶液と試験品溶液50μlを加えた。試験品投与群では、累積濃度加算で最終濃度10
−9、0.3×10
−8、10
−8、0.3×10
−7、10
−7、0.3×10
−6及び10
−6mol/Lの測定目的化合物を加え、空白群では、対応した希釈DMSO溶液を加え、ヒスタミン+各試験品投与群では、ヒスタミンを加えて10min作用させた後、累積濃度換算で最終濃度10
−9、0.3×10
−8、10
−8、0.3×10
−7、10
−7、0.3×10
−6及び10
−6mol/Lの測定目的化合物を加え、ヒスタミン+空白群では、ヒスタミンを加えて10min作用させた後、対応した希釈DMSO溶液を加えた。Medlabで気管片平滑筋の弛緩程度を記録し、最後に、最終濃度2×10
−4mol/Lのテオフィリンを加え、100%弛緩とした。結果を表5に示した。
【0196】
表5.本発明の一部の化合物による、予備収縮から単離した気管におけるM受容体拮抗薬(MA)、β
2受容体作動薬(BA)及び二官能(MABA)薬力学的活性の実験結果
【表5】
*NAは適用できないことを表す。
結果から明らかなように、本発明の化合物は、強いM受容体遮断機能とβ受容体作動機能を兼ね備え、多くの化合物では、該2種の機能のマッチ度MA:BAがほぼ1〜1.5:1に達し、ここで、実施例の化合物113はほぼ1:1であった。
【0197】
実験例6 ビーグル犬に本発明の化合物を1回強制経口投与した場合の急性毒性試験
試験化合物:
本発明の実施例の化合物7、12、61、69、80、82、94、113、122、131
比較化合物:
(1)WO2010126025の実施例1による化合物:4−({[5−(2−{[4−({[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}メチル)フェニル]アミノホルミル}エチル)−2−フェニルフェニル]アミノホルミル}オキシ)−1,1−ジメチルピペリジン−1−オニウムトリフルオロ酢酸塩(文献に記載の方法により製造)
(2)WO2010004517の実施例1による化合物:5−[(1R)−2−({9−[4−({3−[(R)−シクロヘキシル(ヒドロキシ)ベンゼンメチル]−1H−1、2,4ートリアゾ−ル−1−イル}メチル)ピペリジン−1−]ノニル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン(文献に記載の方法により製造)
試験方法:
ビーグル犬をランダムに群に分け、1群2匹とし、雌雄半分ずつ、それぞれ本発明の化合物及び比較化合物7.5%のエタノール溶液を静脈内注射(iv)投与し、各化合物ごとに、0.01mg/kg及び0.10mg/kgの2つの用量群を設置した。投与後(投与後30min〜4h)に心拍数の変化を観察し、結果を表6に示した。
【0198】
表6 本発明の化合物をiv投与したビーグル犬の心拍数の変化
【表6】
表6から分かるように、本発明の化合物を0.1mg/kg用量でiv投与後、ビーグル犬の心拍数には有意的な変化がなく、対照化合物を0.01mg/kg用量で投与した後、ビーグル犬の心拍数が明らかに増加した。以上から分かるように、本発明の化合物は毒性及び副作用がより低かった。
実験例7 本発明の化合物のインビトロ肝ミクロソーム及び肺ホモジネートでの安定性試験
1、肝ミクロソーム用の試験化合物:
本発明の実施例の化合物7、12、61、69、80、82、94、113、122、131
比較化合物:
(1)WO2010126025の実施例1による化合物、(2)WO2010004517の実施例1による化合物。
試験方法:
本発明の実施例の化合物及び比較化合物をそれぞれSDラット、ビーグル犬の肝ミクロソームとともに37℃の水浴中において0、2、5、10、15、20、30minインキュベートした後、反応を停止し、LR−MS/MSにそれぞれ注入して分析した。0minでのサンプルの面積比を100%として、各時間点にそれと比較し、各インキュベート時間後の化合物の残った百分率が得られ、この百分率の自然対数を縦座標、時間を横座標として散布図を作成し、フィッティングして1本の直線にし、直線の傾きの負数をkにした。式に基づいて各パラメータを計算した。
t
1/2(min)=0.693/k
Cl
int(mL/min/kg)=0.693×Liver weight(g/kg)×P450(mg/g)/(0.5(mg/mL)×t1/2(min))
Liver weightは体重1gあたりに含まれる肝の重量g、P450は1gあたりの肝に含まれるP450酵素の量mgである。
各種属の値は以下の表に示された。
【0199】
Cl
hep(mL/min/kg)=Cl
int(mL/min/kg)×Qh(mL/min/kg)/(Cl
int(mL/min/kg)+Qh(mL/min/kg))
Qhは肝の血流量であり、各種属の数値が上表に示される。
ERh=Cl
hep/Qhにより、肝抽出率(ERh)を算出し、結果を表7に示した。
【0200】
表7 本発明の化合物のインビトロ肝ミクロソーム代謝の安定性
【表7】
*ミクロソーム安定性の判定基準:ERh<0.3の場合は、肝代謝安定性が高い化合物であり、0.3<ERh<0.7の場合、肝代謝安定性が一般的な化合物であり、ERh>0.7の場合、肝代謝安定性が低い化合物である。
表7から明らかなように、本発明の化合物は、SDラット及びビーグル犬の肝ミクロソームにおいて代謝安定性が低く、代謝が速く、体内に蓄積しにくいのに対し、比較化合物は、代謝安定性が高く、蓄積しやすい。
2、肺ホモジネート用の試験化合物:
本発明の実施例の化合物7、12、61、69、80、82、94、113、122、131
本発明の実施例の化合物及び比較化合物をそれぞれビーグル犬の肺ホモジネートとともに37℃の水浴中において8時間インキュベートした後、反応を停止し、LR−MS/MSにそれぞれ注入して分析した。0minでのサンプルの面積比を100%とし、8時間後にそれと比較して8時間インキュベート後の化合物の残った百分率を得た。結果を表8に示した。
【0201】
表8 本発明の化合物のインビトロ肺ホモジネートでの代謝安定性(8h)
【表8】
【0202】
結論
以上の試験から分かるように、本発明の化合物は、肺部で安定的であるため、作用時間が長く、表7から明らかなように、本発明の化合物は、SDラット及びビーグル犬の肝ミクロソームでの代謝安定性が低く、代謝が速く、体内に蓄積しにくいのに対し、比較化合物は、代謝安定性が高く、蓄積しやすい。従って、本発明の化合物は蓄積しても効果的な毒性用量ほどにならないとを説明する。
【0203】
製剤例1
下記方法によって吸入投与型ドライパウダー製剤を製造した。
組成物における各成分及びこれらの用量
本発明の化合物59 0.20mg
乳糖 30mg
本発明の化合物を微粉化し、微粉化乳糖と十分に混合し、該混合物をゼラチン吸入カートリッジに入れて、粉末吸入器を用いて投与した。
【0204】
製剤例2
下記方法によって、ドライパウダー吸入装置に用いるドライパウダー製剤を製造した。 本発明の化合物70を微粉化し、微粉化乳糖と均一に混合し、配合比1:200の製剤が得られ、該製剤組成物を、単位用量あたり10μg〜100μg本発明の化合物を送達できるドライパウダー吸入装置に入れた。
【0205】
製剤例3
下記方法によって、定量吸入器で吸入投与するためのドライパウダー製剤を製造した。 平均粒径10μm未満に微粉化した本発明の化合物99 10gを0.2gのレシチンを含む軟化水溶液200mLに分散させ、本発明の化合物5wt%とレシチン0.1wt%を含む懸濁液を調製し、該懸濁液を噴霧乾燥させて平均粒径1.5μ未満の粒子にした。粒子を加圧した1,1,1,2−テトラフルオロエタンカートリッジに入れた。
【0206】
製剤例4
下記方法によって、定量吸入器に用いる医薬組成物を製造した。
平均粒径10μm未満に微粉化した本発明の化合物138 5gを0.5gのトレハロースと0.5gのレシチンを含む100mL軟化水コロイド溶液に分散させ、本発明の化合物5wt%、トレハロース0.5%及びレシチン0.5wt%を含む懸濁液を調製し、該懸濁液を噴霧乾燥させて平均粒径1.5μ未満の粒子を得た。粒子を加圧した1,1,1,2−テトラフルオロエタンカートリッジに入れた。