特許第6963621号(P6963621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963621
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】ゼオライトSSZ−31の合成
(51)【国際特許分類】
   C01B 39/48 20060101AFI20211028BHJP
   C01B 37/02 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   C01B39/48
   C01B37/02
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-537234(P2019-537234)
(86)(22)【出願日】2017年12月19日
(65)【公表番号】特表2020-514224(P2020-514224A)
(43)【公表日】2020年5月21日
(86)【国際出願番号】US2017067267
(87)【国際公開番号】WO2018132227
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2020年5月28日
(31)【優先権主張番号】62/444,909
(32)【優先日】2017年1月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ダン
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−356323(JP,A)
【文献】 特表2002−512583(JP,A)
【文献】 特表2017−518250(JP,A)
【文献】 特表2009−505940(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/027437(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 39/48
C01B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SSZ−31の構造を有するゼオライトを合成する方法であって、
(a)(1)酸化ケイ素の供給源、
(2)任意選択的に、酸化アルミニウムの供給源、
(3)2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む構造規定剤(Q)、
(4)水酸化物イオン、及び
(5)水、
を含む反応混合物を調製すること、並びに
(b)前記反応混合物を前記ゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記反応混合物が、モル比換算で以下のような組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表1】
【請求項3】
前記反応混合物が、モル比換算で以下のような組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表2】
【請求項4】
前記結晶化条件が、125℃から200℃の温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
SZ−31の構造を有し、その細孔中に2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含むゼオライト。
【請求項6】
合成されたままで且つ無水形態で、以下のモル関係を含む組成を有する、請求項5に記載のゼオライト。
【表3】

(式中、Qは2−エチル−N,N、N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)
【請求項7】
合成されたままで且つ無水形態で、以下のモル関係を含む組成を有する、請求項5に記載のゼオライト。
【表4】

(式中、Qは2−エチル−N、N、N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月11日に出願された米国仮出願第62/444,909号に対する優先権を主張し、その開示内容を全体的に本明細書に参照により援用する。
技術分野
【0002】
本開示は、ゼオライトSSZ−31を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然及び合成の両方の分子ふるい材料は、吸着剤として有用であること、及び様々な種類の炭化水素転化反応に対して触媒特性を有することが過去において実証されてきた。ゼオライト、アルミノリン酸塩、及びメソポーラス材料等の特定の分子ふるいは、X線回折(XRD)によって測定されるような明確な結晶構造を有する規則正しい多孔質結晶材料である。結晶性分子ふるい材料内には、多数のチャネル又は細孔によって相互連結され得る多数のキャビティがある。これらのキャビティ及び細孔は、特定の分子ふるい材料内では大きさが均一である。これらの細孔の寸法は、特定の寸法の吸着分子を受け入れる一方で、より大きい寸法のものを排除するようなものであるので、これらの材料は「分子ふるい」として知られるようになり、様々な工業プロセスにおいて利用されている。
【0004】
高シリカゼオライトSSZ−31は、細孔寸法が約8.6Å×5.7Åの一次元12員環の細孔を有する非常に乱れのある(faulted)分子ふるい材料である。SSZ−31の骨格構造には、国際ゼオライト協会の構造委員会によって3文字のコードSTOが割り当てられている。
【0005】
SSZ−31の組成及び特徴的な粉末X線回折パターンは、米国特許第5,106,801号に開示されており、これはまた、N,N,N−トリメチルアンモニウム−8−トリシクロ[5.2.1.0]デカン、4−トリメチルアンモニウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチル−3−アゾニウムビシクロ[3.2.2]ノナン、N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−ビシクロ[3.2.1]オクタン、N,N−ジメチル−6−アゾニウム−1,3,3−トリメチルビシクロ[3.2.1]オクタン、及びN,N,3,5,5−ペンタメチルアゾニウムシクロヘプタンから選択される構造規定剤(structure directing agent)の存在下でのホウケイ酸塩型のゼオライトの合成についても記載する。構造規定剤としてN,N,N−トリメチルアンモニウム−8−トリシクロ[5.2.1.0]デカンを用いてオール(all)シリカ型SSZ−31を合成した。
【0006】
SSZ−31の非常に大きい細孔径のために、ゼオライト骨格構造中に組み込まれたアルミニウムを有する形態のSSZ−31は、比較的嵩高い芳香族化合物のアルキル化等の形状選択的触媒作用にとって重要である。
【0007】
アルミノケイ酸塩SSZ−31(Al−SSZ−31)は、米国特許第5,106,801号に記載されているようなヘテロ原子格子置換技術によって、ホウケイ酸塩SSZ−31(B−SSZ−31)から間接的に調製することができる。
【0008】
米国特許第6,471,940号は、ヘキサメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)、ヘプタメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)、オクタメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)、ノナメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)、及びデカメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)から選択される構造規定剤を用いたドライゲル転化法によるAl−SSZ−31の直接合成を開示している。。
【0009】
R.K.Ahediら(J.Mater.Chem.2001,11,2922−2924)は、構造規定剤としてヘキサメチレンビス(トリエチルアンモニウムヒドロキシド)を用いた水熱経路によるAl−BEA前駆体からのAl−SSZ−31の直接合成を報告している。
【0010】
本開示によれば、2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンが、オールシリカ及びアルミノケイ酸塩型のゼオライトSSZ−31の直接合成における構造規定剤として有効であることが今では分かっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様では、SSZ−31の構造を有するゼオライトを合成する方法であって、(a)(1)酸化ケイ素の供給源、(2)任意選択的に、酸化アルミニウムの供給源、(3)2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む構造規定剤、(4)水酸化物イオン、及び(5)水、を含む反応混合物を調製すること、並びに(b)該反応混合物をゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、を含む方法を提供する。
【0012】
別の態様では、SSZ−31の構造を有し、且つその細孔中に2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含むゼオライトを提供する。
【0013】
合成されたままで(as−synthesized:合成された状態で)且つ無水形態で、該ゼオライトは以下のモル関係を含む化学組成を有する。
【表1】

(式中、Qは2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、例1の合成されたままのゼオライト生成物の粉末X線回折(XRD)パターンである。
【0015】
図2図2は、例1の合成されたままのゼオライト生成物の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【0016】
図3図3は、例5のか焼された(calcined)ゼオライト生成物の粉末XRDパターンである。詳細な説明
【0017】
導入
「合成されたままの」という用語は、本明細書では、結晶化後で、構造規定剤の除去前の形態のゼオライトを指すために使用される。
【0018】
「無水」という用語は、本明細書では、物理的に吸着された水も化学的に吸着された水も実質的に含まないゼオライトを指すために使用される。
【0019】
本明細書で使用する場合、周期表の族の番号付け体系は、Chem.Eng.News、63(5)巻、27頁(1985年)に記載されている通りである。
【0020】
反応混合物
オールシリカ及びアルミノケイ酸塩型のゼオライトSSZ−31は、以下に記載するように、2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む水性反応混合物から直接合成することができる。本開示の文脈における「直接合成された」という用語は、ゼオライトを以下に記載の反応混合物から形成することを意味し、酸化ケイ素及び他の酸化物(例えば、酸化ホウ素)を含有するゼオライトを形成した後、このように形成されたゼオライトを合成後の処理にかけてオールシリカ又はアルミノケイ酸塩SSZ−31ゼオライトを形成することとは対照的である。
【0021】
一般に、SSZ−31の骨格構造を有するゼオライトは、(a)(1)酸化ケイ素の供給源、(2)任意選択的に、酸化アルミニウムの供給源、(3)2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む構造規定剤(Q)、(4)水酸化物イオン、及び(5)水、を含む反応混合物を調製すること、並びに(b)該反応混合物をゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、によって合成することができる。
【0022】
ゼオライトが形成される反応混合物の組成を、モル比換算で、下記の表1に示す。
【表2】

(式中、Qは本明細書中で上記した通りである。)
【0023】
酸化ケイ素の適切な供給源には、ヒュームドシリカ、コロイドシリカ、沈降シリカ、アルカリ金属ケイ酸塩、及びオルトケイ酸テトラアルキルが含まれる。
【0024】
酸化アルミニウムの適切な供給源には、水和アルミナ及び水溶性アルミニウム塩(例えば、硝酸アルミニウム)が含まれる。
【0025】
追加的又は代替的に、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを組合せた供給源を使用することができ、これには、アルミノケイ酸塩ゼオライト(例えば、ゼオライトY)及びクレイ又は処理クレイ(例えば、メタカオリン)を含めることができる。
【0026】
構造規定剤(Q)は、下記構造(1)で表される2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。
【化1】
【0027】
適切なQの供給源には、第四級アンモニウム化合物の水酸化物、塩化物、臭化物、及び/又は他の塩が含まれる。
【0028】
反応混合物はまた、前の合成からのSSZ−31等の分子ふるい材料の種(seeds)を、望ましくは反応混合物の0.01から10,000重量ppm(例えば、100から5000重量ppm)の量で含有させることもできる。
【0029】
本明細書に記載の各実施形態では、反応混合物を、複数の供給源から供給することができる。また、2種以上の反応成分を、1つの供給源から供給することもできる。
【0030】
反応混合物はバッチ式又は連続式のいずれでも調製することができる。本明細書に記載の結晶性ゼオライトの結晶サイズ、形態(morphology)及び結晶化時間は、反応混合物の性質及び結晶化条件に応じて変化し得る。
【0031】
結晶化及び合成後の処理
上記反応混合物からのゼオライトの結晶化は、例えばポリプロピレンジャー又はテフロン(登録商標)内張り又はステンレス鋼製オートクレーブ等の適切な反応容器中で、静止、回転又は攪拌条件のいずれかの下で、約125℃から約200℃の温度にて、その使用される温度で結晶化が起こるのに十分な時間、例えば5から20日間行なうことができる。結晶化は通常、自原性の圧力下で閉鎖系にて行われる。
【0032】
ゼオライト結晶が形成されると、固体生成物は遠心分離又は濾過等の標準的な機械的分離技術によって反応混合物から回収される。結晶を水洗した後、乾燥させて、合成されたままのゼオライト結晶を得る。乾燥工程は典型的には200℃未満の温度で行われる。
【0033】
結晶化プロセスの結果として、回収された結晶性ゼオライト生成物は、その細孔構造内に、合成に使用した構造規定剤の少なくとも一部を含有する。
【0034】
合成されたままのゼオライトは、その合成に使用した構造規定剤の一部又は全部を除去するための処理にかけることができる。これは、合成されたままの材料を少なくとも約370℃の温度で少なくとも1分間且つ一般的には20時間以下の間、加熱する熱処理(か焼(calcination))により都合よく行われる。熱処理は、約925℃までの温度で行うことができる。大気圧より低い圧力を熱処理に使用することができるが、便利さのために大気圧が望ましい。追加的に又は代替的に、構造規定剤はオゾンを用いる処理により除去することができる(参照:例えば、A.N.Parikhら、Micropor.Mesopor.Mater.2004、76、17−22)。
【0035】
所望の程度まで、そして材料のSiO/Alモル比に応じて、合成されたままのゼオライト中の任意の無機カチオンを、他のカチオンとのイオン交換によって当技術分野において周知の技術に従って置換することができる。適切な置換用カチオンには、金属イオン、水素イオン、水素前駆体イオン(例えば、アンモニウムイオン)、及びそれらの混合物が含まれる。特に好ましい置換用カチオンは、特定の有機転化反応のための触媒活性を調整するものである。これらには、水素、希土類金属及び元素周期表の2から15族の金属が含まれる。
【0036】
ゼオライトの特徴付け
本ゼオライトは、合成されたままで且つ無水形態で、以下のモル関係を含む化学組成を有する。
【表3】

(式中、Qは2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)SiO/Alモル比の許容値から、本ゼオライトは、酸化アルミニウムが存在しないか又は本質的に存在しない全体的にシリカ質(siliceous)型(即ち「オールシリカ」型)で合成できることが理解される。
【0037】
米国特許第5,106,801号に教示されているように、ゼオライトSSZ−31は、合成されたままの形態で、少なくとも下記の表2に示されるピークを含むX線回折パターンを有する。
【表4】
【0038】
本明細書に提示される粉末X線回折パターンを、標準的な技術によって収集した。放射線はCuKα線であった。ピークの高さ及び位置は、θがブラッグ角のとき、2θの関数として、ピークの相対強度から読取り、d、つまり記録した線に対応する面間隔を算出することができる。
【0039】
回折パターンの僅かな変動は、格子定数の変化による特定の試料の骨格種のモル比の変動から生じ得る。更に、十分に無秩序な材料及び/又は小さい結晶はピークの形状及び強度に影響を及ぼし、著しいピークの広がりをもたらす。回折パターンの僅かな変動は、調製に使用する有機化合物の変動から生じ得る。か焼はまた、X線回折パターンに僅かなシフトを引き起こし得る。
なお、下記[1]から[7]は、いずれも本発明の一形態又は一態様である。
[1]
SSZ−31の構造を有するゼオライトを合成する方法であって、
(a)(1)酸化ケイ素の供給源、
(2)任意選択的に、酸化アルミニウムの供給源、
(3)2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む構造規定剤(Q)、
(4)水酸化物イオン、及び
(5)水、
を含む反応混合物を調製すること、並びに
(b)前記反応混合物を前記ゼオライトの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供すること、
を含む方法。
[2]
前記反応混合物が、モル比換算で以下のような組成を有する、[1]に記載の方法。
【表5】

[3]
前記反応混合物が、モル比換算で以下のような組成を有する、[1]に記載の方法。
【表6】

[4]
前記結晶化条件が、125℃から200℃の温度を含む、[1]に記載の方法。
[5]
前記SSZ−31の構造を有し、その細孔中に2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含むゼオライト。
[6]
合成されたままで且つ無水形態で、以下のモル関係を含む組成を有する、[5]に記載のゼオライト。
【表7】

(式中、Qは2−エチル−N,N、N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)
[7]
合成されたままで且つ無水形態で、以下のモル関係を含む組成を有する、[5]に記載のゼオライト。
【表8】

(式中、Qは2−エチル−N、N、N−トリメチルブタン−1−アミニウムカチオンを含む。)
【実施例】
【0040】
以下の例示的な例は、非限定的であることを意図している。
【0041】
例1
オールシリカSSZ−31の合成
2.51gの脱イオン水、5.68gの14.88%の2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムヒドロキシド溶液及び3.00gのLUDOX(いずれかの国における登録商標)AS−30コロイドシリカをテフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、このライナーを封じ、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に置いた。その後、オートクレーブをオーブン内に置き、43rpmで回転させながら170℃で8日間加熱した。固体生成物を冷却した反応器から遠心分離により回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0042】
生成物の粉末XRDパターンを図1に示す。これは、生成物がSSZ−31であることに一致している。
【0043】
図2は、合成されたままの生成物のSEM画像を示す。これは、結晶の一様な視野を示している。
【0044】
例2
オールシリカSSZ−31の合成
21.38gの脱イオン水、15.15gの14.88%の2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムヒドロキシド溶液及び14.00gのLUDOX(いずれかの国における登録商標)AS−30コロイドシリカをテフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、このライナーを封じ、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に置いた。その後、オートクレーブをオーブン内に置き、43rpmで回転させながら170℃で9日間加熱した。固体生成物を冷却した反応器から遠心分離により回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0045】
得られたゼオライト生成物は、粉末XRD及びSEMにより、純粋なケイ酸塩SSZ−31ゼオライトとして同定された。
【0046】
例3
アルミノケイ酸塩SSZ−31の合成
3.20gの脱イオン水、4.87gの14.88%の2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムヒドロキシド溶液、3.00gのLUDOX(いずれかの国における登録商標)AS−30コロイドシリカ及び8mgのReheis F−2000水和アルミナをテフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、このライナーを封じ、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に置いた。その後、オートクレーブをオーブン内に置き、43rpmで回転させながら170℃で10日間加熱した。固体生成物を冷却した反応器から遠心分離により回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0047】
得られたゼオライト生成物は、粉末XRD及びSEMにより、純粋なアルミノケイ酸塩SSZ−31ゼオライトとして同定された。
【0048】
ICP元素分析により決定したところ、生成物は367のSiO/Alモル比を有していた。
【0049】
例4
アルミノケイ酸塩SSZ−31の合成
2.50gの脱イオン水、5.68gの14.88%の2−エチル−N,N,N−トリメチルブタン−1−アミニウムヒドロキシド溶液、3.00gのLUDOX(いずれかの国における登録商標)AS−30コロイドシリカ及び15mgのReheis F−2000水和アルミナをテフロン(登録商標)ライナー中で一緒に混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、このライナーを封じ、Parr鋼製オートクレーブ反応器内に置いた。その後、オートクレーブをオーブン内に置き、43rpmで回転させながら170℃で12日間加熱した。固体生成物を冷却した反応器から遠心分離により回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0050】
得られたゼオライト生成物は、粉末XRD及びSEMにより、純粋なアルミノケイ酸塩SSZ−31ゼオライトとして同定された。
【0051】
例5
SSZ−31のか焼
例1の合成されたままの生成物の一部を以下の手順に従ってか焼した。ゼオライトを、マッフル炉内にて595℃に加熱された空気流下で1℃/分の速度でか焼し、595℃で5時間維持した。粉末XRDパターンを図3に示す。これは、有機構造規定剤を除去するためのか焼後、材料が安定なままであることを示している。
【0052】
か焼した試料を、吸着質としてNを使用し、B.E.T.法によって、ミクロ細孔容積分析にかけた。ゼオライトは、0.11cm/gのミクロ細孔容積を示した。
図1
図2
図3