特許第6963646号(P6963646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963646
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】金属材料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F27B 14/16 20060101AFI20211028BHJP
   F27D 3/10 20060101ALI20211028BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   F27B14/16
   F27D3/10
   F27D21/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-39789(P2020-39789)
(22)【出願日】2020年3月9日
(65)【公開番号】特開2021-139595(P2021-139595A)
(43)【公開日】2021年9月16日
【審査請求日】2020年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100805
【氏名又は名称】アイシン高丘株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】井上 聖二
【審査官】 鈴木 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−067307(JP,A)
【文献】 特開平07−260364(JP,A)
【文献】 実開平05−040797(JP,U)
【文献】 特開2009−155162(JP,A)
【文献】 特開平06−218532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 14/00−14/20
F27D 3/00− 3/18
F27D 19/00
F27D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶解炉に併設された金属材料供給装置であって、
前記金属溶解炉が有する坩堝に供給される金属材料を搬送する材料搬送部と、
前記材料搬送部の端部に設けられ、前記材料搬送部によって搬送された金属材料が排出される材料排出口と、
前記材料排出口が前記坩堝の上方に配置されて前記坩堝に金属材料を供給可能な材料供給位置と、そこから後退した後退位置との間で、前記材料搬送部を移動させる移動機構と、
前記坩堝に供給されて前記坩堝内に積み上がった金属材料について、その積み上がりの状況を検出する材料検出部と、
前記材料検出部による検出値に基づいて、前記材料搬送部による材料搬送動作を制御する材料搬送制御部と、
を備えたことを特徴とする金属材料供給装置。
【請求項2】
前記材料検出部は、前記坩堝内に積み上がった金属材料の上端部の高さを検出することを特徴とする請求項1に記載の金属材料供給装置。
【請求項3】
前記材料搬送制御部は、所定範囲内の前記検出値が所定時間継続して検出された場合に、棚吊り状態にあると判断して前記材料搬送部による材料搬送動作を停止させることを特徴とする請求項2に記載の金属材料供給装置。
【請求項4】
前記材料検出部は、
マイクロ波を発信するとともに、前記金属材料に当たって反射した前記マイクロ波の反射波を受信する検出本体と、
鉛直方向の下方に向けて開口し、前記検出本体から発信されるマイクロ波を前記開口から下方に向けて照射するとともに、前記開口に反射波を導入する中空アンテナと、
を有し、
前記検出本体は前記材料搬送部の上方に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の金属材料供給装置。
【請求項5】
前記中空アンテナの前記開口から気体を排出させるべく、前記中空アンテナの内部に気体を供給する気体供給部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の金属材料供給装置。
【請求項6】
前記材料排出口を開閉する開閉板と、
前記開閉板を支持する支持アームを回動させて、前記材料排出口を閉じる閉位置と、前記材料排出口の上方に配置されて前記材料排出口を開く開位置とに移動させるアーム回動機構と、
を備え、
前記検出本体は前記開位置における前記開閉板よりも後方に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の金属材料供給装置。
【請求項7】
前記中空アンテナは、前記材料排出口の前方において上下に延び、下端に前記開口が設けられており、
前記開閉板は、前記材料排出口と前記中空アンテナとの間で、前記材料排出口の正面視において左右方向に延びる吊下げ軸部に対して回動可能に吊り下げ支持されており、
前記開閉板の前方には、前記開閉板が前方へ回動して前記中空アンテナと衝突する前に前記開閉板の回動を係止する係止部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の金属材料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属溶解炉に金属材料を供給する金属材料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属の溶湯を鋳型に流し込んで鋳造品を製造する鋳造では、金属溶解炉を用いて金属材料を溶解させている。金属溶解炉では、坩堝内の金属材料に誘導電流を発生させて加熱する誘導炉方式が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
金属溶解炉には、鋳造ごとに必要となる量の金属材料を計量して坩堝に供給する金属材料供給装置が併設されている。金属材料供給装置が併設されることにより、金属材料供給、金属材料加熱、溶湯の移し替え等よりなる鋳造サイクルが確立されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−164960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
坩堝内に金属材料が投入されても、瞬時に金属材料が溶解するわけではなく、溶解にはある程度の時間を要する。そのため、金属材料供給装置から坩堝への金属材料の供給は、坩堝での金属材料の溶解状況に合わせて行わないと、必要な時に必要な量の金属材料を供給ができず、誘導炉の消費電力の浪費などが生じてコストの増加を招く要因となる。
【0006】
そこで、本発明は、適時かつ効率的に金属材料を金属溶解炉に供給できる金属材料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明では、
金属溶解炉に併設された金属材料供給装置であって、
前記金属溶解炉が有する坩堝に供給される金属材料を搬送する材料搬送部と、
前記材料搬送部の端部に設けられ、前記材料搬送部によって搬送された金属材料が排出される材料排出口と、
前記材料排出口が前記坩堝の上方に配置されて前記坩堝に金属材料を供給可能な材料供給位置と、そこから後退した後退位置との間で、前記材料搬送部を移動させる移動機構と、
前記坩堝に供給されて前記坩堝内に積み上がった金属材料について、その積み上がりの状況を検出する材料検出部と、
前記材料検出部による検出値に基づいて、前記材料搬送部による材料搬送動作を制御する材料搬送制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
第2の発明では、前記材料検出部は、前記坩堝内に積み上がった金属材料の上端部の高さを検出することを特徴とする。
【0009】
第3の発明では、前記材料搬送制御部は、所定範囲内の前記検出値が所定時間継続して検出された場合に、棚吊り状態にあると判断して前記材料搬送部による材料搬送動作を停止させることを特徴とする。
【0010】
第4の発明では、
前記材料検出部は、
マイクロ波を発信するとともに、前記金属材料に当たって反射した前記マイクロ波の反射波を受信する検出本体と、
鉛直方向の下方に向けて開口し、前記検出本体から発信されるマイクロ波を前記開口から下方に向けて照射するとともに、前記開口に反射波を導入する中空アンテナと、
を有し、
前記検出本体は前記材料搬送部の上方に設けられていることを特徴とする。
【0011】
第5の発明では、前記中空アンテナの前記開口から気体を排出させるべく、前記中空アンテナの内部に気体を供給する気体供給部を備えたことを特徴とする。
【0012】
第6の発明では、
前記材料排出口を開閉する開閉板と、
前記開閉板を支持する支持アームを回動させて、前記材料排出口を閉じる閉位置と、前記材料排出口の上方に配置されて前記材料排出口を開く開位置とに移動させるアーム回動機構と、
を備え、
前記検出本体は前記開位置における前記開閉板よりも後方に配置されていることを特徴とする。
【0013】
第7の発明では、
前記中空アンテナは、前記材料排出口の前方において上下に延び、下端に前記開口が設けられており、
前記開閉板は、前記材料排出口と前記中空アンテナとの間で、前記材料排出口の正面視において左右方向に延びる吊下げ軸部に対して回動可能に吊り下げ支持されており、
前記開閉板の前方には、前記開閉板が前方へ回動して前記中空アンテナと衝突する前に前記開閉板の回動を係止する係止部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、坩堝に供給されて坩堝内に積み上がった金属材料の状況、例えば、金属材料の積み上がりの高さや積み上がりの形状等を確認し、積み上がりの状況に不具合が生じた場合は材料搬送、供給動作を一時停止し、状況が改善された場合は材料搬送、供給動作を再開する制御を行うなど、坩堝内での金属材料の状況に応じた材料供給を自動で行える。これにより、金属材料を適時かつ効率的に坩堝へ供給することができ、金属材料の溶解に必要なコストを低減できる。
【0015】
第2の発明によれば、積み上がった金属材料の上端部の高さを検出することで、坩堝内に積み上がった金属材料の状況が検出される。積み上がり高さの検出であれば距離センサ等を用いて容易に状況を検出でき、また、距離センサ等であれば既存の金属材料供給装置に後付けすることも可能となるため、金属材料供給装置のコスト増加も抑制できる。
【0016】
第3の発明によれば、材料高さの変位を監視し、棚吊り状態にあると判断した場合に金属材料の搬送動作が停止される。これにより、棚吊り異常の発生を見落として、金属溶解炉の坩堝内の温度が異常に上昇し、各種の不具合が発生することを防止できる。
【0017】
第4の発明によれば、材料搬送部が材料供給位置に配置された場合に、材料検出部の検出本体が金属溶解炉と隔離されるとともに、両者の間に材料搬送部が介在することとなり、金属溶解炉から発せられる輻射熱が材料搬送部によって遮られる。これにより、検出本体を輻射熱から保護することができる。
【0018】
第5の発明によれば、材料搬送部が材料供給位置に配置され、材料検出部が坩堝の上方に配置された場合に、中空アンテナの内部に供給された気体が当該中空アンテナの開口から下方に向けて気体が排出される。これにより、坩堝から立ち上るヒュームや粉塵が中空アンテナの開口に入り込み、中空アンテナ内部に堆積してマイクロ波の発信や反射波の導入に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0019】
第6の発明によれば、材料排出口を開閉する開閉板が設けられているため、材料搬送動作が停止された場合に開閉板で材料排出口を閉じるようにすれば、金属材料が意図せず落下して材料供給されることを防止できる。また、開位置にある開閉板よりも後方に材料検出部の検出本体が配置されているため、材料搬送部が材料供給位置に配置された場合に、開閉板を開位置に移動させれば、金属溶解炉から発せられる輻射熱が開閉板によって遮られる。これにより、開閉板は検出本体を輻射熱から保護する機能も有している。
【0020】
第7の発明によれば、支持アームの回動により開閉板が閉位置と開位置との間を移動する場合に、回動可能に吊下げ支持された開閉板が前方へ回動しようとすると、係止部によってその回動が係止される。これにより、開閉板の回動時に当該開閉板が材料検出部の中空アンテナに衝突して中空アンテナが破損することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】金属材料供給装置を示す側面図。
図2】排出口開閉機構を拡大して示す拡大側面図。
図3】排出口開閉機構を示す斜視図。
図4】金属材料供給装置の電気的構成を示すブロック図。
図5】材料供給制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示すように、金属材料供給装置30は、金属溶解炉10に併設されている。金属溶解炉10は誘導加熱方式のものであり、坩堝11と、誘導コイル12とを有している。坩堝11は有底筒状をなす容器であり、その上端部には上方に向けて開口する開口部11aを有している。開口部11aから内部に金属材料が供給される。供給された金属材料は、加熱されることによって内部で溶解され、溶湯化する。溶湯は坩堝11の内部で貯留される。誘導コイル12は、坩堝11の円筒状部分の周囲を囲うように設けられている。誘導コイル12に交流電流を流すことにより、坩堝11内に供給された金属材料は誘導加熱される。
【0024】
坩堝11の上端部には注ぎ口11bが設けられている。注ぎ口11bは、開口部11aから側方に向けて突出している。坩堝11は、当該坩堝11を傾斜させる傾斜機構(図示略)を有しており、坩堝11の内部で貯留された溶湯は、傾斜機構によって坩堝11が傾けられると、注ぎ口11bから注湯容器(図示略)へ移し替えられる。
【0025】
金属材料供給装置30は、上記金属溶解炉10の坩堝11に金属材料を供給するために設けられる。金属材料供給装置30は、図1に示すように、当該金属材料供給装置30の移動ステージ21の上面において、一方向に(図1における左右方向に)移動可能に設けられている。金属材料供給装置30は、金属溶解炉10に近づく方向(図1の右方向)と、金属溶解炉10から後退して離間する方向(図1の左方向)との間で移動する。以下の説明では、金属材料供給装置30の移動方向を装置移動方向とし、金属溶解炉10に近づく方向を前、金属溶解炉10から離間する方向を後とする。図1では、後方向の移動端に移動して、後退位置に配置された金属材料供給装置30が実線で示されている。一方、前方向の移動端に移動して、材料供給位置に配置された金属材料供給装置30の前端部が仮想線で示されている。
【0026】
移動ステージ21の上面には、金属材料供給装置30の装置移動方向から見て左右に1つずつ、金属材料供給装置30の移動を案内する案内溝22が設けられている。移動ステージ21の上面の高さは、金属溶解炉10の上端部と同程度の高さレベルとなっている。これにより、金属材料供給装置30から坩堝11の開口部11aへ当該開口部11aの上方から金属材料を供給することが可能となっている。
【0027】
金属材料供給装置30は、大まかには、装置基部32と、材料供給部33とを備えて構成されている。装置基部32は材料供給部33を支え、材料供給部33は計量された分量の金属材料を保持しつつそれを前方の材料排出口57に向けて搬送する。
【0028】
装置基部32は、平面視において矩形状をなす基部フレーム41を有している。基部フレーム41は、4つの車輪42,43を有している。車輪42,43は、装置移動方向から見て左右に1つずつ設けられている。図1は側面図であるため、前後の2つの車輪42,43が示されている。なお、車輪42,43の数は任意である。左右それぞれの車輪42,43は、移動ステージ21の上面に設けられた案内溝22とかみ合っている。装置基部32は、各車輪42,43により、案内溝22に沿って装置移動方向に移動することが可能となっている。なお、案内溝22に代えて、移動ステージ21の上面に案内レールを設置して当該案内レールに車輪42,43を載せてもよい。
【0029】
装置基部32は、移動用駆動装置34を有している。移動用駆動装置34は電動モータを主体とする駆動源を有し、後ろ側に設けられた一対の車輪43を駆動輪として駆動する。当該車輪43が駆動することにより、金属材料供給装置30は装置移動方向に沿って移動する。金属材料供給装置30を移動させる移動機構は、案内溝22、車輪42,43及び移動用駆動装置34等によって構成されている。
【0030】
材料供給部33は、装置基部32の上に設置されている。材料供給部33はホッパ51と、材料送出し部52とを有している。
【0031】
ホッパ51は金属材料を貯留するための容器であり、その上部は開放されている。金属材料供給装置30が後退位置にある場合に、ホッパ51の上部開放部分から予め設定された量の金属材料が投入されてホッパ51に収容される。ホッパ51に収容された金属材料は、ホッパ51の下端に設けられた下端開口部から落下する。ホッパ51は、基部フレーム41に立設された支持フレーム53によって装置基部32の上に設置されている。
【0032】
材料送出し部52は、ホッパ51の下方に設けられている。材料送出し部52はオシレートコンベア(振動コンベア)であり、ホッパ51に供給された金属材料を送り出す機能を有している。材料送出し部52は、振動トラフ54と、加振装置55と、防振ばね56と、排出口開閉機構58と、マイクロ波レベル計71と、空検知センサ79とを有している。
【0033】
振動トラフ54は装置移動方向からみて略U字状をなす樋であり(図3参照)、ホッパ51の下端開口部の下方からその前方に至るまで設けられている。ホッパ51の下端開口部から落下した金属材料は、振動トラフ54の内底面54aの上に載せられる。振動トラフ54の前端は、装置基部32の前端よりも前方に突出している。振動トラフ54は、後ろ側から前側にかけて、後ろ側よりも前側が下となるように傾斜している。加振装置55は電動モータを主体に構成され、ホッパ51の下方において、振動トラフ54に設置されている。加振装置55が稼働することにより振動トラフ54は振動し、それにより、振動トラフ54の内底面54a上に載せられている金属材料が前方に向かって搬送される。振動トラフ54は材料搬送部に相当する。
【0034】
防振ばね56は、装置基部32の基部フレーム41に対して振動トラフ54を上下の弾性変位可能に支持する防振用のコイルスプリングである。防振ばね56は、基部フレーム41の前端部と後端部とにそれぞれ設けられている。
【0035】
振動トラフ54の前端部は前方に向けて開口し、その開口部が材料排出口57となっている。振動トラフ54の振動によって前方に搬送された金属材料は、材料排出口57から排出される。排出された金属材料は、材料排出口57からその下方に落下する。金属材料供給装置30が材料供給位置に移動すると、材料排出口57は坩堝11の開口部11aの上方に配置され、金属材料の供給が可能となる。当該位置において、金属材料が材料排出口57から排出されて落下すると、坩堝11の内部に供給される。
【0036】
図2に、マイクロ波レベル計71を省略した拡大図を示すように、排出口開閉機構58は、材料排出口57を開閉するために当該材料排出口57近傍に設けられている。排出口開閉機構58は、開閉板61と、一対の支持アーム62と、アーム回動機構64とを有している。
【0037】
図2及び図3に示すように、開閉板61は、材料排出口57の周縁に当接して当該材料排出口57を閉じている。この状態が閉状態であり、開閉板61の配置位置を閉位置とする。開閉板61の前面には一対のリブ61aが設けられ、補強されている。開閉板61が閉位置に配置されて材料排出口57を閉状態にすると、材料排出口57から金属材料が排出されることが防止される。なお、開閉板61が閉状態にある場合は、振動トラフ54の振動も停止される。
【0038】
一対の支持アーム62は、装置移動方向から見た左右にそれぞれ1つずつ設けられている。図1及び図2は側面視であるため、両図には一方の支持アーム62のみが示されている。図2及び図3に示すように、一対の支持アーム62は後ろ側から前側にかけて、後ろ側よりも前側が下となるように傾斜して延びている。両支持アーム62の前端部において、両支持アーム62同士の間には、開閉板61を吊り下げる吊下げ軸部63が設けられている。吊下げ軸部63は、装置移動方向に対して直交する方向(図2の紙面に直交する方向)、つまり材料排出口57を正面視した場合の左右方向に延びている。吊下げ軸部63には、軸線方向を中心として開閉板61が回動可能となるように吊下げ支持されている。この場合、開閉板61は閉位置に配置されている。
【0039】
図2に示すように、アーム回動機構64は、各支持アーム62の後端側に設けられている。アーム回動機構64は、装置移動方向に対して直交する方向に延びるアーム回動軸65と、アーム回動軸65の回動駆動源66とを有している。アーム回動軸65は、振動トラフ54に設けられた回動支持部67に回動可能に設けられている、各支持アーム62は、アーム回動軸65と回動不能に連結されている。回動駆動源66はシリンダであり、シリンダのロッド66aの出没によってアーム回動軸65を回動させるリンク機構68が設けられている。
【0040】
回動駆動源66の駆動により、図2に示すように、一対の支持アーム62はアーム回動軸65を中心に両者同期しながら回動する。開閉板61が閉位置にある場合、前述したように、一対の支持アーム62は後ろ側から前側にかけて下向きに傾斜している。その状態から水平状態となるまで一対の支持アーム62を回動させると、吊下げ軸部63は弧を描くように上方へ移動する。図2を基準とすれば、この時、一対の支持アーム62は左回転している。支持アーム62の回動により、吊下げ軸部63に回動可能に吊り下げられた開閉板61は、その自重によって吊下げ軸部63に吊り下げられた状態を維持しながら追従し、材料排出口57の斜め上方に配置される。材料排出口57が開放されているこの状態が開状態であり、その配置位置を開位置とする。開閉板61が開位置に配置されて材料排出口57を開状態にすると、材料排出口57から金属材料の排出が可能となる。
【0041】
各支持アーム62において、吊下げ軸部63が設けられた箇所よりも先には、当該先から若干延長された延長部62aが一体的に設けられている。各延長部62aは、当該延長部62aと支持アーム62とでV字状をなすように設けられている。図2及び図3に示すように、両延長部62a同士の間には、開閉板61の前方において、水平方向に延びる係止バー69が掛け渡されている。両支持アーム62の回動により開閉板61が閉位置と開位置との間を移動する場合に、開閉板61が前方へ回動しようとするとこの係止バー69にその回動が係止され、さらなる前方へ回動することが防止される。これにより、開閉板61が吊下げ軸部63から鉛直方向に垂れ下がった状態が維持される。係止バー69は係止部に相当する。
【0042】
図1に戻り、マイクロ波レベル計71は、坩堝11の開口部11aに投入されて積み上がった金属材料の高さを検出する。マイクロ波レベル計71は材料検出部に相当する。マイクロ波は、レーザや超音波と異なり、坩堝11の開口部11aから立ち上がるヒュームや粉塵を透過し、それらに反射することがないため、安定した計測値が得られる。マイクロ波レベル計71は、レベル計本体72と、導波管73と、中空アンテナ74とを有している。
【0043】
レベル計本体72は、マイクロ波を生成するとともに、反射波を受信して金属材料のレベル(高さ)を測定する。レベル計本体72は、検出本体に相当する。振動トラフ54の前端側には、材料排出口57よりも後ろ側であって振動トラフ54の上方において、水平な設置板75が設けられている。レベル計本体72はこの設置板75の上に設置されている。材料排出口57を開閉する開閉板61が開位置に配置された場合には、開閉板61は設置板75の斜め下に配置される。レベル計本体72は耐熱性素材よりなるボックス76に収容されている。
【0044】
導波管73は、レベル計本体72から発信されたマイクロ波を中空アンテナ74まで送信するとともに、中空アンテナ74に導入された反射波をレベル計本体72に送信する。導波管73は、レベル計本体72の前面から前方に突出するとともに、材料排出口57が設けられた振動トラフ54の前端よりも前方において90度曲げられ、先端部は鉛直方向の下方向を向いている。
【0045】
中空アンテナ74は円錐台形状をなすホーンアンテナであり、小径部分が導波管73の先端に取り付けられている。中空アンテナ74は、材料排出口57を開閉する排出口開閉機構58を構成する開閉板61及び係止バー69よりも前方において、当該開閉板61及び当該係止バー69から離間して、鉛直方向に延びている。中空アンテナ74の下端の拡径部分は、鉛直方向の下向きの導波開口77となっている。中空アンテナ74は、材料排出口57を装置移動方向から見た場合において、矩形状をなす材料排出口57の左右中央部に配置されている。また、金属材料供給装置30が材料供給位置に配置されると、中空アンテナ74は、導波開口77の開口中心を含む中心軸線Cが、坩堝11の開口部11aの中心軸線Cと一致する。なお、中空アンテナ74は角錐台形状等であってもよい。
【0046】
導波管73を通じてレベル計本体72から送信されたマイクロ波は、導波開口77から下方向に向けて照射される。また、照射されたマイクロ波が下方の測定対象に反射した反射波は導波開口77に導入され、導波管73を通じてレベル計本体72に送信される。マイクロ波レベル計71は、積み上がった金属材料の頂上部分(上端部)と、導波開口77との間の距離を計測する。
【0047】
中空アンテナ74には、導波管73を介してパージエアが導入される。装置基部32の後端部には、エアコンプレッサ78が搭載されている。エアコンプレッサ78で生成された圧縮エアは、エア供給配管(図示略)から導波管73を通じて中空アンテナ74の内部に送られる。送られた圧縮エアは、パージエアとして導波開口77から下方に向けて排出される。エアコンプレッサ78、エア供給配管及び導波管73によって気体供給部が構成されている。
【0048】
空検知センサ79はレーザ式の距離センサであり、マイクロ波レベル計71が設けられた設置板75の上に、マイクロ波レベル計71の後方に設けられている。空検知センサ79は、材料排出口57よりも若干後方側の箇所との間の距離を計測する。その計測結果は、振動トラフ54から金属材料がすべて坩堝11に供給されて振動トラフ54が空となったか否かの判断に用いられる。
【0049】
次に、金属材料供給装置30の電気的構成について説明する。図4に示すように、金属材料供給装置30は、制御装置81を有している。制御装置81は、装置制御部82と、記憶部83と、キーボード等の情報入力部84と、液晶モニタ等の表示部85とを有している。装置制御部82はCPU等で構成されるマイクロコンピュータであり、材料搬送制御部に相当する。装置制御部82は、記憶部83と、情報入力部84と、表示部85とにそれぞれ接続されている。
【0050】
装置制御部82は、移動用駆動装置34、加振装置55、排出口開閉機構58におけるアーム回動軸65の回動駆動源66及びエアコンプレッサ78並びにマイクロ波レベル計71及び空検知センサ79とも接続されている。装置制御部82は、これら各装置の駆動を制御することにより、金属材料供給装置30の移動、振動トラフ54による金属材料の搬送、材料排出口57の開閉をそれぞれ制御する。金属材料を坩堝11の開口部11aに供給する場合には、マイクロ波レベル計71によって検出された材料高さ値と、空検知センサ79からの距離計測値とが装置制御部82に逐次入力される。
【0051】
記憶部83には、装置制御部82が行う制御処理の実施プログラム、材料高さ値の上限値及び下限値、棚吊り異常監視時間、棚吊り異常判定値等が記憶されている。材料高さ値の上限値及び下限値、棚吊り異常監視時間、棚吊り異常判定値は、それぞれ情報入力部84と表示部85に表示された設定画面を用いて、任意に設定される。マイクロ波レベル計71から逐次入力される材料高さ値も、この記憶部83に記憶される。
【0052】
ここで、棚吊り状態とは、炉内で材料を溶解させる場合に生じ得る問題として一般的に知られているものであり、金属材料が坩堝11内で溶解する際に、炉内の壁面に金属材料が引っ掛かり、落下しないまま滞留して蓋をしたような状態に陥ることを意味している。材料高さの変位が棚吊り異常判定値(例えば5mm)の範囲内であることが棚吊り異常監視時間(例えば60秒)を超えて継続した場合は、棚吊り状態にあると判定するように設定される。
【0053】
情報入力部84及び表示部85は、それらの機能を備えた周知の装置が用いられる。例えば、ボタン式の入力装置とディスプレイとであってもよいし、両者の機能を兼ね備えたタッチパネル式ディスプレイとしてもよい。
【0054】
次に、制御装置81の装置制御部82が実行する材料供給制御処理について、図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、この制御処理をスタートするにあたっては、金属材料供給装置30は後退位置にあり、ホッパ51にはすでに金属材料が供給されているものとする。
【0055】
図5に示すように、ステップS101において、移動用駆動装置34を駆動して金属材料供給装置30を後退位置から前方へ移動させ、材料供給位置で停止させる。材料供給位置では、坩堝11の中心軸線上に、マイクロ波レベル計71が有する中空アンテナ74の導波開口77が配置される。また、材料排出口57は、中空アンテナ74よりも後方において、坩堝11の開口部11aの上方に配置されている。この時、併せてエアコンプレッサ78を駆動して、マイクロ波レベル計71の導波管73にパージエアを導入し、導波開口77から下方に向けて排出される状態とする。
【0056】
次のステップS102では、金属材料の供給開始処理を行う。供給開始処理では、排出口開閉機構58におけるアーム回動軸65の回動駆動源66を駆動し、支持アーム62を回動させて開閉板61を開位置に配置し、材料排出口57を開放する。支持アーム62の回動に伴って開閉板61が前方へ回動しようとすると、係止バー69によってその回動が係止され、中空アンテナ74との衝突が防止される。併せて、加振装置55を駆動し、振動トラフ54を振動させて金属材料を前方へ搬送する。これにより、金属材料は材料排出口57から落下し、坩堝11内への供給が開始される。
【0057】
次のステップS103では、坩堝11内で積み上がった金属材料の材料高さの検出結果に基づいて、材料高さが上限値を超えたか否かを判定する。上限値を超えていない場合は判定を否定して、ステップS104に進む。
【0058】
ステップS104では、金属材料の材料高さの検出結果に基づいて、棚吊り異常が発生しているか否かを判定する。この場合、材料高さの変位が棚吊り異常判定値の範囲内であることが棚吊り異常監視時間を超えて継続したときに、棚吊り状態にあると判断する。棚吊り異常が発生していないと判断された場合は判定を否定し、次のステップS105に進む。
【0059】
ステップS105では、材料排出口57の手前部分との距離計測結果に基づいて、金属材料が坩堝11にすべて供給されて振動トラフ54が空となっているか否かを判定する。材料排出口57の手前部分に金属材料が存在している場合は、いまだ金属材料の供給が完了していないとして判定を否定し、先のステップS103に戻る。一方、振動トラフ54から金属材料が無くなって空となっていると判断された場合は判定を肯定し、ステップS106に進む。
【0060】
ステップS106では、金属材料の供給停止処理を行う。金属材料の供給停止処理では、排出口開閉機構58の回動駆動源66を駆動して支持アーム62を逆方向に回動させ、開閉板61を閉位置に配置して材料排出口57を閉塞する。支持アーム62の回動に伴って開閉板61が前方へ回動しようとすると、係止バー69によってその回動が係止され、中空アンテナ74との衝突が防止される。その後、開閉板61による材料排出口57の閉塞状態を維持する。併せて、加振装置55の駆動を停止させ、材料搬送動作を停止させる。材料搬送動作を停止し、かつ材料排出口57を閉塞した後、移動用駆動装置34を駆動して、金属材料供給装置30を材料供給位置から後退位置に移動させる。その後、本処理を終了する。
【0061】
以上の処理により、材料高さが上限値を超えておらず、かつ振動トラフ54が空でなく金属材料が残っている間、開閉板61が開位置にある状態を維持しながら、加振装置55の駆動を継続し、金属材料の坩堝11への供給を継続する。そして、金属材料がすべて坩堝11に供給されて振動トラフ54が空になると、本処理を終了する。
【0062】
一方、先のステップS103において、材料高さが上限値を超えた場合は判定を肯定し、ステップS107に進む。ステップS107では、金属材料の供給一時停止処理を行う。供給一時停止処理では、前述したステップS106における供給停止処理と同じ処理を実行する。
【0063】
続いて、ステップS108に進み、坩堝11内で積み上がった金属材料の材料高さの検出結果に基づいて、材料高さが下限値を超えたか否かを判定する。下限値を超えていない場合は判定を否定して、材料高さが下限値を超えるまで判定を繰り返す。その間、金属材料の供給が一時停止された状態を継続する。一方、下限値を超えた場合は判定を肯定して次のステップS109に進む。
【0064】
ステップS109では、金属材料の供給再開処理を行う。供給再開処理では、ステップS102の供給開始処理と同じ処理を実行する。これにより、金属材料は材料排出口57から落下し、坩堝11内への供給が再開される。その後は、棚吊り異常が発生しているか否かを判定する前述のステップS104に進む。その後の処理は前述したとおりである。
【0065】
また、先のステップS104において、棚吊り異常が発生していると判断した場合は判定を肯定し、ステップS110に進む。ステップS110では、金属材料の供給一時停止処理を行う。供給一時停止処理では、前述したステップS106における供給停止処理と同じ処理を実行する。
【0066】
次のステップS111では、棚吊り異常が解消されたか否かを判定する。棚吊り異常を解消するための作業は作業員によって行われるため、異常解消作業を完了した作業員は、情報入力部84及び表示部85を用いて、異常完了操作を実施する。その異常完了操作が行われていない場合は、いまだ異常解消作業が行われているとして判定を否定し、異常完了操作が行われるまで判定を繰り返す。その間、金属材料の供給が一時停止された状態を継続する。そして、作業員によって異常完了操作が行われた場合は判定を肯定し、先のステップS105に戻る。その後の処理は前述したとおりである。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態の金属材料供給装置30によれば、次の作用効果を奏することができる。
【0068】
(1)坩堝11に供給された金属材料の積み上がりの状況を作業員が目視で確認する場合、作業員は材料投入以外の他の作業にも従事せざるを得ないことから、材料供給を再開するタイミングが遅れがちとなる。その場合、坩堝11への金属材料の供給作業の効率が悪化し、その分、誘導コイル12による加熱に必要な電力量も増加してコスト増加の要因となる。その点、本実施形態の金属材料供給装置30では、坩堝11に供給された金属材料の材料高さがマイクロ波レベル計71によって検出され、その検出値が上限値を超えた場合は材料供給動作が一時停止され、下限値を超えた場合は材料供給動作が自動的に再開される。これにより、金属材料を適時かつ効率的に坩堝11へ供給することができ、コストを低減できる。
【0069】
(2)坩堝11内で積み上がった金属材料の上端部の高さがマイクロ波レベル計71によって検出されることにより、積み上がりの状況が検出される。距離センサであるマイクロ波レベル計71を用いることで、積み上がりの状況を容易に検出できる。また、マイクロ波レベル計71であれば、既存の金属材料供給装置に後付けすることも可能となるため、金属材料供給装置30のコスト増加も抑制できる。
【0070】
(3)材料高さの変位を監視することで、棚吊り異常の発生を検知することが可能となる。棚吊り異常が検知された場合には、金属材料の供給を一時停止することにより、棚吊り異常の発生を見落として、金属溶解炉10の坩堝11内の温度が異常に上昇して各種の不具合が発生することを防止できる。
【0071】
(4)マイクロ波レベル計71のレベル計本体72は、材料排出口57よりも後ろ側であって振動トラフ54の上方に設けられている。レベル計本体72と金属溶解炉10とが隔離されるだけでなく、両者の間に振動トラフ54が介在することとなり、金属溶解炉10から発せられる輻射熱が振動トラフ54によって遮られる。これにより、レベル計本体72を輻射熱から保護することができる。それに加え、レベル計本体72は耐熱性素材よりなるボックス76に収容されているため、輻射熱からより一層の保護がされている。
【0072】
(5)金属材料供給装置30が材料供給位置に配置され、マイクロ波レベル計71が坩堝11の開口部11aの上方に配置された際に、マイクロ波レベル計71の導波管73にはパージエアが導入され、導波開口77から下方に向けて排出される。これにより、坩堝11の開口部11aから立ち上るヒュームや粉塵が導波開口77に入り込み、中空アンテナ74内部に堆積してマイクロ波の発信や反射波の導入に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0073】
(6)材料排出口57近傍には排出口開閉機構58が設けられ、開閉板61によって材料排出口57が開閉される。これにより、金属材料の材料高さが上限値を超えたために材料供給が一時停止された場合に、開閉板61で材料排出口57を閉じれば、金属材料が意図せず落下して材料供給されることを防止できる。また、開閉板61よりも後方にマイクロ波レベル計71のレベル計本体72が配置されているため、金属溶解炉10から発せられる輻射熱が開閉板61によって遮られる。これにより、開閉板61はレベル計本体72を輻射熱から保護する機能も有している。
【0074】
(7)排出口開閉機構58において、開閉板61は吊下げ軸部63に回動可能に吊下げ支持されるとともに、開閉板61の前方には係止バー69が設けられている。両支持アーム62の回動により開閉板61が閉位置と開位置との間を移動する場合に、開閉板61が前方へ回動しようとすると、係止バー69によってその回動が係止され、中空アンテナ74に衝突して中空アンテナ74が破損することを防止できる。
【0075】
なお、本発明は、上記実施の形態の金属材料供給装置30に限らず、例えば次のような構成を採用してもよい。
【0076】
(a)上記実施の形態では、材料検出部としてマイクロ波レベル計71が用いられている。これに代えて、ミリ波等の電波を用いたレベル計を用いてもよい。また、坩堝11内に積み上がった金属材料の状況検出は、材料高さを検出する以外の方法で行ってもよい。例えば、金属材料が積み上がる様子を画像で捉えることにより、金属材料の状況を検出すること等が考えられる。
【0077】
(b)上記実施の形態では、金属材料供給装置30を、装置基部32に設けられた後ろ側の車輪43を駆動輪として移動させるようにした。これに代えて、金属材料供給装置30の移動機構としては、例えば油圧シリンダのロッドに装置基部32を連結して当該ロッドを出没させる構成など、車輪付きの台車を移動させる構成を周知のもの任意に組み合わせ構成することができる。
【0078】
(c)上記実施の形態では、アーム回動機構64において、支持アーム62を回動させる回動駆動源66をシリンダとした。回動駆動源66としては、例えば電動モータ等を用いてもよい。
【0079】
(d)上記実施の形態では、材料送出し部52が振動トラフ54を備え、振動トラフ54を加振装置55で振動させることにより金属材料を材料排出口57に搬送するようにした。材料送り出しの機構は、ベルトコンベアを用いてもよい。また、振動トラフ54を用いる場合もベルトコンベアを用いる場合も、上記実施形態のように搬送面を傾斜させるのではなく、搬送面を水平にしてもよい。
【0080】
(e)上記実施の形態において、装置制御部82として、PLC(Programmable Logic Controller)を用いてもよい。
【0081】
(f)上記実施の形態では、装置制御部82とは別に設けられた記憶部83に各種情報を記憶させているが、例えば上記PLCのように、内部メモリを有するマイクロコンピュータを装置制御部82として用いた場合、記憶部83を省略してもよい。また、マイクロ波レベル計71から逐次入力される材料高さ値を、都度、記憶部83に記憶しないようにしてもよい。
【0082】
(g)上記実施の形態では、圧縮エアが導波管73にまず導入され、その後、導波管73を通じて中空アンテナ74の内部に供給される。これに代えて、中空アンテナ74に直接圧縮エアを供給してもよい。この場合、エアコンプレッサ78及びエア供給配管によって気体供給部が構成される。
【符号の説明】
【0083】
10…金属溶解炉、11…坩堝、30…金属材料供給装置、54…振動トラフ(材料搬送部)、57…材料排出口、61…開閉板、62…支持アーム、63…吊下げ軸部、64…アーム回動機構、68…係止バー(係止部)、71…マイクロ波レベル計(材料検出部)、72…レベル計本体(検出本体)、73…導波管(気体供給部)、74…中空アンテナ、77…導波開口(開口)、78…エアコンプレッサ(気体供給部)、82…装置制御部(材料搬送制御部)。
図1
図2
図3
図4
図5