【実施例1】
【0017】
図1〜4において本発明に係る薪割り装置1は、左右対向する一対の支柱部材2,3を具える支持台5と該支持台5に対して着脱可能に装着される鉈6とを具えている。左右一対の該支柱部材2,3には、該鉈6の刃体7を、該刃体7の一側部9に設けられている刃部10を上向きにしてその長さ方向の先端部11から挿入させ得る左右の挿入開口部12,13が設けられている。
【0018】
そして
図2〜3に示すように、該刃体7の前記先端部11側の部分15と該刃体7の基端部側の部分16が左右の該挿入開口部12,13に挿入されて、該刃体7が左右の前記支柱部材2,3間に架け渡され、この状態で、刃体7の他側縁17が左右の該挿入開口部12,13の底部19,20で支持される。かかる鉈装着状態21(
図2〜3) で、上向きの前記刃部10の上端22(刃先)8に薪23の下端25を当てて該薪23の上端26をハンマーで下方向に打圧することにより、該薪23を該刃体7で割ることができる。そして該薪割り作業が終了した後は、前記刃体7を左右の前記挿入開口部12,13から引き抜くことによって、前記鉈6を前記支持台5から取り外すことができる。該鉈6の装着時及び取り外し時における該鉈6の挿入方向及び引き抜き方向を、
図3に矢印F1,F2で示している。
【0019】
以下、これをより具体的に説明する。前記支持台5は本実施例においては全体が木製であり、左右対向する一対の支柱部材2,3が台座27に立設され、一対の該支柱部材2,3の下部間は連結部材29で連結されている。該連結部材29の上端部30は、
図2、
図5に示すように、該上端部30の前後の部分31,32が逆方向で下方に傾斜する山形状傾斜面33を呈しており、該山形状傾斜面33の頂部35が前記刃部19の略真下に位置する。
【0020】
そして、左右一対の該支柱部材2,3には、前記鉈6の前記刃体7を、該刃体7の前記一側部9に設けられている刃部10を上向きにしてその長さ方向の先端部11(
図1〜2)から挿入させ得る左右の前記挿入開口部12,13が設けられている。
図2〜3は、左右の該挿入開口部12,13に前記刃体7の前記先端側の部分15と前記刃体7の基端部側の部分16が挿入されて該刃体7が左右の前記支柱部材2,3間に架け渡された状態を示している。本実施例においては、左右の該挿入開口部12,13は前記刃体7の横断面形状に略合致させて設けられている。そのため該刃体7は、安定した架け渡し状態で前記一対の支柱部材2,3に保持され、前記刃部10の上端22が水平状態を呈している。該架け渡された状態で、前記のように、該刃体7の前記他側縁17が該挿入開口部12,13の底部19,20で支持される。
【0021】
本実施例においては、一対の前記支柱部材2,3が木製であるため、ハンマーによる前記打圧時に、左右の前記挿入開口部12,13の前記底部19,20に掛る衝撃によって該底部19, 20が変形する恐れがある。そこで本実施例においては、前記挿入開口部12,13の前記底部19,20に、前記刃体7の前記他側縁17を下方から支持する金属製の受片37,37を設けている。該受片37,37は、例えば、前記支柱部材2,3を貫通するボルト軸39を以って構成できる。そのために
図1、
図4に示すように、前記挿入開口部12,13の下側部位40で、前記支柱部材2,3を該挿入開口部12,13の幅方向(前後方向)に貫通する貫通孔41,41を設け、該貫通孔41,41に前記ボルト軸39,39を挿通させている。
【0022】
該貫通孔41,41の夫々に挿通されたボルト軸39,39の一端に設けられているボルト頭42,42は、
図4に示すように該貫通孔41,41の一方の端部の縁部分43に座金44を介して当接する一方、該ボルト軸39,39の他端部分45,45には、
図4に示すように、座金44を介してナット46,46が螺締され、これによって該ボルト軸39,39が前記支柱部材2,3に固定されている。該ボルト軸39,39の夫々の上端47,47は、前記挿入開口部12,13の底部19,20に存する。
【0023】
前記刃体7が左右の前記支柱部材2, 3間に架け渡され且つ該刃体7の前記他側縁17が前記挿入開口部12,13の底部19,20で支持された鉈装着状態21で、
図3に示すように、上向きの前記刃部10の上端22に薪23の下端25を当てて該薪23の上端26をハンマーで下方向に打圧すると、該薪23を該刃体7で割ることができる。この際における該打圧時の衝撃を前記ボルト39(前記受片37)で支持できるため、木製の前記支柱部材2, 3に設けられている前記挿入開口部12,13の底部19,20を保護できることとなる。
【0024】
本実施例においては前記したように、木製である前記左右の支柱部材2, 3の下部49, 49を補強するために、該支柱部材2, 3の下部49,49間が前記連結部材29で連結されている。該連結部材29は木製であり、その上端部30は、前記したように山形状傾斜面33を呈している(
図2、
図5)。該山形状傾斜面33は、本実施例においては二等辺三角形状の傾斜面として形成されており、その頂角は例えば60度に設定されている。
【0025】
該連結部材29の上端部30をかかる山形状傾斜面33として構成しているのは、前記薪23の長さが長い場合、
図5(A)に示すように、該薪23の下端側の、前記刃体7によって割られて開いた部分50に前記山形状傾斜面33を入り込ませて、該薪23の割れをより円滑に行わせるためである。この際における該山形状傾斜面33の前記打圧に伴う損傷を防止するために、
図5(B)に示すように、該山形状傾斜面32を、これに当接する山形状の鉄製等の金属製カバー片51で被覆するのがよい。
【0026】
図6は、左右の前記挿入開口部12,13で前記刃体7が支持され且つ前記刃部10の上端(刃先)22が、水平面に対して所要角度に傾斜した状態を示している。このように構成する場合、薪23の材質等に応じて最適の傾斜角度が得られるように、該刃部10の該上端22の傾斜角度を調節可能とするのがよい。該傾斜角度は、例えば30度までの角度に設定する。
図6はその一例を示すものであり、前記刃体7の基端部(鉈6の柄体52が存する側の端部)53を
図3に示す場合よりも高く位置させ、前記刃部10の上端22を前記先端部11に向けて下方に傾斜させた状態を示している。この傾斜角度の設定は、前記刃体7の基端部53と前記挿入開口部13(
図6における右側の挿入開口部)の底部20(
図1)との間に角度調整片を介在させたり、或いは、前記ボルト軸39等の前記受片37の上下位置を例えば2段階に高さ調整可能に構成する等して行うことができる。
【0027】
このように刃部10の上端22を傾斜状態にすると、前記薪23の上端26をハンマーで打圧したときに前記刃部10の前記上端22が該薪23の下端部分55に徐々に食い込むことになるため、薪割りをより円滑に行い得る利点がある。又このように刃部10の上端22を傾斜状態にすると前記鉈6は、上方に向けての抜け方向とは逆方向(
図6において矢印で示す方向)に重力が作用する姿勢で前記支持台5に装着されることとなるため、該鉈6を、より安定状態で前記支持台5に取り付けることができる。
【0028】
かかる構成を有する薪割り装置1を用いて行う薪割りは、
図3や
図6に示すように、薪23の下端25を鉈6の刃部10の上端22に乗せ、その後、該刃部10から遠い該薪23の上端26をハンマーで下方向に打圧するものであり、該打圧によって、該刃部10を該薪23の下端部分55に切り込ませて薪割りを行うものである。該薪割りは、この点で、重く且つ危険な鉈を片手で持ち該鉈の刃部を薪の上端に当てて薪割りを行う従来の鉈利用の薪割りとは明らかに異なる。
【0029】
図7〜8は、薪23を割る際において該薪23の上端26をハンマー56で打圧した状態の一例を示すものである。
図7における薪23は比較的長いものである。
図8における薪23は比較的短いものであり、この場合は、該薪23を持つ手57を前記支柱部材2, 3の何れか一方の上端59に載せることができるため、前記ハンマー56による打圧を、より安定状態で行うことができる。
【0030】
従って、キャンプ等の野外活動で薪割りを行う場合、小学校の低学年生であっても手が鉈の刃に触れることなく安全に薪割りでき、しかも簡易且つ能率的に薪割りを行うことができる。
【0031】
図3において矢印F2で示すように前記鉈6を引き抜くことによって、該鉈6を前記支持台5から取り外すことができる。従って本発明に係る前記薪割り装置1を運搬する際は、該薪割り装置1を、前記鉈6が取り外された支持台5(
図1)と、鞘に収容した鉈6とに分けて運搬できる。かかることから、該薪割り装置1を安全に運搬できることとなる。このように取り外された鉈6は、鉈単独でも、その本来の用途に使用できる。又、鉈6を取り外すことができるため、刃を研ぐことが容易である等、該薪割り装置1の手入れを容易に行うことができる利点がある。
【0032】
又本発明に係る薪割り装置1で用いる刃体7は、特殊な専用のものではなく入手し易い市販の鉈であるため、該薪割り装置の製造コストを低減できることとなる。又、手持ちの鉈を用いて薪割り装置を構成することも可能であり、この場合は、前記支持台5だけを購入すれば該支持台5に手持ちの鉈を組み合わせることによって薪割り装置1をより安価に構成できることとなる。
【0033】
本発明に係る薪割り装置1の構成は、次のように変更可能である。即ち、前記挿入開口部12,13の内の、前記刃体7の先端部11側の部分15が挿入される挿入開口部12は、その外端が閉じた開口部であってもよい。又、前記刃体7は前記挿入開口部12,13に安定状態に装着されるものであるが、その装着手段は、係合手段や押圧手段、保着手段等、刃体6を安全に固定できる各種手段を採用できる。又、前記鉈6は、前記実施例で示した片刃であることの他、両刃であってもよい。