(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
例えば石油に関しては、特約店と石油元売の間で、特約店が石油元売から仕入れることが可能な数量(仕入可能数量)が期間毎及び油種毎(例えば軽油、重油、灯油など)に決められている。この数量は「枠」と呼ばれている。本実施形態では、既に仕入済の数量を踏まえて、新規で登録するオーダ(仕入数量)が原因で枠をオーバーしないかチェックする機能(枠残チェック)を設ける。なお、枠が決まるのは、油種(品種)単位であって商品単位ではない。軽油を一例として挙げると、商品としては「未課税軽油」、「課税軽油」及び「寒冷地軽油」などに分かれるが、枠が決まるのは「軽油」単位である。
【0018】
灯油を一例として挙げると、本実施形態では、例えば以下の(1)および(2)の枠残チェックが実行される(
図1参照)。
(1)自社(例えば特約店など)の部署A(販売元)が得意先A(販売先)に、自社の購買部(仕入元)が仕入先(例えば元売など)から仕入れた灯油を直送で売り上げる場合に、部署Aが売り上げるための灯油を、当該仕入先から何リットル仕入れることができるかチェックする。
(2)自社の購買部が仕入先から灯油の倉入仕入(自社在庫となる仕入)を行う場合に、購買部が灯油を当該仕入先から何リットル仕入れることができるかチェックする。
【0019】
なお、本実施形態は、石油に限らず、例えばLLGなどのガスなどに対しても適用可能である。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る販売情報装置100の構成の一例について、
図2から
図4を参照して説明する。
図2は、販売情報装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
販売情報装置100は、販売情報システム(販売管理システム)が導入されている、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、販売情報装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
販売情報装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。販売情報装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、販売情報装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、販売情報装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやイントラネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、枠残管理(枠管理)マスタ106aと、計上済データテーブル106bとを備えている。なお、記憶部106は、後述する枠残チェックが発生したときの処理(例えば、チェックなし、警告、エラーなど)を設定するための基本情報マスタをさらに備えてもよい。
【0025】
枠残管理マスタ106aは、レコードを特定するための番号(連番)、仕入元又は売上元の事業所を特定するための事業所コード、仕入先を特定するための仕入先コード、品種を特定するための品種コード、適用開始日(日付)、適用終了日(日付)、及び枠数量などを含むテーブルである(
図3参照)。
【0026】
計上済データテーブル106bは、計上済みの売上データと仕入データを紐付けて管理するためのテーブルであり、レコードを特定するための番号(連番)、売上データ、及び仕入データなどを含むものである(
図4参照)。売上データは、直送売上や倉出売上といった売上区分、売上元の事業所を特定するための売上事業所コード、売上日、商品を特定するための商品コード、品種を特定するための品種コード、及び売上数量などを含む。仕入データは、直送仕入や倉入仕入といった仕入区分、仕入元の事業所を特定するための(仕入事業所コード、仕入先を特定するための仕入先コード、仕入日、商品を特定するための商品コード、品種を特定するための品種コード、及び仕入数量などを含む。
【0027】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0028】
制御部102は、販売情報装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、本発明の判定手段を含むデータ管理部102aを備えている。
【0029】
データ管理部102aは、売上入力画面や仕入入力画面等から情報を取得するデータ取得手段として機能する。例えば、データ管理部102aは、直送売上の計上を実行するとき、売上入力画面上の売上事業所コード、仕入先コード、品種コード、売上日、及び商品の計上数量を取得する。また、例えば、データ管理部102aは、倉入仕入の計上を実行するとき、仕入入力画面上の仕入事業所コード、仕入先コード、品種コード、仕入日、及び商品の計上数量を取得する。
【0030】
データ管理部102aは、売上入力画面や仕入入力画面などから取得した情報を用いて、枠残管理マスタ106aから、当該情報と一致する枠残設定情報(具体的には、適用開始日、適用終了日及び枠数量など)を取得するマスタ設定取得手段として機能する。なお、画面から取得した情報を条件として、当該条件に当てはまる枠残設定情報が枠残管理マスタ106aに登録されていない場合、後述する枠残チェックを含むこれ以降の処理は行わない。
【0031】
データ管理部102aは、売上入力画面や仕入入力画面などから取得した情報や枠残管理マスタ106aから取得した枠残設定情報を条件として、計上済データテーブル106bから、当該条件に一致する1つ又は複数の仕入数量を取得し、取得した仕入数量を集計する計上済データ取得手段として機能する。なお、倉入仕入データに対しては、仕入事業所を参照するが、直送仕入データに対しては、仕入事業所ではなく、当該データと紐付く売上データの売上事業所を参照する。
【0032】
データ管理部102aは、集計された実績の仕入数量(合計)と画面から取得した計上数量を加算して、チェック対象数量を取得するチェック対象数量取得手段として機能する。データ管理部102aは、取得したチェック対象数量が、取得した枠残設定情報に含まれる枠数量を超えているかチェック(枠残チェック)する枠残チェック手段として機能する。なお、データ管理部102aは、超えていれば、エラーを通知したり、実績の仕入数量と枠数量との差分を残数量として通知したりしてもよい。また、データ管理部102aは、超えていなければ、チェック対象数量と枠数量との差分を残数量として通知してもよい。
【0033】
データ管理部102aが実施する処理については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0034】
[3.処理の具体例]
本実施形態で実行される、売上入力時および仕入入力時の枠残チェック処理の具体例について、
図5から
図9等を参照して説明する。
【0035】
[3−1.売上入力での直送売上時の処理の具体例]
売上入力での直送売上時の処理の具体例について、
図5から
図7等を参照して説明する。
図5は、本実施形態における販売情報装置100のメイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
[ステップS1:データ取得]
明細画面(売上入力画面)上で数量などが確定したとき又はオペレータが登録ボタンとして機能するキーボード112のファンクションキーF11を押下したとき、データ管理部102aは、売上入力画面のヘッダ部(
図6参照)から、売上事業所コード及び売上日(日付)の情報を取得すると共に、売上入力画面の明細部(
図7参照)から、品種コード、数量及び仕入先コードの情報を取得する。なお、動作開始のタイミングは、例えば、数量確定時や登録ボタン押下時の他、伝票確定時などでもよい。荷姿管理を行う商品の場合でも、金額算出時には、売上入力画面の明細部に含まれる「数量」の項目を使用する(「荷数」の項目は使用しない)。また、仕入先コード決定前は枠残チェック不可のため、枠残チェックは実施されない。また、売上入力画面のヘッダ部において売上区分として「倉出売上」が設定されているときは、仕入先コードを指定できないため、必然的に枠残チェックは実施されない。また、新規モードでの登録のときは、登録ボタンとして機能するファンクションキーF11が押下されたときに最初のチェックがかかることになる。
【0037】
[ステップS2:マスタ設定取得]
データ管理部102aは、ステップS1で取得した売上事業所コード、売上日、品種コード及び仕入先コードに基づいて、枠残管理マスタ106aを参照して、下記条件に該当するマスタ設定(枠数量、適用開始日および適用終了日)を取得する。なお、下記条件に該当するマスタ設定が取得できない場合、データ管理部102aは、これ以降の処理は行わない(枠残チェックは行わない)。
(条件)
・枠残管理マスタ.事業所コード=画面.売上事業所コード
・枠残管理マスタ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・枠残管理マスタ.品種コード=画面.品種コード
・枠残管理マスタ.適用開始日≦画面.売上日≦枠残管理マスタ.適用終了日
【0038】
[ステップS3:計上済データ取得]
データ管理部102aは、ステップS1で取得した売上事業所コード、品種コード及び仕入先コード並びにステップS2で取得した適用開始日及び適用終了日に基づいて、計上済データテーブル106bを参照して、下記条件に該当する仕入数量の合計(計上済仕入数)を取得する。なお、倉入仕入データと直送仕入データで、事業所コードの条件を当てはめる対象が異なる。また、仕入数量について、マイナス値で登録されているものは、マイナス実績として集計する。また、「仕入値引」の区分等、数量実績の発生しない区分で登録されている明細の数量は省く。また、伝票修正時は修正中の伝票分のデータは除いて実績データを集計し、このステップ以降の処理に進む。
(条件:直送仕入データの場合)
・適用開始日≦仕入データ.仕入日≦適用終了日
・仕入データ.品種コード=画面.品種コード
・仕入データ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・前記3つの条件を満たす仕入データに紐づき且つ売上区分が直送売上となっている売上データ.売上事業所コード=画面.売上事業所コード
(条件:倉入仕入データの場合)
・適用開始日≦仕入データ.仕入日≦適用終了日
・仕入データ.品種コード=画面.品種コード
・仕入データ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・仕入データ.仕入事業所コード=画面.売上事業所コード
【0039】
[ステップS4:数量加算]
データ管理部102aは、ステップS3で取得した計上済仕入数と、ステップS1で取得した数量を加算して、ステップS5で用いるチェック対象数量を得る。なお、同一伝票内に同じ品種・仕入先の明細が既に登録されている場合は、その明細分の数量を含めてもよい。
【0040】
[ステップS5:枠残チェック]
データ管理部102aは、「ステップS2で取得した枠数量≦ステップS4で取得したチェック対象数量」の場合をチェックNG(エラー)とし、そうでない場合をチェックOKとする。
【0041】
以上、売上入力での直送売上時の処理の具体例について説明したが、同一伝票内に同じ枠条件となる明細が複数含まれている場合、その明細も含めて枠残チェックを行ってもよい。
【0042】
ここで、実例を挙げて説明すると、例えば、ステップS1で、売上入力画面のヘッダ部から売上事業所コード「100」及び売上日「20XX/9/15」が取得され、売上入力画面の明細部から2つの明細データ(商品コード「21000」、品種コード「20」、数量「300」及び仕入先コード「10001」を含む明細データaと、商品コード「31101」、品種コード「30」、数量「400」及び仕入先コード「10001」を含む明細データb)が取得された場合、明細データaに対しては、以下に示す(11)〜(14)の処理を経てチェックOKと判定され、明細データbに対しては、以下に示す(21)〜(24)の処理を経てチェックNGと判定される。
【0043】
(11)ステップS2では、
図3に示す枠残管理マスタ106a中の上から2行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる枠数量「1,500」、適用開始日「20XX/9/1」及び適用終了日「20XX/9/30」が取得される。
(12)ステップS3では、
図4に示す計上済データテーブル106b中の上から2行目と3行目のレコードが特定され、当該特定された2つのレコードに含まれる仕入数量「300」及び「400」の合計「700」が取得される。
(13)ステップS4では、ステップS1で取得された数量「300」と合計「700」が加算されてチェック対象数量「1,000」が得られる。
(14)ステップS5では、「枠数量「1,500」≧チェック対象数量「1,000」」が成立するのでチェックOKと判定される。
【0044】
(21)ステップS2では、
図3に示す枠残管理マスタ106a中の上から7行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる枠数量「500」、適用開始日「20XX/9/11」及び適用終了日「20XX/9/20」が取得される。
(22)ステップS3では、
図4に示す計上済データテーブル106b中の上から5行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる仕入数量「150」が合計として取得される。
(23)ステップS4では、ステップS1で取得された数量「400」と合計「150」が加算されてチェック対象数量「650」が得られる。
(24)ステップS5では、「枠数量「500」≦チェック対象数量「650」」が成立するのでチェックNGと判定される。
【0045】
また、例えば、ステップS1で、売上入力画面のヘッダ部から売上事業所コード「200」及び売上日「20XX/9/20」が取得され、売上入力画面の明細部から2つの明細データ(商品コード「11000」、品種コード「10」、数量「400」及び仕入先コード「10001」を含む明細データcと、商品コード「31101」、品種コード「30」、数量「400」及び仕入先コード「10001」を含む明細データd)が取得された場合、明細データcに対しては、以下に示す(31)〜(34)の処理を経てチェックNGと判定され、明細データdに対しては、ステップS2において
図3に示す枠残管理マスタ106aから枠数量が取得できないのでステップS3以降の処理は行われない。
【0046】
(31)ステップS2では、
図3に示す枠残管理マスタ106a中の上から12行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる枠数量「1,000」、適用開始日「20XX/9/1」及び適用終了日「20XX/9/30」が取得される。
(32)ステップS3では、
図4に示す計上済データテーブル106b中の上から6行目と12行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる仕入数量「400」と「300」の合計「700」が取得される。
(33)ステップS4では、ステップS1で取得された数量「400」と合計「700」が加算されてチェック対象数量「1,100」が得られる。
(34)ステップS5では、「枠数量「1,000」≦チェック対象数量「1,100」」が成立するのでチェックNGと判定される。
【0047】
以上で、[3−1.売上入力での直送売上時の処理の具体例]の説明を終了する。
【0048】
[3−2.仕入入力での倉入仕入時の処理の具体例]
仕入入力での倉入仕入時の処理の具体例について、
図5、
図8および
図9等を参照して説明する。なお、本説明では、[3−1.売上入力での直送売上時の処理の具体例]と同様の説明を省略する場合がある。
【0049】
[ステップS1:データ取得]
明細画面(仕入入力画面)上で数量などが確定したとき又はオペレータが登録ボタンとして機能するキーボード112のファンクションキーF11を押下したとき、データ管理部102aは、仕入入力画面のヘッダ部(
図8参照)から、仕入事業所コード、仕入日(日付)及び仕入先コードの情報を取得すると共に、仕入入力画面の明細部(
図9参照)から、品種コード及び数量の情報を取得する。
【0050】
[ステップS2:マスタ設定取得]
データ管理部102aは、ステップS1で取得した仕入事業所コード、仕入日、品種コード及び仕入先コードに基づいて、枠残管理マスタ106aを参照して、下記条件に該当するマスタ設定(枠数量、適用開始日および適用終了日)を取得する。
(条件)
・枠残管理マスタ.事業所コード=画面.仕入事業所コード
・枠残管理マスタ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・枠残管理マスタ.品種コード=画面.品種コード
・枠残管理マスタ.適用開始日≦画面.仕入日≦枠残管理マスタ.適用終了日
【0051】
[ステップS3:計上済データ取得]
データ管理部102aは、ステップS1で取得した仕入事業所コード、品種コード及び仕入先コード並びにステップS2で取得した適用開始日及び適用終了日に基づいて、計上済データテーブル106bを参照して、下記条件に該当する仕入数量の合計(計上済仕入数)を取得する。
(条件:直送仕入データの場合)
・適用開始日≦仕入データ.仕入日≦適用終了日
・仕入データ.品種コード=画面.品種コード
・仕入データ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・前記3つの条件を満たす仕入データに紐づき且つ売上区分が直送売上となっている売上データ.売上事業所コード=画面.仕入事業所コード
(条件:倉入仕入データの場合)
・適用開始日≦仕入データ.仕入日≦適用終了日
・仕入データ.品種コード=画面.品種コード
・仕入データ.仕入先コード=画面.仕入先コード
・仕入データ.仕入事業所コード=画面.仕入事業所コード
【0052】
ここで、実例を挙げて説明すると、例えば、ステップS1で、仕入入力画面のヘッダ部から仕入事業所コード「500」、仕入日「20XX/9/15」及び仕入先コード「10001」が取得され、仕入入力画面の明細部から2つの明細データ(商品コード「21000」、品種コード「20」及び数量「300」を含む明細データeと、品種コード「30」及び数量「400」を含む明細データf)が取得された場合、明細データeに対しては、以下に示す(41)〜(44)の処理を経てチェックOKと判定される。なお、明細データfに対しては、ステップS2において
図3に示す枠残管理マスタ106aから枠数量が取得できないのでステップS3以降の処理は行われない。
【0053】
(41)ステップS2では、
図3に示す枠残管理マスタ106a中の上から5行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる枠数量「1,500」、適用開始日「20XX/9/1」及び適用終了日「20XX/9/30」が取得される。
(42)ステップS3では、
図4に示す計上済データテーブル106b中の上から10行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる仕入数量「500」が合計として取得される。
(43)ステップS4では、ステップS1で取得された数量「300」と合計「500」が加算されてチェック対象数量「800」が得られる。
(44)ステップS5では、「枠数量「1,500」≧チェック対象数量「800」」が成立するのでチェックOKと判定される。
【0054】
また、例えば、ステップS1で、仕入入力画面のヘッダ部から仕入事業所コード「200」、仕入日「20XX/9/20」及び仕入先コード「10001」が取得され、仕入入力画面の明細部から商品コード「11000」、品種コード「10」及び数量「400」を含む明細データが取得された場合、以下の処理(51)〜(54)の処理を経てチェックNGと判定される。
【0055】
(51)ステップS2では、
図3に示す枠残管理マスタ106a中の上から12行目のレコードが特定され、当該特定されたレコードに含まれる枠数量「1,000」、適用開始日「20XX/9/1」及び適用終了日「20XX/9/30」が取得される。
(52)ステップS3では、
図4に示す計上済データテーブル106b中の上から6行目と12行目のレコードが特定され、当該特定された2つのレコードに含まれる仕入数量「400」及び「300」の合計「700」が取得される。
(53)ステップS4では、ステップS1で取得された数量「400」と合計「700」が加算されてチェック対象数量「1,100」が得られる。
(54)ステップS5では、「枠数量「1,000」≦チェック対象数量「1,100」」が成立するのでチェックNGと判定される。
【0056】
以上で、[3−2.仕入入力での倉入仕入時の処理の具体例]の説明を終了する。
【0057】
[4.本実施形態のまとめおよび他の実施形態]
以上説明したように、本実施形態は、主に石油(ガス(LLGなど)等でもよい)の卸業向けの「売上枠残」および「仕入枠残」の管理に関するものである。本実施形態は、(1)売上事業所・仕入事業所、仕入先、および品種ごとに直送売上伝票登録時の仕入枠残チェックを行う機能、(2)仕入事業所、仕入先、および品種ごとに倉入仕入伝票登録時の仕入枠残チェックを行う機能、(3)基本情報マスタにて枠残チェック発生時の処理(例えば、チェックなし、警告、エラー等)を設定可能とする機能、および、(4)枠(制限値)のマスタ管理を行う機能、などを有している。
【0058】
元売(メーカー等)からオイルを購入する時、購入先(特約店等)に対して「一定期間での購入上限量」が定められており、また販売先に対しても「一定期間での販売上限量」が定められている。そして、実務的にこの上限を超えた取引が行われると、企業に対してペナルティが発生する。しかし、これまでは、石油の仕入(購買)時または売上時に、基準値(制限値)に対して、枠(余裕枠)をチェック(枠残チェック)する機能、および、その余裕重量を把握する機能は存在しなかった。ところが、本実施形態では、上述した構成や処理を採用することにより、ペナルティの発生を防ぐことができる。
【0059】
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、販売情報装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、販売情報装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて販売情報装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、販売情報装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、販売情報装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、販売情報装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。