特許第6963675号(P6963675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963675無線通信ネットワークからの信号に関する無線通信デバイスによる測定に関係する命令の提供
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963675
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークからの信号に関する無線通信デバイスによる測定に関係する命令の提供
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20211028BHJP
   H04W 36/00 20090101ALI20211028BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20211028BHJP
【FI】
   H04W24/10
   H04W36/00 110
   H04W36/30
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-506907(P2020-506907)
(86)(22)【出願日】2018年8月10日
(65)【公表番号】特表2020-530689(P2020-530689A)
(43)【公表日】2020年10月22日
(86)【国際出願番号】SE2018050814
(87)【国際公開番号】WO2019032037
(87)【国際公開日】20190214
【審査請求日】2020年3月27日
(31)【優先権主張番号】62/544,205
(32)【優先日】2017年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】パクニアト, パリサ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーマン, ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】ダ シルヴァ, イカロ エル.イェー.
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ヴァルテル
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/093753(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/169391(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/141825(WO,A1)
【文献】 国際公開第2018/128186(WO,A1)
【文献】 特表2017−513295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1−4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク(100)のシステム(300)によって実行される方法であって、前記無線通信ネットワーク(100)が、無線通信デバイス(130)との無線通信のために構成された第1のネットワークノード(110)を備え、前記方法は、
前記第1のネットワークノード(110)から前記無線通信デバイス(130)へのメッセージの送信をトリガすること(401)であって、前記メッセージが、前記無線通信ネットワーク(100)のネットワークノード(110;120)から前記無線通信デバイス(130)によって受信された信号に関する、前記無線通信デバイス(130)による測定に関係する命令を備え、前記命令が第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、前記無線通信デバイス(130)が前記無線通信ネットワーク(100)に前記測定のうちの少なくとも1つを報告するためには、前記第1の測定条件と前記第2の測定条件の両方が満たされなければならない、メッセージの送信をトリガすること(401)を含み、
前記命令が、前記第1の測定条件が満たされたときに第1の測定を報告する命令を備え、前記第2の測定条件が、前記第1の測定が報告された後に前記第1の測定条件が変化したことの検出であり、前記命令が、前記第2の測定条件が満たされたときに第2の測定の報告をトリガする命令を備える、
方法。
【請求項2】
前記第1の測定条件が第1の測定量に関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の測定量とは異なる第2の測定量に関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の測定条件が第1の参照信号タイプに関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプに関係する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の測定条件がセルレベル測定に関係し、前記第2の測定条件がビームレベル測定情報に関係する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
無線通信ネットワーク(100)のシステム(300)であって、前記無線通信ネットワーク(100)が、無線通信デバイス(130)との無線通信のために構成された第1のネットワークノード(110)を備え、前記システム(300)は、
前記第1のネットワークノード(110)から前記無線通信デバイス(130)へのメッセージの送信をトリガすること(401)であって、前記メッセージが、前記無線通信ネットワーク(100)のネットワークノード(110;120)から前記無線通信デバイス(130)によって受信された信号に関する、前記無線通信デバイス(130)による測定に関係する命令を備え、前記命令が第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、前記無線通信デバイス(130)が前記無線通信ネットワーク(100)に前記測定のうちの少なくとも1つを報告するためには、前記第1の測定条件と前記第2の測定条件の両方が満たされなければならない、メッセージの送信をトリガすること(401)
を行うように設定され
前記命令が、前記第1の測定条件が満たされたときに第1の測定を報告する命令を備え、前記第2の測定条件が、前記第1の測定が報告された後に前記第1の測定条件が変化したことの検出であり、前記命令が、前記第2の測定条件が満たされたときに第2の測定の報告をトリガする命令を備える、
システム(300)。
【請求項6】
前記第1の測定条件が第1の測定量に関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の測定量とは異なる第2の測定量に関係する、請求項に記載のシステム(300)。
【請求項7】
前記第1の測定条件が第1の参照信号タイプに関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプに関係する、請求項またはに記載のシステム(300)。
【請求項8】
前記第1の測定条件がセルレベル測定に関係し、前記第2の測定条件がビームレベル測定情報に関係する、請求項からのいずれか一項に記載のシステム(300)。
【請求項9】
前記システム(300)が前記無線通信ネットワーク(100)のネットワークノード(120;130)である、請求項からのいずれか一項に記載のシステム(300)。
【請求項10】
無線通信ネットワーク(100)の第1のネットワークノード(110)に無線で接続された無線通信デバイス(130)によって実行される方法であって、前記方法は、
前記第1のネットワークノード(110)からメッセージを受信すること(202;501)であって、前記メッセージが、前記無線通信ネットワーク(100)のネットワークノード(110、120)から前記無線通信デバイス(130)によって受信された信号に関する、前記無線通信デバイス(130)による少なくとも1つの測定に関係する命令を備え、前記命令が第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、前記無線通信デバイス(130)が前記無線通信ネットワーク(100)に前記少なくとも1つの測定を報告するためには、前記第1の測定条件と前記第2の測定条件の両方が満たされなければならない、メッセージを受信すること(202;501)と、
前記ネットワークノード(110;120)から受信された前記信号に関する、前記少なくとも1つの測定を実行すること(502)と、
前記少なくとも1つの測定が前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とを満たすかどうかに基づいて、前記無線通信ネットワーク(100)に前記少なくとも1つの測定を報告すること(503)と
を含み、
前記命令が、前記第1の測定条件が満たされたときに第1の測定を報告する命令を備え、前記第2の測定条件が、前記第1の測定が報告された後に前記第1の測定条件が変化したことの検出であり、前記命令が、前記第2の測定条件が満たされたときに第2の測定の報告をトリガする命令を備える、
方法。
【請求項11】
前記第1の測定条件が第1の測定量に関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の測定量とは異なる第2の測定量に関係する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の測定条件が第1の参照信号タイプに関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプに関係する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の測定条件がセルレベル測定に関係し、前記第2の測定条件がビームレベル測定情報に関係する、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
無線通信ネットワーク(100)の第1のネットワークノード(110)に無線で接続するように設定された無線通信デバイス(130)であって、前記無線通信デバイス(130)は、
前記第1のネットワークノード(110)からメッセージを受信すること(501)であって、前記メッセージが、前記無線通信ネットワーク(100)のネットワークノード(110;120)から前記無線通信デバイス(130)によって受信された信号に関する、前記無線通信デバイス(130)による少なくとも1つの測定に関係する命令を備え、前記命令が第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、前記無線通信デバイス(130)が前記無線通信ネットワーク(100)に前記少なくとも1つの測定を報告するためには、前記第1の測定条件と前記第2の測定条件の両方が満たされなければならない、メッセージを受信すること(501)と、
前記ネットワークノード(110;120)から受信された前記信号に関する、前記少なくとも1つの測定を実行すること(502)と、
前記少なくとも1つの測定が前記第1の測定条件と前記第2の測定条件とを満たすかどうかに基づいて前記無線通信ネットワーク(100)に前記少なくとも1つの測定を報告すること(503)と
を行うように設定され
前記命令が、前記第1の測定条件が満たされたときに第1の測定を報告する命令を備え、前記第2の測定条件が、前記第1の測定が報告された後に前記第1の測定条件が変化したことの検出であり、前記命令が、前記第2の測定条件が満たされたときに第2の測定の報告をトリガする命令を備える、
無線通信デバイス(130)。
【請求項15】
前記第1の測定条件が第1の測定量に関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の測定量とは異なる第2の測定量に関係する、請求項14に載の無線通信デバイス(130)。
【請求項16】
前記第1の測定条件が第1の参照信号タイプに関係し、前記第2の測定条件が、前記第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプに関係する、請求項14または15に記載の無線通信デバイス(130)。
【請求項17】
前記第1の測定条件がセルレベル測定に関係し、前記第2の測定条件がビームレベル測定情報に関係する、請求項14から16のいずれか一項に記載の無線通信デバイス(130)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の実施形態は、無線通信ネットワークと無線通信デバイスとのシステムなど、方法および構成に関する。より詳細には、本明細書の実施形態は、無線通信ネットワークのネットワークノードから無線通信デバイスによって受信された信号に関する無線通信デバイスによる測定に関係する命令をもつメッセージの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
単に無線デバイスと称され得る無線通信デバイスなどの通信デバイスは、たとえば、ユーザ機器(UE)、モバイル端末、無線端末および/または移動局としても知られていることがある。無線デバイスは、代替的に、たとえば、セルラー通信ネットワーク、無線(wireless)通信システム、無線(radio)通信システム、セルラー無線システム、セルラーネットワークまたはセルラー通信システムと称され得る、無線通信ネットワーク中で無線で通信することが可能である。通信は、たとえば、2つの無線デバイス間で、無線デバイスと通常の電話との間で、および/または無線デバイスとサーバとの間で、無線アクセスネットワーク(RAN)および場合によっては、セルラー通信ネットワーク内に備えられた1つまたは複数のコアネットワークを介して実行され得る。無線デバイスは、さらに、ほんのいくつかのさらなる例を挙げると、携帯電話、セルラー電話、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータと呼ばれることがある。無線デバイスは、いわゆるマシンツーマシン(M2M)デバイスまたはマシン型通信(MTC)デバイス、すなわち、従来のユーザに関連しないデバイスであり得る。無線デバイスは、別の無線デバイスまたはサーバなど、別のエンティティと、RANを介して、音声および/またはデータを通信することが可能な、たとえば、ポータブル、ポケット格納可能、ハンドヘルド、コンピュータ装備、または車載モバイルデバイスであり得る。無線通信ネットワークは、無線カバレッジが与えられる地理的エリアをカバーし、無線デバイスがネットワーク中で接続し、通信することを可能にする。エリアは、サブエリア、たとえば、セルエリアに分割され得、各サブエリアは、少なくとも1つの基地局、またはベースステーション(BS)、たとえば、使用される技術および用語に応じて、たとえば、「eNB」、「eノードB」、「ノードB」、「Bノード」、またはBTS(トランシーバ基地局)、gNBと時々呼ばれることがある無線基地局(RBS)によってサーブされる。基地局は、送信電力およびしたがってまたセルサイズに基づいて、たとえば、マクロeノードB、ホームeノードBまたはピコ基地局など、異なるクラスのものであり得る。基地局サイトにある基地局は、一般に、1つまたは複数のセルのために無線カバレッジを与える。セルは、一般に、1つまたは複数のセル識別情報によって識別され、基地局サイトにある基地局によってそのセルのための無線カバレッジが与えられる地理的エリアに関連付けられ得る。セルは、いくつかのセルが同じ地理的エリアをカバーするように重複し得る。基地局がセルを与えるまたはサーブするとは、無線カバレッジが与えられる地理的エリア中に位置する1つまたは複数の無線デバイスが前記セル中の基地局によってサーブされ得るように、基地局が無線カバレッジを与えることを意味する。無線デバイスがセル中でまたはセルによってサーブされると言われるとき、このことは、無線デバイスが、セルのために無線カバレッジを与える基地局によってサーブされることを暗示する。1つの基地局は1つまたはいくつかのセルをサーブし得る。さらに、各基地局は1つまたはいくつかの通信技術をサポートし得る。基地局は、無線周波数上で動作するエアインターフェース上で基地局の範囲内の無線デバイスと通信する。
【0003】
ダウンリンク(DL)という表現は、基地局から無線デバイスへの送信経路に対して使用される。アップリンク(UL)という表現は、反対方向における、すなわち、無線デバイスから基地局への送信経路に対して使用される。
【0004】
UMTSは、いわゆる第2世代または2Gに属する移動体通信用グローバルシステム(GSM)から発展した3Gまたは第3世代の移動体通信システムである。UMTSは、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)アクセス技術に基づく改善された移動体通信サービスを提供する。UMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)は、本質的に、無線デバイスのために広帯域符号分割多元接続を使用する無線アクセスネットワークである。高速パケットアクセス(HSPA)は、2つのモバイルテレフォニープロトコル、すなわち、WCDMAを利用する既存の3G移動体電気通信ネットワークの性能を拡張し、改善する、3GPPによって定義された、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)との融合である。そのようなネットワークはWCDMA/HSPAと称されることがある。
【0005】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、UTRANおよびGSMベースの無線アクセスネットワーク技術を、たとえば、4G、すなわち第4世代の移動体通信システムであるLong Term Evolution(LTE)において使用される拡張UTRAN(EUTRAN)にさらに発展させた。
【0006】
3GPPはまた、第5世代(5G)と呼ばれることがある別の新世代のワイドエリアネットワークを標準化することに関与している。5G新無線(5G NR)、または単にNRは、5Gのために開発されている新無線エアインターフェースである。しかしながら、NRは、一般に5Gを示すためにも使用され得る。5Gを示すために使用されている別の頭字語は次世代(NG)である。
【0007】
無線通信ネットワークでは、UEのために好適なサービングセルを選定するように無線ネットワークを支援するためにサービングセルおよび近隣セルの信号レベルと品質とを監視し、報告するために、UE測定が使用される。カバレッジ理由、トラフィック負荷レベルまたは特定のサービスのサポートなど、UEを現在のサービングセルから別のセルにリロケートする異なる理由がある。
【0008】
UE測定は、無線通信ネットワークとも呼ばれる無線ネットワークによって設定され、測定および報告のための条件を指定するためにいくつかのパラメータが関与する。
【0009】
LTEでは、EUTRAN、すなわち無線ネットワークによってUEに与えられるUE測定設定が3GPP技術仕様(TS)36.331EUTRA無線リソース制御(RRC)プロトコル仕様において指定されている(たとえば、V14.3.0(2017−06)を参照されたい)。対応する仕様、3GPP TS38.331NR RRCプロトコル仕様(たとえば、V0.0.4を参照されたい)は、適用可能な場合、EUTRANバージョンに部分的に類似することが予想されるNRのために開発中である。両方の仕様については、特にチャプター5.5および6.3を参照されたい。NRにおける測定設定フレームワークは、前記3GPP TS38.331に記載されているように、LTEからのフレームワークに基づく。NRでは、ネットワークは、測定設定に従ってセルレベル測定およびビームレベル測定を実行し、それらを報告するように、いわゆるRRC_CONNECTED UEを設定することができる。測定設定は専用シグナリングによって与えられる。測定設定は、RRCConnectionReconfigurationおよび/またはRRCConnectionResumeなど、RRCメッセージを介してUEに与えられ得る。
【0010】
無線ネットワークは、以下のタイプの測定を実行するようにUEを設定することができる。
− 周波数内測定:1つまたは複数のサービングセルの1つまたは複数のダウンリンクキャリア周波数における測定。
− 周波数間測定:1つまたは複数のサービングセルの1つまたは複数のダウンリンクキャリア周波数のいずれかとは異なる周波数における測定。
− EUTRA周波数の無線アクセス技術間(RAT間またはIRAT)測定。
【0011】
NRにおけるRRC_CONNECTED UEは、UTRA測定、GSM測定、および/または無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)符号分割多元接続2000(CDMA2000)などの非3GPP IRAT測定を実行するように設定され得る。測定設定は以下のパラメータを含む。
【0012】
1.測定対象:UEが測定を実行する対象のリスト。
− 周波数内測定および周波数間測定について、測定対象はNRダウンリンクキャリア周波数に関連付けられる。このキャリア周波数に関連して、ネットワークは「ブラックリスト掲載」セルのリストと「ホワイトリスト掲載」セルのリストとを設定することができる。ブラックリスト掲載セルはイベント評価または測定値報告において適用可能でない。ホワイトリスト掲載セルは、イベント評価および/または測定値報告において適用可能である唯一のセルである。
【0013】
− RAT間E−UTRA測定について、測定対象は単一のE−UTRAダウンリンクキャリア周波数である。
【0014】
2.報告設定:測定対象ごとに1つまたは複数の報告設定があり得る、報告設定のリスト。各報告設定は以下を備える。
− 報告基準:イベントトリガされるまたは周期的のいずれかであり得る測定値報告を送信するようにUEをトリガする基準。基準はまた、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)または信号対干渉雑音比(SINR)などのトリガ量を含む。
【0015】
− 参照信号(RS)タイプ:新無線同期信号(NR−SS)またはチャネル状態情報参照信号(CSI−RS)など、セルレベルおよびビームレベル測定についてUEによって考慮されるべきRS。
【0016】
2つのタイプのRS、すなわち、NR−SS、基本的にはNRプライマリSS(NR−PSS)および/またはNRセカンダリSS(NR−SSS)およびCSI−RSに基づいてセル品質が計算され得る、NRにおける新しい態様がある。
【0017】
− 報告フォーマット:UEが測定値報告中に含めるセルレベルおよびビームレベル量、たとえば、RSRPおよび/またはRSRQおよび/またはSINR、ならびに関連情報、たとえば、報告すべきセルおよび/またはビームの数。
【0018】
3.測定識別情報:各測定識別情報が1つの測定対象を1つの報告設定にリンクする、測定識別情報のリスト。複数の測定識別情報を設定することによって、2つ以上の測定対象を同じ報告設定にリンクすること、ならびに2つ以上の報告設定を同じ測定対象にリンクすることが可能である。測定識別情報は、報告をトリガした測定値報告中にも含まれ、ネットワークに対するリファレンスとして働く。
【0019】
4.量設定:RATタイプごとに1つの量設定が設定される。量設定は、その測定タイプのすべてのイベント評価および関係する報告のために使用される、測定量と関連するフィルタ処理とを定義する。
【0020】
5.測定ギャップ:UEが測定を実行するために使用し得る、すなわち、(アップリンク(UL)、ダウンリンク(DL))送信がスケジュールされない期間。
【発明の概要】
【0021】
上記に鑑みて、目的は、無線デバイスによって実行された測定の、無線通信デバイス、たとえばUEによる無線通信ネットワークへの報告を改善するまたは報告に関する改善を可能にすることである。改善は、たとえば、UEから無線通信ネットワークにより正確な測定結果を送信することを可能にすること、たとえば、ネットワークにとって重要でない測定を送信することを放棄する、および/または従来技術と比較してUEから無線通信ネットワークに測定を送信するためのシグナリングを低減することであり得る。
【0022】
本明細書の実施形態の第1の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークのシステムによって実行される方法によって達成される。無線通信ネットワークは、無線通信デバイスとの無線通信のために構成された第1のネットワークノードを備える。システムは、第1のネットワークノードから無線通信デバイスへのメッセージの送信をトリガする。メッセージは、無線通信ネットワークのネットワークノードから無線通信デバイスによって受信された信号に関する、無線通信デバイスによる測定に関係する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイスが無線通信ネットワークに測定のうちの少なくとも1つを報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。
【0023】
本明細書の実施形態の第2の態様によれば、目的は無線通信ネットワークのシステムによって達成される。無線通信ネットワークは、無線通信デバイスとの無線通信のために構成された第1のネットワークノードを備える。システムは、第1のネットワークノードから無線通信デバイスへのメッセージの送信をトリガするように設定される。メッセージは、無線通信ネットワークのネットワークノードから無線通信デバイスによって受信された信号に関する、無線通信デバイスによる測定に関係する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイスが無線通信ネットワークに測定のうちの少なくとも1つを報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。
【0024】
本明細書の実施形態の第3の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークの第1のネットワークノードに無線で接続された無線通信デバイスによって実行される方法によって達成される。無線通信デバイスは第1のネットワークノードからメッセージを受信し、メッセージは、無線通信ネットワークのネットワークノードから無線通信デバイスによって受信された信号に関する、無線通信デバイスによる少なくとも1つの測定に関係する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイスが無線通信ネットワークに少なくとも1つの測定を報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。無線通信デバイスは、ネットワークノードから受信された信号に関する少なくとも1つの測定を実行する。無線通信デバイスは、少なくとも1つの測定が第1の測定条件と第2の測定条件とを満たすかどうかに基づいて、無線通信ネットワークに少なくとも1つの測定を報告する。
【0025】
本明細書の実施形態の第4の態様によれば、目的は、無線通信ネットワークの第1のネットワークノードに無線で接続されるように無線で設定された無線通信デバイスによって達成される。無線通信デバイスは、第1のネットワークノードからメッセージを受信するように設定され、メッセージは、無線通信ネットワークのネットワークノードから無線通信デバイスによって受信された信号に関する、無線通信デバイスによる少なくとも1つの測定に関係する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイスが無線通信ネットワークに少なくとも1つの測定を報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。無線通信デバイスは、さらに、ネットワークノードから受信された信号に関する少なくとも1つの測定を実行するように設定される。その上、無線通信デバイスは、少なくとも1つの測定が第1の測定条件と第2の測定条件とを満たすかどうかに基づいて、無線通信ネットワークに少なくとも1つの測定を報告するように設定される。
【0026】
上記および本明細書の実施形態のおかげで、システム、したがって無線通信ネットワークは、1つまたは複数の測定をネットワークノードに報告するなど、送信するかどうかを決定するときに、2つまたはさらに多くの測定条件を考慮に入れるように無線通信デバイスに命令することが可能である。それによって、たとえば、第1のネットワークノードから第2のネットワークノードへの無線通信デバイスのハンドオーバを実行するかどうかを決定するときに、たとえば、測定がネットワークノードにとって価値があるかどうかをより高い精度で決定することが可能になる。言い換えれば、本明細書の実施形態は、無線通信デバイスによって実行された測定の、無線通信デバイスによる無線通信ネットワークへの報告に関する改善を可能にする。
【0027】
次に、実施形態およびそれらの特徴および利点のより完全な理解のために、以下で手短に説明する添付の図面とともに行われる以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】無線通信ネットワークを概略的に示すブロック図である。
図2】本明細書のいくつかの実施形態に関係するシグナリングを示す複合的なシグナリング図およびフローチャートである。
図3】本明細書のいくつかの実施形態に関係するシステムの概略ブロック図である。
図4】システムによって実行され得る第1の方法の実施形態を概略的に示すフローチャートである。
図5】第2の方法の実施形態を概略的に示すフローチャートである。
図6】第2の方法を実行し得る無線通信デバイスの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本明細書の実施形態が実装され得る例示的な無線通信ネットワークである無線通信ネットワーク100を概略的に示すブロック図である。無線通信ネットワーク100は、NR、LTE、LTE−Advanced、広帯域CDMA、GSM、CDMA2000またはWLAN、あるいは任意の他の類似のセルラーネットワークまたはシステムなどの無線通信ネットワークであり得る。
【0030】
無線通信ネットワーク100は第1のネットワークノード110と第2のネットワークノード120とを備える。第1のネットワークノード110は第1のセル112をサーブし、第2のネットワークノードは第2のセル122をサーブする。第1および第2のネットワークノード110、120は、たとえば、使用される無線アクセス技術および用語に応じて、ネットワークノードによってサーブされるセル内の無線通信デバイス、たとえばUEと通信することが可能な基地局、無線基地局、ノードB、eノードB、eNB、gNB、ホームノードB、ホームeノードB、または任意の他のネットワークユニットであり得る。第1および第2のネットワークノード110、120は、代替的に、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、リレーノード、リピータ、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)またはリモート無線ヘッド(RRH)であり得る。
【0031】
上記ですでに説明したのと同様に、セルは、基地局サイトまたはRRU中のリモートロケーションにある無線基地局機器によって無線カバレッジが与えられる地理的エリアに対応し得る。セルの定義はまた、送信のために使用される周波数帯域および無線アクセス技術、すなわちRATを包含し得、そのことは、2つの異なるセルが同じ地理的エリアを、ただし、異なる周波数帯域を使用してカバーし得ることを意味する。第1および第2のネットワークノード110、120は、したがって、それぞれのネットワークノードの範囲内の無線デバイスと、無線周波数上で動作しているエアまたは無線インターフェース上で通信するように構成され得る。
【0032】
図1では、無線通信デバイス130は第1のセル112内に配置された状態で示されている。無線通信デバイス130は本項および以下でUEと称されることがある。無線通信デバイス130は、第1のネットワークノード110によってサーブされる第1のセル112中に存在するとき、無線リンク上で第1のネットワークノード110を介して無線通信ネットワーク100内で通信するように設定され得る。第1のネットワークノード110は、それが無線通信デバイス130への無線通信アクセスを与えるとき、無線通信デバイス130に対するサービングネットワークノードと呼ばれることがある。第2のネットワークノード120は、無線通信デバイス130が第1のセル112中にあり、無線通信デバイス130が第2のネットワークノード120から信号を受信することができるとき、無線通信デバイス130に対する近隣ネットワークノードと呼ばれることがある。無線通信デバイス130は、たとえば、モバイルフォン、セルラーフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、タブレット、無線通信能力を備えたセンサ、ラップトップ搭載機器(LME)、たとえば、USB、ラップトップ埋込み機器(LEE)、マシン型通信(MTC)デバイス、マシンツーマシン(M2M)デバイス、または顧客構内設備(CPE)など、任意の種類の無線デバイスであり得る。
【0033】
図1は概略的で、例示目的のためのものにすぎず、当業者に明らかなはずであるように、図中に示されたあらゆるものが本明細書のすべての実施形態のために必要とされ得るとは限らないことに注意されたい。また、無線通信ネットワーク100に対応する1つまたは複数の無線通信ネットワークは、一般に、当業者によって気付かれるように、ただし、簡略化のために本明細書には示されていない、さらなる無線ネットワークノード、たとえば基地局、ネットワークノード、たとえば無線ネットワークノードとコアネットワークノードの両方など、いくつかのさらなるネットワークノードを備える。
【0034】
本明細書の実施形態への発展として、最初に、背景技術に示された状況についてさらに詳述する。
【0035】
上述のように、すなわちLTEのための、仕様TS36.331V14.3.0(2017−06)によれば、報告基準、すなわち、ネットワークノードからの信号に関する、UEによって実行された測定を報告するべきか否かは、トリガ量としても知られるただ1つの測定量、たとえば、EUTRAN測定におけるRSRP、RSRQまたはSINRに限定される。仕様では、「報告基準:イベントトリガされるまたは周期的のいずれかであり得る測定値報告を送信するようにUEをトリガする基準。基準はまた、トリガ量(RSRP、RSRQまたはSINR)を含む」と述べられている。
【0036】
測定の目的は、たいていの場合、UEを移動するための好適なハンドオーバターゲットセルを見つけることである。多くの場合、UEの最良のパフォーマンスのためには、信号レベルと品質の両方が、シナリオおよび測定イベントに応じた基準において良好であるか、またはより一層良好であるべきであると判断されている。このことは、複合的な(単一の)測定における既存の技術においては達成することは不可能である。既存の技術においてそのような二重または多重の検査を有するためには、ネットワークノード、たとえばeNBは、ターゲットが特定のモビリティ目的のために十分に良好であるかどうかを評価するために、別個の測定を設定すること、および/または報告された測定に関する追加の後処理を実行することのいずれかを行わなければならない。これら両方の代替策は、特別のRRCシグナリング、より長いハンドオーバ決定時間、UEバッテリー消費量の増加、およびeNBにおけるより複雑なプロシージャを暗示する。同じことは、NRについて、およびgNBにおいて当てはまることが予想される。
【0037】
その上、NRでは、上述のように、測定について2つの異なるRSタイプ、すなわちNR−SSおよびCSI−RSがある。イベントごとにただ1つのトリガ量を有することは、ただ1つのRSタイプに基づくようなイベント測定に対する制限を暗示する。
【0038】
以下のイタリックのテキストは、ここでは例として与えられる、上述のE−UTRA仕様3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)のチャプター5.5.4.6からコピーされた、イベントA5についてのプロシージャのテキストである。テキストは他のイベント測定と同様である。イベント測定としても知られるイベントは、イベントの条件が満たされたときに、信号に関する測定が報告されるべきであるイベントとして理解され得る。
【0039】
5.5.4.6 イベントA5(プライマリセル/プライマリセカンダリセル(PCell/PSCell)がしきい値1よりも悪くなり、ネイバーセルがしきい値2よりも良くなる)
UEは、以下を行うものとする:
1> 以下で指定される条件A5−1と条件A5−2の両方が満たされたとき、このイベントについてのエンタリング条件が満たされものと見なす;
1> 以下で指定される条件A5−3または条件A5−4、すなわち2つのうちの少なくとも1つが満たされたとき、このイベントについてのリービング条件が満たされたものと見なす;
1> 対応するreportConfigのusePSCellが真に設定されている場合:
2> MpのためにPSCellを使用する;
1> 他の場合:
2> MpのためにPCellを使用する;
注記:イベントをトリガするセルは、PCell/PSCellによって使用される周波数とは異なり得る、関連するmeasObject中に示された周波数上にある。
不等式A5−1(エンタリング条件1)
Mp+Hys<Thresh1
不等式A5−2(エンタリング条件2)
Mn+Ofn+Ocn−Hys>Thresh2
不等式A5−3(リービング条件1)
Mp−Hys>Thresh1
不等式A5−4(リービング条件2)
Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh2
【0040】
公式中の変数は以下のように定義される。
Mpは、オフセットを考慮に入れない、PCell/PSCellの測定結果である。
Mnは、オフセットを考慮に入れない、近隣セルの測定結果である。
Ofnは、ネイバーセルの周波数の周波数固有オフセット(すなわち、ネイバーセルの周波数に対応するmeasObjectEUTRA内で定義されたoffsetFreq)である。
Ocnは、ネイバーセルのセル固有オフセット(すなわち、ネイバーセルの周波数に対応するmeasObjectEUTRA内で定義されたcellIndividualOffset)であり、ネイバーセルについて設定されていない場合、0に設定される。
Hysは、このイベントについてのヒステリシスパラメータ(すなわち、このイベントについてreportConfigEUTRA内で定義されたhysteresis)である。
Thresh1は、このイベントについてのしきい値パラメータ(すなわち、このイベントについてreportConfigEUTRA内で定義されたa5−Threshold1)である。
Thresh2は、このイベントについてのしきい値パラメータ(すなわち、このイベントについてreportConfigEUTRA内で定義されたa5−Threshold2)である。
Mn、Mpは、RSRPの場合はdBmで、またはRSRQおよびRS−SINRの場合はdBで表される。
Ofn、Ocn、HysはdBで表される。
Thresh1はMpと同じ単位で表される。
Thresh2はMnと同じ単位で表される。
【0041】
さらに、以下の表1は、前記TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されたReportConfigEUTRA情報要素からの抜粋を含んでいる(488〜491ページを参照されたい)。抜粋はトリガ量設定に関する。
表1−ReportConfigEUTRA情報要素からの抜粋
【0042】
前記仕様では、triggerQuantityは、「CRSに関するイベントについてのトリガ条件を評価するために使用される量。EUTRANは、このイベントについてのThresholdEUTRAの量に応じた値を設定する。値rsrp、rsrqおよびsinrは、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)および参照信号対干渉雑音比(RS−SINR)に対応する(TS36.214を参照されたい)。triggerQuantity−v1310が設定された場合、UEはこのエクステンションのみを考慮する(およびtriggerQuantity、すなわちサフィックスなしを無視する)。」と説明されている。
【0043】
本明細書の実施形態は、たとえば、第1のネットワークノード110によって無線通信デバイス130にシグナリングされる測定設定、すなわち、1つまたは複数のネットワークノードからUEによって受信された信号に関するUE測定に関係する測定命令を拡張することまたは適応させることに関すると考えられ得、それらのことによって実装され得、また、測定実行および報告のための、満たされた測定条件としても知られていることがある、二重/多重トリガを有することを可能にするように、無線通信デバイス130における処理、すなわちUE実装を改善すると考えられ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、測定条件としても知られている複数のトリガ条件が、複数のトリガ量、たとえば異なるRSRP、RSRQおよびSINRに関連付けられる。その場合、本明細書の実施形態は、無線通信ネットワーク100が、reportConfigごとに、すなわち、同じreportConfig IEなど、同じreportConfig内で定義され得る各測定イベントについて2つ以上のトリガ量を定義することを可能にする。上記のように、従来技術では、ネットワークはreportConfig内でイベントごとに1つの単一の量を設定することのみができる。たとえば、イベントは、RSRPに関する第1の測定条件と、RSRQに関する第2の測定条件とを備え得、測定を報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされるべきである。
【0045】
さらなる実施形態では、複数のトリガ条件が、複数のRSタイプに基づいて計算された測定結果に関連付けられる。セル測定結果は、たとえば、NRにおけるNR−SSSおよび/またはNR−PSSSおよび/または物理ブロードキャストチャネル(PBCH)のためのNR復調参照信号(NR−DMRS)またはCSI−RSなど、SSブロックベースの参照信号に基づいて導出され得るので、トリガリングルールは、以下のうちの1つまたは複数に基づき得る。
− SSブロックから導出されたセルレベルRSRPかつCSI−RSから導出されたセルレベルRSRP
− SSブロックから導出されたセルレベルRSRQかつCSI−RSから導出されたセルレベルRSRQ
− SSブロックから導出されたセルレベルRSRPかつCSI−RSから導出されたセルレベルRSRQ
− SSブロックから導出されたセルレベルRSRQかつCSI−RSから導出されたセルレベルRSRP
【0046】
注記:RSRPおよびRSRQが例として使用されているが、これらの実施形態は、セルカバレッジまたは品質、たとえばSINRに関する量にも適用可能である。
【0047】
言い換えれば、第1の参照信号に基づいて実行された測定に関する第1の測定条件が満たされ、第2の参照信号に基づいて実行された測定に関する第2の測定条件も満たされた場合に、測定値報告が送信され得る。
【0048】
またさらなる実施形態では、複数のトリガ条件が、セルレベル測定結果、および測定結果でもあり得るビームレベル測定情報に関連付けられる。イベントは、以下のビームレベルベースのトリガ条件のうちの1つまたは組合せと組み合わせられたサービングセルおよび/またはネイバーセルのセル測定結果に基づいてトリガされ得る。
− セル測定結果に加えて、サービングセルおよびネイバーセルの「良好な」ビームの数がトリガする、すなわち:
○A1様イベントは、たとえば、前記3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されているように、サービングセル中の「良好な」ビームの数がしきい値よりも高いおよび/または低い場合にトリガされる;
○A2様イベントは、たとえば、前記3GPP TS36.331V14.3.0 (2017−06)において定義されているように、サービングセル中の「良好な」ビームの数がしきい値よりも低いおよび/または高い場合にトリガされる;
○A3様イベントは、たとえば、3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されているように、ネイバーセルの「良好な」ビームの数がPCell/PSCellの「良好な」ビームの数よりも良好なオフセットになった場合にトリガされる。
○A4様イベントは、たとえば、3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されているように、ネイバーセル中の「良好な」ビームの数がしきい値よりも低いおよび/または高い場合にトリガされる;
○A5様イベントは、たとえば、3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されているように、PCell/PScell中の「良好な」ビームの数がしきい値−3よりも低くなり、ネイバー中の「良好な」ビームの数がしきい値−4よりも良好になった場合にトリガされる;
○A6様イベントは、たとえば、3GPP TS36.331V14.3.0(2017−06)において定義されているように、ネイバーセル中の「良好な」ビームの数が、SCellよりも、良好なビームの数に関してより良好なオフセットになった場合にトリガされる;−セル測定結果に加えて、サービングセルおよびネイバーセルの「良好な」ビームの測定結果がトリガする、すなわち:
○A1様イベントは、サービングセル中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも高い場合にトリガされる;
○A1様イベントは、サービングセル中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも低い場合にトリガされる;
○A1’:は、セル品質>th1の場合かつサービングセル中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも高い場合にトリガされる;
○A1’’:セル品質>th1かつサービングセル中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも低い場合;
○A2様イベントは、サービングセル中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも低いか、または高い場合にトリガされる;
○A3様イベントは、ネイバーセルの「最良の」ビームの測定結果がPCell/PSCellの「最良の」ビームの測定結果よりも良好なオフセットになった場合にトリガされる。
○A4様イベントは、ネイバーセルの「最良の」ビームの測定結果がしきい値よりも低いか、または高い場合にトリガされる;
○A5様イベントは、PCell/PScell中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値−3よりも低くなった場合およびネイバー中の「最良の」ビームの測定結果がしきい値−4よりも良好になった場合にトリガされる;
○A6様イベントは、ネイバーセル中の「良好な」ビームの数が、SCellよりも、良好なビームの数に関してより良好なオフセットになった場合にトリガされる;
○最良のビームが変化したまたはビームの数が変化した場合、イベントがトリガされ、または追加の測定値報告が送信される。
【0049】
注記:上記の「良好な」ビームという用語は以下の選択肢のうちのいずれか1つを指し得る。
− すべての検出可能なビーム;
− しきい値が設定可能であり得る、絶対しきい値を上回るすべてのビーム;
− 最も高い測定値をもつビームおよび絶対しきい値を上回るすべての残りのビーム;
− 相対しきい値が設定可能であり得る、最も高い値をもつビームからの相対しきい値内にあるすべてのビーム;
【0050】
注記:上記の「最良の」ビームという用語は以下の定義のうちのいずれか1つを指し得る。
− 所与のセルに関連付けられ、たとえば、ブロードキャストされる様式でビームフォーミングされ、そのように見なされ得る物理ブロードキャストチャネル(PBCH)中の時間インデックスによって、および/またはその時間インデックスのおかげで示されたビーム。各ビームは、ビーム掃引され得る異なる時間インデックスによって、および/またはSSブロックインデックスによって示され得、各SSBブロックインデックスは、送信されているDLビームを示し得る。ビームは最も高い測定結果、たとえば、電力ベース測定および/または品質ベース測定を有していることがある。この文脈において、SSBは、ビームフォーミングされ、ビーム掃引された参照信号のセットであると見なされ得るか、またはその参照信号のセットに対応し得る。
− SSブロックまたはCSI−RSのいずれかに基づき得る通知;
【0051】
上記の組み合わされた条件について、イベントのエンタリング条件のトリガリングのために適用可能であるとして説明した。別の可能性は、イベントトリガ型周期的イベントのためになど、イベントの後続の報告をトリガする条件としてルールを有することである。言い換えれば、第1のイベントのトリガリングは単一の条件に基づき得るが、トリガリング後の後続の周期的イベントの報告は追加の条件によって制御され得る。
【0052】
その場合、条件は、前の報告をトリガした条件の変化に基づき得る。たとえば、無線通信デバイス130が、ビームのあるセットについて、トリガされたセルとレイヤ3(L3)フィルタ処理済みビーム測定とを報告し、たとえば、報告されたセルのうちの少なくとも1つについての最良のビームが変化した場合、無線通信デバイス130は、事前定義された期間中に測定値報告を送信し得、そうでない場合は送信し得ない。最良のビームの変化は、そのことのための1つの基準であり得るが、追加の基準、たとえば、良好なビームの数の変化および正のおよび/または負の変化もあり得る。
【0053】
このことは、無線通信ネットワーク100が、従来技術のテクノロジーによって可能であるものとは異なる方法でハンドオーバのためのトリガ条件を制御することを可能にする。ハンドオーバは、それによって、より正確で、よりフレキシブルになり得る。
【0054】
本明細書の実施形態の利点および利益は、たとえば、以下を含む。
・RRCシグナリングの低減。これは、いくつかの測定を組み合わせて1つにすることが可能であり、特別の測定値報告が回避され得るからである。
・測定値報告の減少によるUEバッテリー消費量の低減
・両方のトリガ量を考慮するより正確な測定値報告に基づいて決定がなされ得ることによる、より信頼できるハンドオーバ決定。
・メモリおよびプロセシングをあまり必要とし得ない、ネットワークノード、たとえば、eNBまたはgNB中のより効率的なモビリティ処理機構。
・UEおよびネットワークのパフォーマンスの改善。ハンドオーバソースおよびターゲットにおける複数のトリガ量に基づくモビリティ決定は、ハンドオーバの後の適切な無線状態を保証し、そのことが、スループットおよび容量およびリテイナビリティ、たとえばドロップ率に関して、UEおよび/またはネットワークのパフォーマンスを潜在的に改善する。
【0055】
図2は、無線ネットワーク、たとえば、サービングeNBまたはgNBが、RRCConnectionReconfigurationメッセージを使用する専用シグナリングによってUE測定を設定するときに関与するシグナリングを示す複合的なシグナリング図およびフローチャートである。RRCConnectionReconfigurationメッセージは、たとえば、EUTRANまたはNRまたは任意の他のRATについて、上記または本明細書の実施形態に基づいて更新されたものなど、ReportConfig情報要素(IE)を含み得る。少なくともEUTRANでは、図示されていないが、RRCConnectionResumeメッセージを介して測定を設定することも可能である。NRについて、UEに測定設定を与えるためにどのRRCメッセージが使用されるべきであるかは決定されなかった。
【0056】
本明細書の実施形態は、図示されたシグナリングシーケンスを仮定しておらず、またはそのシグナリングシーケンスの変更を必要としていないが、たとえば、前記バージョンV0.0.4に続くNR仕様3GPP38.331のバージョンにおいて定義され得る、新しいIE ReportConfigGUTRAおよび他のreport config IEを定義するときに、NRについて対応するIEを達成するために情報要素(IE)ReportConfigEUTRAコンテンツの更新を伴い得る。
【0057】
図示のように、アクション201では、eNBまたはgNBは、たとえば報告設定を含む、必要とされる測定設定を決定し得る。eNBは、次いで、アクション202において、命令され得る設定を送信し得、UEはその設定を受信し得る。設定が完了すると、UEは、ネットワーク、たとえば、前記eNBまたはgNBへの返信として、アクション203においてRRCConnectionREconfigurationCompleteメッセージを送信し得る。その後、アクション204において、UEは、それに応じて、すなわち、受信された設定に基づいて、たとえば、トリガ量設定を考慮して、イベント測定を実行し得る。
【0058】
従来技術のソリューションでは、たとえば、PCell、または第1のセル112などのサービングセルがしきい値1よりも悪くなり、ネイバーセルがしきい値2よりも良くなった場合に、たとえばイベントA5測定を設定するためには、以下の2つの制限がある。
・イベントごとに定義されたトリガ量は1つしかない。このことは、しきい値1としきい値2とが同じ種類、すなわち、RSRP、RSRQまたはSINRのいずれかであるべきことを暗黙的に意味する。
・同じイベントにおけるソースおよびネイバー測定に関する複数のトリガ量(RSRPおよび/またはRSRQおよび/またはSINR)を設定することは不可能である。
【0059】
例示的なシナリオでは、UE、たとえば無線通信デバイス130は、そのデバイスのサービングセル、たとえば第1のセル112中で不十分なカバレッジに遭遇していることがある。無線ネットワーク、この例ではサービングeNB、たとえば第1のネットワークノード110は、ネイバーセルをサーブするネイバーeNB、たとえば、第2のセル122をサーブする第2のネットワークノード120からUEによって受信された信号のRSRP、RSRQおよび/またはSINRを評価するために、UEに対する測定を設定する。ターゲットネイバーセル、たとえば第2のセル122がRSRP、RSRQおよびSINRの観点から十分に良好であることを確かめるために、eNBは、すべてに対して設定された報告量をもつトリガ量としてSINRを用いて測定を設定しなければならない。SINRを満たす受信されたUE測定値報告は、潜在的なターゲットセルについてのRSRPおよびRSRQ条件も十分に良好であるかどうかを検査するために、eNBにおいて後処理される。そうでない場合、測定値報告は無視される。このことは、それらの測定値報告がモビリティアクションにつながらないので、多くの測定値報告の浪費につながり得る。このことはまた、eNBリソースの浪費と追加のUEバッテリー消費を暗示する。
【0060】
これらの問題は、UEが、すべての必要とされる条件、たとえば、RSRP、RSRQおよびSINRのうちの少なくとも2つについての条件を満たしたときにのみ、UEに測定値報告を送信させることによって回避され得る。
【0061】
同じシナリオは、NG−RANと呼ばれることがあるNR無線アクセスネットワーク中のNR測定について、また、NG−RANからEUTRANまたは任意の他のRATへのIRAT測定についても有効である。NR無線アクセスネットワークは、以前にGUTRANと呼ばれていたことがあったが、現在はNG−RANがより一般的に使用される用語であることに留意されたい。
【0062】
さらに、NRにおける無線リソース管理(RRM)測定は、イベントトリガリングのためのセル品質がCSI−RSまたはNR−SSのいずれかに基づき得ることなど、LTEと比較していくつかの差異を有する。RSタイプに基づいてイベント測定を設定するための2つの方法がある。
・各イベントを1つのRSタイプに限定する
・イベントごとに複合的なRSを可能にする
【0063】
CSI−RS条件に基づいてモビリティを実行するとき、一般に、ターゲットセル中でNR−SSカバレッジが十分に良好であることを確かめることも重要である。このことは、2つの別個のイベント、たとえば、CSI−RSに基づくA3イベントおよびNR−SSに基づくA4イベントによって達成され得る。しかしながら、このことは、前の例と同様に多くの不要な測定値報告につながり得る。より良いソリューションは、単一のイベントが両方のRSタイプを考慮することを可能にすることであろう。
【0064】
複数のトリガ量と、異なるRSタイプの両方を考慮して、いくつかの実施形態では、GUTRANのための新しい報告設定は以下を可能にする。
− エンタリング条件に関するしきい値ごとに、RSタイプ、たとえば、NR−SS、CSI−RSを設定すること。
− エンタリング条件に関するしきい値ごとに、複数のトリガ量を設定すること。
【0065】
このことは他のイベントのために拡張され得、triggerQuantity1は以下について有効であるように定義され得る。
・a1−しきい値
・a2−しきい値
・a3−オフセット
・(たとえば、以下の表2の第1の例におけるように)a5−しきい値1
triggerQuantity2は、以下について有効であるように定義され得る。
・a4−しきい値
・a6−オフセット
・(たとえば、以下の表2の第1の例におけるように)a5−しきい値2
表2−イベントA5についての設定に関する第1の例
【0066】
トリガ量ごとのRSタイプはNR−SSまたはCSI−RSのいずれかであり得る。本開示では、A1およびa1は一般に同じイベントを指し、言い換えれば、大文字が使用されるか小文字が使用されるかは重要でないことに留意されたい。
【0067】
いくつかの実施形態では、GUTRAについての新しい報告設定はまた、エンタリング条件ごとの複合的なRSタイプを可能にする。たとえば、CSI−RS RSRPがソースにおけるしきい値よりも低く、また、NR−SSについてのRSRPまたはRSRQのいずれかがソースセルにおける指定されたしきい値よりも低い、すなわち、以下のエンタリング条件が満たされるべきであるときに、モビリティが望まれると仮定する。
・CSI−RS rsrp<csi−rs−threshold−RSRPかつ((NR−SS rsrq<ss−threshold−RSRQ)または(NR−SS rsrp<ss−threshold−RSRP))
【0068】
以下の表3は、イベントA5についての設定に関する第2の例であり、表3は、このことを考慮に入れ、したがってGUTRANについてのそのような設定がどのように実装され得るかを示す。
表3−イベントA5についての設定に関する第2の例
【0069】
必要とされるしきい値は、各RSタイプおよび量について設定されるべきである。TriggerConfigでは、RSタイプは、一方のタイプが望まれるのか両方のタイプが望まれるのかにかかわらず、それらの間の論理と一緒に設定され得る。RSタイプごとに、その場合、トリガ量は、1つの量が考慮されるべきか複数の量が考慮されるべきかにかかわらず、定義される。
【0070】
このことは他のイベントについても拡張され、したがって使用され得、triggerQuantity1は、たとえば、以下について有効であるように定義され得る。
・a1−しきい値
・a2−しきい値
・a3−オフセット
・(たとえば、上記の表3の第2の例におけるように)a5−しきい値1
さらに、triggerQuantity2は、以下について有効であるように定義され得る。
・a4−しきい値
・a6−オフセット
・(たとえば、上記の表3の第2の例におけるように)a5−しきい値2
【0071】
提案され、例示された本明細書の報告設定に対して簡略化が行われ、たとえば、組み合わせられるべきトリガ量またはRSタイプを限定することがあることに留意されたい。
【0072】
本明細書の例は、いくつかのパラメータの存在を示し、それらのパラメータを例示することを意図していることに留意されたい。実際のフォーマット、名称および実際のメッセージ内の位置は、もちろん、示された例とは異なり得る。
【0073】
実施形態は、たとえば、GUTRAN、すなわちNRについて、およびEUTRAN、すなわちLTEについての両方について、周波数内および/または周波数間およびIRAT測定イベントの両方に関して、使用され得、有効である。
【0074】
EUTRANに関するさらなる例およびそのような状況における実装として、EUTRAN−NRデュアルコネクティビティ(EN−DC)セットアップの前に必要とされるIRAT測定について考える。LTEがそれ自体で最適でないときにEN−DCをセットアップすることのみが望まれる場合、以下で述べるように、複数のトリガ量とRSタイプとをもつNR上のB2測定は有益であり得、以下によって説明され得る。
・(LTE rsrp<B2−threshold1−RSRP−crsまたはLTE rsrq<B2−threshold1−RSRQ−crs)、すなわち「PCellがしきい値1よりも悪くなる」に基づく
かつ
・(NR rsrp>B2−threshold2−RSRP−ssかつNR rsrq>B2−threshold2−RSRQ−ss)、すなわち「RAT間ネイバーがしきい値2よりも良好になる」に基づく
【0075】
そのような設定可能性を実装するための1つの方法は、たとえば、以下のRSタイプおよびトリガ量タイプをもつ以前の例に類似し得る。
・RSタイプ:LTE CRS、LTE CSI−RS、NR SS、NR CSI−RS
・triggerQuantityオプション:LTE RSRP、RSRQ、SINR、NR RSRP、NR RSRQ、NR SINR。
【0076】
いくつかの他の実施形態では、IEにおけるs−Measureも量およびRSタイプごとに設定可能であると仮定して、本明細書の実施形態において提案された共同のRSタイプおよびtriggerQuantityの定義がs−Measure条件についても有効であるように拡張され得る。たとえば、所与のreportConfig A5について、しきい値1についての所望のRSタイプ組合せとしてssANDcsi−rs、およびしきい値1についての所望のトリガ組合せとしてrsrpORsinrを仮定すると、同じことはs−Measureの適用についても有効であり得る。このことは、NR−SSとCSI−RSの両方が、対応する設定済みのs−Measureしきい値、たとえば、measObjectまたはreportConfig IEまたは両方の組合せにおいて設定され得るs−MeasureRSRP−ssおよびs−MeasureSINR−csi−rsよりも低いRSRPまたはSINRのいずれかを有しない限り、UEは周波数間測定を実行する必要がないことを意味する。
【0077】
図3は、本明細書における方法およびアクションを実行するために与えられ得るシステム300の概略ブロック図である。
【0078】
システム300は、セル、たとえばeNBまたはgNB中で無線カバレッジを与えるネットワークノードであり得る、第1のネットワークノード110または第2のネットワークノード120など、無線通信ネットワーク100のネットワークノードであり得る。代替的に、システムは、無線通信デバイス130からさらに離れたノード、たとえば、コアネットワーク中のノードまたは無線アクセスネットワーク中のノードなど、セル中の無線カバレッジを与える別のネットワークノード、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティ管理エンティティ(MME)、または類似のものなど、無線通信システム100の任意の他のネットワークノードであり得る。この代替では、システム300に対応するネットワークノード、たとえば第1のネットワークノード110は、前記他のネットワークノードから、UE測定など、無線通信デバイス130による測定に関係する命令を受信し、無線通信デバイス130にメッセージ中の命令を通信するように構成され得る。代替的に、システム300はネットワークノードのグループであり得、そのシステムの機能は、無線通信ネットワーク100の異なる物理ノードまたは仮想ノードにわたって広がる。後者はクラウド実装と呼ばれることがあり、クラウド実装はまた、実際の無線通信ネットワーク100の外部のノードを伴い得る。システム300の詳細、および本明細書の実施形態を実行するためにシステム300がどのように設定され得るかについて、以下でさらに別個に説明する。
【0079】
図4は、第1の方法の実施形態を概略的に示すフローチャートである。第1の方法は、無線通信ネットワーク、たとえば無線通信ネットワーク100のシステム、たとえばシステム300によって実行されるべきである。無線通信ネットワークは、無線通信デバイス、たとえば無線通信デバイス130との無線通信のために構成された第1のネットワークノード、たとえば第1のネットワークノード110を備える。
【0080】
第1の方法は以下のアクションを含む。
【0081】
アクション401
システム300は、第1のネットワークノード110から無線通信デバイス130、たとえばUEへのメッセージの送信をトリガする。メッセージは、無線通信ネットワーク100のネットワークノード、たとえば、第1のネットワークノード110または第2のネットワークノード120から無線通信デバイス130によって受信された信号に関する、無線通信デバイス130による測定、たとえばUE測定に関する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイス130が無線通信ネットワーク100にUE測定のうちの少なくとも1つを報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。すなわち、無線通信デバイス130は、このことによって、第1の測定条件と第2の測定条件とについて、および無線通信デバイス130が無線通信ネットワーク100にUE測定のうちの少なくとも1つを報告するためには両方が満たされなければならないことを命令されるか、または通知され得る。
【0082】
気付かれ得るように、メッセージおよび命令は、したがって、reportConfig IE、または類似のものにおいて、備えるまたは備えられるなど、対応または関係し得、各測定イベントについて、または各測定イベントごとに、測定するイベントおよび2つ以上のトリガ量を定義し得る。トリガ量は測定条件に対応し得る。
【0083】
このことと、本明細書の実施形態とのおかげで、システム300、したがって無線通信ネットワーク100は、ネットワークノードに1つまたは複数の測定を報告するなど、送信すべきかどうかを決定するときに、2つのまたはさらに多くの測定条件を考慮に入れるように無線通信デバイス130に命令することを可能にされる。上記でさらに詳細に説明されたように、それによって、たとえば、第1のネットワークノード110から第2のネットワークノード120への無線通信デバイス130のハンドオーバを実行すべきかどうかを決定するときに、たとえば、測定がネットワークノードにとって価値があるかどうかをより高い精度で決定することが可能になる。
【0084】
無線通信デバイス130が前記命令によってそのネットワークノードからの信号を測定するように命令され得るネットワークノードは、無線通信デバイス130をサーブしているネットワークノード、たとえば第1のネットワークノード110に対する近隣ネットワークノード、たとえば第2のネットワークノード120であり得ることに留意されたい。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の測定条件は第1の測定量、たとえばRSRPに関し、第2の測定条件は、第1の測定量とは異なる第2の測定量、たとえばRSRQに関する。
【0086】
さらに、いくつかの実施形態では、第1の測定条件は第1の参照信号タイプ、たとえばSSブロックベースの参照信号に関し、第2の測定条件は、第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプ、たとえばCSI RSに関する。
【0087】
その上、いくつかの実施形態では、第1の測定条件はセルレベル測定に関し、第2の測定条件は、ビームレベル測定など、ビームレベル測定情報に関する。
【0088】
さらに、いくつかの実施形態では、命令は、第1の測定条件が満たされたときに、第1の測定を報告する命令を備え、第2の測定条件は、第1の測定が報告された後に第1の測定条件が変化したことの検出であり、第2の測定条件は、次いで、第2の測定の報告をトリガする。
【0089】
再び図3を参照すると、システム300について、図4に関して上記で説明したものなど、本明細書の実施形態は、本明細書の実施形態の機能、アクションおよび/または方法を実行するためのコンピュータプログラムコード302と一緒に、システム300中の1つまたは複数のプロセッサ301によって実装され得る。コンピュータプログラムコード302はまた、たとえば、システム300中にロードされているときに本明細書の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムコードを担持するデータキャリアの形態のコンピュータプログラム製品として与えられ得る。そのようなキャリアは、たとえばCD ROMディスクの形態であり得る。そのようなキャリアは、しかしながら、メモリスティックなど、他のデータキャリアを用いても実現可能である。コンピュータプログラムコード302は、さらに、サーバ上の、システム300にダウンロードするための純粋なプログラムコードとして与えられ得る。システム300は、無線通信システム100の他のノードとの通信のための通信ユニット303をさらに備え得、システムが、上述のように、無線通信デバイス、たとえばUEに無線カバレッジを与えるネットワークノードとして実現されている場合、通信ユニット303は、そのような無線通信デバイス、たとえば無線通信デバイス130との無線通信のために構成され得る。システム300は、気付かれているように、1つまたは複数のメモリモジュールを備え得るメモリ304をさらに備え得る。メモリ304は、たとえば、本明細書の実施形態の前記機能、アクションおよび/または方法を実行するためのアプリケーションまたはプログラム、および/またはそのようなアプリケーションまたはプログラムによって使用される情報を記憶するために使用され得る。コンピュータプログラムコード302はメモリ304中にダウンロードされ得、および/またはメモリ304上に記憶され得る。
【0090】
したがって、システム300は、本明細書で説明する方法およびアクション、たとえば、図4に関して上記で説明した方法およびアクションを実行するために与えられ得る。システム300は、したがって、上記で説明したように、システム300の前記第1の方法およびアクションを実行するように設定される。したがって、システム300および/または前記1つまたは複数のプロセッサ301および/または通信ユニット303は、第1のネットワークノード110から無線通信デバイス130への前記メッセージの前記送信をトリガするように動作可能であるか、または設定され得る。
【0091】
図5は、第2の方法の実施形態を概略的に示すフローチャートである。第2の方法は、無線通信ネットワーク、たとえば無線通信ネットワーク100の第1のネットワークノード、たとえば第1のネットワークノード110に無線で接続された無線通信デバイス、たとえば無線通信デバイス130によって実行されるべきである。
【0092】
第2の方法は以下のアクションを備える。
【0093】
アクション501
無線通信デバイス130は第1のネットワークノード110からメッセージを受信する。メッセージは、無線通信ネットワーク100のネットワークノード、たとえば、第1のネットワークノード110または第2のネットワークノード120から無線通信デバイス130によって受信された信号に関する、無線通信デバイス130による少なくとも1つの測定に関する命令を備える。命令は第1の測定条件と第2の測定条件とを備え、無線通信デバイス130が無線通信ネットワーク100に少なくとも1つの測定を報告するためには、第1の測定条件と第2の測定条件の両方が満たされなければならない。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の測定条件は第1の測定量、たとえばRSRPに関し、第2の測定条件は、第1の測定量とは異なる第2の測定量、たとえばRSRQに関する。
【0095】
さらに、いくつかの実施形態では、第1の測定条件は第1の参照信号タイプ、たとえばSSブロックベースの参照信号に関し、第2の測定条件は、第1の参照信号タイプとは異なる第2の参照信号タイプ、たとえばCSI RSに関する。
【0096】
その上、いくつかの実施形態では、第1の測定条件はセルレベル測定に関し、第2の測定条件は、ビームレベル測定など、ビームレベル測定情報に関する。
【0097】
さらに、いくつかの実施形態では、命令は、第1の測定条件が満たされたときに、第1の測定を報告する命令を備え、第2の測定条件は、第1の測定が報告された後に第1の測定条件が変化したことの検出であり、第2の測定条件は、次いで、第2の測定の報告をトリガする。
【0098】
アクション502
無線通信デバイス130は、ネットワークノードから受信された信号に関する少なくとも1つの測定を実行する。
【0099】
アクション503
無線通信デバイス130は、少なくとも1つの測定が第1の測定条件と第2の測定条件とを満たしたかどうかに基づいて、無線通信ネットワーク100に少なくとも1つの測定を報告する。
【0100】
上記ですでに示されているように、第1の方法を実行するシステム300は無線通信ネットワーク100のネットワークノード、たとえば基地局であり得、第1のネットワークノード110であり得る。第1のネットワークノード110は、この場合、UEから直接、測定、すなわち報告された測定を受信し得る。代替的に、同じく示されているように、第1の方法を実行するシステム300は、無線通信デバイス130からさらに離れたノード、たとえば、別の基地局など、コアネットワーク中のノードまたは無線アクセスネットワーク中のノードなど、無線通信ネットワーク100の別のネットワークノードであり得る。この場合、第1のネットワークノード110は、システム300からトリガリングメッセージを受信し得、次いで、これに応答して、命令を備えるメッセージを無線通信デバイス130に送信する。同じく上記で示されているように、第1の方法を実行するシステム300がネットワークノードのグループである場合、方法を実行するための機能は、無線通信ネットワーク100の、および/または無線通信ネットワーク100と通信している、異なる物理ノードまたは仮想ノードにわたって広がり得る。後者は、いわゆるクラウド実装と呼ばれ得、および/またはクラウド実装に対応し得る。
【0101】
図6は、本明細書の方法およびアクションを実行するために与えられ得る無線通信デバイス130の概略ブロック図である。
【0102】
無線通信デバイス130について、本明細書の実施形態は、本明細書の実施形態の機能、アクションおよび/または方法を実行するためのコンピュータプログラムコード602と一緒に、無線通信デバイス130中の1つまたは複数のプロセッサ601によって実装され得る。コンピュータプログラムコード602はまた、たとえば、無線通信デバイス130中にロードされているときに本明細書の実施形態を実行するためのコンピュータプログラムコードを担持するデータキャリアの形態のコンピュータプログラム製品として与えられ得る。1つのそのようなキャリアはCD ROMディスクの形態であり得る。そのようなキャリアは、しかしながら、メモリスティックなど、他のデータキャリアを用いても実現可能である。コンピュータプログラムコードは、さらに、サーバ上の、無線通信デバイス130にダウンロードするための純粋なプログラムコードとして与えられ得る。無線通信デバイス130は、第1のネットワークノード110との無線通信ための通信ユニット603をさらに備え得る。通信ユニット603は無線受信機および送信機または無線トランシーバであり得る。無線通信デバイス130はメモリ604をさらに備え得る。メモリ604は、たとえば、本明細書の実施形態の前記機能、アクションおよび/または方法を実行するためのアプリケーションまたはプログラム、および/またはそのようなアプリケーションまたはプログラムによって使用される情報を記憶するために使用され得る。コンピュータプログラムコード602はメモリ604中にダウンロードされ得、および/またはメモリ604上に記憶され得る。
【0103】
したがって、無線通信デバイス130は、本明細書で説明する方法およびアクション、たとえば、図5に関して上記で説明した方法およびアクションを実行するために与えられ得る。無線通信デバイス130は、したがって、上記で説明したように、無線通信デバイス130の前記第2の方法およびアクションを実行するように設定される。
【0104】
したがって、無線通信デバイス130および/または前記1つまたは複数のプロセッサ601および/または通信ユニット603は、第1のネットワークノード110から前記メッセージを受信するように動作可能であるか、または設定され得る。
【0105】
さらに、無線通信デバイス130および/または前記1つまたは複数のプロセッサ601および/または通信ユニット603は、前記信号に関する少なくとも1つの測定を実行するように動作可能であるか、または設定され得る。
【0106】
その上、無線通信デバイス130および/または前記1つまたは複数のプロセッサ601および/または通信ユニット603は、前記少なくとも1つの測定を無線通信ネットワーク100、たとえば第1のネットワークノード110に報告するように動作可能であるか、または設定され得る。
【0107】
すでに示されているように、本明細書の実施形態は、たとえば、eNBまたはgNBのクラウド実装、ならびに分散型実装のために適用可能である。さらに、本明細書の実施形態は、ネットワークノード、たとえば、eNBまたはgNBsと無線通信デバイス、たとえばUEの両方に影響を及ぼし得る、測定設定を改善することについてであると見なされ得る。本明細書の実施形態、およびたとえば、従来技術の仕様、ノードおよび/またはデバイスの更新は、特に、モビリティ向上目的、およびネットワークおよび/または無線デバイスのパフォーマンスの改善のためであり得る。
【0108】
通信設計および/またはそれの電子実装の当業者によって容易に理解されるように、本明細書で説明する機能、アクションおよび/または方法は、デジタル論理および/または1つまたは複数のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他のデジタルハードウェアを使用して実装され得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する様々な機能、方法および/またはアクションのうちのいくつかまたはすべてが、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)中に、あるいはデバイス間の適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアインターフェースをもつ2つまたはそれ以上の別個のデバイス中になど、一緒に実装され得る。機能、方法および/またはアクションのうちのいくつかは、たとえば、無線通信デバイス、システムまたはネットワークノードの他の機能構成要素と共有されるプロセッサ上に実装され得る。
【0109】
代替的に、たとえば、処理回路の機能要素のいくつかは専用のハードウェアの使用によって与えられ得るが、他の機能要素は、適切なソフトウェアまたはファームウェアに関連して、ソフトウェアを実行するためのハードウェアを用いて与えられ得る。したがって、本明細書で使用されることがある「プロセッサ」という用語は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアをもっぱら指すのではなく、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読取り専用メモリ(ROM)、ソフトウェアおよび/またはプログラムまたはアプリケーションデータを記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性メモリを暗黙的に含み得る。従来のおよび/またはカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。通信受信機の設計者は、これらの設計選択に固有のコスト、パフォーマンス、および保守のトレードオフを諒解しよう。異なるノードによって取られる異なるアクションは、異なる回路を用いて実装され得る。
【0110】
上記のことから、本明細書の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサ、たとえばプロセッサ303または603上で実行されたとき、少なくとも1つのプロセッサに、説明された機能、方法および/またはアクションのいずれかを実行させる命令を備える、コンピュータプログラム製品に関することがあると見られ得る。また、いくつかの実施形態は、上記で説明したように、前記コンピュータプログラムを含むキャリアをさらに備え得、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つであり得る。
【0111】
本明細書の例示的な実施形態の詳細な説明において使用される用語は、添付の図面によって示されているように、システム300および無線通信デバイス130など、説明した方法および構成を限定するものではない。
【0112】
本明細書における単数の要素に対する言及は、そのように明示的に述べられていない限り、「唯一の」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数の」を意味するものである。当業者に知られている、上記で説明した実施形態の要素に対するすべての構造的および機能的な等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本明細書によって包含されるものである。その上、装置または方法は、本明細書によって包含されるために、現在説明している概念によって解決されることが求められるありとあらゆる問題に対処する必要はない。
【0113】
例示的な図では、破線は、一般に、破線内の特徴が随意であることを示し得る。
【0114】
本明細書の実施形態を実装するためのシステム、ネットワーク、装置、ノード、デバイスなどは、一般に、上記で例示されたよりも多くの構成要素および/または上記で例示された以外の他の構成要素を備え得ることに留意されたい。さらに、本明細書の実施形態の動作、方法およびアクションは、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他の論理を備える任意の好適な論理を使用して実行され得る。本書で使用する際、「各」は、セットの各部材またはセットのサブセットの各部材を指す。同様に、本明細書の実施形態について開示されている方法は、示されているよりも多い、少ない、または示されている以外のステップを含み得る。さらに、アクションは任意の好適な順序で実行され得る。
【0115】
本明細書の実施形態は上記で説明した実施形態に限定されない。様々な代替、変更および等価物が存在し、上記で説明した実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定するものと取られるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6