特許第6963694号(P6963694)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963694
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】靴底用部材、及び、靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/02 20060101AFI20211028BHJP
   A43B 13/04 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   A43B13/02 Z
   A43B13/04 A
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-539958(P2020-539958)
(86)(22)【出願日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2018032160
(87)【国際公開番号】WO2020044506
(87)【国際公開日】20200305
【審査請求日】2020年12月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田邊 竜朗
(72)【発明者】
【氏名】森安 健太
(72)【発明者】
【氏名】若杉 晋作
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−523251(JP,A)
【文献】 特開2018−033677(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/168256(WO,A1)
【文献】 特開2003−245103(JP,A)
【文献】 特表2017−523928(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/115840(WO,A1)
【文献】 実開昭55−163806(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/02
A43B 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体で構成された靴底用部材であって、
前記発泡体は、ポリマー組成物で構成され、表面の少なくとも一部が50μm以上の厚さを有する非発泡状態の皮膜で構成されており、
該発泡体は、靴底の外周面の少なくとも一部を構成する側面と、該側面の下端部より内向きに延びる底面とを有し、前記側面から該底面にまで連続する前記皮膜が設けられ、
前記発泡体には、該発泡体の外周部において上方に突出する立上り部が備えられ、
前記立上り部の高さが5mm以上で、該立上り部の外側面に前記皮膜が設けられ、
前記立上り部が内側面にも前記皮膜を有し、
該内側面の前記皮膜は、前記外側面における前記皮膜よりも厚さが薄く、
該内側面がアッパーに接着されるミッドソールである、靴底用部材。
【請求項2】
前記発泡体が射出成形品である請求項1記載の靴底用部材。
【請求項3】
前記側面での前記皮膜の平均厚さをt(μm)とし、且つ、前記底面での該皮膜の平均厚さをt(μm)とした際に、下記の関係式(1)及び(2)を満たす請求項1又は2に記載の靴底用部材。

0.8 ≦ (t/t) ≦ 1.25 ・・・ (1)
50 ≦ t ≦ 300 ・・・ (2)
【請求項4】
前記関係式(1)及び(2)を満たす前記皮膜が靴の前足部に配される請求項3記載の靴底用部材。
【請求項5】
前記関係式(1)及び(2)を満たす前記皮膜が靴の中足部に配される請求項3記載の靴底用部材。
【請求項6】
前記立上り部は、内足側、外足側、及び、後ろ側からの3方から踵を覆うように靴の後足部に配されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の靴底用部材。
【請求項7】
前記立上り部が、前足部の外足側に配されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の靴底用部材。
【請求項8】
前記立上り部が、中足部の内足側に配されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の靴底用部材。
【請求項9】
靴の幅方向に沿って延在するリブが底面側に設けられており、該リブが前記皮膜で覆われている請求項1又は2記載の靴底用部材。
【請求項10】
前記発泡体がコアバック方式での射出成形品である請求項2記載の靴底用部材。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の靴底用部材を備えた靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底用部材、及び、靴に関し、より詳しくは、例えば、ミッドソールやアウトソール等として用いられる靴底用部材、及び、このような靴底用部材を備えた靴に関する。
【背景技術】
【0002】
各種競技等に使用される靴は、従来、図10に示すように、アッパー2xと靴底とを備えている。
前記靴1xは、多くの部材から構成されており、例えば、インナーソール(図示せず)、ソックライナー(図示せず)、ミッドソール3x、アウトソール4x等の靴底用部材を使って構成されている。
この種の靴底用部材は、従来、軽量性や衝撃吸収性に優れることが要望されている。
そのため靴底用部材の多くは、ゴム、プラスチックなどのポリマーを主成分としたポリマー組成物を発泡させた発泡体によって構成されている。
この点に関し、下記特許文献1には、衝撃吸収性などの特性を向上させるべく、発泡体で構成されたミッドソールとは別にシャンク部材と称される部材を用いることが記載されている。
そして、下記特許文献1には、シャンク部材をミッドソールの形成に用いられる樹脂よりも硬質で弾性力に優れた樹脂で形成させて靴底に適度な剛性を発揮させることが記載されている。
図に示すように、硬質樹脂製のシャンク部材51xは、通常、中足部において靴底の外周部より立ち上がるように設けられており、足の保持性を強化する強化部材として機能する。
この種の強化部材としては、スタビライザー52xと称される前足部に配される部材や、ヒールカウンター53xと称される後足部に配される部材などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2010−246785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の発泡体に比べて曲げやねじれに対する剛性が向上された発泡体を靴底用部材に用いれば、シャンク部材などのような強化部材を使用する場合と同様の機能が靴底に発揮され得る。
即ち、このような発泡体が提供されれば、強化部材の小型化や薄肉化による靴の軽量化が可能になるだけでなく、場合によれば、強化部材のような特別な部材の使用を省略させ得る。
発泡体の剛性を向上させるには、発泡体の形成材料を硬質な樹脂にしたり、発泡体の発泡倍率を低下させたりすることが考えられる。
しかしながらその場合は、曲げやねじれに対する剛性は向上され得るものの軽量性や衝撃吸収性などといった特性は低下してしまうおそれがある。
そのようなことから剛性と衝撃吸収性とを兼ね備えた発泡体によって構成された靴底用部材を得ることが困難になっている。
そこで、本発明は、このような靴底用部材の提供を図り、ひいては、衝撃吸収性に優れた靴の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべく本発明は、発泡体で構成された靴底用部材であって、前記発泡体は、ポリマー組成物で構成され、表面の少なくとも一部が50μm以上の厚さを有する非発泡状態の皮膜で構成されており、該発泡体は、靴底の外周面の少なくとも一部を構成する側面を有し、該側面に前記皮膜が設けられている靴底用部材を提供する。
【0006】
また、上記課題を解決すべく本発明は、上記のような靴底用部材を備えた靴を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】靴底用部材を備えた靴を示した該略斜視図。
図2】一実施形態に係る靴底用部材の斜視図。
図3図2におけるIII−III線矢視断面図。
図4】一実施形態に係る靴底用部材の底面図。
図5A】一実施形態の靴底用部材を作製するための成形型の概略正面図。
図5B】一実施形態の靴底用部材を作製するための成形型の概略平面図。
図5C】一実施形態の靴底用部材を作製するための成形型の概略側面図。
図6図5CにおけるVI−VI線矢視断面図。
図7図5CにおけるVII−VII線矢視断面図。
図8図5に示した成形型を使った靴底用部材の成形方法(第1の状態)を示した概略図。
図9図5に示した成形型を使った靴底用部材の成形方法(第2の状態)を示した概略図。
図10】強化部材を有する従来の靴を示した該略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の靴底用部材について以下にその実施の形態を例示しつつ説明する。
以下においては、本発明の靴底用部材としてミッドソールを例に説明する。
図1は、本実施形態の靴底用部材を用いて形成される靴を示したものである。
該靴1は、アッパー2と靴底とを有している。
前記靴底は、複数の靴底用部材によって構成されている。
該靴1は、前記靴底用部材として、ミッドソール3、及び、アウトソール4を有している。
尚、以下において図1に示した靴1について説明する際に、踵の中心HCと爪先の中心TCとを結ぶシューセンター軸CXに沿った方向のことを長さ方向Xと称することがある。
また、シューセンター軸CXに沿った方向の内、踵から爪先に向けた方向X1を前方などと称し、爪先から踵に向けた方向X2を後方などと称することがある。
さらに、シューセンター軸CXに直交する方向の内、水平面HPに平行する方向を幅方向Yと称することがある。
この幅方向Yの内、足の第1指側に向けた方向Y1を内方などと称し、第5指側に向けた方向Y2を外方などと称することがある。
そして、水平面HPに直交する垂直方向Zを厚み方向や高さ方向と称することがある。
さらに、以下においては、この垂直方向Zにおいて上方に向かう方向Z1を上方向と称し、下方に向かう方向Z2を下方向と称することがある。
【0009】
図1に示すように、本実施形態の靴1は最も下方にアウトソール4を備えている。
本実施形態のアウトソール4は、シート状であり、厚み方向が垂直方向Zとなるように靴1の最下部に配されている。
前記靴1は、着用者の足を上側から覆うアッパー2と前記アウトソール4との間にミッドソール3を備えている。
本実施形態のミッドソール3は、アウトソール4よりも厚い板状の発泡体で構成されており、図2図3、及び、図4に示すように、その厚み方向が靴の高さ方向Zとなるように配されている。
該ミッドソール3は、前記アウトソール4の上面に接着される底面3bと、前記アッパー2に対して下側から接着される上面3aと、該上面3aと前記底面3bとの外縁どうしを結ぶ側面3sとを有している。
前記ミッドソール3の前記側面3sは、当該ミッドソール3の外周を前記上面3a前記底面3bの外縁に沿って周回するように形成されている。
言い換えると前記上面3aは、前記側面3sの上端部より内向きに展延するように形成されており、前記底面3bは、前記側面3sの下端部より内向きに展延するように形成されている。
【0010】
ミッドソール3の前記側面3sは、爪先部分の一部を除いた残りの全てが靴底の外周面において露出した状態となっている。
即ち、靴底の外周面は、ミッドソール3の前記側面3sによって上部側が構成され、前記アウトソール4の側面4sによって下部側が構成されている。
【0011】
前記ミッドソール3は、図2に示すような発泡体で構成されている。
そして、図3に示すようにミッドソール3を構成する発泡体の表面は、非発泡状態の皮膜3dで構成されている。
即ち、前記発泡体は、表層部が非発泡領域となっており、該非発泡領域の内側が複数の気泡3fを備えた状態になっている。
本実施形態のミッドソール3を構成する前記発泡体は、後段において詳述するように射出成形品であり、前記発泡領域3eと該発泡領域3eを覆う前記皮膜3dとが同じポリマー組成物で構成されている。
【0012】
本実施形態においては、前記ミッドソール3の表面を構成する前記皮膜3dの内、少なくとも一部は、50μm以上の厚さを有する厚肉皮膜となっている。
そして、前記厚肉皮膜は、前記ミッドソール3の側面3sに設けられている。
該厚肉皮膜は、ミッドソール3に曲げが加えられたりねじりが加えられたりした際に優れた剛性を発揮させるのに有効に作用する。
【0013】
前記ミッドソール3に発揮される剛性は、主として、前記皮膜3dの厚みなどによって調整可能である。
前記剛性は、例えば、前記皮膜3dが波板状となるようにミッドソール3の形状を工夫したりして調整することができる。
前記剛性は、ミッドソール3のどういった箇所にどのような厚さの前記皮膜3dを形成させるかを工夫することよっても調整することができる。
即ち、本実施形態においては、前記発泡領域の発泡倍率を過度に低下させたり、前記発泡体を構成するポリマー組成物のベース樹脂を硬質で高弾性率の樹脂にしたりしなくてもミッドソールに所望の剛性を発揮させることができる。
したがって、本実施形態においては、高い剛性と優れた衝撃吸収性とを兼ね備えた発泡体によって前記ミッドソール3を構成させることができる。
【0014】
優れた衝撃吸収性を備えたミッドソール3を構成する上において、前記発泡体における前記発泡領域3eでの発泡倍率は、2倍以上であることが好ましい。
高い剛性を備えたミッドソール3を構成する上において、前記発泡体における前記発泡領域3eでの発泡倍率は、7倍以下であることが好ましく、6倍以下であることがより好ましい。
前記発泡領域3eの発泡倍率は、前記発泡体から前記皮膜3dを取り除いた試料を作製し、該試料の見掛け密度と真密度とを測定することで求めることができる。
前記試料の見掛け密度は、例えば、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に記載の方法に基づいて測定することができる。
前記試料の真密度は、該試料を熱プレスするなどして非発泡体とすることで求めることができる。
前記試料の真密度は、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」のA法(水中置換法)によって前記非発泡体の密度を測定することで求めることができる。
前記真密度の測定は、前記試料を熱プレスした非発泡体に代えて前記皮膜3dを測定試料とすることによっても求めることができる。
前記発泡倍率は、下記の計算式より求めることができる。

発泡倍率 = 真密度/見掛け密度
【0015】
本実施形態における前記発泡体は、前記の通り、50μm以上の厚さを有する厚肉皮膜を備えている。
前記発泡体は、高い剛性と優れた衝撃吸収性とを兼ね備えたミッドソール3を構成する上において、100μm以上の厚さを有する厚肉皮膜を備えていることが好ましく、120μm以上の厚さを有する厚肉皮膜を備えていることがより好ましく、150μm以上の厚肉皮膜を備えていることが特に好ましい。
前記発泡体は、前記側面3sの面積の50%以上が上記のような厚肉皮膜で構成されていることが好ましく、70%以上が上記のような厚肉皮膜で構成されていることがより好ましく、90%以上が上記のような厚肉皮膜で構成されていることが特に好ましい。
前記発泡体は、前記側面3sだけでなく、前記上面3aや前記底面3bにおいても上記のような厚肉皮膜が上記のような割合で設けられていることが好ましい。
【0016】
上記のような厚肉皮膜の内の少なくとも一部は、前記側面3sから前記底面3bにまで連続して備えられていることが好ましい。
前記側面3sから前記底面3bにまで連続する前記厚肉皮膜は、前記上面3aにまで連続して備えられていることがより好ましい。
そして、前記側面3sでの前記厚肉皮膜の平均厚さをt(μm)とし、且つ、前記底面での該皮膜の平均厚さをt(μm)とした際に、前記発泡体は、下記関係式(1)及び(2)を満たしていることが好ましい。

0.8 ≦ (t/t) ≦ 1.25 ・・・ (1)
50 ≦ t ≦ 300 ・・・ (2)
【0017】
前記側面3sでの前記厚肉皮膜の平均厚さをt(μm)は、前記厚肉皮膜に対して直交し、且つ、靴1の高さ方向(Z)に平行する平面で前記厚肉皮膜を切断した際の前記厚肉皮膜の断面積を前記厚肉皮膜の長さ(図3の符号L)で除して求めることができる。
前記底面3bでの前記厚肉皮膜の平均厚さt(μm)も前記側面3sでの平均厚さt(μm)と同様にして求めることができる。
前記側面3sと前記底面3bとが交わる角部3cでの前記厚肉皮膜の厚さは、前記側面3sでの平均厚さt(μm)や前記底面3bでの平均厚さt(μm)よりも厚いことが好ましい。
【0018】
前記関係式(1)及び(2)を満たす前記厚肉皮膜は、靴1の前足部11、中足部12、及び、後足部13の何れに配されていてもよい。
前記関係式(1)及び(2)を満たす前記厚肉皮膜は、少なくとも前足部11及び中足部12の何れか一方に配されることが好ましく、これらの両方に配されることがより好ましい。
前記関係式(1)及び(2)を満たす前記厚肉皮膜は、前記側面3sの周長の内の50%以上の区間に設けられていることが好ましく、70%以上の区間に設けられていることがより好ましく、90%以上の区間に設けられていることが特に好ましい。
【0019】
本実施形態の前記発泡体には、靴1の着用者の踵をサポートすべく前記発泡体の外周部において上方に突出する立上り部33を有しており、前記立上り部33の外側面33aに前記厚肉皮膜が設けられている。
本実施形態の立上り部33は、発泡体の外周部に沿って立設された板状構造を有し、靴1の後足部13に設けられている。
しかも本実施形態の立上り部33は、内足側、外足側、及び、後ろ側の3方から踵を覆うように設けられている。
前記立上り部33の高さは、5mm以上であることが好ましい。
【0020】
前記立上り部33を有することで着用者の踵が靴底から内方(Y1)や外方(Y2)にはみ出してしまうことが抑制される。
本実施形態での靴1は、このことによって着用者の足によりフィットすることになる。
本実施形態の前記立上り部33は、従来の靴1xに設けられているヒールカウンター53xと同様に機能する。
なお、本実施形態の靴1は、ヒールカウンターを前記立上り部33に代えて設けてもよく、前記立上り部33と前記ヒールカウンターとの両方を備えていてもよい。
【0021】
前記立上り部33は、前足部11の外足側に配されてもよい。
この場合、着用者の第5指を外側から覆うように前記立上り部33が配されるため、着用者の爪先が靴底から外方(Y2)にはみ出してしまうことが抑制され得る。
この時の前記立上り部33は、従来の靴1xに設けられているスタビライザー52xと同様に機能する。
本実施形態の靴1は、前記スタビライザーを前記立上り部33に代えて設けてもよく、前記立上り部33と前記スタビライザーとの両方を備えていてもよい。
【0022】
前記立上り部33は、アーチ部(中足部12の内足側)に配されてもよい。
この時の前記立上り部33は、従来の靴1xに設けられているシャンク部材51xと同様に機能する。
本実施形態の靴1は、前記シャンク部材を前記立上り部33に代えて設けてもよく、前記立上り部33と前記シャンク部材との両方を備えていてもよい。
【0023】
前記立上り部33は、これらの内の1箇所のみに設けてもよく、複数の箇所に設けてもよい。
本実施形態の靴1は、シャンク部材、スタビライザー、及び、ヒールカウンターといった強化部材の内、1つのみを備えていても、複数備えていてもよい。
これらの強化部材は、通常、ミッドソールよりも硬い(デュロメータ硬さの値が大きい)ポリマー組成物によって形成され得る。
本実施形態では、ミッドソールによって靴底に優れた剛性が発揮されることから、これらの強化部材は、従来のものに比べて小型であってもよく、厚さが薄くてもよい。
本実施形態の強化部材は、ミッドソールによって靴底に優れた剛性が発揮されることから、硬質樹脂製である必要はなく、ポリマーフィルム、皮革シート、繊維シートなどで構成させることもできる。
このように本実施形態の靴は、強化部材を採用する場合でも、従来の靴に比べて軽量化され得る。
【0024】
本実施形態における前記立上り部33の内側面33bは、前記アッパー2との接着に利用される。
アッパー2の変形に対する優れた追従性を発揮させるべく、前記立上り部33の内側面33bでの皮膜3dの厚さは、外側面33aに比べて薄い方が好ましい。
前記立上り部33の内側面33bでの皮膜3dの厚さは、最も厚い部分においても150μm未満であることが好ましい。
前記内側面33bでの皮膜3dの最大厚さは、100μm未満であることがより好ましく、50μm未満であることが特に好ましい。
前記立上り部33の内側面33bでは、接着剤に対する優れたアンカー効果を発揮させるべく、少なくとも一部の領域において皮膜を切除し、当該領域を前記発泡体の気泡が開口した状態となるようにしてもよい。
即ち、前記内側面33bの一部又は全部は、発泡体が切断されることによって形成された切断面であっていてもよい。
同様の理由で、前記上面3aや前記底面3bの一部が前記切断面であってもよい。
【0025】
本実施形態において前記ミッドソール3を構成する前記発泡体は、図4に示すように中足部12において靴1の幅方向Yに沿って延在するリブ31を底面側に有している。
本実施形態の前記発泡体では、前記リブ31が前記厚肉皮膜によって覆われている。
前記リブ31は、ミッドソール3にねじりが加えられた際に優れた剛性を発揮させるのに有効に作用する。
これにより、本実施形態の靴1では、シャンク部材を設けなくても優れた補強効果を得ることができる。
本実施形態の前記リブ31は、前記発泡体を横断し、角部3cを通って発泡体の両方の側面3sにおいて立ち上がるように形成されている。
本実施形態においては、前記リブ31が複数条設けられており、複数条の前記リブ31が間隔を設けて並行するように設けられている。
1つのリブ31と、隣り合う別のリブ31との間は、前記発泡体を横断する条溝32となっている。
この条溝32やリブ31による補強効果をより顕著に発揮させる上において、条溝32とリブ31との間の高低差は1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。
前記高低差は、10mm以下であることが好ましい。
また、隣り合うリブ31の間の距離は、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましい。
前記距離は、3mm以上であることが好ましい。
【0026】
本実施形態の前記ミッドソール3は、前記リブ31と前記条溝32とを有することで、前記側面3sの内側への凹入と外側への突出とが靴1の長さ方向Xに向かって交互に現れる凹凸形成部を有している。
即ち、本実施形態の前記ミッドソール3には、上下方向Zに延在するリブ31や条溝32によって前記凹凸形成部が形成されている。
しかも、本実施形態では該凹凸形成部が靴1の中足部12の内足側に配されている。
したがって、本実施形態のミッドソール3は、中足部12の内足側において圧縮力が加えられた際に高い剛性を発揮する。
そのため、本実施形態の前記ミッドソール3は、着用者の脚が内側への倒れ込むのを防ぐことができる。
【0027】
本実施形態の前記ミッドソール3には、前記凹凸形成部が靴1の中足部12の外足側にも配されている。
そのため、本実施形態の前記ミッドソール3は、着用者の脚が外側への倒れることも防ぐことができる、着用者が安定した歩行をするのに有効に作用する。
前記凹凸形成部は、靴1の長さ方向Xにおいて10mm以上の長さとなるように形成されることが好ましく、20mm以上の長さとなるように形成されることがより好ましい。
本実施形態の前記ミッドソール3は、前記側面3sの内側への凹入と外側への突出とが当該ミッドソールの厚み方向(垂直方向Z)に向かって交互に現れる凹凸形成部を有していてもよい。
【0028】
前記ミッドソール3を構成する前記発泡体は、ベースポリマーと発泡剤とを含有するポリマー組成物を金型などを用いて成形加工することで作製することができ、その製造過程において前記皮膜3dを形成させることができる。
【0029】
前記ポリマー組成物のベースポリマーとしては、例えば、オレフィン系のものであれば、ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE))、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0030】
前記ベースポリマーとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610などのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0031】
前記ベースポリマーとしては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン等のポリウレタン系ポリマー;スチレン−エチレン−ブチレン共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、SBSの水素添加物(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS))、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、SISの水素添加物(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS))、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン(SBSB)、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブタジエン−スチレン(SBSBS)、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)等のスチレン系ポリマー等を挙げることができる。
【0032】
前記ベースポリマーとしては、例えば、フッ素樹脂やフッ素ゴムなどのフッ素系ポリマー;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂;シリコーン系エラストマー;ブタジエンゴム(BR);イソプレンゴム(IR);クロロプレン(CR);天然ゴム(NR);スチレンブタジエンゴム(SBR);アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR);ブチルゴム(IIR)などを用いてもよい。
【0033】
前記ポリマー組成物には、必要に応じて前記ベースポリマーを架橋させるための架橋剤を含有させてもよい。
【0034】
前記架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、マレイミド系架橋剤、硫黄、フェノール系架橋剤、オキシム類、ポリアミン等を採用することが可能である。
また、前記ベースポリマーの架橋は、電子線やX線を照射して行ってもよい。
【0035】
該有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
【0036】
前記ポリマー組成物は、複数のポリマーを含有してもよく、複数の架橋剤を含有してもよい。
前記ポリマー組成物には、クレー、タルク、シリカ、カーボンブラックといった無機フィラーをさらに含有させてもよい。
前記ポリマー組成物に発泡を生じさせるための発泡剤としては、特に限定されず、有機系や無機系の化学発泡剤や物理発泡剤が挙げられる。
前記発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等のアゾ化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体;p−トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物;トリヒドラジノトリアジンなどの有機系熱分解型発泡剤から選択される1種又は2種以上を採用することができる。
【0037】
前記発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩;亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩、水素化合物などの無機系熱分解型発泡剤から選択される1種又は2種以上を採用することができる。
【0038】
前記発泡剤としては、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の各種脂肪族炭化水素類などの有機系発泡剤、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水などの無機系発泡剤を用いることができる。
該無機系発泡剤は、超臨界流体となるような条件下で用いられることが好ましい。
【0039】
前記ポリマー組成物には、例えば、加工助剤、耐侯剤、難燃剤、顔料、離型剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤等から選択される1種又は2種以上をさらに含有させてもよい。
【0040】
該ポリマー組成物によって前記発泡体を形成させる方法は、特に限定されるものではないが、前記皮膜3dを所望の状態に形成させ易い点において射出成形法を採用することが好ましく、なかでも加熱溶融状態のポリマー組成物を成形型のキャビティ内に射出した後にキャビティの容積を拡大させることでポリマー組成物を発泡させるコアバック方式を採用することが好ましい。
【0041】
コアバック方式での射出成形によって前記ミッドソール3を構成する発泡体を作製するには、例えば、図5A図5B、及び、図5Cに示したような成形型Mが用いられる。
図に示すように、成形型Mは、型閉め時に互いに接する型合わせ面Sf,Smを有する一対の型で構成されている。
前記成形型Mは、一対の前記型として雄型MMと雌型MFとを有している。
前記成形型Mは、前記雄型MMと前記雌型MFとを重ね合わせることで密閉状態の成形空間CVを内部に形成し得るように構成されている。
該成形型Mは、射出成形機で溶融混練されたポリマー組成物を前記射出成形機から前記成形空間CVに導入させるための注入口ILを有している。
【0042】
前記成形型Mは、平面視における形状が前記発泡体と同様の形状となり、且つ、側面子における形状が前記発泡体よりも薄い形状となる前記成形空間CVが型閉め時に内部に形成し得るように構成されている。
そして、前記成形型Mは、雄型MMの型合わせ面Smと雌型MFの型合わせ面Sfとの間に間隙を設けた状態において内部に形成される成形空間CV’が前記発泡体に対応した形状となるように形成されている。
即ち、本実施形態においては、作製する発泡体よりも容積の小さな成形空間CVを内部に形成する第1の状態と、該第1の状態よりも容積の大きな成形空間CV’を内部に形成する第2の状態とに切り替え可能な成形型Mが用いられる。
【0043】
前記雌型MFは、型合わせ面Sfを有する側において開口し、且つ、該雌型MFの厚み方向に凹入した成形用凹部MFaを備えている。
該成形用凹部MFaは、ミッドソール3の厚さ方向が深さ方向となるように形成されている。
前記雄型MMは、型合わせ面Smから突出し、且つ、雌型MFの成形用凹部MFaに突入可能な成形用凸部MMaを備えている。
前記成形用凹部MFaは、前記成形用凸部MMaが突入する方向と直交する平面での断面積が、深さ方向において異なっている。
具体的には、前記成形用凹部MFaの上部は前記断面積が下部に比べて小さくなっている。
即ち、前記成形用凹部MFaは、深さ方向上部が下部に比べて前記断面積が小さな小面積領域MFa1となっており、該小面積領域MFa1よりも下方が小面積領域MFa1に比べて前記断面積が大きい大面積領域MFa2となっている。
前記小面積領域MFa1での成形用凹部MFaの断面形状は、前記成形用凸部MMaの輪郭形状と一致している。
前記大面積領域MFa2での成形用凹部MFaの断面形状は、前記成形用凸部MMaの輪郭形状よりも一回り大きい。
そのため、雌型MFと雄型MMとを重ね合わせた際には、図6に示すように小面積領域MFa1では成形用凸部MMaの外周面と成形用凹部MFaの内壁面とが接する状態となるものの大面積領域MFa2では、図7に示したようにこれらの間には隙間CLが形成される。
【0044】
コアバック方式での射出成形によって前記ミッドソール3を構成する発泡体を作製するには、前記第1の状態(図8)となっている成形型Mの成形空間CVに対して熱溶融状態のポリマー組成物を射出し、次いで、成形型Mを前記第2の状態(図9)とする。
このとき、前記成形用凸部MMaの先端部が小面積領域MMa1に位置するように前記雌型MFと前記雄型MMとの間に距離Dを設ける。
そして、第1の状態での成形空間CVよりも容積の大きな新たな成形空間CV’を型内に形成させることでポリマー組成物を減圧し、該ポリマー組成物を発泡させるとともに新たな成形空間CV’に充満させ前記ミッドソール3を構成する発泡体を作製する。
【0045】
上記の過程において、成形空間CVに射出されたポリマー組成物は、前記成形用凸部MMaの先端面や前記成形用凹部MFaの内壁面によって冷却されるため、成形空間CVに射出されてから前記第2の状態へと移行するまでの時間を長期化することで発泡体表面の前記皮膜3dの厚さを厚くすることができる。
また、前記皮膜3dの厚さは、雌型MFや雄型MMの温度条件(冷却条件)によっても調整可能である。
そして、このときに前記皮膜3dの内側に形成される前記発泡領域3eを良好な発泡状態にさせる上では、発泡剤が超臨界状態となる条件下でポリマー組成物を成形空間CVに射出することが好ましい。
このときに用いる発泡剤は、二酸化炭素、窒素、アルゴンなどが好ましい。
【0046】
上記のように本発明の靴底用部材は、発泡体で構成された靴底用部材である。
本発明における前記発泡体は、ポリマー組成物で構成され、表面の少なくとも一部が50μm以上の厚さを有する非発泡状態の皮膜で構成されており、該発泡体が、靴底の外周面の少なくとも一部を構成する側面を有し、該側面に前記皮膜が設けられている。
そのため、本発明の靴底用部材は剛性と衝撃吸収性とを発揮することができる。
尚、本実施形態においては靴底用部材としてミッドソールを例示しているが、本発明の靴底用部材は、ミッドソールに限定されるものではない。
【0047】
上記例示における前記発泡体は、射出成形品であることで皮膜の厚さを調整することが容易となっているが、本発明の発泡体は、射出成形品に限定されるものではない。
【0048】
上記例示における前記発泡体は、前記側面の下端部より内向きに延びる底面を有し、前記側面から該底面にまで連続する前記皮膜を有しており、前記側面での該皮膜の平均厚さをt(μm)とし、且つ、前記底面での該皮膜の平均厚さをt(μm)とした際に、下記の関係式(1)及び(2)を満たすことで適度な剛性を発揮する。

0.8 ≦ (t/t) ≦ 1.25 ・・・ (1)
50 ≦ t ≦ 300 ・・・ (2)
【0049】
また、上記においては、前記関係式(1)及び(2)を満たす前記皮膜を靴の前足部に配したり中足部に配したりすることで剛性と衝撃吸収性とに優れた靴底用部材の提供が可能になることを例示しているが、本発明では、発泡体が前記関係式(1)及び(2)を満たすことを必要とはしない。
【0050】
さらに、上記においては、前記立上り部を後足部に配することで着用者の足にフィットさせ易い状態になった靴を例示しているが本発明の靴底用部材は立上り部を有していなくてもよい。
即ち、本発明の靴底用部材や本発明の靴は、上記例示に何等限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
1:靴、2:アッパー、3:ミッドソール、3d:皮膜、3e:発泡領域、3s:側面、4:アウトソール、11:前足部、12:中足部、13:後足部、33:立上り部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10