特許第6963714号(P6963714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6963714
(24)【登録日】2021年10月19日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】メモリ操作用のイベントカウンタ
(51)【国際特許分類】
   G11C 13/00 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   G11C13/00 400Z
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2021-522401(P2021-522401)
(86)(22)【出願日】2019年10月9日
(86)【国際出願番号】US2019055283
(87)【国際公開番号】WO2020086269
(87)【国際公開日】20200430
【審査請求日】2021年6月17日
(31)【優先権主張番号】16/168,952
(32)【優先日】2018年10月24日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】スフォルジン マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ディ ヴィンツェンツォ ウンベルト
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−99205(JP,A)
【文献】 特表2021−508107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検知コンポーネントであって、個々の各々の検知コンポーネントは、各々のイベントを検知するように構成され、前記各々の検知コンポーネントが前記各々のイベントを検知したことに応答して第2のコンデンサに選択的に結合されるように構成される各々の第1のコンデンサを含み、前記第2のコンデンサは、前記第2のコンデンサに選択的に結合される個々の各々の第1のコンデンサによって一定電圧に充電されるように構成される、前記複数の検知コンポーネントと、
前記第2のコンデンサに結合される第1の入力と、イベントの閾値量に対応する基準電圧に結合される第2の入力とを含むコンパレータであって、前記第2のコンデンサの前記電圧が前記基準電圧以上であることに応答して検知されている前記イベントの閾値量を示す信号を出力するように構成される、前記コンパレータと、
を含む、カウンタ。
【請求項2】
ブランチの1つを介して前記第2のコンデンサに結合されるノードと並列に結合される複数のブランチをさらに含み、個々の各々の検知コンポーネントの前記各々の第1のコンデンサは、前記各々の検知コンポーネントが前記各々のイベントを検知したことに応答して、各々のブランチに選択的に結合されるように構成される、請求項1に記載のカウンタ。
【請求項3】
個々の各々の検知コンポーネントの入力は、メモリセルのグループに結合されるセンス増幅器のグループの各々のセンス増幅器に結合され、
個々の各々のイベントは、前記各々のセンス増幅器に結合される前記グループの各々のメモリセルで発生するスイッチングイベントである、請求項1に記載のカウンタ。
【請求項4】
前記イベントの閾値量は、前記メモリセルのグループに記憶されるデータパターンの重みに一致する、請求項3に記載のカウンタ。
【請求項5】
カウンタのいくつかの検知コンポーネントの個々の各々の検知コンポーネントにおいて各々のイベントを示す各々の第1の電圧を受信することであって、個々の各々の検知コンポーネントは第2の電圧に最初に充電される各々の第1のコンデンサを含む、前記受信することと、
個々の各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して、個々の各々の第1のコンデンサを前記カウンタの第2のコンデンサと並列に結合することであって、個々の各々の第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサが第3の電圧に達するまで、個々の各々の第1のコンデンサは前記第2のコンデンサに放電する、前記結合することと、
コンパレータによって、前記第3の電圧を基準電圧と比較して、前記各々の第1の電圧を受信する前記いくつかの検知コンポーネントが閾値量以上であるかどうかを決定することと、
を含む、カウント方法。
【請求項6】
前記第2のコンデンサは、前記コンパレータの入力と並列に結合され、個々の各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して、個々の各々の第1のコンデンサと並列に結合される、複数の第2のコンデンサの1つであり、個々の各々の第1のコンデンサ及び前記複数の第2のコンデンサが前記第3の電圧に達するまで、個々の各々の第1のコンデンサは前記複数の第2のコンデンサに放電する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記各々のイベントを示さない個々の各々の検知コンポーネントにおいて各々の電圧を受信したことに応答して、個々の各々の第1のコンデンサを前記第2の電圧に選択的に結合し、個々の各々の第1のコンデンサを前記第2の電圧に充電すること、をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
個々の各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して、前記第2の電圧を個々の各々の第1のコンデンサから分離すること、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
カウンタのいくつかの検知コンポーネントの個々の各々の検知コンポーネントにおいて各々のイベントを示す各々の第1の電圧を受信することであって、個々の各々の検知コンポーネントは第2の電圧に最初に充電される各々の第1のコンデンサを含む、前記受信することと、
個々の各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して、個々の各々の第1のコンデンサを第2のコンデンサに放電することによって、個々の各々の第1のコンデンサから、最初に放電された前記第2のコンデンサに同じ電荷量を移送することであって、前記第2のコンデンサは第3の電圧に充電される、前記移送することと、
コンパレータによって、前記第3の電圧を基準電圧と比較して、前記各々の第1の電圧を受信する前記いくつかの検知コンポーネントが閾値量以上であるかどうかを決定することと、
を含む、カウント方法。
【請求項10】
個々の各々の第1のコンデンサは各々のトランジスタに結合され、
個々の各々の第1のコンデンサを前記第2のコンデンサに放電することは、前記各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して前記各々のトランジスタをアクティブにしたことに応答して、前記各々のトランジスタを介して個々の各々の第1のコンデンサを放電することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
個々の各々の第1のコンデンサの第1の端子は前記各々のトランジスタに選択的に結合され、
個々の各々の検知コンポーネントにおける前記各々の第1の電圧を受信することは、前記第1の端子の第4の電圧を第5の電圧まで第1の電圧だけ増加させるように作動する前記各々の第1のコンデンサの第2の端子で前記各々の第1の電圧を受信することを含み、
前記各々の検知コンポーネントが前記各々の第1の電圧を受信したことに応答して前記各々のトランジスタをアクティブにすることは、前記第5の電圧に応答して前記各々のトランジスタをアクティブにすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
個々の各々の第1のコンデンサを放電された前記第2のコンデンサに放電することは、前記各々の第1のコンデンサの前記第1の端子の電圧が前記第4の電圧に戻るまで、前記各々のトランジスタを介して前記各々の第1のコンデンサを放電することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の検知コンポーネントと、
いくつかの第1のコンデンサと、を含み、
個々の各々の検知コンポーネントは、
第2のコンデンサと、
前記各々の検知コンポーネントの各々の入力に結合されるトランジスタであって、前記各々の入力がスイッチングイベントを示す電圧を受信したことに応答して、前記いくつかの第1のコンデンサと並列に前記第2のコンデンサを選択的に結合するように構成される、前記トランジスタと、を含み、
前記いくつかの第1のコンデンサと並列に結合されるいくつかの第2のコンデンサのそれぞれは、前記いくつかの第1のコンデンサのそれぞれ及び前記いくつかの第2のコンデンサのそれぞれが平衡電圧に達するまで、前記いくつかの第1のコンデンサに放電するように構成される、カウンタ。
【請求項14】
複数の検知コンポーネントと、
第1のコンデンサと、
個々の各々の検知コンポーネントと前記第1のコンデンサとの間に結合される各々のトランジスタと、を含み、
個々の各々の検知コンポーネントは、
各々の第2のコンデンサと、
前記各々の第2のコンデンサの第1の端子を前記各々のトランジスタに選択的に結合するように構成される各々の第1のスイッチと、
前記各々の検知コンポーネントが第1の電圧を受信したことに応答して、前記各々の第2のコンデンサの第2の端子を、スイッチングイベントを示す前記第1の電圧に選択的に結合するように構成される、各々の第2のスイッチと、を含み、
個々の各々のトランジスタは、前記第1の電圧に対応する同じ電荷が個々の各々の第2のコンデンサから前記第1のコンデンサまで移送するまで、前記第1の電圧が前記各々の第2のコンデンサの前記第1の端子に結合されていることに応答して導電するように構成され、前記第1のコンデンサは前記第1のコンデンサに移送される前記電荷に対応する第2の電圧に充電され、前記第2の電圧は前記第1の電圧を受信する各々の検知コンポーネントの数に正比例する、カウンタ。
【請求項15】
個々の各々の検知コンポーネントは、さらに、
前記各々の第2のコンデンサの前記第1の端子を充電電圧に選択的に結合するように構成される第3のスイッチと、
前記各々の第2のコンデンサの前記第2の端子を接地に選択的に結合するように構成される第4のスイッチと、を含み、
前記第3のスイッチは前記各々の第2のコンデンサの前記第1の端子を前記充電電圧に選択的に結合し、前記各々の第2のコンデンサを前記充電電圧に充電する一方、前記第4のスイッチは、前記各々の第2のコンデンサの前記第2の端子を接地に選択的に結合する、請求項14に記載のカウンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電子装置に関し、より具体的には、メモリ操作用のイベントカウンタに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリシステム等の電子システムには、電圧変化、スイッチングイベント等の多くのイベントが発生し得る。例えば、メモリシステムのデータバス等のバスのラインの電圧は変化し得る。メモリシステムのデータレジスタ等のレジスタの電圧は、レジスタのデータ値が変化した結果として変化し得る。いくつかの例では、メモリシステムには、特定の状態にプログラムされたメモリセルの検知(例えば、読み取り)に関連付けられるスイッチングイベントが発生し得る。
【0003】
メモリシステムは、コンピュータ、携帯電話、ハンドヘルド電子デバイス等の電子システムに実装され得る。いくつかのストレージシステム(ソリッドステートドライブ(SSD)、組み込みマルチメディアコントローラ(eMMC)デバイス、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)デバイス等)は、ホストからのホストデータ(例えば、ユーザデータ)を記憶するための不揮発性ストレージメモリを含み得る。不揮発性ストレージメモリは、電源が入っていないときに記憶されたデータを保持することによって永続的にデータを提供し、メモリのタイプの中でも、NANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、ならびに相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)、3次元クロスポイントメモリ(例えば、3DXPoint)、抵抗ランダムアクセスメモリ(RRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)、及びプログラム可能な伝導メモリ等の抵抗変化型メモリを含み得る。
【0004】
メモリセルはアレイアーキテクチャに配置でき、レジスタのセットを伴うバッファをアレイに結合でき、それにより、ホストへの後続の伝送のために、アレイからレジスタにデータを読み込むことができる、またはホストデータはレジスタで受信され、続いて、アレイに書き込み(例えば、プログラム)できる。
【0005】
メモリセルは、1つ以上のデータ単位(例えば、ビット)に対応するいくつかの異なるデータ状態にプログラム可能であり得る。例として、いくつかの抵抗変化型メモリセル等のいくつかのメモリセルは、低閾値電圧(Vt)状態に対応する低抵抗状態または高Vt状態に対応する高抵抗状態にプログラムできる。いくつかの例では、より低い抵抗状態にある抵抗変化型セルは、セットされたVtの分布に対応するセット状態(例えば、論理1にエンコードされる)にあると言われ得、より高い抵抗状態にある抵抗変化型セルは、リセットされたVtの分布に対応するリセット状態(例えば、論理0にエンコードされる)にあると言われ得る。
【0006】
メモリセルの状態は、例えば、検知電圧(読取電圧または限界電圧(demarcation voltage)と呼ばれ得る)をセルに(例えば、セルにわたって)印加したことに応答して、セルの抵抗状態が変化する(例えば、切り替えイベントが発生する)かどうかを決定することによって検知できる。例えば、Vtsが検知電圧よりも小さいメモリセルにはスイッチングイベントが発生し得る一方、Vtsが検知電圧よりも大きいメモリセルではスイッチングイベントが発生し得ない。したがって、検知電圧は、セットされたVt分布に一致するVtsよりも大きくなるように、リセットされたVt分布に一致するVtsよりも小さくなるように選択され得、これにより、セット状態にあるメモリセルでは、検知電圧に応答して、スイッチングイベントが発生する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、カウンタを示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、別のカウンタを示す。
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、カウンタの動作の特定の段階に対応するカウンタの様々な構成を示す。
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、カウンタの動作の特定の段階に対応するカウンタの様々な構成を示す。
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、カウンタの動作の特定の段階に対応するカウンタの様々な構成を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、カウンタの動作に対応する様々な波形を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、メモリセルのアレイの一部を示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、メモリ及びメモリシステム等の電子システムにおけるイベントの閾値量にいつ到達するかを決定するために使用できるカウンタの技術的改善を対象とする。例えば、イベントの閾値量はデータパターンの特定の数のイベントに一致し得、その数はデータパターンの特定の重みに一致し得る。
【0009】
ある例では、カウンタは、いくつかの検知コンポーネントを有し得る。個々の各々の検知コンポーネントは各々のイベントを検知するように構成でき、各々の検知コンポーネントが各々のイベントを検知したことに応答して、第2のコンデンサに選択的に結合されるように構成される各々の第1のコンデンサを含み得る。第2のコンデンサは、第2のコンデンサに選択的に結合される個々の各々の第1のコンデンサによって一定電圧に充電されるように構成できる。カウンタはコンパレータを有し得、コンパレータは、第2のコンデンサに結合される第1の入力と、イベントの閾値量に対応する基準電圧に結合される第2の入力とを有する。コンパレータは、第2のコンデンサの電圧が基準電圧以上であることに応答して検知されているイベントの閾値量を示す信号を出力するように構成できる。
【0010】
いくつかの例では、カウンタは、いくつかの同時の独立イベントを有利に検知できる。検知できるイベントは、検知電圧を伴うセット状態の抵抗変化型メモリセル(例えば、3DXポイントメモリのメモリセル)を検知することに関連付けられるスイッチングイベントを含み得、スイッチング回路に関連付けられるスイッチングイベントは、特定の値を有する静電圧に結合され、とりわけ、イベントは、データレジスタのセットのデータ値を変更することに関連付けられる。
【0011】
いくつかの例では、イベントの閾値量は、メモリセルのグループを検知するために使用される、増加する検知電圧ランプ等の増加する検知電圧に応答して、スイッチングイベントが発生するメモリセルのグループのメモリセルの量の半分であり得る。例えば、セルの半分でスイッチングイベントが発生する最大の検知電圧は、セルのグループのVt分布の中央値に一致し得る。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、イベントカウンタ等のカウンタ100を示す。例えば、カウンタ100は、本明細書で説明される様々なスイッチング等のスイッチングイベントをカウントするために使用できる。
【0013】
いくつかの例では、カウンタ100の入力102−1〜102−Nは、各々、電圧信号104−1〜104−Nを受信できる。例えば、各々の電圧信号104−1〜104−Nのそれぞれは、最初に、論理ロー(例えば、論理0)に一致する電圧Vlow(例えば、ゼロ(0)ボルト)にあり得る。次に、各々の電圧信号104は、スイッチングイベントに応答して、論理ハイ(例えば、論理1)に対応する電圧Vhigh(例えば、電源電圧VCC)に達することができる。例えば、各々の信号104は、検知電圧がメモリセルに印加されていることに応答してスイッチングイベントが発生する抵抗変化型メモリセルに応答して(例えば、セット状態で)Vhighに達することができる。各々の信号104は、検知電圧がメモリセルに印加されていることに応答して、メモリセルが(例えば、リセット状態で)スイッチングイベントが発生しないとき、Vlowのままであり得る。例えば、電圧Vhighはスイッチングイベントを示し得、電圧Vlowはスイッチングイベントがないことを示し得る。
【0014】
カウンタ100は、各々、入力102−1〜102−Nを有する検知コンポーネント106−1〜106−N等のいくつかの検知コンポーネント106を含む。各々の検知コンポーネント106−1〜106−Nのそれぞれは、pチャネルトランジスタ等のトランジスタ108と、nチャネルトランジスタ等のトランジスタ109とを含む。各々の入力102−1〜102−Nのそれぞれは、各々の検知コンポーネント106−1〜106−Nのそれぞれのトランジスタ108及び109に結合される。検知コンポーネント106−1〜106−Nのそれぞれは、また、静電容量Caを有するコンデンサ110を含む。
【0015】
個々の各々の検知コンポーネント106のコンデンサ110は、各々の検知コンポーネント106のトランジスタ108及び109に結合される。例えば、コンデンサ110は、接地(0ボルト)とトランジスタ108及び109との間に結合できる。トランジスタ108は、VCCであり得る充電電圧とコンデンサ110との間に結合される。例えば、トランジスタ108は、Vlowに応答してアクティブになり(例えば、オンになり)、VCCをコンデンサ110に選択的に結合し、コンデンサ110をVCCに充電できる。例えば、コンデンサ110は、各々の入力102の電圧がVlowである限り、VCCに結合できる。
【0016】
検知コンポーネント106−1〜106−Nは、各々、ノード113と並列に結合されるブランチ111−1〜111−Nに結合可能である。カウンタ100はコンパレータ112を含み、コンパレータ112は、ノード113に結合される入力114と、検知コンポーネント106の閾値量によって各々独立して検知されたイベントの閾値量に対応する基準電圧Vrefを受信するように結合される入力116とを有する。コンパレータ112は、独立イベントを各々独立して検知するいくつかの検知コンポーネント106に対応するノード113の電圧VcountとVrefを比較できる。例えば、コンパレータ112は、VcountがVref以上であることに応答して、カウンタ100によって検知されているイベントの閾値量を示す電圧Voutを出力できる。
【0017】
各々の検知コンポーネント106のトランジスタ109は、各々の電圧信号104がVhighに達したことに応答して、各々の検知コンポーネント106を各々のブランチ111に選択的に結合するように構成される。電圧信号104がVlowにあるとき、トランジスタ109は非アクティブになり得(例えば、オフになり得)、Vhighに応答してアクティブになり、各々の検知コンポーネント106を各々のブランチ111に選択的に結合できる。例えば、トランジスタ109は、Vhighに応答して、ブランチ111のそれぞれ(例えば、全て)と並列に、各々の検知コンポーネント106のコンデンサ110を選択的に結合できる。トランジスタ108は、Vhighに応答してオフになり得ることに留意されたい。
【0018】
静電容量Cwを有する各々のコンデンサ115は、接地と、ブランチ111−1〜1〜111−Nの各々のブランチとの間に結合できる。N個のコンデンサ115はノード113と並列に結合され、最初に接地に放電できる。図1の例では、コンデンサ115がブランチ111−1〜1〜111−Nのそれぞれに結合されるが、コンデンサ115はN個未満のブランチに結合できる。例えば、概して、コンデンサ115は、ノード113と並列に結合される合計M個のコンデンサ115が存在するように、ブランチ111−1〜1〜111−MのM個に結合され得る。例えば、Mは、1(1)からNまでのいずれかの整数であり得る。例えば、ノード113と接地との間に結合される単一のコンデンサ115が存在し得る。
【0019】
nチャネルトランジスタ等のトランジスタ116は、ノード113と接地との間に結合できる。例えば、トランジスタ116がアクティブになり、ノード113及びコンデンサ115を最初に接地に放電できる。続いて、ノード113及びコンデンサ115が接地に放電された後、トランジスタ116を非アクティブにできる。
【0020】
いくつかの例では、個々の各々の検知コンポーネント106のコンデンサ110は、(例えば、トランジスタ116が非アクティブである間)各々の検知コンポーネント106がイベントを検知したことに応答して、最初に放電されたM個のコンデンサ115の全てと並列に選択的に結合できる。例えば、各々の検知コンポーネント106のコンデンサ110は、トランジスタがVhighを受信したことに応答して、M個のコンデンサ115の全てと並列に選択的に結合できる。いくつかの例では、個々の各々の検知コンポーネント106のコンデンサ110は、ノード113と接地との間に結合される単一のコンデンサ115と並列に選択的に結合できる。
【0021】
K個の検知コンポーネント106−1〜106−K等のような、検知コンポーネント106−1〜106−Nのサブセットがイベントを検知するとき、検知コンポーネント106−1〜106−KのK個のコンデンサ110はM個のコンデンサ115と並列に結合される。したがって、K個のコンデンサ110は、K個のコンデンサ110及びM個のコンデンサ115がVcountに等しい平衡電圧に達するまで、M個の放電コンデンサ115を充電できる。例えば、K個のコンデンサ110は、Vcountに達するまで、VCCからM個のコンデンサ115に放電できる。
【0022】
結果として、ブランチ111−1〜111−Nのそれぞれ、ひいては、ノード113は、r=Cw/Caに対して、Vcount=(VCC)(KCa)/(KCa+MCw)=VCC/(1+Mr/K)に達することができ、Cw=Caに対して、VCC/(1+M/K)が考慮される。
【0023】
Vrefは、コンデンサ120に直列に結合される静電容量Cを有するコンデンサ119と、静電容量αCを有するコンデンサ120との間のノード118における電圧であり得る。例えば、コンデンサ119は、ノード118と、コンデンサ110を充電するための充電電圧に等しいVCC等の電圧との間に結合でき、コンデンサ120は、ノード118と接地との間に結合できる。したがって、コンデンサ119及びコンデンサ120は、VCCと接地との間で直列に結合できる。例えば、Vref=VCC/(1+α)。
【0024】
それぞれの検知コンポーネントは、検知コンポーネント106の閾値量Kthを取得し、イベントの閾値量Kthを検知するように、1つのイベントを検知できる。したがって、K番目のイベントに関して、Vcountth=VCC/(1+Mr/Kth)=VCC/(1+α)となり、α=Mr/Kthが考慮される。これにより、αひいてはVrefを、特定の数のコンデンサM、イベントの特定の閾値量Kth、及び特定の比率r=Cw/Caに対して指定することを可能にする。カウンタ100は、2つ以上の検知コンポーネント106によって同時に検知されたイベント等の同時イベントを検知できることに留意されたい。
【0025】
カウンタ100のワイヤ及びトランジスタ108及び109は、寄生容量を導入できる。いくつかの例では、これらの寄生容量は、容量Cw及び/またはCaに含まれ得る。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、イベントカウンタ等のカウンタ225を示す。例えば、カウンタ225は、本明細書で説明される様々なスイッチング等のスイッチングイベントをカウントするために使用できる。
【0027】
いくつかの例では、カウンタ225の入力202−1〜202−Nは、各々、電圧信号204−1〜204−Nを受信できる。各々の電圧信号204−1〜204−Nのそれぞれは、図1に関連して電圧信号104−1〜104−Nについて前述したようなものであり得る。例えば、各々の電圧信号204−1〜204−Nのそれぞれは、最初に電圧Vlow(例えば、ゼロ(0)ボルト)であり得る。次に、各々の電圧信号204は、スイッチングイベントに応答して、電圧Vhigh(例えば、VCC)に達することができる。
【0028】
カウンタ225は、各々、入力202−1〜202−Nを有する検知コンポーネント226−1〜226−N等のいくつかの検知コンポーネント226を含む。検知コンポーネント226−1〜226−Nは、各々、pチャネルトランジスタであり得るトランジスタ228−1〜228−Nに結合される。例えば、トランジスタ228−1〜228−Nは、静電容量CEを有するコンデンサ232の端子230に結合されるノード229と並列に結合でき、これにより、トランジスタ228−1〜228−Nは、端子230と並列に結合される。
【0029】
トランジスタ228−1〜228−Nは、検知コンポーネント226−1〜226−Nをノード229に、ひいてはコンデンサ230の端子230に各々選択的に結合するように構成される。スイッチsw5等のスイッチ234は、例えば、ノード229、ひいては端子230を接地に選択的に結合するように構成される。例えば、スイッチsw5は、制御信号がスイッチsw5によって受信されていることに応答して、各々選択的に、ノード229を接地に結合し、ノード229を接地から分離するために開閉できる。いくつかの例では、コンデンサ232の端子233を接地に結合できる。
【0030】
カウンタ225はコンパレータ212を含み、コンパレータ212は、ノード229に結合される入力236と、検知コンポーネント226の閾値量によって各々独立して検知されたイベントの閾値量に対応する基準電圧Vrefを受信するように結合される入力238とを有する。コンパレータ212は、いくつかの検知コンポーネント226が独立イベントを各々独立して検知したことに応答して、選択的にセットされたコンデンサ232の電荷に対応するノード229上の電圧VEと、Vrefを比較できる。例えば、イベントを検知する各々の検知コンポーネント226から生じる電荷はノード229上で合計でき、コンデンサCEを電圧VEに充電できる。コンパレータ212は、VcountがVref以上であることに応答して、カウンタ225によって検知されているイベントの閾値量を示す電圧Voutを出力できる。
【0031】
検知コンポーネント226−1〜226−Nのそれぞれは、静電容量Cbを有するコンデンサ245を含む。検知コンポーネント226−1〜226−Nのそれぞれは、スイッチsw1等のスイッチ247を含む。スイッチsw1は、各々の検知コンポーネント226のコンデンサ245の端子248を、VCC+OV等の充電電圧に選択的に結合するように構成でき、「OV」は、例えば、約100ミリボルトであり得る過電圧である。例えば、スイッチsw1は、制御信号がスイッチsw1によって受信されていることに応答して、各々選択的に、充電電圧を端子248に結合し、充電電圧を端子248から分離するために開閉できる。
【0032】
検知コンポーネント226−1〜226−Nのそれぞれは、スイッチsw2等のスイッチ250を含む。例えば、スイッチsw2は、イベントに応答して、各々の検知コンポーネント226のコンデンサ245の端子252を各々の入力202に選択的に結合するように構成できる。例えば、スイッチsw2は、Vhighに達する各々の電圧信号204に応答して端子252を入力202に選択的に結合するために閉じることができ、Vlowに達する電圧信号204に応答して端子252を入力202から選択的に分離するために開くことができる。
【0033】
検知コンポーネント226−1〜226−Nのそれぞれは、スイッチsw3等のスイッチ255を含む。例えば、スイッチsw3は、各々の検知コンポーネント226のコンデンサ245の端子252を、接地等の電圧に選択的に結合するように構成できる。例えば、スイッチsw3は、Vlowに達する各々の電圧信号204に応答して端子252を接地に選択的に結合するために閉じることができ、Vhighに達する電圧信号204に応答して端子252を接地から選択的に分離するために開くことができる。
【0034】
検知コンポーネント226−1〜226−Nのそれぞれは、スイッチsw4等のスイッチ260を含む。例えば、スイッチsw4は、各々の検知コンポーネント226のコンデンサ245の端子248を、各々のトランジスタ228のソース/ドレイン(例えば、ソース)262等の各々のトランジスタ228に選択的に結合するように構成できる。例えば、スイッチsw4は、制御信号がスイッチsw4によって受信されていることに応答して、各々選択的に、端子248をソース262に結合し、端子248をソース262から分離するために開閉できる。各々のトランジスタ228−1〜228−Nのそれぞれのソース/ドレイン(例えば、ドレイン)264は、ノード229に結合される。各々の検知コンポーネント226及び各々のトランジスタ228のスイッチsw4は、各々の検知コンポーネント226のコンデンサ245の端子248をノード229に、ひいてはコンデンサ232に選択的に結合するように構成されることに留意されたい。
【0035】
コンデンサ265は、例えば、接地と、各々のトランジスタ228−1〜228−Nのそれぞれとの間に結合できる。例えば、コンデンサ265は、バイアス電圧Vbiasに充電でき、これにより、各々のトランジスタ228−1〜228−Nは、Vbiasにバイアスされる。
【0036】
Vbiasは、VCCからトランジスタ228−1〜228−NのVtを引いた値に近くなり得る。トランジスタ228−1〜228−NのVtは、カウンタ225の動作温度等の動作条件の範囲について、VCCよりも小さく、ドレイン264の電圧よりも小さくなり得る。いくつかの例では、過電圧OVは、トランジスタ228−1〜228−NのVtsの不一致を補償できる。カウンタ225は、2つ以上の検知コンポーネント226によって同時に検知されたイベント等の同時イベントを検知できることに留意されたい。
【0037】
図3A図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、カウンタ325の動作の特定の段階に対応するカウンタ325の様々な構成を示す。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、カウンタ325の動作に対応する様々な波形を示す。
【0038】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、検知コンポーネント326−1〜326−Nを初期化するように選択的に構成されるカウンタ325を示す。図3Aでは、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345は、例えば、個々の各々の検知コンポーネント326のスイッチsw1がVCC+OVをコンデンサ345の端子348に選択的に結合する一方、スイッチsw3がコンデンサ345の端子352を接地に選択的に結合したことに応答して、VCC+OV等の充電電圧に事前に充電され、同時に、スイッチsw5がノード329、コンデンサ332の端子330、及びコンパレータ312の入力336を接地に選択的に結合し、同時に、スイッチsw2及びsw4が開いており、その間、入力302−1〜302−Nのそれぞれにおける電圧はVlowである。
【0039】
図4は、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345の端子348における電圧信号QV1の波形を示す。例えば、時間t1において、個々の各々の検知コンポーネント326のスイッチsw1及びスイッチsw5を同時に閉じることができる。スイッチsw1を閉じることで、QV1の電圧を0ボルトからVCC+OVに増加させる。これにより、コンデンサ345をVCC+OVに充電する(例えば、VCC+OVはコンデンサ345の両端の値である)。例えば、図3Aでは、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれは、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345をVCC+OVに充電することによって初期化される。
【0040】
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、カウンタ325のトランジスタ328−1〜328−Nを初期化するように選択的に構成されるカウンタ325を示す。例えば、図3Bでは、トランジスタ328−1〜328−Nは、トランジスタ328−1〜328−Nがオフになるように、同じ導電状態(例えば、非導電状態)にセットされている。図3Bでは、スイッチsw1が開いており、スイッチsw4が閉じている間、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345の端子348を充電電圧VCC+OVから分離して、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345の端子348における電圧信号QV1を、各々のトランジスタ328−1〜328−Nのそれぞれのソース362に選択的に結合する。スイッチsw2は開いたままであり、スイッチsw3及びスイッチsw5は閉じたままである。
【0041】
図4は、各々のトランジスタ328−1〜328−Nのそれぞれのソース362における電圧信号QV2の波形を示す。例えば、時間t2において、個々の各々の検知コンポーネント326のスイッチsw4は、QV2をQV1に選択的に結合するために閉じる。QV2をQV1に選択的に結合し、ひいてはコンデンサ345の端子348を各々のトランジスタ328のソース362に結合すると、電圧信号QV2の電圧が0ボルトからVCC+OVに変化する。これにより、各々のトランジスタ328−1〜328−Nが導電し、電流が、各々の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれのコンデンサ345からノード329を介して接地に流れる。
【0042】
例えば、コンデンサ345は、VCC+OVからVbias+Vtまでノード329に放電し、Vbiasはトランジスタ328−1〜328−Nのゲート上の電圧であり、Vtは各々のトランジスタ328の閾値電圧である。例えば、電圧信号QV1及びQV2の電圧は、図4に示されるように、VCC+OVからVbias+Vtに減少する。各々のトランジスタ328は、QV2がVbias+Vtに達したことに応答してオフになり得、ひいては、同じ非導電状態にセットされる。
【0043】
各々のトランジスタ328のVtsは異なり得るため、Vbias+Vtは各々のトランジスタ328−1〜328−Nのそれぞれのソース362で異なり得ることに留意されたい。いくつかの例では、各々のトランジスタ328を流れる電流は、コンデンサ345が放電するときに等しくなり得る。
【0044】
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による、検知動作中のカウンタ325を示す。図3Cでは、N個の検知コンポーネント326−1〜326−Nのそれぞれは、各々の入力302−1〜302−Nのそれぞれにおける電圧をVlowからVCCに変化させる独立イベントを検知する。
【0045】
VCCに応答して、個々の各々の検知コンポーネント326のスイッチsw3が開き、個々の各々の検知コンポーネント326のコンデンサ345の端子352を接地から選択的に分離し、個々の各々の検知コンポーネント326のスイッチsw2が時間t3で閉じて、個々の各々の検知コンポーネント326のコンデンサ345の端子352をVCCに選択的に結合し、その間、スイッチsw1が開いたままである。QV2がVbias+Vtに達した後、スイッチsw5を開くことができ、これにより、ノード329、コンパレータ312への入力336、及びコンデンサ332の端子330は、トランジスタ328−1〜328−Nのドレイン364に結合されることに留意されたい。
【0046】
図4に示されるように、時間t3を起点として、電圧信号QV1及びQV2は、スイッチsw2がVCCをコンデンサ345の端子352に選択的に結合したことに応答して、Vbias+VtからVCC+Vbias+Vtに増加する。例えば、コンデンサ345の両端の電圧はVbias+Vtで保存できる。個々の各々のトランジスタ328は、VCC+Vbias+Vtに応答してアクティブになり、これにより、ノード329、コンパレータ312への入力336、及びコンデンサ332の端子330は、個々の各々の検知コンポーネント326及び各々のアクティブになったトランジスタ328のスイッチs4によって、個々の各々の検知コンポーネント326のコンデンサ345の端子348に選択的に結合される。
【0047】
個々の各々の検知コンポーネント326のコンデンサ345は、個々の各々のトランジスタ328がアクティブになったことに応答して、ノード329に、ひいてはコンデンサ332に放電する。図4に示されるように、電圧信号QV1及びQV2の電圧がVCCだけ減りVbias+Vtに戻るまで、各コンデンサ345は放電し、その電圧において、各々のトランジスタ328が非アクティブになる。したがって、CbVCCの電荷量は、放電中に各コンデンサ345からコンデンサ332に移送される。
【0048】
図4に示されるように、コンデンサ332の端子330上の電圧信号QVEは、電荷が各コンデンサ345から移送されていることに応答して、0ボルトから電圧VEになり、これにより、コンデンサ332は電圧VEに充電される。コンデンサに移送される電荷はCEVEであり、コンデンサ345からの電荷CbVCCの合計に等しくなる。例えば、各々、N個の独立イベントを検知するN個の検知コンポーネントに関して、電荷CbVCCの合計はNCbVCCである。
【0049】
K個の独立イベント等のN個未満の独立イベントは、K個の検知コンポーネントによって各々独立して検知でき、この場合、K個の電荷の合計はKCbVCCであり、ひいては、KCbVCCの電荷はコンデンサ332に移送され、コンデンサ332の電荷CEVEを生じさせることに留意されたい。例えば、CEVE=KCbVCCの場合、VE=(KCbVCC)/CEが考慮される。VEはKに正比例し、VEはKの線形関数であることに留意されたい。これは、K個の検知コンポーネントのそれぞれからコンデンサ332に電荷CbVCCが移送された結果である。例えば、各検知イベントは、同じ電荷量をコンデンサ332に移送させ、ひいては、コンデンサ332の電荷を同じ量だけ増加できる。これは、少なくとも部分的に、図3Bに関連して前述したトランジスタ228の初期化によるものである。
【0050】
それぞれの検知コンポーネント326は、検知コンポーネント326の閾値量Kthを取得し、イベントの閾値量Kthを検知するように、1つのイベントを検知できる。例えば、Vrefは、検知コンポーネント326のKthによって検知されたイベントの閾値量Kthに一致し得る。したがって、Vref=VEth=(KthCbVCC)/CEである。例えば、図4に示されるように、コンパレータ312の出力における電圧信号QVoutは、VEがVref以上であることに応答して、0ボルトからVoutに変化し得る。
【0051】
検知された各イベントに応答する電圧ステップは、ΔVE=(VCCCb/CE)であることに留意されたい。例えば、Cb/CEを選択して、より大きなΔVEを与えることができる。Vref=(KthCbVCC)/CEから、Cb/CE=Vref/KthVCCとなる。しかしながら、VrefはVCCよりも小さくする必要がある。いくつかの例では、VrefはVCC−VMであり得、Cb/CE=(VCC−VM)/KthVCCが考慮される。例えば、電圧VMは、特定のレベルを超えるKの値に対してKへの依存性VEを変えるように作用し得る飽和効果から保護するように作用し得る電圧マージンを提供できる。
【0052】
いくつかの例では、Vrefは、閾値量KthにおいてVEに対応する電圧(VEth=(KthCbVCC)/CE)と、Kth−1(Kthよりも1カウント少ない)においてVEに一致する電圧(VEth=[(Kth−1)CbVCC]/CE)との間の値、例えば、それらの電圧の中間値になるように選択できる。例えば、Vrefは[(Kth−(1/2))CbVCC]/CEであり得るため、イベントの数がKthに達するまで、VEはVrefを超えない。
【0053】
カウンタ325のワイヤ及びトランジスタ328は、寄生容量を導入できる。いくつかの例では、これらの寄生容量は、容量Cb及び/またはCEに含まれ得る。
【0054】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、抵抗変化型メモリセル552のアレイ550の一部を示す。いくつかの例では、アレイ550は3DXPointアレイの層であり得、それは係る層のスタックを含み得る。
【0055】
アレイ550は、ワードラインと呼ばれ得るアクセスライン554−1〜554−Lのそれぞれに共通に結合される抵抗変化型メモリセル552−1〜552−Nの各々のグループを含む。各々のメモリセル552−1〜552−Nは、各々、ビットラインと呼ばれ得る各々のデータライン566−1〜556−Nに結合される。例えば、各データ−ライン−アクセス−ラインの交差点にメモリセル552が存在する。センス増幅器558−1〜558−Nは、各々、データライン566−1〜556−Nに結合される。センス増幅器558−1〜558−Nは、各々、カウンタ100の入力102−1〜102−N、カウンタ225の入力202−1〜202−N、またはカウンタ325の入力302−1〜302−Nに結合できる。
【0056】
いくつかの例では、メモリセル552−1〜552−Nの各グループは、0及び1のパターン等のデータパターンを記憶できる。アクセスライン554−1に結合されるメモリセル552−1〜552−Nのグループに記憶されるデータパターン等のデータパターンは、読取電圧Vreadをアクセスライン554−1に印加することによって読み取ることができる一方、0ボルトであり得る電圧は、データライン556−1〜556−Nに印加され、メモリセル552−1〜552−Nの両端の電圧(Vread−0ボルト)を生じさせる。いくつかの例では、Vreadは増加するランプ電圧であり得る。
【0057】
いくつかの例では、データを記憶するメモリセル552−1〜552−Nのグループのメモリセルには、対応するセンス増幅器をVlowからVhighに変化させることができるVreadに応答してスイッチングイベントが発生し得る一方、ゼロを記憶するメモリセル552−1〜552−Nのグループのメモリセルには、Vreadに応答してスイッチングイベントが発生し得ない。例えば、セル間の変動により、データを記憶する全てのセルで同時にスイッチングイベントが発生するわけではなく、例えば、Vtの変動により、ランプ電圧Vreadの増加中、各々のセルが異なる時間にスイッチングすることをもたらすことに留意されたい。スイッチングイベントを検知することによって、カウンタ100、225、及び325は、スイッチングイベントの量、ひいてはデータパターンのイベントの量が閾値量Kth以上であるかどうかを決定できる。
【0058】
データパターンのイベントの量は、データパターンのハミング重み等の重みと呼ばれ得る。例えば、Kthは、読み取られるデータパターンの重みに一致し得、カウンタ100、225、及び325は、データパターンが特定の重みを有するかどうかを決定できる。したがって、カウンタ100、225、及び325は計量器と呼ばれ得る。
【0059】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、コンピューティングシステム660の形式の装置のブロック図である。コンピューティングシステム660はメモリシステム662を含み、メモリシステム662は、例えば、SSD、UFSデバイス、eMMCデバイス等のストレージシステムであり得る。しかしながら、複数の実施形態は、特定のタイプのメモリシステムに限定されない。例えば、メモリシステム622は、システム660のためのメインメモリとして機能し得る。
【0060】
図6に示されるように、メモリシステム662はコントローラ663を含み得、コントローラ663は、コントローラ663がメモリ664を制御できるという点で、メモリシステムコントローラと呼ばれ得る。コントローラ663は、ホスト665及びメモリ664に結合される。例えば、メモリ664は、いくつかのメモリデバイス(例えば、ダイ、チップ等)を含み得、メモリ(例えば、メインメモリ)として及び/またはシステム660のためのストレージボリュームとして機能し得る。
【0061】
メモリ664はインターフェース666(例えば、メモリインターフェース)を介してコントローラ663に結合でき、インターフェース666は、データバスを含み得る、ならびに様々な規格をサポートできる及び/またはダブルデータレート(DDR)等の様々なインターフェースタイプに準拠し得る。コントローラ663は、ホスト665から読取コマンド及び書込コマンド等のコマンドを受信できる。例えば、コントローラ663は、ホストインターフェース667を介して、ホスト665からメモリ664に書き込まれるホストデータを受信できる。本明細書で使用されるメモリシステム662、コントローラ663、メモリ664、コントローラ672、またはカウンタ680は、また、別々に「装置」と見なされ得る。
【0062】
ホスト665は、様々なタイプのホストの中でも、例えば、パーソナルラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラ、モバイルデバイス(例えば、携帯電話)、ネットワークサーバ、インターネットオブシングス(IoT)対応デバイス、またはメモリカードリーダ等のホストシステムであり得る。例えば、ホスト665は、バスを含み得るインターフェース667を経由して(例えば、コントローラ663を介して)メモリ664にアクセスすることが可能な1つ以上のプロセッサを含み得る。インターフェース667は、様々なインターフェースの中でも、シリアルアドバンストテクノロジアタッチメント(SATA)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)またはユニバーサルシリアルバス(USB)等の規格化されたインターフェースであり得る。
【0063】
メモリ664は、複数のメモリアレイ650(例えば、まとめて、アレイ650と呼ばれる)と、コントローラ672(組込コントローラと呼ばれ得る)とを含み得る。いくつかの例では、アレイ650は、クロスポイント(例えば、3DXpoint)アレイ構造等の2Dアレイ構造及び/または3Dアレイ構造を含み得る。アレイ650は、例えば、3DXPoint技術を採用しているメモリセル等の不揮発性抵抗変化型メモリセルを含み得る。例えば、アレイ650はアレイ550であり得る。
【0064】
コントローラ672は、メモリ664の内部に位置し得、メモリインターフェース666を介してコントローラ663からコマンド(例えば、書込コマンド、読取コマンド等)を受信できる。コントローラ662は、ステートマシン及び/またはシーケンサを含み得る。コントローラ672は、メモリ664の動作を制御するように構成できる。データバッファ674はアレイ650に結合できる。例えば、アレイ650からバッファ674にデータを読み込むことができ、またはバッファ674においてコントローラ663からホストデータを受信し、続いて、アレイ650に書き込むことができる。
【0065】
メモリ664は、カウンタ100、225、または325であり得るカウンタ680を含み得る。カウンタ680は、メモリ664で発生するいくつかのイベントを検知できる。例えば、カウンタ680は、アレイ650のメモリセルのグループのメモリセルの閾値量が、読取電圧に応答してスイッチングイベントが発生しているかどうかを決定でき、ひいては、メモリセルのグループに記憶されるデータパターンが特定の重みを有するかどうかを決定できる。
【0066】
いくつかの例では、カウンタ680の入力は、各々、データバスのワイヤに結合できる。例えば、カウンタ680の各々の入力は、バッファ674のレジスタ675−1〜675−Nのセットの各々のレジスタに結合でき、これにより、カウンタ680は、読取操作中にアレイ650から、または書込操作中にホスト665から、レジスタのセットのデータパターンを受信することに関連付けられるスイッチングイベントを検知できる。いくつかの例では、レジスタ675−1〜675−Nは、各々、カウンタ680の入力に結合できる。いくつかの例では、レジスタのセットは、最初に全てゼロのパターンを記憶し得、カウンタ680はレジスタに対応するスイッチングイベントを検知でき、読取中または書込中にレジスタのセットでデータパターンを受信した結果として、レジスタの値が1に変更される。結果として、カウンタ680は、バッファ674で受信されたデータパターンがイベントの閾値量、ひいては特定の重みを有するかどうかを決定できる。
【0067】
いくつかの例では、カウンタ680の個々の各々の入力は各々のスイッチング回路を含み得、スイッチング回路では、Vhigh等の静電圧に結合されることに応答してスイッチングイベントが発生し得、Vlow等の別の静電圧に結合されることに応答してスイッチングイベントが発生しない。次に、カウンタ680は、スイッチング回路で発生するスイッチングイベントを検知できる。
【0068】
いくつかの例では、各々の入力は、各々のレジスタ(例えば、バッファ674のレジスタ)によって記憶されたデータ値に対応する静電圧で各々のレジスタに結合できる。例えば、Vhighは論理1に一致し得、Vlowは論理0に一致し得る。次に、カウンタ680は、論理値を記憶するレジスタに対応するスイッチングイベントを検知できる。したがって、カウンタ680は、レジスタによって記憶されたデータパターンが、イベントの閾値量、ひいては特定の重みを有するかどうかを決定できる。
【0069】
前述の詳細な説明では、説明の一部を形成し、例示として具体例が示される添付の図面に対して参照がなされる。図面では、類似の数字は、いくつかの図面の全体にわたって実質的に類似のコンポーネントを表す。本開示の範囲を逸脱することなく、他の例が利用され得、構造的変更、論理的変更、及び/または電気的変更が行われ得る。
【0070】
本明細書の図は、最初の数字(複数可)が図面の図番号に対応し、残りの数字が図面の要素またはコンポーネントを識別する番号付け規則に従う。異なる図面における類似の要素またはコンポーネントは、類似の数字を使用することで識別され得る。例えば、202は図2の要素「02」を指し得、類似の要素は、図3A図3Cでは302と呼ばれ得る。認識されるように、本開示のいくつかの追加の実施形態を提供するように、本明細書における様々な実施形態に示される要素が追加、交換、及び/または除去され得る。さらに、認識されるように、図において提供される要素の比率及び相対的大きさは、本開示の実施形態を示すことを意図しており、限定的な意味として解釈するべきではない。
【0071】
本明細書で使用される「複数の(a number of)もの」、または「多数の(quantity of)もの」は、そのような1つ以上のものを指し得る。例えば、複数のメモリセルまたは多数のメモリセルは1つ以上のメモリセルを指し得る。「複数の(plurality)もの」は2つ以上を意図している。本明細書で使用される場合、同時に行われる複数の行為は、特定期間にわたって少なくとも部分的に重複する行為を指す。本明細書で使用される場合、用語「結合される(coupled)」は、電気的に結合されること、直接結合されること、及び/もしくは(例えば、直接の物理的接触によって)介在要素なしで直接接続されること、介在要素と間接的に結合及び/もしくは接続されること、または無線でつながれることを含み得る。用語「結合される」は、さらに、(例えば、因果関係にあるように)相互に協働または相互作用する2つ以上の要素を含み得る。
【0072】
具体例が示され本明細書で説明されてきたが、当業者は、同じ結果を達成するために意図される配置が、示される特定の実施形態と交換できることを認識する。本開示は、本開示の1つ以上の実施形態の適応または変形を網羅することを意図している。上記の説明は、例示的な形式でなされており、限定的なものではないことを理解されたい。本開示の1つ以上の例の範囲は、添付の請求項が権利化されるのと同等のものの全範囲に従って、係る請求項を参照して決定するべきである。
【要約】
カウンタは複数の検知コンポーネントを有し得る。個々の各々の検知コンポーネントは各々のイベントを検知するように構成でき、各々の検知コンポーネントが各々のイベントを検知したことに応答して、第2のコンデンサに選択的に結合されるように構成される各々の第1のコンデンサを含み得る。第2のコンデンサは、第2のコンデンサに選択的に結合される個々の各々の第1のコンデンサによって一定電圧に充電されるように構成できる。カウンタはコンパレータを有し得、コンパレータは、第2のコンデンサに結合される第1の入力と、イベントの閾値量に対応する基準電圧に結合される第2の入力とを有する。コンパレータは、第2のコンデンサの電圧が基準電圧以上であることに応答して検知されているイベントの閾値量を示す信号を出力するように構成できる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6