(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来は、容器本体の作製後に感圧ラベルを貼り付けている。この場合、高圧処理工程で使用される感圧インジケータを一体化でき、かつ高圧インジケータの貼付が不要となる容器が求められている。また感圧ラベルは容器本体の側面に貼付けられるため、キャップ付容器を上方から視認した場合、この感圧ラベルを確認することはむずかしい。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、高圧処理工程で使用される感圧インジケータを一体化でき、高圧インジケータの貼付が不要となり、かつキャップ付容器を上方からみた場合でも、加圧処理が施されたか否か確実に確認することができる感圧インジケータ付キャップおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高圧処理されるキャップ付容器に用いられる感圧インジケータ付キャップにおいて、キャップ本体と、前記キャップ本体の外面に設けられ、前記キャップ本体に一体に埋め込まれた感圧インジケータとを備え、前記感圧インジケータは基材シートと、前記基材シート上に設けられた顕色剤層と、前記顕色剤層上に設けられ、発色剤が含有されたカプセルを含む発色剤層とを有し、前記キャップ付容器を高圧処理した際、前記カプセルが破壊されて前記発色剤が前記顕色剤層側へ移行し、前記顕色剤層が高圧処理の圧力の程度に応じて不可逆的に発色する、感圧インジケータ付キャップである。
【0007】
本発明は、前記感圧インジケータ付キャップは、インモールドラベルキャップからなり、前記感圧インジケータはインモールドラベルからなり、前記キャップ本体は前記インモールドラベル上に射出されて形成された射出樹脂層からなる、感圧インジケータ付キャップである。
【0008】
本発明は、前記感圧インジケータは前記基材シートと、前記顕色剤層と、前記発色剤層とを密封する密封フィルムを含む、感圧インジケータ付キャップである。
【0009】
本発明は、前記感圧インジケータは、前記発色剤層上に設けられた平滑層を有する、感圧インジケータ付キャップである。
【0010】
本発明は、高圧処理されるキャップ付容器に用いられる感圧インジケータ付キャップの製造方法において、感圧インジケータを金型内に装着する工程と、金型内に射出樹脂を射出して前記感圧インジケータ表面に射出樹脂を設ける工程とを備え、前記感圧インジケータは基材シートと、前記基材シート上に設けられた顕色剤層と、前記顕色剤層上に設けられ、発色剤が含有されたカプセルを含む発色剤層とを有し、前記キャップ付容器を高圧処理した際、前記カプセルが破壊されて前記発色剤が前記顕色剤層側へ移行し、前記顕色剤層が高圧処理の圧力の程度に応じて不可逆的に発色する、感圧インジケータ付キャップの製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、高圧処理工程で使用される感圧インジケータを一体化でき、高圧インジケータの貼付が不要となり、かつキャップ付容器を上方からみた場合でも加圧処理が施されたか否か確実に確認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明による感圧インジケータ付容器の実施の形態について、
図1乃至
図6を用いて説明する。このうち
図1は、感圧インジケータ付キャップを示す縦断面図であり、
図2は、感圧インジケータ付キャップが含む感圧インジケータを示す断面図である。また、
図3は、
図1に示した感圧インジケータ付キャップで容器本体を密閉してなるキャップ付容器を示す側面図であり、
図4は感圧インジケータ付キャップの天面を示す拡大断面図である。また
図5はキャップ付容器に対して加圧処理を施した状態を示す図であり、
図6は感圧インジケータの加圧力と発色の程度の関係を示す図である。
【0014】
まず、
図3によりキャップ付容器30Aの概略を述べる。キャップ付容器30Aは胴部31と口部32とを有する容器本体30と、容器本体30の口部32に装着された感圧インジケータ付キャップ10とを備えている。そして、感圧インジケータ付キャップ10は、容器本体30内に内容物が充填された後、口部32に装着される。容器本体30と、感圧インジケータ付キャップ10を有するキャップ付容器30Aは、次に
図5に示すように、搬送トレイ35内に複数載置され、搬送トレイ35内に載置された複数のキャップ付容器30Aは搬送トレイ35とともに、圧力容器36内に収納される。
【0015】
次に圧力容器36内で、各キャップ付容器30Aは高圧水により加圧される。このように各キャップ付容器30Aに対して高圧処理(HPP:high pressure processing)を施すことにより、キャップ付容器30A内の内容物を加熱することなく殺菌することができる。
図5において、圧力容器36内の高圧水は例えば温度が5〜70℃、圧力が100〜700MPaとなっている。
【0016】
次に
図3により、キャップ付容器30Aの容器本体30について述べる。容器本体30は胴部31と、胴部31上部に設けられた口部32とを有し、このうち口部32の外面に外ねじ32aが設けられている。他方、感圧インジケータ付キャップ10は、
図1に示すように予め雌型21と雄型22とからなる射出成形金型20内に挿着された感圧インジケータ6と、射出成形金型20内に射出樹脂を射出することにより得られた射出樹脂層5からなるキャップ本体5Aとを有する円筒状のキャップを含む。
【0017】
次に感圧インジケータ付キャップ10のキャップ本体5Aについて述べる。感圧インジケータ付キャップ10のキャップ本体5Aは
図1および
図3に示すように、天壁2と、天壁2の周縁から垂下する略円筒型のスカート壁1と、スカート壁1の下端に易破断線7を介して破断可能に設けられたバンド3とを有している。バンド3の外径は、スカート壁1の外径より若干大きく形成され、スカート壁1の下端部から傾斜部4を経てバンド3に連なっている。傾斜部4の下端内周面とバンド3の内周面に僅かな段差部13が形成され、段差部13に軸方向に細幅のリブ14が所定ピッチで複数本突出形成されている。易破断線7は、前記リブ14が位置する間のスカート壁1下端を、段差部13に至る肉厚分だけを全周に亘って切断してスリットを入れることにより形成される。それにより、リブ14のみが周方向に間欠的に残り、このリブ14がスカート壁1下端とバンド3上端を接続するブリッジとして機能する。なお、図中15は、キャップ開栓時に容器本体30の口部32に係止して、バンド3の上昇を阻止するフラップである。
【0018】
また感圧インジケータ付キャップ10のスカート壁1の内面には、容器本体30の口部32に形成された外ねじ32aに係合する内ねじ1aが設けられている。さらに感圧インジケータ6は、感圧インジケータ付キャップ10のうち天壁2の上面(外面)に、天壁2に一体に埋込まれて設けられている。
【0019】
すなわち、上述のように感圧インジケータ付キャップ10は、予め射出成形金型20内に挿着された感圧インジケータ6と、射出成形金型20内に射出樹脂を射出することにより得られた射出樹脂層5からなるキャップ本体5Aとを有しており、感圧インジケータ付キャップ10の製造時に、射出樹脂層5からなる天壁2外面に感圧インジケータ6が一体に埋込まれる。
【0020】
次に感圧インジケータ付キャップ10のキャップ本体5Aを構成する射出樹脂層5および感圧インジケータ6について説明する。
【0021】
射出樹脂層5を形成する射出樹脂の材料としては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いることができる。なお、これらの樹脂は、バイオマス由来の原料のみから製造されても、石油由来の原料のみから製造されても、バイオマス由来の原料と石油由来の原料の両方から製造されていてもよい。
【0022】
次に感圧インジケータ6について
図2により説明する。
【0023】
感圧インジケータ6はPET製(ポリエチレンテレフタレート製)の基材シート6aと、基材シート6a上に設けられた顕色剤層6bと、顕色剤層6b上に設けられた発色剤層6cと、発色剤層6c上に設けられた、例えばPBT製(ポリブチレンテレフタレート製)、CPP製(無軸延伸ポリプロピレン製)またはPET製の平滑層6dとを有している。これらの基材シートや平滑層は、バイオマス由来の原料のみから製造されても、石油由来の原料のみから製造されても、バイオマス由来の原料と石油由来の原料の両方から製造されたものでもよい。
【0024】
このうち基材シート6aは顕色剤層6bと、発色剤層6cと、平滑層6dとを支持するものである。また発色剤層6cは発色剤が含有された多数のカプセル6c1を含み、キャップ付容器30Aに対して圧力容器36内において高圧水を用いて加圧処理した場合、カプセル6c1が破壊して発色剤が顕色剤層6b側へ移行し、この顕色剤層6bが高圧水の加圧の程度に応じて不可逆的に発色するようになっている。
【0025】
また平滑層6dは、発色剤層6cを平滑化させるものであり、発色剤層6c中のカプセル6c1をスムーズに破壊するためのものである。この平滑層6dが存在しないと、圧力が各カプセル6c1に適切に伝達されないことも考えられる。これに対して、平滑層6dを設けることにより、発色剤層6cに対して圧力を適切に伝えることができ、発色剤層6c中のカプセル6c1をスムーズに破壊することができる。なお、キャップ付容器30Aを圧力容器36内に収納してキャップ付容器30Aに対して高圧処理を施す場合、感圧インジケータ付キャップ10の感圧インジケータ6は基材シート6a側が外側を向き、発色剤層6c側が内側を向くが、この向きに関係なく発色層6cは発色する。
【0026】
また、基材シート6aと、顕色剤層6bと、発色剤層6cと、平滑層6dはCPP製の密封フィルム6eにより覆われて密封されている。
【0027】
本実施の形態において、感圧インジケータ6は必須の要素として、基材シート6aと顕色剤層6bと発色剤層6cとを有するが、密封フィルム6eを設けた場合は、平滑層6dを除くことができ、平滑層6dを設けて端面をシールすることにより、密封フィルム6eを除くことができる。
【0028】
次に感圧インジケータ6の顕色剤層6bと、発色剤を含有するカプセル6c1を含む発色剤層6cについて述べる。ここで、顕色剤層6bは顕色剤を含む。また発色剤を含有するカプセル6c1は微小のマイクロカプセル6c1からなる。
【0029】
発色剤層6cに利用し得るマイクロカプセル化法は、例えばコアセルベーシヨン法(米国特許第2,800,457号、同第2,800,458号、同第3,041,289号、同第3,687,865号など)、界面重合法(米国特許第3,492,380号、同第3,577,515号、英国特許第950,433号、同第1,046,469号、同第1,091,141号など)、内部重合法(英国特許第1,237,498号、フランス特許第2,060,818号、同第2,090,862号など)、外部重合法(英国特許第989,264号、特公昭37−12380号、同37−14327号、同45−29483号、同46−7313号、同46−30282号など)などに従うことができる。
【0030】
発色剤を溶解する溶剤についても本発明では何ら制限されず、従来知られた溶剤がすべて使用できる。その例を挙げれば、アルキル化ナフタレン、アルキル化ビフェニル、水添ターフェニル、アルキル化ジフェニルメタン(それぞれのアルキル基の炭素数は約1〜5、アルキル基の数は1〜4)の如き芳香族合成油、ケロシン、ナフサ、パラフィン油の如き石油溜分、塩素化パラフィンの如き脂肪族合成油、綿実油、大豆油、亜麻仁油の如き植物油又はこれらの混合物などがある。発色溶剤液の濃度は特に制限されない。
【0031】
発色剤とは、固体酸と接触した時発色する無色化合物であり、電子供与性の無色有機化合物と定義することもできる。
【0032】
発色剤の種類、性質などは本発明に実質的に影響を与えない。従って、あらゆる種類の発色剤が使用できる。例えば、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、スピロピラン系化合物などを挙げることができる。
【0033】
発色剤の具体的化合物を例示すると、トリフェニルメタン系化合物として、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(P−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(P−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(P−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス−(2−フェニルインドール−3−イル)−ジメチルアミノフタリド、3−P−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6ジメチル−アミノフタリド等がある。
【0034】
ジフェニルメタン系化合物としては、4,4’−ビスージメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等がある。
【0035】
キサンテン系化合物としては、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(Pニ卜ロアニリノ)ラクタム、ローダミン−B−(P−クロロアニリノ)ラクタム、7−ジメチルアミノ−2−メトキシフルオラン、7−ジエチルアミノ−2−メトキシフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−クロロ−2−メチルフルオラン、7−ジエチルアミノ−3−(アセチルメチルアミノ)フルオラン、7−ジエチルアミノ−3−(ジベンジルアミノ)フルオラン、7−ジエチルアミノ−3−(メチルベンジルアミノ)フルオラン、7−ジエチルアミノ−3−(クロロエチルメチルアミノ)フルオラン、7−ジエチルアミノ−3−(ジエチルアミノ)フルオラン等がある。
【0036】
チアジン系化合物としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、P−ニトロベンジルロイコメチレンブルー等がある。
【0037】
スピロ系化合物としては、3−メチル−スピロージナフトビラン、3−エチル−スピロージナフトピラン、3,3’−ジクロロースピロージナフトピラン、3−ベンジルースピロージナフトピラン、3−メチルーナフトー(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン、3−プロピル−スピロージペンゾジピラン等がある。上記発色剤は単独又は2種以上の混合によって適宜選択して使用出来る。
【0038】
かくしてマイクロカプセル塗布液が得られる。マイクロカプセルは単核がより望ましいが、複核であっても本発明の目的は達成される。また、マイクロカプセルのサイズは通常約0.1〜100μ程度、好ましくは約0.5〜50μである。本発明においても同程度のサイズのマイクロカプセルが使用できる。
【0039】
マイクロカプセル塗布液は通常カプセル分散液であるからそのまま顕色剤層6b上に塗布してもよい。また、カプセル分散液からマイクロカプセルを分離するか又はすることなく、バインダー例えばラテックス(スチレン−ブタジエンラバーラテックスなど)、水溶性高分子物質(でんぷん、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチンなど)を加えて塗布することもできる。更に、カプセル塗布液又はカプセル層中に、カプセル補強剤例えばセルロース微粉末(米国特許第2,711,375号)、重合体微粉末(米国特許第3,625,736号)、でんぷん微粉末(英国特許第1,232,347号)発色剤を含まないマイクロカプセル(英国特許第1,235,991号)を加えることもできる。カプセル補強剤は層状に存在するのではなく、カプセル層中又は表面に散在することが好ましい。
【0040】
カプセルの塗布量は約0.5乃至17g/m
2程度とくに2〜6g/m
2程度が好都合である。
【0041】
発色剤層6cは顕色剤層6b上に塗布される。
【0042】
本明細書において、顕色剤層6b中の顕色剤とは固体酸、更に具体的には電子受容性固体酸を意味する。顕色剤については前記先行特許にも記載されているが、具体例を挙げれば、粘土類(例えば、酸性白土、活性白土、アタバルジャイトなど)有機酸(例えば、サリチル酸の如き芳看族カルボキシル化合物、P−t−プチルフェノール、P−t−アミルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、P−クロロフェノールの如き芳香族ヒドロキシ化合物又はこれらの金属塩(例えば、亜鉛塩)など)、有機酸と金属化合物(例えば、酸化亜鉛)の混合物、酸性重合体(例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−アセチレン樹脂)などがある。顕色剤については、米国特許第3,501,331号、同第3,669,711号、同第3,427,180号、同第3,455,721号、同第3,516,845号、同第3,634,121号、同第3,672,935号、同第3,732,120号、特公昭45−48545号、同45−49339号、同45−93245号、同45−92246号、同45−93247号、同45−94874号、同45−109872号、同45−112038号、同45−112039号、同45−112040号、同45−112753号、同45−112754号、同45−118978号、同45−118979号、同46−86950号などにも記載されている。
【0043】
顕色剤はバインダーと共に基材シート6aに塗布されてもよい。バインダーとしては、例えばスチレン−ブタジエンラバーラテックス、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリルラテックス;プロテイン(例えば、ゼラチン、アラビアゴム、アルブミン、カゼインなど)、セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、サッカロース(例えば、寒天、アルギン酸ソーダ、デンプン、カルボキシメチルデンプンなど)の如き水溶性天然高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドの如き水溶性合成高分子化合物;ニ卜ロセルロース、エチルセルロース、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体の如き有機溶剤可溶の高分子化合物などを挙げることができる。これらのバインダーはカプセル分散液のバインダーとしても使用できるものである。顕色剤層6bには、従来知られた添加剤を含有させることができる。
【0044】
感圧インジケータ6に要求される特性は、第1に、圧力測定範囲内で、加重圧力と加圧接触により形成される発色像の光学的濃度変化又は色相変化との間の相関関係(例えば、比例逆比例など)が生じることであり、第2に前述した相関関係において、測定誤差が小さく、精度の高いことである。
【0045】
第2の点について600kg/cm
2から2000kg/cm
2の圧力範囲における面圧、線圧等の圧力測定において、マイクロカプセルの体積平均粒子径をD(ミクロン)、マイクロカプセルの平均膜厚をδ(ミクロン)とする時、体積平均粒子径と数平均膿厚の比、δ/Dが、4×10
−2から2.5×10
−2の範囲にあるマイクロカブセルを使用した時、測定誤差が小さく、著しくは精度の高い圧力測定用シートの得られることがわかった。
【0046】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0047】
まず雌型21と雄型22とからなる射出成形金型20内の上方位置に感圧インジケータ6を配置し、この感圧インジケータ6を雌型21内面により吸引する。
【0048】
次に雌型21と雄型22を合体させ雌型21側の射出口23から射出成形金型20内に射出樹脂を射出することにより、射出樹脂層5からなるキャップ本体5Aと、このキャップ本体5Aの天壁1外面に設けられた感圧インジケータ6とを有する感圧インジケータ付キャップ10を製造する。
【0049】
この場合、感圧インジケータ付キャップ10のうち、キャップ本体5Aの天壁の1外面に感圧インジケータ6が設けられ、感圧インジケータ6は基材シート6aが外側を向き、平滑層6dが内側を向く。また感圧インジケータ6はキャップ本体5Aの天壁2外面に一体に埋め込まれる。
【0050】
他方、容器本体30が作製され、この容器本体30内に飲料あるいは食品等の内容物が充填される。そして、容器本体30の口部32に感圧インジケータ付キャップ10が装着される。このようにして容器本体30と感圧インジケータ付キャップ10とからなるキャップ付容器30Aが得られる。
【0051】
次にキャップ付容器30Aは複数個まとめて開口35aを有する搬送トレイ35内に載置され、複数個のキャップ付容器30Aは搬送トレイ35とともに圧力容器36内に収納される。その後圧力容器36内において、キャップ付容器30Aに対して高圧処理が施されて、キャップ付容器30Aを加熱することなくキャップ付容器30A内の内容物が殺菌される(
図5参照)。
【0052】
この時、感圧インジケータ付キャップ10の感圧インジケータ6が加圧され、感圧インジケータ6の発色剤層6cのカプセル6c1が破壊されて、カプセル6c1内の発色剤が顕色剤層6b側へ移行して発色する。このことにより、キャップ付容器30Aに対して所定の加圧処理を施した旨、視覚的に判別できる。この場合、感圧インジケータ6は感圧インジケータ付キャップ10の天壁2の外面に設けられているので、キャップ付容器30Aを上方から視認するだけで、所定の加圧処理を施したか否か、直ちに確認することができる。
【0053】
図6は感圧インジケータ6に対して所定圧力を加えた場合における発色の程度を示す図である。
【0054】
図6において、曲線Aは、加圧値と顕色剤層6bの発色濃度との関係を示す曲線である。
図6に示すように顕色剤層6bの発色濃度は加圧が大きくなるにつれて濃くなっている。
【0055】
以上のように本実施の形態によれば、射出成形金型20を用いて、感圧インジケータ付キャップ10を射出成形法により成形することができる。そして感圧インジケータ付キャップ10を成形した際、キャップ本体5Aの天壁2の外面に感圧インジケータ6がすでに埋め込まれているため、射出成形法によって感圧インジケータ付キャップ10を製造した後、更にこのキャップ10外面に感圧インジケータ6を貼り付ける必要はない。このため、感圧インジケータ付キャップ10を容易に製造することができる。また感圧インジケータ6は感圧インジケータ付キャップ10の天壁2の外面に設けられているため、キャップ付容器10Aを上方から視認するだけで、所定の加圧処理を施したか否か直ちに確認することができる。
【0056】
上記実施の形態において、感圧インジケータ付キャップ10を製造する際、感圧インジケータ6は予め射出成形金型20内に配置されるため、感圧インジケータ付キャップ10はインモールドラベルキャップともいうことができ、この場合、感圧インジケータ6はインモールドラベルともいうことができる。なお、感圧インジケータ6のみでインモールドラベルを構成してもよく、感圧インジケータ6はインモールドラベル全体のうち、一部を構成してもよく、一般のインモールドラベル上に感圧インジケータ6を貼り付けて感圧インジケータ付きインモールドラベルを構成してもよい。