特許第6963791号(P6963791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963791接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963791
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/48 20060101AFI20211028BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20211028BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20211028BHJP
   B29C 64/277 20170101ALI20211028BHJP
   B29D 33/00 20100101ALI20211028BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20211028BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20211028BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   B29C65/48
   B29C64/106
   B29C64/209
   B29C64/277
   B29D33/00
   B33Y70/00
   C09J5/00
   C09J201/00
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-143256(P2017-143256)
(22)【出願日】2017年7月25日
(65)【公開番号】特開2018-34502(P2018-34502A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2020年6月18日
(31)【優先権主張番号】16186559.7
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】平野 義鎭
(72)【発明者】
【氏名】ピーター リンデ
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−125324(JP,A)
【文献】 特開2003−003148(JP,A)
【文献】 特開平11−101934(JP,A)
【文献】 特開2015−182428(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/126796(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00、30/00
B29C 65/48
B29C 73/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構成部品(1)及び第2の構成部品(2)を接合する方法であって、
前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを互いに隣接して配置することで、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)との間に細長い接合スペース(12)を設け、
シーム材(13)からなる接合シーム(10)を、前記接合シーム(10)が前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを相互に接続するように、前記接合スペース(12)に沿って形成する
ことを含み、
前記接合シーム(10)は、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスにより前記接合スペース(12)に沿って徐々に形成される
接合方法であって、
前記DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより徐々に前記接合シーム(10)を形成するステップは、
液状の未硬化の前記シーム材(13)を前記接合スペース(12)の長手方向(L)に沿って前記接合スペース(12)の硬化領域(14)に積層し、
前記硬化領域(14)上に、前記接合スペース(12)の前記長手方向(L)を横断して延びる、前記硬化領域(14)の硬化面(20)上に、紫外線(U)を導くことにより、前記液状のシーム材(13)を前記硬化領域(14)で硬化させて前記接合シーム(10)を形成する
ことを含む接合方法
【請求項2】
請求項1に記載の接合方法であって、
前記シーム材(13)を積層するステップと硬化させるステップは繰り返し及び/又は連続的に実行され、前記接合スペース(12)の前記長手方向(L)に沿って前記接合シーム(10)が徐々に積層される
接合方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接合方法であって、
前記接合シーム(10)を形成するステップは、前記長手方向(L)に沿って前記接合スペース(12)の前記硬化領域(14)を連続的に移動させることを含み、
前記液状のシーム材(13)を積層するステップは、前記接合スペース(12)に沿って徐々に移動するコンテナ(110A)から前記液状のシーム材(13)を供給することを含む
接合方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の接合方法であって、
前記液状のシーム材(13)を前記硬化領域(14)で硬化させるステップは、前記接合スペース(12)に沿って前記長手方向(L)に徐々に移動する酸素コンテナ(130)を通して紫外線(U)を照射することを含む
接合方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の接合方法であって、
前記接合スペース(12)は、前記第1の構成部品(1)の少なくとも一つの第1の面(1a)と前記第2の構成部品(2)の少なくとも一つの第2の面(2a)とにより及び/又はそれらの間に設けられ、
前記少なくとも一つの第1の面(1a)及び前記少なくとも一つの第2の面(2a)は互いに対面するように設けられる
接合方法。
【請求項6】
請求項5に記載の接合方法であって、
前記少なくとも一つの第1の面(1a)と前記少なくとも一つの第2の面(2a)は、前記長手方向(L)を横断する前記接合スペース(12)の断面形状を構成し、
前記断面形状は、V字形状、台形形状又は矩形形状である
接合方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の接合方法であって、
前記接合スペース(12)の第1の端部(12A)は封止部材(30)によって塞がれ又は封止され、
前記接合シーム(10)は、前記第1の端部(12A)から前記接合スペース(12)に沿って前記長手方向(L)に連続的に形成される
接合方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の接合方法であって、
前記接合シーム(10)を形成する前記シーム材(13)は、アクリレート、ポリウレタン、シアン酸エステルの少なくとも一つからなる群から選ばれる
接合方法。
【請求項9】
第1の構成部品(1)及び第2の構成部品(2)を接合するための接合装置(200)であって、
接合シーム(10)が前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを相互に接続するように、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とにより及び/又はそれらの間に設けられる細長い接合スペース(12)に沿って前記接合シーム(10)を形成するためのヘッド(100)を具備し、
前記ヘッド(100)は、
排出端部(111)を有し、液状の未硬化のシーム材(13)を前記排出端部(111)に形成された一つ以上の排出口(113)から前記接合スペース(12)に供給するシーム材ディスペンサ(110)と、
前記接合スペース(12)の硬化領域(14)上に、前記接合スペース(12)の長手方向(L)を横断して延びる硬化面(20)上に紫外線(U)を導くように構成された硬化ユニット(120)と
を具備する
接合装置。
【請求項10】
請求項9に記載の接合装置(200)であって、
前記ヘッド(100)は、前記接合スペース(12)に沿って前記長手方向(L)に移動するように構成され、
前記ヘッド(100)は、圧縮酸素用の酸素コンテナ(130)をさらに備え、前記酸素コンテナ(130)は前記硬化ユニット(120)と前記シーム材ディスペンサ(110)との間に配置され、
前記酸素コンテナ(130)は、酸素透過性部材(131)を介して前記シーム材ディスペンサ(110)に連結され、
前記酸素コンテナ(130)から前記シーム材ディスペンサ(110)に酸素からなるマイクロバブルが供給される
接合装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の接合装置(200)であって、
前記シーム材ディスペンサ(110)は、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とにより及び/又はそれらの間に設けられた前記接合スペース(12)内に収まるように構成され、
前記シーム材ディスペンサ(110)の少なくとも前記シーム材ディスペンサ(110)の前記排出端部(111)は、前記接合スペース(12)の前記長手方向(L)を横断する前記接合スペース(12)の断面形状と実質的に一致するように構成される
接合装置。
【請求項12】
請求項11に記載の接合装置(200)であって、
前記ヘッド(100)は、前記接合スペース(12)の断面形状におおむね一致する細長い筐体(140)を具備し、
前記筐体(140)は、前記シーム材ディスペンサ(110)の前記排出端部(111)から長手方向に延びる、対向する側壁(141、142)を有し、
前記側壁(141、142)は、V字形状、台形形状又は矩形形状の断面を有する
接合装置。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載の接合装置(200)であって、
前記硬化ユニット(120)は、紫外線源(121)及びマイクロミラー(122)のアレイを具備し、
前記マイクロミラー(122)は、移動可能に実装され、前記紫外線源(121)により生成された紫外線(U)が前記供給されたシーム材(13)の前記硬化面(20)上に照射されるように調整可能である
接合装置。
【請求項14】
第1の構成部品(1)と第2の構成部品(2)とを接合したアセンブリ(300)の製造方法において、第1の構成部品(1)と第2の構成部品(2)とを接合する接合シーム(10)を製作するために、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスを使用するアセンブリの製造方法。
【請求項15】
第1の構成部品(1)及び第2の構成部品(2)を接合する方法であって、
前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを互いに隣接して配置することで、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)との間に細長い接合スペース(12)を設け、
液状の未硬化のシーム材(13)を前記接合スペース(12)に沿って供給しつつ、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスにより、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを相互に接続する接合シーム(10)を前記接合スペース(12)に沿って徐々に形成する
接合方法
【請求項16】
第1の構成部品(1)及び第2の構成部品(2)を接合する方法であって、
前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを互いに隣接して配置することで、前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)との間に細長い接合スペース(12)を設け、
液状の未硬化のシーム材(13)を供給するシーム材ディスペンサ(110)に酸素からなるマイクロバブルを供給し、
前記シーム材ディスペンサ(110)より前記接合スペース(12)に未硬化のシーム材(13)を供給し、
デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスにより前記シーム材(13)を硬化して前記第1の構成部品(1)と前記第2の構成部品(2)とを相互に接続する接合シーム(10)を形成する
接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空工学に応用して構成部品、特にプラスチックからなる構成部品を接合する接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機及び宇宙機の建造における複数の構成部品(特にパネル、リブ、縦通材又は梁のような構造部品)の接合には、典型的には、さまざまな技術が必要となる。このような技術には、リベット、クリップ又はネジのような機械的な締め付け具、接着剤及び溶接技術が含まれる。航空機の建造においては、今日、複合材料、特に繊維強化ポリマー複合材料(例えばガラス繊維強化ポリマー(GFRP:glass fiber-reinforced polymer)複合材料及び炭素繊維強化ポリマー(CFRP:carbon fiber-reinforced polymer)複合材料)の使用がますます必要となっているため、これらの材料に適した新規の製造技術を開発することがますます重要になってきている(特許文献1参照)。現在、板材、パネル、構造要素のようなポリマー又はプラスチックからなる構成部品は、航空機の建造において多種多様な用途(例えば、胴体構造)に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−217680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、効率的に確実に構成部品を接合するための、新規で改良された接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法を提供することにある。
本発明は、典型的には航海、航空及び/又は自動車の分野で構成部品を接合するための接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法を提供することにある。
典型的には、航空機又は宇宙機の建造において構成部品、特にポリマー系構成部品を接合するための新規の接合方法、接合装置及びアセンブリの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る接合方法は、第1の構成部品及び第2の構成部品を接合する方法を提供する。
上記方法では、上記第1の構成部品と上記第2の構成部品とを互いに隣接して配置することで、上記第1の構成部品と上記第2の構成部品との間に細長い接合スペースを設け、シーム材からなる接合シームを、上記接合シームが上記第1の構成部品と上記第2の構成部品とを相互に接続するように、上記接合スペースに沿って形成する。
上記接合シームは、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)・アディティブマニュファクチャリングプロセスにより上記接合スペースに沿って徐々に形成される。
【0006】
このように、本発明の方法では、デジタルライトプロセッシング・アディティブマニュファクチャリングプロセスにより接合シーム又は溶接シームを徐々に形成する。以下、デジタルライトプロセッシング・アディティブマニュファクチャリングプロセスは、DLPアディティブマニュファクチャリングとも呼ぶ。
これに関して、接合シームは、長手方向に延びる接合スペースに付加的に製造される。当該接合スペースは、接合される第1の構成部品と第2の構成部品との間に、例えば間隙として設けられる。これには、接合シームを非常に速い加工速度で作製できるという利点がある。接合シームを形成するシーム材は、可視光、紫外線等を含む光の影響下で硬化が促進されるからである。また構成部品を加工した直後に本発明の方法による接合を実施すれば、油除去等の前処理をすることなく構成部品の接合が行える。
本発明の方法には、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより、構成部品をダストフリー及びノイズフリーで接合することができるという利点もある。
さらに、熱硬化性ポリマー樹脂又はプラスチックのような、比較的安価な材料を接合シームの形成に使用することができる。
DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより、強い光に係るエネルギーを正確な位置に付与できるので、確実に空隙を防いで良好な機械的強度を有する接合シームを正確に接合スペースに沿って形成することも可能である。
【0007】
好ましい実施形態では、上記の方法は、複合材料、特に繊維強化ポリマー複合材料からなる構成部品を使った使用のために、適宜アレンジされる。
繊維強化ポリマー複合材料とは、例えばガラス繊維強化ポリマー(GFRP)複合材料又は炭素繊維強化ポリマー(CFRP)複合材料である。
このように、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスでは、接合シームは、構造物中の繊維強化ポリマーと融着又は接着するように構成された材料から生成又は形成されてもよい。しかしながら、上記の方法は、金属からなる一つ以上の構成部品のために行われてもよい。この場合、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスでは、接合シームは、金属の構成部品と融着又は接着可能な材料から生成又は形成されればよい。
本発明の方法によって生じる融着又は接着による接続に加えて、リベット、ネジ、ボルト等の補足的な機械的締め付け具によって構成部品を接合又は固定し、接合シームを介して接続を向上させてもよい。
【0008】
好ましい実施形態では、接合シームを形成するシーム材は、ポリマー樹脂、特に熱硬化性ポリマー樹脂である。特に好ましい実施形態では、シーム材は、アクリレート、ポリウレタン、シアン酸エステルの少なくとも一つからなる群から選ばれる。
【0009】
好ましい実施形態では、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより徐々に接合シームを形成するステップは、液状の未硬化のシーム材を接合スペースの長手方向に沿って連続的に接合スペースの硬化領域に積層し、硬化領域上に、特に接合スペースの長手方向を横断して延びる、硬化領域の硬化面上に紫外線を照射することにより、液状のシーム材を硬化領域で硬化させて接合シームを形成することを含む。
液状のシーム材を積層するステップと硬化させるステップは繰り返し及び/又は連続的に実行され、接合スペースの長手方向に沿って接合シームが徐々に積層される。
このようにして、接合シームは徐々に又は連続的に長手方向に形成される。
この場合に、接合シームが一定の成長率で連続して長手方向に形成されることが好ましい。
紫外線は、紫外スペクトルの波長(すなわち、およそ100nm〜およそ380nmの波長)の光である。当該光を硬化面上に照射することによって、紫外線は硬化面のこの領域における液状のシーム材を硬化させる。したがって、硬化面は液状のシーム材と硬化したシーム材との間の界面を形成する。
非常に正確にかつ明確に紫外線を照射することで硬化面を生成できることは、本実施形態の際立った利点である。このようにして、接合シームを接合スペースの所望の断面に正確に効率的に設けることができる。
【0010】
好ましい実施形態では、接合シームを形成するステップは、第1及び第2の構成部品に対して長手方向に接合スペースの硬化領域を連続的に移動させることを含む。このようにして、硬化領域及び/又は硬化面の位置を移動することができ、それにより、接合シームが連続的に積層されるにつれて、接合スペースに沿って液状のシーム材と硬化したシーム材との間の相界面又は界面を移動させることができる。
一方で、液状のシーム材を接合スペースに供給し接合シームを形成する装置に対して第1及び第2の構成部品を移動させてもよい。このように、硬化領域及び/又は硬化面は理論上空間に固定されるが、これらを第1及び第2の構成部品に対して移動させず、接合シームが連続的に積層されるにつれて液状のシーム材と硬化したシーム材との相界面又は界面を接合スペースに沿ってずらしていく。
【0011】
好ましい実施形態では、液状のシーム材を積層するステップは、接合スペースに沿って徐々に移動するヘッドから液状のシーム材を供給することを含む。
ここで、当該ヘッドはコンテナを備えていてもよい。当該コンテナは、上記液状のシーム材のための供給容器となり、接合スペース内で移動可能であることが好ましい。硬化領域は、ディスペンサにより上記長手方向の一方の側で区切られることが好ましい。
これにより、例えばプラスチック材料としてのシーム材を、正確に直接積層することができる。特に、空隙がなく、断面を埋められる体積を有する液状の未硬化のシーム材は、硬化領域に好適に積層され保持される。
【0012】
好ましい実施形態では、液状のシーム材を硬化領域で硬化させるステップは、接合スペースに沿って長手方向に徐々に移動する酸素コンテナを通して紫外線を照射することを含む。前記酸素コンテナは、シーム材ディスペンサに酸素からなるマイクロバブルを供給する。マイクロバブルによりシーム材ディスペンサ内の液状のシーム材を撹拌し、液状のシーム材がディスペンサ内で固化することが防止される。
【0013】
好ましい実施形態では、接合スペースは、第1の構成部品の少なくとも一つの第1の面と第2の構成部品の少なくとも一つの第2の面とにより及び/又はそれらの間に設けられる。少なくとも一つの第1の面及び上記少なくとも一つの第2の面は、典型的には互いに対面するように設けられる。少なくとも一つの第1の面と少なくとも一つの第2の面は、協働して長手方向を横断する接合スペースの断面形状を構成する。
これに関して、断面形状は、例えば、V字形状、台形形状又は矩形形状であってもよい。接合スペースは、したがって、接合する構成部品のそれぞれ対向する面の間に形成される間隙又は空隙として設けられる。接合スペースがV字形状の断面を有する場合、接合する構成部品の傾斜した第1及び第2の面のそれぞれの縁部は互いに当接され、接合スペースの底部を塞ぐか封止してもよい。
このようにして、要素を追加することなく接合スペースの底部を塞いでもよい。接合スペースの台形形状又は矩形形状の断面により、接合シームの機械的強度を改良し向上させることができる。
【0014】
好ましい実施形態では、接合スペースの第1の端部は封止部材によって塞がれ又は封止され、接合シームは、第1の端部から接合スペースに沿って長手方向に連続的に形成される。
したがって、封止部材は第1及び第2の構成部品の端面全体にわたって、あるいは端面を覆って、すなわち接合スペースの長手方向を横断して配置される。
このようにして、封止部材は、接合スペースの端部を塞ぎ又は封止し、液状のシーム材の漏れを防止する。これにより、接合シームの形成を当該端部から、すなわち上述したように接合スペースにおける液状の未硬化のシーム材を積層することにより、開始することができる。
【0015】
本発明の一形態に係る接合装置は、第1の構成部品及び第2の構成部品を接合するための装置を提供する。
当該接合装置は、接合シームが第1の構成部品と第2の構成部品とを相互に接続するように、第1の構成部品と第2の構成部品とにより及び/又はそれらの間に設けられる細長い接合スペースに沿って接合シームを形成するためのヘッドを具備する。
上記ヘッドは、排出端部を有し、液状の未硬化のシーム材を排出端部に形成された排出口から接合スペースに供給するシーム材ディスペンサと、接合スペースの硬化領域上に、特に接合スペースの長手方向を横断する硬化面上に紫外線を照射するように構成された硬化ユニットとを具備する。
【0016】
好ましい実施形態では、上記ヘッドは、接合スペースに沿って長手方向に移動するように構成される。すなわち、上記ヘッドは、第1及び第2の構成部品に対して移動可能であることが好ましい。
上記ヘッドは、圧縮酸素を保持するための酸素コンテナを備えてもよい。これに関して、酸素コンテナは硬化ユニットとシーム材ディスペンサとの間に配置されることが好ましく、酸素コンテナは、酸素透過性部材を介してシーム材ディスペンサに連結されることが好ましい。前記酸素コンテナは、シーム材ディスペンサに酸素からなるマイクロバブルを供給する。マイクロバブルによりシーム材ディスペンサ内の液状のシーム材を撹拌し、液状のシーム材がディスペンサ内で固化することが防止される。
硬化ユニット及び酸素コンテナを配置することで、硬化ユニットから発せられた紫外線は、典型的には酸素コンテナを通過する。
【0017】
好ましい実施形態では、シーム材ディスペンサは、第1の構成部品と第2の構成部品とにより及び/又はそれらの間に設けられた接合スペース内に収まるように構成される。
上記シーム材ディスペンサの少なくとも一部、特にシーム材ディスペンサの排出端部は、接合スペースの長手方向を横断する接合スペースの断面形状と実質的に一致するように構成されることが好ましい。これにより、シーム材ディスペンサの排出端部に隣接する硬化領域が制限され又は区切られる。シーム材ディスペンサは、供給された液状のシーム材を受けて保持し、その漏れを防止し、その後硬化動作を行う。
【0018】
好ましい実施形態では、接合装置の上記ヘッドは、接合スペースの断面形状におおむね一致する細長い筐体を具備する。
このようにして、接合装置のヘッドは、細長い接合スペース内に少なくとも部分的に収まる。
筐体は、接合スペース内に少なくとも部分的に収まるように細長いことが好ましく、シーム材ディスペンサの排出端部から長手方向に延びる、対向する側壁を有する。側壁は、例えば、接合スペースの断面形状におおむね一致するようなV字形状、台形形状又は矩形形状の断面を有する。
【0019】
本発明の一形態に係る接合装置には、上述した方法を非常に効率的に好適に実行できるという利点がある。例えば、上記ヘッドの対向する端部に上記硬化ユニット及び一つ以上の供給開口部を配置することにはメリットがある。
上記ヘッドは非常にコンパクトな構成を有し、接合する構成部品の間に設けられた、長手方向に延びる狭い接合スペースに挿入されてもよい。
また、上記ディスペンサの前端に形成された供給開口部により、接合シームを連続的に形成することができ、さらには加工速度を上げることができる。
上記ヘッドを多様な接合スペースにぴったり合わせて挿入することにより、接合スペースを構成する接合する構成部品のそれぞれの面に沿って、上記ヘッドを容易に案内することができる。
この結果、非常に正確に、効果的なプロセスで接合シームを形成することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、硬化ユニットは、紫外線源及びマイクロミラーのアレイを具備する。
マイクロミラーは、移動可能に実装され、あるいは紫外線源により生成された紫外線が供給されたシーム材の硬化面上に導かれる又は照射されるように角度を調整可能である。
紫外線源は紫外線LED等であってもよく、硬化ユニットは複数の非常に小さなミラーを有してもよい。各ミラーは、およそ100μmから400μmの表面積を有していてもよい。ミラーの向きは、例えば、複数の適切なアクチュエータにより調整可能である。
このようにして、紫外線は非常に正確に照射されてもよい。また、このように移動可能に実装されるマイクロミラーのアレイにより、接合スペースの断面に対して硬化面を柔軟に変形及び適応させることができる。
【0021】
本発明の一形態に係る使用は、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合する接合シームを作製するため、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスを使用することである。
接合シームを形成するためにこのようなDLPプロセスを使用することにより、速い加工速度、低加工コスト、ダストフリー及びノイズフリーで当該シームを形成できるというメリットがある。
本発明の一形態に係るアセンブリの製造方法は、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合したアセンブリの製造方法において、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合する接合シームを製作するたに、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスを使用する。
【0022】
本発明の範囲では、光を所定の面に"照射する"ことは、特に、領域ごとの事前に規定された放射エネルギー量を導くこととして理解してもよい。領域ごとの事前に規定された放射エネルギー量は、液状の樹脂材料を硬化させることで接合シームを形成する化学反応の活性化エネルギーを上回るエネルギー量であればよい。
【0023】
本発明の範囲では、物理的構造物の大きさに関する方向及び軸について、軸、方向又は構造物に「沿う」方向又は構造物の大きさは、当該方向又は構造物、特に接線を含む。当該接線は、それぞれの構造物の特定の部位に生じ、45度未満、好ましくは30度未満の角度を有し、互いに平行に延びることが最も好ましい。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、効率的に確実に構成部品を接合するための、新規で改良された技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る方法を模式的に示す、接合する構成部品の配置の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る方法を実行中の構成部品の配置を模式的に示す上面図である。
図3】本発明の他の実施形態に係る方法を模式的に示す、接合する構成部品の配置の斜視図である。
図4】本発明の他の実施形態に係る方法を模式的に示す、接合する構成部品の配置の断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る溶接ヘッドを模式的に示す。
図6】本発明の他の実施形態に係る方法を模式的に示す、接合する構成部品の配置の上面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る方法により作製された接合シームを用いて接合される構成部品からなるアセンブリを模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付の図面に描写された例示の実施形態を参照し、本発明をより詳細に説明する。当該図面は本発明をさらに理解するためのものであり、本明細書の一部を構成する。図面は本発明の実施形態を図示し、本明細書の以下の記述とともに本発明の原理を説明するものである。本発明のその他の実施形態と、本発明の利点の多くは、以下の記述を参照して容易に理解されるものである。図面の各要素は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれておらず、類似の符号は対応する又は同様の部品を示す。
【0027】
実施形態の図をより簡潔にするため、商業的に実現可能な実施形態において有益又は必要であるような、一般的によく理解されている要素は必ずしも描写されていないことを理解されたい。さらに、方法についての一実施形態では、ある作用及び/又はステップはそれらの特定の発生順で記載又は描写されてもよく、当業者は順序に対するそのような限定性は必ずしも必要ではないことを理解しているものである。また、本明細書で使用される用語及び表現は、具体的な意味が本明細書中で明記されている場合を除き、それぞれ対応する調査研究分野についての用語及び表現が有する通常の意味で使用される。
【0028】
図1は、第1の構成部品1と第2の構成部品2とを接合する方法を示す。第1の構成部品1及び第2の構成部品2はいずれも平面状に延びる平板として図1に例示的に示され、例えばプラスチック材料からなる構成部品であってもよい。
第1の構成部品1は、その上部平面1bから傾斜して延びる第1の面1aを具備する。第2の構成部品2は、その上部平面2bから傾斜して延びる第2の面2aを具備する。
本発明の方法によれば、第1のステップにおいて、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、互いに隣接して配置され、両者の間で細長い接合スペース12が設けられている。
図1に示すように、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、第1の面1aと第2の面2aとが互いに対向するように、互いに相対的に配置されてもよい。特に、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、図1に例示されるように、第1の面1a及び第2の面2aのそれぞれの対向する縁部で、互いに当接するように配置されてもよい。
それにより、図1の例によれば、第1の面1a及び第2の面2aは、接合スペース12のV字形状の断面を形成する。また、第1の面1a及び第2の面2aは接合スペース12の底部15を共に形成する。あるいは、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、図3例示されるように、第1の面1a及び第2の面2aのそれぞれの対向する縁部で、互いに離間するように配置されてもよい。
これについては、以下に詳細に記述する。
【0029】
図1に示すように、接合スペース12は、第1の構成部品1の第1の面1aと第2の構成部品2の第2の面2aとにより及び/又はそれらの間に形成される。細長い接合スペース12は、第1の面1a及び第2の面2aのそれぞれの縁部に沿って又は平行して、すなわち、一般的には第1の構成部品1と第2の構成部品2との間に、長手方向Lに延びる。
このようにして、長手方向Lは、第1の面1a及び第2の面2aの長手方向の広がりによって設けられてもよい。
【0030】
本実施形態に係る方法は、接合スペース12において、シーム材13から接合シーム10を形成することを含む。シーム材13は、特に、プラスチック又はポリマー樹脂材料を含んでもよい。図1に模式的に示すように、接合シーム10は、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスにより接合スペース12に沿って、特に長手方向Lに徐々に形成される。
図1において、接合シーム10は、長手方向Lに対して接合スペース12の第1の端部12Aから接合スペース12の一部の長さl10まで既に形成されている。
【0031】
図1に示す実施形態によれば、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスは、液状の未硬化のシーム材13を接合スペース12の硬化領域14に積層することを含む。
硬化領域14は、接合スペース12に既に形成されている接合シーム10の先端面にある。
図1に示すように、シーム材13は、例えばシーム材ディスペンサ110から供給されることで硬化領域14に積層されてもよい。当該シーム材ディスペンサ110は、材料供給コンテナ110Aを任意に備えていてもよく、長手方向Lに接合スペース12に沿って移動する。
シーム材ディスペンサ110は、一つ以上の排出口113が形成された排出端部としての前壁111を具備する。
図1に示されるように、材料供給コンテナ110Aは、当該コンテナ110Aの端壁に形成された複数の排出口を具備してもよい。このように、当該コンテナ110Aの排出口は、シーム材ディスペンサ110の排出口113を形成してもよい。液状のシーム材13は、これらの排出口113を通って硬化領域14に流される。
材料供給コンテナ110Aの端壁は、例えばシーム材ディスペンサ110の排出端部としての前壁111を形成する。硬化領域14に積層された液状のシーム材13から接合シーム10を形成するためには、図1に示すように、光線U、特に紫外線を硬化面20上に照射してもよい。
硬化面20は、図2に示すとおり、接合スペース12の長手方向Lを横断して延びる。硬化面20は硬化領域14に設けられている。特に、硬化面20は、接合シーム10の硬化したシーム材と液状のシーム材13との間の界面又は相界面を形成する。
当該液状のシーム材13は、接合シーム10とシーム材ディスペンサ110との間の硬化領域14に導入又は積層されている。
【0032】
液状の未硬化のシーム材13を硬化領域14に徐々に及び繰り返し供給し、シーム材13を硬化面20で硬化させることにより、接合シーム10を接合スペース12に沿って長手方向Lに成長又は積層させてもよい。図1に矢印P1で模式的に示すとおりである。
【0033】
図1において、硬化ユニット120の機能的配置を模式的に示す。当該硬化ユニット120は、紫外線Uを発生させるために適用可能な光源121を具備する。
また、硬化ユニット120は、紫外線Uを硬化面20に導く又は照射するための複数のマイクロミラー122のアレイを具備する。
好適には、当該マイクロミラー122のアレイは、移動可能に実装されてもよいし、図2に矢印P2、P3で模式的に示すように、角度を調整可能であってもよい。
【0034】
図1ではさらに、上記の光は酸素コンテナ130を通って導かれ又は照射されることが好ましい。
酸素コンテナ130は、硬化ユニット120とシーム材ディスペンサ110との間に配置されるのが好ましい。特に、当該シーム材ディスペンサ110はコンテナ110Aとして設けられ、それに隣接して酸素コンテナ130が接合スペース12内に長手方向Lに配置されてもよい。
接合シーム10を形成する間、酸素コンテナ130は長手方向Lに沿って接合スペース12で移動している。
酸素コンテナ(130)は、シーム材ディスペンサ110に酸素からなる図示を省略した流路を介してマイクロバブルを供給する。マイクロバブルによりシーム材ディスペンサ110内の液状のシーム材13を撹拌し、液状のシーム材13がディスペンサ110内で固化することが防止される。
【0035】
図2は、図1の配置を、第1の及び第2の構成部品1、2の上部平面1b、2bの上面図として示す。
図2では、図1における上記の方法が例示されるとともに、平板として設けられる封止部材30が、接合スペース12の第1の端部12Aに配置されている。それにより、接合スペース12は、図2に模式的に示すように、第1の端部12Aで封止部材30によって塞がれ又は封止される。特に、封止部材30は、液状のシーム材13が最初に接合スペース12に供給されるときに当該液状のシーム材13のための障壁となる。
その後、図2の矢印P1で模式的に示すように、接合シーム10は第1の端部12Aから接合スペース12の長手方向Lに沿って徐々に形成される。
【0036】
図3は、上述した方法により接合される第1の構成部品1及び第2の構成部品2の他の配置を例示する。明確さのため、図3では硬化ユニット120、シーム材ディスペンサ110及び酸素コンテナ130は図示を省略する。
第1の構成部品1及び第2の構成部品2はいずれも、図1を参照して述べたように、平面状に延びる平板として図3に例示される。
第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、第1の面1a及び第2の面2aが互いに対向するように、互いに相対的に配置される。
図1の第1の構成部品1及び第2の構成部品2とは異なり、図3の第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、第1の面1a及び第2の面2aのそれぞれの対向する縁部3、4で、互いに離間するように配置される。すなわち、第1及び第2の面1a、2aはそれぞれ上部平面1b、2bに垂直に延びるように例示され、それにより矩形形状の断面を有する接合スペース12を形成する。
もちろん、第1の面1a及び第2の面2aは、台形形状の断面(図示せず)を有する接合スペース12を形成するような傾斜面として設けられてもよい。
【0037】
さらに図3を参照すると、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、平板として設けられる支持部材5に配置される。
また、第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、支持部材5の支持面5aに配置され、それにより接合スペース12に底部15が形成される。
当該支持部材5は特に、重力の方向Gに対して第1の構成部品1及び第2の構成部品2の下方に配置されてもよい。
図3に示すように、接合シーム10は上述の方法と同じ方法で接合スペース12に形成されてもよい。特に、図3では、硬化領域14に積層された液状のシーム材13を徐々に硬化させることにより、接合スペース12の第1の端部12Aから接合スペース12に沿って長手方向Lに接合シーム10を成長又は積層させることが例示されている。液状のシーム材13については、支持部材5が接合スペース12を覆い封止する。
【0038】
支持部材5に加えて又は支持部材5の代わりに、接合する第1の構成部品1及び第2の構成部品2のうちの一つが、重複突起又はフランジ6を備えていてもよい。
図4は、第2の面2aから突出する突起又はフランジ6を具備する第2の構成部品2を例示する。
第1の構成部品1及び第2の構成部品2は、突起又はフランジ6が第1の構成部品1に重なるように、特にフランジ6の第1の面6aが第1の構成部品1の下部平面1cに接触するように、すなわち第1の構成部品1の裏側に対向するように、配置される。
それにより、突起又はフランジ6もまた、接合スペース12を覆い封止する接合スペース12の底部15を形成する。
【0039】
図5は、第1の構成部品1及び第2の構成部品2を接合する装置200の構成例を模式的に示す。
当該装置200は、シーム形成ヘッド100を具備する。当該シーム形成ヘッド100は、シーム材ディスペンサ110、硬化ユニット120及び酸素コンテナ130を備える。当該シーム材ディスペンサ110は、材料供給コンテナ110Aを具備することが好ましい。
【0040】
ディスペンサ110は筐体を具備する。当該筐体は、ディスペンサ110の排出端部としての前壁111を有する材料供給コンテナ110Aを備える。また、ディスペンサ110の排出口113を有する前壁に複数の排出口が形成される。
複数の排出口は第1の側S1に開口し、それによりコンテナ110Aの内部Iを第1の側S1に流動的に接続し、液状のシーム材13を送出する。
図5に示すように、材料供給コンテナ110Aは、さらに、長手方向L100に前壁111から離間した第2の後壁112を備える。材料供給コンテナ110Aの内部Iは、当該コンテナ110Aの前壁111と第2の後壁112との間に延在する。
材料供給コンテナ110Aは、さらに、第1の側壁114及び第2の側壁115を備える。当該第1の側壁114及び第2の側壁115はそれぞれ前壁111と第2の後壁112との間に延在する。
図5に例示するように、材料供給コンテナ110Aの第1の側壁114及び第2の側壁115は、V字形状の断面を構成してもよい。特に、材料供給コンテナ110Aの前壁111及び第2の後壁112はいずれもV字形状の外周を有する平板として構成されてもよい。
もちろん、材料供給コンテナ110Aの第1の側壁114及び第2の側壁115は、当該コンテナ110Aの矩形形状又は台形形状断面を構成してもよい。この構成により、細長い筐体140が形成されてもよい。
【0041】
硬化ユニット120は、紫外線Uを硬化面20に導き照射することで硬化ユニットを形成するように構成される。硬化ユニット120及び硬化面20は、ディスペンサ110の前壁111の両側にそれぞれ配置される。
特に、硬化ユニット120は、長手方向L100に対して材料供給コンテナ110Aの第2の側S2に配置される。
これにより、第2の側S2は長手方向L100に対して第1の側S1の反対側にある。
図5に示すように、硬化ユニット120は、材料供給コンテナ110Aの第2の後壁112に対向して位置する。特に、硬化ユニット120は、材料供給コンテナ110Aの第2の後壁112から長手方向L100に離間して配置されてもよい。
【0042】
図1及び図2に模式的に示すように、硬化ユニット120は、光源121、特に紫外線源と、マイクロミラー122のアレイとを具備することが好ましく、当該マイクロミラー122は、光源121により生成された光、すなわち紫外線Uが硬化面20上に照射されるように移動可能に実装され調整可能である。
図1及び図2はいずれも、一例として機能を説明するために、互いに対向して配置される二つのマイクロミラー122のアレイを示す。しかしながら、以下に説明するように、マイクロミラー122の実際のアレイは、数百又は数千のミラーのアレイ、例えば、4000×2100個のミラーの矩形状アレイを具備してもよい。
マイクロミラー122は、紫外線Uが硬化面20上に照射されるように調整可能である。マイクロミラー122を調整するために、アクチュエータシステム(図示せず)が設けられてもよい。当該アクチュエータシステムは、マイクロミラー122に機械的に連結され当該マイクロミラー122それぞれの所望の傾斜角度又は向きを調整する複数のアクチュエータを具備する。
アクチュエータシステムは、制御システム(図示せず)に機能的に接続されてもよいし、当該制御システムの一部であってもよい。当該制御システムは、マイクロミラー122それぞれの所望の傾斜角度を調整するための複数のアクチュエータを作動させる制御信号を供給する。さらに、二つ以上の光源121が設けられてもよい。光源121は、例えば紫外線LEDまたはそのアレイとして設けられてもよい。
【0043】
図5に示すように、酸素コンテナ130は、長手方向L100に対して硬化ユニット120とディスペンサ110との間に配置されることが好ましい。
図5に示すように、また図1及び2からも分かるように、酸素コンテナ130は、流路としての酸素透過性接続板131によって材料供給コンテナ110Aに連結されることが好ましい。当該酸素透過性接続板131は例えばガラス材料からなる平板であり、材料供給コンテナ110Aの第2の後壁112によって形成される。
また、酸素透過性接続板131は、長手方向L100に対して酸素コンテナ130の第1の前壁を形成する。酸素コンテナ130はさらに、長手方向L100に対して第1の前壁(酸素透過性接続板131)の反対に位置する第2の端壁132を具備する。
【0044】
図5に例示するように、材料供給コンテナ110A、硬化ユニット120及び酸素コンテナ130は、好ましくは共通の筐体140に一体化されてもよい。
筐体140は、対向する側壁141、142を有することが好ましい。
当該側壁141、142は、ディスペンサ110の前壁111から長手方向に延びる。特に、筐体140の側壁141、142の一部は材料供給コンテナ110A及び酸素コンテナ130の側壁114及び側壁115を形成してもよい。
筐体140の前壁143は、材料供給コンテナ110Aの前壁111により形成される。筐体はさらに、長手方向L100に対して前壁143の反対側の端壁144と、カバー又は蓋145とを具備してもよい。こ
の構成により、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に接合スペース12の断面形状と一致する細長い筐体140が設けられてもよい。
【0045】
図6では、一例として、シーム形成ヘッド100を使用して形成された接合シーム10が第1の構成部品1及び第2の構成部品2を接合している。
第1の構成部品1及び第2の構成部品2を接合する方法の詳細については、特に図1及び2についての上記の記載を参照されたい。
ディスペンサ110は、その前壁111が接合スペース12の第1の端部12Aに近接した状態で、接合スペース12に配置される。好適には、材料供給コンテナ110Aの111を接合スペース12の第1の端部12Aに近接して設置することで封止部材30と当該前壁111との間に硬化領域14を形成するようにして、あるいは接合スペース12の長手方向Lとシーム形成ヘッド100の長手方向L100とが基本的に互いに一直線になるようにして、シーム形成ヘッド100を接合スペース12に導入して配置を実現してもよい。
また、液状の未硬化のシーム材13は、ディスペンサ110の一つ以上の排出口113から硬化領域14に供給され、硬化ユニット120は、シーム材13を硬化させる硬化面20に光を照射する。
これに伴い、ディスペンサ110の前壁111を接合スペース12に沿って移動させ、封止部材30から遠ざける。これには、シーム形成ヘッド100を、接合スペース12の長手方向Lに沿ってその第2の端部12Bへ向かって移動させる。
それにより、接合シーム10が接合スペース12の長手方向Lに沿って徐々に形成され又は積層される。
【0046】
図6では、上記のヘッド100の移動が矢印P4で模式的に示される。
ヘッド(溶接ヘッド)100に機械的に連結された移動デバイス150により、ヘッド100を移動させてもよい。
図6において、移動デバイス150はロボットのマニピュレータアームとして例示的、模式的に示されている。
ヘッド100の移動速度は、例えば、硬化領域14が一定の長さ又は体積を有するように、液状の未硬化のシーム材13の硬化領域14への供給レート及び/又は硬化面20が要する硬化時間に関連付けられる。
【0047】
図7は、上述のDLPアディティブマニュファクチャリングプロセスによって形成された接合シーム10により、互いに接合された第1の構成部品1及び第2の構成部品2を具備するアセンブリ300を示す。
図7において、完成した接合シーム10は隅肉溶接の基本形状を有する。接合スペース12の形状にしたがって、接合シーム10はもちろん突合せ溶接等の形状をとってもよい。
【0048】
以上、本発明の具体的な実施形態を例示、説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で示され説明された具体的な実施形態の代わりに様々な代替又は同等の実施形態が適用されてもよいことは当業者には理解されるであろう。例示された一つ又は複数の実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲、適用性又は構成を何らかの形で制限するものではないと理解されるはずである。すなわち、本出願は、本明細書に記載された具体的な実施形態のあらゆる改変又は変形を網羅している。むしろ、上述の概要と詳細な説明は、当業者に少なくとも一つの例示的な実施形態を実施するための適切な指針を提供し、添付の特許請求の範囲とその法律上の均等物から逸脱しない範囲で、例示的な実施形態に記載された要素の機能と配置を様々に変更してもよいことが理解される。
【0049】
本明細書では、「具備する」、「具備している」、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」及びその他のこれらの変形を含む用語は包括的(例えば非排他的)な意味で理解され、本明細書中に記載されたプロセス、方法、デバイス、装置又はシステムが、列挙された特徴、部品、要素又はステップに限られずに、明確に記載されていない若しくはそのようなプロセス、方法、物又は装置に固有のその他の要素、特徴、部品又はステップを含んでもよい。さらに、本明細書中で使用される用語「一つの」は、明白に述べられない限り「一つ以上」の意味として理解される。さらにまた、「第1の」、「第2の」、「第3の」等の用語は単なる名称にすぎず、対象物に数字上の要件を課すことやそれらに重要度の順位をつけたりすることを意図していない。「上部」、「底部」、「左」、「右」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」、「前」、「後」及び類似の用語を含む、方向を示すあらゆる用語は単に説明のために使用されており、上記実施形態を図面に示す具体的な配置に限定するものではない。
【符号の説明】
【0050】
1…第1のプラスチック構成部品
1a…第1の構成部品の第1の面
1b…第1の構成部品の上部平面
1c…第1の構成部品の下部平面
2…第2のプラスチック構成部品
2a…第2の構成部品の第2の面
2b…第2の構成部品の上部平面
3…第1の面の縁部
4…第2の面の縁部
5…支持部材
6…突起
10…接合シーム
12…接合スペース
12A…接合スペースの第1の端部
12B…接合スペースの第2の端部
13…シーム材
14…硬化領域
15…接合スペースの底部
20…硬化面
30…封止部材
100…ヘッド
110…シーム材ディスペンサ
110A…材料供給コンテナ
111…前壁(排出端部)
112…材料供給コンテナの第2の後壁
113…排出口
114…材料供給コンテナの第1の側壁
115…材料供給コンテナの第2の側壁
120…硬化ユニット
121…光源
122 …マイクロミラー
130…酸素コンテナ
131…接続板、第1の前壁
132…酸素コンテナの第2の端壁
140…筐体
141…筐体の側壁
142…筐体の側壁
143…筐体の前壁
144…筐体の端壁
145…筐体の蓋
200…装置
300…アセンブリ
G…重力の方向
l…材料供給コンテナの内部
l10…長さ
L…接合スペースの長手方向
L100…溶接ヘッドの長手方向
P1…矢印
P2…矢印
P3…矢印
P4…矢印
S1…第1の側
S2…第2の側
U…紫外線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7