【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る接合方法は、第1の構成部品及び第2の構成部品を接合する方法を提供する。
上記方法では、上記第1の構成部品と上記第2の構成部品とを互いに隣接して配置することで、上記第1の構成部品と上記第2の構成部品との間に細長い接合スペースを設け、シーム材からなる接合シームを、上記接合シームが上記第1の構成部品と上記第2の構成部品とを相互に接続するように、上記接合スペースに沿って形成する。
上記接合シームは、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)・アディティブマニュファクチャリングプロセスにより上記接合スペースに沿って徐々に形成される。
【0006】
このように、本発明の方法では、デジタルライトプロセッシング・アディティブマニュファクチャリングプロセスにより接合シーム又は溶接シームを徐々に形成する。以下、デジタルライトプロセッシング・アディティブマニュファクチャリングプロセスは、DLPアディティブマニュファクチャリングとも呼ぶ。
これに関して、接合シームは、長手方向に延びる接合スペースに付加的に製造される。当該接合スペースは、接合される第1の構成部品と第2の構成部品との間に、例えば間隙として設けられる。これには、接合シームを非常に速い加工速度で作製できるという利点がある。接合シームを形成するシーム材は、可視光、紫外線等を含む光の影響下で硬化が促進されるからである。また構成部品を加工した直後に本発明の方法による接合を実施すれば、油除去等の前処理をすることなく構成部品の接合が行える。
本発明の方法には、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより、構成部品をダストフリー及びノイズフリーで接合することができるという利点もある。
さらに、熱硬化性ポリマー樹脂又はプラスチックのような、比較的安価な材料を接合シームの形成に使用することができる。
DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより、強い光に係るエネルギーを正確な位置に付与できるので、確実に空隙を防いで良好な機械的強度を有する接合シームを正確に接合スペースに沿って形成することも可能である。
【0007】
好ましい実施形態では、上記の方法は、複合材料、特に繊維強化ポリマー複合材料からなる構成部品を使った使用のために、適宜アレンジされる。
繊維強化ポリマー複合材料とは、例えばガラス繊維強化ポリマー(GFRP)複合材料又は炭素繊維強化ポリマー(CFRP)複合材料である。
このように、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスでは、接合シームは、構造物中の繊維強化ポリマーと融着又は接着するように構成された材料から生成又は形成されてもよい。しかしながら、上記の方法は、金属からなる一つ以上の構成部品のために行われてもよい。この場合、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスでは、接合シームは、金属の構成部品と融着又は接着可能な材料から生成又は形成されればよい。
本発明の方法によって生じる融着又は接着による接続に加えて、リベット、ネジ、ボルト等の補足的な機械的締め付け具によって構成部品を接合又は固定し、接合シームを介して接続を向上させてもよい。
【0008】
好ましい実施形態では、接合シームを形成するシーム材は、ポリマー樹脂、特に熱硬化性ポリマー樹脂である。特に好ましい実施形態では、シーム材は、アクリレート、ポリウレタン、シアン酸エステルの少なくとも一つからなる群から選ばれる。
【0009】
好ましい実施形態では、DLPアディティブマニュファクチャリングプロセスにより徐々に接合シームを形成するステップは、液状の未硬化のシーム材を接合スペースの長手方向に沿って連続的に接合スペースの硬化領域に積層し、硬化領域上に、特に接合スペースの長手方向を横断して延びる、硬化領域の硬化面上に紫外線を照射することにより、液状のシーム材を硬化領域で硬化させて接合シームを形成することを含む。
液状のシーム材を積層するステップと硬化させるステップは繰り返し及び/又は連続的に実行され、接合スペースの長手方向に沿って接合シームが徐々に積層される。
このようにして、接合シームは徐々に又は連続的に長手方向に形成される。
この場合に、接合シームが一定の成長率で連続して長手方向に形成されることが好ましい。
紫外線は、紫外スペクトルの波長(すなわち、およそ100nm〜およそ380nmの波長)の光である。当該光を硬化面上に照射することによって、紫外線は硬化面のこの領域における液状のシーム材を硬化させる。したがって、硬化面は液状のシーム材と硬化したシーム材との間の界面を形成する。
非常に正確にかつ明確に紫外線を照射することで硬化面を生成できることは、本実施形態の際立った利点である。このようにして、接合シームを接合スペースの所望の断面に正確に効率的に設けることができる。
【0010】
好ましい実施形態では、接合シームを形成するステップは、第1及び第2の構成部品に対して長手方向に接合スペースの硬化領域を連続的に移動させることを含む。このようにして、硬化領域及び/又は硬化面の位置を移動することができ、それにより、接合シームが連続的に積層されるにつれて、接合スペースに沿って液状のシーム材と硬化したシーム材との間の相界面又は界面を移動させることができる。
一方で、液状のシーム材を接合スペースに供給し接合シームを形成する装置に対して第1及び第2の構成部品を移動させてもよい。このように、硬化領域及び/又は硬化面は理論上空間に固定されるが、これらを第1及び第2の構成部品に対して移動させず、接合シームが連続的に積層されるにつれて液状のシーム材と硬化したシーム材との相界面又は界面を接合スペースに沿ってずらしていく。
【0011】
好ましい実施形態では、液状のシーム材を積層するステップは、接合スペースに沿って徐々に移動するヘッドから液状のシーム材を供給することを含む。
ここで、当該ヘッドはコンテナを備えていてもよい。当該コンテナは、上記液状のシーム材のための供給容器となり、接合スペース内で移動可能であることが好ましい。硬化領域は、ディスペンサにより上記長手方向の一方の側で区切られることが好ましい。
これにより、例えばプラスチック材料としてのシーム材を、正確に直接積層することができる。特に、空隙がなく、断面を埋められる体積を有する液状の未硬化のシーム材は、硬化領域に好適に積層され保持される。
【0012】
好ましい実施形態では、液状のシーム材を硬化領域で硬化させるステップは、接合スペースに沿って長手方向に徐々に移動する酸素コンテナを通して紫外線を照射することを含む。前記酸素コンテナは、シーム材ディスペンサに酸素からなるマイクロバブルを供給する。マイクロバブルによりシーム材ディスペンサ内の液状のシーム材を撹拌し、液状のシーム材がディスペンサ内で固化することが防止される。
【0013】
好ましい実施形態では、接合スペースは、第1の構成部品の少なくとも一つの第1の面と第2の構成部品の少なくとも一つの第2の面とにより及び/又はそれらの間に設けられる。少なくとも一つの第1の面及び上記少なくとも一つの第2の面は、典型的には互いに対面するように設けられる。少なくとも一つの第1の面と少なくとも一つの第2の面は、協働して長手方向を横断する接合スペースの断面形状を構成する。
これに関して、断面形状は、例えば、V字形状、台形形状又は矩形形状であってもよい。接合スペースは、したがって、接合する構成部品のそれぞれ対向する面の間に形成される間隙又は空隙として設けられる。接合スペースがV字形状の断面を有する場合、接合する構成部品の傾斜した第1及び第2の面のそれぞれの縁部は互いに当接され、接合スペースの底部を塞ぐか封止してもよい。
このようにして、要素を追加することなく接合スペースの底部を塞いでもよい。接合スペースの台形形状又は矩形形状の断面により、接合シームの機械的強度を改良し向上させることができる。
【0014】
好ましい実施形態では、接合スペースの第1の端部は封止部材によって塞がれ又は封止され、接合シームは、第1の端部から接合スペースに沿って長手方向に連続的に形成される。
したがって、封止部材は第1及び第2の構成部品の端面全体にわたって、あるいは端面を覆って、すなわち接合スペースの長手方向を横断して配置される。
このようにして、封止部材は、接合スペースの端部を塞ぎ又は封止し、液状のシーム材の漏れを防止する。これにより、接合シームの形成を当該端部から、すなわち上述したように接合スペースにおける液状の未硬化のシーム材を積層することにより、開始することができる。
【0015】
本発明の一形態に係る接合装置は、第1の構成部品及び第2の構成部品を接合するための装置を提供する。
当該接合装置は、接合シームが第1の構成部品と第2の構成部品とを相互に接続するように、第1の構成部品と第2の構成部品とにより及び/又はそれらの間に設けられる細長い接合スペースに沿って接合シームを形成するためのヘッドを具備する。
上記ヘッドは、排出端部を有し、液状の未硬化のシーム材を排出端部に形成された排出口から接合スペースに供給するシーム材ディスペンサと、接合スペースの硬化領域上に、特に接合スペースの長手方向を横断する硬化面上に紫外線を照射するように構成された硬化ユニットとを具備する。
【0016】
好ましい実施形態では、上記ヘッドは、接合スペースに沿って長手方向に移動するように構成される。すなわち、上記ヘッドは、第1及び第2の構成部品に対して移動可能であることが好ましい。
上記ヘッドは、圧縮酸素を保持するための酸素コンテナを備えてもよい。これに関して、酸素コンテナは硬化ユニットとシーム材ディスペンサとの間に配置されることが好ましく、酸素コンテナは、酸素透過性部材を介してシーム材ディスペンサに連結されることが好ましい。前記酸素コンテナは、シーム材ディスペンサに酸素からなるマイクロバブルを供給する。マイクロバブルによりシーム材ディスペンサ内の液状のシーム材を撹拌し、液状のシーム材がディスペンサ内で固化することが防止される。
硬化ユニット及び酸素コンテナを配置することで、硬化ユニットから発せられた紫外線は、典型的には酸素コンテナを通過する。
【0017】
好ましい実施形態では、シーム材ディスペンサは、第1の構成部品と第2の構成部品とにより及び/又はそれらの間に設けられた接合スペース内に収まるように構成される。
上記シーム材ディスペンサの少なくとも一部、特にシーム材ディスペンサの排出端部は、接合スペースの長手方向を横断する接合スペースの断面形状と実質的に一致するように構成されることが好ましい。これにより、シーム材ディスペンサの排出端部に隣接する硬化領域が制限され又は区切られる。シーム材ディスペンサは、供給された液状のシーム材を受けて保持し、その漏れを防止し、その後硬化動作を行う。
【0018】
好ましい実施形態では、接合装置の上記ヘッドは、接合スペースの断面形状におおむね一致する細長い筐体を具備する。
このようにして、接合装置のヘッドは、細長い接合スペース内に少なくとも部分的に収まる。
筐体は、接合スペース内に少なくとも部分的に収まるように細長いことが好ましく、シーム材ディスペンサの排出端部から長手方向に延びる、対向する側壁を有する。側壁は、例えば、接合スペースの断面形状におおむね一致するようなV字形状、台形形状又は矩形形状の断面を有する。
【0019】
本発明の一形態に係る接合装置には、上述した方法を非常に効率的に好適に実行できるという利点がある。例えば、上記ヘッドの対向する端部に上記硬化ユニット及び一つ以上の供給開口部を配置することにはメリットがある。
上記ヘッドは非常にコンパクトな構成を有し、接合する構成部品の間に設けられた、長手方向に延びる狭い接合スペースに挿入されてもよい。
また、上記ディスペンサの前端に形成された供給開口部により、接合シームを連続的に形成することができ、さらには加工速度を上げることができる。
上記ヘッドを多様な接合スペースにぴったり合わせて挿入することにより、接合スペースを構成する接合する構成部品のそれぞれの面に沿って、上記ヘッドを容易に案内することができる。
この結果、非常に正確に、効果的なプロセスで接合シームを形成することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、硬化ユニットは、紫外線源及びマイクロミラーのアレイを具備する。
マイクロミラーは、移動可能に実装され、あるいは紫外線源により生成された紫外線が供給されたシーム材の硬化面上に導かれる又は照射されるように角度を調整可能である。
紫外線源は紫外線LED等であってもよく、硬化ユニットは複数の非常に小さなミラーを有してもよい。各ミラーは、およそ100μm
2から400μm
2の表面積を有していてもよい。ミラーの向きは、例えば、複数の適切なアクチュエータにより調整可能である。
このようにして、紫外線は非常に正確に照射されてもよい。また、このように移動可能に実装されるマイクロミラーのアレイにより、接合スペースの断面に対して硬化面を柔軟に変形及び適応させることができる。
【0021】
本発明の一形態に係る使用は、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合する接合シームを作製するため、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスを使用することである。
接合シームを形成するためにこのようなDLPプロセスを使用することにより、速い加工速度、低加工コスト、ダストフリー及びノイズフリーで当該シームを形成できるというメリットがある。
本発明の一形態に係るアセンブリの製造方法は、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合したアセンブリの製造方法において、第1の構成部品と第2の構成部品とを接合する接合シームを製作するたに、デジタルライトプロセッシング(DLP:digital light processing)アディティブマニュファクチャリングプロセスを使用する。
【0022】
本発明の範囲では、光を所定の面に"照射する"ことは、特に、領域ごとの事前に規定された放射エネルギー量を導くこととして理解してもよい。領域ごとの事前に規定された放射エネルギー量は、液状の樹脂材料を硬化させることで接合シームを形成する化学反応の活性化エネルギーを上回るエネルギー量であればよい。
【0023】
本発明の範囲では、物理的構造物の大きさに関する方向及び軸について、軸、方向又は構造物に「沿う」方向又は構造物の大きさは、当該方向又は構造物、特に接線を含む。当該接線は、それぞれの構造物の特定の部位に生じ、45度未満、好ましくは30度未満の角度を有し、互いに平行に延びることが最も好ましい。