(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
文字情報、記号、符号、イラスト、画像情報及び/又は地図情報を含む所定の印刷情報に紐づけて、2次元コードを媒介として、音声データ及び/又は画像データを含む所望の電子データを記録データとしてモバイル端末装置の記憶部又は外部記憶部に記録する書込操作と、該書込操作と同じ前記2次元コードを読み取ることにより前記所定の印刷情報と紐づけして記録されている前記記録データを読み出す読出操作と、前記記録データの記録管理とに使用する印刷物であって、該印刷物に印刷されている複数の所定の印刷情報のそれぞれと1対1で対応するように、該所定の印刷情報のそれぞれの近傍又は該所定の印刷
情報に一部が重なるように前記2次元コードを印刷した連携記録印刷物と、
少なくとも中央演算処理装置と、記憶部と、撮像部と、音声入出力部と、データ入力部と、画像表示部を含む画像入出力部と、前記各部を制御して前記記録データの記録、読出し、およびデータの入出力処理を含むデータ処理を行う制御プログラムとを備えるモバイル端末装置と、
を備え、
前記制御プログラムは、
前記2次元コードに記録されている識別情報を読み取るコード読取機能と、
前記モバイル装置内に記憶している又はこれから入力される前記所望の電子データを指定して、前記2次元コードから読み取った前記識別情報に紐づけして前記記憶部又は外部記憶部に記録データとして記録する書込処理機能と、
前記2次元コードから読み取った前記識別情報に基づいて該識別情報に紐づけして記録されている前記記録データを読み出して、前記音声入出力部及び/又は画像表示部に出力する読出処理機能と、
前記記録処理機能又は読出処理機能を選択する選択機能と、
を備えており、
前記記録処理機能が選択されたときには、前記連携記録印刷物の前記2次元コードを読取った後、該2次元コードに記録されている前記識別情報に紐付して、前記所望のデータを指定して、前記記憶部又は前記外部記憶部に前記記録データとして記録し、
前記読出処理機能が選択されたときには、前記連携記録印刷物の前記2次元データを読み取った後、該2次元コードに記録されている前記識別情報に紐づけして記録されている前記記録データを前記記憶部又は外部記憶部から読み出して前記音声出力部及び/又は前記画像表示部から出力することを特徴とする印刷物連携記録システム。
文字情報、記号、符号、イラスト、画像情報及び/又は地図情報を含む所定の印刷情報に紐づけて、2次元コードを媒介として、音声データ及び/又は画像データを含む所望の電子データを記録データとして記録サーバの記憶部又は外部記憶部に記録する書込操作と、該書込操作と同じ前記2次元コードを読み取ることにより前記所定の印刷情報と紐づけして記録されている前記記録データを読み出す読出操作と、前記記録データの記録管理とに使用する印刷物であって、該印刷物に印刷されている複数の所定の印刷情報のそれぞれと1対1で対応するように、該所定の印刷情報のそれぞれの近傍又は該所定の印刷情報に一部が重なるように前記2次元コードを印刷した連携記録印刷物と、
少なくとも中央演算処理装置と、記憶部と、撮像部、音声入出力部と、データ入力部、画像表示部を含むデータ入出力部と、無線通信部と、前記各部を制御して文字データ及びイメージデータを含む各種データの入出力、データ処理、サーバへのアクセス処理、無線通信処理を行う制御プログラムと、を備えるモバイル端末装置と、
通信網に接続されており、前記モバイル端末からのアクセス要求を受け付け、要求に応じて各種の前記所望の電子データを前記記録データとして記憶し、又は要求に応じて前記記録データを読み出して前記モバイル端末に送信する記録サーバと、
を備え、
前記モバイル端末装置の前記制御プログラムは、前記連携記録印刷物の前記2次元コードに記録されている前記識別情報を読み取るコード読取機能と、
前記2次元コードを読み取り、前記記録サーバにアクセスして、前記モバイル端末内に記憶している又はこれから入力される前記所望の電子データを、前記2次元コードから読み取った前記識別情報に紐づけして前記記録サーバ内の前記記憶部又は外部記憶部に記録データとして記録させるように前記記録サーバに要求する書込処理機能と、
前記2次元コードを読み取った後、前記記録サーバにアクセスして、前記2次元コードから読み取った前記識別情報に基づいて該識別情報に紐づけして記録されている前記記録データを読み出して前記モバイル端末装置に送信するよう前記記録サーバに要求し、該記録サーバから受信した前記記録データを前記音声入出力部及び/又は画像表示部に出力する読出処理機能と、
前記記録機能又は読出処理機能を選択する選択機能と、
を備えることを特徴とする印刷物連携記録システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1は、バーコードを読み取ることにより、サーバから補足情報を取得することができる。しかし、バーコードリーダーは一般的に普及していないため、読取手段としてバーコードリーダー等の特殊機器を用いることは汎用性に欠ける。また、この特許文献1の技術は地図上に印刷されたバーコードコードに基づいて、サーバに記憶されているデータの提供を受けるものであり、これとは逆に、印刷されたバーコードに基づいて、利用者の希望する記録データをサーバに記録するということは開示されていない。
【0007】
特許文献2の技術は、スマートフォン等のカメラ機能により、カラーコードを読み取るものであるが、カラーコードは読取り時間がかかる上に、視覚上も目立つため印刷物上に複数のカラーコードを印刷すると印刷物の外観や美観を損ねる。また、特許文献2も特許文献1の技術同様に、印刷されたカラーコードに基づいて希望する記録データをサーバに記録するということは開示されていない。
【0008】
特許文献3は、サーバ内に記録されている地図情報及びその地図情報の識別番号を取得した上で、その地図上に位置(座標情報)を指定して、その座標位置に自分の希望する所定の画像情報(記録データ)をサーバ内に記録するものである。すなわち、サーバへ希望する画像情報を記録するシステムについて開示している。利用者は、サーバから取得した地図情報に基づいて所望の位置(座標位置)を指定して、その座標位置に対応させて希望する画像情報をサーバ内に記録させる。この特許文献3の技術は、現実の印刷された地図ではなく、サーバに記録されている地図情報を用いて位置情報を指定するものである。そのため、まず(1)地図情報取り込み、(2)その後にその地図を用いて位置(座標情報)を選択して指定して、(3)希望する画像情報をその位置情報関連づけてサーバに記憶させるという3ステップの操作処理が必要となる。
【0009】
具体的な例として特許文献3には、コンビニや案内書に貼られているポスター等に印刷されているコード情報から、利用者がサーバ内の地図データにアクセスして地図情報を取得する例が説明されている。しかしサーバにアクセスできても、サーバにアクセスした後サーバ内に記憶されている希望する地図情報を選択して印刷することや、コンピュータに記憶された仮想空間内の地図情報の中から希望する座標位置を選択するという操作、及び希望するデータ画像情報を座標位置に関連づけてサーバに記憶させる操作等は、仮想空間の処理に慣れていない者にとっては複雑でなじみにくいものである。また、利用者の個人情報の登録やパスワードの設定等の複雑な操作も要求される。このような複雑な操作は、仮想空間のイメージ認識が希薄な老人や子供にとっては、容易にできるものではなく敬遠されやすい。
【0010】
さらに特許文献3のシステムでは、利用者の希望する紐付け情報(地図情報・座標情報等)を予め想定して、それをすべてサーバ内に用意しておく必要があり、サーバのシステム構成が複雑になる。
【0011】
また、特許文献3のシステムでは、すべての利用者の記録した画像情報がサーバの仮想空間上にしか存在せず、“実在する物”と関連づけられていない。画像等の記録データは、記録した直後は鮮明な記憶として残るが、“実在する物”と関連づけられておらず現実に認識できないサーバ内の記録は、時間がたてば忘れ去られ、整理されずに放置されやすい。
【0012】
この発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、“実在する物”である印刷物に関連づけて、希望する静止画、動画、文書、音声データ等のデータ(「記録データ」と称する)を電子的に記録することができ、またその実在する印刷物を媒介として対応する記録データを読み出して出力することのできる印刷物連携記録システム及びこれに使用する連携記録印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る印刷物連携記録システムは、
文字情報、記号、符号、イラスト、画像情報及び/又は地図情報を含む印刷情報に関連づけて、識別情報を2次元コードとして印刷した連携記録印刷物と、
少なくとも中央演算処理装置と、記憶部と、撮像部、音声入出力部、データ入力部、画像表示部を含むデータ入出力部と、前記記憶部に記憶されており前記各部を制御して文字データ及びイメージデータを含む各種データの入出力、データ処理を行う制御プログラムと、を備えるモバイル端末装置とを備え、
前記モバイル端末装置は、前記制御プログラムの制御に基づいて、前記連携記録印刷物の前記2次元コードを読取り、該2次元コードに記録されている前記識別情報に紐付して、希望する音声データ、静止画、動画、文字情報等のデータを前記記憶部に記録データとして記憶し、要求に応じて前記記録データを前記記憶部から読み出して前記データ入出力部から出力することを特徴とする。
【0014】
上記システムにおいて、印刷情報に関連づけて2次元コードを印刷するとは、印刷情報の印刷位置の近くに2次元コードを印刷することをいい、1ページ全体または見開きページに亘る印刷情報に関連づける場合には、ページ先頭の空白や、ページ下段の空白等2次元コードを印刷することをいう。ここで、印刷情報とは、文字や符号等に限定されず、枠、下線のみの印刷または符号や記号だけの印刷も含んでいる。
また、モバイル端末装置としては、スマートフォン、ノートパッド、その他の可搬型の汎用のモバイル端末装置を含む。この実施形態においては、モバイル端末装置は、無線通信機能を有することが望ましいが無線通信機能は必ずしも必須の要件ではない。一方、2次元コードの読取機能を有していれば、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、または録音装置(ICレコーダ等)等の、無線通信機能を有しないモバイル端末装置であっても良い。この意味で、本願発明のモバイル端末装置とは、持ち運び可能なデータ処理機能、2次元コード読取機能、電子データ取得機能等を備える可搬型のデータ処理装置ということができる。
【0015】
本発明の印刷物連携記録システムによれば、撮像部として汎用のモバイル端末のカメラ等を使用することができるデータ入出力部により、連携記録印刷物の所定の位置に印刷された2次元コードを撮影し、制御プログラムによりその2次元コードに記録されている固有の識別情報を読み出すことにより、その識別情報に紐付けして所望の記録データをモバイル端末の記憶部に記憶することができる。例えば動物園において、連携記録印刷物として、各動物の檻の位置に対応してそれぞれ固有の識別情報を記録した2次元コードを印刷した園内マップを用意して来園者に配布することにより、来園者は以下のような利用が可能となる。
【0016】
来園者が、スマートフォン等により、動物の写真や自分の写真等を撮影することは通常誰でも行う普通の行為である。利用者がライオンの檻の前でスマートフォンにより写真を撮影すると、この写真はスマートフォンの記憶部に記憶される。その写真を紐付け記録する場合、本発明に係る所定の制御プログラムを読み出して、操作メニューから「紐付け記録」及び撮影した写真(記録データ)を指定する。その後、園内マップ(連携記録印刷物)のライオンの檻の位置に印刷されている2次元コードにスマートフォンのカメラを向ける(又は撮影する)と、2次元コードから識別情報が読み出されて、その写真がその識別情報と紐付けされて記憶される。
【0017】
記録データを確認したい場合には、本発明に係る制御プログラムを読み出して、操作メニューから読み出しを選択する。その状態で、園内マップのライオンの檻の位置の2次元コードにカメラを向ける(もしくは撮影する)と、その2次元コード(識別情報)に紐付けされている記録データが読みだされる。これにより、連携記録印刷物に印刷されたそれぞれの2次元コードに紐付けして、それぞれ異なる記録データを記憶することができ、希望の2次元コードを読み取ることにより、その2次元コードに対応する記録データを読み出して出力することができる。
【0018】
本発明の他の実施形態に係る印刷物連携記録システムは、モバイル端末装置が無線通信部を備えており、該無線通信部を介してインターネットまたはその他の通信網に接続された記録サーバにアクセス可能であり、通信網に接続されたサーバに記録データを記録する。
モバイル端末装置は無線通信回線を介して、2次元コードから読み出した識別情報に基づいて記録サーバにアクセス可能であり、記録サーバはモバイル端末から受信した記録データを前記モバイル端末装置から受信した前記識別情報に紐付けして記憶することを特徴とする。
これにより、連携記録印刷物に印刷されたそれぞれの2次元コードに紐付けして、大量の記録データを記録サーバに記憶することができ、連携記録印刷物のいずれかの2次元コードを読み取ることにより、その2次元コードに対応する記録データを記録サーバから読み出して、モバイル端末装置により出力することができる。
【0019】
上記印刷物連携記録システムに使用する連携記録印刷物としては、文字情報、記号、イラスト、画像情報及び/又は地図情報を含む印刷情報が印刷された印刷媒体の所定の位置に、前記印刷情報と関連づけて、希望する所定の画像情報、音声情報、文字情報を紐付して記録するためのそれぞれ異なる識別情報が記録された一以上の2次元コードを印刷し印刷物を使用することができる。特にこの印刷物に印刷される2次元コードは、複数の微小ドットの配置により情報を記録して視認性を低くすることが好ましい。
【0020】
この連携記録印刷物を使用することにより、印刷情報に関連づけて希望する記録情報を電子データとして記録することができる。例えば、大学での講義、セミナーを、講義録の該当箇所に関連づけて録音することや、ガイドブックや地図上の位置に対応づけて、写真や動画等を記録することもできる。すなわち、現実の実活動で使用される印刷媒体が、そのまま電子データを整理して記憶する目次の機能を有するファイルと同様の機能を有するため、当該印刷物をファイルに閉じ、または整理して保管することにより、多数の画像データ、音声データがイベント単位で視覚的に整理して保管されるので、各種イベントの電子記録情報を視覚に基づいて、任意かつランダムにアクセスすることが可能となる。
【0021】
さらに、視認性の低い二次元コードを用いることにより、印刷物の美観を損なくことなく、2次元コードを印刷することができるので、2次元コードの印刷位置の自由度が高まる。例えば2次元コードを黄色のインキで印刷することにより、白い紙等に印刷した印刷物では2次元コードが視認し難くなる。例えば、本システムのモバイル端末装置として、スマートフォンのように解像度のあまり高くない汎用のモバイル端末を用いる場合、2次元コードを構成する微小ドットの大きさをあまり小さくすることができない。このような場合に、微小ドットを黄色のインキで印刷することにより、2次元コードの視認性を低く抑えることができる。
【0022】
前記連携記録印刷物としては、例えばガイドブック、観光地図、案内地図、動物園・植物園・水族館・アミューズメントパーク等の園内地図、イベント会場地図、学習用教科書、学習用参考書、行事予定を印刷したプログラム、カレンダー、予定表、実験記録帳、打合せ記録帳、ノート等に適用することができる。
【0023】
また、前記連携記録印刷物として、表面と裏面に同じ図形、文字、記号情報が印刷されており、
前記表面または裏面のいずれか一方の面に、それぞれ異なる識別情報が印刷された複数の第1の2次元コードと、
前記第1の2次元コードが印刷された面とは反対の面の、前記第1の2次元コードの印刷位置と同じ位置に、前記第1の2次元コードとは異なる固有の識別情報が印刷された複数の第2の2次元コードが印刷されており、
少なくとも第1の2次元コードまたは前記第2の2次元コードのいずれか1方が、所定の画像情報、音声情報、文字情報を紐付して記録するための識別情報を記録することもできる。
【0024】
このように連携記録印刷物の表裏に同じ情報を印刷し、表裏の同じ位置に異なる識別番号の第12次元コード及び第2の2次元コードを印刷することにより、同じ印刷情報に対応して異なる記録データを異なる紐付情報として記録することができる。また、表裏のいずれか一方の2次元コード(例えば第1の2次元コード)を、情報提供サーバ等に予め記録されている補足説明情報を読み出すための2次元コードとして利用し、他方(例えば、第2の2次元コード)を、記録データを紐付して記録する識別情報として使用することができる。
【0025】
具体的な構成例としては、予め連携記録印刷物の印刷情報を補足する説明その他印刷情報に関連する各種データや情報を、連携記録印刷物に印刷されている2次元コード(上記例では第1の2次元コード)と紐付して情報提供サーバ内に記録しておく。そして連携記録印刷物から第1の2次元コードが読み取られたときに、その第1の2次元コードの識別情報に対応して紐付して記録されているデータが前記情報提供サーバから読みだされて、モバイル端末装置に送信されて出力される。この例では、第2の2次元コードが希望する記録データを識別情報と紐付して記録するために、使用される。
【0026】
このように表裏の2次元コードの機能を使い分けるよう構成することにより、連携記録印刷物に印刷して提供できない、動画や静止画、音声データ、文書データなどを大量に補足して提供することが可能となり、連携記録印刷物の有用性をさらに高めることができる。例えば、動物園、ガイドブック、各種施設などの案内地図の一方にそれぞれ異なる識別情報を記録した第1の2次元コードを印刷し、他面に第2の2次元コードを印刷すると、連携記録印刷物の案内地図としてのガイド機能を充実させつつ、イベント時に現状のライブ記録データを、その場で連携記録印刷物に紐付して整理して保管することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の印刷物連携記録システムによれば、“実在する印刷物”である連携記録印刷物に直接紐付して、旅行記録、活動記録、講義記録、実験記録等の記録データを写真、動画、音声データ等の電子データとして記録することができる。これにより連携記録印刷物を整理して保存することにより、各種電子データを“実在する印刷物”に関連づけて整理して保存することが可能となる。すなわち、イベント時に現状のライブ記録データを、その場で連携記録印刷物に紐付して整理して保管することが可能となる。
【0028】
例えば“観光地図や案内図”、“ガイドブック”、“教科書や参考書”、ノート等の“記録帳”含む各種印刷物(連携記録印刷物)の異なる位置に印刷された複数の2次元コードに直接リンク(紐付け)させて、各種記録データを電子記録することができる。
これにより、動画、写真、観察記録、講義記録、文書記録等(記録データ)を、具体的な活動(講義やイベント)で使用する教科書等の印刷物の「具体的な印刷内容」に紐付けして記録し、その印刷物の2次元コードの印刷位置に合せて記録された記録データを取り出すことができる。
【0029】
「具体的な印刷内容」に紐付けするのは、2次元コードの印刷位置を、印刷情報とリンクさせて印刷することにより可能となる。例えば、地図を印刷した場合には、2次元コードの位置を地図のどの位置に印刷するかにより、地図の位置と記録データを紐付け可能となり、時間の変化を時間軸として印刷した場合またはカレンダーを印刷した場合には、時・日・月・年等の時間軸の位置のずれに合せて2次元コードの印刷位置を変化させることにより、特定の時間と記録データを紐付けすることができる。また、授業や、講義、参考書の場合には2次元コードの印刷位置を知識の種類と関連づけることが可能となる。このように、本願発明にかかる連携記録印刷物は印刷されている情報に応じてあらゆる事象と記録データを関連づけることが可能となる。
【0030】
わかり易い例を挙げると、動物園、植物園、アミューズメントパーク、講演会、授業、講義、打ち合わせ等の各種イベントにおいて、イベントに関連する案内地図、教科書、講義録、打合せスケジュールや議題等を連携記録印刷物として配布することにより、参加者は各自保有するスマートフォンやノートパッド等の汎用モバイル端末装置を用いて、そのイベントにおける活動記録や講義内容等を、配布された連携記録印刷物に紐付付して、イベントの最中にその場で簡単に電子的に記録することができる。この連携記録印刷物を整理して管理することにより、モバイル端末装置または記録サーバに記録した電子データをイベントごとに整理して管理することができ、各イベント情報に関する記録データへのアクセスすることが極めて容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明に係る印刷物連携記録システム及びこれに使用する連携記録印刷物について説明する。
図1から
図4は、本発明に係る連携記録印刷物の一実施例として動物園の案内地図(園内マップ)を例示する図であり、
図1は、案内地図の表面側の印刷内容を示す図であり、
図2はその裏面側の印刷内容を示す図である。
図3は、表面の一部を拡大して示す図であり、
図4は裏面の一部を拡大して示す図である。
【0033】
図1及び
図2に示す案内地図の表面10と裏面15には、表裏両面ともに、同じ動物園の地図が描かれており、その地図上の各種動物の檻の位置11、16毎に各動物の写真または絵13a(
図3,4参照)が印刷されて、種々の動物の居場所を示している。案内マップの表裏面10、15には
図3及び
図4に拡大して示すように、さらに、すべての動物の写真または絵13aの一つ一つに対応して、動物の名前14aが印刷され、その他に、視認できない又は視認性の低い2次元コード12a、17aが印刷されている。
図1乃至
図4の実施形態に示す視覚性の低い2次元コード12a,17bを図面上に表すため、
図3、
図4においては2次元コード12a,17bを破線で示している。各2次元コード12a、17bには、それぞれ異なる識別情報が記憶されている。
【0034】
識別情報は、互いに全く異なる固有の識別情報としても良いが、これに限らず、同一印刷物無いでは異なる固有の識別番号を用いるが、印刷物が異なる場合には、同じ識別情報を使用するようにしても良い。例えば、上記の例では、案内地図の表面及び裏面に印刷する2次元コードは異なる識別情報を記録するが、同じ動物園の案内地図では、すべて同じ識別番号を使用することができる。但し、異なるイベントの記録データが混合して記録されないように、他の動物園や他の種類の印刷物とは互いに異なる識別情報の2次元コードを使用することが好ましい。
【0035】
このような案内地図が入園の際に入園者に配布され、来園者は案内地図に印刷されている動物園の地図と動物の写真や絵を参考にして、動物園内を移動し、希望の動物を見て回ることができる。
図1〜
図4に示す例では、案内地図の表面(
図1)には第1の2次元コードが印刷され、裏面(
図2)には第2の2次元印刷コードが印刷される。この例では、第1の2次元コードは、案内地図では掲載しきれない保管情報を提供するためのアクセスコードとして使用しており、第2の2次元コードを希望するデータを記録するためのアクセスコードとして使用している。
【0036】
案内地図の表面10の第1の2次元コード12a(
図3参照)を、例えばスマートフォンのカメラで撮像して読取ると、読み取った識別情報に基づいて予め動物園の動物園で容易されている情報サーバにアクセスして、該当する識別情報に対応する補完情報を取得することができる。例えば、
図3の示すライオンの絵13aの近くの2次元コード12aを読み取ると、スマートフォンから情報提供サーバにアクセスして、情報提供サーバからライオンに関する補完情を報取得することができる。情報提供サーバから提供される補完情報は、例えばライオンの動画や唸り声等の音声、ライオンに関する各種情報・知識などが情報提供サーバから提供され、スマートフォンの表示部に表示され、またはスピーカーから出力される。このような補完情報を取得する場合には、モバイル端末装置は通信網に接続された情報提供サーバにアクセスするため、無線通信機能が必要となる。
【0037】
案内地図の裏面15について説明する。裏面15は、利用者が希望する情報(記録データ)を第2の2次元コード17aの識別情報に紐付して、スマートフォン等のモバイル端末内、または所定の記録サーバ内に記憶するために使用する連携記録印刷物となっている。たとえば、利用者がライオンの檻の近くにいる場合に、スマートフォン等を使用してライオンを撮影することや、ライオンの前で自分や家族の記念写真を撮影することがある。裏面15は、このような写真等の記録データを、第2の2次元コード17aに紐付して記録するために使用することができる。
【0038】
希望する記録データの記録手順の例を説明する。スマートフォン等のモバイル端末を用いて写真や動画を撮影した後または撮影する前に、そのモバイル端末にダウンロードしてインストールしている制御ソフトを起動する。操作メニューから、記録したい写真、動画または音声データ等(以下、「記録データ)と称する)、またはこれから取得する記録データを指定して、案内マップの裏面15の第2の2次元コード17aをスマートフォンで読み取る。この操作により、指定した記録データまたはこれから取得する記録データが、読み取った第2の2次元コードの識別情報に紐付された状態で記憶される。
【0039】
先に第2の2次元コードを読み取ってから、記録データを指定しても良い。記憶した記録データは、制御ソフトを起動した後に、記録データ読み出し機能を選択した上で、印刷物の第2の2次元コード17aを読み取ることにより、当該第2の2次元コード17aに紐付された記録データを表示部や音声出力部に出力することができる。また読みだした記録データを他の記録媒体に転送することも可能である。
【0040】
裏面の第2の2次元コード17aに所定の識別情報が記録されている。モバイル端末内の制御ソフトは、この識別情報を読取り、指定された記録データを読み取った識別情報に紐付して記録し、または読出すための処理手順がプログラムされている。例えば、識別情報と記録データの記録場所を紐付するテーブルを作成し、このテーブルを利用者の操作により適宜更新することにより、このような紐付が可能となる。または、識別情報に紐付されたアドレスに記録データを記録するようにしても良い。記録場所は、モバイル端末内に限らず外部の記録サーバ等に記録するようにしても良い。モバイル端末として、スマートフォンに限らず、カメラ等にその機能を持たせることも可能である。また、記録データとしては写真、動画、音声データ、文書データ、図、グラフ等を記録することができる。
【0041】
2次元コードはQRコード(登録商標)その他の既存に2次元コードで良いが、できるだけ視覚により視認し難い2次元コードであることが望ましい。視認し難い2次元コードは、地図や動物の写真等の印刷物の美観を害することなく、2次元コードを埋め込むことができるからである。
【0042】
図5から
図7を参照して、
図1〜4の例で使用している視認し難い2次元コードの一実施形態について説明する。
図5は、本発明に好適な視認しにくい2次元コードの一実施形態を示している。
図5に示す2次元コード21では、
図6(a)〜(g)に示すような視覚的に感知しにくい(目に見えにくい)大きさの81個の微小ドット27を、9x9のマトリクス(以下「ドットマトリクス」と称する)状に配置することにより、一つの2次元コード21が構成されている。
【0043】
各微小ドット27は、
図6に示すように、3X3の位置マトリクス(以下「配置マトリクス」と称する)上のいずれか1つの位置に配置されている。微小ドット27の形状は、円形又は楕円形でも矩形でも良いが一辺又は直径が5μm〜200μm程度の大きさとなっている。20μm以下の大きさだと、黒色で印刷してもほとんど視認できない。それ以上の大きさの微小ドットの場合、黒では視認しやすくなるので黄色等の視認しにくい色で印刷するのが好ましい。
【0044】
図5では、各微小ドット27が3x3配置マトリクス上のいずれかの位置に配置されているということを明確に示すために、位置を3x3配置マトリクスに区割する線を実線で示している。しかし、このような3x3配置マトリクスの区割線は現実には存在せず、実際にはこのような実線は印刷されずに微小ドット27だけが印刷されている。しかし、区割線がまったく描かれていないと、説明する上で、微小ドット27が3x3の配置マトリクスのどの位置にあるのかわかり難いので、
図5では実線で示し、
図6では破線で示している。
【0045】
図6に例示するように、この2次元コード体系では、微小ドット27が3x3の配置マトリクス中のどの位置に配置されるかにより、異なる機能を有するものとして定義している。3x3のマトリクスでは9種類の状態を定義できるが、
図6の例では、微小ドット27の配置により、3種類の「基準ドット」と4種類の「情報ドット」が定義されている。3種類の「基準ドット」は、2次元コード21の全体構成を規定している。また、4種類の「情報ドット」は4種類のデジタル値を表わし、情報ドットの組合せにより2次元コード全体としてのデジタル情報を記録する。
すなわち、「情報ドット」または「基準ドット」と称する微小ドットは、いずれも3x3の配置マトリクス上に配置された一つの微小ドット27である。しかし、3x3の配置マトリクス上における微小ドット27の位置(配置)の違いにより、各微小ドット27に異なる機能を付与し、その機能に応じて「情報ドット26b」、または「基準ドット26a、26c、26d」と異なる名称を付している。
【0046】
図6に示す基準ドット26a、26c、26dは、
図5に示す2次元コード21の位置や構造を認識するための基準線25a、25b及び区画領域23を規定している。基準ドット26aは、
図6の(a)に示すように、3x3の配置マトリクスの中央位置に微小ドット27が配置されている。この基準ドット26aが一方向に連続して存在することにより、
図5に示す基準線25a及び25bを規定している。
図6(f)に示す情報ドット26cは、3x3の配置マトリクスの中段左側の位置に微小ドット27が配置されており、
図5に示す9個の各区画領域23の右隅の位置(縦と横の基準線25aと25bの交差位置)を示している。
図4(g)に示す基準ドット26dは、3x3配置マトリクスの中段右側位置に微小ドット27が配置されており、9x9ドットマトリクスの最下段の右隅の位置を示している。
【0047】
これらの基準ドット26a、26c、26dにより、2次元コード21の位置、基準線25a、25bの位置、及び、区画領域23の位置を正確に認識することができ、これに基づいて、各区画領域に記録された各情報ドット26bのデジタル値を正確に読み取り、2次元コード21全体で表わされる識別情報を読み取ることができる。
図5に示す2次元コード21の例では、合計81個の微小ドット27からなる9x9のドットマトリクスが、
図6に破線で示す基準線25aと25bの交差により、9個の「区画領域23」に分割されている。
一つの区画領域23の中には、4個の情報ドット26bが存在している。また、
図3に示す2次元コード21の例では、縦の基準線25aと横の基準線25bが、基準ドット26aの並び位置によって規定されている。基準ドット26c、26dについては後述する。区画領域23の大きさ、形状、基準線の設定は、本明細書に示す例に限定されることなく、種々の設定が可能である。
【0048】
次に、4つの情報ドット26bについて説明する。情報ドット26bは、
図5に例示する2次元コード21の各区画領域23に4個ずつ配置されている。情報ドット26bは、この例では、
図6(b)〜
図6(e)に示すように、微小ドット27が3x3の配置マトリクスの四隅のいずれか一つに配置されており、4種類の情報ドット26bが、それぞれ1つの情報ドット26bで4種類(0,1,2,3)に1対1で対応している。これにより、4個のデジタル値(2ビット分の情報)を表わすことができる。
図5に破線で示している所定の基準線25aと25bの位置を基準位置として、微小ドット27の位置を認識することにより、各情報ドット26bが
図6(b)〜(e)に示す4種類のどれに相当するかを読取ることができる。
【0049】
図3の2次元コードでは、
図7に示すように、2ビットを表す情報ドット26bが1つの区画23の中に4個存在するので、1つの区画23の情報ビットの合計で2ビットx4個=8ビット分のデジタル情報を表わすことが可能となる。
図3の例では、このような8ビットの区画23が9個あるので、
図3の2次元コードでは、8X9=72ビット分の情報(2
72個の情報)を表わすことが可能となる。
【0050】
2次元コードは、微小ドット27の大きさを非常に小さくして、隣接する微小ドット27の間隔が微小ドットの径の数倍の距離となるように印刷すると、視認できなくなる。
例えば、
図3に示す2次元コード21のように、隣接する各微小ドットの間隔を3x3配置マトリクスと同じ大きさの隙間を空けて配置すれば、隣接する微小ドットの間隔が、一番近い場合(例えば
図6(e)と(b)の情報ドットがこの順番で上下に配置された場合)に微小ドットの径の3個分の隙間となり、一番遠い場合(例えば
図6(b)と(e)が上下にこの順番で配置された場合)に微小ドットの7個分の隙間となる。これだけの隙間があれば、微小ドットの径を40μm以下にすると、2次元コード21は、黒色のインキで印刷しても、ほとんど視認できないものとなる。これ以上隙間を大きくした場合には、視覚的に見えやすくなるので、黒色ではなく、印刷媒体の背景色等に応じて、微小ドット27を印刷する色を変えることが望ましい。例えば背景が白色の場合、黄色のインク等により印刷することにより、より視認し難くなる。
【0051】
なお、本明細書の実施形態では、複数の微小ドットの配列または配置の組合せにより、情報をデジタル情報にコード化して記録する見えにくい2次元コードの例のみを示している。しかし、本発明の2次元コードはこれに限定されるものではなく、これら以外の微小ドットの組合せによる2次元コードであっても、または視認可能なQRコード(登録商標)その他の2次元コードであっても良い。
【0052】
また
図5では、ほぼ正方形の形状の2次元コードの例を示しているが、横長形状の2次元コードとしても良い。例えば、
図5の2次元コード21では、9x9のドットマトリクスとしたが、
図3に示す2次元コード21の高さ方向を短くして横方向を長くした「12x6」の横長形状のドットマトリクスとしても良い。また、
図5及び
図6では微小ドット27の形状を矩形としているが、円形の微小ドット又はその他の形状の微小ドットとしても良い。
【0053】
また、2次元コードを構成する微細ドット27の数、配置、全体形状(ドットマトリクス等の形状)、微細ドット27の配置マトリクスの大きさ等は、
図5に例示する形態とは異なるものを、任意に選定・変形・設定することができる。また、2次元コード21を検出するための基準ドットの配置、基準線の定義、種類、基準線の角度、基準線の数等も任意に決めることができる。基準線を斜めに設けることにより、基準線の数を1本とすることもできる。
【0054】
図8及び
図9を用いて、本発明の一実施形態にかかる印刷物連携記録システム30のハードウェア構成を示す。
図8に示す印刷物連携記録システム30では、モバイル端末装置31と、無線通信可能な通信サービスシステム61及び通信網65によりモバイル端末31と情報提供サーバ66とが接続可能に構成されている。モバイル端末装置31を情報提供サーバ66に接続可能とした場合には、情報提供サーバ66から動物の情報等の各種情報を取得することが可能となり、また記録情報をサーバに記憶することも可能となる。なお、
図8の構成例では通信部37を設けて、外部の情報提供サーバ65と接続する構成を示しているが、単に連携記録印刷物と連携して記録データをモバイル端末に記録するだけであれば、必ずしも外部の情報提供サーバ66と接続する必要はなく、連携記録印刷物15とモバイル端末31だけで印刷物連携記録システム30を構成しても良い。また、通信網に記録サーバ67を設け、外部の記録サーバ67に記録データを記憶するように構成することもできる。なお、
図8では、外部にデータ記憶部36を設ける構成も示しているが、外部記憶部36は設けずに、データ処理部38の内部の記憶部43だけとしても良い。外部記憶部36としてSDカード等を用いることにより、記録データをより簡単に別の記録媒体に移すことが可能となる。
【0055】
図8に本発明のモバイル端末装置31(スマートフォン等)の一実施形態に係る機能ブロック図を例示する。モバイル端末装置31は、撮像部32、操作部33、音声出力部34、表示部35、外部のデータ記憶部36、通信部37、及びデータ処理部38を備えている。データ処理部38は、モバイル端末装置31の各部32〜37を制御して各種データ取得、撮像、データ表示、2次元コードの読取、及び外部との通信等を制御する。
【0056】
本発明の印刷物連携記録システムの専用アプリを起動すると、操作メニューの選択が可能となり、操作メニューに従って所定の動作が実行される。所定の操作メニューを選択した後撮像部(カメラ)32を2次元コード12,17に向けると、連携記録制御部41の制御により2次元コード12、17をとらえる画像が撮像される。撮像された画像データは入出力インタフェース38を介して、内部のデータ記憶部43に記憶される。データ記憶部43に記憶された2次元コードの画像情報は、コード読取部41により2次元コードからデジタル情報として読みだされ、データ記憶部43に記憶されて、コード読取部42により2次元コード12,17に記録されているデジタル情報が読み取られる。連携記録制御部41は、読み取ったデジタルデータに紐付された情報の読み出し表示部35または音声出力部34に出力し、または記録データを読み取ったデジタルデータに紐付して記憶するよう制御する。
【0057】
図9に、モバイル端末31のデータ処理部38の基本構成を示し、CPU(中央演算処理装置)60、ROM(読取専用メモリ)61、RAM(ランダムアクセスメモリ)62を備えている。
図8の機能ブロック32〜43の処理は、ROM61及びRAM62に記録されている基本制御ソフトウェア及び本発明の印刷物連携記録システムの専用アプリケーションプログラムである制御ソフトウェア(図示せず、以下「専用アプリ」と称する)により実施される。
【0058】
本発明で使用する専用アプリは、所定のダウンロードサーバ68(
図8)から簡単にダウンロードすることができるようにすることが望ましい。CPU60は基本ソフトウェア及び制御ソフト等により、各部の制御動作や演算処理を行う。ROM61には基本動作を制御する基本制御ソフトウェア及び制御データが記録されている。RAM62には外部からダウンロードされてインストールされた各種プログラム(制御ソフトウェアや各種アプリケーションプログラムを含む)、撮像データや音声データ、その他各種データが記憶される。RAM62にダウンロードされた本発明の専用アプリにより、
図8に機能ブロックとして示す連携記録制御部41、及びコード読取部42等の機能を実行する。
【0059】
本発明に係る印刷物連携記録システムを動作させるためには、まず、モバイル端末31に2次元コードを読取り処理するための制御ソフト(専用アプリ)をダウンロードする。利用者がダウンロード手順を簡単にわかるように、
図1の案内地図の表面10に右下隅に例示されているように、案内マップ10のわかり易い場所に専用アプリのダウンロードの操作手順を記載しておくのが望ましい。
【0060】
図10〜13に示すフローチャートを参照して、本発明の印刷物連携記録システムの動作について説明する。
図10は、専用アプリをダウンロードしてインストールした後に、案内図の表面10に印刷された2次元コードを読み取ることにより、情報提供サーバ66から第1の2次元コードに対応する補完情報を取得する処理手続きの一例を示している。
【0061】
専用アプリを起動すると(S1)、データ取得処理手順がスタートする。専用アプリを起動すると操作メニューが表示される。操作メニューを選択して、または操作メニューを選択することなく、表面の希望する動物の写真に撮像部32のカメラをかざす(S2)。カメラをかざすと撮像部32により動物の写真の近くに印刷されている第1の2次元コード12の画像データがモバイル端末31内に取り込まれて、コード読取部42により第1の2次元コード12からデジタル情報が読み取られる(S3)。表面10に印刷されている各第1の2次元コード12aには、それぞれ異なるデジタル情報(識別情報)が記憶されている。
【0062】
次に、第1の2次元コード12から読み取った識別情報に基づいて所定の情報提供サーバ66にアクセスする(S4)。情報提供サーバ66は、第1の2次元コード12の識別情報により指摘された補完データを読み出して、アクセスのあったモバイル端末31に送信する。モバイル端末31は情報提供サーバ66からの情報の取得が完了したら(S5:Yes)、取得した情報を記憶部に記憶し、(S6)モバイル端末31の表示部及び音声出力部から出力する(S7)。これにより、利用者は指定した動物について、案内図には印刷されていない詳細な情報や動画等の補完情報を入手することができる。情報提供サーバ66から取得した情報を、記憶せずにモバイル端末31の表示部及び音声出力部からそのまま出力するよう構成しても良い。
【0063】
次に、
図11を参照して、連携記録印刷物を利用して、イベント中の活動情報(記録データ)を記録する手順の一例について説明する。
図11は、モバイル端末に記録データを記録する構成の場合の処理手順を示している。
専用アプリを起動すると(S11)、操作メニューが表示されるので、操作メニューから「活動情報の記録(データの記録)」を選択した後(S12)、裏面15の動物の絵にカメラをかざして撮像部32により裏面15の第2の2次元コード17の画像情報を取得する(S13)。取得した画像からコード読取部により第2の2次元コード17が読み取られて、第2の2次元コードに記録されているデジタル情報(識別情報)が取得される(S14)。
【0064】
次に連携記録制御部は2次元コードの情報に基づいて所定の記録データの紐付処理を実行する。まず紐付する写真や動画、音声データ等の記録データを指定するよう指示メニューが表示されるので、これに基づき記録するデータを指定する(S15)。紐付する記録データ(写真等)が既にモバイル端末31内に存在する場合には、それを指定する。まだ記録データが存在せず、これから取得する記録データを紐付する場合には、直後に取得するデータを順次紐付して記憶することができるように指定することができる。紐付する記録データが指定されると、連携記録制御部41は、既に存在している記録データが指定されているかどうかを確認する(S16)。記録データが既に存在する場合には(S16;Yes)には、連携記録制御部41は指定された記録データを当該第2の2次元コード17に紐付する。
【0065】
記録データがまだモバイル端末装置内に存在せずこれから取得される場合には、音声データ等の記録データが入力されるのを待ち(S17,S18;Yes)、記録データの作成が完了するとそれを紐付する。紐付する際には、指定された記録データを元の記憶位置のまま2次元データをリンク付け(紐付け)しても、2次元コード毎にグループ化して別の記憶アドレスに記憶するようにしても良い。なお、
図11では、記録データがまだ作成されていない場合に、記録データの作成が完了してから紐付けして記憶する例を示しているが(S17、S18)、記録データをそのままデータストリームとして記録することも可能である。
【0066】
案内地
図15に印刷されている複数の第2の2次元コード17には、すべてそれぞれ異なるデジタル情報が記録されているため、2次元コード12、17はその印刷位置に応じて異なるデジタル情報(識別情報)を有している。この異なる識別情報と記録データが紐付して記録されるため、案内地
図15上の特定の位置に印刷されている第2の2次元コード17を読取りそれに記録データを紐付して記憶すると、地図上の特定の位置と記録データとが紐付されたことになる。これにより、案内地図(連携記録印刷物)における第2の2次元コードの印刷位置に応じて、各種記録データを記録できるので、連携記録印刷物を中心に記録データを整理して記憶することが可能となる。
【0067】
図12は、記録データを記録サーバ67に記憶する場合の処理手順を示すフローチャートである。専用アプリを起動すると(S21)、操作メニュー選択画面が表示され、記録サーバ67への書き込みが選択される(S22)。書き込みは、モバイル端末または記録サーバ67のみの場合には単に書き込みを選択すると、所定のデバイスに書き込みが行われ、モバイル端末または記録サーバ67のいずれかでも書き込みができる場合には、メニュー選択できるようにする。
その後、案内地図の裏面15にある記録データの紐付けを希望する位置の第2の2次元コード17に、カメラがかざす(S23)。これにより第2の2次元コード17の画像データが取り込まれ、コード読取部32により、その2次元コード17により記録されているデジタル情報(識別情報)が読み取られる(S24)。
【0068】
次に、処理ステップS23で指定した第2の2次元コード17の識別情報に紐付けして記憶する記録データが指定される(S25)。記録データの指定は、
図11の処理手順と同様に、既にモバイル端末31に記憶しているデータだけではなく、これから記録するデータ(この操作の直後に取得する記録データ:静止画、動画、音声データを問わない)を紐付けして記録できるように構成することが望ましい(S26)
紐付する記録データが既にモバイル端末31内に存在する場合には、それを指定する。紐付する記録データが指定されると、記録データが存在する場合には(S16;Yes)には、連携記録制御部41は記録サーバ67へアクセスして、指定された記録データを当該第2の2次元コード17に記録されている識別情報に紐付けして、記録サーバ67内への書き込むよう指示する(S29)。
【0069】
記録データがまだ取得されておらずモバイル端末装置内に存在しない場合には(S26:No)、動画、静止画、音声データ等の記録データが取得されるのを待ち、記録データの取得が完了すると(S17,S18;Yes)、記録データを指定された2次元コードのデジタル情報に紐付けして、記録サーバ67内への書き込みを指示する(S29)。
図11の処理手順と同様に、記録データの取得完了を待たずに、入力された記録データを順次データストリームとして記録サーバ67に書き込むように構成しても良い。
【0070】
記録サーバ67内への記録データの書き込みが完了すると(S30;Yes)書込み処理は終了する。これにより、案内マップ(連携記録印刷物)における2次元コードの印刷位置に応じて、各種記録データを記録できるので、連携記録印刷物を中心に、記録サーバ67内に記録データを整理して記憶することが可能となる。このように、連携記録印刷物とリンクさせて記録データを記録サーバ67内に記録することにより、モバイル端末が廃棄されたり、壊れたりしても記録データを保存管理することが可能となる。また、大量の記録データであっても保存することが可能となる。
【0071】
次に、
図13及び
図14を用いて、連携記録印刷物を介してモバイル端末装置31または記録サーバ67内に記録されている記録データの読み出し手順について説明する。モバイル端末31の専用アプリが起動されると(S31)、操作メニューが表示される。記録データ(写真・動画・音声データ等)を読み出したい場合には、表示された操作メニューから、記録データの読み出しを選択する(S32)。記録データの読み出しを選択後、裏面15の希望の位置(例えば、ライオンの位置)に印刷されている2次元データにカメラをかざすと(S33)、ライオンの位置の2次元コードの画像が取得されてデジタル情報が読み取られる(S34)。読み取った2次元コード17のデジタル情報に基づき、該デジタル情報に紐付された記録データ(ライオンの印刷位置に紐付して記録された記録データ)が読みだされる(S35)。
【0072】
記録データがモバイル端末31の記憶部に記録されている場合には、モバイル端末31の記憶部から表示部または音声出力部に出力される(S36)。記録データが記録サーバ67に記録されているときには、
図14に示すように、記録サーバ67にアクセスして紐付指定されている記録データを読み出し(S37)、読みだした記録データをモバイル端末31の表示部35又は音声出力部34から出力する(S38)。記録データを出力しながら、モバイル端末31の記憶部43に記憶するように構成してもよい。記録サーバ67からの読み出しが終了すると(S39;Yes)、記録データの読み出処理動作は終了する。
【0073】
以上の説明では、連携記録印刷物として動物園内の案内地図を用いて説明したが、東京都や京都などの観光地図等にも同様に使用することが可能である。また、教科書や講演の各ページや段落にこのような2次元コードを埋め込んでおくことにより、2次元コードを介して、教科書等の記載内容と授業や講演の音声データや動画などを紐付けして記録することが可能となる。その他実験記録帳、議事録などにおいて、紐付けしたい印刷内容と対応する位置に2次元コードを印刷することにより、印刷されている情報と記録したいデータを紐付けして記録することが可能となる。すなわち、本発明の印刷物連絡記録システムはあらゆる場面で印刷内容(印刷情報)と記録データを紐付けして記録することが可能となる。
【0074】
図15に、ガイドブック、教科書や参考書などの書籍類70を本願発明の連携記録印刷物とする場合の2次元コードの印刷の一例を示す。例えば、ページごとに2次元コード71a、71bを印刷して各ページに記録データを紐付するようにし、さらに特定の各印刷内容73a〜73dの各位置に2次コード72a〜72を印刷して、印刷内容ごとに記録データを紐付できるようにすることもできる。
【0075】
図16及び
図17を用いて、時間に記録データを紐付けする例を示す。
図16は、時間軸を印刷したものを連携記録印刷物とする例である。左から右に時間が流れる時間軸75を設け、1時間ごとに2次元コード76a〜76hが印刷されている。また、時間軸の下には、印刷情報77が記録されている。この印刷情報77の欄を空欄として、適宜書き込めるようにしておいても良い。
図16のような連携記録印刷物は、各種実験の記録データを整理保管するのに有効である。時間軸は秒単位であっても、日、週、月、年等自由に設定できる。
【0076】
図17はカレンダー80を連携記録印刷物とした例を示している。カレンダーの日付欄に2次元コード81a…81xを埋め込むことにより、各日付に紐付して記録データを保存管理できる。日々の活動記録として利用できる他、病院での患者の記録、トレーニング記録等に活用できる。また、日付以外の欄に2次元コード82a、82b等を設けて、日付と対応しない記録データを紐付するようにしても良い。