(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1において、前記タンク本体2は、断面形状の四角形状とし、メイン側板部10と連結板部11の接続部分を、平面視において、直角より大きい角度を有して接続したタンク。
請求項1または請求項2において、前記タンク本体2は、断面形状の四角形状とし、前記閉塞防止部材3の縦板部材20は、平面視において、十字の放射状に配置し、縦板部材20の側縁26をタンク本体2のメイン側板部10の内面に載置してタンク本体2に装着する構成としたタンク。
請求項3において、縦板部材20の上縁24は、タンク本体2の開口部より低位置となるように構成し、縦板部材20の下縁25はタンク本体2の排出筒部8の上方に所定間隔をおいて位置させたタンク。
請求項1〜請求項4の何れかにおいて、閉塞防止部材3の縦板部材20は、穀粒の粒径より薄い金属板により、両端にタンク本体2のメイン側板部10に当接する側縁26を設け、縦板部材20の両側の側縁26の中間に、縦方向の挿入溝23を形成し、略同一形状の一対の縦板部材20のそれぞれの挿入溝23を互いに嵌めあって、一対の縦板部材20を十字形状としたタンク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者のものは、単に断面四角形状のタンクとしているため、角部に粉粒体の荷重が集中し、これにより、タンクに変形・歪みが生じ穀粒の排出に悪影響を与えることと、タンクの耐久性が低くくなる課題がある。
また、単板により閉塞防止部材を構成しているため、単板の平行方向において、対面する側板部間の穀粒には閉塞防止部材が作用せず、ブリッジ現象が発生することがあるという課題がある。
前記公知例のうち後者のものは、前者公知例と同様に、単に断面四角形状のタンクとしているため、角部に粉粒体の荷重が集中し、これにより、タンクに変形・歪みが生じ穀粒の排出に悪影響を与えることと、タンクの耐久性が低くくなる課題がある。
また、後者の公知例では、四角筒をタンク内に設けているため、二重の四角筒の夫々の内部でブリッジ現象が発生することがあるという課題がある。
本願は、タンクの形状を工夫し、タンクの容積を確保しつつ耐久性を向上させると共に、ブリッジ発生を抑制できるタンクを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、
無孔のステンレス鋼で形成した上下方向において終始同一断面形状の貯留部5の下部に、下方に向かって直線状の斜めの先細り状の漏斗部6を設けてタンク本体2を構成し、漏斗部6の下端に排出口7を設けて構成し、漏斗部6は、その断面形状が少なくとも四角形以上の多角形となるように平面視において
複数の平板状のメイン側板部10により形成し、このメイン側板部10の両端は隣接するメイン側板部10との間に、メイン側板部10の幅よりも狭い縦板で形成した連結板部11を介在させて接続してタンク本体2を形成し、タンク本体2内には、平面視において、平板状の縦板部材20を、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように配置構成した閉塞防止部材3を
タンク本体2に着脱自在に取付けて設けたタンクとしたものである。
請求項2の発明は、前記タンク本体2は、断面形状の四角形状とし、メイン側板部10と連結板部11の接続部分を、平面視において、直角より大きい角度を有して接続したタンクとしたものである。
請求項3の発明は、前記タンク本体2は、断面形状の四角形状とし、前記閉塞防止部材3の縦板部材20は、平面視において、十字の放射状に配置し、縦板部材20の側縁26をタンク本体2のメイン側板部10の内面に載置してタンク本体2に装着する構成としたタンクとしたものである。
請求項4の発明は、縦板部材20の上縁24は、タンク本体2の開口部より低位置となるように構成し、縦板部材20の下縁25はタンク本体2の排出筒部8の上方に所定間隔をおいて位置させたタンクとしたものである。
請求項5の発明は、閉塞防止部材3の縦板部材20は、穀粒の粒径より薄い金属板により、両端にタンク本体2のメイン側板部10に当接する側縁26を設け、縦板部材20の両側の側縁26の中間に、縦方向の挿入溝23を形成し、略同一形状の一対の縦板部材20のそれぞれの挿入溝23を互いに嵌めあって、一対の縦板部材20を十字形状としたタンクとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、タンク本体2を、メイン側板部10の両端をメイン側板部10の幅よりも狭い縦板で形成した連結板部11を介在させて隣接するメイン側板部10に接続してタンク本体2を形成しているので、タンク本体2の角部に集中する荷重を分散させることができ、変形・歪みを防止でき、また、タンク本体2内には、平面視において、平板状の縦板部材20を、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように配置構成した閉塞防止部材3を設けているので、タンク本体2内のブリッジ現象の発生を防止できる。
請求項2の発明では、断面形状四角形状のタンク本体2のメイン側板部10と連結板部11の接続部分を、平面視において、直角より大きい角度有して接続しているので、タンク本体2の角部に集中する荷重を分散させることができ、変形・歪みを防止できる。
請求項3の発明では、前記タンク本体2は、断面形状の四角形状とし、前記閉塞防止部材3の縦板部材20は、平面視において、十字の放射状に配置し、縦板部材20の側縁26をタンク本体2のメイン側板部10の内面に載置してタンク本体2に装着する構成としているので、閉塞防止部材3のタンク本体2への装着を容易にでき、メンテナンス作業を容易にできる。
請求項4の発明では、縦板部材20の上縁24は、タンク本体2の開口部より低位置となるように構成し、縦板部材20の下縁25はタンク本体2の排出筒部8の上方に所定間隔をおいて位置させているので、閉塞防止部材3はブリッジ現象発生を防止でき、かつ、閉塞防止部材3とタンク本体2の内面との間の詰まり発生も防止できる。
請求項5の発明では、閉塞防止部材3の縦板部材20は、穀粒の粒径より薄い金属板により、両端にタンク本体2のメイン側板部10に当接する側縁26を設け、縦板部材20の両側の側縁26の中間に、縦方向の挿入溝23を形成し、略同一形状の一対の縦板部材20のそれぞれの挿入溝23を互いに嵌めあって、一対の縦板部材20を十字形状としているので、閉塞防止部材3の存在による残留穀粒発生を予防でき、また、閉塞防止部材3を簡単に製造組立できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図により説明すると、1はタンクであり、本実施形態のタンク1は穀粒等を貯留するために用いられるものであるが、用途は何れでもよく、複数種類の穀粒を混合させる混合タンクや、貯留された穀粒を計量する計量タンクであってもよい。
なお、本発明の実施形態を説明するにあたり理解を容易にするため、前後左右上下等の方向を示す用語を用いて説明することがあるが、これによって、本発明の構成が限定されることはない。
タンク1は、タンク本体2と、タンク本体2の内面に支持される閉塞防止部材3とを有して構成する。タンク本体2および閉塞防止部材3は、ステンレス鋼で形成する。
【0009】
タンク本体2の上端開口またはタンク本体2の蓋部または側板に接続された図示されていない供給管から、タンク本体2内に穀粒が供給される。
タンク本体2の上部は、開口しているか、もしくは、図示しない蓋部で閉塞されるが、本実施形態では上下方向において終始同一断面形状の貯留部5と、貯留部5の下部にはタンク本体2の下方に向かって先細り状の漏斗部6を設けて構成する。漏斗部6の下端には、排出口7を有する排出筒部8を設ける。
排出口7には、例えば、パイプを連結してもよく、あるいは、繰出機構を介して次工程へ穀粒を搬送する搬送装置を接続してもよい。
タンク本体2の漏斗部6は、少なくとも、四角以上の多角形状の断面形状に形成し、多角形を構成する平板状のメイン側板部10の両端を、メイン側板部10よりも幅狭の平板状の連結板部11により形成した角部12を介して連結する。
【0010】
そのため、例えば、四角形状のタンク本体2であれば、4面のメイン側板部10と4カ所の角部12とにより変形の8角形状に形成することになり、角部12とメイン側板部10の接続箇所が増えて、接続箇所に掛かる荷重を分散させることができ、耐久性を向上させられる。
すなわち、断面が円形のタンク1に比し、従来の断面が多角形のタンク1は貯留容積を大きくできるが、荷重が多角形の角部に集中し、これにより、タンク1に変形・歪みが生じ穀粒の排出に悪影響を与えることと、タンク1の耐久性が低くくなることとなるが、本願はタンク本体2の少なくとも漏斗部6の各角部12は、漏斗部6の側面板部メイン側板部10よりも幅狭の連結板部11に形成しているので、角部12とメイン側板部10の接続箇所に掛かる荷重を分散させることができ、耐久性を向上させられる。
【0011】
角部12の連結板部11は、隣接するメイン側板部10を連結できればよく、形状は問わず、
図1や
図9では四角板状に形成し、
図2B等では漏斗部6のメイン側板部10に合わせて下方に至るに従い細く幅狭(テーパー状)に形成しているが、何れでもよい。
また、連結板部11は少なくとも一枚の平板部材により形成するが、メイン側板部10より幅狭であれば複数枚であってもよい(
図3)。
すなわち、複数枚であっても、メイン側板部10より幅狭であれば、タンク本体2の断面を多角形状に形成でき、開口面積を大きく確保しつつ、タンク本体2の耐久性も向上させられる。
図2は、一枚の連結板部11により形成した角部12を示し、
図3は三枚の連結板部11により形成した角部12を示している。
【0012】
また、
図4は、漏斗部6を5角形とした場合であり、5面のメイン側板部10と5カ所の角部12とにより変形の10角形状に形成することになる。
また、
図5は、漏斗部6を6角形とした場合であり、6面のメイン側板部10と6カ所の角部12とにより変形の12角形状に形成することになる。
しかして、閉塞防止部材3は、タンク本体2側に固定することなく、タンク本体2に着脱自在に取付ける。
漏斗部6は下方に向かって先細り状に形成されているので、漏斗部6内の穀粒のうちメイン側板部10付近の穀粒はメイン側板部10の傾斜に沿って流下するが、中央付近の穀粒は、排出筒部8の上方でブリッジ現象が生じて詰まることがある。
【0013】
穀粒のブリッジ現象の原因は諸説あり正確な原因ははんめいしていないが、メイン側板部10上の穀粒には重力Gが排出筒部8に向かう方向の加重Xとメイン側板部10に押し付ける押付加重Tとが作用し、この押付加重Tが隣接する穀粒に作用することでアーチ作用が生じ、単に同一傾斜角度のメイン側板部10間に位置する穀粒は互いに押し付けあう押付加重Tが強く作用してブリッジ現象となると考えられることが判明した。
そこで、本発明は、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように縦板状の閉塞防止部材3を、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように配置構成して設置し、ブリッジ現象発生を防止する。
【0014】
すなわち、閉塞防止部材3の縦板部材20付近の穀粒には重力Gが略垂直に作用して、押付加重Tは殆ど発生せず、垂直方向に流下すること、メイン側板部10付近の穀粒に押付加重Tが発生するが、メイン側板部10の傾斜角度を安息角以上の急傾斜に形成していること、さらに、メイン側板部10付近の穀粒は縦板部材20付近の穀粒が下方に流下する際に引き摺られ(引っ張られ)る力が作用することから、ブリッジ現象の発生を防止する(
図8)。
そのため、閉塞防止部材3をタンク本体2に着脱自在に取付けることにより、ブリッジ現象発生を防止し、しかも、閉塞防止部材3の装着が容易であって、タンク1内のメンテナンスも容易にできる。
【0015】
閉塞防止部材3は、平板状の縦板部材20により、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように配置構成する。
すなわち、閉塞防止部材3は、前後の縦板部材20と、左右の縦板部材20とにより、平面視において、十字状の放射状に配置された2枚(4枚)の縦板部材20により構成する。各縦板部材20は、水平方向に延び、直線状に並んだ2つの半縦板部材半縦板部材21を後述する挿入溝23を挟んで一体化されており(
図6、9)、1つの板状部材を構成する。つまり、閉塞防止部材3は、2つの縦板部材20で構成されている。この2つの縦板部材20の中央部には、それぞれ縦状に切欠いて形成した挿入溝23を設ける。
【0016】
挿入溝23は一対の縦板部材20のうちの何れか一方には上側に形成し、何れか他方には下側に形成し、この挿入溝23を互いに挿入係合させることで、4つの半縦板部材21が放射方向に十字状に位置する形状とする。
なお、二枚の縦板部材20の連結構造はこれに限らず、溶接固定でもよいが、一対の縦板部材20を組立・分解可能に形成すると、装着や取り外しが容易になって、好適である。
また、
図6では挿入溝23の両側に補強リブ23Aを設けている。
縦板部材20は、直線状の上縁24と、上縁24と平行な下縁25と、上縁24および下縁25の両端に斜めの側縁26を有して形成し、側縁26はタンク本体2のメイン側板部10の内面に沿って傾斜した傾斜縁に形成しており、タンク1(メイン側板部10)の内面に載置される。
【0017】
なお、メイン側板部10は、穀粒が留まらずに流下する所謂安息角より急な傾斜角度に形成しており、側縁26もメイン側板部10に合わせた傾斜角度としている。
閉塞防止部材3は縦板部材20の側縁26がタンク本体2の内面に支持され、閉塞防止部材3は、タンク本体2の内面に、周方向に並んだ4箇所で支持されることになる。
縦板部材20は穀粒の粒径より薄い縦板部材により形成する。
そのため、閉塞防止部材3の上縁24上に穀粒が滞留するのを防止でき、これにより、残留穀粒の発生も防止できる。
この場合でも、この閉塞防止部材3を漏斗部6内に上方から載置すると、閉塞防止部材3の自重で側縁26がタンク本体2のメイン側板部10の内面に当接支持され、装着が完了する構成とする。
【0018】
図10は、タンク1および閉塞防止部材3の他の実施形態を示し、タンク1は平面視において長四角形状に形成し、タンク本体2および漏斗部6の角部12にメイン側板部10よりも幅狭の連結板部11に形成している。
そのため、角部12とメイン側板部10の接続箇所が増えて、接続箇所に掛かる荷重を分散させることができ、耐久性を向上させられる。
また、
図10の閉塞防止部材3は、十字状の縦板部材20を上下二段に並設した構成としている。
【0019】
タンク1の漏斗部6の排出口7が一方側に偏っているために、十字状の縦板部材20を上下二段に並設することにより、周囲のメイン側板部10との位置関係を均等にでき、ブリッジ発生防止効果を高められる。
なお、上段の縦板部材20の上縁24を先端に至るに従い低く傾斜させ、閉塞防止部材3の上縁24上に穀粒が滞留するのを防止している。
また、既存のタンク1内に閉塞防止部材3を設置する場合、既存のタンク1の上部開口部の開口面積が小さいときに、十字状の縦板部材20を上下二段に分割して並設させると、既存のタンク1内への閉塞防止部材3を設置を容易にすることもある。
【0020】
(実施形態の作用)
本発明は上記の構成であり、タンク本体2の上端開口またはタンク本体2の蓋部または側板に接続された図示されていない供給管から、タンク本体2内に穀粒を供給する。
タンク本体2の漏斗部6は、少なくとも、四角以上の多角形状の断面形状に形成し、多角形を構成する平板状のメイン側板部10の両端を、メイン側板部10よりも幅狭の平板状の連結板部11により形成した角部12を介して連結しているので、例えば、四角形状のタンク本体2であれば、4面のメイン側板部10と4カ所の角部12とにより変形の8角形状に形成することになり、角部12とメイン側板部10の接続箇所が増えて、接続箇所に掛かる荷重を分散させることができ、耐久性を向上させられる。
【0021】
すなわち、断面が円形のタンク1に比し、従来の断面が多角形のタンク1は貯留容積を大きくできるが、荷重が多角形の角部であるメイン側板部10の接続に集中し、これにより、タンク1に変形・歪みが生じ穀粒の排出に悪影響を与えることと、タンク1の耐久性が低くくなることとなるが、本願はタンク本体2の少なくとも漏斗部6の各角部12は、漏斗部6の側面板部メイン側板部10よりも幅狭の連結板部11に形成しているので、角部12とメイン側板部10の接続箇所に掛かる荷重を分散させることができ、耐久性を向上させられる。
角部12の連結板部11は、漏斗部6のメイン側板部10に合わせて下方に至るに従い細く幅狭に形成しているので、連結板部11上の穀粒は排出筒部8に向けて円滑に流下する。
【0022】
連結板部11は少なくとも一枚の平板部材により形成するが、メイン側板部10より幅狭であれば複数枚であってもよく、複数枚であっても、メイン側板部10より幅狭であれば、タンク本体2の断面を多角形状に形成できるので、開口面積を大きくしてタンク本体2の容積を確保しつつ、タンク本体2の耐久性も向上させられる。
しかして、供給された穀粒は、タンク本体2の漏斗部6の下部の排出筒部8の排出口7から排出される。
漏斗部6は下方に向かって先細り状に形成されているので、漏斗部6内の穀粒は、排出筒部8の排出口7に向けてメイン側板部10の傾斜に沿って流下しても、排出筒部8の上方でブリッジ現象が生じて詰まることがあるが、本発明では、漏斗部6内に閉塞防止部材3を設置しているので、穀粒は閉塞防止部材3により流下方向が案内され、ブリッジ現象の発生を防止する。
【0023】
すなわち、メイン側板部10上の穀粒には重力Gが排出筒部8に向かう方向の加重Xとメイン側板部10に押し付ける押付加重Tとが作用し、この押付加重Tが隣接する穀粒に作用することでアーチ作用が生じ、単に同一傾斜角度のメイン側板部10間に位置する穀粒は互いに押し付けあう押付加重Tが強く作用してブリッジ現象となるが、本発明の閉塞防止部材3は、平板状の縦板部材20により、タンク本体2の各メイン側板部10に対して交差するように配置構成しているので、閉塞防止部材3の縦板部材20付近の穀粒には重力Gが略垂直に作用して、押付加重Tは殆ど発生せず、垂直方向に流下すること、メイン側板部10付近の穀粒にのみ押付加重Tが発生するが、メイン側板部10付近の穀粒はメイン側板部10の安息角以上の急傾斜により流下すること、さらに、メイン側板部10付近の穀粒は縦板部材20付近の穀粒に引っ張られることから、ブリッジ現象の発生を防止する(
図8)。
【0024】
したがって、本発明ではメイン側板部10と縦板部材20のブリッジ現象となる両端側の穀粒のうち、一端側となる縦板部材20側の穀粒が略垂直に落下するので、タンク1内の穀粒重量の作用方向が閉塞防止部材3の縦板部材20により分散されてブリッジ現象の発生を防止する。
この場合、閉塞防止部材3は、一対の縦板部材20を十字状に交差させて形成しているので、各縦板部材20はタンク本体2のメイン側板部10に対して交差方向に対峙することになり、一面のメイン側板部10に対して二面の縦板部材20により穀粒を支持することになって、一層、ブリッジ現象発生の予防効果を向上させられる。
【0025】
すなわち、閉塞防止部材3は、前後の縦板部材20と、左右の縦板部材20とにより、平面視において、十字状の放射状に配置された2枚(4枚)の縦板部材20により構成し、各縦板部材20は、水平方向に延び、直線状に並んだ2つの縦板部材20同士は、一体化されており、1つの板状部材を構成しているので、閉塞防止部材3を容易に製造組立できる。
なお、
図4や
図5のタンク本体2の多角形状の漏斗部6であっても、十字状に交差させた閉塞防止部材3の各縦板部材20はタンク本体2のメイン側板部10に対して交差方向に対峙するので、略四角形状のタンク本体2の場合と同様に、穀粒重量の作用方向が閉塞防止部材3の縦板部材20により分散されてブリッジ現象の発生を防止する。
【0026】
一対の縦板部材20の中央部には、それぞれ縦状の切欠きの挿入溝23を形成しているので、この挿入溝23を互いに挿入係合させることで一対の縦板部材20を十字状とする。
そのため、閉塞防止部材3の組立を容易にする。
縦板部材20は、直線状の上縁24と、上縁24と平行な下縁25と、上縁24および下縁25の前後あるいは左右の側縁26を有して形成し、側縁26はタンク本体2のメイン側板部10の内面に沿って傾斜した傾斜縁に形成しているので、タンク本体2内に閉塞防止部材3を載置すると、閉塞防止部材3の縦板部材20の側縁26がタンク本体2の内面に当接支持され、閉塞防止部材3はタンク本体2の内面に、周方向に並んだ4箇所で支持されることになる。
【0027】
縦板部材20は穀粒の粒径より薄い縦板部材により形成しているので、閉塞防止部材3の上縁24上に穀粒が滞留するのを防止でき、これにより、残留穀粒の発生も防止できる。
この場合でも、この閉塞防止部材3を漏斗部6内に上方から載置すると、閉塞防止部材3の自重で側縁26がタンク本体2のメイン側板部10の内面に当接支持され、装着が完了する構成としているので、閉塞防止部材3とタンク本体2の内面との配置関係位置は変化せず、閉塞防止部材3は排出筒部8に向けてブリッジ現象発生を防止しつつ案内する。
【0028】
また、縦板部材20は、略同一形状に形成しているので、穀粒の流下方向を均等に分散させることができる。
すなわち、略四角形のタンク本体2に、十字形状の閉塞防止部材3を載置しているので、タンク本体2内には縦板部材20とメイン側板部10により包囲された4つの空間が形成されるが、縦板部材20を略同一形状に形成しているので、4つの空間容積が均等になって、穀粒を偏り無く排出させられる。
閉塞防止部材3は、タンク本体2内に幅方向に架け渡すように位置する一対の縦板部材20に構成されているので、各縦板部材20はタンク本体2内の穀粒の流下方向を4方向から規制および誘導することになり、穀粒は分散して流下し、ブリッジ現象の発生を防止する。
【0029】
また、閉塞防止部材3はタンク本体2の内面に4カ所以上の箇所で支持されるので、閉塞防止部材3は漏斗部6のメイン側板部10上に載置するだけで、装着でき、閉塞防止部材3を溶接等によってタンク本体2に固定しなくて済み、これにより、閉塞防止部材3の着脱が容易になり、メンテナンスを容易にする。
閉塞防止部材3の縦板部材20の下縁25は、漏斗部6の排出筒部8の上部より所定間隔をおいて位置するので、縦板部材20の下縁25と漏斗部6の排出筒部8の上部との間に穀粒が詰まるのを防止する。
一対の縦板部材20は、略同形に形成されているので、閉塞防止部材3の重心位置は、中央部分となり、閉塞防止部材3を漏斗部6に載置した場合に、漏斗部6に安定して支持させられる。