特許第6963837号(P6963837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963837
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】原木を板材に直接圧密する方法
(51)【国際特許分類】
   B27K 5/00 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   B27K5/00 F
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-2161(P2020-2161)
(22)【出願日】2020年1月9日
(65)【公開番号】特開2021-84432(P2021-84432A)
(43)【公開日】2021年6月3日
【審査請求日】2020年1月9日
(31)【優先権主張番号】201911193114.1
(32)【優先日】2019年11月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517058417
【氏名又は名称】王 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−533115(JP,A)
【文献】 特開2006−218831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27K 1/00 − 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原木を板材に直接圧密する方法であって、少なくとも前記原木を含水率35%−45%、密度0.3−0.4g/cmに加工する前処理と、前処理後の原木を70℃−85℃まで加熱し、2min−3min保温する加熱処理と、加熱加圧処理と、冷却処理とを含み、前記加熱加圧処理は、
(1)1回目の加熱加圧処理:加熱処理後の原木を芯材温度130℃−280℃まで引き続き加熱し、4min−6min保温し、40%−60%の圧縮率で原木を圧縮し、4min−8min保温加圧し、圧力を解放し、芯材温度90℃−110℃まで温度を下げ、3min−5min保温するステップと、
(2)2回目の加熱加圧処理:1回目の加熱加圧処理後の原木を芯材温度130℃−280℃に再度加熱し、8min−10min保温し、90%−95%の圧縮率で原木を圧縮し、20min−24min保温加圧し、圧力を解放するステップと、
を含む、ことを特徴とする原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項2】
原木は前処理と加熱処理との間に、
(3)原木を温度140℃−150℃の密室中で3h−4h加熱し、加熱時に密室の酸素含有量を4−5体積%に保ち、残りをシールドガスとするステップ、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項3】
前記シールドガスは、体積比1:4の二酸化炭素と窒素である、ことを特徴とする請求項2に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項4】
高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板には、貫通孔がそれぞれ設けられ、ステップ(1)の芯材温度90℃−110℃まで低下した前記具体的なステップは、水冷技術で高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板の貫通孔に10℃−20℃の冷水を3m/s−5m/sの速度で射出することである、ことを特徴とする請求項1に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項5】
ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理の加圧速度は18mm/min−20mm/minである、ことを特徴とする請求項1に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項6】
ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理の加圧速度は3mm/min−5mm/minである、ことを特徴とする請求項5に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項7】
前記冷却処理後に乾燥処理をさらに含み、前記乾燥処理の具体的な方法は、冷却処理後の原木を温度100℃−120℃の乾燥機に入れて90min−180min乾燥させることである、ことを特徴とする請求項1に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項8】
ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理後に、1回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、原木の表面温度75℃−85℃、風冷温度40℃−50℃、風速4m/s−6m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける1回目の水分除去処理を行うステップeをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【請求項9】
ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理後に、2回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、原木の表面温度25℃−35℃、風冷温度10℃−15℃、風速8m/s−10m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける2回目の水分除去処理を行うステップfをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の原木を板材に直接圧密する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木板加工技術分野に属し、特に原木を板材に直接圧密する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材は人類が最も多く使用される原材料であり、森林資源の減少と環境保護意識の高まりにより、中国の木材の伐採量は徐々に減少し、人工林の開発に取り組んでいるが、人工林に植え付けられた木材は、材質が軟らかく、密度が低いという欠点があるため、使用前にこれらの木材を圧密する必要があり、従来技術では、様々な圧密技術が開示されているが、これらの圧密技術の多くは、原木を木板に予め切断してから圧縮する必要があり、操作が非常に面倒であり、原木を板材に直接圧密することは、圧縮率が低い場合、板材の諸性能が要件を満たすことができなく、圧縮率が高い場合、板材の反発弾性率が大幅に増加するか、又は原木に化学物質を灌注する限り反発弾性率を低く保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許104354201B
【特許文献2】中国特許103753664B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、原木を板材に直接圧密する方法を提供し、この方法で作製した木製板材は、反発弾性率が低く、寸法安定性が高く、裂けにくく、短時間で水に濡れたり、直射日光を受けても変形することがない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0006】
本発明にて提供される原木を板材に直接圧密する方法は、少なくとも前処理と、加熱処理と、加熱加圧処理と、冷却処理とを含み、前記加熱加圧処理は、以下のステップを含む。
【0007】
(1)1回目の加熱加圧処理:加熱処理後の原木を芯材温度130℃−280℃まで引き続き加熱し、4min−6min保温し、40%−60%の圧縮率で原木を圧縮し、4min−8min保温加圧し、圧力を解放し、芯材温度90℃−110℃まで温度を下げ、3min−5min保温する。
【0008】
(2)2回目の加熱加圧処理:1回目の加熱加圧処理後の原木を芯材温度130℃−280℃に再度加熱し、8min−10min保温し、90%−95%の圧縮率で原木を圧縮し、20min−24min保温加圧し、圧力を解放する。
【0009】
ここで、本発明における原木とは、一般に、沈香木やポプラなどの密度が低い原木材であり、前処理後の原木の含水率は35%−45%であり、原木の密度は0.3−0.4g/cmである。本発明は、原木を2回圧密し、圧密のパラメータを具体的に規定することで、高圧縮率条件下において、圧密後の板材の反発弾性率を顕著に低減し、かつ圧縮後の板材の諸性能を規格に合致するよう保証する。
【0010】
さらに、原木は、前処理と加熱処理との間に、以下のステップをさらに含む。
【0011】
(3)原木を温度140℃−150℃の密室中で3h−4h加熱し、加熱時に密室の酸素含有量を4−5体積%に保ち、残りをシールドガスとする。
【0012】
ここで、シールドガスは、二酸化炭素、窒素、不活性ガス、及び水蒸気のうちの1つ以上を含み、本発明者は、驚くべきことに、まず酸素含有量4−5体積%の密室で沈香木を加熱してから、熱圧締することで、板材の反発弾性率をさらに低減できることを見出した。
【0013】
さらに、シールドガスは、体積比1:4の二酸化炭素と窒素である。
【0014】
炭酸ガスと窒素ガスのシールドガスが1:4の場合、作製された板材の反発弾性率は最も低い。
【0015】
また、高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板には、貫通孔がそれぞれ設けられ、ステップ(1)の芯材温度90℃−110℃まで低下した前記具体的なステップは、水冷技術で高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板の貫通孔に10℃−20℃の冷水を3m/s−5m/sの速度で射出することである。
【0016】
本発明は、上部裏当板及び下部裏当板に貫通孔を設けて、水冷中に、板材に対する冷水の接触面積をより一層高めることができ、板材の6つの側面がいずれも冷水と接触し、複数の角度から放熱して目標温度に早期に達することで、板材の脆さを低下させることができる。
【0017】
また、ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理の加圧速度は18mm/min−20mm/minである。
【0018】
本発明者らは、多数の研究の結果、加圧速度が増加するにつれて、板材の圧縮位置と上下部裏当板との距離が徐々に減少し、沈香木の密度が周辺から中央に向かって徐々に増加し、したがって、初回の加圧時に、大きな加圧速度で板材を加圧する過程で、まず上下両側の沈香木が圧縮され、沈香木の上下両側の密度が急速に増加し、沈香木の中央部との密度差が徐々に減少することで、沈香木の各部位間の密度をより均一にし、次工程の圧縮に備えて板材の脆さをさらに低下させることを見出した。
【0019】
また、ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理の加圧速度は3mm/min−5mm/minである。
【0020】
本発明では、2回目の加熱加圧処理の加圧速度を具体的に規定することにより、2回目の圧密時に、1回目の加熱加圧処理後の板材をより一層均一に圧密することができ、最終的に得られる板材の密度をより一層均一化して、板材の脆さをより一層低下させることができる。
【0021】
また、冷却処理後に乾燥処理をさらに含み、前記乾燥処理の具体的な方法は、冷却処理後の原木を温度100℃−120℃の乾燥機に入れて90min−180min乾燥させることである。
【0022】
本発明では、冷却処理後に乾燥処理をさらに加えることにより、板材の寸法安定性を顕著に向上させることができる。
【0023】
さらに、ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理後に、1回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、表面温度75℃−85℃、風冷温度40℃−50℃、風速4m/s−6m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける1回目の水分除去処理を行うステップeをさらに含む。
【0024】
さらに、ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理後に、2回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、表面温度25℃−35℃、風冷温度10℃−15℃、風速8m/s−10m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける2回目の水分除去処理を行うステップfをさらに含む。
【0025】
本発明は、2回の水分除去処理により、冷風の吹き付けで、板材の周辺及び下部裏当板の貫通孔から水分を排出すると共に、蒸発した水蒸気を板材の周辺及び上下部裏当板の貫通孔から揮発させ、板材の外表面の水分を速やかに除去することで、板材の諸性能を顕著に向上させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にて提供される作製方法は、簡単で実用的であり、作製した沈香木の板材は、反発弾性率が低く、裂けにくく、寸法安定性が高く、短時間で水に濡れたり、直射日光を受けても変形することがなく、かつ作製中に化学薬品処理を必要としないため、従来技術の圧縮木の作製による環境汚染の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】原木圧密前の写真
図2】実施例9の方法によって作製された沈香木の板材の写真
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施例1−9にて提供される原木を板材に直接圧密する方法は、前処理と、加熱処理と、加熱加圧処理と、冷却処理とを含み、前記加熱加圧処理は、以下のステップを含む。
【0029】
(1)1回目の加熱加圧処理:加熱処理後の原木を芯材温度130℃−280℃まで引き続き加熱し、4min−6min保温し、40%−60%の圧縮率で原木を圧縮し、4min−8min保温加圧し、圧力を解放し、芯材温度90℃−110℃まで温度を下げ、3min−5min保温する。
【0030】
(2)2回目の加熱加圧処理:1回目の加熱加圧処理後の原木を芯材温度130℃−280℃に再度加熱し、8min−10min保温し、90%−95%の圧縮率で原木を圧縮し、20min−24min保温加圧し、圧力を解放する。
【0031】
原木は、前処理と加熱処理との間に、以下のステップをさらに含む。
【0032】
(3)原木を温度140℃−150℃の密室中で3h−4h加熱し、加熱時に密室の酸素含有量を4−5体積%に保ち、残りをシールドガスとする。
【0033】
高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板には、貫通孔がそれぞれ設けられ、ステップ(1)の芯材温度90℃−110℃まで低下した前記具体的なステップは、水冷技術で高周波装置の上部裏当板及び下部裏当板の貫通孔に10℃−20℃の冷水を3m/s−5m/sの速度で射出することである。
【0034】
ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理の加圧速度は18mm/min−20mm/minである。
【0035】
ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理の加圧速度は3mm/min−5mm/minである。
【0036】
冷却処理後に乾燥処理をさらに含み、前記乾燥処理の具体的な方法は、冷却処理後の原木を温度100℃−120℃の乾燥機に入れて90min−180min乾燥させることである。
【0037】
ステップ(1)における前記1回目の加熱加圧処理後に、1回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、表面温度75℃−85℃、風冷温度40℃−50℃、風速4m/s−6m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける1回目の水分除去処理を行うステップeをさらに含む。
【0038】
ステップ(2)における前記2回目の加熱加圧処理後に、2回目の加熱加圧処理後の原木を、下部裏当板から上部裏当板の方向に向かって、表面温度25℃−35℃、風冷温度10℃−15℃、風速8m/s−10m/sの範囲で、風冷技術で吹き付ける2回目の水分除去処理を行うステップfをさらに含む。
【0039】
実施例1−8では、いずれも密度0.35g/cmの沈香木を原木として採用し、実施例9では、マツ木を原木として採用し、実施例1−9の板材の製造方法の具体的なパラメータを表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
注:表1中の全ての表記されていない時間の単位はいずれもminであり、温度の単位はいずれも℃である。
【0042】
シールドガスでは、aが水蒸気で、bが二酸化炭素で、cが窒素で、dがヘリウムであり、実施例2、7では、bとc、それともaとdの比がいずれも1:4であり、実施例8では、a、b、cの比が1:1:1である。
【対照例1−3】
【0043】
対照例1−3は原木を板材に直接圧密する方法を提供し、以下の方法と実施例1−9と異なる点はパラメータであり、具体的なパラメータを表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
注:表1と表2中の全ての表記されていない時間の単位はいずれもminであり、温度の単位はいずれも℃である。
(試験例1)吸湿変形反発弾性率試験
【0046】
試験1−4群、対照1−2群及び陽性対照1−2群をそれぞれ設定し、試験1−4群は実施例1−3、9の実施例を採用し、対照1−2群は対照例1−2を採用し、陽性対照1−2群は特許文献1の新規な硬木(圧縮比40%)及び特許文献2の圧縮木(圧縮比50%)をそれぞれ採用し、実施例1−4、対照1−2及び陽性対照1−2群の板材の圧縮前試験の絶対乾燥厚み(L0)をそれぞれ測定し、原木の絶対乾燥厚みが原木の最大径であり、また、各組の板材をそれぞれ103℃で絶対乾燥まで乾燥させた後、厚さ(L1)を測定し、さらに、各組の板材を定温定湿槽内に入れ、温度40℃、相対湿度90%の条件下で恒量になるまで調湿処理し、再度103℃で絶対乾燥まで乾燥し、各組の板材の厚さ(L2)を測定し、各板材の含水率変化と厚さ変化を算出し、吸湿変形反発弾性率を下記式で計算し、R=(L2-L1)/(L0-L1)×100%、R−吸湿変形反発弾性率(%)、L0、L1、L2はそれぞれ圧縮前、圧縮後、吸湿処理後の試料の絶対乾燥厚み(mm)であり、試験結果を表3及び表4に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
表3及び表4から明らかなように、本発明の方法で作製した板材は、反発弾性率が低く、吸湿後に変形しにくく、対照例1では、1回の圧密化しか行っていない結果、同じ圧縮率条件で1回圧密化した板材は、吸湿後に変形が激しく、反発弾性率も高く、対照例2では、1回圧密化しか行っていなく、その反発弾性率が低いが、圧縮率が不十分で、板材の諸各性能パラメータが不十分であり、また、陽性対照1−2群の反発弾性率は実施例1−3に相当し、本発明の板材は、圧縮率が高いが、反発弾性率が低く抑えられ、従来の使用に耐えることが証明され、実施例9の方法で作製した板材は、280℃の高温で炭化することもなく、板材の反発弾性率を顕著に低下させることができる。
(試験例2)脆さ測定試験
【0050】
実施例1−4及び対照例1−3で作製した板材を静的曲げ解析し、複数の変位及び曲げ荷重を測定して沈香木の変位と曲げ荷重の間の歪み曲線を求め、歪み曲線の直線的な長さに線形フィッティングし、弾性領域の応力−歪み方程式を求め、決定係数R=0.999を用いて比例限界を求め、二次方程式を用いて塑性領域の応力−歪み方程式にフィッティングし、Mathematica 9ソフトウェアで積分を行ってW01とW12を求め、脆さ=W01/(W01+W12)、W01は弾性領域の吸収エネルギーで、W12は塑性領域の吸収エネルギーで、単位はいずれもN×mmであり、試験結果を表5に示す。
【0051】
【表5】
【0052】
表5から明らかなように、本発明の方法で作製した板材は、対照例に比べて脆さが低く、実施例1では、2回の圧密により板材の脆さが低下し、実施例3では、水冷で板材の脆さがさらに低下し、実施例4では、本発明の加圧速度を用いて作製した板材の脆さは、実施例3よりも低く、対照例1及び2では、1回の圧密しか行っていなく、対照例1では、水冷ステップを削除した結果、対照例1及び対照2で作製した板材は脆さが上昇し、対照例3は本発明の方法の他のステップやパラメータを変更し、その脆さも多少に上昇した。
(試験例3)寸法安定性試験
【0053】
実施例4−6で作製した板材について、GB/T 35913−2018「床暖房用実木床技術仕様」を用いて、各群に3本の平行サンプル、耐熱、耐湿の寸法安定性試験を行い、厚さの変化を測定し、試験結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
表6から明らかなように、本発明の実施例6は、さらに乾燥処理を行うことにより、板材の寸法安定性を顕著に向上させることができ、実施例4−5では、乾燥処理ステップを削除した結果、作製した板材の寸法安定性が大幅に低下した。
(試験例4)各群の板材の性能測定試験
【0056】
実施例5−8の方法で板材をそれぞれ作製し、比重、縦紋耐圧、縦紋耐引張、曲げ強度、縦紋切断、横紋切断を各種の板材にそれぞれ5つの平行サンプルを測定し、その平均値を求め、考察結果を表7に示す。
【0057】
【表7】
【0058】
表7から明らかなように、本発明の実施例7−8では、さらに水分除去処理を行うことで、板材の諸性能を顕著に向上させることができ、実施例5−6では、1回目の水分除去処理又は2回目の水分除去処理を削除した結果、作製した板材の諸性能がいずれも顕著に低下したことが示された。
【0059】
以上の実施例は、本発明の好ましい実施形態を説明したに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者であれば、本発明の技術的解決手段について行う種々の変形及び改良は、いずれも本発明の特許請求の範囲内である。
図1
図2