特許第6963840号(P6963840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6963840圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器及び圧密木機器の生産ライン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963840
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器及び圧密木機器の生産ライン
(51)【国際特許分類】
   B27K 5/00 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   B27K5/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-52996(P2020-52996)
(22)【出願日】2020年3月24日
(65)【公開番号】特開2021-130296(P2021-130296A)
(43)【公開日】2021年9月9日
【審査請求日】2020年3月24日
(31)【優先権主張番号】202010100409.6
(32)【優先日】2020年2月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517058417
【氏名又は名称】王 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】 佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−011214(JP,A)
【文献】 実開昭55−179806(JP,U)
【文献】 特開2006−116843(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第109808013(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27K 5/00
B27D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器であって、前記機器は、木材を挟持するための鋼板(20)であり、前記鋼板(20)が前記木材を挟持する内側板面にスロット(21)が設けられ、前記スロット(21)は、縦方向、横方向及び/又は斜め方向に沿って前記板面に敷設され、平行及び/又は千鳥状スロット網状構造を形成し、前記スロット(21)にさらに穴(22)が均等に分布し、前記穴(22)の深さは、前記スロット(21)の深さ以上であり、前記穴(22)の径方向の幅は、前記スロット(21)の幅よりも大きい、ことを特徴とする圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器。
【請求項2】
前記穴(22)の水平断面が円形、長方形、楕円形、三角形、菱形、その他の規則的な形状構造、又は不規則な形状構造であり、前記穴(22)は深さが5−20mm、径方向の幅が5−15mmであり、隣接する前記穴(22)の間隔は30−50mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器。
【請求項3】
前記スロット(21)は、前記板面に千鳥状に敷設され、前記穴(22)は、前記スロット(21)の交差点及び端部に設けられ、前記スロット(21)の横断面は、円弧状、V字状、長方形、または波形状であり、前記スロット(21)の深さが3−10mmであり、径方向の幅が2−10mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器。
【請求項4】
前記鋼板(20)が前記木材を挟持する内側板面に1層の鉄網(3)がさらに設けられ、前記鉄網(3)は、前記鋼板(20)が前記木材を挟持する内側板面に直接放置して又は電気溶接により前記鋼板(20)に固定され、前記鉄網(3)は、厚さが1−5mmであり、前記鉄網(3)内の網目(30)の大きさは、1−5mmであり、
前記網目(30)の間の間隔は、網目(30)の大きさ以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器。
【請求項5】
前記木材を挟持する下鋼板のスロット(21)は、少なくとも一部分が鋼板の縁部までに連接し前記鋼板(20)が前記木材を挟持する内側板面の周縁に凹部(26)が穿設される、ことを特徴とする請求項1に記載の圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器。
【請求項6】
効率的な圧密木機器の生産ラインであって、
請求項1−6に記載の鋼板(20)に挟持された木材を搬送チェーンステーションに配置するように構成し、前記木材の加工終了後に挟持した鋼板(20)から木材を取り出し、ここで、前記鋼板(20)は、木材を挟持するための上鋼板と下鋼板とを含み、前記上鋼板、木材、下鋼板は加工モジュールを構成する投入取出部(40)と、
高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱軟化させるサブ高周波軟化部(50)と、
高周波発熱装置、圧力機を配置して軟化処理後の木材をそれぞれ加熱及び圧密を継続して行うメイン高周波プレス部(51)と、
水冷装置を配置して圧縮後の木材を一次冷却する強冷水冷却部(60)と、
風冷装置を配置して一次冷却された木材を二次冷却する風冷部(61)と、
木材を室温状態で室温冷却する室温冷却部(62)と、
木材を放置して恒温養生処理するように構成された養生部(70)と、
養生処理された木材に対して表面皮膜の溶接処理を高周波加熱で行うように構成された高周波発生部(80)と、
前記加工モジュールを収容するように構成され、前記投入取出部(40)、サブ高周波軟化部(50)、メイン高周波プレス部(51)、強冷水冷却部(60)、風冷部(61)、室温冷却部(62)、養生部(70)及び高周波発生部(80)を順に貫通し、前記加工モジュールを循環搬送する搬送チェーンを備える移動装置(100)と、
各部の電気機械制御システムを接続する操作装置とを含む、ことを特徴とする効率的な圧密木機器の生産ライン。
【請求項7】
前記生産ラインは、木材排水濾過装置(200)をさらに含み、前記木材排水濾過装置(200)は、濾過室(201)を含み、前記濾過室(201)の後端面の中間部に給水口(202)が設けられ、前端面に排水口(206)が設けられ、前記濾過室(201)の内部には、前記後端から前端方向に向けて濾過網(203)の孔径が順次小さくなるように平行に配列された1−3本の濾過網(203)が設けられ、前記濾過室(201)の前端には、上方に向けて螺旋状に延びる排水パイプ(204)が設けられ、前記排水パイプ(204)のノズルは、ベルマウス(205)であり、前記ベルマウス(205)は、その開口を濾過室(201)の排水口(206)に係合するように傾斜して設けられ、前記排水パイプ(204)の前端には、水ポンプ(207)が設けられ、
前記移動装置(100)の搬送チェーンの下方には、水受皿(102)が設けられ、前記水受皿(102)の一方の側は、パイプスロット又は配管を介して、前記木材排水濾過装置(200)の給水口(202)に接続され、前記水受皿(102)の盤面は、他方の側からパイプスロット又は配管が設けられた側にかけて徐々に下方に傾斜する、ことを特徴とする請求項6に記載の効率的な圧密木機器の生産ライン。
【請求項8】
前記投入取出部(40)は搬送チェーンの両端に設けられた投入端(41)と取出端(42)とを含み、前記投入端(41)の搬送チェーンの上方に予備加熱システムが設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の効率的な圧密木機器の生産ライン。
【請求項9】
前記養生部(70)は、木材を収容するための複数の回転フレームを含んで構成され、各回転フレームは、並置された2つの楕円構造の鉛直回転伝動フレーム(710)を含み、各前記鉛直回転伝動フレーム(710)は、環状のガイドホイールレール(711)と、前記ガイドホイールレール(711)に設けられたガイドホイールユニットと、前記ガイドホイールレール(711)の底部に設けられた歯形スプロケット(719)とを含み、2つの前記鉛直回転伝動フレーム(710)の歯形スプロケット(719)は、伝動軸(712)によって固定的に接続され、前記ガイドホイールユニットの外側には、木材受板(740)が接続され、木材受板(740)は接続点を中心に回転可能であり、各回転フレームの2つの前記木材受板(740)は、接続棒により固定的に接続され、
好ましくは、前記ガイドホイールレール(711)は、インナーレール(713)とアウターレール(714)とを含み、前記インナーレール(713)は、外側辺が内凹に形成されたレール溝であり、前記レール溝の側壁の外端が中央に張り出してストッパー(715)が形成され、前記アウターレール(714)は、一対のレールが対向して設けられた単線レールからなり、
前記ガイドホイールユニットは、1つ又は2つのガイドホイール(729)と、前記ガイドホイール(729)に接続された接続フレーム(728)とを含み、前記ガイドホイール(729)は、横向きに設置された工字状構造の中間軸柱(720)と、前記中間軸柱(720)の両端に相対回転可能に嵌着されたガイドホイール本体(721)と、前記中間軸柱(720)の中間部に嵌着された受けベアリング(722)とを含み、前記受けベアリング(722)の前後端には装着耳(723)が外向きに延設され、前記ガイドホイールレール(711)の全ての間には歯形板チェーン(724)により接続され、前記歯形板チェーン(724)は装着耳(723)に固定されて、歯を外向きにし、前記歯形板チェーン(724)の歯が前記歯形スプロケット(719)の歯と噛合し、前記接続フレーム(728)一端は、前記中間軸柱(720)の外側にネジ又はボルトによって固定され、前記接続フレーム(728)は前記アウターレール(714)の外側にあり、
前記木材受板(740)は、枠体(741)を含み、各回転フレームの2つの前記木材受板(740)の枠体(741)の側辺の棒は接続フレームにより接続され、前記枠体(741)の下側の棒は、断面を円形とし、その上部に木材(1)を収容するローラー(742)が嵌合され、前記枠体(741)の上側の棒の中間部に取付け孔が設けられ、前記接続フレーム(728)の他端が前記取付け孔に枢着され、前記接続フレーム(728)が水平方向において前記木材(1)を遮ることがなく、前記鉛直回転伝動フレーム(710)の外側には、環状固定レール(750)がさらに設けられ、前記枠体(741)の上側の棒の外側端部は、前記環状固定レール(750)に枢着され、
前記回転フレームの底部には、前記鉛直回転伝動フレーム(710)を固定するための台座(760)がさらに設けられ、
好ましくは、前記枠体(741)のローラー位置に対応する下側の棒の上辺に重量測定装置(76)が設けられ、2つの前記木材受板(740)を接続する伝動軸(712)の下方には、含水量測定計(77)が固定され、各前記回転フレームに検出モジュールが設けられ、前記検出モジュールは、前記重量測定装置(76)と含水量測定計(77)とを接続するワンチップマイコン(780)と、前記ワンチップマイコン(780)に接続する警報ユニット(781)と通信ユニット(782)とを含み、各前記木材受板(740)にはそれぞれ唯一のラベルが設けられ、前記唯一のラベルは下側の棒の露出部位に設けられてもよく、これに対応して台座(760)にラベルセンサーが設けられ、前記ラベルセンサーの感知部は、唯一のラベル位置に向けられ、前記ラベルセンサーは、前記ワンチップマイコン(780)に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の効率的な圧密木機器の生産ライン。
【請求項10】
枠体(741)の下側の棒のローラー(742)側辺に電動プッシャー(79)が設置され、
前記室温冷却部(62)の搬送チェーンの前端には、輸送フレーム(61)が設けられ、前記輸送フレーム(61)は、横方向搬送レール(611)と、前記横方向搬送レール(611)の上方に設置された上鋼板を掴むためのロボットアーム(612)と、横方向搬送レール(611)の後端に設置された木材(1)を木材受板(740)に向けて押し出すためのフィードプッシャー(613)とを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の効率的な圧密木機器の生産ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木板の加工技術分野に属し、特に、圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器及び当該機器を用いた効率的な圧密木機器の生産ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波(即ち高調波)技術に基づく圧密新型硬木(圧密木)は、優れており、広く使用されて、高周波圧密による木材の軟化が理想的であり、短時間で低エネルギー消費であるが、高周波は超短時間で圧縮されるためスプリングバックの問題が深刻である。特許2019101813488に提案された圧密木に用いられる圧縮型枠は、単層又は多層の裏漉構造であり、当該圧縮型枠を木材の両側に裏漉構造を設けて出水率を高める。しかしながら、この技術では、単層の裏漉構造は、出水率の効果が低く、多層裏漉構造は、単層裏漉を重ねてスポット溶接して組み立てる必要があるが、組み立て過程で、隣接する2枚の裏漉の網目が全て揃いにくいため、スポット溶接後に複合した裏漉の実際の孔が互いに遮蔽して、通り抜けることができず、木材の排水効果が不十分となり、また木材の表面含水量の違いにより木材の含水率が不均一となる。一方、特許2019101813488が提案した圧密木材の複合生産ラインは、機器が完全ではなく、木材圧密後の完全なメンテナンス機器が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器を提供し、この機器は、圧密木表面の圧縮水蒸気の均等な排出を達成し、「リバウンド」をよりよく低減させる。また、本発明の他の態様は、この機器を用いた効率的な圧密木機器の生産ラインを開示し、木材の検出、加熱圧縮、冷却、木材の養生、及び自動接合などのプロセスが整然とした全体に構築し、一連の自動化的、加工効率の高い生産システムを構築する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の具体的な技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0005】
本発明は、圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器を提供し、前記機器は、木材を挟持するための鋼板であり、前記鋼板の前記木材に接触する板面にスロットが設けられ、前記スロットは、縦方向、横方向及び/又は斜め方向に沿って前記板面に敷設され、平行及び/又は千鳥状スロット網状構造を形成し、前記スロットにさらに穴が均等に分布し、前記穴の深さは、前記スロットの深さ以上であり、前記穴の径方向の幅は、前記スロットの径方向の幅よりも大きい。
【0006】
一改良の技術的解決手段において、前記スロットは、前記板面に千鳥状に敷設され、前記穴は、前記スロットの交差点及び端部に設けられ、前記スロットの横断面は、円弧状、V字状、長方形、波形状であり、前記スロットの深さが3−10mmであり、径方向の幅が2−10mmである。
【0007】
別の改良の技術的解決手段において、前記鋼板の前記木材に接触する板面に鉄網1層がさらに設けられ、前記鉄網は、前記鋼板を前記木材に接触する板面に直接放置して又は電気溶接により前記鋼板に固定される。
【0008】
本発明の他の態様は、効率的な圧密木機器の生産ラインを開示し、
上記鋼板に挟持された木材を搬送チェーンステーションに配置するように構成し、前記木材の加工終了後に挟持した鋼板から木材を取り出し、ここで、前記鋼板は、木材を挟持するための上鋼板と下鋼板とを含み、前記上鋼板、木材、下鋼板は加工モジュールを構成する投入取出部と、
高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱軟化させるサブ高周波軟化部と、
高周波発熱装置、圧力機を配置して軟化処理後の木材をそれぞれ加熱及び圧密を継続して行うメイン高周波プレス部と、
水冷装置を配置して圧縮後の木材を一次冷却する強冷水冷却部と、
風冷装置を配置して一次冷却された木材を二次冷却する風冷部と、
木材を室温状態で室温冷却する室温冷却部と、
木材を放置して恒温養生処理するように構成された養生部と、
養生処理された木材に対して表面皮膜の溶接処理を高周波加熱で行うように構成された高周波発生部と、
前記加工モジュールを収容するように構成され、前記投入取出部、サブ高周波軟化部、メイン高周波プレス部、強冷水冷却部、風冷部、室温冷却部、養生部及び高周波発生部を順に貫通し、前記加工モジュールを循環搬送する搬送チェーンを備える移動装置と、
各部の電気機械制御システムを接続する操作装置とを含む。
【0009】
本発明は、圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器をさらに提供し、鋼板の構造の改良に伴い、鋼板に穴が設けられ、穴の間にスロットが設けられ、従来の裏漉よりも剛性が高く、水蒸気の制御がより正確となり、特に木材を圧縮して排出された水蒸気を穴から除去するだけでなく、穴を通して木材表面の含水率をより均等にすることができ、圧縮木表面の圧縮水蒸気をより均等に排出することができ、「リバウンド」をよりより低減させる上で有利となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にて提供された高周波圧密木材の生産ラインは、生産ラインを用いた生産パターンであり、木材の検出、加熱圧縮、冷却、木材の養生、及び自動接合などのプロセスが整然とした全体に構築し、木材の搬送時間を大幅に減少させ、企業の規模生産レベルを向上させる。また、本発明の生産ラインは、木材の養成部に対する改良が、木材の養成を全自動監視、管理することにより、生産効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第1類実施形態の構造概略図である。
図1b】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第1類実施形態の構造概略図である。
図1c】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第1類実施形態の構造概略図である。
図1d】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第1類実施形態の構造概略図である。
図2a】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第2類実施形態の構造概略図である。
図2b】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第2類実施形態の構造概略図である。
図2c】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第2類実施形態の構造概略図である。
図3】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第3類実施形態の構造概略図である。
図4a】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第4類実施形態の構造概略図である。
図4b】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第4類実施形態の構造概略図である。
図5a】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第5類実施形態の構造概略図である。
図5b】圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器の第5類実施形態の構造概略図である。
図6】効率的な圧密木機器の生産ラインの構造概略図である。
図7】木材排水濾過装置の構造概略図である。
図8】鉛直回転伝動フレームの一実施形態の構造概略図である。
図9】ガイドホイールユニット、ガイドホイールレール及び木材受板の組み立て構造概略図である。
図10】ガイドホイールユニット、ガイドホイールレールの組み立ての内部構造概略図である。
図11】プレートチェーンの一実施形態の断面構造概略図である。
図12】プレートチェーン取り付けの一実施形態の断面構造概略図である;
図13】ガイドホイールユニット、ガイドホイールレール及び木材受板の組み立て構造の他の概略図である。
図14】養生部検出システムの構造概略図である。
図15】室温冷却部から養生部までの自動運送装置の構造である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、圧密木表面の圧縮水蒸気を均等に排出する機器であり、前記機器は、木材を挟持するための鋼板20であり、前記鋼板20の前記木材に接触する板面にスロット21が設けられ、前記スロット21は、縦方向、横方向及び/又は斜め方向に沿って前記板面に敷設され、平行及び/又は千鳥状スロットネットワーク構造を形成し、図1a−図1dに示すように、平行態様には、スロット平行と長方形スロットが同軸である場合が含まれる。
【0013】
一改良例において、図2a−図2cに示すように、前記スロット21に穴22が均等に分布し、前記穴22の深さは、前記スロット21の深さ以上であり、前記穴22の径方向の幅は、前記スロット21の径方向の幅よりも大きい。前記穴は、排水点で排水するだけでなく、互いに接続する構造は、水分の分布をより均等にし、即ち木材表面の含水率をより均等にすることができ、リバウンド率をより低減させることができる。
【0014】
なお、前記穴22の水平断面が円形、長方形、楕円形、三角形、菱形、その他の規則的な形状構造、又は不規則な形状構造であり、前記穴22は深さが5−20mm、径方向の幅が5−15mmであり、隣接する前記穴22の間隔は30−50mmである。
【0015】
さらに、前記スロット21は、前記板面に千鳥状に敷設され、前記穴22は、前記スロット21の交差点及び端部に設けられ、前記スロット21の横断面は、円弧状、V字状、長方形、波形状であり、前記スロット21の深さが3−10mmであり、径方向の幅が2−10mmである。
【0016】
別の改良例において、前記スロット21は環状構造であり、複数の環状構造のスロット21は互いに周回して1つの環状ユニットを形成し、前記板面に1−6個の環状ユニットが均等に分布し、好ましい一例では、図3に示すように、前記環状ユニットの中心部にストライプ状のスロット23が設けられる。
【0017】
一例において、前記木材を挟持する下鋼板のスロット21は、少なくとも一部分が鋼板の縁部まで突出し、前記鋼板20の前記木材1に接触する板面の周縁に環状凹角26が穿設される。
【0018】
上記手段において、直接で鋼板構造表面をスロットに改良することにより、層間網板の使用を省き、機器をさらに簡易化し、スロットの間の網目構造により水蒸気分散を行い、水蒸気分布の均等化をさらに向上させ、木材のリバウンド率を従来技術よりもさらに低くなる。
【0019】
別の例において、図5a−図5bに示すように、上下の圧板の孔に木材が詰まるのを防止するために、前記鋼板20の前記木材に接触する板面に1層の鉄網3がさらに設けられ、前記鉄網3は、前記鋼板20を前記木材1に接触する板面に直接放置して又は電気溶接により前記鋼板20に固定され、前記鉄網3は、厚さが1−5mmであり、前記鉄網3内の網目30の大きさは、1−5mmであり、好ましくは、前記網目30間の間隔は、網目30の大きさ以上である。この鉄網は、1層構造の薄いものを使用して、木材を圧密する際に木材がスロットや穴を塞ぐことを回避することができ、また、鉄網を厚くしすぎたり、多層にすると排水の分布の均等化効果に影響する。
【0020】
なお、本発明の鋼板構造の技術的解決手段は、熱圧板の直圧だけでなくロールプレスにも適用可能であり、熱源として高周波だけでなく、熱伝導オイルにも適用可能である。
【0021】
本発明の別の態様は、効率的な圧密木機器の生産ラインを開示し、図6に示すように、
上記鋼板20に挟持された木材を搬送チェーンステーションに配置するように構成し、前記木材の加工終了後に挟持した鋼板20から木材を取り出し、ここで、前記鋼板20は、木材を挟持するための上鋼板と下鋼板とを含み、前記上鋼板、木材、下鋼板は加工モジュールを構成する投入取出部40と、
高周波発熱装置を配置して前記加工モジュールを加熱軟化させるサブ高周波軟化部50と、
高周波発熱装置、圧力機を配置して軟化処理後の木材をそれぞれ加熱及び圧密を継続して行うメイン高周波プレス部51と、
水冷装置を配置して圧縮後の木材を一次冷却する強冷水冷却部60と、
風冷装置を配置して一次冷却された木材を二次冷却する風冷部61と、
木材を室温状態で室温冷却する室温冷却部62と、
木材を放置して恒温養生処理するように構成された養生部70と、
養生処理された木材に対して表面皮膜の溶接処理を高周波加熱で行うように構成された高周波発生部80と、
前記加工モジュールを収容するように構成され、前記投入取出部40、サブ高周波軟化部50、メイン高周波プレス部51、強冷水冷却部60、風冷部61、室温冷却部62、養生部70及び高周波発生部80を順に貫通し、前記加工モジュールを循環搬送する搬送チェーンを備える移動装置100と、
各部の電気機械制御システムを接続する操作装置とを含む。
【0022】
なお、出願人が先に出願した特許2019101813488には、投入取出部40、サブ高周波軟化部50、メイン高周波プレス部51、強冷水冷却部60、風冷部61の具体的な構造が詳細に開示されており、高周波加熱機器の具体的な構造も開示されているが、本発明の改良は、生産ラインに室温冷却と養生部の機器を追加することにあるが、既存機器の具体的な構造や原理については、本実施例では具体的に記述しない。
【0023】
一改良例において、図7に示すように、生産ラインにおいて高周波加熱圧密圧縮の排水を自動化処理し、前記生産ラインは、木材排水濾過装置200をさらに含み、前記木材排水濾過装置200は、濾過室201を含み、前記濾過室201の後端面の中間部に給水口202が設けられ、前端面に排水口206が設けられ、前記濾過室201の内部には、前記後端から前端方向に向けて濾過網203の孔径が順次小さくなるように平行に配列された1−3本の濾過網203が設けられ、前記濾過室201の前端には、上方に向けて螺旋状に延びる排水パイプ204が設けられ、前記排水パイプ204のノズルは、ベルマウス205であり、前記ベルマウス205は、その開口を濾過室201の排水口206に係合するように傾斜して設けられ、前記排水パイプ204の前端には、水ポンプ207が設けられ、ここで、濾過室の螺旋状に上昇した排出管は、水中の不純物が重力の作用下に沈降する。
【0024】
これに対応して、前記移動装置100の搬送チェーンの下方には、水受皿102が設けられ、前記水受皿102の一方の側は、パイプスロット又は配管を介して、前記木材排水濾過装置200の給水口202に接続され、前記水受皿102の盤面は、他方の側からパイプスロット又は配管が設けられた側にかけて徐々に下方に傾斜する。具体的な設計過程において、水受皿は、サブ高周波軟化部50、メイン高周波プレス部51、強冷水冷却部60の数カ所の搬送チェーンの下方に設置され、自動排水、濾過及び圧密排水の回収を達成する。
【0025】
高周波圧密過程の効率をさらに向上させるために、前記投入取出部40は搬送チェーンの両端に設けられた投入端41と取出端42とを含み、前記投入端41の搬送チェーンの上方に予備加熱システムが設けられ、木材を投入した後に加熱することによって効率を向上させることができる。
【0026】
図8に示すように、前記養生部70は、木材を収容するための複数の回転フレームを含んで構成され、各回転フレームは、並置された2つの楕円構造の鉛直回転伝動フレーム710を含み、各前記鉛直回転伝動フレーム710は、環状のガイドホイールレール711と、前記ガイドホイールレール711に設けられたガイドホイールユニットと、前記ガイドホイールレール711の底部に設けられた歯形スプロケット719とを含み、2つの前記鉛直回転伝動フレーム710の歯形スプロケット719は、伝動軸712によって固定的に接続され、前記ガイドホイールユニットの外側には、木材受板740が接続され、木材受板740は接続点を中心に回転可能であり、各回転フレームの2つの前記木材受板740は、接続棒により固定的に接続される。本発明の構造の回転フレームは、木材を多層積み上げて養生部の空間を十分に活用し、木材受板の回転フレームの上下を往復して回転することにより、高層木材の現場での検出、木材の位置の簡易な交換を達成し、木材の種類に応じた具体的な操作、簡易な出し入れなどを可能にする。
【0027】
一具体例において、図9に示すように、前記ガイドホイールレール711は、インナーレール713とアウターレール714とを含み、前記インナーレール713は、外側辺が内凹に形成されたレール溝であり、前記レール溝の側壁の外端が中央に張り出してストッパー715が形成され、前記アウターレール714は、一対のレールが対向して設けられた単線レールからなる。
【0028】
前記ガイドホイールユニットは、1つ又は2つのガイドホイール729と、前記ガイドホイール729に接続された接続フレーム728とを含み、図10に示すように、前記ガイドホイール729は、横向きに設置された工字状構造の中間軸柱720と、前記中間軸柱720の両端に相対回転可能に嵌着されたガイドホイール本体721と、前記中間軸柱720の中間部に嵌着された受けベアリング722とを含み、前記受けベアリング722の前後端には装着耳723が外向きに延設され、図12に示すように、前記ガイドホイールレール711の全ての間には歯形板チェーン724により接続され、前記歯形板チェーン724は装着耳723に固定されて、歯を外向きにし、前記歯形板チェーン724の歯が前記歯形スプロケット711の歯と噛合し、前記接続フレーム728一端は、前記中間軸柱720の外側にネジ又はボルトによって固定され、前記接続フレーム728は前記アウターレール714の外側にある。歯形板チェーン構造は、従来の構造であり、図11に示す。
【0029】
さらに好ましい例では、図8に示すように、前記木材受板740は、枠体741を含み、各回転フレームの2つの前記木材受板740の枠体741の側辺の棒は接続フレームにより接続され、前記枠体741の下側の棒は、断面を円形とし、その上部に木材1を収容するローラー742が嵌合され、前記枠体741の上側の棒の中間部に取付け孔が設けられ、前記接続フレーム728の他端が前記取付け孔に枢着され、前記接続フレーム728が水平方向において前記木材1を遮ることがなく、前記鉛直回転伝動フレーム710の外側には、環状固定レール750がさらに設けられ、前記枠体741の上側の棒の外側端部は、前記環状固定レール750に枢着され、木材受板及びその走行軌跡を環状固定レールによって一層安定させる。前記回転フレームの底部には、前記鉛直回転伝動フレーム710を固定するための台座760がさらに設けられる。
【0030】
他の改良例において、前記枠体741のローラー位置に対応する下側の棒の上辺に重量測定装置76が設けられ、2つの前記木材受板740を接続する伝動軸712の下方には、含水量測定計77が固定され、各前記回転フレームに検出モジュールが設けられ、システム構成は図14に示され、前記検出モジュールは、前記重量測定装置76と含水量測定計77とを接続するワンチップマイコン780と、前記ワンチップマイコン780に接続する警報ユニット781と通信ユニット782とを含む。各前記木材受板にはそれぞれ唯一のラベルが設けられ、前記回転フレームの底部には、ワンチップマイコンに接続されたラベルセンサーが設けられ、変位ラベルの特定のコードを取得し、同時に測定された含水率データと共に通信ユニットによって処理センターにアップロードし、各木材の含水率、重量などのデータを養生中にリアルタイムに具体的に検出することを可能にし、また、検出システムにおけるワンチップマイコンには、木材指標が最終目標に達した場合に、対応する警報を警報ユニットによって発するように、また、木材指標が予め設定された範囲内にない場合に、対応する警報を警報ユニットによって発するように、警報ラインが設けられる。
【0031】
なお、本発明の養生部内には、同一水平線上の回転フレームが木材受板の同一水平線の整列を可能にするマトリクス状に配列された回転フレームが複数設置され、さらに、枠体741の下側の棒のローラー742側辺に電動プッシャー79が設置され、図13に示す。前の回転フレームは、電動プッシャーによって木材受板上の木材を次の回転フレームの木材受板にプッシュして生産ラインにおける木材の搬送を達成する。
【0032】
搬送チェーンの自動運送システムをさらに最適化し、図15に示すように、前記室温冷却部60の搬送チェーンの前端には、輸送フレーム61が設けられ、前記輸送フレーム61は、横方向搬送レール611と、前記横方向搬送レール611の上方に設置された上鋼板を掴むためのロボットアーム612と、横方向搬送レール611の後端に設置された木材1を木材受板740に向けて押し出すためのフィードプッシャー613とを含み、この手段において、前記回転フレームの側辺を横方向搬送レールに対応して配置し、横方向搬送レールに対応するフィード位置が設けられ、直接フィードプッシャーによって木材を回転フレームの木材受板に押し込み、木材受板を回転させて次の木材を入れることができる。
【0033】
(試験例1)多孔板の圧密性を増加させる性能指標考察
150*100*40mmのポプラ18枚を採取し、圧縮前含水率を13.5−14.3%として測定し、そのうち、3枚の平面鋼板+3層の網板で木材を挟持して対照群とし、15枚を試験群として3群に均等に分けられ、図2a、図2a及び図2cに示す鋼板をそれぞれ用い、穴の径が1CMであり、穴の間が3−5CMのピッチでマトリックス状に配列され、本発明の対照群及び試験群の上圧板は、いずれも長さ1.5メートル、幅1メートル、厚さ4CMであり、下圧板は、長さ1.5メートル、幅1メートル、厚さ6CMである。高周波圧密試験機を用いて圧密を行い、圧密過程パラメータは、1回目加熱温度120℃、時間2min、アノード電流1.0A/55、2回目加熱温度130℃、時間12min、アノード電流0.8A/45、3回目加熱温度180℃、時間32min、アノード電流0.8A/45とする。
【0034】
4角位置A、B、C、D、中心点Oのように、圧密木層に5点ずつを均等に採取し、各点の含水率を測定し、平均含水率の大きさを算出し、考察結果を表1に示す。
【0035】
【0036】
表1から明らかなように、本発明の鋼板圧密化の技術的解決手段により、含水率を大幅に向上させ、本発明の方法の含水率は3%以下、最適には1.9%まで低減でき、含水率分布データから、図2cに対応する試験群の含水率の分布がより均衡していることがわかる。
【0037】
以上に記載した実施形態は、当該技術的解決手段の保護範囲を限定するものではない。上記実施形態の精神と原理に含まれるあらゆる修正、同等の置換及び改良などは、いずれも当該技術的解決手段の保護範囲内に含まれるべきである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15