【実施例】
【0288】
XRPD(X線粉末回折)
【0289】
HI−STAR2次元検出器および平面グラファイトモノクロメーターを備えた、Bruker D8 DISCOVER粉末回折計で化合物1の形態IのX線回折(XRD)データを採集した。Kα照射によるCu封管は、40kV、35mAで使用した。試料は25℃でゼロバックグラウンドのシリコンウェハ上に置いた。各試料について、2つの異なるθ
2角度8°および26°で、120秒ずつで2つのデータフレームを採集した。これらのデータは、GADDSソフトウェアにより積分し、DIFFRACT
plusEVAソフトウェアにより融合した。報告されたピーク位置の不確定性は、±0.2度である。
【0290】
示差走査熱量測定(DSC)
【0291】
化合物1の形態Iの示差走査熱量測定(DSC)データは、DSC Q100 V9.6 Build290(TA Instruments、New Castle、DE)を使用して採集した。温度は、インジウムを用いて校正し、熱容量はサファイアを用いて校正した。3〜6mgの試料を、ピンホールを1つ有する蓋を使用してクランプしたアルミニウム製パンに秤量した。試料を1.0℃/分の加熱速度および50ml/分の窒素ガスをパージして、25℃から350℃までスキャンした。データはThermal Advantage Q Series(商標)バージョン2.2.0.248ソフトウェアにより採集し、Universal Analysisソフトウェアバージョン4.1D(TA Instruments、New Castle、DE)により解析した。報告された数は、1回の解析を表す。
【0292】
化合物1の形態Iの単結晶構造の決定
【0293】
回折データは、封管したCu K−アルファ源およびApex II CCD検出器を備えたBruker Apex II回折計で取得した。SHELXプログラム(Sheldrick, G.M.、Acta Cryst.、(2008年)A64巻、112〜122頁)を使用して構造を解き、精密化した。消滅則および強度統計に基づいて、構造を解き、P2
1/n空間群に精密化した。
【0294】
Vitride(登録商標)(水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム[またはNaAlH
2(OCH
2CH
2OCH
3)
2]、トルエン中65重量%溶液)は、Aldrich Chemicalsから購入した。
【0295】
2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸は、Saltigo(Lanxess Corporationの関連会社)から購入した。
【0296】
化合物1の調製
【0297】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−メタノールの調製。
【化34】
【0298】
市販の2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボン酸(1.0当量)をトルエン(10体積)中でスラリーにした。Vitride(登録商標)(2当量)を15〜25℃の温度を維持する速度で、滴下漏斗により加えた。添加の終了時に、温度を40℃まで2時間(h)上昇させ、次に、40〜50℃の温度を維持しながら、滴下漏斗により10%(w/w)水性(aq)NaOH(4.0当量)を注意深く加えた。さらに30分間(min)撹拌した後、層を40℃で分離した。有機相を20℃まで冷却し、次に、水(2×1.5体積)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)して濾過し、濃縮すると、粗製(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−メタノールが得られ、これを次のステップに直接使用した。
【0299】
5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールの調製
【化35】
【0300】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−メタノール(1.0当量)をMTBE(5体積)に溶解した。触媒量の4−(N,N−ジメチル)アミノピリジン(DMAP)(1mol%)を加え、SOCl
2(1.2当量)を滴下漏斗により加えた。反応器内の温度を15〜25℃に維持する速度で、SOCl
2を加えた。温度を30℃まで1時間、上昇させて、次に、20℃まで冷却した。温度を30℃未満に維持しながら、水(4体積)を滴下漏斗により加えた。さらに30分間撹拌した後、層を分離した。有機層を撹拌し、10%(w/v)の水性NaOH(4.4体積)を加えた。15〜20分間撹拌した後、層を分離した。次に、有機相を乾燥(Na
2SO
4)して濾過し、濃縮すると、粗製5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソールが得られ、これを次のステップで直接使用した。
【0301】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリルの調製。
【化36】
【0302】
DMSO(3体積)中のNaCN(1.4当量)のスラリーに、30〜40℃の間の温度を維持しながら、5−クロロメチル−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(1当量)のDMSO(1.25体積)溶液を加えた。この混合物を1h、撹拌し、次に、水(6体積)、次いでメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(4体積)を加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。水層をMTBE(1.8体積)により抽出した。合わせた有機層を水(1.8体積)により洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)して濾過し、濃縮すると粗製(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリル(95%)が得られ、これを次のステップに直接使用した。
【0303】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1−エチルアセテート−アセトニトリルの合成
【化37】
【0304】
反応器を窒素によりパージし、900mLのトルエンを投入した。溶媒を16時間以上、窒素散布することにより脱気した。次に、この反応器に、Na
3PO
4(155.7g、949.5mmol)、続いてビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(7.28g、12.66mmol)を投入した。10%w/wのtert−ブチルホスフィンのヘキサン溶液(51.23g、25.32mmol)を窒素パージした滴下漏斗から10分間かけて23℃で投入した。この混合物を50分間撹拌し、この時点で、5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(75g、316.5mmol)を1分間かけて加えた。さらに50分間撹拌した後、この混合物にシアノ酢酸エチル(71.6g、633.0mmol)を5分間かけて、次いで水(4.5mL)を1回で投入した。この混合物を40分間かけて、70℃まで加熱し、1〜2時間毎にHPLCにより、反応物の生成物への変換率を分析した。完全な変換を観察(通常、5〜8時間後に100%変換)した後、この混合物を20〜25℃まで冷却し、セライトパッドにより濾過した。このセライトパッドをトルエン(2X450mL)によりすすぎ、合わせた有機物を60〜65℃で真空下、300mLまで濃縮した。濃縮物にDMSO225mLを投入し、溶媒の活発な蒸留が終わるまで、70〜80℃で真空下で濃縮した。この溶液を20〜25℃まで冷却し、ステップ2の準備のために、DMSOにより900mLまで希釈した。
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.16 - 7.10 (m, 2H), 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.19 (m, 2H), 1.23 (t, J = 7.1 Hz, 3H)。
【0305】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリルの合成。
【化38】
【0306】
上記から得られた(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1−エチルアセテート−アセトニトリルのDMSO溶液に3N HCl(617.3mL、1.85mol)を、内部温度を<40℃に維持しながら、20分間かけて投入した。次に、この混合物を1時間かけて、75℃まで加熱し、1〜2時間毎にHPLCにより変換%を分析した。>99%の変換が観察(通常、5〜6時間後)された場合、この反応物を20〜25℃まで冷却し、抽出中、完全な相分離となるのに十分な時間で、MTBE(2X525mL)により抽出した。合わせた有機抽出物を5%NaCl(2X375mL)により洗浄した。次に、この溶液を、冷却した受器のフラスコを備えた、1.5〜2.5Torrの真空蒸留に適した機器に移した。溶液を真空下、<60℃で濃縮し、溶媒を除去した。次に、得られた油状物から、125〜130℃(オーブン温度)および1.5〜2.0Torrで(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリルを蒸留した。(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリルを透明な油状物として、5−ブロモ−2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール(2ステップ)から66%の収率で単離し、HPLC純度は91.5%AUC(95%のw/wアッセイに相当)であった。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.44 (br s, 1H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 4.07 (s, 2H)。
【0307】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリルの調製。
【化39】
【0308】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−アセトニトリル(1.0当量)、50重量%水性KOH(5.0当量)、1−ブロモ−2−クロロエタン(1.5当量)、およびOct
4NBr(0.02当量)からなる混合物を70℃で1時間、加熱した。この反応混合物を冷却し、次にMTBEおよび水により後処理した。有機相を水およびブラインにより洗浄した。溶媒を除去すると、(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリルが得られた。
【0309】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸の調製。
【化40】
【0310】
(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニトリルは、エタノール(5体積)中、6M NaOH(8当量)を使用して、80℃で一晩、加水分解した。この混合物を室温まで冷却し、エタノールを真空下で蒸発させた。残留物を水およびMTBEにとり、1M HClを加えて層を分離した。次に、MTBE層をジシクロヘキシルアミン(DCHA)(0.97当量)により処理した。このスラリーを0℃まで冷却し、濾過してヘプタンにより洗浄すると対応するDCHA塩が得られた。この塩をMTBEおよび10%クエン酸に入れ、固体がすべて溶解するまで撹拌した。この層を分離し、MTBE層を水およびブラインにより洗浄した。溶媒をヘプタンに交換して、次いで濾過すると、50℃で一晩、真空オーブンで乾燥した後に、1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸が得られた。
【0311】
1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボニルクロリドの調製。
【化41】
【0312】
トルエン(2.5体積)中で1−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボン酸(1.2当量)をスラリーにし、この混合物を60℃まで加熱した。SOCl
2(1.4当量)を滴下漏斗により加えた。30分後に、反応混合物からトルエンおよびSOCl
2を蒸留した。追加のトルエン(2.5体積)を加え、得られた混合物を再蒸留し、生成物の酸塩化物が、油状物として残り、これをさらに精製することなく使用した。
【0313】
tert−ブチル−3−(3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエートの調製。
【化42】
【0314】
2−ブロモ−3−メチルピリジン(1.0当量)をトルエン(12体積)に溶解した。K
2CO
3(4.8当量)、次いで水(3.5体積)を加えた。N
2流下、1時間、得られた混合物を65℃に加熱した。次に、3−(t−ブトキシカルボニル)フェニルボロン酸(1.05当量)およびPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(0.015当量)を加え、この混合物を80℃まで加熱した。2時間後、この加熱を止め、水(3.5体積)を加え、この層を分離した。次に、この有機相を水(3.5体積)により洗浄し、10%水性メタンスルホン酸(2当量のMsOH、7.7体積)により抽出した。水相を50%水性NaOH(2当量)により塩基性にし、EtOAc(8体積)により抽出した。有機層を濃縮すると、粗製tert−ブチル−3−(3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエート(82%)が得られ、これを次のステップに直接使用した。
【0315】
2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−3−メチルピリジン−1−オキシドの調製。
【化43】
【0316】
tert−ブチル−3−(3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸(1.0当量)をEtOAc(6体積)に溶解した。水(0.3体積)、次いで、尿素−過酸化水素(3当量)を加えた。次に、この混合物に、反応器内の温度を45℃未満に維持する速度で、無水フタル酸(3当量)を固体として小分けにして加えた。無水フタル酸の添加の完了後、この混合物を45℃まで加熱した。さらに4時間撹拌した後、加熱を止めた。10%w/w水性Na
2SO
3(1.5当量)を滴下漏斗により加えた。Na
2SO
3の添加完了後、この混合物をさらに30分間撹拌し、層を分離した。有機層を撹拌し、10%重量/重量水性Na
2CO
3(2当量)を加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。有機相を13%w/v水性NaClにより洗浄した。次に、有機相を濾過して、濃縮すると粗製2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−3−メチルピリジン−1−オキシド(95%)が得られ、これを次のステップで直接使用した。
【0317】
tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエートの調製。
【化44】
【0318】
2−(3−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル)−3−メチルピリジン−1−オキシド(1当量)およびピリジン(4当量)のアセトニトリル(8体積)溶液を70℃に加熱した。75℃未満の温度に維持しながら、メタンスルホン酸無水物(1.5当量)のMeCN(2体積)溶液を滴下漏斗により50分間かけて加えた。添加完了後、この混合物をさらに0.5時間撹拌した。次に、この混合物を周囲温度まで冷却した。エタノールアミン(10当量)を滴下漏斗により加えた。2時間撹拌した後、水(6体積)を加え、この混合物を10℃まで冷却した。3時間撹拌した後、固体を濾過により採集し、水(3体積)、2:1アセトニトリル/水(3体積)およびアセトニトリル(2×1.5体積)により洗浄した。わずかにN
2を流しながら、50℃の真空オーブン中、一定重量(<1%差異)になるまで固体を乾燥すると、tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエートが赤黄色固体(53%の収率)として得られた。
【0319】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエートの調製。
【化45】
【0320】
上記の粗製酸塩化物をトルエン(酸塩化物に対して2.5体積)に溶解し、トルエン(tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエートに対して4体積)中のtert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエート(1当量)、DMAP(0.02当量)、およびトリエチルアミン(3.0当量)からなる混合物に、滴下漏斗により加えた。2時間後、この反応混合物に、水(tert−ブチル−3−(6−アミノ−3−メチルピリジン−2−イル)ベンゾエートに対して4体積)を加えた。30分間撹拌した後、層を分離した。次に、有機相を濾過して濃縮すると、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエート(定量的、粗製物収率)の濃厚な油状物が得られた。アセトニトリル(粗生成物に対して3体積)を加え、結晶化が起こるまで蒸留した。水(粗生成物に対して2体積)を加え、この混合物を2時間撹拌した。この固体を濾過により採集し、アセトニトリル/水(粗生成物に対して2X1体積)1:1(体積基準)により洗浄し、真空下、フィルター上で部分的に乾燥した。わずかにN
2を流しながら、60℃の真空オーブン中、一定重量(<1%の差異)になるまでこの固体を乾燥すると、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエートが褐色固体として得られた。
【0321】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCL塩の調製。
【化46】
【0322】
MeCN(3.0体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエート(1.0当量)のスラリーに、水(0.83体積)、次いで濃水性HCl(0.83体積)を加えた。この混合物を45±5℃に加熱した。24〜48時間撹拌した後、この反応が完了し、この混合物を周囲温度まで冷却した。水(1.33体積)を加え、この混合物を撹拌した。この固体を濾過により採集し、水(2X0.3体積)により洗浄し、真空下、フィルター上で部分的に乾燥した。わずかにN
2を流しながら、60℃の真空オーブン中、一定重量(<1%の差異)になるまでこの固体を乾燥すると、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HClがオフホワイトの固体として得られた。
【0323】
化合物1の
1H NMRスペクトルが
図8に示されており、
図9は、HCl塩としての化合物1の
1H NMRスペクトルを図示している。
【0324】
以下の表2は、化合物Iの
1H NMRデータを列挙している。
【表2-2】
【0325】
化合物1の形態Iの調製
【0326】
化合物1の形態Iの調製、方法A。
【化47】
【0327】
水(10体積)中の3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)安息香酸・HCl(1当量)のスラリーを周囲温度で撹拌した。24時間撹拌した後、試料を採取した。この試料を濾過して、固体を水により洗浄した(2回)。この固体試料をDSC分析に供した。DSC分析により形態Iに完全に変換されたことが示されると、この固体を濾過により採集し、水(2×1.0体積)により洗浄し、真空下、フィルター上で部分的に乾燥した。次に、わずかにN
2を流しながら、60℃の真空オーブン中、一定重量(<1%の差異)になるまでこの固体を乾燥すると、化合物1の形態Iがオフホワイトの固体(98%の収率)として得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.14 (s, 1H), 7.99-7.93 (m, 3H), 7.80-7.78 (m, 1H), 7.74-7.72 (m, 1H), 7.60-7.55 (m, 2H), 7.41-7.33 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 1.53-1.51 (m, 2H), 1.19-1.17 (m, 2H)。
【0328】
化合物1の形態Iの調製、方法B。
【化48】
【0329】
3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエート(1.0当量)のギ酸(3.0体積)溶液を撹拌しながら70±10℃に8時間、加熱した。クロマトグラフ法により、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエートが1.0%AUC以下しか残存していない場合、反応は完了したと見なした。この混合物を周囲温度まで冷却した。この溶液を水(6体積)に加え、50℃に加熱して、この混合物を撹拌した。次に、この混合物を、3−(6−(1−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−メチルピリジン−2−イル)−t−ブチルベンゾエートのレベルが、0.8%以下(AUC)になるまで、70±10℃に加熱した。この固体を濾過により採集し、水(2x3体積)により洗浄し、真空下、フィルター上で部分的に乾燥した。わずかにN
2を流しながら、60℃の真空オーブン中、一定重量(<1%の差異)になるまでこの固体を乾燥すると、化合物1の形態Iがオフホワイトの固体として得られた。
【0330】
化合物1の形態IのDSCトレースを
図10に示している。化合物1の形態Iの融解は、約204℃で起こる。
【0331】
X線回折パターンは、化合物1の形態Iの単結晶構造から計算し、
図1に示されている。表3は、
図1について計算したピークを一覧表示している。
【表3】
【0332】
化合物1の形態Iの実際のX線粉末回折パターンを
図2に示している。表4は、
図2の実際のピークを一覧表示している。
【表4】
【0333】
濃1−ブタノール溶液を0.2℃/分の速度で75℃から10℃まで冷却することにより、化合物1の形態Iの無色結晶が得られた。0.50×0.08×0.03mmの寸法を有する結晶を選択し、鉱物油によりきれいにし、MicroMountにマウントしてBruker APEX IIシステムの中央に置いた。逆格子空間中で分離した40フレームの3つのバッチを得て、配向マトリックスおよび初期セルパラメータを得た。最終的なセルパラメータを得て、全データセットに基づいて精密化した。
【0334】
逆格子空間の回折データセットを得て、それぞれのフレームについて30秒間の曝露を使用して、0.5°のステップを使用し、0.82Åの解像度にした。100(2)Kでデータを収集した。強度の積分およびセルパラメータの精密化をAPEXIIソフトウェアを使用して行った。データ収集後の結晶の観察により、分解の徴候は示されなかった。
【0335】
単結晶X線解析に基づく、化合物1の形態Iの立体構造の写真が
図11に示されている。化合物1の形態Iは、単斜晶系のP
21/nであり、以下の単位セル寸法:a=4.9626(7)Å、b=12.299(2)Å、c=33.075(4)Å、β=93.938(9)°、V=2014.0Å
3、Z=4を有する。構造データから算出される化合物1の形態Iの密度は、100Kで1.492g/cm
3である。
【0336】
化合物2の調製
【0337】
4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(26)の合成
【化49】
【0338】
4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸エチル(25)の調製手順
【化50】
【0339】
エタノールを追い出すために表面下にN
2を流しながら、化合物22(10g、46.3mmol)に化合物23(4.77g、47.7mmol)を30℃未満、0.5時間で滴下して加えた。次に、この溶液を100〜110℃に加熱し、2.5時間撹拌した。この混合物を60℃未満に冷却した後、ジフェニルエーテルを加えた。得られた溶液をジフェニルエーテルに滴下して加え、エタノールを追い出すために表面下にN
2を流しながら、228〜232℃に1.5時間加熱した。この混合物を228〜232℃でさらに2時間撹拌し、100℃未満に冷却して、次に、ヘプタンを加えると生成物が沈殿した。得られたスラリーを30℃で0.5時間撹拌した。次に、この固体を濾過し、ケーキをヘプタンにより洗浄し、真空で乾燥すると、化合物25が褐色固体として得られた。
1H NMR (DMSO-d
6; 400 MHz) δ 12.25 (s), δ 8.49 (d), δ 8.10 (m), δ 7.64 (m), δ 7.55 (m), δ 7.34 (m), δ 4.16 (q), δ 1.23 (t)。
【0340】
4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(26)の調製手順
【化51】
方法1
【0341】
化合物25(1.0当量)をHCl(10.0当量)およびH
2O(11.6体積)の溶液中に懸濁させた。このスラリーを85〜90℃に加熱したが、代替温度もこの加水分解ステップに好適である。例えば、加水分解は、代替として、約75〜約100℃の温度で行うことができる。一部の例では、この加水分解は、約80〜約95℃の温度で行う。他の場合、この加水分解ステップは、約82〜約93℃(例えば、約82.5〜約92.5℃または約86〜約89℃)の温度で行われる。85〜90℃でおよそ6.5時間撹拌した後、反応の完了を見るためにこの反応物をサンプリングした。加水分解に適した温度のいずれかで、撹拌を行うことができる。次に、この溶液を20〜25℃に冷却して濾過した。反応器/ケーキをH
2O(2体積×2)によりすすいだ。次に、pH≧3.0になるまで、このケーキを2体積のH
2Oにより洗浄した。次に、このケーキを真空下、60℃で乾燥すると化合物26が得られた。
方法2
【0342】
化合物25(11.3g、52mmol)を10%NaOH(aq)(10mL)およびエタノール(100mL)からなる混合物に加えた。この溶液を16時間、加熱還流し、20〜25℃まで冷却して、次に8%HClによりpHを2〜3に調整した。次に、この混合物を0.5時間撹拌して濾過した。ケーキを水(50mL)により洗浄し、次に、真空で乾燥すると、化合物26が褐色固体として得られた。
1H NMR (DMSO-d
6; 400 MHz) δ 15.33 (s), δ 13.39 (s), δ 8.87 (s), δ 8.26 (m), δ 7.87 (m), δ 7.80 (m), δ 7.56 (m)。
【0343】
N−(2,4−ジ−tert−ブチル−5−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(化合物2)の全合成
【化52】
【0344】
2,4−ジ−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート(30)の調製手順
【化53】
方法1
【0345】
2,4−ジ−tert−ブチルフェノール29(10g、48.5mmol)のジエチルエーテル(100mL)およびトリエチルアミン(10.1mL、72.8mmol)溶液に、クロロギ酸メチル(7.46mL、97mmol)を0℃で滴下して加えた。次に、この混合物を室温まで温め、さらに2時間撹拌した。次に、さらに5mLのトリエチルアミンおよび3.7mLのクロロギ酸メチルを加え、この反応物を一晩、撹拌した。次に、この反応物を濾過し、濾液を0℃まで冷却し、次に、追加の5mLのトリエチルアミンおよび3.7mLのクロロギ酸メチルを加え、この反応物を室温まで温め、次に、さらに1時間撹拌した。この段階で、この反応はほとんど完了し、濾過、次に水(2×)、次いでブラインにより洗浄することにより後処理した。次に、この溶液を濃縮すると、黄色油状物が生成し、カラムクロマトグラフィーを使用して精製すると化合物30が得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.29 (s, 9H)。
方法2
【0346】
4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、3.16g、25.7mmol)および2,4−ジtert−ブチルフェノール(化合物29、103.5g、501.6mmol)を投入した反応容器に、塩化メチレン(415g、313mL)を加え、固体がすべて溶解するまで、この溶液を撹拌した。次に、トリエチルアミン(76g、751mmol)を加え、この溶液を0〜5℃に冷却した。次に、溶液温度を0〜5℃の間に維持しながら、クロロギ酸メチル(52g、550.3mmol)を2.5〜4時間かけて、滴下して加えた。次に、この反応混合物をゆっくりと23〜28℃に加熱し、20時間撹拌した。次に、この反応物を10〜15℃に冷却し、150mLの水を投入した。この混合物を15〜20℃で35〜45分間撹拌し、次に、水層を分離して150mLの塩化メチレンにより抽出した。有機層を合わせて、2.5%HCl(aq)により、5〜20℃の温度で中和し、最終pHを5〜6にした。次に、有機層を水により洗浄して、20℃未満の温度で真空で150mLまで濃縮すると、塩化メチレン中に化合物30が得られた。
【0347】
5−ニトロ−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート(31)の調製手順
【化54】
方法1
【0348】
化合物30(6.77g、25.6mmol)の撹拌溶液に、硫酸と硝酸の1:1混合物6mLを0℃で滴下して加えた。この混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。この生成物を液体クロマトグラフィー(ISCO、120g、0〜7%EtOAc/ヘキサン、38分)を用いて精製すると、化合物31の位置異性体の約8:1〜10:1の混合物が白色固体として生成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.63 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 1.36 (s, 9H), 1.32 (s, 9H).HPLC保持時間3.92分 10−99% CH
3CN、5分操作;ESI−MS310 m/z(MH)
+。
方法2
【0349】
化合物30(100g、378mmol)にDCM(540g、408mL)を加えた。すべての固体が溶解するまで、この混合物を撹拌し、次に−5〜0℃に冷却した。次に、反応の初期温度を維持しながら、濃硫酸(163g)を滴下して加え、この混合物を4.5時間撹拌した。次に、この反応の初期温度を維持しながら、硝酸(62g)を2〜4時間かけて滴下して加え、次に、さらに4.5時間、この温度で撹拌した。次に、温度を5℃未満に維持しながら、反応混合物を冷水にゆっくりと加えた。次に、クエンチした反応物を25℃まで加熱し、水層を除去して塩化メチレンにより抽出した。合わせた有機層を水により洗浄し、Na
2SO
4を使用して乾燥し、124〜155mLまで濃縮した。ヘキサン(48g)を加え、得られた混合物を124〜155mLまで再度濃縮した。続いて、この混合物にさらなるヘキサン(160g)を加えた。次に、この混合物を23〜27℃で15.5時間撹拌し、次に、濾過した。この濾過ケーキにヘキサン(115g)を加え、得られた混合物を加熱還流し、2〜2.5時間撹拌した。次に、この混合物を3〜7℃まで冷却し、さらに1〜1.5時間撹拌して濾過すると、化合物31が淡黄色固体として得られた。
【0350】
5−アミノ−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート(32)の調製手順
【化55】
【0351】
好適な水素化用反応器に、2,4−ジ−tert−ブチル−5−ニトロフェニルメチルカーボネート(1.00当量)、次いで、5%Pd/C(2.50重量%、乾燥基準、Johnson−Matthey Type37)を投入した。この反応器にMeOH(15.0体積)を投入し、この系を閉じた。この系をN
2(g)によりパージし、次に、H
2(g)で2.0Barに加圧した。この反応を25℃+/−5℃の反応温度で行った。完了すると、反応物を濾過して、反応器/ケーキをMeOH(4.00体積)により洗浄した。得られた濾液を50℃以下で8.00体積になるまで真空下で蒸留した。水(2.00体積)を45℃+/−5℃で加えた。得られたスラリーを0℃+/−5に冷却した。このスラリーを0℃+/−5℃で、1時間以上保持し、濾過した。ケーキを0℃+/−5℃のMeOH/H
2O(8:2)(2.00体積)により1回洗浄した。ケーキを真空下(−0.90barおよび−0.86bar)、35℃〜40℃で乾燥すると、化合物32が得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.05 (s, 1H), 6.39 (s, 1H), 4.80 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 1.33 (s, 9H), 1.23 (s, 9H)。
【0352】
反応が一旦完了すると、得られた混合物を約5〜10体積のMeOH(例えば、約6〜約9体積のMeOH、約7〜約8.5体積のMeOH、約7.5〜約8体積のMeOH、または約7.7体積のMeOH)により希釈し、約35±5℃の温度まで加熱し、上で記載した通り、濾過し、洗浄し、乾燥した。
【0353】
N−(2,4−ジ−tert−ブチル−5−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(化合物2)の調製。
【化56】
【0354】
4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸26(1.0当量)および5−アミノ−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート32(1.1当量)を反応器に投入した。2−MeTHF(酸に対して4.0体積)、次いで2−MeTHF中のT3P(登録商標)50%溶液(1.7当量)を加えた。T3Pを投入した容器を2−MeTHF(0.6体積)により洗浄した。次に、ピリジン(2.0当量)を加え、得られた懸濁液を47.5+/−5.0℃に加熱し、この温度で8時間保持した。試料を採取し、HPLCにより完了を確認した。完了すると、得られた混合物を25.0℃+/−2.5℃まで冷却した。2−MeTHF(12.5体積)を加え、混合物を希釈した。この反応混合物を水(10.0体積)により、2回洗浄した。2−MeTHFを加えて、反応物の総体積を40.0体積(約16.5体積を投入)にした。この溶液に、NaOMe/MeOH(1.7当量)を加え、メタノール分解を行った。この反応物を1.0時間以上撹拌し、HPLCにより完了を確認した。完了すると、反応を1N HCl(10.0体積)によりクエンチし、0.1N HCl(10.0体積)により洗浄した。有機溶液をポリッシュ濾過(polish filtered)し、いかなる粒子も除去し、第2の反応器に入れた。減圧下、35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以上で濾過溶液を濃縮し、20体積にした。CH
3CNを40体積になるまで加え、この溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以上で20体積まで濃縮した。CH
3CNの添加および濃縮のサイクルをさらに2回繰り返し、合計で3回のCH
3CNの添加、および20体積への4回の濃縮を行った。20体積への最終濃縮の後、CH
3CNを16.0体積、次いでH
2Oを4.0体積加えて、開始した酸に対して、最終濃度を40体積の10%H
2O/CH
3CNにした。このスラリーを78.0℃+/−5.0℃(還流)に加熱した。次に、このスラリーを5時間以上撹拌した。このスラリーを0.0℃+/−5℃に5時間かけて冷却し、濾過した。このケーキを0.0℃+/−5.0℃のCH
3CN(5体積)で4回洗浄した。得られた固体(化合物2)を50.0℃+/−5.0℃の真空オーブン中で乾燥した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.8 (s, 1H), 11.8 (s, 1H), 9.2 (s, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.3 (s, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.9 (t, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.5 (t, 1H), 7.1 (s, 1H), 1.4 (s, 9H), 1.4 (s, 9H)。
【0355】
N−(2,4−ジ−tert−ブチル−5−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(化合物2)の代替調製。
【化57】
【0356】
4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸26(1.0当量)および5−アミノ−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルメチルカーボネート32(1.1当量)を反応器に投入した。2−MeTHF(酸に対して4.0体積)、次いで2−MeTHF中のT3P(登録商標)50%溶液(1.7当量)を加えた。T3Pを投入した容器を2−MeTHF(0.6体積)により洗浄した。次に、ピリジン(2.0当量)を加え、得られた懸濁液を47.5+/−5.0℃に加熱し、この温度で8時間保持した。試料を採取し、HPLCにより完了を確認した。完了すると、得られた混合物を20℃+/−5℃に冷却した。2−MeTHF(12.5体積)を加え、混合物を希釈した。反応混合物を水(10.0体積)により2回洗浄し、反応器に2−MeTHF(16.5体積)を投入した。この溶液に30%w/wNaOMe/MeOH(1.7当量)を投入し、メタノール分解を行った。この反応物を25.0℃+/−5.0℃で1.0時間以上撹拌し、HPLCにより完了を確認した。完了すると、反応を1.2N HCl/H
2O(10.0体積)によりクエンチし、0.1N HCl/H
2O(10.0体積)により洗浄した。有機溶液をポリッシュ濾過し、いかなる粒子も除去し、第2の反応器に入れた。
【0357】
減圧下、35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以上で濾過溶液を濃縮し、20体積にした。CH
3CNを40体積になるまで加え、この溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以上で20体積になるまで濃縮した。CH
3CNの添加および濃縮のサイクルをさらに2回繰り返し、合計で3回のCH
3CNの添加、および20体積への4回の濃縮を行った。20体積への最終濃度の後、CH
3CNを16.0体積、次いでH
2Oを4.0体積投入して、開始した酸に対して、最終濃度を40体積の10%H
2O/CH
3CNにした。このスラリーを78.0℃+/−5.0℃(還流)に加熱した。次に、このスラリーを5時間以上撹拌した。このスラリーを20〜25℃まで、5時間かけて冷却し、濾過した。ケーキを20〜25℃に加熱したCH
3CN(5体積)により4回洗浄した。得られた固体(化合物2)を50.0℃+/−5.0℃の真空オーブン中で乾燥した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.8 (s, 1H), 11.8 (s, 1H), 9.2 (s, 1H), 8.9 (s, 1H), 8.3 (s, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.9 (t, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.5 (t, 1H), 7.1 (s, 1H), 1.4 (s, 9H), 1.4 (s, 9H)。
【0358】
N−(2,4−ジ−tert−ブチル−5−ヒドロキシフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド(化合物2)の再結晶化の手順
【化58】
【0359】
反応器に化合物2(1.0当量)を投入した。2−MeTHF(20.0当量)、次いで0.1N HCl(5.0体積)を加えた。二相溶液を撹拌して分離し、上部の有機相を0.1N HCl(5.0体積)によりさらに2回洗浄した。有機溶液をポリッシュ濾過し、いかなる粒子も除去し、第2の反応器に入れた。濾過溶液を減圧下、35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以下で10体積になるまで濃縮した。酢酸イソプロピル(IPAc)(10体積)を加え、この溶液を35℃以下(ジャケット温度)および8.0℃(内部反応温度)以下で10体積になるまで濃縮した。IPAcの添加および濃縮をさらに2回繰り返し、合計で3回のIPAcの添加、および10体積への4回の濃縮を行った。最終濃縮の後、IPAc10体積を投入し、スラリーを加熱還流し、この温度で5時間維持した。このスラリーを0.0℃+/−5℃まで、5時間かけて冷却し、濾過した。このケーキをIPAc(5体積)により1回洗浄した。得られた固体を50.0℃+/−5.0℃の真空オーブン中で乾燥した。
【0360】
実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体の調製
【0361】
90重量%MEK/10重量%DI水の比に従い配合した、MEKおよびDI水の溶媒系を、磁気撹拌器および熱回路を備えた反応器中、20〜30℃の温度に加熱した。この溶媒系に、ヒプロメロースアセテートスクシネートポリマー(HPMCAS)(HGグレード)、SLS、および化合物2を、19.5重量%ヒプロメロースアセテートスクシネート/0.5重量%SLS/80重量%化合物2の比に従って加えた。得られた混合物は、10.5重量%の固体を含有した。この混合物を生成するために使用した成分および溶媒の実際の量は、以下の表5に列挙されている。
【表5】
【0362】
この混合物の温度を20〜45℃の範囲に調整し、実質的に均一になり、かつすべての構成成分が実質的に溶解するまで混合した。
【0363】
加圧ノズル(オリフィス/コアサイズ54/21を有するSpray Systems Maximum PassageシリーズSK−MFP)を装着し、アンチベアディングキャップ(anti-bearding cap)を装備したスプレー乾燥器であるNiro PSD4という市販スプレー乾燥器を、以下の表6に列挙されている乾燥スプレープロセスのパラメータに従って、通常のスプレー乾燥モード下で使用した。
【表6】
【0364】
高効率サイクロンにより、湿潤生成物とスプレーガスおよび溶媒蒸気とを分離した。湿潤生成物は、8.5〜9.7%MEKおよび0.56〜0.83%水を含有し、平均粒子サイズ17〜19umおよびかさ密度0.27〜0.33g/ccを有した。湿潤生成物は、乾燥のために4000Lのステンレス鋼二重円錐真空乾燥器に送り、残留溶媒を約5000ppm未満のレベルまで低下させて、<0.03%MEKおよび0.3%水を含有するアモルファス化合物2の乾燥させたスプレードライ分散体を生成した。
【0365】
完全連続湿式造粒方法からの錠剤形成
【0366】
機器/プロセス
【0367】
機器
【0368】
完全連続ディベロプメントアンドローンチリグ(Development and Launch Rig)(DLR)または類似のタイプの機器
【0369】
ふるいがけ
【0370】
化合物1の形態I、実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体、および添加剤は、別個の中間ビン容器(intermediate bin container:IBC)中に分注することができる。これらの材料は、「ビン−トゥ−ビン」ふるいがけ操作を使用してふるいがけすることができる。適切なスクリーンサイズは、メッシュ20、メッシュ40、またはメッシュ60である。
【0371】
ブレンド
【0372】
ふるいがけした化合物1の形態I、実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体、および添加剤を含有するIBCを、例えば、体積測定または重量測定用ロスインウェイトフィーダーを使用し、材料を制御して連続式ブレンダーにフィードすることができる、フィーダーシステムにドックすることができる。個々の構成成分のフィード速度は、製剤組成および全体のライン速度により定義される。ライン速度は、8kg/時〜30kg/時であり得る。連続式ブレンダーは、適切なブレンドを可能にする様々なブレード構成を有することができ、これらのブレードの回転速度は、80RPM〜300RPMの間であり得る。
【0373】
湿式造粒
【0374】
造粒用溶液は、ステンレス鋼容器中で、700RPMの撹拌速度のオーバーヘッド型撹拌器を使用して、水1,626gに、ラウリル硫酸ナトリウム48gおよびポリビニルピロリドン159gを溶解することにより調製することができる。この造粒用溶液を容器に入れ、マスフローメータおよびコントロールを備えた蠕動ポンプを使用し、本プロセスに適した流速を使用して、容器から溶液を2軸造粒器にポンプ注入することができる。このブレンドは、DLRの一部である造粒器などの2軸造粒器を使用して、造粒することができる。ブレンドは、フィード速度8kg/時〜24kg/時でDLR上のK−Tronフィーダーなどのロスインウェイトフィーダーを使用して、2軸造粒器に加えることができる。2軸造粒器は、バレル温度摂氏25度および軸速度200〜950RPMにより操作することができる。造粒プロセスは、小さなバッチサイズの場合、3分間、または大きなバッチサイズの場合、数時間行うことができる。
【0375】
乾燥
【0376】
湿潤顆粒は、DLR上のセグメント化された流動床乾燥器などの流動床乾燥器に直接フィードすることができる。乾燥のエンドポイントは、取り出しの間の、摂氏40〜55度の範囲の生成物温度で選択することができ、この時点で、顆粒の水分含有量は2.1%w/w(「乾燥減量、LOD」)またはそれ未満であり得る。乾燥時間は、12分間またはそれより短くまたは長くして、所望の乾燥エンドポイントに到達することができる。
【0377】
ミル粉砕
【0378】
乾燥顆粒は、ミル粉砕して顆粒のサイズを小さくすることができる。このために統合Quadro U10 CoMilなどの円錐ミルを使用することができる。
【0379】
ブレンド
【0380】
顆粒は、ロスインウェイトフィーダーおよび連続式ブレンダーを使用して、充填剤および滑沢剤などの顆粒外添加剤とブレンドすることができる。ブレンド速度は、80〜300RPMであり得る。
【0381】
圧縮
【0382】
圧縮ブレンドは、適切にサイズを整えた工具を使用して、DLRシステムの一部である、Courtoy Modul Pプレス器などのシングルステーションまたは回転錠剤プレス器を使用して、錠剤に圧縮することができる。200mgの化合物1の形態Iおよび125mgの実質的にアモルファスな化合物2の用量の錠剤の重量は、約500または600mgであり得る。
【0383】
フィルムコーティング剤
【0384】
錠剤は、DLRシステムの一部である、革新的なOmegaフィルムコーティング機を使用して、フィルムコーティングすることができる。このコーティング機により、1〜4kgの部分バッチの迅速なフィルムコーティングが可能になり、連続製造することができる。
【0385】
印刷
【0386】
フィルムコーティング錠剤は、例えば、Ackleyランプ印刷機を使用して、錠剤の片面または両面にモノグラムを印刷してもよい。
【0387】
一実施形態における上記の連続プロセスは、表7に記載されているPAT技法により増強される。PAT位置が6つ存在しており、これらのそれぞれは、手作業によるサンプリング用ポートを含む。プロセスにおいて、必要に応じて、検討理由のため、ならびにPATモデルのメンテナンス、移送およびバリデーションのためにも試料を採取することができる。本PATシステムは、リアルタイムリリース試験(real time release testing:RTRT)に使用することができ、プロセス内管理(in process controls:IPC)およびフィードバック/フィードフォワード管理にも使用することができる。
【表7】
【0388】
規格の合致は、表8に記載されているRTRTにより行うことができる。
【表8】
【0389】
不適合材料を検出する確率が高い。例えば、モデルの分類基準が、最低95%の信頼性に設定されて、800個の錠剤をバッチ製造中に試験した場合、3分間あたり1個の錠剤のサンプリング速度で40時間操作すると、800個の錠剤に等しくなる。次に、不適合バッチが合格する確率は、極めて低い:<(0.05)
n−(n=試料数)であり、したがって確率は、<1.5×10
−1041である。短期間(≧3分間)イベントに起因する、不適合錠剤を検出しない確率は、以下の通りである:1個の錠剤(3分間イベント)→<0.05(検出確率>0.95);2個の錠剤(6分間イベント)→<0.0025(検出確率>0.9975)。
【0390】
PAT測定は、属性(すなわち、アッセイ、CU、溶解などとして)を慣用的に表す測定を組み合わせることにより、直接、慣用的なエンド試験の代わりとして働き得る。バリデーションは、指針としてICH Q2を使用して行うことができる。逐次オフライン法からオンライン法への開発により、材料を浪費せずにCQAの評価を行うことが可能になる。究極的に、RTRTは、従来の試験法より高い信頼性レベルで、製品品質を確実にすることになろう。
【0391】
2軸湿式造粒法からの錠剤形成
【0392】
機器/プロセス
【0393】
機器
【0394】
2軸湿式造粒器:ConsiGma−1、ConsiGma−25またはLeistritz nano。
【0395】
ふるいがけ/秤量
【0396】
化合物1の形態I、実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体、および添加剤は、秤量前またはその後にふるいがけすることができる。適切なスクリーンサイズは、メッシュ20、メッシュ40またはメッシュ60である。化合物1の形態Iおよび/または実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体は、1種または複数の添加剤と予めブレンドして、ふるいがけを簡単にすることができる。
【0397】
ブレンド
【0398】
化合物1の形態I、実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体、および添加剤は、様々な順序でブレンダーに添加することができる。ブレンドは、タービュラブレンダー、v−シェルブレンダーまたはビンブレンダーで行うことができる。これらの構成成分を10分間ブレンドすることができる。
【0399】
湿式造粒
【0400】
造粒用溶液は、ステンレス鋼容器中で、700RPMの撹拌速度のオーバーヘッド型撹拌器を使用して、水1,626gに、ラウリル硫酸ナトリウム48gおよびポリビニルピロリドン159gを溶解することにより調製することができる。ブレンドは、ConsiGma−1などの2軸造粒器を使用して、造粒することができる。造粒用溶液は、フィード速度67g/分のConsiGma−1のポンプなどの蠕動ポンプを使用して、2軸造粒器に加えることができる。ブレンドは、フィード速度10kg/時のConsiGma−1のブラベンダーフィーダーなどのロスインウェイトフィーダーを使用して、2軸造粒器に加えることができる。2軸造粒器は、バレル温度摂氏25度および軸速度400RPMで操作することができる。この造粒プロセスは4分間行うことができる。この造粒プロセスは、より短期間またはより長期間行い、より少量またはより大量の湿潤顆粒を製造することができる。
【0401】
乾燥
【0402】
湿潤顆粒は、ConsiGma−1における乾燥チャンバーなどの流動床乾燥器またはCTL−25におけるセグメント化されている流動床乾燥器に直接フィードすることができる。乾燥エンドポイントは、摂氏43度の生成物温度で選択することができ、この時点で、顆粒の水分含有量は1.6%w/w(「乾燥時の減少、LOD」)であり得る。乾燥時間は、12分間、またはそれより短くまたは長くして、所望の乾燥エンドポイントに到達することができる。乾燥は、空気流59m
3/分および入り口温度摂氏60度で行うことができる。あるいは、2軸造粒器から来る湿潤顆粒を採集して、ある期間ビンまたは容器に入れることができ、この後、この湿潤顆粒はVector Multi15などの、別個の独立した流動床乾燥器に移送される。
【0403】
ミル粉砕
【0404】
乾燥顆粒は、ミル粉砕して顆粒のサイズを小さくすることができる。このためにQuadro194 CoMilなどの円錐ミルを使用することができる。
【0405】
ブレンド
【0406】
顆粒は、V−シェルブレンダーまたはビンブレンダーを使用して、充填剤および滑沢剤などの顆粒外添加剤とブレンドすることができる。このブレンド時間は、5分間、3分間または1分間であり得る。
【0407】
圧縮
【0408】
圧縮ブレンドは、0.55’×0.33’の楕円形状の工具を使用する、Courtoy Modul Pプレス器などのシングルステーションまたは回転錠剤プレス器を使用して、錠剤に圧縮することができる。200mgの化合物1の形態Iおよび125mgの実質的にアモルファスな化合物2の用量の錠剤の重量は、約500または600mgであり得る。
【0409】
フィルムコーティング
【0410】
錠剤は、例えばThomas Engineering Compu−Labコーティング機などの、パンコーティング機を使用してフィルムコーティングすることができる。微量のカルナウバワックスを加えて、錠剤の外観および加工能力を改善することができる。
【0411】
印刷
【0412】
フィルムコーティング錠剤は、例えば、Hartnett Delta印刷機を使用して、錠剤の片面または両面にモノグラムを印刷してもよい。
【0413】
連続2軸湿式造粒法からの錠剤形成
【0414】
機器/プロセス
【0415】
機器
造粒器:ConsiGmaまたはLeistritzまたはThermo Fisher2軸造粒器。
【0416】
ふるいがけ/秤量
【0417】
化合物1および添加剤は、秤量前またはその後にふるいがけすることができる。可能なスクリーンサイズは、メッシュ20、メッシュ40またはメッシュ60である。化合物1は、1種または複数の添加剤と予めブレンドして、ふるいがけを簡単にすることができる。
【0418】
ブレンド
【0419】
化合物1および添加剤は、様々な順序でブレンダーに添加することができる。ブレンドは、タービュラブレンダー、v−シェルブレンダー、ビンブレンダーまたは連続式ブレンダーで行うことができる。構成成分は、バッチブレンダーの場合、10分間、または連続式ブレンダーの場合、連続してブレンドすることができる。
【0420】
造粒操作
造粒用液−SLSおよび結合剤を精製水に加え、溶解するまで混合する。好適な比は、水中で、2.5%w/wSLSと10.0%w/w PVP K30である。
造粒−化合物1および添加剤を含有するブレンドは、10kg/時の速度のロスインウェイトフィーダーを使用して、2軸造粒器に投入することができる。造粒用液は、3.5kg/時の速度の蠕動ポンプを使用して加えることができる。造粒器は、400RPMの速度で操作することができる。本2軸湿式造粒法の注目に値する利点は、湿潤性の向上により、より優れた造粒のための界面活性剤および結合剤の両方を含む造粒用液を使用する点である。一実施形態では、界面活性剤は、SLSである。別の注目に値する利点は、本方法が連続的であり、かつ時間内のいつでも、限られた量の材料だけが加工されるので、本方法が良好に制御され、生成物が高品質になることである。
【0421】
ミル粉砕
【0422】
顆粒は、乾燥前もしくは乾燥後のいずれか、または両方で、スクリーンミルまたは円錐ミルを使用してサイズを低下させることができる。
【0423】
乾燥
【0424】
顆粒は、真空オーブン、トレイ乾燥器、二重円錐乾燥器または流動床乾燥器を使用して乾燥することができる。
【0425】
ブレンド
【0426】
顆粒を顆粒外添加剤とブレンドすることができる。顆粒は、60回転の300リットルビンブレンダーを使用してブレンドした。
【0427】
圧縮
【0428】
圧縮用ブレンドは、Courtoy Modul P回転式プレス器を使用して、錠剤に圧縮した。
【0429】
フィルムコーティング
【0430】
錠剤は、例えばO’Hara Labcoatなどの、パンコーティング機を使用してフィルムコーティングすることができる。
【0431】
印刷
【0432】
フィルムコーティング錠剤は、例えば、Hartnett Delta印刷機を使用して、錠剤の片面または両面にモノグラムを印刷してもよい。
アッセイ
【0433】
プロトコール1
【0434】
化合物のΔF508−CFTRポテンシエーション特性を検出および測定するためのアッセイ
化合物のΔF508−CFTRモジュレーション特性をアッセイするための膜電位光学法
【0435】
このアッセイは、蛍光性電位感受性色素を利用して、NIH3T3細胞における機能性ΔF508−CFTRの向上の読み出しとして蛍光プレートリーダー(例えば、FLIPR III、Molecular Devices,Inc.)を使用して、膜電位の変化を測定する。この応答に対する推進力は、細胞が予め化合物により処理され、続いて、電位感受性色素をロードされた後に、単一液体の添加ステップにより、チャネル活性化に連動して塩化物イオンの勾配が生じることである。
ポテンシエーター化合物の同定
【0436】
ΔF508−CFTRのポテンシエーターを特定するため、二重付加HTSアッセイフォーマットを開発した。このHTSアッセイは、FLIPR III上での膜電位の変化を測定するために、温度補正済みΔF508CFTR NIH3T3細胞におけるΔF508CFTRのゲーティング(コンダクタンス)の増大の測定として、蛍光性電位感受性色素を利用する。この応答のための推進力は、細胞が予めポテンシエーター化合物(またはDMSOビヒクル対照)により処理され、続いて、再分布色素をロードされた後に、FLIPR IIIなどの蛍光プレートリーダーを使用して、単一液体の添加ステップにおいて、フォルスコリンによるチャネル活性化と連動する、Cl
−イオン勾配である。
溶液
【0437】
浴溶液#1:(mM)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl
2 2、MgCl
2 1、HEPES 10、NaOHによりpH7.4。
【0438】
塩化物イオン不含の浴溶液:浴溶液#1(上記)中の塩化物イオン塩をグルコン酸塩で置きかえる。
細胞培養物
【0439】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学測定のために使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1Xペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。すべての光学的アッセイについて、細胞を、384ウェルのマトリゲルコーティングしたプレート中、約20,000個/ウェルで播種し、37℃で2時間培養した後に、ポテンシエーターアッセイのために27℃で24時間培養した。補正アッセイのため、細胞を、化合物ありまたはなしで27℃または37℃で16〜24時間、培養する。
【0440】
化合物のΔF508−CFTRモジュレーション特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ
ウッシングチャンバーアッセイ
【0441】
光学的アッセイにおいて特定されたΔF508−CFTR増強剤または誘発剤をさらに特性評価するために、ウッシングチャンバー実験を、ΔF508−CFTRを発現する分極気道上皮細胞で実施した。非CFおよびCF気道上皮を、気管支組織から単離し、以前に記載されている通り培養し(Galietta, L.J.V.、Lantero, S.、Gazzolo, A.、Sacco, O.、Romano, L.、Rossi, G.A.およびZegarra-Moran, 0(1998年)In Vitro Cell. Dev. Biol.34巻、478〜481頁)、NIH3T3馴化培地で予めコーティングしたCostar(登録商標)Snapwell(商標)フィルター上にプレーティングした。4日後に、頂端培地を除去し、使用前に、細胞を気液界面で>14日間成長させた。これによって、十分に分化した円柱状細胞の単層が得られたが、これは気道上皮に特徴的なフィーチャーである線毛細胞である。非CF HBEを、既知の肺疾患をなんら有していない非喫煙者から単離した。CF−HBEを、ΔF508についてホモ接合性患者から単離した。
【0442】
Costar(登録商標)Snapwell(商標)細胞培養インサート上で成長させたHBEをウッシング(Using)チャンバー(Physiologic Instruments,Inc.、San Diego、CA)にマウントし、経上皮抵抗および短絡回路電流を、側底から頂端のCl
−勾配(I
SC)の存在下で、電位クランプシステム(Department of Bioengineering、University of Iowa、IA)を使用して測定した。手短に述べると、電位クランプ記録条件(V
hold=0mV)下、37℃でHBEを試験した。側底側溶液は、(mM)145 NaCl、0.83 K
2HPO
4、3.3 KH
2PO
4、1.2 MgCl
2、1.2 CaCl
2、10 グルコース、10 HEPES(NaOHによりpHを7.35に調整)を含み、頂端溶液は、(mM)145グルコン酸Na、1.2 MgCl
2、1.2 CaCl
2、10 グルコース、10 HEPES(NaOHによりpH7.35に調整)を含んだ。
ポテンシエーター化合物の同定
【0443】
典型的なプロトコールは、側底側から頂端膜へのCl
−濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜で通常のリンゲル液を使用した一方、頂端NaClを等モル濃度のグルコン酸ナトリウム(NaOHによりpH7.4に滴定)により置きかえて、上皮間に大きなCl
−濃度勾配を得た。フォルスコリン(10μM)およびすべての試験化合物を細胞培養インサートの頂端側に加えた。推定上のΔF508−CFTRポテンシエーターの有効性を既知のポテンシエーターであるゲニステインのそれと比較した。
パッチクランプ記録
【0444】
ΔF508−NIH3T3細胞における全Cl
−電流を、以前に記載されている、穿孔パッチ記録構成(Rae, J.、Cooper, K.、Gates, P.およびWatsky, M.(1991年)J. Neurosci. Methods 37巻、15〜26頁)を使用してモニタリングした。電位クランプ記録をAxopatch 200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.、Foster City、CA)を使用して22℃で実施した。ピペット溶液は、(mM)150 N−メチル−D−グルカミン(NMDG)−Cl、2 MgCl
2、2 CaCl
2、10 EGTA、10 HEPESおよび240μg/mLアムホテリシン−B(HClによりpHを7.35に調整)を含んだ。細胞外培地は、(mM)150 NMDG−Cl、2 MgCl
2、2 CaCl
2、10 HEPES(HClによりpHを7.35に調整)を含んだ。パルス発生、データ取得および分析は、Clampex8(Axon Instruments Inc.)を接続したDigidata1320A/Dインターフェースを備えたPCを使用して実施した。ΔF508−CFTRを活性化させるために、10μMフォルスコリンおよび20μMゲニステインを浴に加え、電流−電位の関係を30秒毎にモニタリングした。
ポテンシエーター化合物の同定
【0445】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3細胞において巨視的なΔF508−CFTR Cl
−電流(I
ΔF508)を増加させるΔF508−CFTRポテンシエーターの能力も、穿孔パッチ記録技法を使用して検討した。光学的アッセイから同定されたポテンシエーターは、光学的アッセイにおいて観察されものと同様の効力および有効性で、IΔ
F508の用量依存的増加を引き起こした。試験したすべての細胞において、ポテンシエーターを施用する前およびその間の逆転電位は、およそ−30mVであった。これは計算されたE
Cl(−28mV)である。
細胞培養物
【0446】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞をホールセル記録に使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1Xペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。ホールセル記録のため、ポテンシエーターの活性を試験するために使用する前に、2,500〜5,000個の細胞をポリ−L−リジンでコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、27℃で24〜48時間培養し、コレクターの活性を測定するために、補正化合物ありまたはなしで37℃でインキュベートした。
単一チャネル記録
【0447】
NIH3T3細胞において発現されたwt−CFTRおよび温度補正済みΔF508−CFTRのゲーティング活性を、Axopatch200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)を使用して、これまで記載されている切除インサイドアウト膜パッチ記録法(Dalemans, W.、Barbry, P.、Champigny, G.、Jallat, S.、Dott, K.、Dreyer, D.、Crystal, R.G.、Pavirani, A.、Lecocq, J-P.、Lazdunski, M.(1991年) Nature 354巻、526〜528頁)を使用して観察した。ピペットは、(mM):150 NMDG、150 アスパラギン酸、5 CaCl
2、2 MgCl
2および10 HEPES(Tris塩基でpHを7.35に調整)を含んだ。その浴は、(mM):150 NMDG−Cl、2 MgCl
2、5 EGTA、10 TESおよび14 Tris塩基(HClによりpHを7.35に調整)を含んだ。切除の後、タンパク質ホスファターゼを阻害するために1mM Mg−ATP、75nMのcAMP依存性タンパク質キナーゼの触媒サブユニット(PKA;Promega Corp.Madison、WI)および10mM NaFを添加することによってwt−CFTRとΔF508−CFTRの両方が活性化され、これにより電流の低下が防止された。ピペット電位を80mVに維持した。チャネル活性を、≦2の活性チャネルを含む膜パッチから分析した。同時開口の最大数により、実験経過中の活性チャネルの数が決定された。単一チャネル電流振幅を決定するために、120秒間のΔF508−CFTR活性から記録されたデータを100Hzで「オフライン」フィルターにかけ、次いで、Bio−Patch分析ソフトウェア(Bio−Logic Comp.フランス)を使用して、多重ガウス関数を当てはめた全点振幅ヒストグラムを構築するために使用した。全微視的電流および開口確率(P
o)を120秒間のチャネル活性から決定した。P
oを、Bio−Patchソフトウェアを使用して、または関係式P
o=I/i(N)(I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチにおける活性チャネルの数)から決定した。
細胞培養物
【0448】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除膜パッチ−クランプ記録に使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1X ペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。単一チャネル記録のため、2,500〜5,000個の細胞をポリ−L−リジンでコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、27℃で24〜48時間培養した後に使用した。
【0449】
プロトコール2
【0450】
化合物のΔF508−CFTR補正特性を検出および測定するためのアッセイ
【0451】
化合物のΔF508−CFTRモジュレーション特性をアッセイするための膜電位光学法。
【0452】
光学膜電位アッセイは、電位/イオンプローブリーダー(VIPR)などの蛍光変化を測定するための機器と組み合わせて、GonzalezおよびTsienにより記載されている(Gonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1995年)「Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells」、Biophys J 69巻(4号):1272〜80頁、ならびにGonzalez, J. E.およびR. Y. Tsien(1997年)「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」Chem Biol 4巻(4号):269〜77頁を参照されたい)電位感受性FRETセンサーを利用した(Gonzalez, J. E.、K. Oadesら(1999年)「Cell-based assays and instrumentation for screening ion-channel targets」Drug Discov Today 4巻(9号):431〜439頁を参照されたい)。
【0453】
これらの電位感受性アッセイは、膜可溶性の電位感受性色素であるDiSBAC
2(3)と、形質膜の外葉に結合して、FRETドナーとして作用する蛍光リン脂質であるCC2−DMPEとの間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の変化に基づくものである。膜電位(V
m)が変化することにより、負に帯電しているDiSBAC
2(3)が、形質膜全体に再配分され、したがって、CC2−DMPEからのエネルギー移動の量が変化する。蛍光の発光の変化を、96または384ウェルのマイクロタイタープレートで細胞に基づくスクリーニングを行うために設計されている統合液体処理装置(integrated liquid handler)および蛍光検出器である、VIPR(商標)IIを使用してモニタリングした。
補正化合物の同定
【0454】
ΔF508−CFTRに関連する輸送欠陥を補正する低分子を特定するために、単一付加HTSアッセイフォーマットを開発した。細胞は、試験化合物の存在下または非存在下(ネガティブ対照)、37℃で16時間、血清不含培地中でインキュベートした。ポジティブ対照として、384−ウェルプレートでプレーティングした細胞を、27℃で16時間インキュベートして、ΔF508−CFTRを「温度補正した」。続いて、細胞をKrebsリンゲル溶液によりすすぎ(3×)、電位感受性色素をロードした。ΔF508−CFTRを活性化するため、各ウェルに、10μMフォルスコリンおよびCFTRポテンシエーターであるゲニステイン(20μM)をCl
−不含培地と共に加えた。Cl
−不含培地を添加すると、ΔF508−CFTR活性化に応答するCl
−流出が促進され、その結果の膜の脱分極を、FRETをベースとする電位感知色素を使用して光学的にモニタリングした。
ポテンシエーター化合物の同定
【0455】
ΔF508−CFTRのポテンシエーターを特定するため、二重付加HTSアッセイフォーマットを開発した。第1の添加中に、試験化合物を含むまたは含まないCl
−不含培地を各ウェルに加えた。22秒後、2〜10μMのフォルスコリンを含有する第2の添加のCl
−不含培地を添加して、ΔF508−CFTRを活性化した。両方を添加した後の細胞外Cl
−濃度は、28mMであり、これによりΔF508−CFTR活性化に応答するCl
−流出が促進され、その結果の膜の脱分極を、FRETをベースとする電位感知色素を使用して光学的にモニタリングした。
溶液
【0456】
浴溶液#1:(mM)NaCl 160、KCl 4.5、CaCl
2 2、MgCl
2 1、HEPES 10、NaOHによりpH7.4。
【0457】
塩化物イオン不含の浴溶液:浴溶液#1(上記)の塩化物イオン塩をグルコン酸塩により置きかえる。
【0458】
CC2−DMPE:DMSO中の10mMの保存溶液として調製し、−20℃で保管した。
【0459】
DiSBAC
2(3):DMSO中の10mMの保存溶液として調製し、−20℃で保管した。
細胞培養物
【0460】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、膜電位の光学測定のために使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1Xペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。すべての光学的アッセイについて、細胞を、384ウェルのマトリゲルコーティングしたプレート中、30,000個/ウェルで播種し、37℃で2時間培養した後に、ポテンシエーターアッセイのために27℃で24時間培養した。補正アッセイのため、細胞を、化合物ありまたはなしで27℃または37℃で16〜24時間培養する。
【0461】
化合物のΔF508−CFTRモジュレーション特性をアッセイするための電気生理学的アッセイ
ウッシングチャンバーアッセイ
【0462】
光学的アッセイにおいて特定されたΔF508−CFTR増強剤または誘発剤をさらに特性評価するために、ウッシングチャンバー実験を、ΔF508−CFTRを発現する分極上皮細胞で実施した。Costar Snapwell細胞培養インサートに成長させたFRT
ΔF508−CFTR上皮細胞をウッシングチャンバー(Physiologic Instruments,Inc.、San Diego、CA)にマウントし、電位−クランプシステムを使用して、単層を継続的に短絡回路にした(Department of Bioengineering、University of Iowa、IA、およびPhysiologic Instruments,Inc.、San Diego、CA)。経上皮抵抗を、2mVのパルスを印加することにより測定した。これらの条件下では、FRT上皮は、4KΩ/cm
2またはそれ超の抵抗を示した。この溶液を27℃に維持し、空気により通気した。電極のオフセット電位および流体抵抗は、細胞不含インサートを使用して補正した。これらの条件下では、電流は、頂端膜において発現するΔF508−CFTRを通るCl
−の流れを反映する。I
SCは、MP100A−CEインターフェースおよびAcqKnowledgeソフトウェア(γ3.2.6;BIOPAC Systems、Santa Barbara、CA)を使用してデジタルで取得した。
補正化合物の同定
【0463】
典型的なプロトコールは、側底側から頂端膜へのCl
−濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜で通常のリンゲル液を使用し、頂端膜のNaClを等モル濃度のグルコン酸ナトリウム(NaOHによりpH7.4に滴定)により置きかえて、上皮間に大きなCl
−濃度勾配を得た。実験はすべて、無傷単層で行った。ΔF508−CFTRを完全に活性化するため、フォルスコリン(10μM)およびPDE阻害剤、IBMX(100μM)を施用し、次いで、CFTRポテンシエーターであるゲニステイン(50μM)を添加した。
【0464】
他の細胞タイプにおいて観察される通り、低温におけるΔF508−CFTRを安定的に発現するFRT細胞のインキュベーションにより、形質膜中のCFTRの機能密度が向上する。補正化合物の活性を決定するために、細胞を試験化合物10μMと共に、37℃で24時間、インキュベートし、続いて、記録前に3X洗浄した。化合物により処理された細胞におけるcAMPおよびゲニステイン媒介性I
SCを、27℃および37℃の対照に正規化し、活性率として表した。細胞と補正化合物との予備インキュベーションにより、37℃での対照と比べて、cAMPおよびゲニステイン媒介性I
SCがかなり向上した。
ポテンシエーター化合物の同定
【0465】
典型的なプロトコールは、側底側から頂端膜へのCl
−濃度勾配を利用した。この勾配を設定するために、側底膜で通常のリンゲル液を使用し、ナイスタチン(360μg/ml)により浸透化した一方、頂端膜のNaClを等モル濃度のグルコン酸ナトリウム(NaOHによりpH7.4に滴定)により置きかえて、上皮間に大きなCl
−濃度勾配を得た。実験はすべて、ナイスタチンの浸透化の30分後に行った。フォルスコリン(10μM)およびすべての試験化合物を細胞培養インサートの両側に加えた。推定上のΔF508−CFTRポテンシエーターの有効性を既知のポテンシエーターであるゲニステインのそれと比較した。
溶液
【0466】
側底側溶液(mM):NaCl(135)、CaCl
2(1.2)、MgCl
2(1.2)、K
2HPO
4(2.4)、KHPO
4(0.6)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)(10)、およびデキストロース(10)。この溶液をNaOHによりpH7.4に滴定した。
【0467】
頂端溶液(mM):NaClをグルコン酸Na(135)により置きかえた、側底側溶液と同じ。
細胞培養物
【0468】
本発明者らの光学的アッセイから同定された推定上のΔF508−CFTR増強剤および誘発剤に関するウッシングチャンバー実験に、ΔF508−CFTRを発現するフィッシャーラット上皮(FRT)細胞(FRT
ΔF508−CFTR)を使用した。Costar Snapwell細胞培養インサートで細胞を培養し、5%ウシ胎児血清、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを補充したCoon’s改変Ham’sF−12培地中、37℃および5%CO
2で、5日間培養した。化合物のポテンシエーター活性を特性評価するために使用する前に、細胞を27℃で16〜48時間インキュベートし、ΔF508−CFTRについて補正した。補正化合物の活性を決定するため、細胞を、化合物ありまたはなしで27℃または37℃で24時間、インキュベートした。
ホールセル記録
【0469】
ΔF508−CFTRを安定的に発現する温度補正および試験化合物補正済みNIH3T3細胞において巨視的なΔF508−CFTR電流(I
ΔF508)を、穿孔パッチホールセル記録を使用してモニタリングした。手短に言うと、I
ΔF508の電位クランプ記録は、Axopatch 200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.、Foster City、CA)を使用して室温で実施した。記録はすべて、10kHzのサンプリング周波数で取得し、1kHzで短経路フィルターにかけた。ピペットは、細胞内溶液を充填した場合、5〜6MΩの抵抗を有した。これらの記録条件下では、室温におけるCl
−について算出された逆転電位(E
Cl)は、−28mVであった。すべての記録は、シール抵抗>20GΩおよび直流抵抗<15MΩを有した。パルス発生、データ取得および分析は、Clampex8(Axon Instruments Inc.)に接続したDigidata1320A/Dインターフェースを備えたPCを使用して実施した。浴は<250μlの生理食塩水を含有しており、重力推進性かん流システムを使用して、2ml/分の速度で連続的にかん流した。
補正化合物の同定
【0470】
形質膜における機能性ΔF508−CFTRの密度を向上させる補正化合物の活性を決定するために、本発明者らは、上記の穿孔パッチ記録技法を使用して、補正化合物による24時間の処理後の電流密度を測定した。ΔF508−CFTRを完全に活性化するために、10μMのフォルスコリンおよび20μMのゲニステインを細胞に加えた。本発明者らの記録条件下、27℃において24時間インキュベートした後の電流密度は、37℃で24時間インキュベートした後に観察されるものよりも高かった。これらの結果は、形質膜におけるΔF508−CFTRの密度に及ぼす、低温インキュベーションの公知の効果と一致している。CFTR電流密度に及ぼす補正化合物の効果を決定するため、試験化合物10μMと共に37℃で24時間、細胞をインキュベートし、電流密度を27℃および37℃の対照(%活性)と比較した。記録前に、細胞を細胞外記録用培地により3X洗浄して、いかなる残留試験化合物も除去した。10μMの補正化合物と一緒に予めインキュベートすると、37℃での対照と比べて、cAMPおよびゲニステイン依存性電流がかなり増加した。
ポテンシエーター化合物の同定
【0471】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3細胞において巨視的なΔF508−CFTR Cl
−電流(I
ΔF508)を増加させるΔF508−CFTRポテンシエーターの能力も、穿孔パッチ記録技法を使用して検討した。光学的アッセイから同定されたポテンシエーターは、光学的アッセイにおいて観察されたものと同様の効力および有効性で、I
ΔF508の用量依存的な増加を引き起こした。試験したすべての細胞において、ポテンシエーターを施用する前およびその間の逆転電位は、およそ−30mVであった。これは計算されたE
Cl(−28mV)である。
溶液
【0472】
細胞内溶液(mM):アスパラギン酸Cs(90)、CsCl(50)、MgCl
2(1)、HEPES(10)および240μg/mlアムホテリシン−B(CsOHによりpHを7.35に調整した)。
【0473】
細胞外溶液(mM):N−メチル−D−グルカミン(NMDG)−Cl(150)、MgCl
2(2)、CaCl
2(2)、HEPES(10)(HClによりpHを7.35に調整した)。
細胞培養物
【0474】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞をホールセル記録に使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1Xペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。ホールセル記録のため、ポテンシエーターの活性を試験するために使用する前に、2,500〜5,000個の細胞をポリ−L−リジンでコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、27℃で24〜48時間培養し、そしてコレクターの活性を測定するために、補正化合物ありまたはなしで37℃でインキュベートした。
単一チャネル記録
【0475】
NIH3T3細胞において安定的に発現する温度補正済みΔF508−CFTRの単一チャネル活性、およびポテンシエーター化合物の活性は、切除インサイドアウト膜パッチを使用して観察した。手短に言うと、単一チャネル活性の電位クランプ記録を、Axopatch 200Bパッチ−クランプ増幅器(Axon Instruments Inc.)を用いて、室温で実施した。記録はすべて、10kHzのサンプリング周波数で取得し、400Hzで短経路フィルターにかけた。パッチピペットは、Corning Kovar Sealing#7052ガラス(World Precision Instruments,Inc.、Sarasota、FL)から作製し、細胞外溶液を充填した場合、5〜8MΩの抵抗を有した。1mM Mg−ATPおよび75nMのcAMP依存性タンパク質キナーゼ触媒サブユニット(PKA;Promega Corp.Madison、WI)を添加することにより、切除後にΔF508−CFTRを活性化した。チャネル活性の安定化後、重力推進性マイクロかん流システムを使用してパッチをかん流した。流入部をパッチの隣に置き、これにより、1〜2秒以内に溶液が完全に交換された。迅速なかん流中のΔF508−CFTR活性を維持するため、非特異的ホスファターゼ阻害剤F
−(10mM NaF)をこの浴溶液に加えた。これらの記録条件下では、チャネル活性は、パッチ記録の間中、一定のままであった(最大60分間)。細胞内溶液から細胞外溶液への陽電荷の移動により発生する電流(陰イオンは、反対方向に動く)は、正電流として示される。ピペットの電位(V
p)は、80mVに維持された。
【0476】
チャネル活性を、≦2の活性チャネルを含む膜パッチから分析した。同時開口の最大数により、実験経過中の活性チャネルの数が決定された。単一チャネル電流振幅を決定するために、120秒間のΔF508−CFTR活性から記録されたデータを100Hzで「オフライン」フィルターにかけ、次いで、Bio−Patch分析ソフトウェア(Bio−Logic Comp.フランス)を用いて、多重ガウス関数を当てはめた全点振幅ヒストグラムを構築するために使用した。全微視的電流および開口確率(P
o)を120秒間のチャネル活性から決定した。P
oを、Bio−Patchソフトウェアを使用して、または関係式P
o=I/i(N)(I=平均電流、i=単一チャネル電流振幅、およびN=パッチにおける活性チャネルの数)から決定した。
溶液
【0477】
細胞外溶液(mM):NMDG(150)、アスパラギン酸(150)、CaCl
2(5)、MgCl
2(2)およびHEPES(10)(Tris塩基によりpHを7.35に調整した)。
【0478】
細胞内溶液(mM):NMDG−Cl(150)、MgCl
2(2)、EGTA(5)、TES(10)およびTris塩基(14)(HClによりpHを7.35に調整した)。
細胞培養物
【0479】
ΔF508−CFTRを安定的に発現するNIH3T3マウス線維芽細胞を、切除膜パッチ−クランプ記録に使用する。細胞を、175cm
2の培養フラスコ中、5%CO
2および90%湿度、37℃で、2mMグルタミン、10%ウシ胎児血清、1X NEAA、β−ME、1Xペニシリン/ストレプトマイシンおよび25mM HEPESを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で維持する。単一チャネル記録のため、2,500〜5,000個の細胞をポリ−L−リジンでコーティングしたガラス製カバースリップ上に播種し、27℃で24〜48時間培養した後に使用した。
【0480】
本発明の化合物1および化合物2は、CFTR活性の増強剤または誘発剤として有用である。以下の表9は、化合物1および化合物2のEC50および相対有効性を例示している。以下の表9において、以下の意味が適用される。EC50:「+++」は<10uMを意味する。「++」は、10uM〜25uMの間を意味する。「+」は、25uM〜60uMの間を意味する。%有効性:「+」は<25%を意味する。「++」は、25%〜100%の間を意味する。「+++」は>100%を意味する。
【表9】
他の実施形態
【0481】
本開示において言及されている刊行物および特許はすべて、個々の刊行物または特許出願の各々が、参照により組み込まれていることが具体的かつ個々に示されているのと同じ程度に、参照により本明細書中に組み込まれている。参照により組み込まれている特許または刊行物のいずれかにおける用語の意味が、本開示に使用されている用語の意味と矛盾する場合、本開示における用語の意味が、支配的となるものとする。さらに、前述の議論は、本発明の例示的な実施形態を単に開示および記載しているに過ぎない。当業者であれば、こうした議論から、ならびに添付の図面および特許請求の範囲から、以下の特許請求の範囲において規定されている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更、修正および変形をそれらのなかで行うことができることが容易に認識されよう。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
化合物1の形態I、および実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体を含む錠剤の連続調製方法であって、
a) ブレンダー中で、化合物1の形態I、実質的にアモルファスな化合物2を含む固体分散体、充填剤および崩壊剤を混合して、ブレンドを形成するステップ、
b) 水、結合剤および界面活性剤を含む造粒用溶液を調製するステップ、
c) ステップa)から得られた前記ブレンドを、ステップb)から得られた前記造粒用溶液を添加しながら連続2軸造粒器にフィードして、顆粒を製造するステップ、
d) ステップc)から得られた前記顆粒を乾燥して、前記顆粒をミル粉砕するステップ、
e) ステップd)から得られた前記ミル粉砕顆粒を充填剤、崩壊剤および滑沢剤とブレンドしてブレンドを形成するステップ、ならびに
f) ステップe)から得られた前記ブレンドを圧縮して錠剤にするステップ
を含み、
上記ステップの少なくとも1つが、プロセス分析技法を含む、
方法。
(項目2)
前記プロセス分析技法が、規定基準をモニタリングするためのNIRまたはラマン分光技法を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記規定基準が、ブレンド均質性、顆粒均質性、水分、粒子サイズ分布、活性医薬品成分の固体形態の同一性、重量、厚さ、硬度またはコーティング厚さから選択される、項目2に記載の方法。