(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における時計システム1の構成を示した概略図である。
図2は、本実施形態における電子時計100の外観を示す正面図である。図示する例では、時計システム1は、携帯電子機器200(通信機器)と、携帯電子機器200と通信可能な電子時計100とを備える。
【0016】
電子時計100は、秒針120A、分針120B、時針120C、及び日車120Eにより、現在日時(日時分秒)を示すアナログの腕時計である。日車120Eは、日付等の文字情報が記載されており、一部分が電子時計100の文字板の小窓から露出する円板(ディスク)である。日車120Eは、電子時計100が備える指針に含まれる。また、電子時計100は、2つの小時計120Dを備える。小時計120Dは、時分を示すものと、時間(24時間)のみを示すものとがある。
【0017】
図示する例では、電子時計100は、制御部101と、発振回路102と、分周回路103と、入力部104と、記憶部105と、太陽電池106と、充放電制御回路107と、二次電池108と、電池電圧検出部109と、スイッチ110と、無線通信制御部111と、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cと、小時計120Dと、日車120Eと、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Dと、輪列機構121Eと、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Dと、ステッピングモータ122Eとを備える。
【0018】
以下、秒針120Aと、分針120Bと、時針120Cと、小時計120Dと、日車120Eとを区別しない場合には、指針120と称する。また、輪列機構121Aと、輪列機構121Bと、輪列機構121Cと、輪列機構121Dと、輪列機構121Eとを区別しない場合には、輪列機構121と称する。また、ステッピングモータ122Aと、ステッピングモータ122Bと、ステッピングモータ122Cと、ステッピングモータ122Dと、ステッピングモータ122Eとを区別しない場合には、ステッピングモータ122と称する。
【0019】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)であり、電子時計100が備える各部の制御を行う。制御部101は、電源制御部1011と、時刻カウント部1012と、通信制御部1013と、情報処理部1014と、情報送信部1015と、指針制御部1016とを備える。
【0020】
電源制御部1011は、無線通信制御部111の電源のオンまたはオフを制御する。具体的には、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信するときにのみスイッチ110をオンにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給する。また、電源制御部1011は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信しないときにはスイッチ110をオフにして二次電池108から無線通信制御部111に電力を供給しない。また、電源制御部1011は、電池電圧検出部109が検出した二次電池108の電圧値が所定値以下である場合には、スイッチ110をオフにして二次電池108から負荷回路である無線通信制御部111に電力を供給しない。
【0021】
時刻カウント部1012は、内部カウンタを備え、分周回路103から入力された計測信号に基づいて現在日時(日時分秒)を計時し、計時した日時を示す指針位置情報を内部カウンタに保持する。通信制御部1013は、無線通信制御部111における通信を制御する。
【0022】
情報処理部1014は、携帯電子機器200に送信するデータを生成する。また、情報処理部1014は、携帯電子機器200から受信したデータを処理する。情報送信部1015は、情報処理部1014が生成したデータを無線通信制御部111から携帯電子機器200に送信する。
【0023】
指針制御部1016は、指針120の位置を制御する。例えば、指針制御部1016は、ステッピングモータ122に駆動パルスを出力してステッピングモータ122を駆動し、指針120を移動させる。
【0024】
発振回路102は、所定周波数(例えば、32768Hz)の発振信号を生成して分周回路103に出力する。分周回路103は、発振回路102から入力された発振信号の周波数を分周して計測の基準となる計測信号を生成し、生成した計測信号を制御部101に出力する。
【0025】
入力部104は、スイッチを備え、操作入力を受け付ける。なお、入力部104は、複数のスイッチから構成されていてもよいし、1つのスイッチから構成されていてもよい。
【0026】
記憶部105は、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)やROM(Read Only Memory、読み出し専用メモリ)等から構成され、種々の情報を記憶する。また、記憶部105は、制御部101が実行する動作用プログラムを予め記憶している。この動作用プログラムは、制御部101の起動時に読み出される。
【0027】
太陽電池106は、光(太陽、照明など)を受光して電気エネルギーに変換する発電部である。太陽電池106は、二次電池108を充電する。充放電制御回路107は、二次電池108における充放電を制御する。例えば、充放電制御回路107は、太陽電池106が発電した電気エネルギーを二次電池108に充電する。また、充放電制御回路107は、二次電池108の電圧が所定の電圧以上となった場合には、放電させる、もしくは充電を止める。二次電池108は、電子時計100が備える各部に、動作するための電力を供給する。
【0028】
電池電圧検出部109は、二次電池108の電圧を検出し、検出した電圧値を制御部101に出力する。スイッチ110は、二次電池108から無線通信制御部111への電力の供給をオンオフするためのスイッチである。
【0029】
無線通信制御部111は、アンテナ1111と、近距離無線通信部1112とを備える。アンテナ1111は、近距離無線通信部1112が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部1112は、ブルートゥース等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、携帯電子機器200)と通信する。
【0030】
ステッピングモータ122は、パルス状の駆動信号を受けて所定角度(例えば、180°)ずつ回転するステッピングモータである。この1パルスに相当する所定角度の回転を1ステップと称する。ステッピングモータ122Aは、輪列機構121Aを回転させることにより秒針120Aを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Bは、輪列機構121Bを回転させることにより分針120Bを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Cは、輪列機構121Cを回転させることにより時針120Cを移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Dは、輪列機構121Dを回転させることにより小時計120Dの指針を移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ122Eは、輪列機構121Eを回転させることにより日車120Eを移動させるステッピングモータである。時針120C及び分針120Bは、1周するために480ステップ必要となるように設定されている。また、秒針120Aは、1周するために60ステップ必要となるように設定されている。よって、ステッピングモータ122Cは、時針120Cを1時間分移動させるときには40ステップ(480/12目盛)駆動する。また、ステッピングモータ122Bは、分針120Bを1分間分移動させるときには8ステップ(480/60目盛)駆動する。また、ステッピングモータ122Aは、秒針120Aを1秒間分移動させるときには1ステップ(60/60目盛)駆動する。
【0031】
輪列機構121Aは、秒針120Aを回す輪列機構である。輪列機構121Bは、分針120Bを回す輪列機構である。輪列機構121Cは、時針120Cを回す輪列機構である。輪列機構121Dは、小時計120Dの指針を回す輪列機構である。輪列機構121Eは、日車120Eを回す輪列機構である。
【0032】
また、携帯電子機器200は、例えば、スマートフォンや、携帯電話機や、タブレット端末等の携帯可能な電子機器である。携帯電子機器200は、制御部201と、入力部202と、表示部203と、記憶部204と、アンテナ205と、近距離無線通信部206とを備える。
【0033】
制御部201は、CPUから構成され、携帯電子機器200が備える各部の制御を行う。入力部202は、各種スイッチや表示部203の表示画面に設置されたタッチパネル等であり、入力を受け付ける。表示部203は、液晶ディスプレイ等であり、情報を表示する。記憶部204は、RAMやROM等から構成され、種々の情報を記憶する。
【0034】
アンテナ205は、近距離無線通信部206が通信するためのアンテナである。近距離無線通信部206は、ブルートゥース等の規格による近距離無線通信により他の通信機器(例えば、電子時計100)と通信する。
【0035】
次に、時計システム1における動作を説明する。時計システム1では、ブルートゥースを用いた近距離無線通信により、携帯電子機器200から電子時計100の指針120の位置を修正する。
図3は、本実施形態における指針位置修正方法について説明するための図である。
【0036】
まず、携帯電子機器200の制御部201は、電子時計100の設定に関するアプリケーションを実行し、メインメニュー画面A1を表示部203に表示する。メインメニュー画面A1には、電子時計100の設定に関するメニューの一覧が選択可能に表示されている。図示する例では、メニューとして、都市設定A11と、アラーム設定A12と、指針位置設定A13とがメインメニュー画面A1に表示されている。また、メインメニュー画面A1には、電子時計100に情報を送信するための送信ボタンA10が表示されている。
【0037】
ユーザは、電子時計100の指針120の位置を修正するために、まず、電子時計100に所定のボタン操作をすることにより、電子時計100における通信を開始させる。電子時計100の制御部101は、無線通信制御部111の電源をオンにして、アドバタイズを送信させる。続いて、ユーザは、メインメニュー画面A1において、指針位置設定A13を選択した後、送信ボタンA10を押下する。携帯電子機器200の制御部201は、指針位置設定A13が選択された状態で送信ボタンA10が入力を受け付けると、近距離無線通信部206においてスキャンを開始する。そして、携帯電子機器200の制御部201は、アドバタイズを受信して、電子時計100との接続が確立すると、電子時計100の指針120を基準位置に対応する暫定指針位置に移動させる第1モードになり、電子時計100の指針120の位置を基準位置に移動させる指示である指針位置修正開始コマンド(指針位置修正情報)を近距離無線通信部206から電子時計100に送信する。本例では、基準位置を00時00分00秒とする。その後、携帯電子機器200の制御部201は、暫定指針位置を特定する暫定指針位置特定情報が入力される指針位置粗調整画面A2(第1入力部)を表示部203に表示する。
【0038】
電子時計100の制御部101は、指針位置修正開始コマンドを携帯電子機器200から受信すると、指針120の位置が基準位置になるように、内部カウンタの指針位置情報を更新しながら指針120を移動させる基準位置移動開始処理を開始する。しかしながら、内部カウンタの指針位置情報と実際の指針120の位置とがずれている場合には、指針120の位置が基準位置にならない。図示する例では、電子時計100は、指針120が08時35分20秒を指す状態B1のときに指針位置修正開始コマンドを受信し、09時52分07秒を指す状態B2の位置に指針120を移動させている。状態B2において、電子時計100の内部カウンタの指針位置情報は基準位置(00時00分00秒)であり、実際の指針120の位置とはずれがある。
【0039】
ユーザは、移動後の指針120の状態B2を目視により確認し、指針位置粗調整画面A2に入力する。指針位置粗調整画面A2には、電子時計100の時針120Cが示す時を入力する時入力ボックスA21と、分針120Bが示す分を入力する分入力ボックスA22と、秒針120Aが示す秒を入力する秒入力ボックスA23と、入力した時分秒を電子時計100に送信するための送信ボタンA20が表示されている。
【0040】
指針位置粗調整画面A3に示す例では、時入力ボックスA21に9が入力され、分入力ボックスA22に52が入力され、秒入力ボックスA23に7が入力されている。ユーザは、時分秒の入力が完了すると、送信ボタンA20を押下する。携帯電子機器200の制御部201は、指針位置粗調整画面A3に示す入力状態において、送信ボタンA20が入力を受け付けると、指針120を暫定指針位置から粗調指針位置に移動させる第2モードとなり、指針位置粗調整画面A3に入力された時分秒を含む指針位置粗調整コマンド(暫定指針位置特定情報)を近距離無線通信部206から電子時計100に送信する。その後、携帯電子機器200の制御部201は、指針120の位置の移動指示を入力可能な指針位置微調整画面A4(第2入力部)を表示部203に表示する。
【0041】
電子時計100の制御部101は、指針位置粗調整コマンドを受信すると、受信した指針位置粗調整コマンドに含まれる時分秒と基準位置との差分だけ、指針120を基準位置に向けて移動させる粗調整処理を開始する。図示する例では、電子時計100は、09時52分07秒を指す状態B3のときに、指針位置粗調整コマンドを受信し、11時59分00秒を指す状態B4の位置に指針120を移動させている。状態B4において、内部カウンタの指針位置情報は基準位置である。また、状態B4における指針120の位置は基準位置と微差がある。その理由は、指針位置粗調整画面A3において時分秒が入力された時点で、時針120Cは9時ちょうどではなく、9時±1時間(±30°/40ステップ相当)ずれており、分針120Bも52分ちょうどではなく、52分±1分間(±6°/8ステップ相当)ずれており、秒針120Aも7秒ちょうどではなく、7秒±1秒間(±6°/8ステップ相当)ずれているためである。但し、秒針120Aのずれは秒桁未満となり時間のズレとして極小である。
【0042】
そのため、ユーザは、指針位置微調整画面A4において、電子時計100の指針120の位置を微調整する。指針位置微調整画面A4には、ユーザに基準位置を教えるための静止画A41と、時針120Cを選択する時ボタンA42と、分針120Bを選択する分ボタンA43と、秒針120Aを選択する秒ボタンA44と、指針120を1つずつ単発で戻す戻るボタンA45と、指針120を1つずつ単発で進める進むボタンA46と、指針120を連続で戻す連続戻るボタンA47と、指針120を連続で進める連続進むボタンA48と、設定した指針120の位置を確定するための確定ボタンA49とが表示されている。ユーザは、微調整したい指針120をボタンA42〜A44により選択し、ボタンA45〜A48のうちいずれかを押下することにより、指針120の位置を微調整する。
【0043】
携帯電子機器200の制御部201は、粗調指針位置を微調整する第3モードとなり、指針位置微調整画面A4において選択された指針120と、指針120の駆動方向(戻るまたは進む)と、連続又は単発の駆動種別とを含む指針120の位置の移動指示である指針位置微調整コマンドを近距離無線通信部206から電子時計100に送信する。電子時計100の制御部101は、指針位置微調整コマンドを受信すると、受信した指針位置微調整コマンドに従って、指針120を移動させる微調整処理を開始する。例えば、電子時計100の制御部101は、戻るボタン45又は進むボタン46が押下される毎に、対応する指針120のステッピングモータ122を1ステップ分駆動する。また、電子時計100の制御部101は、連続戻るボタンA47及び連続進むボタンA48が押下されている間、対応する指針120のステッピングモータ122を駆動し続ける。
【0044】
このように微調整することで、指針120の位置が基準位置へ移動し、状態B5となる。状態B5において、内部カウンタの指針位置情報は基準位置を示しており、指針120の位置と一致する。ユーザは、指針120の位置が基準位置になったことを目視により確認すると、確定ボタンA49を押下する。携帯電子機器200の制御部201は、確定ボタンA49が入力を受け付けると、指針位置設定を終了し、表示部203の表示をメインメニュー画面A1に戻す。
【0045】
なお、図示する例では、秒針120A、分針120B、及び時針120Cを修正する場合について説明したが、これに限らず、小時計120Dや日車120Eも同様に修正することができる。例えば、日車120Eの基準位置は1日であり、小時計120Dの基準位置は00時00分(24時)である。
【0046】
また、上述した例では、基準位置を00時00分00秒としたが、基準位置はこれに限らず、例えば現在日時であってもよい。
【0047】
電子時計100は、サイズ面から電池に制約があり、無線通信制御部111による通信とステッピングモータ122の駆動とを同時に行うことが困難となる。近距離無線通信部1112及び近距離無線通信部206は、周期的な通信電波により通信を行い、当該通信電波の通信タイミングが完了した際に通信電波完了信号を出力する。このため、上述したように電子時計100の指針120の位置を修正する場合、状態B1から状態B5の間、通信の接続を確立したままにすると、周期的な通信電波の通信タイミングの際にステッピングモータ122の駆動を一旦停止しなければならず、調整に時間がかかることがある。
【0048】
そのため、本実施形態では、電子時計100は、状態B1から状態B2までの期間及び状態B3から状態B4までの期間は携帯電子機器200との通信の接続を切断し、指針120の移動が完了した後に通信の接続を再確立する。
【0049】
例えば、電子時計100の制御部101は、無線通信制御部111が携帯電子機器200と通信を確立した後に携帯電子機器200から指針位置修正開始コマンドを受信すると、当該指針位置修正開始コマンドに基づき指針位置修正を行う。このとき、制御部101は、指針位置修正開始コマンドした後、もしくはその後の切断コマンドを受信した後に携帯電子機器200との通信を切断し、携帯電子機器200との通信が切断した後に指針位置修正を開始し、指針位置修正の完了後に携帯電子機器200との通信を再確立させる。指針位置修正は、基準位置に対応する暫定指針位置まで内部カウントを更新しながらステッピングモータ122により指針120を移動させる動作を含む。また、制御部101は、無線通信制御部111が指針位置粗調整コマンドを受信すると、携帯電子機器200との通信を切断し、携帯電子機器200との通信が切断した後に、指針位置粗調整コマンドに基づいて基準位置に向けて内部カウンタを更新しつつ指針120をステッピングモータ122により移動させることで指針120を粗調指針位置まで移動させ、移動の完了後に携帯電子機器200との通信を再確立させる。
【0050】
また、制御部101は、指針120の位置の移動指示である指針位置微調整コマンドを無線通信制御部111が受信すると、携帯電子機器200との通信を維持したまま、当該移動指示に基づき指針120を移動させる。このとき、制御部101は、近距離無線通信部1112より発せられる通信電波完了信号を起点とした運針駆動許可期間の間だけステッピングモータ122の駆動を許可する。よって、ステッピングモータ122は、運針駆動許可期間の間に、指針120を移動させる。
【0051】
具体的には、電子時計100は、以下の2つの方法いずれかにより、携帯電子機器200との通信の接続を切断する。
【0052】
第1の方法では、電子時計100が自動的に通信の接続を切断する。
図4は、本実施形態における時計システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。本図には、電子時計100が自動的に通信の接続を切断する場合の動作を示している。
【0053】
(ステップS101)まず、電子時計100は、無線通信制御部111による通信を開始するための所定のボタン操作を入力部104により受け付ける。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS105の処理に進む。
【0054】
(ステップS103)一方、携帯電子機器200は、電子時計100の設定に関するアプリケーションを起動する。そして、近距離無線通信部206による通信をオンにする。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)携帯電子機器200は、スキャンを開始する。
【0055】
(ステップS105)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS106)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS107)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0056】
(ステップS108)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS109)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置修正開始コマンドを電子時計100に送信する。
【0057】
(ステップS110)電子時計100は、指針位置修正開始コマンドを受信すると、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS111の処理に進む。
(ステップS111)電子時計100は、指針120を全て基準位置(暫定指針位置)に向けて移動させる。その後、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS113の処理に進む。
【0058】
(ステップS113)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS114)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS115)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0059】
(ステップS116)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS117)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置粗調整コマンドを電子時計100に送信する。
【0060】
(ステップS118)電子時計100は、指針位置粗調整コマンドを受信すると、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS119の処理に進む。
(ステップS119)電子時計100は、指針位置粗調整コマンドに基づき内部カウンタが示す指針位置情報を更新し、再度指針120を全て基準位置(粗調指針位置)まで移動させる。その後、ステップS120の処理に進む。
(ステップS120)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS121の処理に進む。
【0061】
(ステップS121)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS122)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS123)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0062】
(ステップS124)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS125)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置微調整コマンドを電子時計100に送信する。
【0063】
(ステップS126)電子時計100は、携帯電子機器200から指針位置微調整コマンドを受信すると、指針位置微調整コマンドに対する受信応答を携帯電子機器200に送信する。その後、ステップS127の処理に進む。
(ステップS127)電子時計100は、指針位置微調整コマンドに基づいて、ステッピングモータ122を駆動させて指針120を移動させる。その後、指針位置微調整画面A4における入力に応じて、ステップS125〜S127の処理を繰り返す。
【0064】
(ステップS128)携帯電子機器200は、指針位置微調整画面A4に表示された確定ボタンA49が入力を受け付けると、通信切断要求を電子時計100に送信する。
(ステップS129)電子時計100は、通信切断要求を受信すると、無線通信制御部111の電源をオフにする。なお、電子時計100は、所定時間以上携帯電子機器200との間に有効なデータ通信がない場合にも、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、処理を終了する。
【0065】
第2の方法では、携帯電子機器200から電子時計100に通信の切断を要求する通信切断要求を送信して通信の接続を切断する。
図5は、本実施形態における時計システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。本図には、携帯電子機器200から電子時計100に通信切断要求を送信して通信の接続を切断する場合の動作を示している。
【0066】
(ステップS201)まず、電子時計100は、無線通信制御部111による通信を開始するための所定のボタン操作を入力部104により受け付ける。その後、ステップS202の処理に進む。
(ステップS202)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS205の処理に進む。
【0067】
(ステップS203)一方、携帯電子機器200は、電子時計100の設定に関するアプリケーションを起動する。そして、近距離無線通信部206による通信をオンにする。その後、ステップS204の処理に進む。
(ステップS204)携帯電子機器200は、スキャンを開始する。
【0068】
(ステップS205)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS206)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS207)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0069】
(ステップS208)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS209)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置修正開始コマンドを電子時計100に送信する。
【0070】
(ステップS210)電子時計100は、指針位置修正開始コマンドを受信すると、指針位置修正開始コマンドに対する受信応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS211)携帯電子機器200は、指針位置修正開始コマンドに対する受信応答を受信すると、通信切断要求を電子時計100に送信する。
【0071】
(ステップS212)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS213の処理に進む。
(ステップS213)電子時計100は、指針120を全て基準位置(暫定指針位置)まで移動させる。その後、ステップS214の処理に進む。
(ステップS214)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS215の処理に進む。
【0072】
(ステップS215)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS216)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS217)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0073】
(ステップS218)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS219)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置粗調整コマンドを電子時計100に送信する。
【0074】
(ステップS220)電子時計100は、指針位置粗調整コマンドを受信すると、指針位置粗調整コマンドに対する受信応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS221)携帯電子機器200は、指針位置粗調整コマンドに対する受信応答を受信すると、通信切断要求を携帯電子機器200に送信する。
【0075】
(ステップS222)電子時計100は、通信切断要求を受信すると、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS223の処理に進む。
(ステップS223)電子時計100は、指針位置粗調整コマンドに基づき内部カウンタが示す指針位置情報を更新し、再度指針120を全て基準位置(粗調指針位置)まで移動させる。その後、ステップS224の処理に進む。
(ステップS224)電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS225の処理に進む。
【0076】
(ステップS225)電子時計100は、アドバタイズを送信する。
(ステップS226)携帯電子機器200は、電子時計100からアドバタイズを受信すると、電子時計100に接続要求を送信する。
(ステップS227)電子時計100及び携帯電子機器200は、電子時計100が携帯電子機器200からの接続要求を受信すると、接続を確立させる。
【0077】
(ステップS228)電子時計100は、接続が確立すると、接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。
(ステップS229)携帯電子機器200は、電子時計100から接続完了応答を受信すると、指針位置微調整コマンドを電子時計100に送信する。
【0078】
(ステップS230)電子時計100は、携帯電子機器200から指針位置微調整コマンドを受信すると、指針位置微調整コマンドに対する受信応答を携帯電子機器200に送信する。その後、ステップS231の処理に進む。
(ステップS231)電子時計100は、指針位置微調整コマンドに基づいて、ステッピングモータ122を駆動させて指針120を移動させる。その後、指針位置微調整画面A4における入力に応じて、ステップS229〜S231の処理を繰り返す。
【0079】
(ステップS232)携帯電子機器200は、指針位置微調整画面A4に表示された確定ボタンA49が入力を受け付けると、通信切断要求を電子時計100に送信する。
(ステップS233)電子時計100は、通信切断要求を受信すると、無線通信制御部111の電源をオフにする。なお、電子時計100は、所定時間以上携帯電子機器200との間に有効なデータ通信がない場合にも、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、処理を終了する。
【0080】
図6は、本実施形態における電子時計100が実行する通信開始処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す処理は、上述したステップS101〜S108又はS201〜208の処理に対応する。
【0081】
(ステップS301)制御部101は、無線通信制御部111による通信を開始するための所定のボタン操作を入力部104が受け付けたか否かを判定する。操作を受け付けたと制御部101が判定した場合には、ステップS302の処理に進む。また、操作を受け付けていないと制御部101が判定した場合には、ステップS301の処理を再度実行する。
【0082】
(ステップS302)制御部101は、スイッチ110をオンにして無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS303の処理に進む。
(ステップS303)制御部101は、無線通信制御部111の起動が完了したか否かを判定する。起動が完了したと制御部101が判定した場合には、ステップS304の処理に進む。また、起動が完了していないと制御部101が判定した場合には、ステップS303の処理を再度実行する。
【0083】
(ステップS304)制御部101は、無線通信制御部111へ通信開始を設定する。無線通信制御部111は、通信開始が設定されると、アドバタイズを送信する。その後、ステップS305の処理に進む。
(ステップS305)制御部101は、携帯電子機器200との接続が確立されたか否かを判定する。接続が確立されたと制御部101が判定した場合には、ステップS306の処理に進む。また、接続が確立されていないと制御部101が判定した場合には、ステップS305の処理を再度実行する。
【0084】
(ステップS306)制御部101は、無線通信制御部111を介して、通常の接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。その後、処理を終了する。
【0085】
図7は、本実施形態における電子時計100が実行する基準位置移動開始処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す処理は、上述したステップS109〜S116又はS209〜S218の処理に対応する。
【0086】
(ステップS401)制御部101は、携帯電子機器200から指針位置修正開始コマンドを受信したか否かを判定する。指針位置修正開始コマンドを受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS402の処理に進む。また、指針位置修正開始コマンドを受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS401の処理を再度実行する。
【0087】
(ステップS402)制御部101は、スイッチ110をオフにして、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS403の処理に進む。
【0088】
(ステップS403)制御部101は、ステッピングモータ122を駆動して、全ての指針120の基準位置への移動を開始する。その後、ステップS404の処理に進む。
(ステップS404)制御部101は、各指針120それぞれについて、基準位置までの駆動パルス数を算出する。その後、ステップS405の処理に進む。
【0089】
(ステップS405)制御部101は、駆動パルスが全周の3分の1以下である場合には、正逆反転(すなわち、回転方向を反転)し、駆動パルス数を補正する。その後、ステップS406の処理に進む。
【0090】
(ステップS406)制御部101は、各ステッピングモータ122に対して駆動パルスを出力する。その後、ステップS407の処理に進む。
(ステップS407)制御部101は、内部カウンタが示す各指針120の指針位置情報を更新する。その後、ステップS408の処理に進む。
【0091】
(ステップS408)制御部101は、全ての指針120が基準位置に到達したか否かを判定する。全ての指針120が基準位置に到達したと制御部101が判定した場合には、ステップS409の処理に進む。また、基準位置に到達していない指針120があると制御部101が判定した場合には、ステップS406の処理に戻る。
【0092】
(ステップS409)制御部101は、スイッチ110をオンにして無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS410の処理に進む。
(ステップS410)制御部101は、無線通信制御部111の起動が完了したか否かを判定する。起動が完了したと制御部101が判定した場合には、ステップS411の処理に進む。また、起動が完了していないと制御部101が判定した場合には、ステップS410の処理を再度実行する。
【0093】
(ステップS411)制御部101は、無線通信制御部111へ通信開始を設定する。無線通信制御部111は、通信開始が設定されると、アドバタイズを送信する。その後、ステップS412の処理に進む。
(ステップS412)制御部101は、携帯電子機器200との接続が確立されたか否かを判定する。接続が確立されたと制御部101が判定した場合には、ステップS413の処理に進む。また、接続が確立されていないと制御部101が判定した場合には、ステップS412の処理を再度実行する。
【0094】
(ステップS413)制御部101は、無線通信制御部111を介して、指針120の位置の修正を継続することを示す指針位置修正継続を含む接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。その後、処理を終了する。
【0095】
図8は、本実施形態における電子時計100が実行する粗調整処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す処理は、上述したステップS117〜S124又はS219〜S228の処理に対応する。
【0096】
(ステップS501)制御部101は、携帯電子機器200から指針位置粗調整コマンドを受信したか否かを判定する。指針位置粗調整コマンドを受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS502の処理に進む。また、指針位置粗調整コマンドを受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS501の処理を再度実行する。
【0097】
(ステップS502)制御部101は、指針位置粗調整コマンドに含まれる指針位置情報を取得する。その後、ステップS503の処理に進む。
【0098】
(ステップS503)制御部101は、受信した指針位置情報に基づいて、内部カウンタが示す指針120の指針位置情報を更新する。その後、ステップS504の処理に進む。
(ステップS504)制御部101は、スイッチ110をオフにして、無線通信制御部111の電源をオフにする。その後、ステップS505の処理に進む。
【0099】
(ステップS505)制御部101は、ステッピングモータ122を駆動して、全ての指針120の基準位置への移動を開始する。その後、ステップS506の処理に進む。
(ステップS506)制御部101は、各指針120それぞれについて、基準位置までの駆動パルス数を算出する。その後、ステップS507の処理に進む。
【0100】
(ステップS507)制御部101は、駆動パルスが全周の3分の1以下である場合には、正逆反転し、駆動パルス数を補正する。その後、ステップS508の処理に進む。
【0101】
(ステップS508)制御部101は、各ステッピングモータ122に対して駆動パルスを出力する。その後、ステップS509の処理に進む。
(ステップS509)制御部101は、内部カウンタが示す各指針120の指針位置情報を更新する。その後、ステップS510の処理に進む。
【0102】
(ステップS510)制御部101は、全ての指針120が基準位置に到達したか否かを判定する。全ての指針120が基準位置に到達したと制御部101が判定した場合には、ステップS511の処理に進む。また、基準位置に到達していない指針があると制御部101が判定した場合には、ステップS508の処理に戻る。
【0103】
(ステップS511)制御部101は、スイッチ110をオンにして無線通信制御部111の電源をオンにする。その後、ステップS512の処理に進む。
(ステップS512)制御部101は、無線通信制御部111の起動が完了したか否かを判定する。起動が完了したと制御部101が判定した場合には、ステップS513の処理に進む。また、起動が完了していないと制御部101が判定した場合には、ステップS512の処理を再度実行する。
【0104】
(ステップS513)制御部101は、無線通信制御部111へ通信開始を設定する。無線通信制御部111は、通信開始が設定されると、アドバタイズを送信する。その後、ステップS514の処理に進む。
(ステップS514)制御部101は、携帯電子機器200との接続が確立されたか否かを判定する。接続が確立されたと制御部101が判定した場合には、ステップS515の処理に進む。また、接続が確立されていないと制御部101が判定した場合には、ステップS514の処理を再度実行する。
【0105】
(ステップS515)制御部101は、無線通信制御部111を介して、指針位置修正継続を含む接続完了応答を携帯電子機器200に送信する。その後、処理を終了する。
【0106】
図9は、本実施形態における電子時計100が実行する微調整処理の処理手順を示したフローチャートである。本図に示す処理は、上述したステップS125〜S127又はS229〜S231の処理に対応する。
【0107】
(ステップS601)制御部101は、携帯電子機器200から指針位置微調整コマンドを受信したか否かを判定する。指針位置微調整コマンドを受信したと制御部101が判定した場合には、ステップS602の処理に進む。また、指針位置微調整コマンドを受信していないと制御部101が判定した場合には、ステップS601の処理を再度実行する。
【0108】
(ステップS602)制御部101は、受信した指針位置微調整コマンドから対象の指針120、指針120の駆動方向、連続又は単発の駆動種別を判別する。その後、ステップS603の処理に進む。
【0109】
(ステップS603)制御部101は、指針位置微調整コマンドに対する受信応答である指針位置微調整コマンド正常受信を携帯電子機器200に送信する。その後、ステップS604の処理に進む。
(ステップS604)制御部101は、ステップS602において判別した情報に基づいて、指針120の移動を開始する。その後、処理を終了する。
【0110】
ここで、電子時計100の制御部101は、微調整処理の際、近距離無線通信部1112より発せられる通信電波完了信号を起点とした運針駆動許可期間の間だけステッピングモータ122の駆動を許可する。なお、近距離無線通信部1112は、データの送受信が完了したとき、データの送受信が完了したことを示す通信電波完了信号を生成し、生成した通信電波完了信号を制御部101に出力する。また、運針駆動許可期間とは、ステッピングモータ122によって指針120の駆動を許可する期間である。ステッピングモータ122は、運針駆動許可期間の間に、指針120を移動させる。
【0111】
図10は、本実施形態における電子時計100の微調整処理時における動作を示すタイミングチャートである。本図には、電子時計100と携帯電子機器200との通信接続が確立した接続状態時に、微調整処理する際の動作例を示している。本図において、符号g1は、無線通信制御部111がデータを送受信している状態を表している。符号g2は、通信制御部1013が、無線通信制御部111が出力する通信電波完了信号を受け取るタイミングを表している。また、T2は、通信電波完了信号を受け取ったタイミングから設定する運針駆動許可期間を表している。符号g4は、指針制御部1016が、ステッピングモータ122へ駆動パルスを出力するタイミング、すなわち実際に運針が行われる運針タイミングを表している。
【0112】
例えば、制御部101は、t16におけるサンプリング電波g1に指針位置微調整コマンドが含まれている場合には、何等かの処理遅れののち、t17を起点に設定された運針駆動許可期間T2内のt18を運針タイミングとし、駆動パルスを生成して、生成した駆動パルスをステッピングモータ122へ出力する。なお、何等かの処理遅れは、同時処理の負荷や負荷数等に影響される。
【0113】
一方、制御部101は、何等かの処理遅れにより、t16におけるサンプリング電波g1で受信した指針位置微調整コマンドの指示を運針駆動許可期間T2外のt19〜t20の期間に処理しようとする場合には、次の運針駆動許可期間T2まで待機し、次の運針駆動許可期間T2内のt22〜t23を運針タイミングとし、駆動パルスを生成し、生成した駆動パルスをステッピングモータ122へ出力する。
【0114】
すなわち、制御部101は、運針駆動許可期間T2のみを運針タイミングとする。よって、制御部101は、運針駆動許可期間T2のみに指針120を移動させ、運針駆動許可期間T2以外では指針120を移動させない。
【0115】
なお、制御部101は、通信中のサンプリング電波g1に指針位置微調整コマンドが含まれていない場合には、t25〜t26に示すように、駆動パルスを生成しない。
【0116】
以上のように、微調処理における指針位置の修正は、電子時計100と携帯電子機器200との接続状態(通信接続を維持した状態)において行われる。
【0117】
上述したとおり、本実施形態における時計システム1は、携帯電子機器200と携帯電子機器200と通信可能な電子時計100とを備える。電子時計100は、携帯電子機器200と通信する近距離無線通信部1112と、近距離無線通信部1112が携帯電子機器200との通信を確立した後に携帯電子機器200から指針位置修正情報を受信すると、指針位置修正情報に基づき指針位置修正を行う制御部101と、を備える。電子時計100と携帯電子機器200とは、電子時計100が指針位置修正情報を受信した後に通信を切断する。また、制御部101は、携帯電子機器200との通信が切断した後に、指針位置修正を開始し、当該指針位置修正の完了後に携帯電子機器200との通信を再確立させる。
【0118】
これにより、電子時計100は、指針位置修正のためのステッピングモータ122の駆動中に通信をする必要がなくなり、効率的に指針120の位置を修正することができる。
【0119】
また、指針位置修正は、基準値に対応する暫定指針位置まで内部カウンタを更新しながらステッピングモータ122により指針120を移動させる動作を含み、携帯電子機器200は、電子時計100と通信する近距離無線通信部206と、暫定指針位置を特定する暫定指針位置特定情報が入力される入力部202と、近距離無線通信部206が電子時計100との通信を再確立した後、暫定指針位置特定情報を電子時計100に送信する制御部201と、を備える。電子時計100と携帯電子機器200とは、電子時計100が暫定指針位置特定情報を受信した後に通信を切断し、制御部101は、携帯電子機器200との通信が切断した後に、受信した暫定指針位置特定情報に基づいて基準値に向けて内部カウンタを更新しつつ指針120をステッピングモータ122により移動させることで指針120を粗調指針位置まで移動させ、移動の完了後に携帯電子機器200との通信を再確立させることを特徴とする。
【0120】
これにより、電子時計100は、指針120を暫定指針位置から粗調指針位置まで移動させる粗調整のためのステッピングモータ122の駆動中に通信をする必要がなくなり、効率的に指針120の位置を修正することができる。
【0121】
また、携帯電子機器200は、指針120の位置の移動指示を入力可能な入力部202を備える。また、制御部101は、入力部202に入力された移動指示に基づき指針120を移動させる。これにより、粗調指針位置にある指針120を微調整することができる。
【0122】
また、近距離無線通信部1112は、周期的な通信電波により通信を行い、当該通信電波の通信タイミングが完了した際に通信電波完了信号を出力し、制御部101は、通信電波完了信号を起点とした運針駆動許可期間の間だけステッピングモータ122の駆動を許可し、ステッピングモータ122は、運針駆動許可期間の間に、指針120を移動させる。これにより、電子時計100において、微調整中に、通信タイミングとステッピングモータ122の駆動タイミングとが重なることを防ぐことができる。
【0123】
なお、上述した実施形態における電子時計100または携帯電子機器200が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0124】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0125】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0126】
例えば、上述した実施形態では、電子時計100は、無線通信制御部111の電源をオフにして携帯電子機器200との通信の接続を切断しているが、これに限らず、通信を停止して携帯電子機器200との通信の接続を切断してもよい。
【0127】
また、上述した実施形態では、指針120を暫定指針位置から粗調指針位置に移動させる粗調整処理を1回のみ行っているが、これに限らず、2回以上行えるようにしてもよい。例えば、携帯電子機器200は、指針位置微調整画面から指針位置粗調整画面に戻れるようにしてもよい。
【0128】
また、上述した実施形態では、携帯電子機器200は、指針位置粗調整画面において指針120の暫定指針位置を特定する暫定指針位置特定情報を入力しているが、これに限らず、例えば、時計のイラストを表示し、表示された時計の指針の位置をタッチパネルにより移動させることにより暫定指針位置特定情報を入力するようにしてもよい。或いは、カメラにより電子時計100を撮像して指針120の位置を解析することにより、暫定指針位置特定情報を入力するようにしてもよい。
【0129】
また、上述した実施形態では、各指針120がそれぞれ対応する個々のステッピングモータ122の駆動により独立して移動する場合について説明したが、これに限らず、複数の指針120が1つのステッピングモータ122により連動して動くものであってもよい。例えば、秒針120Aは独立して移動し、分針120B及び時針120Cは連動して移動するものであってもよい。或いは、時針120Cは独立して移動し、分針120B及び秒針120Aは連動して移動するものであってもよい。また、時針120Cと日車120Eとが連動して移動するものであってもよい。