(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態は一例に過ぎない。
【0018】
まず、
図1ないし
図5を参照して、本実施形態の燃料給油管について説明する。その後、
図6ないし
図15を参照して、本実施形態の燃料給油管に取り付けられる構造物の一例である給油口の閉鎖装置(以下、単に閉鎖装置という)について説明する。
【0019】
[燃料給油管]
図1及び
図4に示したように、本実施形態の燃料給油管5(以下、単に給油管という。)は、螺子山51を備える。
図1に示しように、螺子山51は、その外側から見たときに、給油管の内側に対して給油管5を構成する板材を凹ませた形状を有する突条となっている。本実施形態の給油管5では、螺子山51の数は2条であるが、特にその条数は限定されない。
【0020】
本実施形態の給油管は、金属、より具体的には鋼から構成されている。外側から見たときに給油管5の内側に対して凹んだ形状を有する螺子山51(突条)は、例えば、金属の板を螺子山の形状を有する型の間に挟んでプレスすることにより成形するなど、金属の板に対して外部から力を加えることによって成形することができる。
【0021】
図1及び
図2に示したように、上記の螺子山51(突条)は、その長手方向が給油管5の周方向に沿うように給油管5の内側に対して突出する形状である。螺子山51の断面は、
図3及び
図5に示したように螺子山51の頂部511が螺子山51の中央部512から短手方向にずれた形状となっている。中央部512は、突条の短手方向の幅に対する中ほどの部分のことをいう。頂部511は、突条の頂点の部分をいう。なお、
図3及び
図5において、螺子山51の中央部512は破線で示し、頂部511は太い実線で示した。
図1及び
図17においては、頂部511を破線で示した。
【0022】
螺子山51は、
図5に示したように、第1傾斜面513と、第2傾斜面514とが上記の頂部511によって接合された形状である。
図5に示したように、頂部511の断面形状は、略円弧状となっており、頂部511がずれた側に第1傾斜面513が位置し、他方側に第2傾斜面514が位置する。給油管5を構成する板材515と第1傾斜面513とのなす角度θ1と、給油管5を構成する板材515と第2傾斜面514とのなす角度θ2とを比較すると、
図5に示したように、θ1がθ2よりも小さくなっている。このため、第1傾斜面513は、
図5に示したように、第2傾斜面514に比べると、比較的に水平に近い角度となる。これによって、給油管5に捩じ込まれる所定の構造物に設けられた螺子山と接触する面積を大きくし、螺子の掛かりをよくすることが可能になる。本実施形態の給油管5では、θ1=120°であり、θ2=150°である。
【0023】
上述のように、本実施形態の給油管5では、螺子山51(突条)の頂部511を螺子山51の中央部512から短手方向にずれた位置に設けている。このため、螺子の掛かりを気にせずに、螺子山51の短手方向の幅を設計することが可能になる。例えば、螺子山51の短手方向における幅は、1〜40mmとすることが好ましく、3〜30mmにすることがより好ましい。給油管5に外力を加えて凹ませることにより螺子山51を成形しようとした場合、螺子山51の短手方向の幅を小さく設定すると、螺子山51を構成する板やその周辺の給油管を構成する板において局所的に板が大きく引っ張られる部分が生じる原因となる。これによって、板の厚みが局所的に減少する原因となる。一方、螺子山51の短手方向の幅を大きく設定すると、板が全体的に引き延ばされることにより局所的に板の厚みが減少することが防止される。これによって、給油管5に螺子山を形成する際にひび割れなどの破損が生じることを防ぐことが可能になる。
【0024】
螺子山を正面から見たときに、螺子山(突条)の端部の側辺が、上辺及び下辺のうちいずれか一方の辺から他方の辺に向けて傾斜した形状とすることが好ましい。本実施形態の給油管5では、
図4に示したように、螺子山51の端部の側辺516は、螺子山51の上辺517及び下辺518のうち頂部511寄りの一方の辺から他方の辺に向けて傾斜した形状である。そして、上辺517及び下辺518のうちいずれか一方の辺の長さが他方の辺の長さよりも長くなっている。より具体的には、螺子山51の端部の側辺516が下辺518から上辺517に向けて傾斜した形状となっている。そして、螺子山51の各角部は、正面視、底面視、平面視、及び底面視のいずれの方向から見ても、略円弧状に角取りがされた形状となっている。螺子山51の端部の側辺516を傾斜させることによって、螺子山51を構成する板が局所的に大きく引き伸ばされるのを防止して、螺子山51の端部の側辺部分における板厚の減少を抑えることが可能となる。
【0025】
図2に示したように、螺子山51は、平面視及び底面視において、給油管の内側に対して突出する形状であり、給油管の内側の辺が短く給油管の外側の辺が長い台形状であり、内側の辺と外側の辺の接合する部分、すなわち角部は略円弧状となっている。
【0026】
本実施形態の給油管5は、
図1ないし
図4に示したように、複数の螺子山51の間に、楕円状の凸部52を備えている。この凸部52は、給油管5を外側から見たときに給油管の内側に対して給油管を凹ませた形状となっている。凸部52は、上述の螺子山51と同様に、給油管5に外力を加えることによって成形され、例えばプレス成型によって成形することが可能である。凸部52を正面から見ると、真円ではなく、楕円状となっている。凸部52を楕円状にすることによって、凸部52の幅を大きく設定することが可能になる。凸部52の幅を大きくすると、板が全体的に引き延ばされ、局所的に板の厚みが減少することが防止される。一方、凸部52を真円状にするなどして凸部の幅を小さく設定した場合は、給油管5に外力を加えて凹ませることにより凸部を成形しようとすると、凸部に対して局所的に板が大きく引っ張られる部分が生じて板の厚みが局所的に減少する。
【0027】
凸部52は、正面から見たときは上述のように楕円状の形状である。そして、その断面形状は、
図4に示したように、楕円を縦半分に分割した形状となっている。
図2に示したように、凸部52は、平面視及び底面視において、給油管の内側に突出した形状であり、その頂部は略円弧状となっており、給油管5との接続する部分も略円弧状となっている。凸部52は、後述するように、給油管5に対して閉鎖装置などの所定の構造物を捩じ込むときに過剰な捩じ込みを規制するストッパーとして機能する。
【0028】
本実施形態の給油管5では、
図4に示したように、螺子山51は、反時計回りの方向に向かって下り勾配となるように、給油管5の内壁に設けられる。螺子山51は、傾斜した状態で給油管5の内壁に設けられているため、給油管5に取り付けられる所定の構造物の螺子山と接触した際に、構造物が過剰に捩じ込まれることを防ぐストッパーとしても機能する。
【0029】
本実施形態の給油管5は、
図3等に示したように、その先端部の内径が基端部の内径に比べて大きくなるように拡径されている。先端部を拡径することによって、後述する閉鎖装置2を内蔵することが可能となっている。先端部を拡径し、さらに螺子山51又は凸部52を設けると、螺子山51又は凸部52周辺での板厚の減少が顕著になる。このため螺子山や凸部を形成する際に局所的に板厚が減少すると給油管5が割れる原因となる。先端部を拡径した時点で板の厚みが減少するからである。本実施形態の給油管5では、螺子山51及び凸部52の形状を工夫しているため、給油管5における局所的な板厚の減少が防止される。
【0030】
[燃料給油管の閉鎖装置]
上記の給油管5に螺合することによって固定される構造部の一例として、
図6ないし
図11に示す給油口の閉鎖装置2について説明する。
【0031】
上記の閉鎖装置2は、捩じ込み式の給油口の閉鎖装置2であって、給油管5の周方向に沿って回転させて、
図1ないし
図5に示した給油管5に対して固定される。具体的には、
図8に示される本体21に設けられる複数の突条211を、
図1ないし
図5に示した給油管5の複数の螺子山51に対して捩じ込むことによって、閉鎖装置2を給油管5に対して螺合する。
【0032】
上記の給油管5に設けられる螺子山51の数は、
図1に示した通り、2条である。螺子山51は、
図12に示したように、本体21に設けられる2つの突条211を通過させることが可能な間隔を空けて配置されている。閉鎖装置2の本体21に設けられる突条211も2条であり、上述の通り、給油管5に設けられる螺子山51の間に差し込むことができる間隔を空けて配置されている。
【0033】
後述する本体21を給油管5に対して嵌めた直後における状態を
図12に示す。この状態を始端位置と呼ぶ。本体21を給油管5に嵌めた状態では、本体21の複数の突起211は、側面視において、給油管5の複数の螺子山51よりも低い位置にある。本体21を
図12において矢印で示した閉方向に回転させると、
図13のように給油管5の螺子山51と本体21の突条211とが摺動しながら回転して、
図14及び
図15に示した終端に達して、螺合が完了する。これにより、閉鎖装置2と給油管5との固定が完了する。閉鎖装置2が給油管5に捩じ込まれた状態では、
図6に示したように、後述するパッキン217が給油管5の上端に設けられた受座に圧接する。これによって、給油口の気密性が保たれる。受座は給油管5の先端部分を外方に折り曲げて構成される。
【0034】
図4、
図9、及び
図10に示したように、本体21の突条211と給油管5の螺子山51とは、共に傾斜した状態となっている。このため、閉鎖装置2を給油管5に対して捩じ込む際には、本体21の突条211の斜面と給油管5との螺子山51の斜面とが当接して、本体21が過度に回動することが防止される。本実施形態の閉鎖装置2の取付構造1では、
図4、
図9、及び
図10に示したように、突条211及び螺子山51は、共に反時計回りの方向に向かって下るように傾斜している。
【0035】
以下、閉鎖装置2の構成についてより詳細に説明する。上記の閉鎖装置2は、
図6ないし
図8に示すように、貫通孔214と当該貫通孔214の縁に配される弁座213を有する本体21と、弁座213に対して付勢された蓋体22とを有する。給油を行う際には、付勢された蓋体22に対して給油ノズルを押し当てて蓋体22を開くことによって給油管5の中に給油ノズルを挿入し、給油を行う。
【0036】
本体21は、
図6ないし
図8に示したように、その下部に配され、横断面が略円形状の筒状部215と、筒状部215の上方に配される弁座213と、弁座213の上方に配される環状壁216と、その外周部に固定される環状のパッキン217(
図6)と、筒状部215から給油管5の半径方向に対して外側に突出する複数の突条211と、弁座213の下方に配される蓋体22の第1取付部218(
図7)と、給油管5の凸部52に係合する弾性部212と、給油管5の凸部52に当接してストッパーとして機能する規制部219とを含む。本実施形態の閉鎖装置2では、筒状部215、弁座213、環状壁216、複数の突条211、第1取付部218、弾性部212、及び規制部219は一体に構成される。本体は、この構成に限定されず、捩じ込みにより給油管に対して固定可能であり、弁座と貫通孔と弾性部とを備える形状であればよく、略筒状であることが好ましい。
【0037】
環状壁216は、
図8に示すように、弁座213から上方に突出する壁状の部分であり、給油ノズルが本体21の外に逸脱しないようにし、給油ノズルが車体側の部材に接触するのを防ぐ。弁座213の上面と環状壁216の内周との両面に接するように、複数の板状の突起65が設けられている。この突起218は、環状壁216を補強すると共に、給油ノズルを弁座213に囲まれた貫通孔214に案内する。
【0038】
本実施形態の閉鎖装置2では、
図8に示したように、筒状部215の外周部分に弾性部212が設けられる。筒状部215の外周部分は、給油管5に嵌められた状態において、給油管5の内壁と向かい合う。弾性部212は一端側が本体21に接続されており、他端側が自由端となる板状の部材である。この構成では、
図13に示したように、弾性部212は、本体21に接続される一端側を支点とし、自由端が給油管5に設けた凸部52に押されて給油管の半径方向に対して変位する。
【0039】
図8に示したように、弾性部212は、本体21を捩じ込む際の回転方向に沿って延びる形状である。
図12に示したように、閉鎖装置2と給油管5とを嵌め合わせた直後の位置を始端位置とする。
図12に示したように、始端位置において、弾性部212が筒状部215に接続される一端側は自由端側に比べて凸部52に近い位置にあり、弾性部212の自由端は一端側に比べて凸部52から遠い位置にある。弾性部212は、
図8に示したように、閉鎖装置2が回転する方向に沿って延びる形状であり、閉鎖装置2が回転する方向に沿って延びる貫通孔64と、貫通孔64に交差する方向に延びる貫通孔63とによって、凸部52に押されたときに弾性部212の上端部と下端部とが共に変位するように構成されている。本実施形態の閉鎖装置2では、弾性部212を筒状部215の下端に設ける構成としたが、筒状部の中ほどに、コの字状の貫通孔に囲まれた弾性部を設ける構成としてもよい。
【0040】
弾性部212は、
図8に示したように、本体21に設けられる貫通孔63に接する形状であり、また貫通孔63、64に囲まれた形状である。より具体的には、弾性部212は、上下方向に延びるスリット状の貫通孔63と、左右方向に延びるスリット状の貫通孔64とに囲まれた形状となっている。貫通孔63は、本体の下端から延びる形状であり、本体21の上端には達しない。
【0041】
本実施形態の閉鎖装置2では、貫通孔63を挟んだ状態で弾性部212の自由端と向かい合う位置に規制部219が設けられる。規制部219は、
図13に示したように、筒状部215を構成する板の厚みよりも厚さが大きい形状となっている。
【0042】
上述の弁座213には、
図7に示したように、第1取付部218が設けられる。第1取付部218は、一対の板状部材から構成される。それぞれの板状部材には、貫通孔が設けられている。蓋体の第2取付部223に設けられた貫通孔と板状部材の貫通孔とに軸226を挿通することによって、蓋体22を回動可能な状態で支える。軸226には弾性体227として捩じりコイルバネが挿通されており、蓋体22を弁座213に対して付勢する。
【0043】
図6に示したように、蓋体22は、基部221と、基部221の上面に配される閉鎖部222と、基部221に接続され、その基端部に配される一対の第2取付部223とを有する。第2取付部223は、
図7に示したように腕状の部材であり、先端に軸226を通す部分を有する。基部221と第2取付部223とは一体に成形される。基部221の下面には、弾性体227の端部が接続されている。蓋体22は、基部の下面に接続された弾性体227によって弁座213に対して付勢される。蓋体の構成は、この構成に限定されず、弁座に対して付勢されることにより弁座に圧接し給油口を気密にすることができるものであればよい。
【0044】
閉鎖部222は、基部221の上面に固定され、平面視において略円形であり、側面視において略筒状の部材である。閉鎖部222は、本体21に設けられる貫通孔214の内径よりもその外径が少し小さい程度の円形である。閉鎖部222の周面には凹溝224が配されている。凹溝224には、弾性素材から構成される環状部材225が嵌められている。この環状部材225が弁座213に対して圧接することで、給油口は気密に保たれる。
【0045】
上述の通り、給油管5の内壁には、凸部52が配される。本体21には、本体21を給油管に対して捩じ込む操作を行ったときに、この凸部52と接触することができる位置に弾性部212が設けられる。そして、弾性部212の形状は、給油管5に対して本体21を捩じ込む操作に伴って給油管5に設けた凸部52が接触したときに弾性部212が給油管5の半径方向に変位し給油管の凸部52の通過を許すものとなっている。
【0046】
次に、閉鎖装置2を給油管5に取り付ける際の動作についてより詳細に説明する。
図12において矢印で示したように、閉鎖装置2を給油管5に取り付けるときには、閉鎖装置2を閉方向に回転させる。閉鎖装置2を閉方向に回転させ続けると、給油管5の凸部52に対して弾性部212が近づいていく。閉鎖装置2を閉方向にさらに回転させると、
図13に示したように、弾性部212の傾斜部62が凸部52に乗り上げて、給油管5の半径方向に対して内側に弾性部212が変位する。
【0047】
このように、給油管5に設けた凸部52が弾性部212を半径方向に対して内側に変位させるので、本体21は凸部52に邪魔されることなく閉鎖装置2を閉方向に回転することが可能である。なお、
図12ないし
図14において、弾性部212を強調するために、弾性部212に斜線を付した。
【0048】
傾斜部212が凸部52に乗り上げた状態からさらに閉鎖装置2を回転すると、
図14に示したように、弾性部212は元の形状に復帰して、給油管5の凸部52は、弾性部212と規制部219の間に収納される。この状態からさらに閉鎖装置2を閉方向に回転させようとすると、本体21に設けた規制部219の縁が給油管5に設けた凸部52に接触する。これによって閉鎖装置2の閉方向への過剰な回転が規制される。
【0049】
図14及び
図15に示した終端位置では、給油管5に設けた複数の螺子山51の下に本体に設けた複数の突条211が位置する。また、給油管5の複数の螺子山51の下面と本体21の突条211の上面が密に接触する。これにより、閉鎖装置2は、給油管5に対して固定される。
【0050】
図13に示した終端位置において、
図13において矢印で示した開方向へ閉鎖装置2を回転させようとすると、弾性部212の縁が給油管の凸部52に接触して開方向、すなわち、閉鎖装置2が緩む方向への回転が阻止される。このように、給油管の凸部52は、閉鎖装置などの構造物を給油管に捩じ込むときに、過剰な捩じ込みを規制するストッパとして機能する。
【実施例】
【0051】
非線形構造解析ソフトを使用して、以下に説明する構成を有する実施例1に係る給油管及び比較例1に係る給油管における板厚の減少率を求めると共に実際に作製した給油管に発生した割れ率を求めた。以下の実施例1及び比較例1では、給油管を構成する鋼板の組成及び厚みは同一とした。プレス成型を行う際の圧力などの諸条件も同一とした。
【0052】
[実施例1]
外側から給油管5に対して螺子山51に対応する形状を有するパンチと凸部52に対応する形状を有するパンチを押し付けて、
図16及び
図17に示す燃料給油管を作製した。各パンチの形状は、螺子山51と凸部52とそれぞれ同じ形状を有する。
図16及び
図17に示すとおり、螺子山51及び凸部52は、給油管が拡径された部分に形成した。
【0053】
[比較例1]
外側から給油管5に対して螺子山61に対応する形状を有するパンチと凸部52と対応する形状を有するパンチとを押し付けて、
図20ないし
図23に示す燃料給油管を作製した。各パンチの形状は、螺子山61と凸部62とそれぞれ同じ形状を有する。
図20ないし
図23に示すとおり、螺子山61及び凸部62は、給油管が拡径された部分に形成される。なお
図20における破線は、螺子山61の頂部を示す。
【0054】
非設計構造解析ソフトによる解析結果を
図18及び
図19並びに
図24及び
図25に示す。
図18に示したように、実施例1に係る給油管では、凸部52においてハッチングを付した領域における板厚の減少率は12〜18%程度であった。また、
図19に示したように、実施例1に係る給油管では、螺子山51においてハッチングを付した領域における板厚の減少率も15〜26%程度であった。なお板厚の減少率は、給油管に拡径加工と螺子山と凸部とを形成する前の板厚の厚みを100%として示した(以下同じ。)。
【0055】
図24に示したように、比較例1に係る給油管の螺子山61では、黒く塗りつぶした領域における板厚の減少率が他の部分に比して特に大きく、当該領域における板厚の減少率は、47〜49%にもなった。
図25に示したように、比較例1に係る給油管の凸部62では、黒く塗りつぶした領域における板厚の減少率が他の部分に比して特に大きく、39〜41%にもなった。以上のように、比較例1に係る給油管の螺子山61と凸部62では、局所的な板厚の減少が生じることが確認された。
【0056】
次に、実施例1に係る給油管と、比較例1に係る給油管とをそれぞれ100個作製して、割れが生じた給油管の数量を数えた。実施例1に係る給油管では、100個の給油管中に割れが生じたものはなかった。一方、比較例1に係る給油管では、100個中10個で割れが生じた給油管があった。実施例1に係る燃料給油管に
図8に示した閉鎖装置を螺合させてみたところ、螺子のかかりは良好であり、がたつきが発生することはなかった。