(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、液晶表示装置の構成を表わす図である。
【0017】
液晶表示装置は、液晶モジュール140と、駆動基板100に搭載された駆動回路120とを備える。液晶モジュール140は、液晶パネル700と、ソース回路900と、ゲート回路800とを備える。駆動回路120は、タイミングコントローラ600と、電力管理IC200とを備える。
【0018】
液晶パネル700は、たとえば、アクティブマトリクス駆動方式のパネルである。液晶パネル700は、液晶物質が充填された複数の画素で構成されたパネルと、パネルの背面に配置されたガラス基板を備える。このガラス基板上には、垂直方向に複数配列されて、それぞれ水平方向に伸びる走査線(たとえば、G1〜G4)と、水平方向に複数配列されて、それぞれ垂直方向に伸びるデータ線(たとえば、S1〜S4)とが配置されている。走査線とデータ線との交差点に対応して、TFT(Thin Film Transistor)(たとえば、1−a〜1−d)を介して画素(たとえば、2−a〜2−d)がマトリックス状に設けられている。
【0019】
ゲート回路800は、複数のゲートドライバ(たとえば、0−1〜90−4)を備える。ゲートドライバ90−iは、走査線G−iに接続される。
【0020】
ソース回路900は、複数のソースドライバ(たとえば、91〜91−4)と、制御回路92とを備える。ソースドライバ91−iは、データ線Siに接続される。
【0021】
電力管理IC200は、入力電圧VINの供給を受けて動作し、各種の電圧を生成する。電力管理IC200は、第1の電圧生成部(電圧レギュレータ回路)300と、第2の電圧生成部(ゲートドライバ駆動回路)400と、第3の電圧生成部(スイッチング電源回路)500とを備える。
【0022】
第1の電圧生成部300は、ゲートドライバ駆動用の電圧VGGを生成して、ゲートドライバ90−1〜90−4に供給する。
【0023】
第2の電圧生成部400は、アナログ系電源電圧AVDDを生成して、ソースドライバ91−1〜91−4に供給する。
【0024】
第3の電圧生成部500は、ロジック系電源電圧VDDを生成して、タイミングコントローラ600および制御回路92に供給する。
【0025】
タイミングコントローラ600は、ロジック系電源電圧VDDの供給を受けて動作する。タイミングコントローラ600は、図示しないホスト装置から入力されるコマンドおよびデータに基づいて、ゲートドライバ(たとえば90−1〜90−4)の垂直同期制御、およびソースドライバ(たとえば91−1〜91−4)の水平同期制御などを行う。
【0026】
ゲートドライバ90−i(たとえば、i=1〜4)は、電圧VGGの供給を受け、垂直同期信号に基づいて動作する。たとえば、ゲートドライバ90−iは、電圧VGGを受ける。ゲートドライバ90−iは、電圧VGGを電源電圧として利用して、ゲート電圧GXを生成して、走査線G−iに供給する。
【0027】
ソースドライバ91−i(たとえば、i=1〜4)は、アナログ系電源電圧AVDDの供給を受け、水平同期信号に基づいて、動作する。たとえば、ソースドライバ91−iは、アナログ系電源電圧AVDDを用いてソースアンプを駆動することによって、ホスト装置から入力されるデジタルの映像信号の階調値(例えば0〜255階調)に応じたソース電圧SSiを生成して、データ線Siを通じて液晶パネル700の画素に供給する。
【0028】
制御回路92は、ロジック系電源電圧VDDの供給を受けて動作する。制御回路92は、ソースドライバ91−i(たとえばi=1〜4)を制御する。
【0029】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の電圧生成部(電圧レギュレータ回路)300の詳細な構成および動作に関する。具体的には、電流制限機能を有する電圧レギュレータについて説明する。
【0030】
図2は、第1の電圧生成部(電圧レギュレータ)300の構成を表わす図である。
第1の電圧生成部300は、基準電圧生成部11と、誤差アンプ12と、電流制限回路13a,13bと、PMOSトランジスタM1と、NMOSトランジスタM2と、帰還部68とを備える。
【0031】
基準電圧生成部11は、入力端子A1に入力される入力電圧VINから基準電圧VREFを生成して、誤差アンプ12へ出力する。
【0032】
PMOSトランジスタM1は、入力端子A1と、出力端子P1と接続されるノードND1との間に配置される。
【0033】
帰還部68は、抵抗R1と抵抗R2とからなる。抵抗R1と抵抗R2の間のノードND2の電圧がフィードバック電圧VFとして誤差アンプ12に供給される。フィードバック電圧VFは、出力端子P1から出力される出力電圧AVDDのR1/(R1+R2)である。これによって、出力電圧AVDDの大きさがフィードバック電圧VFの大きさが基準電圧VREFの大きさに調整される。
【0034】
NMOSトランジスタM2は、ノードND1とグランドGNDとの間に配置される。NMOSトランジスタM2がオンすることによって、端子P1から入力された電流がグランドに流れる。
【0035】
誤差アンプ12は、PMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2のオンおよびオフを制御する。
【0036】
電流制限回路13aは、PMOSトランジスタM1を流れる電流の増加を抑制する。電流制限回路13bは、NMOSトランジスタM2を流れる電流の増加を抑制する。
【0037】
図3は、誤差アンプ12の詳細な構成を表わす図である。
誤差アンプ12は、入力用差動増幅回路14と、出力用差動増幅回路15とを備える。
【0038】
入力用差動増幅回路14は、抵抗R61,R62と、NMOSトランジスタN61,N62と、定電流源IS1とを備える。
【0039】
抵抗R61は、入力電圧VINを受ける端子A1とノードND2の間に配置される。抵抗R62は、入力電圧VINを受ける端子A1とノードND3の間に配置される。
【0040】
NMOSトランジスタN61は、ノードND2とノードND61の間に配置される。NMOSトランジスタN61のゲートは、フィードバック電圧FBを受ける。NMOSトランジスタN62は、ノードND3とノードND61の間に配置される。NMOSトランジスタN62のゲートは、基準電圧VREFを受ける。定電流源IS1は、ノードND61とグランドGNDの間に配置される。
【0041】
出力用差動増幅回路15は、PMOSトランジスタP61,P62,P63と、NMOSトランジスタN63,N65,N66とを備える。
【0042】
PMOSトランジスタP61は、ノードND2と、ノードND9との間に配置される。PMOSトランジスタP61のゲートは、電圧BIASを受ける。
【0043】
PMOSトランジスタP62は、ノードND3と、ノードND4との間に配置される。PMOSトランジスタP62のゲートは、電圧BIASを受ける。
【0044】
PMOSトランジスタP63は、ノードND4とノードND565の間に配置される。PMOSトランジスタP63のゲートは、電圧BIAS2を受ける。
【0045】
PMOSトランジスタP64は、ノードND4とノードND565の間に配置される。PMOSトランジスタP64のゲートは、電圧BIAS3を受ける。
【0046】
NMOSトランジスタN65は、ノードND9とグランドGNDとの間に配置される。NMOSトランジスタN66は、ノードND65とグランドGNDとの間に配置される。NMOSトランジスタN65のゲートおよびドレインと、NMOSトランジスタN66のゲートとが接続される。
【0047】
ノードND4は、PMOSトランジスタM1のゲートに接続される、ノードND65は、PMOSトランジスタM2のゲートに接続される。
【0048】
(参考例の電流制限回路)
図4は、参考例の電流制限回路13aの構成を表わす図である。
【0049】
参考例の電流制限回路13aは、PMOSトランジスタM3と、抵抗RAと、PNPトランジスタQとを備える。
【0050】
抵抗RAは、入力電圧VINを受ける入力端子A1とノードND10との間に配置される。PMOSトランジスタM3は、ノードND10とノードND1の間に配置される。PMOSトランジスタM1のゲートとPMOSトランジスタM3のゲートが、ノードND4に接続される。PNPトランジスタQ1は、入力電圧VINを受ける入力端子A1とノードND4の間に配置される。PNPトランジスタQ1のベースが、ノードND10に接続される。
【0051】
(参考例の電流制限回路の動作)
PMOSトランジスタM1のゲートとPMOSトランジスタM3のゲートとが接続され、PMOSトランジスタM1のドレインとPMOSトランジスタM3のドレインとが接続されているので、PMOSトランジスタM1を流れる電流が増加すると、PMOSトランジスタM3を流れる電流も増加する。PMOSトランジスタM1のサイズに対して、PMOSトランジスタM3のサイズがK倍とすると、PMOSトランジスタM1を流れる電流をI1としたときに、PMOSトランジスタM3を流れる電流I2は、K×I1となると見込まれる。
【0052】
したがって、I1が増加すると、ノードND10の電位が低下する。PNPトランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧が増加し、PNPトランジスタQ1のオン抵抗が低下する。その結果、PMOSトランジスタM1のゲート電圧であるノードND4の電圧の低下が抑制されるので、PMOSトランジスタM1の電流の増加が抑制される。
【0053】
(参考例の電流制限回路の問題点)
抵抗RAに電流I2が流れることによって、PMOSトランジスタM3のソース電位(ノードND10の電位)は、PMOSトランジスタM1のソースの電位よりも低くなる。その結果、電流I2は、K×I1からずれる場合が発生し、PMOSトランジスタM3によって、PMOSトランジスタM1を流れる電流I1を正しくモニタすることができなくなる。特に抵抗RAが大きい場合に問題となる。
【0054】
(第2の実施形態の電流制限回路)
図5は、第2の実施形態の電流制限回路13aの構成を表わす図である。
【0055】
第2の実施形態の電流制限回路13aは、PMOSトランジスタM30と、PNPトランジスタQ2と、可変抵抗RBと、PMOSトランジスタM4,M5と、NMOSトランジスタM6,M7と、定電流源IS2とを備える。
【0056】
PMOSトランジスタM30のサイズは、PMOSトランジスタM1のサイズのK1倍である。PMOSトランジスタM5のサイズは、PMOSトランジスタM5のサイズのK1倍である。NMOSトランジスタM7のサイズは、NMOSトランジスタM6のサイズのK2倍である。
【0057】
PMOSトランジスタM30は、入力電圧VINを受ける入力端子A1とノードND11との間に配置される。
【0058】
抵抗RBは、入力電圧VINを受ける入力端子A1とノードND12の間に配置される。
【0059】
PNPトランジスタQ2は、入力電圧VINを受ける入力端子A1とノードND4の間に配置される。PNPトランジスタQ2のベースが、ノードND12に接続される。
【0060】
NMOSトランジスタM7は、ノードND12とグランドGNDとの間に配置される。
ノードND11とグランドGNDとの間に、PMOSトランジスタM5とNMOSトランジスタM6とが直列に接続される。
【0061】
ノードND1とグランドGNDとの間に、PMOSトランジスタM4と定電流源IS2とが直列に接続される。
【0062】
PMOSトランジスタM4のゲートとPMOSトランジスタM5のゲートとが接続され、PMOSトランジスタM4のゲートとドレインとが接続される。PMOSトランジスタM4とPMOSトランジスタM5とがカレントミラー回路CM1を構成する。
【0063】
カレントミラー回路CM1が、PMOSトランジスタM4を流れる電流I1を複製することによって、PMOSトランジスタM5には、複製された電流I2が流れる。電流I2は、K1×I1である。
【0064】
NMOSトランジスタM6のゲートと、NMOSトランジスタM7のゲートとが接続され、NMOSトランジスタM6のゲートとドレインとが接続される。NMOSトランジスタM6とNMOSトランジスタM7とがカレントミラー回路CM2を構成する。
【0065】
カレントミラー回路CM2が、PMOSトランジスタM30、PMOSトランジスタM4、およびNMOSトランジスタM6を流れる電流I2を複製することによって、PMOSトランジスタM7には、複製された電流I3が流れる。電流I3は、K2×I2である。
【0066】
(第2の実施形態の電流制限回路の動作)
PMOSトランジスタM1のゲートとPMOSトランジスタM3のゲートとが接続され、PMOSトランジスタM1のソースとPMOSトランジスタM3のソースとが接続されているので、PMOSトランジスタM1を流れる電流が増加すると、PMOSトランジスタM30を流れる電流も増加する。PMOSトランジスタM1のサイズに対して、PMOSトランジスタM3のサイズがK1倍なので、PMOSトランジスタM1を流れる電流をI1としたときに、PMOSトランジスタM30を流れる電流I2はK1×I1となると見込まれる。
【0067】
PMOSトランジスタM6のサイズに対して、PMOSトランジスタM7のサイズがK2倍なので、カレントミラー回路CM2によって、PMOSトランジスタM7を流れる電流I3は、K2×I2(=K2×K1×I1)となる。
【0068】
電流I1が増加すると電流I2が増加し、電流I2が増加すると電流I3が増加する。電流I3が増加すると、ノードND12の電位が低下する。PNPトランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧が増加し、PNPトランジスタQ2のオン抵抗が低下する。その結果、PMOSトランジスタM1のゲート電圧であるノードND4の電圧の低下が抑制されるので、PMOSトランジスタM1の電流の増加が抑制される。
【0069】
本実施の形態では、PMOSトランジスタM1のドレインと、PMOSトランジスタM3のドレインとが接続されていないので、PMOSトランジスタM1のドレインの電位と、PMOSトランジスタM3のドレインの電位が等しくならず、電流I2がK×I1にならない場合がある。カレントミラー回路CM1によって、PMOSトランジスタM1のドレインの電位と、PMOSトランジスタM30のドレインの電位とが同じとなり、電流I2=K1×I1を確報できる。
【0070】
また、可変抵抗RBの抵抗値を調整することによって、PMOSトランジスタM1を流れる電流I1の上限値を調整することができる。抵抗R1および抵抗R2の大きさは、タイミングコントローラ600からの信号によって調整可能である。
【0071】
なお、可変抵抗RBの代わりに、抵抗値が固定の抵抗を用いてもよい。
カレントミラー回路CM1がなくても、PMOSトランジスタM1のドレインの電位と、PMOSトランジスタM3のドレインの電位との差が小さくて、問題とならない場合には、カレントミラー回路CM1を省略することもできる。
【0072】
以上のように、本実施の形態によれば、PMOSトランジスタM1に流れる電流を正しくモニタして、負荷に突入電流が流れるのを制限することができる。
【0073】
[第3の実施形態]
本実施の形態は、第2の電圧生成部400(ゲートドライバ駆動回路)の詳細な構成および動作に関する。具体的には、ゲートシェーディング機能を有するゲートドライバ制御回路について説明する。
【0074】
(参考例のゲートドライバ駆動回路)
図6は、参考例のゲートドライバ駆動回路400の構成を表わす図である。
【0075】
参考例のゲートドライバ駆動回路400は、プリドライバPDと、PMOSトランジスタM11と、コンデンサCAとを備える。
【0076】
入力端子A2は、急峻な立上り部分および急峻な立ち下がり部分を有し、周期的に変化する制御信号FLKを受ける。この制御信号FLKは、たとえば、タイミングコントローラ600で生成され、垂直同期信号に同期した信号である。
【0077】
プリドライバPDは、PMOSトランジスタM11を駆動するために、制御信号FLKに応答し、ノードNDXに電圧VXを出力する。
【0078】
PMOSトランジスタM11は、電力管理IC200で生成される電源電圧VCCを受ける電源端子A3と接続されるノードNDWと、ゲートドライバ90−1〜90−4と接続される出力端子P2と接続されるノードNDZとの間に配置される。
【0079】
PMOSトランジスタM11のゲートは、ノードNDXに接続され、電圧VXを受ける。電圧VXの大きさが小さくなると、PMOSトランジスタM11がオンとなり、ノードNDZの出力電圧VGGの大きさが
小さくなる。
【0080】
コンデンサCAは、ノードNDXと、ノードNDWとの間に配置される。
図7は、参考例のゲートドライバ駆動回路400における、制御信号FLK、ノードNXの電圧VX、および出力電圧VGGの遷移を表わす図である。
【0081】
図7において、プリドライバPDの駆動能力が高いときの電圧VXおよびVGGを実線で示し、プリドライバPDの駆動能力が低いときの電圧VXおよびVGGを破線で示す。
【0082】
まず、プリドライバPDの駆動能力が高いときの動作を説明する。
時刻t0において、制御信号FLKがロウレベルに立ち下がると、プリドライバPDによって、ノードNDXの電圧VXが低下する。プリドライバPDは、急激に電圧VXを立ち下げることができないため、電圧VXは、傾きK1XでPMOSトランジスタM11の閾値電圧Vthまで低下する。
【0083】
時刻t1において、電圧VXは、PMOSトランジスタM11の閾値電圧Vthまで低下する。このタイミングで、PMOSトランジスタM11がオンし、出力電圧VGGの減少が開始される。
【0084】
その後、コンデンサCAの働きによって、電圧VXは、一定時間だけ閾値電圧Vthを維持する。この間、出力電圧VGGが傾きK1Oで減少する。
【0085】
時刻t3のタイミングにおいて、プリドライバPDによって、電圧VXが再び傾きK1Xで低下し始める。このタイミングで、出力電圧VGGが最小値に達する。
【0086】
時刻t4において、電圧VXが最小値に達する。
以上のように、制御信号FLKの立下りのタイミングからΔT1(=t1−t0)時間経過後に、出力電圧VGGは一定の傾きK1Oで減少する。
【0087】
電圧VGGは、ゲートドライバ90−1〜90−4に供給される。
たとえば、ゲートドライバ90−1は、電圧VGGを受ける。ゲートドライバ90−iは、電圧VGGを電源電圧として利用して、ゲート電圧GXを生成して、走査線G−1へ供給する。ゲート電圧GXの外形は、電圧VGGの外形と同じである。
【0088】
ある時刻において、TFT1−aのゲートに供給される電圧がVaであるとする。走査線G−1に寄生容量が存在しない理想的な状態の場合に、TFT1−b,1−c,1−dのゲートには、Vb,Vc,Vdの電圧が与えられるとする。ここで、Vb=2×Va、Vc=3×Va、Vd=4×Vaとする。ゲートドライバ90−1と、TFT1−a,1−b,1−c,1−dとの距離が、D1、D2(=2×D1)、D3(=3×D1)、D4(=4×D1)とする。
【0089】
走査線G−1の寄生容量によって、TFT1−b、TFT1−c、TFT1−dに与えられる電圧が理想的な状態の1/2、1/3、1/4になるとする。これにより、TFT1−a〜1−dのゲートは、あり時刻において、すべて同じ大きさの電圧を受けて、オン状態となることとができる。これによって、液晶パネル700の走査線方向において、TFTがオンとなるタイミングがずれることがないので、液晶パネル700に輝度ムラが発生するのを防止できる。
【0090】
以上のように、制御信号FLKの立下りをトリガとして、一定の傾きで減少する電圧VGGを生成することによって、輝度ムラを防止できる。よって、参考例のゲートドライバ駆動回路400もゲ−トシェーディング機能を有する。
【0091】
しかしながら、制御信号FLKの立下りのタイミングから遅延して出力電圧VGGが減少を開始するため、液晶パネル700のTFTが制御信号FLKの立下りからすぐにオンとならず、液晶パネル700の表示が遅れることになる。
【0092】
次に、プリドライバPDの駆動能力が低いときの動作を説明する。
時刻t0において、制御信号FLKがロウレベルに立ち下がると、プリドライバPDによって、ノードNDXの電圧VXが低下する。プリドライバPDによって、電圧VXは、傾きK2XでPMOSトランジスタM11の閾値電圧Vthまで低下する。
【0093】
時刻t2において、電圧VXが、PMOSトランジスタM11の閾値電圧Vthまで低下する。このタイミングで、PMOSトランジスタM11がオンし、出力電圧VGGの減少が開始される。
【0094】
その後、コンデンサCAの働きによって、電圧VXは、一定時間だけ、閾値電圧Vthを維持する。この間、出力電圧VGGが傾きK2Oで減少する。
【0095】
時刻t4のタイミングによって、プリドライバPDによって、電圧VXが再び傾きK2Xで低下し始める。このタイミングで、出力電圧VGGが最小値に達する。
【0096】
時刻t5において、電圧VXが最小値に達する。
以上のように、制御信号FLKの立下りのタイミングからΔT2(=t2−t0)時間経過後に、出力電圧VGGは一定の傾きK2Oで減少する。
【0097】
プリドライバPDの駆動能力を低くすることによって、制御信号FLKの立下りをトリガとして、より小さな傾きで減少する電圧VGGを生成することができる。しかしながら、出力電圧VGGが減少を開始する時刻の遅れも増加する。したがって、プリドライバPDの駆動能力を下げると、液晶パネル700の表示の遅れが増加することになる。
【0098】
(第3の実施形態のゲートドライバ駆動回路)
図8は、第3の実施形態のゲートドライバ駆動回路400の構成を表わす図である。
【0099】
ゲートドライバ駆動回路400は、プリドライバPDと、PMOSトランジスタM11と、コンデンサCAと、NMOSトランジスタM13と、制御回路78とを備える。
【0100】
入力端子A2は、参考例と同様に、急峻な立上り部分および急峻な立ち下がり部分を有し、周期的に変化する制御信号FLKを受ける。
【0101】
プリドライバPDは、参考例と同様に、PMOSトランジスタM11を駆動するために、制御信号FLKに応答し、ノードNDXに電圧VXを出力する。
【0102】
PMOSトランジスタM11は、参考例と同様に、電源電圧VCCを受ける電源端子A3と接続されるノードNDWと、ゲートドライバ90−1〜90−4と接続される出力端子P2と接続されるノードNDZとの間に配置される。
【0103】
PMOSトランジスタM11のゲートは、ノードNDXに接続され、電圧VXを受ける。電圧VXの大きさが小さくなると、PMOSトランジスタM11がオンとなり、ノードNDZの出力電圧VGGの大きさが大きくなる。
【0104】
コンデンサCAは、ノードNDXと、ノードNDWとの間に配置される。
NMOSトランジスタM13は、ノードNDXと、グランドGNDとの間に配置される。NMOSトランジスタM13のゲートは、制御回路78によって制御される。
【0105】
制御回路78は、ノードNDXの電圧がPMOSトランジスタM11をオンさせる閾値電圧Vthよりも大きいときに、NMOSトランジスタM13のゲートにハイレベルの電圧を与えることによって、NMOSトランジスタM13をオンさせる。これによって、ノードNDXの電圧を急激に低下させることができる。制御回路78は、ノードNDXの電圧がPMOSトランジスタM11をオンさせる閾値電圧Vrhまで低下したときに、NMOSトランジスタM13のゲートにロウレベルの電圧を与えることによって、NMOSトランジスタM13をオフさせる。これによって、NMOSトランジスタM13を介したノードNDXの電圧の制御が終了し、プリドライバPDによるノードNDXの電圧の制御が行われる。
【0106】
制御回路78は、否定論理和回路NORと、PMOSトランジスタM12と、抵抗Rdと、シュミットトリガ回路29とを備える。
【0107】
否定論理和回路NORは、制御信号FLKを受ける入力端子IN1と、シュミットトリガ回路29の出力を受ける入力端子IN2と、NMOSトランジスタM13と接続される出力端子OUTを有する。
【0108】
PMOSトランジスタM12は、ノードNDZとノードNDYとの間に配置される。PMOSトランジスタM12のゲートは、ノードNDXと接続される。
【0109】
抵抗Rdは、ノードNDYと、グランドGNDとの間に配置される。
PMOSトランジスタM11の閾値電圧とPMOSトランジスタM12の閾値電圧は、いずれもVthであるとする。
【0110】
シュミットトリガ回路29は、ノードNDYの電圧VAを受けて、否定論理和回路NORの入力端子IN2に電圧VBを出力する。
【0111】
図9は、第3の実施形態のゲートドライバ駆動回路400の制御信号FLK、ノードNXの電圧VX、および出力電圧VGGの遷移を表わす図である。
【0112】
時刻t0において、制御信号FLKがロウレベルに立ち下がる。このタイミングでは、否定論理和回路NORに入力される制御信号FLKがロウレベル、シュミットトリガ回路29の出力がロウレベルなので、否定論理和回路NORの出力がハイレベルとなる。よって、NMOSトランジスタM13がオンとなり、ノードNDXの電圧VXが急激にPMOSトランジスタM11の閾値電圧Vthまで低下する。この状態では、参考例と同様に、プリドライバPDもノードNDXの電圧VXを緩やかに低下させようとするが、NMOSトランジスタM13の寄与が支配的である。また、このタイミングで、PMOSトランジスタM11がオンし、出力電圧VGGの減少が開始される。
【0113】
ノードNDXの電圧が閾値電圧Vthまで低下すると、PMOSトランジスタM12もオンとなり、ノードNDYの電圧は、
出力電圧VGGの電圧まで変化する。その結果、シュミットトリガ回路29の出力がハイレベルに変化して、否定論理和回路NORの出力がロウレベルとなって、NMOSトランジスタM13がオフとなる。
【0114】
その後、プリドライバPDおよびコンデンサCAの働きによって、電圧VXは、一定時間だけ、閾値電圧Vthを維持する。この間、出力電圧VGGが傾きK3Oで減少する。
【0115】
時刻t6のタイミングで、プリドライバPDによって、電圧VXが再び傾きK3Xで低下し始める。このタイミングで、出力電圧VGGが最小値に達する。
【0116】
本実施の形態では、制御信号FLKの立下りのタイミングから遅延なしで、出力電圧VGGは一定の傾きK3Oで減少する。
【0117】
参考例と同様に、電圧VGGは、ゲートドライバ90−1〜90−4に供給される。
走査線G−1の寄生容量によって、TFT1−b、TFT1−c、TFT1−dに与えられる電圧が理想的な状態の1/2、1/3、1/4になるとする。これにより、TFT1−a〜1−dのゲートは、ある時刻において、すべて同じ大きさの電圧を受けて、オンとなる。その結果、液晶パネル700の走査線方向において、TFTがオンとなるタイミングがずれることがない。
【0118】
さらに、本実施の形態では、制御信号FLKの立下りのタイミングから遅延せずに、出力電圧VGGが減少を開始するため、液晶パネル700のTFTが制御信号FLKの立下りからすぐにオンとなり、液晶パネル700の表示が遅れるのが防止できる。
【0119】
図10は、シュミットトリガ回路29の特性を表わす図である。
ノードNDYの電圧VAが上昇するときには、閾値VHを超えたときに、出力電圧VBがハイレベルとなる。ノードNDYの電圧VAが減少するときには、閾値VLよりも小さくなったときに、出力電圧VBがロウレベルとなる。これにより、ノードNDYの電圧VAのノイズによるゆらぎを除去することができるので、誤動作を防止できる。
【0120】
以上のように、本実施の形態によれば、NMOSトランジスタM13および制御回路78を設けることによって、液晶パネルにちらつきが発生せず、かつ液晶パネルの表示が遅れることのないような電圧をゲートドライバ駆動回路に供給できる。
【0121】
[第4の実施形態]
本実施の形態は、第3の電圧生成部(スイッチング電源回路)500の詳細な構成および動作に関する。具体的には、部品の音鳴りを防止する機能を備えたスイッチング電源回路について説明する。
【0122】
(参考例のスイッチング電源回路)
図11は、参考例のスイッチング電源回路500の構成を表わす図である。
【0123】
参考例のスイッチング電源回路500は、非同期整流DC−DC回路35と、ドライバ制御部31と、ディスチャージ制御部32とを備える。
【0124】
非同期整流DC−DC回路35は、第1のスイッチング素子であるPMOSトランジスタM21と、抵抗RCと、NMOSトランジスタM22と、チョークコイルLAと、ダイオードDAと、平滑コンデンサCBとを備える。
【0125】
PMOSトランジスタM21は、入力電圧VINを受ける入力端子A4と、ノードNXの間に配置される。PMOSトランジスタ21のゲートは、ドライバ制御部31に接続される。PMOSトランジスタM21のゲートは、ドライバ制御部31からのスイッチング信号SWを受ける。
【0126】
チョークコイルLAは、ノードNXと、出力端子P3と接続されるノードNYの間に配置される。出力端子P3は、負荷LDに接続される。負荷LDは、具体的には、タイミングコントローラ600および制御回路92である。
【0127】
コンデンサCBは、ノードNYとグランドGNDとの間に配置される。
ダイオードDAは、ノードNXとグランドGNDとの間に配置される。ダイオードDAのアノードがグランドGNDと接続し、ダイオードDAのカソードがノードNXに接続される。
【0128】
抵抗RCは、ノードNXとノードNZの間に配置される。
NMOSトランジスタM22は、ノードNZとグランドGNDとの間に配置される。NMOSトランジスタM22のゲートは、ディスチャージ制御部32に接続される。NMOSトランジスタM22のゲートは、ディスチャージ制御部32からディスチャージ信号DSCを受ける。
【0129】
スイッチング素子であるPMOSトランジスタM21がオン状態であるときに、入力端子A4から出力端子P3に流れる電流によりチョークコイルLAにエネルギーが蓄えられる。PMOSトランジスタM21がオン状態からオフ状態となったときに、チョークコイルLAは蓄えたエネルギーを放出して、電流変化を妨げる向きに起電力が発生して誘導電流を流すことにより直流電流が得られる。この直流電流がコンデンサCBで平滑化されて出力端子P3に出力される。
【0130】
ディスチャージ制御部32は、電源をオフするときに、シャットダウン信号SDWを受けて、ディスチャージ信号DSCをハイレベルにすることによってNMOSトランジスタM22をオンにする。これによって、コンデンサCBに蓄えられた電荷を放電される。NMOSトランジスタM22は、電流を引き抜く動作をするため、サイズの大きなものが用いられる。
【0131】
図12は、ドライバ制御部31の構成を表わす図である。
ドライバ制御部31は、分圧抵抗R11,R12と、基準電圧生成部34と、過電圧閾値制御部38と、誤差増幅器36と、過電圧検出器37と、PWM(Pulse Width Modulation)信号生成回路39とを備える。
【0132】
分圧抵抗R11及び分圧抵抗R10は、ノードNYの電圧VDDを分圧して、フィードバック電圧VBを生成する。
【0133】
基準電圧生成部34は、入力電圧VINから基準電圧VREFを生成して、誤差増幅器36および過電圧検出器37へ出力する。
【0134】
誤差増幅器36は、フィードバック電圧VBと基準電圧VREFとの差を増幅した誤差電圧VEAを出力する。
【0135】
過電圧閾値制御部38は、基準電圧VREFを受けて、基準電圧VREFよりもΔVだけ大きな閾値電圧VREF2を出力する。
【0136】
過電圧検出器37は、フィードバック電圧VBが閾値電圧VREF2以下のときにはロウレベルのスキップ信号SKを出力し、フィードバック電圧VBが閾値電圧VREF2を超えるときにはハイレベルのスキップ信号SKを出力する。
【0137】
通常時には、フィードバック電圧VBは、閾値電圧VREF2を超えることがないので、過電圧検出器37から出力されるスキップ信号SKがロウレベルとなる。
【0138】
PWM信号生成回路39は、スキップ信号SKがロウレベルのときには、一定の周期ごとに、スイッチング素子であるPMOSトランジスタM21を駆動する。すなわち、PWM信号生成回路39は、誤差電圧VEAが0から設定電圧THに達するまでの間は、オン時間を最小オン時間に維持する。PWM信号生成回路39は、誤差電圧VEAが設定電圧THを超えるときには、誤差電圧VEAの増加に正比例してオン時間を増加させる。PWM信号生成回路39は、オン時間に基づいて、スイッチング信号SWを生成する。PWM信号生成回路39は、オン時間が最小オン時間に設定されたときに、パルス幅が最小のスイッチング信号SWを生成する。PWM信号生成回路39は、オン時間が最小オン時間を超えるときには、オン時間の増加とともに、スイッチング信号SWのパルス幅も増加させる。
【0139】
軽負荷時および無負荷時には、出力電圧VDDが上昇する。出力電圧VDDが上昇すると、フィードバック電圧VBも上昇して、閾値電圧VREF2を超える。これによって、過電圧検出器37から出力されるスキップ信号SKがハイレベルとなる。PWM信号生成回路39は、スキップ信号SKがハイレベルの間、スイッチング動作をスキップする。すなわち、スイッチング信号SWのパルスをスキップする。これによって、スイッチング損失を低減させるとともに、出力電圧VDDの上昇を防止することができる。
【0140】
軽負荷時および無負荷時において、パルススキップの結果、スイッチング信号SWの周波数であるPMOSトランジスタM21のスイッチング周波数が、可聴域(20Hz〜20KHz)まで低下すると、スイッチング電源回路500を構成する部品が音鳴りする現象が発生する。参考例のスイッチング電源回路500には、このような音鳴りの問題がある。
【0141】
(第4の実施形態のスイッチング電源回路)
図13は、第4の実施形態のスイッチング電源回路500の構成を表わす図である。
【0142】
第4の実施形態のスイッチング電源回路500は、参考例の構成要素に加えて、第2のスイッチング素子であるNMOSトランジスタM23と、ディスチャージ制御部33とを備える。
【0143】
NNOSトランジスタM23は、ノードNZとグランドGNDとの間にNMOSトランジスタM22と並列に配置される。
【0144】
ディスチャージ制御部33は、PMOSトランジスタM21がオフの期間に、NMOSトランジスタM23をオンにするためのオン信号ONを出力する。オン信号ONがハイレベルとなって、NMOSトランジスタM23がオンとなると、コンデンサCBに蓄えられた電荷を放電される。これによって、出力電圧VDDの増加が抑制されて、パルススキップが起こらないようにすることができる。
【0145】
ただし、NMOSトランジスタM23を通じて、少量の電流だけが流れるように、NMOSトランジスタM23のサイズは、NMOSトランジスタM22のサイズよりも小さいものとする。
【0146】
図14は、通常時の1周期内のスイッチング信号SWおよびオン信号ONのタイミングを表わす図である。
【0147】
図14に示すように、ドライバ制御部31は、周期Tの内部クロックCLKがオフの期間のいずれかに、第1のスイッチング素子であるPMOSトランジスタM21をオンにするために、スイッチング信号SWをロウレベルに活性化する。
【0148】
ディスチャージ制御部33は、周期Tの内部クロックCLKがオンの期間に、第2のスイッチング素子であるNMOSトランジスタM23をオンにするために、オン信号ONをハイレベルに活性化する。
【0149】
図15は、通常時のスイッチング信号SWおよびオン信号ONのタイミングを表わす図である。
【0150】
通常時には、フィードバック電圧VBが閾値電圧VREF2を超えないので、パルススキップが発生しない。ドライバ制御部31は、内部クロックCLKの周期ごとに、第1のスイッチング素子であるPMOSトランジスタM21がオンおよびオフするようにスイッチング信号SWを変化させる。
【0151】
ディスチャージ制御部33は、内部クロックCLKの周期ごとに、第2のスイッチング素子であるNMOSトランジスタM23がオンおよびオフするようにオン信号ONを変化させる。
【0152】
図16は、軽負荷時のスイッチング信号SWおよびオン信号ONのタイミングを表わす図である。
【0153】
軽負荷時には、誤差電圧VEAが小さくなるため、スイッチング信号SWのパルス幅が小さくなる。また、軽負荷時には、フィードバック電圧VBが閾値電圧VREF2を超えるので、パルススキップが発生する。その結果、スイッチング周期が大きくなる。
【0154】
しかし、NMOSトランジスタM23によって、コンデンサCBに蓄積された電荷の放電が行われる。これによって、スイッチング信号SWの周波数であるPMOSトランジスタM21のスイッチング周波数が、可聴域(20Hz〜20KHz)まで低下するのを防止できるので、スイッチング電源回路500を構成する部品から音鳴りが発生しないようにすることができる。
【0155】
図17は、無負荷時のスイッチング信号SWおよびオン信号ONのタイミングを表わす図である。
【0156】
無負荷時においても、軽負荷時と同様に、フィードバック電圧VBが閾値電圧VREF2を超えるので、パルススキップが発生する。ただし、無負荷時でも、電流の漏れ成分の影響などによって、完全にパルスが消失しない場合がある。そのような場合には、軽負荷時と同様に、スイッチング周期が大きくなる。しかし、このような場合でも、NMOSトランジスタM23によって、コンデンサCBに蓄積された電荷の放電が行われるので、スイッチング電源回路500を構成する部品から音鳴りが発生しないようにすることができる。
【0157】
図18は、シャットダウン時のスイッチング信号SWおよびオン信号ONのタイミングを表わす図である。
【0158】
ドライバ制御部31、ディスチャージ制御部32、およびディスチャージ制御部22は、電源オフ時にタイミングコントローラ600からシャットダウン信号SDWの供給を受ける。
【0159】
ドライバ制御部31は、シャットダウン信号SDWがハイレベルに活性化されると、PMOSトランジスタM21のスイッチングを終了する。
【0160】
ディスチャージ制御部33は、シャットダウン信号SDWがハイレベルに活性化されると、NMOSトランジスタM23のスイッチングを終了する。
【0161】
ディスチャージ制御部32は、シャットダウン信号SDWがハイレベルに活性化されると、NMOSトランジスタM22のゲートへのディスチャージ信号DSCをハイレベルに活性化する。NMOSトランジスタM22は、ディスチャージ信号DSCがハイレベルに活性化されると、オン状態となり、NMOSトランジスタM22を通じて、コンデンサCBに蓄積された電荷が放電される。
【0162】
以上のように、本実施の形態によれば、パルススキップ機能によって、スイッチング損失を低減するとともに、スイッチング周波数が可聴周波数帯域まで減少しないようにできるので、スイッチング電源回路を構成する部品から音鳴りが生じるのを防止できる。
【0163】
[第4の実施形態の変形例1]
第4の実施形態では、PMOSトランジスタM21のスイッチング周波数に関係なく、周期ごとに、オン信号を活性化させて、NMOSトランジスタM23を通じて、コンデンサCBの電荷を放電させたが、これに限定するものではない。
【0164】
たとえば、PMOSトランジスタM21のスイッチング周波数が可聴周波数帯域まで低下したときにのみ、NMOSトランジスタM23を通じて、コンデンサCBの電荷を放電させてもよい。
【0165】
ディスチャージ制御部33は、PMOSトランジスタM21のスイッチング周波数を検出する。たとえば、ディスチャージ制御部33は、ドライバ制御部31によるパルススキップをモニタすることによって、PMOSトランジスタM21のスイッチング周波数を検出する。ディスチャージ制御部33は、検出されたPMOSトランジスタM21のスイッチング周波数が所定の範囲に含まれる場合に、第1のスイッチング素子であるPMOSトランジスタM21がオフの期間に、第2のスイッチング素子であるNMOSトランジスタM23をオンにして、コンデンサCBの電荷を放電させる。
【0166】
[第4の実施形態の変形例2]
図19は、第4の実施形態の変形例の第3の電圧生成部500の構成を表わす図である。
【0167】
第4の実施形態では、スイッチング電源回路は、シャットダウン時にコンデンサCBの電荷を放電するためのNMOSトランジスタM22、およびNMOSトランジスタM22を制御するディスチャージ制御部32を備えるものとしたが、これに限定されるものではない。
【0168】
図19に示すように、スイッチング電源回路500は、NMOSトランジスタM22、およびディスチャージ制御部32を備えないものとしてもよい。
【0169】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。