(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、この種の仕切弁としては、例えば
図17,
図18に示すように、弁箱101と、弁棒102と、弁箱101内に設けられたガイド溝に案内されて上下動する弁体104とを有するものがある。弁箱101は、両端に形成された開口部105と、両開口部105間に連通する弁箱流路106と、弁体収容室107とを有している。弁体収容室107は弁体104が開方向Oへ移動するための内部空間108を有している。
【0003】
弁体104は、ねじこま109を介して弁棒102に結合されており、弁棒102の回転により上下に移動する。
【0004】
弁箱流路106の流路軸心方向Aにおいて相対向する一対の弁箱シート110a,110bが弁箱101内に備えられている。また、閉位置Psにおいて弁箱シート110a,110bに圧接する一対の弁体シート112a,112bが弁体104に設けられている。
【0005】
弁体104は、一方の弁体シート112aを備えた一方の仕切り壁114aと、他方の弁体シート112bを備えた他方の仕切り壁114bと、両仕切り壁114a,114b間に設けられた連結壁115とを有している。一方の仕切り壁114aと他方の仕切り壁114bとの間には、弁体104の外周に開放された間隙116が形成されている。
【0006】
これによると、
図17に示すように、弁体104を閉位置Psまで下降させることにより、一方の弁体シート112aが一方の弁箱シート110aに圧接し、他方の弁体シート112bが他方の弁箱シート110bに圧接して、弁箱流路106が弁体104で遮断される。
【0007】
この状態で弁箱101に外力が作用し、弁箱101に歪等が生じて弁箱シート110a,110bが変形しても、連結壁115の部位において弁体104の剛性を低下させているため、連結壁115が曲げ変形することによって弁箱101の歪を吸収し、これにより、弁体シート112a,112bが弁箱シート110a,110bに追従して変形し、弁体シート112a,112bと弁箱シート110a,110bとの間に隙間が発生するのを防止して、止水性を維持することができる。
【0008】
尚、上記のような仕切弁は例えば下記特許文献1に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら上記の従来形式では、弁体104の連結壁115の断面積が狭いほど弁体104の剛性が低下して変形し易くなるが、その分、弁体104の強度が低下するため、例えば地震等によって通常では考えられないような大きな外力が弁箱101に作用して弁箱101に歪が生じた場合、弁体104の強度が不足して、弁体104が連結壁115の部位で損傷する虞がある。
【0011】
本発明は、弁箱に外力が作用して歪等が生じても、止水性を維持することができるとともに、弁体の損傷を防止することが可能な仕切弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本第1発明は、弁箱内に弁体を備えた仕切弁であって、
弁箱は、両端に形成された開口部と、両開口部間に連通する弁箱流路と、弁体収容室とを有し、
弁体収容室は弁体が開方向へ移動するための内部空間を有し、
内部空間は弁箱流路から弁体の開方向へ連通しており、
弁箱流路の流路軸心方向において相対向する一対の弁箱シートが弁箱内に備えられ、
閉位置において弁箱シートに圧接する一対の
円環状の弁体シートが弁体に設けられ、
弁体は、一方の弁体シートを備えた一方の弁板部と、他方の弁体シートを備えた他方の弁板部と、両弁板部間に設けられた接続部とを有し、
一方の弁板部と他方の弁板部との間に、弁体の外周に開放された間隙が形成され、
弁体の
開閉方向における接続部の断面積がいずれか片方の弁体シートで囲まれた平面の面積の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されて
おり、
弁体シートの中心を通り且つ開閉方向に直交する基準面から開方向側の領域に含まれる接続部の断面積が、上記基準面から閉方向側の領域に含まれる接続部の断面積よりも、狭くなるように設定されており、
弁体が閉位置において弁箱シートから押し返される押返方向へ変形した状態で、弁箱シートが変形した際、弁体が弁箱シートに追従して押返方向とは反対方向へ変形し元の形状に戻ろうとするときの量を弁体の変形可能量とすると、
上記基準面から開方向側の領域における弁体の変形可能量が上記基準面から閉方向側の領域における弁体の変形可能量よりも大きいものである。
【0013】
これによると、弁体を閉位置まで移動させることにより、一方の弁体シートが一方の弁箱シートに圧接し、他方の弁体シートが他方の弁箱シートに圧接して、弁箱流路が弁体で遮断される。
【0014】
この状態で弁箱に外力が作用し、弁箱に歪等が生じて弁箱シートが変形しても、接続部の箇所において弁体の剛性を低下させているため、接続部が変形することによって弁箱の歪を吸収し、これにより、弁体シートが弁箱シートに追従して変形し、弁体シートと弁箱シートとの間に隙間が発生するのを防止して、止水性を維持することができる。
【0015】
この際、弁体の
開閉方向における接続部の断面積がいずれか片方の弁体シートで囲まれた平面の面積の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されているため、例えば地震等によって通常では考えられないような大きな外力が弁箱に作用して弁箱に歪が生じた場合であっても、弁体の強度が不足することはなく、弁体が接続部の箇所で損傷するのを防止することができる。
【0017】
また、弁体収容室の内部空間は弁箱流路から弁体の開方向へ連通しているため、弁箱は、構造上、内部空間が形成されている開方向側の部分が反対の閉方向側の部分よりも外力に対して変形し易い。このため、例えば地震等によって通常では考えられないような大きな外力が弁箱に作用して弁箱に歪が生じた場合、弁箱シートの変形量は、内部空間を有する開方向側の部分が反対の閉方向側の部分よりも大きくなる。
【0018】
これに対して、上記基準面から開方向側の領域に含まれる接続部の断面積が上記基準面から閉方向側の領域に含まれる接続部の断面積よりも狭くなるように設定されているため、弁体の剛性は、上記基準面から開方向側の領域に含まれる部分が上記基準面から閉方向側の領域に含まれる部分よりも低下する。このため、弁体シートの変形可能量は上記基準面から開方向側の領域が上記基準面から閉方向側の領域よりも大きくなり、これにより、弁箱シートの開方向側の部分における変形量が反対の閉方向側の部分における変形量より大きくなっても、弁体シートは弁箱シートの変形に十分に追従して変形し、弁体シートと弁箱シートとの間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0019】
本第2発明における仕切弁は、弁体の開閉方向における接続部の断面形状が円形状であり、
接続部の径方向における中心が弁体シートの中心よりも閉方向側に設定されているものである。
本第3発明における仕切弁は、
弁体の開閉方向における接続部の断面形状が円形状であり、
接続部の外周部の断面形状が
接続部の径方向内向きに窪んだ円弧形状であるものである。
【0020】
これによると、接続部と弁板部との付け根部分に発生する局所応力が分散されるため、付け根部分の損傷を防止することができる。
【0021】
本第4発明における仕切弁は、
弁体の開閉方向における接続部の断面形状が円形状であり、
一方の弁板部と他方の弁板部との間の間隙は
接続部の径方向外側ほど弁体の厚さ方向に拡大するテーパー形状に形成されているものである。
【0022】
これによると、弁体の弁板部の外周縁部が変形し易くなるため、弁体シートが弁箱シートに追従して変形し易くなり、弁体シートと弁箱シートとの間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0023】
本第5発明における仕切弁は、弁箱は耐震継手を介して管に接続可能であるものである。
【0024】
これによると、地震によって通常では考えられないような大きな外力が作用しても、管が弁箱から離脱するのを防止することができる。
【0025】
本第6発明における仕切弁は、弁箱は両端に受口を有し、
受口は、端面に開口部を有するとともに、内部にロックリングとロックリング取付溝とを有し、
ロックリングはロックリング取付溝に嵌め込まれ、
一方の受口のロックリング取付溝の形成部分と他方の受口のロックリング取付溝の形成部分とに亘って、弁箱の外面に補強部材が設けられているものである。
【0026】
これによると、地震によって管に離脱力が作用した場合、管の挿口に形成された突部が弁箱の受口内の奥側からロックリングに係合することにより、管が弁箱から離脱するのを防止することができる。
【0027】
この際、上記離脱力は、突部が係合するロックリングを起点として、弁箱に作用する。このため、補強部材を一方の受口のロックリング取付溝の形成部分と他方の受口のロックリング取付溝の形成部分とに亘って設けることにより、上記離脱力に対する弁箱の強度が向上し、弁箱シートの変形量を低減することができる。
【0028】
本第7発明における仕切弁は、弁体の
開閉方向における接続部の断面積がいずれか片方の弁体シートで囲まれた平面の面積の40%以上で且つ60%以下の範囲内又は45%以上で且つ55%以下の範囲内に設定されているものである。
載の仕切弁。
【0029】
本第8発明における仕切弁は、弁体に弁棒挿通孔が形成され、
弁棒挿通孔は接続部を貫通し、
弁棒挿通孔を含めた弁体の
開閉方向における接続部の断面積がいずれか片方の弁体シートで囲まれた平面の面積の50%以上で且つ95%以下の範囲内に設定されているものである。
【発明の効果】
【0030】
以上のように本発明によると、弁体を閉じた状態で弁箱に外力が作用し、弁箱に歪等が生じて弁箱シートが変形しても、接続部の箇所において弁体の剛性を低下させているため、接続部が変形することによって弁箱の歪を吸収し、これにより、弁体シートが弁箱シートに追従して変形し、弁体シートと弁箱シートとの間に隙間が発生するのを防止して、止水性を維持することができる。
【0031】
この際、弁体の
開閉方向における接続部の断面積がいずれか片方の弁体シートで囲まれた平面の面積の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されているため、例えば地震等によって通常では考えられないような大きな外力が弁箱に作用して弁箱に歪が生じた場合であっても、弁体の強度が不足することはなく、弁体が接続部の箇所で損傷するのを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0034】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、
図1〜
図4に示すように、1は地中に埋設された配管路であり、一方の管2と他方の管3との間に仕切弁4が接続されている。仕切弁4は、弁箱11と、弁箱11内に設けられた弁体12と、弁体12を閉位置Psと開位置Poとに移動させる弁棒13と、蓋体14を有している。
【0035】
弁箱11と一方の管2とは一方の耐震継手15を介して接続されている。この耐震継手15は、弁箱11の一端部に設けられた一方の受口16と、一方の管2の端部に設けられた挿口5と、ロックリング17と、ロックリングホルダ18と、ゴム等の弾性材からなるリング状のシール部材19と、シール部材19を受口16の奥方へ押圧する円環状の押輪20と、押輪20を受口16の端部に連結する連結具21と、挿口5の外周に形成された突部6とを有している。一方の管2の挿口5が弁箱11の一方の受口16に挿入されている。
【0036】
受口16は、端面に開口部22を有し、内部にロックリング取付溝23を有している。シール部材19は、押輪20によって受口16の奥方へ押し込まれており、挿口5の外周面と受口16の内周面との間に挟まれて、径方向において圧縮されている。これにより、挿口5の外周面と受口16の内周面との間がシールされる。
【0037】
尚、連結具21は複数のT型ボルト24とナット25とを有し、押輪20は、T型ボルト24とナット25とを介して、受口16の端部フランジに連結されている。
【0038】
また、ロックリング17はロックリングホルダ18を介してロックリング取付溝23に嵌め込まれている。地震等によって一方の管2に離脱力Fが作用した場合、挿口5の突部6が受口16の奥側からロックリング17に係合することにより、一方の管2が弁箱11の一方の受口16から離脱するのを防止している。
【0039】
また、弁箱11と他方の管3とは他方の耐震継手27を介して接続されている。他方の耐震継手27は上記一方の耐震継手15と同じ構成を有している。
【0040】
さらに、弁箱11は、上記受口16を構成する円筒状の胴部31と、胴部31の両端(すなわち受口16の端面)に形成された開口部22と、胴部31内に形成されて両開口部22間に連通する弁箱流路32と、弁体収容室33とを有している。
【0041】
弁体収容室33は、角筒状の部材であり、胴部31の上部に上向きに立設されている。弁体収容室33は弁体12が開方向O(上方向)へ移動するための内部空間34を有している。内部空間34は弁箱流路32から弁体12の開方向O(上方向)へ連通している。
【0042】
蓋体14は弁体収容室33の上端部に取り付けられている。また、弁棒13は、蓋体14を貫通して弁体収容室33の内部空間34に突入した状態で、回転自在に保持されている。尚、弁棒13は、外周面に雄ねじ35を有し、雌ねじを有するこま部材36に螺合している。
【0043】
弁箱流路32の流路軸心方向Aにおいて相対向する一対の円環状の弁箱シート40,41が弁箱11内に備えられている。弁箱シート40,41は、両弁箱シート40,41間の間隔が開方向O側(上側)ほど広く且つ閉方向S側(下側)ほど狭くなるように、流路軸心37に対して僅かに傾斜している。
【0044】
また、
図1に示すように、閉位置Psにおいて弁箱シート40,41に圧接する一対の円環状の弁体シート43,44が弁体12に設けられている。尚、弁箱シート40,41および弁体シート43,44はそれぞれステンレス鋼等の金属製である。
【0045】
図5〜
図9に示すように、弁体12は、一方の弁体シート43を備えた円盤状の一方の弁板部46と、他方の弁体シート44を備えた円盤状の他方の弁板部47と、両弁板部46,47間に設けられた接続部48と、こま部材36を保持するホルダー部材49,50と、弁体12を開閉方向O,S(上下方向)に案内するガイド51,52とを有している。
【0046】
尚、
図7に示すように、弁体12は、側面視において、閉方向S側(下側)ほど厚さが薄くなる楔形状を有している。
【0047】
一方のホルダー部材49は一方の弁板部46の上部に設けられ、他方のホルダー部材50は他方の弁板部47の上部に設けられている。こま部材36は両方の弁板部46,47に嵌め込まれて弁体12に保持されている。
【0048】
また、一方のガイド51は一方の弁板部46の両側部に設けられ、他方のガイド52は他方の弁板部47の両側部に設けられている。弁箱11内には一対の案内突部54が設けられ、案内突部54が一方のガイド51と他方のガイド52との間に挿入されている。
【0049】
弁棒13を回転させることにより、こま部材36が弁棒13に螺合した状態で軸心方向(上下方向)へ移動するため、こま部材36と共に弁体12が開閉方向O,Sへ移動する。この際、弁体12はガイド51,52と案内突部54とを介して開閉方向O,Sへ案内される。
【0050】
一方の弁板部46と他方の弁板部47との間に、弁体12の外周に開放された間隙55が形成されている。また、弁体12には、開閉方向O,S(上下方向)に貫通した弁棒挿通孔56が形成されている。弁棒挿通孔56は接続部48を貫通している。
図9に示すように、弁体12の径方向における接続部48の断面形状は、接続部48の中心57から所定半径rの円を、弁棒挿通孔56で2つに分断した円弧形状である。
【0051】
弁体12の径方向
(開閉方向)における接続部48の断面積B(
図9の斜線で示した断面領域の面積)はいずれか片方の弁体シート43(又は弁体シート44)で囲まれた円形平面の面積C(
図10の斜線で示した領域の面積)の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されている。尚、上記30%以上で且つ70%以下という数値については、さらに望ましくは40%以上で且つ60%以下に設定してもよく、最適範囲として45%以上で且つ55%以下に設定してもよい。尚、上記各数値については、試作や実験を繰り返して得られた結果に基づくものである。
また、
図9に示すように、径方向における接続部48の中心57は弁体シート43,44の中心58よりも下位に設定されており、弁体シート43,44の中心58を通り且つ開閉方向O,Sに直交する仮想の基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の断面積b1が、上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の断面積b2よりも、狭く設定されている。尚、上記接続部48の断面積Bは上記断面積b1と上記断面積b2との和である。
【0052】
また、
図7,
図8に示すように、接続部48の外周部の断面形状は弁体12の径方向内向きに窪んだ半円形状(円弧形状の一例)である。
【0053】
また、
図1〜
図4に示すように、弁箱11の外面には、一方の受口16のロックリング取付溝23の形成部分と他方の受口16のロックリング取付溝23の形成部分とに亘って、複数の補強部材62〜65(リブ)が設けられている。このうち、下面補強部材62は弁箱11の底部に形成され、側面補強部材63,64は弁箱11の両側部に形成されている。また、上面補強部材65は、弁箱11の上部に形成され、弁体収容室33によって分断されている。
【0054】
以下、上記構成における作用を説明する。
【0055】
弁棒13の先端部にハンドル(図示省略)を連結し、ハンドルを操作して弁棒13を開栓方向へ回すことにより、
図2に示すように、こま部材36と共に弁体12が開方向O(上方)へ移動して開位置Poに達する。これにより、弁箱流路32が開通し、流体が管2,3と仕切弁4の弁箱11内とを流れる。この際、弁体12は開位置Poにおいて弁体収容室33の内部空間34に収納され、弁棒13が弁体12の弁棒挿通孔56内に挿入される。
【0056】
また、ハンドルを逆方向へ操作して弁棒13を閉栓方向へ回すことにより、
図1に示すように、こま部材36と共に弁体12が閉方向S(下方)へ移動して閉位置Psに達する。これにより、一方の弁体シート43が一方の弁箱シート40に圧接し、他方の弁体シート44が他方の弁箱シート41に圧接して、弁箱流路32が弁体12で遮断される。この際、弁棒13が弁体12の弁棒挿通孔56から脱抜される。
【0057】
また、地震によって一方の管2に離脱力F(外力の一例)が作用した場合、一方の管2の挿口5の突部6が弁箱11の一方の受口16内の奥側から一方のロックリング17に係合することにより、一方の管2が弁箱11から離脱するのを防止することができる。
【0058】
また、他方の管3に離脱力F(外力の一例)が作用した場合も同様に、他方の管3の挿口5の突部6が弁箱11の他方の受口16内の奥側から他方のロックリング17に係合することにより、他方の管3が弁箱11から離脱するのを防止することができる。
【0059】
弁体12が閉位置Psに達した状態で、上記のように地震による離脱力Fが弁箱11に作用して弁箱11に歪が生じ、一方の弁箱シート40が変形しても、接続部48の箇所において弁体12の剛性を低下させているため、接続部48が変形することによって弁箱11の歪を吸収し、これにより、一方の弁体シート43が一方の弁箱シート40に追従して変形し、一方の弁体シート43と一方の弁箱シート40との間に隙間が発生するのを防止して、一方の弁体シート43と一方の弁箱シート40との間の止水性を維持することができる。
【0060】
同様に、他方の弁体シート44が他方の弁箱シート41に追従して変形し、他方の弁体シート44と他方の弁箱シート41との間に隙間が発生するのを防止して、他方の弁体シート44と他方の弁箱シート41との間の止水性を維持することができる。
【0061】
この際、弁体12の径方向における接続部48の断面積B(
図9の斜線部分参照)がいずれか片方の弁体シート43(又は弁体シート44)で囲まれた円形平面の面積C(
図10の斜線部分参照)の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されているため、上記のような離脱力Fが弁箱11に作用して弁箱11に歪が生じた場合であっても、弁体12の強度が不足することはなく、弁体12が接続部48の箇所で損傷するのを防止することができる。
【0062】
尚、
図1に示すように、弁体12が閉位置Psに達すると、弁棒13による押込力が、弁体12に、閉方向S(下方向)へ作用する。このため、
図11で示すように、弁体12が弁箱シート40,41から押し返される押返方向67に僅かに変形し、閉位置Psにおいて、弁体12は上記のように押返方向67に変形した状態に保たれる。尚、押返方向67と離脱力Fの方向とは互いに反対方向である。
【0063】
この状態で地震が発生し、
図12に示すように離脱力Fが弁箱11に作用することにより、一方の弁箱シート40が離脱力Fの方向へ僅かに変形しても、弁体12は予め押返方向67に変形しているため、弁体12が押返方向67とは反対の方向68に変形して元の形状に戻ろうとする。これにより、一方の弁体シート43が一方の弁箱シート40に追従して離脱力Fの方向へ変形し、一方の弁体シート43と一方の弁箱シート40との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0064】
尚、上記と同様に、他方の弁箱シート41が離脱力Fの方向へ僅かに変形した場合も、他方の弁体シート44が他方の弁箱シート41に追従して離脱力Fの方向へ変形し、他方の弁体シート44と他方の弁箱シート41との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0065】
また、
図2に示すように、弁体収容室33の内部空間34は弁箱流路32から開方向O(上方向)へ連通しているため、弁箱11は、構造上、内部空間34が形成されている開方向O側(上側)の部分が反対の閉方向S側(下側)の部分よりも離脱力Fに対して変形し易い。このため、
図1に示すように、離脱力Fが弁箱11に作用して弁箱11に歪が生じた場合、各弁箱シート40,41の変形量は、開方向O側(上側)の部分が反対の閉方向S側(下側)の部分よりも大きくなる。
【0066】
これに対して、
図9に示すように、接続部48の中心57を弁板部46,47の中心58よりも下位に設定することで、基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の断面積b1が、上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の断面積b2よりも、狭く設定されている。これにより、弁体12の剛性は、上記基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる部分が上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる部分よりも低下する。このため、各弁体シート43,44の変形可能量は上記基準面60から開方向O側の領域が上記基準面60から閉方向S側の領域よりも大きくなり、これにより、各弁箱シート40,41の開方向O側(上側)の部分における変形量が反対の閉方向S側(下側)の部分における変形量より大きくなっても、各弁体シート43,44は各弁箱シート40,41の変形に十分に追従して変形し、一方の弁体シート43と一方の弁箱シート40との間および他方の弁体シート44と他方の弁箱シート41との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0067】
尚、上記弁体シート43,44の変形可能量とは、弁体12が予め上記押返方向67に変形した際の変形量に相当する。
【0068】
また、
図7,
図8に示すように、接続部48の外周部の断面形状は弁体12の径方向内向きに窪んだ半円形状であるため、接続部48と一方の弁板部46との付け根部分に発生する局所応力および接続部48と他方の弁板部47との付け根部分に発生する局所応力がそれぞれ分散され、付け根部分の損傷を防止することができる。
【0069】
また、上記離脱力Fは、各管2,3の突部6が係合するロックリング17を起点として、弁箱11に作用する。このため、
図1〜
図4に示すように、各補強部材62〜65を一方の受口16のロックリング取付溝23の形成部分と他方の受口16のロックリング取付溝23の形成部分とに亘って設けることにより、上記離脱力Fに対する弁箱11の強度が向上し、各弁箱シート40,41の変形量を低減することができる。さらに、一方のロックリング取付溝23の形成部分と一方の受口16の端面との間および他方のロックリング取付溝23の形成部分と他方の受口16の端面との間に補強部材を設けることを不要にし得る。
【0070】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、
図13に示すように、一方の弁板部46と他方の弁板部47との間の間隙55は、弁体12の全周にわたって、弁体12の径方向外側ほど、弁体12の厚さ方向Tに拡大するテーパー形状に形成されている。
【0071】
これによると、各弁板部46,47の外周縁部が変形し易くなるため、各弁体シート43,44が各弁箱シート40,41に追従して変形し易くなり、一方の弁体シート43と一方の弁箱シート40との間および他方の弁体シート44と他方の弁箱シート41との間に隙間が発生するのを防止することができる。
【0072】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、
図14に示すように、接続部48の中心57が弁体シート43,44の中心58と同じ位置にあり、接続部48の断面形状は、中心57,58から所定半径rの円を、弁棒挿通孔56で2つに分断するとともに上部を水平に除去した円弧形状である。
【0073】
これにより、共通の中心57,58を通り且つ開閉方向O,Sに直交する仮想の基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の断面積b1が、上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の断面積b2よりも、狭く設定される。
【0074】
これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0075】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、先述した第3の実施の形態の変形例であり、
図15に示すように、上記基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の外周縁の曲率半径と上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の外周縁の曲率半径とが異なっている。
【0076】
これにより、上記基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の断面積b1が、上記基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の断面積b2よりも、狭く設定される。
【0077】
これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0078】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、弁体12の径方向における接続部48の断面積B(
図9の斜線で示した断面領域の面積)がいずれか片方の弁体シート43(又は弁体シート44)で囲まれた円形平面の面積C(
図10の斜線で示した領域の面積)の30%以上で且つ70%以下の範囲内に設定されているとともに、
図16に示すように、弁棒挿通孔56を含めた接続部48の断面積D(
図16の斜線で示した断面領域の面積)がいずれか片方の弁体シート43(又は弁体シート44)で囲まれた円形平面の面積C(
図10の斜線で示した領域の面積)の50%以上で且つ95%以下の範囲内に設定されている。
【0079】
尚、上記50%以上で且つ95%以下という数値については、さらに望ましくは65%以上で且つ95%以下に設定してもよく、最適範囲として80%以上で且つ95%以下に設定してもよい。
【0080】
上記各実施の形態では、弁箱11に作用する外力の一例として、地震によって発生する離脱力Fを挙げたが、このような離脱力Fに限定されるものではない。
【0081】
上記各実施の形態では、
図1に示すように、弁箱11の両端部にそれぞれ受口16を設け、各管2,3の挿口5を弁箱11の受口16に挿入しているが、弁箱11の両端部にそれぞれ挿口5を設け、弁箱11の一方の挿口5を一方の管2に形成した受口16に挿入し、弁箱11の他方の挿口5を他方の管3に形成した受口16に挿入してもよい。或いは、弁箱11のいずれかの端部に受口16を設け、反対側の端部に挿口5を設けてもよい。
【0082】
上記各実施の形態では、開閉方向O,Sを上下方向にしているが、上下方向に限定するものではない。また、接続部48の断面形状は
図9,
図14,
図15に示した形状のいずれかに限定されるものではなく、基準面60から開方向O側(上側)の領域に含まれる接続部48の断面積b1が、基準面60から閉方向S側(下側)の領域に含まれる接続部48の断面積b2よりも、狭く設定されていればよい。