特許第6963973号(P6963973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963973
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】配管摩耗監視システムおよび計測装置
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/13 20060101AFI20211028BHJP
   G01N 29/28 20060101ALI20211028BHJP
   G01N 29/07 20060101ALI20211028BHJP
   G01N 29/24 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   E21D9/13 A
   G01N29/28
   G01N29/07
   G01N29/24
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-218166(P2017-218166)
(22)【出願日】2017年11月13日
(65)【公開番号】特開2019-90188(P2019-90188A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】竹中 計行
(72)【発明者】
【氏名】高倉 克彦
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−150144(JP,A)
【文献】 特開平06−347249(JP,A)
【文献】 特開平06−201364(JP,A)
【文献】 特開平07−092007(JP,A)
【文献】 特開2015−081833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/13
G01N 29/28
G01N 29/07
G01N 29/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂、砂利、土砂、骨材などの粒状物を含んだ流体を圧送する配管の摩耗を監視するためのシステムであって、
配管に取り付けて、配管の肉厚を計測可能な、計測手段と、
前記計測手段からの計測値を用いて配管の摩耗を監視する、情報処理手段と、を少なくとも具備し
前記情報処理手段で、各配管の回転履歴の記録および閲覧を可能としたことを特徴とする、
配管摩耗監視システム。
【請求項2】
前記計測手段を、配管に複数取り付けてあり、
前記情報処理手段は、前記複数の計測手段からの計測値を集計して配管の摩耗を監視することを特徴とする、
請求項1に記載の配管摩耗監視システム。
【請求項3】
1箇所の計測地点に対して、前記計測手段および情報処理手段を設けてあり、
前記情報処理手段で監視する配管の肉厚が所定値未満であるときに、視覚または聴覚的に通報を行う通報手段を更に具備したことを特徴とする、
請求項1に記載の配管摩耗監視システム。
【請求項4】
前記情報処理手段が、少なくとも計測手段からの計測値を利用して、配管の摩耗量を予測することを特徴とする、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の配管摩耗監視システム。
【請求項5】
前記計測手段が、
配管との接触側に開口部を設けてある、ケースと、
前記ケースに収容する、超音波探触子と、
前記開口部を閉塞しつつ、前記超音波探触子の先端を圧入して露出するための挿入孔を設けた、弾性蓋と、
前記超音波探触子を、直接的または間接的に前記ケース内で上下に移動自在とする、調整ボルトと、
を少なくとも有し、
前記弾性蓋と超音波探触子との間に、超音波伝搬向上材の保持空間を形成してあることを特徴とする、
請求項1乃至のうち何れか1項に記載の配管摩耗監視システム。
【請求項6】
配管に固定して、配管の肉厚を計測可能な計測装置であって、
前記計測装置は、
配管との接触側に開口部を設けてある、ケースと、
前記ケースに収容する、超音波探触子と、
前記開口部を閉塞しつつ、前記超音波探触子の先端を圧入して露出するための挿入孔を設けた、弾性蓋と、
前記超音波探触子を、直接的または間接的に前記ケース内で上下に移動自在とする、調整ボルトと、
を少なくとも有し、
前記弾性蓋と超音波探触子との間に、超音波伝搬向上材の保持空間を形成してあることを特徴とする、
計測装置。
【請求項7】
前記挿入孔と超音波探触子との接触部分において、前記挿入孔の内壁または前記超音波探触子の外面にテーパを設けてあることを特徴とする、
請求項に記載の計測装置。
【請求項8】
前記計測装置と配管との固定に磁力を用いることを特徴とする、
請求項またはに記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂、砂利、土砂、骨材などの粒状物を含んだ流体を圧送する配管の摩耗を監視するための配管摩耗監視システム、および当該システムにおいて使用可能な、配管の肉厚を計測するための計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
泥水式シールドなどで使用する配泥管は、砂、砂利、土砂などの粒状物を含んだ流体を輸送することから、配管の摩耗が進行しやすい。
また、シールドトンネルの二次覆工やインバート打設では、コンクリートを長距離圧送するため、同様に、コンクリート中の骨材が配管の摩耗要因となっている。
そこで、従来は、破損前に配管の交換を行うべく、作業員が毎日配管に超音波厚さ計を当てて配管の肉厚を逐一計測・監視していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来の方法では、以下の問題が生じる。
(1)シールドマシンの掘進が進むと、坑口までの泥水または泥土の圧送距離も長くなって、配管の監視距離が増えることとなる。
特に、前述したとおり、泥水や泥土は、通常の液体を圧送する配管と比較して摩擦が著しく大きく、配管の摩耗量が非常に大きいため、検査箇所や検査頻度も多い傾向となる。
さらに、例えば、配管が直管の場合、配管下部がより摩耗量が大きくなるため、管下部が摩耗して破損する前に、配管を回転させて平均的に摩耗させることでより長く使う試みをしている。つまり、配管の摩耗量管理だけでなく、さらに配管の回転管理も行う必要が生じる。
よって、圧送距離が長くなるほど、作業員による毎日の計測作業の負担は比例して増えていく結果となる。
(2)配管が破損した場合は、工事が止まるだけではなく、トンネルの内部の清掃など工事に与える影響が大きいため、配管の監視に対する責任が非常に大きい点も作業員の負担に繋がっている。
(3)計測作業を毎日異なる作業員が行うと、計測地点の位置や超音波厚さ計の配管への当て方に差が生じ、計測精度にブレが生じうる。
【0004】
そこで、本発明は、少なくとも配管摩耗の自動監視を実現可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、砂、砂利、土砂、骨材などの粒状物を含んだ流体を圧送する配管の摩耗を監視するためのシステムであって、配管に取り付けて、配管の肉厚を計測可能な、計測手段と、前記計測手段からの計測値を用いて配管の摩耗を監視する、情報処理手段と、を少なくとも具備し、前記情報処理手段で、各配管の回転履歴の記録および閲覧を可能としたことを特徴とする、配管摩耗監視システムを提供するものである。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記計測手段を、配管に複数取り付けてあり、前記情報処理手段は、前記複数の計測手段からの計測値を集計して配管の摩耗を監視することを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明において、1箇所の計測地点に対して、前記計測手段および情報処理手段を設けてあり、前記情報処理手段で監視する配管の肉厚が所定値未満であるときに、視覚または聴覚的に通報を行う通報手段を更に具備したことを特徴とする、
また、本願の第4発明は、前記第1乃至第3発明のうち何れか1つの発明において、前記情報処理手段が、少なくとも計測手段からの計測値を利用して、配管の摩耗量を予測することを特徴とする。
た、本願の第発明は、前記第1乃至第発明のうち何れか1つの発明において、前記計測手段が、配管との接触側に開口部を設けてある、ケースと、前記ケースに収容する、超音波探触子と、前記開口部を閉塞しつつ、前記超音波探触子の先端を圧入して露出するための挿入孔を設けた、弾性蓋と、前記超音波探触子を、直接的または間接的に前記ケース内で上下に移動自在とする、調整ボルトと、を少なくとも有し、前記弾性蓋と超音波探触子との間に、超音波伝搬向上材の保持空間を形成してあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、配管に固定して、配管の肉厚を計測可能な計測装置であって、前記計測装置は、配管との接触側に開口部を設けてある、ケースと、前記ケースに収容する、超音波探触子と、前記開口部を閉塞しつつ、前記超音波探触子の先端を圧入して露出するための挿入孔を設けた、弾性蓋と、前記超音波探触子を、直接的または間接的に前記ケース内で上下に移動自在とする、調整ボルトと、を少なくとも有し、前記弾性蓋と超音波探触子との間に、超音波伝搬向上材の保持空間を形成してあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明において、前記挿入孔と超音波探触子との接触部分において、前記挿入孔の内壁または前記超音波探触子の外面にテーパを設けてあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明または第発明において、前記計測端末と配管との固定に磁力を用いることを特徴とする。

【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)従来手作業で定期的に行っていた、泥水、泥土、コンクリートなどを圧送する配管の肉厚計測作業を自動化することで作業車の監視負担を大きく低減することができる。
(2)配管の監視にあたって、中央管理室での集中監視、計測点ごとに監視する分散監視の何れの態様も選択できる。
(3)情報処理手段で各配管の回転履歴の記録および閲覧を可能とすることで、配管の摩耗が進んだ際の、配管の回転による再利用が可能かどうかの判断や、配管の回転方向の判断を容易に把握できる。
(4)配管の所定位置に超音波探触子を正しい位置にセットし続けておくことができるため、より精度の高い監視作業が可能となる。
(5)弾性蓋と超音波探触子との間に超音波伝搬向上材を保持可能な保持空間を設けておくことで、計測作業の精度を高めることができる。
(6)超音波探触子の位置を調整可能な調整ボルトを設けることで、配管に対する超音波探触子の当接具合を調整できる。
(7)弾性蓋を設けることで、超音波探触子を所定の位置に保持できる。
(8)計測装置との配管との固定に磁力を用いることで、計測装置の取付が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例に係る配管摩耗監視システムの全体構成を示す概略図。
図2】計測装置の構成を示す概略斜視図。
図3】弾性蓋と超音波探触子との関係を示す概略断面図。
図4】計測装置を配管に取り付けた状態の概略断面図。
図5】配管の長手方向に向かって監視状態を視覚的に表示した画面イメージ。
図6】配管の肉厚の実測値から予測値を表示した画面イメージ。
図7】第2実施例に係る配管摩耗監視システムの全体構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する、
【実施例1】
【0009】
<1>全体構成
図1を参照しながら、本発明に係る配管摩耗監視システムの詳細について説明する。
本発明に係る配管摩耗監視システムは、配管Xの計測地点に適宜取り付ける計測手段Aと、前記計測手段Aからの計測値を用いて配管Xの摩耗を監視する情報処理手段Bと、を少なくとも具備する。
配管Xに対する計測手段Aの設置箇所は特段限定しない。図1では、摩耗しやすい配管Xの下部にのみ計測手段Aを設ける構成と、配管Xの周方向に間隔を設けて計測手段Aを複数配置する構成とを示している。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0010】
<2>計測手段
計測手段Aは、配管Xに取り付けて、配管Xの肉厚を計測するための手段である。
図2に、計測手段Aの構成を示す
本実施例では、計測手段Aが、配管に固定可能なケース10と、前記ケース10に収容する超音波探触子20と、超音波探触子20を保持する弾性蓋30と、超音波探触子20の先端の露出長を調整する、調整ボルト40と、を少なくとも有して構成してある。
【0011】
<2.1>ケース
ケース10は、超音波探触子20を収容するための部材である。
ケース10は、配管との接触側を開口した形状を呈している。
本実施例では、アクリル製の板を立体的に組み合わせてなる側部11と底部12によって上方を開口した、略凹状のケース10を構成している。
【0012】
<2.1.1>側部
側部11の上縁には、配管に取り付けるための固定具13を設ける。
配管が金属製である場合には、固定具13にマグネットを用いれば、磁力を利用した取付が可能となる。
固定具13は、配管と密に接触するべく、固定具13の接触面を配管の外径に対応させた形状としておいてもよい。
また、本実施例では、一方の側部11に超音波探触子20から延びるケーブルを挿通するための穴を設けているが、本発明において必須の構成ではない。
【0013】
<2.1.2>底部
底部12には、上下に貫通する螺子孔121を設けておく。
この螺子孔121に、後述する調整ボルト40を螺合することで、調整ボルト40の先端を突出自在に構成する。
【0014】
<2.2>超音波探触子
超音波探触子20は、先端から超音波を発信することで、先端に接触している部材の厚さを計測可能な装置である。
超音波探触子20は、従来の配管摩耗の監視作業で使用していた肉厚計測装置のプローブ部分を取り出して使用することができる。
超音波探触子20は、前記ケース10の内部にて、その先端をケース10の上方から露出する位置へと留め置かれる。
【0015】
<2.3>弾性蓋
弾性蓋30は、超音波探触子20の位置を保持するための部材である。
弾性蓋30は、前記ケース10の上方にある開口を平面視して閉塞可能な大きさを呈している。
そして、弾性蓋30には上下に貫通する挿入孔31を設けてあり、この挿入孔31に前記超音波探触子20を差し込んで、該超音波探触子20の先端を弾性蓋30の外表面から露出させる。
弾性蓋30には、ゴムやシリコンなどを用いることができる。
【0016】
<2.3.1>弾性蓋と超音波探触子との関係
本発明では、挿入孔31に圧入した超音波探触子20を、弾性蓋30の復元力で支えることでもって、計測手段Aに対する超音波探触子20の平面位置を規定する。
図3に、挿入孔と超音波探触子の形状例を示す。
図3(a)では、超音波探触子20は、先細形状を呈しており、先端径をd11,後端径をd12で構成している。そして挿入孔の径は、一律d13で構成している。このとき、少なくともd11≦d13<d12の関係が成り立てば良い。
図3(b)では、超音波探触子20は、同径の円柱形状を呈しており、直径をd21で構成している。そして、挿入孔の径は一律d22としている。このとき、少なくともd22<d21の関係が成り立てば良い。
図3(c)では、超音波探触子20は、同径の円柱形状を呈しており、直径をd31で構成している。そして、挿入孔の径は下に向かって先細となるようにテーパを設けており、上側の径をd32,下側の径をd33としている。このとき、少なくともd33<d31≦d32の関係が成り立てば良い。
【0017】
<2.4>調整ボルト
調整ボルト40は、超音波探触子20の先端の露出長を調整するための部材である。
本実施例では、調整ボルト40を前記ケース10の底部12に設けた螺子孔121に下方から螺合可能なボルト部材で構成している。
この調整ボルト40の螺合動作によって、調整ボルト40の先端を上昇させると、ケース10の内部に収容した超音波探触子20は調整ボルト40の先端で押し出される。
この動作によって、弾性蓋30からの超音波探触子20の露出長を調整することができる。
【0018】
<2.4.1>押し出し用プレートの介設
なお、図2において図示しないが、本発明では、ケース10の底部12の上方に別途独立したプレートを設けておき、このプレートを調整ボルト40と超音波探触子20との間に介在させて調整ボルト40の螺合でもって押し上げ可能とすることで、調整ボルト40の螺合動作に対し間接的に超音波探触子20の露出長を調整するように構成してもよい。
本構成であれば、超音波探触子20と調整ボルト40との位置がずれている場合であっても、介在したプレートでもって超音波探触子20を押し出すことができる。
【0019】
<2.5>取付状態
図4に、計測装置を配管に取付状態の概略断面図を示す。
図4では、磁石で構成した固定具13でもって、金属製の配管Xに計測手段Aを磁力でもって取り付けている。
そして、調整ボルト40の螺合調整を行い、配管Xに超音波探触子20の先端を密着させた状態とすれば、配管Xの肉厚の計測が可能な状態となる。
このとき、配管Xにケース10が接触して固定されている状態において、弾性蓋30の上部と、超音波探触子20との間には、僅かに隙間が生じる場合がある。
そこで、この隙間は、予め超音波の伝搬性を高めるための部材(超音波伝搬向上材)を設けておく空間(保持空間50)とする。
超音波伝搬向上材には、カプラント(接触媒質)や、薄板上のゴム、油、樹脂などがある。
この保持空間50に超音波伝搬向上材を収容しておくことにより、超音波伝搬向上材の漏れや揮発をできるかぎり抑制することができる。
【0020】
<3>情報処理手段
再度、図1を参照する。
情報処理手段Bは、計測手段Aによる配管Xの肉厚の計測値を集計して配管の摩耗監視に供するための手段である。
また、情報処理手段Bは、計測手段Aの計測作業を制御可能な機能を有し、使用者からの指令による手動計測機能や、定期的に計測作業を実行する自動計測機能を備えておくことが好ましい。
【0021】
<3.1>構成例
情報処理手段Bは、PCやスマートフォンなどの公知の情報処理装置を単体または適宜組み合わせて構成することができる。
本実施例では、情報処理手段Bを、現場の中央管理室に設置してある管理装置B1と、各計測手段Aに接続して、計測手段Aによる計測値を管理装置B1へと送信可能な制御端末B2とで構成している。
以下、各装置の詳細について説明する。
【0022】
<3.2>制御端末
制御端末B2は、超音波探触子20と電気的に接続して、超音波探触子20によって得た計測値を管理装置B1に送信する機能を有する。
制御端末B2は、CPU、メモリ、記憶媒体、超音波探触子20とのインターフェースや、管理装置B1との間で有線通信または無線通信を行うためのインターフェースなどを設けているハードウェアで構成し、これらのハードウェアが所望の機能を発揮するようにソフトウェアでもって制御する。
制御端末1台に対する計測手段の数は限定しない。図1では、制御端末1台に単数の計測手段が接続されている構成と、制御端末1台に対して複数の計測手段が接続されている構成とを示している。
【0023】
<3.3>管理装置
管理装置B1は、制御端末B2から受信した計測値を用いて配管の摩耗監視を行うための機能を有する。
管理装置B1は、いわゆるPCなどの情報処理装置を用いており、CPU、メモリ、記憶媒体、制御端末B2との有線通信または無線通信のためのインターフェースなどを設けているハードウェアで構成し、これらのハードウェアが所望の機能を発揮するようにソフトウェアでもって制御する。
【0024】
その他、管理装置には、配管の摩耗に伴って、配管を回転させた情報の履歴を記録・閲覧できる機能を設けておいても良い。
配管が摩耗した場合には、配管を90°軸方向に回転させて、配管の摩耗の多い部位を、摩耗が少ない場所に入れ換えることで、配管の交換をせずに耐用期間を延長する場合がある。この場合に、配管の回転履歴が確認できると、作業員は、配管の回転によって継続して利用し続けることが可能かどうかの判断や、配管の回転方向を把握することができるため、作業効率性を高めることができる。
【0025】
<3.4>摩耗の監視例
配管の摩耗を監視する方法としては次の例などが考えられる。
【0026】
<3.4.1>計測値としきい値との比較
管理装置B1で、配管の交換が必要と判断するしきい値を設定しておき、計測手段Aから取得した計測値が、しきい値未満に達した場合に、管理装置B1の使用者に対し該当箇所の通知を行う。
【0027】
なお、このしきい値は、交換の緊急度の異なる複数のしきい値(警告値、異常値)を設定して、通知態様を変えるように構成してもよい。
たとえば、一刻も早く配管の鋼管を要するような緊急度の高い程度にまで肉厚が減少している場合には、管理装置B1から自動で配管の運転を強制的に停止するように構成してもよい。
【0028】
図5に、配管の長手方向に向かって監視状態を視覚的に表示した画面イメージを示す。
上段に配置した全体表示の欄では、配管を二行構成で表示しており、一行目では計測地点での監視状態を示し、二行目では計測地点の管形状(直管または曲管)を示している。
また、下段には、上段の全体表示の一部を拡大表示した欄を設けている。
このように、監視状態に応じた色分け表示を行うことで、作業員による監視作業の利便性を高めることができる。
【0029】
<3.4.2>摩耗量予測による交換時期の通知
管理装置B1で、配管の交換が必要と判断するしきい値を設定しておく。
所定間隔毎に、計測手段Aから取得した計測値を蓄積しておき、蓄積した計測値から経時的な摩耗量を計算する。
そして、この摩耗量から、配管の交換が必要と判断するしきい値に達する時期を予測し、管理装置B1の使用者に対し該当箇所と交換時期の通知を行う。
図6に、配管の肉厚の実測値から予測値を表示した画面イメージを示す。
左欄には、計測済みの1日毎の実測値と、将来的な摩耗量の予測値とが描画されたグラフが設けてある。
このグラフには、配管の摩耗によって警告や異常を通知するためのしきい値も描画されている。
このように将来の摩耗量の予測に伴い、交換時期の目安を視覚的に表示することで、作業員による監視作業の利便性を高めることができる。
【0030】
<4>まとめ
このように、本発明に係る配管摩耗監視システムによれば、従来手作業で定期的に行っていた配管の肉厚計測作業を自動化することで作業車の監視負担を大きく低減することができる。
また、本発明に係る計測手段Aによれば、配管の所定位置に超音波探触子20を正しい位置にセットし続けておくことができるため、より精度の高い監視作業が可能となる。
【実施例2】
【0031】
図7を参照しながら、本発明に係る配管摩耗監視システムの第2実施例について説明する。
本実施例に示す配管摩耗監視システムでは、配管Xの摩耗を監視する情報処理手段Bを計測手段A毎に設けて、計測箇所毎に個別に監視を行う、いわゆる分散監視型を構成している。
この場合、各情報処理手段Bには作業員に通知を行うための手段として、パトランプCなどの通報手段を設けておき、配管Xの交換が必要と判断した場合にパトランプCを起動するように構成しておけばよい。
本実施例に係る配管摩耗監視システムによれば、現場の中央管理室への通信が困難な現場であっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
A 計測手段
10 ケース
11 側部
12 底部
121 螺子孔
13 固定具
20 超音波探触子
30 弾性蓋
31 挿入孔
40 調整ボルト
50 保持空間
B 情報処理手段
B1 管理装置
B2 制御端末
C パトランプ
X 配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7