特許第6963989号(P6963989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963989
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】爆薬装填装置
(51)【国際特許分類】
   F42D 1/08 20060101AFI20211028BHJP
   F42D 1/12 20060101ALI20211028BHJP
   B65G 51/02 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   F42D1/08
   F42D1/12
   B65G51/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-244494(P2017-244494)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2019-113194(P2019-113194A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】日暮 徹
(72)【発明者】
【氏名】北原 成郎
(72)【発明者】
【氏名】坂西 孝仁
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−126700(JP,A)
【文献】 特開昭57−192800(JP,A)
【文献】 特開昭59−063500(JP,A)
【文献】 特開2017−088347(JP,A)
【文献】 特開2000−132943(JP,A)
【文献】 特開平02−110017(JP,A)
【文献】 特開2002−302237(JP,A)
【文献】 特開2006−266670(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/042626(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42D 1/08− 1/12
B65G 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切羽に形成された装薬孔に爆薬及び込め物を装填するための爆薬装填装置であって、
爆薬供給装置と、込め物供給装置と、爆薬供給装置により供給された爆薬又は込め物供給装置により供給された込め物を装薬孔に圧送する圧送装置と、これら爆薬供給装置、込め物供給装置、圧送装置を制御する制御装置とを備え、
圧送装置は、爆薬供給装置及び込め物供給装置に連結された装填機と、装填機の終端に接続された装填ホースと、装填ホースの終端に接続された装填パイプとを備え、
装填パイプの終端側を装薬孔に挿入した状態で、装填ホース内に供給された爆薬又は込め物に装填機側から空気を送り込んで爆薬又は込め物を装薬孔内に圧送して装填する爆薬装填装置において、
爆薬供給装置の爆薬供給路及び圧送装置の装填機の少なくとも一方に爆薬を検出するセンサを備え、
制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された爆薬の数を出力するように構成され、
爆薬供給路は、爆薬収容室に収容された爆薬を爆薬収容室の下方から上方に搬送する搬送装置と、爆薬収容室において搬送装置の最上位置側に設けられた爆薬落下口から装填機まで延長する落下通路とを備え、
落下通路は、爆薬落下口から垂直方向に延長する垂直路と、垂直路の下端より下方に傾斜して装填機まで延長する傾斜路とを備え、
センサとして、垂直路に設けられて落下直前の爆薬を検出する爆薬落下直前検出センサと、垂直路に設けられて爆薬が落下したか否かを検出する爆薬落下検出センサと、装填機に設けられて爆薬が装填機を通過したか否を検出する爆薬通過検出センサとを備え、
制御装置は、爆薬落下直前検出センサからの信号に基づいて、爆薬が落下直前位置に到達したか否かを認識し、爆薬通過検出センサからの信号に基づいて、爆薬が装填ホースに供給されたか否かを認識するとともに、爆薬落下検出センサからの爆薬検出信号を入力した後、所定時間内に爆薬通過検出センサからの爆薬検出信号を入力しない場合には、爆薬落下検出センサの設置位置から爆薬通過検出センサの設置位置までの通路内に爆薬が詰まっていると認識することを特徴とする爆薬装填装置。
【請求項2】
爆薬落下検出センサは、落下直前の爆薬の一端側に位置する垂直路の一端側壁及び落下直前の爆薬の他端側に位置する垂直路の他端側壁のうちの一方に設けられた発光部と他方に設けられた受光部とで構成され、
発光部と受光部とが上下方向に位置ずれされて配置され、発光部と受光部との間で送受される上下に傾斜する検出光に基づいて爆薬が検出されるように構成されたことを特徴とする請求項に記載の爆薬装填装置。
【請求項3】
切羽に形成された装薬孔に爆薬及び込め物を装填するための爆薬装填装置であって、
爆薬供給装置と、込め物供給装置と、爆薬供給装置により供給された爆薬又は込め物供給装置により供給された込め物を装薬孔に圧送する圧送装置と、これら爆薬供給装置、込め物供給装置、圧送装置を制御する制御装置とを備え、
圧送装置は、爆薬供給装置及び込め物供給装置に連結された装填機と、装填機の終端に接続された装填ホースと、装填ホースの終端に接続された装填パイプとを備え、
装填パイプの終端側を装薬孔に挿入した状態で、装填ホース内に供給された爆薬又は込め物に装填機側から空気を送り込んで爆薬又は込め物を装薬孔内に圧送して装填する爆薬装填装置において、
爆薬供給装置の爆薬供給路及び圧送装置の装填機の少なくとも一方に爆薬を検出するセンサを備え、
制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された爆薬の数を出力するように構成され、
込め物供給装置は、込め物置場から込め物落下部まで込め物を搬送する搬送装置と、込め物落下部から落下する込め物を貯留する貯留装置と、貯留装置の下端から落下する込め物を圧送装置まで導く落下路とを備え、
搬送装置の終端側及び貯留装置の少なくとも一方に込め物を検出するセンサを備え、
制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された込め物の数を出力することを特徴とする爆薬装填装置。
【請求項4】
貯留装置は、垂直方向に延長する筒状収容部と、筒状収容部の最下位置に収容された込め物の下端を受ける底受部と備え、
搬送装置の終端側に設けられて貯留装置の筒状収容部内に込め物が落下したか否かを検出する込め物落下検出センサと、筒状収容部の下部側に設けられて筒状収容部内の一番下方に位置する込め物を検出する下部込め物検出センサと、筒状収容部の上部側に設けられて筒状収容部内の一番上方に位置する込め物を検出する上部込め物検出センサとを備え、
制御装置は、込め物落下検出センサからの信号に基づいて、貯留装置の筒状収容部内に込め物が落下したか否かを認識するとともに、下部込め物検出センサと上部込め物検出センサとからの込め物検出信号を入力した場合に、貯留装置の筒状収容部内に所定数の込め物が貯留されたことを認識することを特徴とする請求項に記載の爆薬装填装置。
【請求項5】
制御装置は、爆薬の装填数、込め物の装填数を記録する記録装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の爆薬装填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切羽に形成された装薬孔に、爆薬、及び、込め物を装填する爆薬装填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切羽に形成された装薬孔に、爆薬、及び、込め物を装填する作業を遠隔操作で行う爆薬装填装置が知られている(特許文献1等参照)。
当該爆薬装填装置は、爆薬供給装置と、込め物供給装置と、爆薬供給装置により供給された爆薬又は込め物供給装置により供給された込め物を装薬孔に圧送する圧送装置とを備え、圧送装置は、爆薬供給装置及び込め物供給装置の排出側に設けられた装填機と、装填機の終端に接続された装填ホースと、装填ホースの終端に接続されたチューブ(装填パイプ)とを備えた構成である。
そして、チューブ(装填パイプ)の終端側を装薬孔に挿入した状態で、装填ホース内に供給された爆薬又は込め物に装填機側から空気を送り込んで爆薬又は込め物を装薬孔内に圧送して装填するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−126700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の爆薬装填装置では、指示した数通りに爆薬が装填ホースに供給されたかを確認することができないという課題があった。
本発明は、指示した数通りに爆薬が装填ホースに供給されたことを確認できるようにした爆薬装填装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る爆薬装填装置は、切羽に形成された装薬孔に爆薬及び込め物を装填するための爆薬装填装置であって、爆薬供給装置と、込め物供給装置と、爆薬供給装置により供給された爆薬又は込め物供給装置により供給された込め物を装薬孔に圧送する圧送装置と、これら爆薬供給装置、込め物供給装置、圧送装置を制御する制御装置とを備え、圧送装置は、爆薬供給装置及び込め物供給装置に連結された装填機と、装填機の終端に接続された装填ホースと、装填ホースの終端に接続された装填パイプとを備え、装填パイプの終端側を装薬孔に挿入した状態で、装填ホース内に供給された爆薬又は込め物に装填機側から空気を送り込んで爆薬又は込め物を装薬孔内に圧送して装填する爆薬装填装置において、爆薬供給装置の爆薬供給路及び圧送装置の装填機の少なくとも一方に爆薬を検出するセンサを備え、制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された爆薬の数を出力することにより、指示した数通りに爆薬が装填ホースに供給されたことを確認できるようになるとともに、爆薬供給路は、爆薬収容室に収容された爆薬を爆薬収容室の下方から上方に搬送する搬送装置と、爆薬収容室において搬送装置の最上位置側に設けられた爆薬落下口から装填機まで延長する落下通路とを備え、落下通路は、爆薬落下口から垂直方向に延長する垂直路と、垂直路の下端より下方に傾斜して装填機まで延長する傾斜路とを備え、センサとして、垂直路に設けられて落下直前の爆薬を検出する爆薬落下直前検出センサと、垂直路に設けられて爆薬が落下したか否かを検出する爆薬落下検出センサと、装填機に設けられて爆薬が装填機を通過したか否を検出する爆薬通過検出センサとを備え、制御装置は、爆薬落下直前検出センサからの信号に基づいて、爆薬が落下直前位置に到達したか否かを認識し、爆薬通過検出センサからの信号に基づいて、爆薬が装填ホースに供給されたか否かを認識するとともに、爆薬落下検出センサからの爆薬検出信号を入力した後、所定時間内に爆薬通過検出センサからの爆薬検出信号を入力しない場合には、爆薬落下検出センサの設置位置から爆薬通過検出センサの設置位置までの通路内に爆薬が詰まっていると認識するので、爆薬収容室に爆薬が無いか、又は、搬送装置に何らかの不具合が生じたこと等や、爆薬落下検出センサの設置位置から爆薬通過検出センサの設置位置まで通路内での爆薬の詰まりが発生したこと、装填ホースに供給された実際の爆薬の数等の情報を作業者等に知らせることができるので、作業者等が、爆薬収容室内の爆薬の有無を確認したり、搬送装置の状態を確認したりする処理を迅速に行うことができるようになり、また、通路内での爆薬の詰まり解消作業を行えるようになるので、爆薬の搬送供給系統を正常状態に復帰させる復帰処理を迅速に行えるようになるとともに、装填ホースに供給された実際の爆薬の数や、過去に装填ホースに供給された爆薬の累計数をリアルタイムに正確に確認できるようになる。
また、爆薬落下検出センサは、落下直前の爆薬の一端側に位置する垂直路の一端側壁及び落下直前の爆薬の他端側に位置する垂直路の他端側壁のうちの一方に設けられた発光部と他方に設けられた受光部とで構成され、発光部と受光部とが上下方向に位置ずれされて配置され、発光部と受光部との間で送受される上下に傾斜する検出光に基づいて爆薬が検出されるように構成されたので、垂直路の落下する爆薬の検出範囲が大きくなるため、垂直路の落下する爆薬の検出漏れを抑制できるようになる。
また、本発明に係る爆薬装填装置は、切羽に形成された装薬孔に爆薬及び込め物を装填するための爆薬装填装置であって、爆薬供給装置と、込め物供給装置と、爆薬供給装置により供給された爆薬又は込め物供給装置により供給された込め物を装薬孔に圧送する圧送装置と、これら爆薬供給装置、込め物供給装置、圧送装置を制御する制御装置とを備え、圧送装置は、爆薬供給装置及び込め物供給装置に連結された装填機と、装填機の終端に接続された装填ホースと、装填ホースの終端に接続された装填パイプとを備え、装填パイプの終端側を装薬孔に挿入した状態で、装填ホース内に供給された爆薬又は込め物に装填機側から空気を送り込んで爆薬又は込め物を装薬孔内に圧送して装填する爆薬装填装置において、爆薬供給装置の爆薬供給路及び圧送装置の装填機の少なくとも一方に爆薬を検出するセンサを備え、制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された爆薬の数を出力するように構成され、込め物供給装置は、込め物置場から込め物落下部まで込め物を搬送する搬送装置と、込め物落下部から落下する込め物を貯留する貯留装置と、貯留装置の下端から落下する込め物を圧送装置まで導く落下路とを備え、搬送装置の終端側及び貯留装置の少なくとも一方に込め物を検出するセンサを備え、制御装置が、センサからの信号に基づいて、装填ホースに供給された込め物の数を出力するので、指示した数通りに爆薬が装填ホースに供給されたことを確認できるようになるとともに、指示した数通りに込め物が装填ホースに供給されたことを確認できるようになる。
また、貯留装置は、垂直方向に延長する筒状収容部と、筒状収容部の最下位置に収容された込め物の下端を受ける底受部と備え、搬送装置の終端側に設けられて貯留装置の筒状収容部内に込め物が落下したか否かを検出する込め物落下検出センサと、筒状収容部の下部側に設けられて筒状収容部内の一番下方に位置する込め物を検出する下部込め物検出センサと、筒状収容部の上部側に設けられて筒状収容部内の一番上方に位置する込め物を検出する上部込め物検出センサとを備え、制御装置は、込め物落下検出センサからの信号に基づいて、貯留装置の筒状収容部内に込め物が落下したか否かを認識するとともに、下部込め物検出センサと上部込め物検出センサとからの込め物検出信号を入力した場合に、貯留装置の筒状収容部内に所定数の込め物が貯留されたことを認識するので、込め物置場に込め物が無いか、又は、込め物搬送供給装置に何らかの不具合が生じたこと等や、装填ホースに供給された実際の込め物の数等の情報を作業者等に知らせることができるので、作業者等が、込め物置場の込め物の有無を確認したり、込め物搬送供給装置の状態を確認したりする処理を迅速に行うことができるようになり、込め物の搬送供給系統を正常状態に復帰させる復帰処理を迅速に行えるようになるとともに、装填ホースに供給された実際の込め物の数や、過去に装填ホースに供給された込め物の累計数をリアルタイムに正確に確認できるようになる。
また、制御装置は、爆薬の装填数、込め物の装填数を記録する記録装置を備えたので、当該記録装置に記録された履歴を確認することによって、爆薬の装填作業、及び、込め物の装填作業に関するトレーサビリティが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】爆薬装填装置の全体概略図。
図2】爆薬供給装置及び込め物供給装置を前側から見た図。
図3】爆薬供給装置及び込め物供給装置を後側から見た図。
図4】ホッパー内の増ダイ搬送手段の配置及び増ダイシュートの断面を示す図。
図5】チェーンコンベヤ装置の上側反転ガイド面の詳細を示す要部拡大図。
図6】チェーンコンベヤ装置を上側から見た図。
図7】増ダイシュートの断面図。
図8】増ダイシュートの比較例を示す断面図。
図9】傾斜路の後側から見た空気供給ヘッドの配置を示す図。
図10】アンコ搬送装置を上側から見た図。
図11】矯正装置のローラの配置を示す図。
図12】アンコストッカー及び移動機構の概略を示す図。
図13】制御系統を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、実施形態に係る爆薬装填装置1は、トンネル掘削現場Tにおいて、切羽Kに穿孔した装薬孔Hに、爆薬及び込め物を装填するための装置であって、爆薬供給装置2と、込め物供給装置3と、爆薬供給装置2により供給された爆薬又は込め物供給装置3により供給された込め物を切羽Kの装薬孔Hに圧送する圧送装置4と、これら爆薬供給装置2、込め物供給装置3、圧送装置4を制御する制御装置5と、制御装置5に指示を送るリモートコントローラ等の指示装置6とを備える。
【0008】
圧送装置4は、爆薬供給装置2及び込め物供給装置3に連結された装填機7と、装填機7の終端に接続された装填ホース8と、装填ホース8の終端に接続された装填パイプ9とを備える。
爆薬供給装置2、込め物供給装置3、装填機7、制御装置5は、移動可能なように、例えばトラック等の車輌Aの荷台上に設置される。
そして、切羽Kの手前側で作業を行う作業者Xが装填パイプ9を装薬孔Hに挿入した後、作業者Xや作業補助者等が指示装置6から制御装置5に指示を送ることによって、制御装置5が爆薬供給装置2を制御して装填ホース8に爆薬が供給されたり、制御装置5が込め物供給装置3を制御して装填ホース8に込め物が供給される。そして、制御装置5が装填機7を制御して、装填ホース8内に供給された爆薬又は込め物に装填機7側から空気を送り込むことで、爆薬又は込め物が装薬孔H内に圧送されて装填される。即ち、遠隔操作により、爆薬及び込め物が装薬孔Hに装填される。
尚、切羽Kの高所に形成された装薬孔Hに装填パイプ9を挿入する際には、例えば削岩機B、作業用ケージC等を備えたドリルジャンボD等の作業用機械を用いて、作業者Xが作業用ケージCに搭乗して作業を行う。また、切羽Kの地上Eに近い低所に形成された装薬孔Hに装填パイプ9を挿入する際には、作業者Xが地上Eから作業を行う。
【0009】
爆薬装填装置1では、爆薬としての例えばエマルションタイプの含水爆薬と当該含水爆薬に点火する雷管とを備えて構成された薬包状爆薬10(以下、「親ダイ10」という)が、装填パイプ9の先端に取付けられる。
そして、切羽Kに形成された装薬孔Hに挿入された装填パイプ9の先端に取付けられている親ダイ10が、圧送装置5により送られてくる圧送空気によって押圧されて装薬孔Hの孔尻に装填される。
次に、親ダイ10の爆轟により爆発する雷管の付いていない含水爆薬で構成された薬包状爆薬11(即ち、殉爆による起爆を期待する爆薬、以下、「増ダイ11」という)が、爆薬供給装置2及び圧送装置4によって装薬孔Hに圧送されて、装薬孔Hに装填されている親ダイ10の後側に装填される。
そして、装薬孔Hの孔口を塞ぐために粘土等で形成された込め物(以下、「アンコ」という)12が、込め物供給装置3及び圧送装置4によって装薬孔Hに圧送されて、装薬孔Hに装填されている増ダイ11の後側に装填される。
即ち、爆薬装填装置1により、親ダイ10、増ダイ11、アンコ12が、装薬孔Hの孔尻から孔口側に向けて順番に、順次押し潰された状態に密に装填される。
【0010】
尚、装薬孔Hの孔尻に装填された親ダイ10の雷管に一端が接続された図外の脚線の他端側が装薬孔Hの外に引き出された後、増ダイ11、アンコ12が装薬孔Hに装填され、脚線の他端が図外の発破器に接続される。
即ち、装薬孔Hに親ダイ10と増ダイ11とが装薬された後、装薬孔Hの孔口がアンコ12で塞がれた状態で、発破器を操作して親ダイ10の雷管に点火することにより、切羽Kを爆破する。
【0011】
親ダイ10、増ダイ11を構成する薬包状爆薬は、例えば、円筒状の紙筒に、水、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、ソルビタンセスキオート、マイクロクリスタリンワックス、グラスマイクロバルーン等を混ぜ合わせた粘土状の爆薬が充填されて形成された、直径2.5cm、長さ19cm程度の円棒状に構成される。
アンコ12は、例えば、直径2.6cm、長さ10cm程度の円棒状に形成された粘土がビニールなどの包装材で包装されて構成される。
【0012】
爆薬供給装置2は、増ダイ11を装填ホース8に供給する装置である。
図2図3に示すように、爆薬供給装置2は、ホッパー21と、増ダイシュート22とを備える。
図4に示すように、ホッパー21は、多数の増ダイ11を収容可能な増ダイ収容室23と、増ダイ収容室23に収容された増ダイ11を増ダイ収容室23の下方から斜め上方に位置する増ダイ落下口24まで搬送する増ダイ搬送装置25とを備える。
図2図7に示すように、増ダイシュート22は、ホッパー21の増ダイ落下口24から落下する増ダイ11を装填ホース8に供給するために増ダイ収容室23において増ダイ搬送装置25の最上位置(後述するチェーンコンベヤ装置28の上側反転位置)側に設けられた増ダイ落下口24から装填機7まで延長する落下通路26と、増ダイ11を検出するセンサー群27とを備える。
【0013】
増ダイ収容室23は、後壁23aと、前壁23bと、後壁23aの上端から前方(前壁23b側)に突出するように設けられた上壁23cと、後壁23aの一方側縁から前方に突出するように設けられた隔壁23dと、隔壁23dの下端から下方に傾斜して延長した後に上方に傾斜して延長するように形成された下壁23eと、後壁23aに形成された開口23fを開閉するための開閉蓋23gとで囲まれた部屋であり、開閉蓋23gを外側に開いて、当該開口23fを介して増ダイ収容室23に対する増ダイ11の出し入れを行えるように構成されている。
【0014】
後壁23a及び前壁23bの下部が、ホームベースのような五角形の下方に突出する鋭角頂点と当該鋭角頂点に繋がる辺縁とにより形成される。そして、下壁23eが、後壁23a及び前壁23bの各鋭角頂点と各辺縁とを繋ぐ左右の傾斜面に形成された左右の底壁23h,23iにより構成される。即ち、増ダイ収容室23を前側又は後側から見た場合、増ダイ収容室23は鋭角頂点を下側に配置したホームベースのような五角形形状に構成されている。
【0015】
図2図3に示すように、ホッパー21及び増ダイシュート22は、前方又は後方(後壁23a側)から見た場合、例えば、上述した隔壁23dを対称軸とした左右対称な形状に2つ連続して設けられている。即ち、隔壁23dが、左右の増ダイ収容室23;23を区切る壁として機能し、当該隔壁23dを境界として2つの増ダイ収容室23;23が左右に隣り合うように設けられている。
即ち、左の増ダイ収容室23の下壁23eは、隔壁23dの下端より左に傾斜して下るように延長する一方の底壁(右の底壁)23iと、一方の底壁23iの下端より左に傾斜して上がるように延長する他方の底壁(左の底壁)23hとを備える。また、右の増ダイ収容室23の下壁23eは、隔壁23dの下端より右に傾斜して下るように延長する一方の底壁(左の底壁)23iと、一方の底壁23iの下端より右に傾斜して上がるように延長する他方の底壁(右の底壁)23hとを備える。
左右の増ダイ収容室23,23は、他方の底壁23hの上端と上壁23cとの間で増ダイ落下口24が形成され、当該他方の底壁23hの傾斜面に沿って増ダイ11を増ダイ収容室23の下端側から増ダイ落下口24に搬送する増ダイ搬送装置25が設けられる。
換言すれば、ホッパー21は、後壁23aと前壁23bと上壁23cと隔壁23dと下壁23eと後側開閉蓋23gとで区画された増ダイ収容室23を備えるとともに、他方の底壁23hの傾斜面に沿って増ダイ11を増ダイ落下口24に搬送可能に設けられた増ダイ搬送装置25とを備える。
【0016】
図4に示すように、増ダイ搬送装置25は、例えば、チェーンコンベヤ装置28と、複数の増ダイ搬送トレイ29とを備える。
図4図6に示すように、チェーンコンベヤ装置28は、増ダイ収容室23の前後側2列に配置された無端のチェーン30,30と、駆動機構及び図外の駆動源とを備える。
チェーンコンベヤ装置28の駆動機構は、増ダイ落下口24において増ダイ収容室23の前後に延長するように設けられた駆動軸32と、駆動軸32の当該前後の両端側に設けられた図外のスプロケットと、増ダイ収容室23の下壁23eの下端側において増ダイ収容室23の前後に延長するように設けられた従動軸33と、従動軸33の当該前後の両端側に設けられた図外のスプロケットと、モータ等の駆動源の駆動力を駆動軸32に伝達する図外の伝達機構とを備える。
即ち、2列の無端のチェーン30,30の上端側が駆動軸32の両端側に設けられた各スプロケットにそれぞれ掛け渡されるとともに、2列の無端のチェーン30,30の下端側が従動軸33の両端側に設けられた各スプロケットにそれぞれ掛け渡され、駆動軸32を回転させて前後2列のチェーン30,30を上下間で循環移動させることにより、前後2列のチェーン30,30間に掛け渡されるように連結された複数の増ダイ搬送トレイ29,29…が上下間で循環移動する。
増ダイ搬送トレイ29は、チェーン30の循環方向(搬送方向F)に沿って並ぶように複数個設けられている。
【0017】
図6に示すように、増ダイ搬送トレイ29は、チェーンコンベヤ装置28による搬送方向F前端部の左右側(=増ダイ収容室23の前後側)にそれぞれ連結部36,36を備え、増ダイ搬送トレイ29が搬送方向Fに沿って移動可能なように、増ダイ搬送トレイ29の連結部36とチェーン30の側面とが連結軸37で連結されている。つまり、増ダイ搬送トレイ29は、搬送方向F前側の左右側が連結軸37及び連結部36を介して左右のチェーン30,30に連結されて、搬送方向F後側に増ダイ収容部38を備える。
即ち、増ダイ搬送トレイ29は、コンベヤとしてのチェーンコンベヤ装置28の搬送方向F前側がチェーンコンベヤ装置28の左右のチェーン30,30に連結されてチェーンコンベヤ装置28の搬送方向F後側に増ダイ収容部38を備え、増ダイ搬送トレイ29を、チェーンコンベヤ装置28の上側反転位置においてチェーンコンベヤ装置28に連結されているチェーンコンベヤ装置28の搬送方向F前側を回転中心として回転させることにより、増ダイ収容部38に収容された増ダイを増ダイ落下口24から後述する落下通路26に落下させるように構成されている。
つまり、増ダイ搬送トレイ29は、チェーンコンベヤ装置28の搬送方向Fに沿った方向の前端(先端)と後端との間の中間位置よりも前側の位置の左右側が連結軸37及び連結部36を介して左右のチェーン30,30に連結されている。尚、増ダイ搬送トレイ29の前端(先端)側が左右のチェーン30,30に連結されていることが好ましい。
増ダイ収容部38の形状は、円棒状の増ダイ11を1つずつ収容可能なように増ダイ収容室23の前後方向(チェーンコンベヤ装置28の搬送方向Fに対して左右方向)に長い断面凹状に形成されている。
そして、増ダイ収容室23に収容された増ダイ11は、チェーンコンベヤ装置28の駆動によって循環する各増ダイ搬送トレイ29,29…の増ダイ収容部38内に1つずつ入り込んで、斜め上方に搬送される。そして、増ダイ落下口24に対応した位置に設定された左右のチェーン30,30の上側反転位置において、左右のチェーン30,30に取付けられた増ダイ搬送トレイ29が反転することにより、当該増ダイ搬送トレイ29の増ダイ収容部38内の増ダイ11が落下通路26に落下する。
尚、図4に示すように、増ダイ収容室23の底壁23h,23iのうちの他方の底壁23hの内側には、左右のチェーン30,30の下側反転位置より上方に移動しようとする増ダイ搬送トレイ29の増ダイ収容部38に増ダイ11を導くためのガイド板23Gが設けられている。
【0018】
搬送方向Fに対して左右側に配置された左右のチェーン30,30に取付けられた増ダイ搬送トレイ29が左右のチェーン30,30の上側反転位置において反転する際、増ダイ収容部38に収容されている増ダイ11が増ダイ落下口24に落下する直前の増ダイ検出位置において後述する増ダイ落下直前検出センサ56により検出される。即ち、当該増ダイ検出位置では、増ダイ落下直前検出センサ56を構成する発光部56aからの検出光56Xが増ダイ11の端面に遮られて受光部56bに到達せずに増ダイ11が検出される状態となる。
つまり、増ダイ検出位置にて、増ダイ収容部38に収容されて搬送されてきた増ダイ11を落下通路26に自然落下させる直前に確実に増ダイ落下直前検出センサ56で検出できるように構成されている。
【0019】
そして、図5に示すように、増ダイ搬送トレイ29が左右のチェーン30,30の上側反転位置において駆動軸32の回転中心を回転中心として回転する際、回転中心から離れた増ダイ収容部38に収容されている増ダイ11に遠心力が加わり易くなり、当該遠心力によって、増ダイ収容部38に収容された増ダイ11が放出されるため、増ダイ11が確実に落下通路26に自然落下することになる。
即ち、増ダイ搬送トレイ29は、搬送方向F前側の左右側が連結軸37及び連結部36を介して左右のチェーン30,30に連結されて、搬送方向F後側に増ダイ収容部38を備え、チェーンコンベヤ装置28の左右のチェーン30,30の上側反転位置において左右のチェーン30,30に連結されている搬送方向F前側である駆動軸32の回転中心を回転中心として回転する際、回転中心から離れた増ダイ収容部38に収容されている増ダイ11に遠心力が加わり易くなるように構成されているため、増ダイ収容部38に収容された増ダイ11は、増ダイ検出位置にて増ダイ落下直前検出センサ56で検出された後、確実に増ダイ収容部38から放出されて、落下通路26に確実に自然落下するようになり、チェーンコンベヤ装置28から後述する共通傾斜路51に増ダイ11を確実に供給できるようになる。
尚、チェーンコンベヤ装置28の代わりにベルトコンベヤ装置を用いても良い。
【0020】
図7に示すように、増ダイシュート22の落下通路26は、増ダイ落下口24から落下する増ダイ11を装填機7に導くために増ダイ落下口24から装填機7まで延長する落下通路であり、増ダイ落下口24から垂直方向に延長する垂直路50と、垂直路50の下端より下方に傾斜して装填機7まで延長する共通傾斜路51とを備える。尚、上述した増ダイ搬送装置25と落下通路26とによって、爆薬供給装置2の増ダイ供給路が構成される。
垂直路50は、円棒状の増ダイ11の中心軸11Cが水平又はほぼ水平を維持した状態で落下可能な前後幅を有した垂直落下通路であり、図4に示すように、左右幅(側壁52dと側壁52eの間隔A1)が幅広の上部幅広垂直路52と、左右幅(側壁52hと側壁52iの間隔B1)が上部幅広垂直路52よりも幅狭の下部幅狭垂直路53とを備える。
図4に示すように、上部幅広垂直路52は、増ダイ収容室23の後壁23aより延長する後壁52aと、増ダイ収容室23の前壁23bより延長する前壁52b(図2参照)と、増ダイ収容室23の上壁23cより延長する上壁52cと、増ダイ落下口24より下方に延長する一方の側壁52dと、当該一方の側壁52dと対向する他方の側壁52eと、前壁52bに形成された前壁52bの周辺に沿った形状の開口を開閉するための開閉蓋52f(図2参照)とで囲まれた通路である。尚、上壁52cは上方に開放可能な扉状に形成されており、当該上壁52cを開くことで、チェーンコンベヤ装置28の上部反転側の状況、及び、垂直路50、共通傾斜路51内の状況を確認できるようになっている。
上部幅広垂直路52は、前後の壁52b,52a間の間隔が増ダイ11の中心軸11Cに沿った長さ寸法よりも長い寸法に形成されるとともに、左右の壁52d,52e間の間隔A1が増ダイ11の径寸法よりも長い寸法に形成される。
下部幅狭垂直路53は、上部幅広垂直路52の前壁52bより下方に延長する前壁53b(図2参照)と、上部幅広垂直路52の一方の側壁52dより下方に延長する一方の側壁53dと、上部幅広垂直路52の他方の側壁52eより下方に延長する他方の側壁53eと、共通傾斜路51とで囲まれた通路である。
下部幅狭垂直路53は、前後の内面間の間隔が増ダイ11の軸に沿った長さ寸法よりも長い寸法に形成されるとともに、左右の壁53d,53e間の間隔B1が間隔A1よりも短くかつ増ダイ11の径寸法よりも若干長い寸法に形成される。
即ち、上部幅広垂直路52の左右の壁52d,52eの下部側は、左右の壁52d,52e間の間隔が間隔A1から間隔B1まで徐々に縮まる傾斜壁52h,52iに形成されている。
【0021】
垂直路50は、中心軸11Cが水平な状態又はほぼ水平な状態で自由落下する増ダイ11の後端部(一端部)11aに衝突して増ダイ11の中心軸11Cを傾斜した姿勢にして落下させる増ダイ一端衝突部54を備える。
図4に示すように、増ダイ一端衝突部54は、例えば、金属製等の丸棒がV字状に形成されるとともに、V字の一端に取付部55が形成された構成であり、V字の下端側が上部幅広垂直路52の後壁52aの下端と下部幅狭垂直路53の後壁53aの上端との境界部分に位置するように、取付部55が上部幅広垂直路52の左右の壁52d,52eの内面のうちの一方に取り付けられている。
即ち、増ダイ一端衝突部54が、上部幅広垂直路52と下部幅狭垂直路53との境界部分における増ダイの一端(後端)に対応する側の内壁である後壁52aに近接して設けられている。
そして、上部幅広垂直路52を落下した増ダイ11の後端部11aが増ダイ一端衝突部54のV字の下端の内側に衝突することで、増ダイ11の中心軸11Cが傾斜した状態となり、増ダイ11は、当該傾斜状態で下部幅狭垂直路53を落下して共通傾斜路51に到達し、共通傾斜路51及び装填機7を流下して装填ホース8に到達する。
【0022】
図7に示すように、共通傾斜路51は、下部幅狭垂直路53の下端傾斜路を形成するとともに、後述するアンコシュート82の下部傾斜路133の下端排出口83と繋がる上流傾斜路51Aと、上流傾斜路51Aの下端と連続するように設けられた下流傾斜路51Bとを備える。
尚、共通傾斜路51と当該共通傾斜路51の上端側に接続される後述のアンコシュート82における導入路131の下部傾斜路133と当該共通傾斜路51の下流側に接続される装填機7の傾斜路とで構成される連続傾斜路の垂直線に対する傾斜角度α(図7参照)は、例えば、30°〜35°程度になるように形成されている。
下流傾斜路51Bは、上流傾斜路51Aを流下してくる増ダイ11の流入口51aと、装填機7への増ダイ11の排出口51bとを備え、前壁には覗き孔51H(図2参照)が形成されている。
下流傾斜路51Bは、流入口51aの上端51cと排出口51bの上端51dとを繋ぐ内部上側稜線51eの傾斜角度が、共通傾斜路51の内部下側稜線51fの傾斜角度よりも急な傾斜角度に形成されている。
即ち、下流傾斜路51Bの流入口51aの口径寸法が、増ダイ11の直径寸法よりも大きい排出口51bの口径寸法よりも更に大きい寸法に形成されているので、上流傾斜路51Aに落下した増ダイ11の前端側が下部幅狭垂直路53の前壁53bに衝突し難くなり、増ダイ11が上流傾斜路51Aの下内面に衝突した反動で上下方向に挙動したとしても、増ダイ11の前端側が流入口51aに入り易くなり、増ダイ11が装填ホース8にスムーズに供給されるようになる。
また、覗き孔51Hを介して下流傾斜路51Bの内側を覗くことで、増ダイ11やアンコ12の通過を視認でき、仮に、増ダイ11やアンコ12の前端が排出口51bの手前で排出口51bの上端51d等に引っ掛かって増ダイ11やアンコ12が詰まってしまったような事態を確認できるようになる。また、この場合、当該上壁52cを開くことで、当該増ダイ11やアンコ12の詰まり状況を確認し、当該増ダイ11やアンコ12の詰まりを除去できる。
【0023】
実施形態では、上部幅広垂直路52を落下する増ダイ11の後端部11aが増ダイ一端衝突部54に衝突して、増ダイ11が傾斜した状態で前端部11b側から下部幅狭垂直路53に侵入するため、下部幅狭垂直路53に入った後の増ダイ11が左右の振れが抑制されるとともに、増ダイ11の前端部11bが先に上流傾斜路51Aに衝突した後に増ダイ11の後端部11a側が上流傾斜路51Aに衝突するので、増ダイ11の前端部11b側が上流傾斜路51A上に早く安定した姿勢になり、増ダイ11の前端部11b側が下流傾斜路51Bの流入口51aに入り込みやすくなるので、増ダイ11を確実に共通傾斜路51に送り込めるようになるとともに、落下通路26内での増ダイ11の詰まり発生を抑制でき、増ダイ11を装填ホース8にスムーズに供給できるようになる。
さらに、下流傾斜路51Bの流入口51aの口径寸法が、増ダイ11の直径寸法よりも大きい排出口51bの口径寸法よりも更に大きい寸法に形成されているので、上流傾斜路51Aに落下した増ダイ11の前端が下部幅狭垂直路53の前壁53bに衝突し難くなり、増ダイ11が上流傾斜路51Aの下面に衝突した反動で上下方向に挙動したとしても、増ダイ11の前端部11b側が流入口51aに入り易くなり、増ダイ11が装填ホース8にスムーズに供給されるようになる。
【0024】
仮に、図8に示すように、増ダイシュート22が増ダイ一端衝突部54を備えず、また、下流傾斜路51Bの流入口51axの口径寸法と排出口51bxの口径寸法とが同じ寸法に形成された構成の場合、増ダイ11の後端部11aが先に上流傾斜路51Aに衝突した後、増ダイ11の前端部11bが上流傾斜路51Aに衝突して、矢印Yで示すように前端部11b側が跳ね上がるような挙動を起こして、増ダイ11の前端が下流傾斜路51Bの流入口51axの上側の壁53bxに引っ掛かるとともに、増ダイ11の後端部11aが上流傾斜路51Aの路面に引っ掛かることにより、増ダイ11が下流傾斜路51B内に移動せず、装填ホース8にスムーズに供給されなくなる可能性が高くなる。
【0025】
また、実施形態では、特許文献1に開示された反転受皿のような機構を介在させることなく、増ダイ11を落下通路26へ自然落下させるようにしているので、反転受皿のような機構を介在させる場合と比べて、増ダイ11の供給速度を速くすることが可能となり、また、増ダイ11を確実に共通傾斜路51に送り込めるようになる。
一方、特許文献1では、エアシリンダで回動する反転受皿を水平にして増ダイを受けた後、反転受皿を傾斜させて増ダイをシュート(共通傾斜路)に供給するようにしている。即ち、増ダイを自然落下させてシュートに供給しているわけではなく、反転受皿を介して供給しているため、増ダイの供給速度が反転受皿の駆動速度により制限されてしまう。
また、特許文献1では、増ダイを受皿の上に載せた状態で傾斜させるので、傾斜させた場合に、受皿上の増ダイが暴れてシュートにうまく送り込めない可能性がある。
【0026】
また、実施形態では、落下通路26の垂直路50が、上部幅広垂直路52と下部幅狭垂直路53とを備え、上部幅広垂直路52の左右の壁52d,52eの下部側が、間隔Aから間隔Bまで徐々に縮まる傾斜壁52h,52iに形成されており、増ダイ11が上部幅広垂直路52の下端側の傾斜壁52h,52iに衝突したとしても増ダイ11が下部幅狭垂直路53に入り込みやすくなるので、増ダイ11を装填ホース8にスムーズに供給できるようになる。
即ち、垂直路50は、左右幅が幅広の上部幅広垂直路52と左右幅が上部幅広垂直路52よりも幅狭の下部幅狭垂直路53とを備え、かつ、増ダイ一端衝突部54が、上部幅広垂直路52と下部幅狭垂直路53との境界部分における増ダイ11の後端部(一端部)11aに対応する側の後壁(内壁)52aに設けられたので、増ダイ落下口24から上部幅広垂直路52を落下する増ダイ11の後端部11aが増ダイ一端衝突部54に衝突して増ダイ11が傾斜した状態になって下部幅狭垂直路53に侵入するため、下部幅狭垂直路53に入った後の増ダイ11の左右の振れが抑制され、増ダイ11を装填ホース8に安定に供給できるようになる。
【0027】
図7に示すように、センサー群27は、垂直路50に設けられて落下直前の増ダイ11を検出する増ダイ落下直前検出センサ56と、垂直路50に設けられて増ダイ11が落下したか否かを検出する増ダイ落下検出センサ57とで構成される。
増ダイ落下直前検出センサ56は、例えば、同一水平面上に位置された発光部56aと受光部56bとを備えた光センサであり、例えば、発光部56aが上部幅広垂直路52の後壁52aの上端側に設けられ、かつ、受光部56bが開閉蓋52fの上端側に設けられて、増ダイ11が増ダイ落下直前位置に到達したか否かを検出する。
増ダイ落下検出センサ57は、例えば、共通傾斜路51の上方において共通傾斜路51と同方向に傾斜する同一傾斜線上の上側に位置された発光部57aと当該同一傾斜線上の下側に位置された受光部57bとを備えた光センサであり、例えば、発光部57aが上部幅広垂直路52の後壁52aの下端側に設けられ、かつ、受光部57bが下部幅狭垂直路53の前壁53bに設けられて、増ダイ11が落下したか否かを検出する。尚、増ダイ落下検出センサ57は、例えば、共通傾斜路51の上方において共通傾斜路51と反対方向に傾斜する傾斜線上に配置された発光部57aと受光部57bとで構成してもよい。
即ち、増ダイ落下検出センサ57は、落下直前の増ダイ11の一端(後端部11a)側に位置する垂直路50の一端側壁(後壁52a)及び落下直前の増ダイ11の他端(前端部11b)側に位置する垂直路50の他端側壁(前壁52b)のうちの一方に設けられた発光部57aと他方に設けられた受光部57bとで構成されて、発光部57aと受光部57bとが上下方向に位置ずれされて配置され、発光部57aと受光部57bとの間で送受される上下に傾斜する検出光57sに基づいて垂直路50を落下する増ダイ11を検出するように構成されている。
【0028】
実施形態によれば、落下直前の増ダイ11を検出するための増ダイ落下直前検出センサ56を備えているので、増ダイ11が増ダイ落下直前位置まで到達しているか否か、すなわち、増ダイ11が増ダイ収容室23に無いか否か、又は、増ダイ搬送装置25に何らかの不具合が生じたこと等を検出できる。
尚、中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を、同一水平面上に位置された発光部と受光部とを備えた光センサで検出する構成とした場合、上部幅広垂直路52内を中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を検出できる検出範囲が増ダイ11のほぼ軸径寸法の範囲となり、増ダイ11を検出できる検出範囲が小さくなるため、検出漏れを生じる可能性がある。
一方、実施形態では、上下方向に傾斜する傾斜線上に増ダイ落下検出センサ57を備えるため、当該傾斜線上に配置された発光部57aと受光部57bとの間で送受される傾斜検出光57s(図7参照)により、上部幅広垂直路52内を中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を検出できる検出範囲が大きくなり、中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を確実に検出できるようになる。
そして、増ダイ落下検出センサ57により増ダイ11が検出された後所定時間内に後述の増ダイ通過検出センサ143で増ダイ11が検出されない場合は、制御装置5は、増ダイ落下検出センサ57の設置位置から増ダイ通過検出センサ143の設置位置までの通路内に増ダイ11が詰まっていることを認識できるようになる。
【0029】
図9図13に示すように、共通傾斜路51には、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成するための空気流生成手段60が設けられている。
空気流生成手段60は、共通傾斜路51における上流傾斜路51Aの上端側に設けられた空気供給ヘッド61と、共通傾斜路51における下流傾斜路51Bの上端側に設けられた空気供給ヘッド62と、各空気供給ヘッド61,62に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置63とを備える。
即ち、空気流生成手段60は、上流傾斜路51Aの上端側及び下流傾斜路51Bの上端側の外部から当該上流傾斜路51A及び下流傾斜路51Bの内部に空気を供給して、装填機7側に向けた空気流を供給するように構成されている。
空気供給ヘッド61,62は、先細の噴射口が共通傾斜路51内に連通するように設置されている。
図9に示すように、空気供給ヘッド61,62は、噴射口が共通傾斜路51の壁を貫通するように、共通傾斜路51の中心軸を中心とした壁の左右側にそれぞれ設けられている。
つまり、空気流生成手段60は、共通傾斜路51の中心軸を対象軸として左右対称に設けられている。
即ち、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成するための空気流生成手段60は、上流傾斜路51Aの上端側の左壁面及び右壁面をそれぞれ貫通し、上流傾斜路51Aの上端側から装填機7側に向けた空気流を生成するための左右の空気供給ヘッド61,61と、下流傾斜路51Bの上端側の左壁面及び右壁面をそれぞれ貫通し、下流傾斜路51Bの上端側から装填機7側に向けた空気流を生成するための左右の空気供給ヘッド62,62と、各空気供給ヘッド61,62に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置63とを備える。
そして、制御装置5が圧縮空気供給装置63を制御して、圧縮空気供給装置63から空気供給ヘッド61,62を介して共通傾斜路51内に空気が供給されることにより、共通傾斜路51内には、装填機7方向に向かう空気流が生成される。
尚、このように、空気流生成手段60を構成する空気供給ヘッドは、上流傾斜路51Aの上端側及び下流傾斜路51Bの上端側において、共通傾斜路51の中心軸を対象軸として左右対称に設けられていることが好ましいが、共通傾斜路51に少なくとも1つ以上設けられていればよい。
【0030】
実施形態によれば、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成する空気流生成手段60を備えたので、垂直路50から共通傾斜路51に落下した増ダイ11をスムーズに装填ホース8に供給できるようになる。
特に、増ダイ11が共通傾斜路51に落下する前に、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成しておくことで、垂直路50から共通傾斜路51に落下した増ダイ11をよりスムーズに装填ホース8に供給できるようになる。
即ち、共通傾斜路51内に増ダイ流下方向への空気流を発生させることにより、共通傾斜路51に落下した増ダイ11と共通傾斜路51の内壁との摩擦を軽減させることができ、増ダイ11が共通傾斜路51内で動かなくなって詰まってしまう事態を解消できるようになる。
また、空気流生成手段60は、垂直路50の下端と繋がる上流傾斜路51Aの上端側、及び、下流傾斜路51Bの上端側の上下2か所の左右から空気を供給するので、上流傾斜路51A及び下流傾斜路51Bの左右から当該上流傾斜路51A及び下流傾斜路51Bの内部に均等に空気を供給できるようになり、増ダイ11が共通傾斜路51内で動かなくなって詰まってしまうような事態を確実に抑制できるようになるので、垂直路50から落下した増ダイ11をよりスムーズに装填ホース8に供給できるようになる。
【0031】
込め物供給装置3は、アンコ12を装填ホース8に供給する装置である。
図10に示すように、込め物供給装置3は、パーツフィーダ70と、パーツフィーダ70の上方に設けられたアンコ置場71からアンコ12をパーツフィーダ70に供給するベルトコンベヤ72と、パーツフィーダ70と上流側搬送コンベヤ74とを繋ぐ通路73と、パーツフィーダ70及び通路73を経由してきたアンコ12を受けて下流側に搬送する上流側搬送コンベヤ74と、上流側搬送コンベヤ74により搬送されてくるアンコ12を矯正する矯正装置75と、矯正装置75を経由して矯正されたアンコ12をアンコ落下部77まで搬送する下流側搬送コンベヤ76と、下流側搬送コンベヤ76により搬送されてアンコ落下部77を介して落下するアンコ12を受け取るアンコストッカー80と、アンコストッカー80の下端排出口81から落下するアンコ12を圧送装置4に供給するアンコシュート82とを備える。
即ち、込め物供給装置3は、アンコ12が置かれるアンコ置場71と、アンコ置場71からベルトコンベヤ72により送られてきたアンコ12を整列させて搬送するパーツフィーダ70と、パーツフィーダ70から通路73を介して搬送されてきたアンコ12を矯正装置75に搬送する上流側搬送コンベヤ74と、上流側搬送コンベヤ74により搬送されてきたアンコ12の形を矯正する矯正装置75と、矯正装置75により矯正されたアンコをアンコ落下部77まで搬送する下流側搬送コンベヤ76とを備えて構成された、一系統のアンコ搬送装置と、アンコ落下部77から落下するアンコ12をそれぞれ複数個貯留する複数のアンコストッカー80,80と、アンコストッカー80,80の下端排出口81,81から落下するアンコ12をそれぞれ装填ホース8,8まで導く複数の落下路とを備える。当該落下路は、図13に示すように、アンコシュート82と、当該アンコシュート82の下流側である共通傾斜路51の下端の排出口51bと連結される装填機7とで構成される。
【0032】
図10に示すように、アンコ置場71は、アンコ12が載置されるベルトコンベヤ72と、ベルトコンベヤ72の両側に設けられた側壁71a,71aと、ベルトコンベヤ72の後側に設けられた後壁71bとを備え、ベルトコンベヤ72が駆動することで、ベルトコンベヤ72上に載置されたアンコ12がベルトコンベヤ72の搬送方向に移動してパーツフィーダ70の内底面70bに落下するように構成されている。
【0033】
パーツフィーダ70は、図外の振動機構と、振動機構により振動するボウル70aとを備え、振動機構の駆動及び停止が制御装置5によって制御される。ボウル70aは、底部と底部の周縁より立ち上がるように設けられた周壁部70cとを備える。底部の内底面70bは円錐面形状に形成される。周壁部70cの内周面には、内底面70bから上方に向けて螺旋状に延長する螺旋形供給路70dが形成されている。
振動機構を駆動させてボウル70aを振動させるとともに、ベルトコンベヤ72を駆動して、ベルトコンベヤ72上に積み上げられて載置されたアンコ12を当該パーツフィーダ70の円錐面形状の内底面70bの中央側に落下させると、当該アンコ12は、内底面70bの周囲に移動した後、螺旋形供給路70dを経由して上方に移動し、通路73を経由して上流側搬送コンベヤ74上に移動する。
【0034】
尚、上流側搬送コンベヤ74の終端側に、上流側搬送コンベヤ74で搬送されてくる搬送方向F1に沿って隣り合うアンコ12とアンコ12との間の間隔の有無を判定するための間隔検出センサ85を備えている。
当該間隔検出センサ85は、例えば、搬送方向F1に対して斜めに配置された発光部86と受光部87とで構成される。ここでは、発光部86からの光が、隣り合うアンコ12とアンコ12との間の間隔を通過して受光部87で検出された場合に、パーツフィーダ70を駆動させ続け、発光部86からの光が、例えば2秒の間アンコ12に遮られて受光部87で検出されなかった場合、パーツフィーダ70の駆動を停止し、その後、発光部86からの光が受光部87で検出されてから、0.2秒後に、パーツフィーダ70を駆動するようにしている。このように、搬送方向F1に対して斜めに配置された発光部86と受光部87とで構成された間隔検出センサ85を用いて、アンコ12の搬送状態を検出し、当該アンコ12の搬送状態に基づいてパーツフィーダ70の駆動及び停止を制御することによって、例えば、パーツフィーダ70から上流側搬送コンベヤ74にアンコ12が過剰に送り込まれて、上流側搬送コンベヤ74上で隣り合うアンコ12とアンコ12とが衝突し、アンコ12が上流側搬送コンベヤ74上から溢れ出るようなことを防止できるようになる。
尚、当該間隔検出センサは、例えば、搬送方向F1に対して直交するように配置された発光部と受光部とで構成された場合、隣り合うアンコ12とアンコ12との間の間隔が、微小な間隔であったとしても、発光部からの光を受光部が検出して、パーツフィーダ70が駆動し続けることになるので、パーツフィーダ70から上流側搬送コンベヤ74にアンコ12が過剰に送り込まれて、上流側搬送コンベヤ74上で隣り合うアンコ12とアンコ12とが衝突しやすくなり、好ましくない。一方、実施形態のように、搬送方向F1に対して斜めに配置された発光部86と受光部87とで構成された間隔検出センサ85を用いれば、隣り合うアンコ12とアンコ12との間の間隔が、微小な間隔である場合は、発光部86からの光がアンコ12に遮られて受光部87で検出されず、パーツフィーダ70の駆動を停止することになるので、パーツフィーダ70から上流側搬送コンベヤ74にアンコ12が過剰に送り込まれることが抑制されて、アンコ12が上流側搬送コンベヤ74上から溢れ出るようなことを防止できるようになる。
また、制御装置5は、アンコストッカー80における空の状態の後述する筒状収容部115がアンコ落下部77の真下に位置し、かつ、アンコストッカー80の後述する底受部116が筒状収容部115内の所定位置に到達したことを認識した後、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を、同時に駆動するとともに、筒状収容部115内に所定数のアンコ12が収容されたことを認識した後、次のアンコ12が下流側搬送コンベヤ76からアンコストッカー80の筒状収容部115内に落下する前に、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を同時に停止させる。
即ち、パーツフィーダ70、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76の駆動中に、上述した間隔検出センサ85を用いて、アンコ12の搬送状態を検出し、当該アンコ12の搬送状態に基づいてパーツフィーダ70の駆動及び停止を制御することによって、パーツフィーダ70から上流側搬送コンベヤ74にアンコ12が過剰に送り込まれることを抑制し、アンコ12が上流側搬送コンベヤ74上から溢れ出ることを防止している。
【0035】
矯正装置75は、図11に示すように、外周面91が断面湾曲凹部状に形成された4つのローラ90,90…が十字状に配置されて構成され、4つのローラ90,90…の湾曲凹部状の外周面91,91で囲まれた円筒状空間92をアンコ12が通過する際に、アンコ12の円棒の外周面が、4つのローラ90,90…の湾曲凹部状の外周面91,91…に接触して矯正されるように構成されている。つまり、アンコ置場71から矯正装置75までの搬送中に変形したアンコ12を所定の丸棒状に矯正する装置である。
【0036】
即ち、ベルトコンベヤ72からパーツフィーダ70の内底面70bに落下したアンコ12は、螺旋形供給路70dを経由して上流側搬送コンベヤ74に移り、上流側搬送コンベヤ74により矯正装置75まで搬送されて所定の丸棒状に矯正された後、下流側搬送コンベヤ76で搬送されて、アンコ落下部77を介してアンコストッカー80に落下する。
【0037】
下流側搬送コンベヤ76の搬送方向終端側の位置の側壁には、下流側搬送コンベヤ76から後述するアンコストッカー80の筒状収容部115内にアンコ12が落下したか否かを検出するアンコ落下検出センサ95が設けられている。
アンコ落下検出センサ95は、例えば、下流側搬送コンベヤ76の搬送方向に対して直交する左右に設けられた一対の発光部96と受光部97とで構成される。尚、制御装置5は、発光部96からの光がアンコ12で遮られた後、発光部96からの光が受光部97に到達したことを入力した場合に、1つのアンコ12が下流側搬送コンベヤ76からアンコ落下部77を介してアンコストッカー80の筒状収容部115内に落下したと判定する。
アンコ落下検出センサ95によって、アンコ12が下流側搬送コンベヤ76から落下したか否か、すなわち、ベルトコンベヤ72から下流側搬送コンベヤ76までの経路に何らかの不具合が生じたか、あるいは、アンコ置場71にアンコ12が有るか無いか等を検出できる。
【0038】
アンコ落下部77は、下流側搬送コンベヤ76により搬送されてきた中心軸が水平状態のアンコ12の姿勢を傾斜状態にした後に垂直状態にして落下させる上下方向に延長する筒状路に形成される。
図2図3に示すように、アンコ落下部77は、下流側搬送コンベヤ76から落下してきたアンコ12を傾斜状態にして落下させるアンコ導入部98と、アンコ導入部98と連続してアンコ12を垂直状態にしてアンコストッカー80に落下させるアンコ導出部99とを備える。
アンコ導入部98は、下流側搬送コンベヤ76の搬送終端位置から搬送方向F1側に向けて下方に傾斜して延長するガイド傾斜壁100と、このガイド傾斜壁100と対向して設けられた対向傾斜壁101と、これらガイド傾斜壁100の側縁と対向傾斜壁101の側縁とを繋ぐ両方の側壁102,102(図10参照)とを備える。尚、当該両方の側壁102,102には、それぞれ互いに対向する覗き孔103,103が形成されており、この覗き孔103,103を介して下流側搬送コンベヤ76からアンコ落下部77に落下するアンコ12を目視確認できるように構成されている。
対向傾斜壁101は、ガイド傾斜壁100の下縁と平行に位置する下縁からガイド傾斜壁100の傾斜方向とは反対方向に上がるように傾斜するように形成された傾斜壁である。即ち、ガイド傾斜壁100と対向傾斜壁101とが、上縁から下縁に近付くに従って互いに接近するように形成されている。
アンコ導出部99は、アンコ導入部98で斜め状態に姿勢変化したアンコ12を垂直状態にして落下させるために、アンコ導入部98の下縁より下方に延長する筒状路に形成される。
アンコ12がアンコ導入部98に落下した場合、アンコ12とガイド傾斜壁100との摩擦、あるいは、アンコ12と対向傾斜壁101との摩擦によって、アンコ12は、落下スピードが軽減された後に、垂直状態となってアンコ導出部99からアンコストッカー80の底受部116上に落下するので、アンコ12がアンコストッカー80の底受部116に衝突する際のアンコ12に加わる衝撃力を軽減でき、アンコ12の変形を抑制できる。
【0039】
図12に示すように、アンコ落下部77から落下する複数のアンコ12を貯留する貯留装置としてのアンコストッカー80は、垂直方向に延長して垂直方向に貫通する円筒部又は角筒部等を備えた筒状収容部115と、筒状収容部115の最下位置に収容されたアンコ12の下端を受ける底受部116と、筒状収容部115を水平方向に移動させる筒状収容部移動機構(X軸移動機構)117と、底受部116を垂直方向及び水平方向に移動させる底受部移動機構(XY軸移動機構)118と、筒状収容部115の上部側に設けられて筒状収容部115内の一番上方に位置するアンコ12を検出する上部アンコ検出センサ119と、筒状収容部115の下部側に設けられて筒状収容部115内の一番下方に位置するアンコ12を検出する下部アンコ検出センサ120とを備える。
【0040】
垂直方向に延長するように設けられた筒状収容部115は、上下端が開口した円筒の円筒壁の一部に上端開口(上端導入口)79と下端開口(下端排出口)81とに跨って連続して開口する細長い貫通溝121が形成されている。筒状収容部115の上端導入口79側は、管路が逆円錐形(漏斗状)に形成されている。
筒状収容部移動機構117は、水平方向に延長する水平部材122A,123Aに設けられた水平ガイドレール122,123と、垂直方向に延長するように設けられて水平ガイドレール122,123に沿って水平方向に移動する水平移動スライダ124と、水平移動スライダ124を水平方向に移動させる駆動機構125とを備え、水平移動スライダ124と筒状収容部115とが連結部114で連結された構成である。
尚、筒状収容部115は、上下方向に傾斜して延長するように設けられた構成であっても良い。
【0041】
底受部116は、例えば筒状収容部115の円筒の中心線と中心が一致するように筒状収容部115の円筒内を垂直方向に移動可能に構成された円板等により構成される。
底受板移動機構118は、水平移動スライダ124に設けられて垂直方向に延長する垂直ガイドレール126と、垂直ガイドレール126に沿って垂直方向に移動する垂直移動スライダ127と、垂直移動スライダ127と底受部116とを連結する連結手段128と、駆動機構129とを備えている。
【0042】
連結手段128は、駆動機構129により水平方向に伸縮可能に構成された伸縮軸128Aと、伸縮軸128Aの先端と底受部116を形成する例えば円板とを連結するとともに、貫通溝121内に出入り可能に構成された連結部128Bとを備える。
【0043】
駆動機構129は、例えば図外のモータ等の駆動源を利用した駆動方式の駆動機構により、垂直移動スライダ127を垂直方向に移動させることが可能で、かつ、例えば図外の空気圧や油圧などの流体圧を利用した駆動方式の駆動機構により、伸縮軸128Aを水平方向に伸縮させることが可能に構成されている。
従って、駆動機構129は、垂直移動スライダ127を垂直方向に移動させて底受部116を上下動させることで底受部116がアンコ12を受けることができる状態に設定するとともに、底受部116を下端排出口81よりも下方に位置させた状態で伸縮軸128Aを縮退させることによって、下端排出口81からアンコシュート82にアンコ12を落下させることが可能な状態に設定する。
すなわち、制御装置5により制御される駆動機構129は、底受部116と連結された垂直移動スライダ127を垂直方向に移動させて底受部116を垂直方向に移動させるとともに、伸縮軸128Aを水平方向に伸縮させることによって、底受部116を筒状収容部115内又は筒状収容部115の下端排出口81の真下に位置させてアンコ12が下端排出口81から落下しないように底受部116を設定するとともに、底受部116を筒状収容部115の下端排出口81の真下から外れた位置に位置させてアンコ12が下端排出口81から落下可能な状態となるように底受部116を設定する。
即ち、底受部116は、筒状収容部115の下端排出口81の真下に位置されて筒状収容部115内の一番下に位置するアンコ12を受ける状態と、筒状収容部115の下端排出口81の真下から外れた位置に設定されて、筒状収容部115の下端排出口81からアンコを落下路(アンコシュート82+装填機7)に落下させる状態とに移動可能に構成されるとともに、筒状収容部115内を垂直方向に移動可能に構成されている。
尚、筒状収容部115が上下方向に傾斜して延長するように設けられた構成の場合、底受部116は、下端排出口81の下方において筒状収容部115の中心軸上に位置されてアンコ12を受ける状態に設定されることになる。
【0044】
また、制御装置5により制御される例えば図外のモータ等の駆動源を利用した駆動方式の駆動機構125は、水平移動スライダ124を水平方向に移動させることによって、水平移動スライダ124と連結部114で連結された筒状収容部115、及び、水平移動スライダ124と垂直移動スライダ127、連結手段128を介して連結された底受部116を、一緒に水平方向に移動させることが可能に構成されている。
【0045】
上部アンコ検出センサ119は、例えば、図13に示すように、筒状収容部115の上端側において筒状収容部115の円筒の中心軸を通過する水平線上に位置するように設けられた相対向する筒壁に設置された発光部119a及び受光部119bにより構成されて、アンコストッカー80の筒状収容部115の上部側位置において筒状収容部115内の一番上方に位置するアンコ12を検出するセンサである。
下部アンコ検出センサ120は、例えば、図13に示すように、筒状収容部115の下端側において筒状収容部115の円筒の中心軸を通過する水平線上に位置するように設けられた相対向する筒壁に設置された発光部120a及び受光部120bにより構成されて、アンコストッカー80の筒状収容部115の上部側位置において筒状収容部115内の一番下方に位置するアンコ12を検出することによって、筒状収容部115内に規定数のアンコ12が収容されたことを検出するセンサである。
上述したアンコ落下検出センサ95と、上部アンコ検出センサ119と、下部アンコ検出センサ120と、これら各センサからの信号を入力する制御装置5内のアンコ監視手段160とによって、アンコ監視装置が構成される。尚、アンコ監視手段160は、例えば、各センサからの信号を入力した際の処理手順を示すソフトウェア及び当該ソフトウェアを実行するハードウェアにより構成される。
当該アンコ監視装置は、これら各センサからの信号を入力して、アンコ12の供給系の不具合等の情報や、圧送装置4に供給された実際のアンコ12の数の情報等を、指示装置6を介して作業者等に報知する。
【0046】
図13に示すように、アンコシュート82は、アンコストッカー80の下端排出口81の下方に延長するように設けられた管状のアンコ落下路であり、上端に導入口130を備えて下方に延長する導入路131と、導入路131の下端と連通して装填機7まで延長する上述した共通傾斜路51とにより構成される。
【0047】
導入路131は、上部垂直路132と下部傾斜路133とで構成される。
上部垂直路132の導入口130側は、管路が逆円錐形(漏斗状)に形成されている。
下部傾斜路133は、上部垂直路132を通過したアンコ12を共通傾斜路51に導く断面円形形状の傾斜路に形成されている。
尚、下部傾斜路133は、例えば、共通傾斜路51の上端から延長する部分の上端側開口と上部垂直路132から延長する下端側開口とが連結部材135によって連結されて構成されている。
【0048】
図13に示すように、共通傾斜路51の排出口51bとなる下端側開口と装填機7の導入口となる上端側開口とが連結部材136によって連結されたことによって、共通傾斜路51の下流側に装填機7が取り付けられる。
装填機7は、共通傾斜路51の排出口51bに連通するように接続された上流側傾斜管140と、下流側傾斜管141と、上流側傾斜管140の下端と下流側傾斜管141の上端との間に接続された圧送空気供給機構142と、増ダイ11が装填機7の管路内を通過したか否かを検出するために増ダイ通過検出センサ143と、装填ホース8内の圧力を検出する圧力検出装置144と、下流側傾斜管141及び装填ホース8内にミストを供給するための水噴射装置145とを備えて構成される。
【0049】
装填機7の下流側傾斜管141の下端排出口146と装填ホース8の一端とが連結され、装填ホース8の他端と装填パイプ9の一端とが連結され、装填パイプ9の他端(先端)側が装薬孔H内に挿入される。
【0050】
圧送空気供給機構142は、上流側傾斜管140と下流側傾斜管141とを連通させる接続管147と、当該接続管147の管路の中途に介挿されて当該管路を開閉する装填バルブ148と、装填バルブ148の弁体152の位置よりも下流側の位置から管路を閉じた状態の装填バルブ148の弁体152に向けて圧縮空気を吹き付ける圧縮空気吹付ノズル149と、圧縮空気吹付ノズル149に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置150と、圧縮空気供給装置150から圧縮空気吹付ノズル149に対する空気の供給及び供給停止を制御する制御装置5と、を備える。
【0051】
装填バルブ148は、圧縮空気や油圧又はモータ等の駆動源151により管路を開閉する弁体152を有したものである。
この装填バルブ148の弁体152が管路を閉鎖した状態において、弁体152よりも下流側の位置から当該弁体152に向けて圧縮空気吹付ノズル149からの圧縮空気を吹き付けることにより、弁体152に衝突した空気が装填ホース8側に向けた空気の流れとなり、装填ホース8に供給されている増ダイ11又はアンコ12が当該空気の流れによる圧力によって装薬孔Hまで圧送される。
【0052】
増ダイ通過検出センサ143は、装填機7の管路の中心軸と直交するを直線上に位置する相対向する管壁に設置された例えば発光部143a及び受光部143b(図2参照)により構成されて、装填バルブ148の弁体152よりも下流側の位置において増ダイ11の通過を検出するセンサである。
【0053】
増ダイ落下直前検出センサ56と、増ダイ落下検出センサ57と、装填機7に設けられた増ダイ通過検出センサ143と、これら各センサからの信号を入力する制御装置5内の増ダイ監視手段161とによって、増ダイ監視装置が構成される。尚、増ダイ監視手段161は、例えば、各センサからの信号を入力した際の処理手順を示すソフトウェア及び当該ソフトウェアを実行するハードウェアにより構成される。
当該増ダイ監視装置は、これら各センサからの信号を入力して、圧送装置4に供給された実際の増ダイ11の数や、増ダイ11の供給系の不具合等の情報を、指示装置6を介して作業者等に報知する。
【0054】
圧力検出装置144は、下流側傾斜管141と圧縮空気吹付ノズル149とが連通した位置よりも下流側に位置する下流側傾斜管141の管路内と連通する空気連通路155と、当該空気連通路155を介して取り込まれる空気の圧力を検出する圧力センサ156と、圧力センサ156からの出力に基づいて圧送空気供給機構142に詰まり解消処理を指示する制御装置5とを備えて構成される。
制御装置5は、圧力センサ156で検出される圧力が所定値以上になった場合に、装填ホース8内で詰まりが発生していると判断して、増ダイ11又はアンコ12の供給を停止した後に、圧送空気供給機構142に詰まり解消処理を指示する。これにより、圧送空気供給機構142は、装填バルブ148の弁体152で管路を閉鎖して、当該弁体152に向けて圧縮空気吹付ノズル149からの圧縮空気を所定時間だけ吹き付けて、弁体152に衝突した空気が装填ホース8側に向けて流れる空気の流れを所定時間発生させることによって、装填ホース8内に詰まっている増ダイ11又はアンコ12を当該空気の流れによる圧力によって圧送して装填パイプ9の先端開口から排出されるようにする。装填ホース8側に向けて流れる空気の流れを所定時間発生させた後、制御装置5が、圧力センサ156で検出される圧力が所定値を超えていないと判断すれば、制御装置5は、装填ホース8内の詰まりが解消されたと判断して、詰まり解消処理を終了させる。また、装填ホース8側に向けて流れる空気の流れを所定時間発生させた後、制御装置5が、圧力センサ156で検出される圧力が未だ所定値以上であると判断すれば、制御装置5は、再度、圧送空気供給機構142に詰まり解消処理を指示し、装填ホース8内の詰まりが解消されるまで、詰まり解消処理を指示する。
即ち、制御装置5は、空気連通路155を介して装填ホース8内と連通する圧力センサ156からの検出値に基づいて装填ホース8内に増ダイ11又はアンコ12の詰まりが発生したか否かを判定し、装填ホース8内に増ダイ11又はアンコ12の詰まりが発生していると判定した場合、装填ホース8内に圧縮空気を送って装填ホース8内の増ダイ11又はアンコ12を装填パイプ9の先端開口から排出させる詰まり解消処理を圧送空気供給機構142に指示するので、増ダイ11やアンコ12が装填ホース8内で詰まった状態を迅速に解消することができるようになる。
【0055】
水噴射装置145は、下流側傾斜管141と圧縮空気吹付ノズル149とが連通した位置よりも下流側に位置する下流側傾斜管141の管路内と連通するように設けられて下流側傾斜管141内に水を噴射する噴射ノズル157と、水供給源158と、水供給源158から噴射ノズル157に対する水の供給及び供給停止を制御する制御装置5とを備える。
従って、水供給源158から噴射ノズル157に供給されて下流側傾斜管141内に噴射された水が、装填ホース8側に向けて流れる空気の流れによって拡散してミストとなり、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面に液膜を生成することによって、増ダイ11又はアンコ12が液膜上を滑走し、増ダイ11又はアンコ12が装薬孔Hまでよりスムーズに圧送されるようになる。
【0056】
次に、増ダイ供給の流れについて説明する。
ホッパー21の増ダイ収容室23に収容された増ダイ11が増ダイ搬送装置25で増ダイ収容室23の下方から上方の増ダイ落下口24まで搬送され、増ダイ落下口24から落下通路26に落下する。この際、増ダイ11は、中心軸11Cが水平な状態で増ダイ搬送トレイ29により1つずつ増ダイ落下口24まで搬送されて、中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下し始め、その後、落下通路26の上部幅広垂直路52を落下した増ダイ11の後端部(一端部)11aが増ダイ一端衝突部54に衝突することで、増ダイ11は、中心軸11Cが傾斜した状態となって当該傾斜状態で下部幅狭垂直路53を落下して共通傾斜路51に到達し、共通傾斜路51及び装填機7を流下して装填ホース8に到達する。
つまり、垂直路50は、上部幅広垂直路52と下部幅狭垂直路53とが連続した構成とされ、増ダイ落下口24から自由落下する増ダイ11の後端部11aが上部幅広垂直路52と下部幅狭垂直路53との境界に設けられた増ダイ一端衝突部54に衝突することで、増ダイ11の姿勢が傾斜して共通傾斜路51に導かれるように構成されたので、増ダイ落下口24から上部幅広垂直路52、下部幅狭垂直路53、共通傾斜路51、装填機7を経由して増ダイ11が装填ホース8にスムーズに供給される。
【0057】
また、増ダイ11が落下する直前の位置において当該増ダイ11を増ダイ落下直前検出センサ56で検出するとともに、垂直路50を落下する増ダイ11の落下数を増ダイ落下検出センサ57で検出する。
また、増ダイ搬送トレイ29は、チェーンコンベヤ装置28の搬送方向F前側の左右側が連結軸37及び連結部36を介して左右のチェーン30,30に連結されて、搬送方向F後側に増ダイ収容部38を備えた構成としたので、チェーンコンベヤ装置28の左右のチェーン30,30の上側反転位置において駆動軸32の回転中心を回転中心として回転する際、回転中心から離れた増ダイ収容部38に収容されている増ダイ11に遠心力が加わり易くなる。従って、増ダイ収容部38に収容された増ダイ11は、増ダイ検出位置にて増ダイ落下直前検出センサ56で検出された後、確実に増ダイ収容部38から放出され、落下通路26の共通傾斜路51上に自然落下するので、チェーンコンベヤ装置28から共通傾斜路51への増ダイ11の供給速度を速くできる。
また、増ダイ落下検出センサ57を、上下方向に傾斜する傾斜線上に配置された発光部57aと受光部57bとによる光センサで構成したことにより、上部幅広垂直路52内を中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を検出できる検出範囲が大きくなり、中心軸11Cが水平あるいはほぼ水平な状態で落下する増ダイ11を確実に検出できるようになる。
【0058】
また、増ダイ11が共通傾斜路51に落下する前に、空気流生成手段60により、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成しておくことで、垂直路50から共通傾斜路51に落下した増ダイ11の共通傾斜路51上での滞留(詰まり)を防止でき、垂直路50から共通傾斜路51に落下した増ダイ11をよりスムーズに装填ホース8に供給できるようになる。
【0059】
次に、アンコ供給の流れについて説明する。
アンコ置場71のベルトコンベヤ72上に載置されたアンコ12がパーツフィーダ70の円錐面形状の内底面70bの中央側に落下した後、内底面70bの周囲に移動し、螺旋形供給路70d、通路73を経由して上流側搬送コンベヤ74上に移動し、矯正装置75を経由して矯正された後に、下流側搬送コンベヤ76により搬送されてアンコ落下部77を介してアンコストッカー80に落下する。
この際、下流側搬送コンベヤ76の搬送方向終端側の位置において、アンコ落下検出センサ95によって、アンコストッカー80にアンコ12が落下したか否かが検出されるので、制御装置5がアンコ12の供給系の不具合等を認識して、その旨の出力を行うことができるようになる。
【0060】
アンコストッカー80では、筒状収容部115内に所定数のアンコ12をストック(貯留)できる。従って、アンコストッカー80に貯留した複数のアンコ12を一度に装填ホース8に供給でき、1回の圧送操作で複数のアンコ12を装薬孔Hに装填することが可能となるので、アンコ装填作業にかかる作業時間を短縮できる。
例えば、筒状収容部115内に4個のアンコ12をストックする場合、底受部116を筒状収容部115内の上下間のほぼ中央部に位置させて、まず、筒状収容部115内で垂直方向に並ぶようにアンコ12を2個だけ受け取るようにする。アンコ12を2個受け取った後、底受部116を筒状収容部115の下端排出口81よりも下方に位置させる。その後、さらに、アンコ12を2個だけ受け取るようにすることで、4個のアンコ12が筒状収容部115内で垂直方向に並ぶ。
このように、底受部116を筒状収容部115内の上下間で移動させ、筒状収容部115内に収容する所定数のアンコ12を複数回に分けて受け取ることで、アンコ落下部77からのアンコ12の落下距離を短くできて、落下時にアンコ12に加わる衝撃を小さくできるため、アンコ12が落下の衝撃で変形してしまう事態を抑制できるようになる。
また、この際、上部アンコ検出センサ119が筒状収容部115内の一番上方に位置するアンコ12を検出し、下部アンコ検出センサ120が筒状収容部115内の一番下方に位置するアンコ12を検出することによって、筒状収容部115内に4個(所定数)のアンコ12が収容されたことが制御装置5に出力される。
制御装置5は、上部アンコ検出センサ119が筒状収容部115内の一番上方に位置するアンコ12を検出した検出信号と、下部アンコ検出センサ120が筒状収容部115内の一番下方に位置するアンコ12を検出した信号との両方を入力することによって、筒状収容部115内に所定数の4個のアンコ12が収容されたことを認識でき、認識後、アンコストッカー80を水平方向に移動させて、下端排出口81をアンコシュート82の導入口130の上方に位置させ、その後、底受部116を筒状収容部115の下端排出口81よりも下方に位置から外れるように水平方向に移動させて筒状収容部115内の所定数の4個のアンコ12を下端排出口81より落下させる排出動作を確実に行うことができるようになる。
この場合、制御装置5は、例えば、空の筒状収容部115がアンコ落下部77の真下に位置し、かつ、底受部116が筒状収容部115内の上下間のほぼ中央部に位置されたことを認識した後、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を同時に駆動させる。また、制御装置5は、筒状収容部115内に4個のアンコ12が収容されたことを認識した後、アンコ落下検出センサ95の発光部96からの光が5個目のアンコ12で遮断された瞬間に、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を同時に停止させる。つまり、制御装置5は、発光部96からの光がアンコ12で遮られた後、発光部96からの光が受光部97に到達したことを入力した場合に、1つのアンコ12が下流側搬送コンベヤ76から落下したと判定するため、アンコ落下検出センサ95の発光部96からの光が5個目のアンコ12で遮断された瞬間においては、5個目のアンコ12は下流側搬送コンベヤ76から落下しておらず、制御装置5は、5個目のアンコ12が下流側搬送コンベヤ76から落下したとは判定していない。即ち、制御装置5は、筒状収容部115内に4個のアンコ12が収容されたことを認識した後、5個目のアンコ12が下流側搬送コンベヤ76から落下する前に、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を同時に停止させる。
落下したアンコ12は、アンコシュート82の導入口130からアンコシュート82内、装填機7内を経由して、装填ホース8内まで自然落下する。
尚、底受部116が一度に受けるアンコ12の数、及び、筒状収容部115の下端排出口81より一度に排出するアンコ12の数は、底受部116の上下移動、及び、底受部116の水平移動を制御することにより、自由に決めることが可能である。例えば、アンコ12を1個受ける毎に底受部116を下方に移動するように制御するとともに、筒状収容部115内に所定数のアンコ12が貯留された後に、下端排出口81よりアンコ12を1個ずつ排出するように底受部116の水平移動を制御するようにしてもよい。
この場合、制御装置5は、空の状態の筒状収容部115がアンコ落下部77の真下に位置し、かつ、底受部116が筒状収容部115内の所定位置に到達したことを認識した後、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を、同時に駆動するとともに、筒状収容部115内に所定数のアンコ12が収容されたことを認識した後に、次のアンコ12が下流側搬送コンベヤ76から落下する前に、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76を同時に停止させることになる。
【0061】
実施形態では、装填機7の装填バルブ148が開放された状態において、装填機7の管路を通過した増ダイ11又はアンコ12が装填ホース8内まで落下する。
その後、制御装置5は、圧送空気供給機構142を駆動させる。圧送空気供給機構142は、装填バルブ148を閉じて、管路を閉じた装填バルブ148の弁体152に向けて圧縮空気を吹付ける。すると、圧縮空気が弁体152に衝突した後に装填ホース8内に既に供給されている増ダイ11又はアンコ12を押圧して、増ダイ11又はアンコ12が装填ホース8、装填パイプ9を通過して装薬孔Hに装填される。
【0062】
実施形態では、2つの圧送装置4,4と、この2つの圧送装置4,4にそれぞれ個別に増ダイ11を供給する2つの爆薬供給装置2,2とを備えているので、切羽の2箇所で並行して増ダイ装填作業を行えるようになる。
また、込め物供給装置3は、アンコ置場71からアンコ落下部77までの一系統のアンコ搬送装置(パーツフィーダ70、上流側搬送コンベヤ74、矯正装置75、下流側搬送コンベヤ76)と、一系統のアンコ搬送装置からそれぞれ個別にアンコ12を受けて自然落下させることにより圧送装置4,4にそれぞれ個別にアンコ12を供給する2つのアンコ落下供給装置(アンコストッカー80、アンコシュート82)とを備え、一系統のアンコ搬送装置から2つのアンコ落下供給装置にアンコ12を分配供給するようにしているので、切羽の2箇所で並行してアンコ装填作業を行えるようになる。
言い換えれば、込め物供給装置3は、アンコ置場71からアンコ落下部77までアンコを搬送するための一系統の搬送路と、アンコ落下部77から落下するアンコを貯留する貯留装置としての2つのアンコストッカー80,80と、2つのアンコストッカー80,80の下端排出口81から落下するアンコ12を圧送装置4まで導く落下路としての2つのアンコシュート82,82と、2つの圧送装置4,4とを備えている。
【0063】
増ダイ11及びアンコ12の装填作業の流れについて説明する。
爆薬装填装置1を起動させた後、切羽Kで装填作業を行う作業者Xが先端に親ダイ10を取付けた装填パイプ9の先端側を装薬孔Hに挿入し、作業者X又は作業補助者等の指示者がリモートコントローラ等の指示装置6を用いて制御装置5に親ダイ装填指示を送信する。親ダイ装填指示を受信した制御装置5が、圧送空気供給機構142に圧送動作を指示することにより、装填バルブ148を閉じてから、装填パイプ9の先端側に向けて流れる空気が供給され、当該空気の流れによる圧力によって親ダイ10が押圧されて装薬孔Hの孔尻に装填される。
【0064】
次に、指示者は、指示装置6を用いて制御装置5に所定数(例えば2個)の増ダイ11の装填を要求する増ダイ装填指示を送信する。
増ダイ装填指示を受信した制御装置5が、空気流生成手段60を駆動することにより、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流が供給される。
そして、増ダイ装填指示を受信した制御装置5が、増ダイ搬送装置25に搬送動作を指示することにより、増ダイ搬送装置25が増ダイ11を1つずつ増ダイ落下口24まで搬送し、増ダイ11が増ダイシュート22、装填機7を経由して装填ホース8に供給される。この際、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流が供給されているので、増ダイ11が装填ホース8にスムーズに供給される。
制御装置5は、増ダイ通過検出センサ143から増ダイ11が通過したことを示す信号を所定数入力して、所定数の増ダイ11が装填ホース8に供給されたと判定した後、圧送空気供給機構142に圧送動作を指示することにより、装填ホース8に供給されている所定数の増ダイ11が空気の流れによる圧力によって押圧されて装薬孔Hまで圧送されて装薬孔H内に装填される。
制御装置5は、圧送空気供給機構142に圧送動作を指示し、所定数の増ダイ11の装填動作が終了したことを確認する。尚、所定数の増ダイ装填動作終了確認は、制御装置5が圧送空気供給機構142に圧送動作の完了を確認した後に出力する終了音や図外の表示器へに出力表示、又は、増ダイ11が装填パイプ9内を通過する際の手応え等により、作業者や支持者が確認できる。
【0065】
所定数の増ダイ装填動作の終了したことを確認した指示者は、次に、指示装置6を用いて制御装置5に所定数(例えば4個)のアンコ12の装填を要求するアンコ装填指示を送信する。
アンコ装填指示を受信した制御装置5が、アンコ搬送装置に搬送動作指令を指示するとともに、アンコ装填指示を要求した指示者が持つ指示装置6に対応付けされたアンコストッカー80に位置制御指令を送信する。
位置制御指令を受けた筒状収容部移動機構117が、アンコストッカー80の上端導入口79をアンコ落下部77のアンコ導出部99の真下に位置させる。そして、搬送動作指令を受けたアンコ搬送装置が、アンコ12を1つずつアンコ落下部77まで搬送し、アンコ12がアンコストッカー80に供給される。
さらに、アンコ装填指示を受信した制御装置5が、水噴射装置145を駆動することにより、装填機7の下流側及び装填ホース8に向けてミストが供給されて下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面に液膜が形成されることにより、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面とアンコ12の外面との潤滑性が向上し、アンコ12が下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面を落下する際の摩擦が軽減されるとともに、静電気の発生を防止できるようになる。
アンコストッカー80は、アンコ落下部77の真下に位置してアンコ12を受けることが可能なアンコ受け位置と、アンコシュート82の真上に位置してアンコ12をアンコシュート82に落下させることが可能なアンコ投下位置とに設定され、通常、アンコ投下位置に位置している。つまり、アンコ投下位置が初期位置である。
【0066】
尚、一方の圧送装置4、即ち、第1の圧送装置4及び第1の圧送装置4にアンコ12を送る第1のアンコストッカー80に対応付けされた第1の指示装置6と、他方の圧送装置4、即ち、第2の圧送装置4及び第2の圧送装置4にアンコ12を送る第2のアンコストッカー80に対応付けされた第2の指示装置6とを備える。
そして、制御装置5は、第1の指示装置6又は第2の指示装置6から送信されてくる識別情報を入力して第1の指示装置6からの要求であるのか、あるいは、第2の指示装置6からの要求であるのかを判定した後に、第1の指示装置6に対応付けされた第1の圧送装置4及び当該第1の圧送装置4にアンコ12を送る第1のアンコストッカー80、あるいは、第2の指示装置6に対応付けされた第2の圧送装置4及び当該第2の圧送装置4にアンコ12を送る第2のアンコストッカー80を制御する。
【0067】
制御装置5は、アンコストッカー80の筒状収容部移動機構117及び底受板移動機構118に位置制御指令を出力した場合、筒状収容部移動機構117が、アンコストッカー80の上端導入口79をアンコ落下部77のアンコ導出部99の真下に位置させるとともに、底受板移動機構118が底受部116を筒状収容部115内の中央側に位置させて筒状収容部115内にアンコ12を例えば2個だけ受けることが可能な状態に設定する。そして、アンコ落下検出センサ95が2個のアンコ12の落下を検出した検出信号を制御装置5に出力し、2個の検出信号を入力した制御装置5内のアンコ監視手段160が、底受板移動機構118に位置制御指令を送ることにより、底受板移動機構118が底受部116を筒状収容部115の下端排出口81の真下に位置させて筒状収容部115内にアンコ12を4個受けることが可能な状態に設定する。そして、下部アンコ検出センサ120が筒状収容部115内の一番下方に位置するアンコ12を検出した検出信号と、上部アンコ検出センサ119が筒状収容部115内に収容された最も上側のアンコ12を検出した検出信号とを入力したアンコ監視手段160が、筒状収容部移動機構117に底受部開放指令を出力し、当該位置制御指令を受けた筒状収容部移動機構117がアンコストッカー80を初期位置に戻した後、底受板移動機構118が底受部116を筒状収容部115の下端排出口81の真下位置から外れるように移動させることで、筒状収容部115に収容されていた所定数の4個のアンコ12がアンコシュート82に落下する。
この際、水噴射装置145から噴射された水が圧縮空気により拡散して生成されたミストにより、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面に液膜が形成されているので、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面とアンコ12の外面との潤滑性が向上し、アンコストッカー80からアンコシュート82に落下したアンコ12が、装填ホース8にスムーズに供給される。また、アンコ12が下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面を落下する際の摩擦が軽減されるとともに、静電気の発生を防止できる。
【0068】
その後、底受板移動機構118が底受部116を筒状収容部115の下端排出口81の真下位置に位置させたことを認識した制御装置5は、圧送空気供給機構142に圧送動作を指示することにより、装填ホース8に供給されている所定数のアンコ12が空気の流れによる圧力によって押圧されて装薬孔Hまで圧送されて装薬孔H内に装填される。
制御装置5は、圧送空気供給機構142に圧送動作を指示した後、所定数のアンコ12の装填動作が終了したことを確認する。尚、所定数のアンコ装填動作終了確認は、制御装置5が圧送空気供給機構142に圧送動作の完了を確認した後に出力する終了音や図外の表示器へに出力表示、又は、アンコ12が装填パイプ9内を通過する際の手応え等により、作業者や支持者が確認できる。
また、制御装置5は、増ダイ11の装填数、アンコ12の装填数を記録する記録装置を備えており、この記録装置に記録された履歴を確認することによって、増ダイ11、及び、アンコ12の装填作業に関するトレーサビリティが可能となる。
尚、制御装置5が、記録装置に、増ダイ11の装填数、アンコ12の装填数を日時とともに記録するように構成すれば、当該記録装置に記録された履歴を確認することによって、爆薬の装填作業、及び、込め物の装填作業に関するより詳細なトレーサビリティが可能となる。
【0069】
実施形態では、増ダイシュート22が、落下直前の増ダイ11を検出するための増ダイ落下直前検出センサ56と、落下中の増ダイ11を検出する増ダイ落下検出センサ57とを備え、かつ、装填ホース8の入口に接続された装填機7の下端排出口146の直前位置に増ダイ通過検出センサ143を備えている。
制御装置5の増ダイ監視手段161は、増ダイ落下直前検出センサ56からの信号に基づいて、増ダイ11が落下直前位置に到達したか否かを認識する。即ち、増ダイ監視手段161は、増ダイ落下直前検出センサ56から検出信号を所定時間以上入力していない場合には、増ダイ11が増ダイ落下口24に到達しておらず、増ダイ11が増ダイ収容室23に無いか、又は、増ダイ搬送装置25に何らかの不具合が生じたこと等を認識し、その旨を示す案内を図外の表示器に出力する。そして、作業補助者等が当該表示器に表示された案内表示を確認することにより、増ダイ収容室23に増ダイ11を補充したり、増ダイ搬送装置25の点検等の復旧作業を行えるようになる。
また、制御装置5の増ダイ監視手段161は、増ダイ落下検出センサ57で増ダイ11が検出されたにも拘わらず、増ダイ落下検出センサ57からの増ダイ検出信号を入力した後、所定時間内に増ダイ通過検出センサ143から増ダイ検出信号を入力しない場合には、増ダイ落下検出センサ57の設置位置から増ダイ通過検出センサ143の設置位置までの通路内に増ダイ11が詰まっていると認識して、その旨を示す案内を図外の表示器に出力する。そして、作業補助者等が当該表示器に表示された案内表示を確認することにより、詰まりの確認、及び、詰まり解消作業等の復旧作業を行えるようになる。
さらに、増ダイ監視手段161は、増ダイ通過検出センサ143からの信号に基づいて、所定数の増ダイ11が装填ホース8に供給されたか否かを認識し、所定数の増ダイ11が装填ホース8に供給されたことを図外の表示器及び上述した記録装置に出力するので、装填ホース8に供給された実際の増ダイ11の数を正確に確認できるようになる。
【0070】
また、下流側搬送コンベヤ76の搬送方向終端側の位置において、アンコ落下検出センサ95を備えているので、アンコ監視手段160は、アンコ落下検出センサ95からの信号に基づいて、アンコストッカー80の筒状収容部115内にアンコ12が落下したか否かを認識し、アンコ落下検出センサ95から検出出力が無い場合、アンコ置場71にアンコ12が無いか、又は、アンコ搬送装置に何らかの不具合が生じたこと等を認識して、その旨を示す案内を図外の表示器に出力する。そして、作業補助者等が当該表示器に表示された案内表示を確認することにより、アンコ置場71にアンコ12を補充したり、アンコ搬送装置の点検等の復旧作業を行えるようになる。
また、アンコ監視手段160は、アンコストッカー80の下部アンコ検出センサ120が筒状収容部115内の最も下側に位置するアンコ12を検出した検出信号と、アンコストッカー80の上部アンコ検出センサ119が筒状収容部115内に収容された最も上側に位置するアンコ12を検出した検出信号とを入力することによって、アンコストッカー80の筒状収容部115内に所定数のアンコ12が貯留されたことを認識し、アンコストッカー80に貯留された所定数のアンコ12をまとめてアンコシュート82に落下させることができるようになり、アンコ12の装填作業時間を短縮できるようになる。
また、アンコ監視手段160は、アンコストッカー80の筒状収容部115内に所定数のアンコ12が貯留された後、底受部116が下端排出口81の真下位置から外れたことを認識することにより、下端排出口81が解放されてアンコ12がアンコシュート82に落下して所定数のアンコ12が装填ホース8に送り込まれたことを図外の表示器及び上述した記録装置に出力するので、装填ホース8に供給された実際のアンコ12の数を正確に確認できるようになる。
【0071】
また、圧力検出装置144を備えているので、圧力センサ156で検出される圧力が所定値以上になった場合に、制御装置5は、装填ホース8内で詰まりが発生していると判断して、増ダイ11又はアンコ12の供給を停止した後に、圧送空気供給機構142に詰まり解消処理を指示できるようになるため、装填ホース8内に詰まっている増ダイ11又はアンコ12を空気の流れによる圧力によって装填ホース8内から外に押し出して装填ホース8内の詰まりを迅速に解消できるようになる。
【0072】
要約すると、実施形態によれば、増ダイ監視手段161を備えたので、増ダイ収容室23に増ダイ11が無いか、又は、増ダイ搬送装置25に何らかの不具合が生じたこと等や、増ダイ落下検出センサ57の設置位置から増ダイ通過検出センサ143の設置位置まで通路内での増ダイ11の詰まりが発生したこと、装填ホース8に供給された実際の増ダイ11の数等の情報を図外の表示器等を介して知らせることができるので、作業者等が、増ダイ収容室23内の増ダイ11の有無を確認したり、増ダイ搬送装置25の状態を確認したりする処理を迅速に行うことができるようになる。また、通路内での増ダイ11の詰まり解消作業を行えるようになるので、増ダイ11の搬送供給系統を正常状態に復帰させる復帰処理を迅速に行えるようになるとともに、制御装置5の記録装置に、増ダイ11の装填数が日時とともに記録されるので、装填ホース8に供給された実際の増ダイ11の数や、過去に装填ホース8に供給された増ダイ11の累計数をリアルタイムに正確に確認できるようになる。即ち、指示した数通りに増ダイ11が装填ホース8に供給されたことを確認できるようになる。
【0073】
また、実施形態によれば、アンコ監視手段160を備えたので、アンコ置場71にアンコ12が無いか、又は、アンコ搬送装置に何らかの不具合が生じたこと等や、装填ホース8に供給された実際のアンコ12の数等の情報を図外の表示器等を介して知らせることができるので、作業者等が、アンコ置場71のアンコ12の有無を確認したり、アンコ搬送装置の状態を確認したりする処理を迅速に行うことができるようになり、アンコ12の搬送供給系統を正常状態に復帰させる復帰処理を迅速に行えるようになるとともに、制御装置5の記録装置に、アンコ12の装填数が日時とともに記録されるので、装填ホース8に供給された実際のアンコ12の数や、過去に装填ホース8に供給されたアンコ12の累計数をリアルタイムに正確に確認できるようになる。即ち、指示した数通りにアンコ12が装填ホース8に供給されたことを確認できるようになる。
【0074】
また、実施形態によれば、増ダイ一端衝突部54を備えた落下通路26を備えたので、落下通路26内での増ダイ11の詰まり発生を抑制できる。また、増ダイ11を増ダイ落下口24から共通傾斜路51上に自然落下させる構成としたので、増ダイ収容室23から共通傾斜路51への増ダイ供給速度を速くでき、しかも、増ダイ11を傾斜させた状態で共通傾斜路51上に供給できるので、増ダイ11の他端(前端)を先に共通傾斜路51上に落下させることができて、増ダイ11の他端を安定させることができ、共通傾斜路51上での傾斜姿勢が崩れにくくなるので、増ダイ11を装填ホース8に安定に供給できるようになる。また、増ダイ落下口24から上部幅広垂直路52を落下する増ダイ11の一端部(後端部)11aが増ダイ一端衝突部54に衝突して増ダイ11が傾斜した状態になって下部幅狭垂直路53に侵入するため、下部幅狭垂直路53に入った後の増大11の左右の振れが抑制され、増ダイ11を装填ホース8に安定に供給できるようになる。即ち、実施形態によれば、ホッパー21から共通傾斜路51への増ダイ11の供給速度を速くでき、しかも、増ダイ11を確実に共通傾斜路51に送り込めるとともに、落下通路26内での増ダイ11の詰まり発生を抑制できるようになった。
【0075】
また、実施形態によれば、空気流生成手段60を備えたので、共通傾斜路51での増ダイ11の詰まり発生を抑制できる。特に、増ダイ供給時において、事前に空気流供給手段60を作動させて、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を生成しておくことにより、増ダイ11がスムーズに装填ホース8に供給され、増ダイ11の詰まり発生を抑制できるようになる。即ち、実施形態によれば、共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を発生させることにより、共通傾斜路51に送る込まれた増ダイ11と共通傾斜路51の内壁との摩擦を軽減させ、増ダイ11が共通傾斜路51内で動かなくなって詰まってしまうような事態を抑制できるようになった。特に、上流傾斜路51Aの上端側及び下流傾斜路51Bの上端側の外部から当該上流傾斜路51A及び下流傾斜路51Bの内部に空気を供給したので、共通傾斜路51に送る込まれた爆薬と共通傾斜路51の内壁との摩擦を軽減させ、増ダイ11が共通傾斜路51内で動かなくなって詰まってしまうような事態を抑制できる効果が向上する。
【0076】
また、実施形態によれば、アンコ置場71からアンコ落下部77までアンコ12を搬送するための一系統のアンコ搬送装置(ベルトコンベヤ72+パーツフィーダ70+通路73+上流側搬送コンベヤ74+矯正装置75+下流側搬送コンベヤ76の構成)と、アンコ落下部77から落下する複数のアンコを貯留する複数のアンコストッカー(貯留装置)80,80と、これらアンコストッカー80,80の下端から落下するアンコを装填ホース8まで導く複数の落下路(アンコシュート82,82+装填機7,7の構成)と、を備え、一系統のアンコ搬送装置から2つのアンコ落下供給装置(アンコストッカー80+アンコシュート82+装填機7の構成)にアンコ12を分配供給するようにしたので、アンコ搬送装置の設置スペース、コストを抑制できるとともに、2系統でそれぞれ並行してアンコ装填作業を効率的に行えるようになった。即ち、切羽Kの2箇所で並行してアンコ装填作業を行えるようになり、アンコ装填作業にかかる作業時間を短縮できるようになった。
また、実施形態によれば、アンコ落下部77から落下する複数のアンコ12を貯留するアンコストッカー80を備えたので、垂直方向に延長する筒状収容部115内に複数のアンコ12を垂直方向において直列状態に一度に貯留できて、複数のアンコ12を一度に装填ホース8に供給できるようになり、アンコ装填作業にかかる作業時間を短縮できるようになった。
また、実施形態によれば、底受部116が筒状収容部115内を上下方向に移動可能に構成されたので、底受部116を筒状収容部115内の上下間で移動させ、筒状収容部115内に収容する所定数のアンコ12を複数回に分けて受け取ることで、アンコ落下部77からのアンコ12の落下距離を短くできて、落下時にアンコ12に加わる衝撃を小さくできるようになって、アンコ12が落下の衝撃で変形してしまう事態を抑制できるようになった。
【0077】
さらに、実施形態によれば、装填ホース8内の圧力を検出する圧力センサ156を備え、制御装置5が、圧力センサ156からの検出値に基づいて装填ホース8内に増ダイ11又はアンコ12の詰まりが発生したか否かを判定し、装填ホース8内に増ダイ11又はアンコ12の詰まりが発生していると判定した場合には、装填ホース8内に圧縮空気を送って装填ホース8内の増ダイ11又はアンコ12を装填パイプ9の先端開口から排出させる詰まり解消処理を圧送装置4に指示するので、装填ホース8内での増ダイ11やアンコ12の詰まり発生を指示装置6を介して知らせることができるとともに、圧力検出装置144に詰まり解消処理を行わせて、装填ホース8内に増ダイ11又はアンコ12が詰まった状態が迅速に解消されるようになった。
【0078】
また、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面にミストを供給するための水噴射装置145を備えたので、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面とアンコ12の外面との潤滑性が向上し、アンコストッカー80からアンコシュート82に落下したアンコ12が、装填ホース8にスムーズに供給されるとともに、アンコ12が下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面を落下する際の摩擦が軽減されるとともに、静電気の発生を防止できる。
【0079】
尚、実施形態では、増ダイ11を監視するセンサとして、増ダイ落下直前検出センサ56、増ダイ落下検出センサ57、増ダイ通過検出センサ143を備えた構成例を示したが、爆薬供給装置2の増ダイ供給路(落下通路26又は増ダイ搬送装置25)及び圧送装置4の装填機7の少なくとも一方に、増ダイ11を検出するセンサを1つだけ備えた構成とし、制御装置5が、当該単一のセンサからの信号に基づいて、装填ホース8に供給された増ダイ11の数を出力する構成としてもよい。
また、実施形態では、アンコ12を監視するセンサとして、アンコ落下検出センサ95、下部アンコ検出センサ120、上部アンコ検出センサ119を備えた構成例を示したが、搬送装置を構成する下流側搬送コンベヤ76の終端側及びアンコストッカー80の少なくとも一方に、アンコ12を検出するセンサを1つだけ備えた構成とし、制御装置5が、当該単一のセンサからの信号に基づいて、装填ホース8に供給されたアンコ12の数を出力する構成としてもよい。
以上のような構成の爆薬装填装置であっても、指示した数通りに増ダイ11又はアンコ12が装填ホース8に供給されたことを確認できるようになる。
【0080】
また、実施形態では、一系統のアンコ搬送装置(ベルトコンベヤ72+パーツフィーダ70+通路73+上流側搬送コンベヤ74+矯正装置75+下流側搬送コンベヤ76の構成)に2つのアンコストッカー80,80を対応させて設けた構成を示したが、一系統のアンコ搬送装置に単一のアンコストッカー80を対応させて、当該単一のアンコストッカー80を2つのアンコシュート82,82の上側に順番に移動させる構成としてもよい。
また、一系統のアンコ搬送装置に対して、2以上の複数系統の落下路(アンコシュート82+装填機7の構成)を対応させた構成とすれば、2以上の複数(多数)系統でそれぞれ並行してアンコ装填作業を効率的に行えるようになる。
【0081】
また、実施形態では、水平状態又は略水平状態で落下する増ダイ11の後端部11aがV字の下端の内側に衝突するようにV字状に形成された増ダイ一端衝突部54を例示したが、当該増ダイ一端衝突部54は、水平状態又は略水平状態で落下する増ダイ11の後端部11aが衝突して増ダイ11の中心軸11Cを傾斜した状態とできる構成であれば、どのような形態のものであってもよい。
【0082】
また、実施形態では、リモートコントローラ等の指示装置6により、制御装置5に指示するようにしたが、制御装置5に設けられたコントロールパネル等を操作して直接指示するようにしてもよい。
【0083】
また、一系統のアンコ送出部(ベルトコンベヤ72を備えたアンコ置場71+パーツフィーダ70)と、複数系統のアンコ搬送部(通路73+上流側搬送コンベヤ74+矯正装置75+下流側搬送コンベヤ76)と、アンコ搬送部毎に設けられた1系統又は複数系統の落下路(アンコシュート82+装填機7の構成)とを備えた構成とすれば、より複数系統でそれぞれ並行してアンコ装填作業を効率的に行えるようになる。
即ち、アンコ搬送装置は、アンコ置場71とパーツフィーダ70とを有したアンコ送出部を一系統備えるとともに、上流側搬送コンベヤ74と矯正装置75と下流側搬送コンベヤ76とを有した込め物搬送部を多系統備えた構成としてもよい。
【0084】
また、増ダイ装填時において水噴射装置145を駆動して下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面に液膜を形成するようにしてもよい。このようにすれば、下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面と増ダイ11の外面との潤滑性が向上して、増ダイ11が装填ホース8にスムーズに供給されるとともに、増ダイ11が下流側傾斜管141の管路の内面及び装填ホース8の内面を落下する際の摩擦が軽減されるとともに、静電気の発生を防止できるようになる。
【0085】
また、アンコ装填時において空気流生成手段60を駆動させて共通傾斜路51内に装填機7側に向けた空気流を供給するようにしてもよい。このようにすれば、アンコ12が共通傾斜路51内で動かなくなって詰まってしまうような事態を抑制できるようになる。
【符号の説明】
【0086】
1 爆薬装填装置、2 爆薬供給装置、3 込め物供給装置、4 圧送装置、
5 制御装置、7 装填機、8 装填ホース、9 装填パイプ、11 増ダイ(爆薬)、12 アンコ(込め物)、23 増ダイ収容室、24 増ダイ落下口、50 垂直路、
51 共通傾斜路、56 増ダイ落下直前検出センサ、57 増ダイ落下検出センサ、
80 アンコストッカー(貯留装置)、95 アンコ落下検出センサ、
115 筒状収容部、116 底受部、119 上部アンコ検出センサ、
120 下部アンコ検出センサ、143 増ダイ通過検出センサ。
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