特許第6963994号(P6963994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6963994
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8244 20060101AFI20211028BHJP
   H01L 27/11 20060101ALI20211028BHJP
   G11C 11/418 20060101ALI20211028BHJP
   G11C 8/14 20060101ALI20211028BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H01L27/11
   G11C11/418 110
   G11C8/14
   G11C7/10 480
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-246745(P2017-246745)
(22)【出願日】2017年12月22日
(65)【公開番号】特開2019-114652(P2019-114652A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄一郎
【審査官】 西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−335535(JP,A)
【文献】 特開昭59−060795(JP,A)
【文献】 特開2002−158295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8244
G11C 11/418
G11C 8/14
G11C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置されたメモリセルと、
メモリセル行にそれぞれ対応して配置された第1および第2ポート用の複数の第1および第2のワード線と、
前記複数の第1のワード線にそれぞれ対応して上層に設けられた複数の第1のダミーワード線と、
前記複数の第2のワード線にそれぞれ対応して上層に設けられた複数の第2のダミーワード線と、
各々が、前記複数の第1および第2のワード線をそれぞれ駆動する複数のワード線ドライバと、
各前記ワード線ドライバにより前記複数の第1および第2のワード線のうちの第1のワード線の駆動に従って、当該第1のワード線に隣接する第2のワード線に対応する第2のダミーワード線あるいは、各前記ワード線ドライバにより前記複数の第1および第2のワード線のうちの第2のワード線の駆動に従って、当該第2のワード線に隣接する第1のワード線に対応する第1のダミーワード線を逆相に駆動するためのダミーワード線ドライバとを備える、半導体装置。
【請求項2】
各前記第1および第2のダミーワード線は、各前記第1および第2のワード線よりも線幅が広い、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
各前記第1および第2のダミーワード線は、各前記第1および第2のワード線と同一方向に延在して配置され、
各前記第1および第2のダミーワード線は、所定の長さで分割されて配置される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
各前記ワード線ドライバは、前記複数の第1および第2のワード線を第1の電圧で駆動し、
前記ダミーワード線ドライバは、前記複数の第1および第2のダミーワード線を前記第1の電圧よりも高い第2の電圧で駆動する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
各前記ワード線ドライバは、前記複数の第1および第2のワード線を第1の電圧で駆動し、
前記ダミーワード線ドライバは、前記複数の第1および第2のダミーワード線を前記第1の電圧よりも低い第2の電圧で駆動する、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
各前記第1および第2のワード線は、互いに交互に配置される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
各前記第1および第2のワード線は、一方のワード線が2本ずつ隣接して配置され、他方のワード線が2本ずつ隣接するように交互に配置される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
行列状に配置されたメモリセルと、
メモリセル行にそれぞれ対応して配置された第1および第2ポート用の複数の第1および第2のワード線と、
メモリセル行にそれぞれ対応して設けられ、対応する第1および第2のワード線の上層に設けられた複数のダミーワード線と、
各々が、前記複数の第1および第2のワード線をそれぞれ駆動する複数のワード線ドライバと、
各前記ワード線ドライバにより前記複数の第1および第2のワード線のうちの第1のワード線の駆動に従って、当該第1のワード線に隣接する第2のワード線に対応するダミーワード線あるいは、各前記ワード線ドライバにより前記複数の第1および第2のワード線のうちの第2のワード線の駆動に従って、当該第2のワード線に隣接する第1のワード線に対応するダミーワード線を逆相に駆動するためのダミーワード線ドライバとを備える、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関するものであり、特にマルチポートメモリを有するSRAM(Static Random Access Memory)の半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチポートメモリセルにおいては、各ポートのビット線同士またはワード線同士が互いに隣合って配線されやすい。そのため、各配線間のカップリング容量が原因でクロストークが発生し、誤動作してしまう危険性がある。
【0003】
たとえば、特開2000−12704号公報では、書込み用のワード線と読出し用のワード線のGND配線を設けて、互いのワード線の干渉を避ける方法が提案されている。同じように、特開2000−236029号公報では、隣合うメモリセルの行と行との間にGND配線を設けて、ワード線間の干渉を避ける方法が提案されている。
【0004】
しかし、これらの手法は共にシールド用配線をワード線間に設けるため、ワード線とワード線との間の間隔に余裕が必要となる。元々のメモリセルにおいてワード線間に隙間があれば、シールド配線を設けることによる面積増加は起こらない。
【0005】
また、特開2009−76931号公報においては、ワード線の並びを工夫することで、非選択のワード線に隣接するワード線2本が同時に選択(活性化)される状態を無くし、非選択ワード線へのカップリングノイズを低減する技術が示されている。
【0006】
しかしながら、上記構成においても両ポートのワード線が隣接して配線されることは変わらないため、選択ワード線間のカップリングノイズを低減する効果は低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−12704号公報
【特許文献2】特開2000−236029号公報
【特許文献3】特開2009−76931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためのものであって、面積増加を抑制しつつ、カップリングノイズを低減することが可能な半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
半導体装置であって、行列状に配置されたメモリセルと、メモリセル行にそれぞれ対応して配置された第1および第2ポート用の複数の第1および第2のワード線とを設ける。さらに、半導体装置は、複数の第1のワード線にそれぞれ対応して上層に設けられた複数の第1のダミーワード線と、複数の第2のワード線にそれぞれ対応して上層に設けられた複数の第2のダミーワード線と、複数の第1および第2のワード線を駆動するワード線ドライバとを設ける。半導体装置は、ワード線ドライバにより複数の第1および第2のワード線のうちの第1のワード線の駆動に従って隣接する第2のワード線に対応する第2のダミーワード線あるいは、ワード線ドライバにより複数の第1および第2のワード線のうちの第2のワード線の駆動に従って隣接する第1のワード線に対応する第1のダミーワード線を逆相に駆動するためのダミーワード線ドライバを設ける。
【発明の効果】
【0010】
一実施例によれば、半導体装置は、面積増加を抑制しつつ、カップリングノイズを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に従う半導体装置の構成を説明するブロック図である。
図2】実施形態1に従うメモリセルMCの構成例を示す回路図である。
図3】実施形態1に従う半導体装置のメモリアレイを説明する図である。
図4】実施形態1に従うワード線のみを抽出したレイアウト構成を示す平面図である。
図5図3における2行目および3行目のメモリセルMC2,MC3を含んだレイアウト構成例を示す平面図である。
図6】上層の配線レイアウト構成図である。
図7図5図6(A)を組み合わせた場合の断面構成図である。
図8】実施形態1に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
図9】実施形態1に従うダミーワード線が配置される上層の配線レイアウト構成図である。
図10】実施形態1に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
図11】実施形態1に従うデコード信号に基づくワード線およびダミーワード線の駆動について説明するタイミングチャート図である。
図12】実施形態1の変形例1に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
図13】実施形態1の変形例2に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBのレイアウトについて説明する図である。
図14】実施形態2に従うダミーワード線ドライバ回路の構成を説明する図である。
図15】実施形態2の変形例に従うダミーワード線ドライバ回路の構成を説明する図である。
図16】実施形態3に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
図17】実施形態3に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
図18】実施形態4に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
図19】実施形態4に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLCの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に従う半導体装置の構成を説明するブロック図である。
【0014】
図1を参照して、図1に示す半導体装置は、行列状(マトリクス状)に配置された複数のメモリセルMCと、第1および第2ポート(ポートA,ポートB)用のワードドライバ部WD、コントロール部CTLA並びに入出力回路部IOC_Aと、コントロール部CTLB並びに入出力回路部IOC_Bを含む。
【0015】
ワードドライバ部WDは、それぞれ行方向に並んで配置された複数のワード線WLAを駆動する。また、ワードドライバ部WDは、それぞれ行方向に並んで配置された複数のワード線WLBを駆動する。
【0016】
入出力回路部IOC_Aは、メモリセルMCに接続されるポートA用のビット線対(BLA,/BLA)を対象として情報の読み出しや書き込みなどを行い、入出力回路部IOC_Bは、MCに接続されるポートB用のビット線対(BLB,/BLB)を対象として情報の読み出しや書き込みなどを行う。なお、図1においては、便宜上、各ビット線対の記載は省略している。
【0017】
コントロール部CTLAは、外部より入力されたポートA用のアドレス信号を受けて、第1ポート用のワードドライバ部WD内に含まれる複数のワードドライバ回路を制御する。
【0018】
また、入力回路部IOC_A内に含まれ複数の読み出し用回路(センスアンプ回路等)や書き込み用回路などを制御する。
【0019】
コントロール部CTLBは、外部より入力されたポートB用のアドレス信号を受けて、第2ポート用のワードドライバ部WD内に含まれる複数のワードドライバ回路を制御する。
【0020】
また、入力回路部IOC_B内に含まれる図示しない複数の読み出し用回路や書き込み用回路などを制御する。
【0021】
このような構成において、実施形態1に従う半導体装置は、複数のワード線WLA,WLBが、WLA0、WLB0、WLB1、WLA1、WLA2、…といったように、各行毎にワード線WLAとWLBの並び順を入れ替えたような配置となっている。
【0022】
ある行のワード線WLAが、その右隣(または左隣)の行のワード線WLAと隣接配置され、ある行のワード線WLBが、その左隣(または右隣)の行のワード線WLBと隣接配置される。
【0023】
図2は、実施形態1に従うメモリセルMCの構成例を示す回路図である。
図2に示されるように、各メモリセルMCは、SRAMメモリセルとなっている。
【0024】
2つのドライバトランジスタDR1,DR2と、2つの負荷トランジスタLD1、LD2と、4つのアクセストランジスタAC1a,AC1b,AC2a,AC2bとを含む。ここでは、ドライバトランジスタDR1,DR2およびアクセストランジスタAC1a,AC1b,AC2a,AC2bは、NMOSトランジスタで構成され、負荷トランジスタLD1,LD2は、PMOSトランジスタで構成される。
【0025】
負荷トランジスタLD1とドライバトランジスタDR1とは、第1のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータI1を構成する。負荷トランジスタLD2とドライバトランジスタDR2とは、第2のCMOSインバータI2を構成する。
【0026】
第1および第2のインバータI1,I2の一方の出力端子は、他方の入力端子に互いに接続される。これによって、第1および第2のインバータI1およびI2は、1ビットのラッチ回路を構成し、記憶ノードNtと反転記憶ノードNbにそれぞれ相補の記憶情報を保持する。ドライバトランジスタDR1,DR2の各ソースは、接地電圧GNDに接続され、負荷トランジスタLD1,LD2の各ソースは、電源電圧VDDに接続される。
【0027】
アクセストランジスタAC1aは、ポートA用のワード線WLAが活性化された際に記憶ノードNtとポートA用のビット線BLAを接続し、アクセストランジスタAC2aは、WLAが活性化された際に反転記憶ノードNbとポートA用の反転ビット線/BLAを接続する。
【0028】
同様に、アクセストランジスタAC1bは、ポートB用のワード線WLBが活性化された際に記憶ノードNtとポートB用のビット線BLBを接続し、アクセストランジスタAC2bは、WLBが活性化された際に反転記憶ノードNbとポートB用の反転ビット線/BLBを接続する。
【0029】
ビット線BLAおよび/BLAは、ポートA用のビット線対を構成し、ビット線BLBおよび/BLBは、ポートB用のビット線対を構成する。
【0030】
ワード線WLA,WLBは、それぞれ行方向に並んで配置され、ビット線BLA,/BLA,BLB,/BLBは、それぞれ列方向に並んで配置される。そして、1行が2本のワード線WLA,WLBを含むワード線群によって構成される。
【0031】
1列が4本のビット線BLA,/BLA,BLB,/BLBを含むビット線群によって構成される。
【0032】
各メモリセルMCは、この各行(ワード線群)と各列(ビット線群)の交点にそれぞれ配置されることになる。
【0033】
図3は、実施形態1に従う半導体装置のメモリアレイを説明する図である。
図3を参照して、同一列(ビット線BLA,/BLA,BLB,/BLB)上で順に配置された3行分のメモリセルMC1〜MC3が示されている。
【0034】
メモリセルMC1にはワード線WLA1,WLB1が接続される。
メモリセルMC2にはワード線WLA2,WLB2が接続される。
【0035】
メモリセルMC3にはワード線WLA3,WLB3が接続される。
各ワード線の行方向の配置は、ワード線WLB1、WLA1、WLA2、WLB2、WLB3、WLA3の順となっている。
【0036】
例えば、ワード線WLA1は、寄生容量(カップリング容量)CC1によってWLB1と干渉し、寄生容量CC2によってWLA2と干渉する。
【0037】
ワード線WLA1とWLB1は、非同期動作に伴い、同一サイクル内で共に信号の遷移(活性化または非活性化)が生じることがある。
【0038】
一方、ワード線WLA1とWLA2は、同一サイクル内で共に信号の遷移が生じることはない。
【0039】
図4は、実施形態1に従うワード線のみを抽出したレイアウト構成を示す平面図である。
【0040】
図4を参照して、1ビットのセルを行方向に3ビット並べたような構成となる。
この場合、セル内のワード線(WLAとWLB)の間隔は広く、セル間のワード線(WLAとWLA又はWLBとWLB)の間隔は狭くなる。
【0041】
図5は、図3における2行目および3行目のメモリセルMC2,MC3を含んだレイアウト構成例を示す平面図である。
【0042】
図6は、上層の配線レイアウト構成図である。
図6(A)には、図5の更に上層のレイアウト構成例が示されている。
【0043】
図6(B)には、図5図6(A)を組み合わせた場合におけるレイアウトイメージの等価回路図が示されている。
【0044】
図6(A)には、具体的には、第1ビアホールから第3メタル配線層までのレイアウト構成例が示されている。まず、1ビット分のメモリセルMC2のレイアウト構成例について説明する。
【0045】
また、図5においては、トランジスタ形成層から第1メタル配線層までのレイアウト構成例が示されている。
【0046】
当該図5を参照して、半導体基板の表面には、1つのN型ウェル領域NWと、そのN型ウェル領域NWを挟む2つのP型ウェル領域PW0,PW1とが形成される。N型ウェル領域NW内には、PMOSトランジスタとなる負荷トランジスタLD1,LD2が形成される。
【0047】
P型ウェル領域PW0内には、NMOSトランジスタとなるドライバトランジスタDR1およびアクセストランジスタAC1a,AC2aが形成される。P型ウェル領域PW1内には、NMOSトランジスタとなるドライバトランジスタDR2およびアクセストランジスタAC1b,AC2bが形成される。
【0048】
負荷トランジスタLD1は、ポリシリコンPO1からなるゲートと、その両脇に形成されたP型拡散領域DP1からなるソースおよびドレインとを有している。ソースは、コンタクトC101を介して電源電圧VDDが供給される第1メタル配線層M101に接続される。ドレインは、コンタクトC102を介して第1メタル配線層M102に接続される。
【0049】
負荷トランジスタLD2は、ポリシリコンPO2からなるゲートとその両脇に形成されたP型拡散領域DP2からなるソースおよびドレインを有している。ソースは、コンタクトC103を介して電源電圧VDDが供給される第1メタル配線層M103に接続される。ドレインは、コンタクトC104を介して第1メタル配線層M104に接続される。
【0050】
ドライバトランジスタDR1は、負荷トランジスタLD1のゲートにも繋がるポリシリコンPO1からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN1からなるソースおよびドレインとを有している。ソースは、2つのコンタクトC105a,C105bを介して接地電圧GNDが供給される第1メタル配線層M105に接続される。ドレインは、コンタクトC106を介して負荷トランジスタLD1のドレインにも繋がる第1メタル配線層M102に接続される。
【0051】
アクセストランジスタAC1aは、ポリシリコンPO3からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN2からなるソースおよびドレインとを有している。ソースおよびドレインの一方は、コンタクトC107を介して負荷トランジスタLD1およびドライバトランジスタDR1のドレインにも繋がる第1メタル配線層M102に接続される。ソースおよびドレインの他方は、コンタクトC108を介してビット線BLAに接続される第1メタル配線層M106に接続される。
【0052】
アクセストランジスタAC2aは、アクセストランジスタAC1aのゲートにも繋がるポリシリコンPO3からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN3からなるソースおよびドレインとを有している。ソースおよびドレインの一方は、コンタクトC109を介してLD2のドレイン等にも繋がる第1メタル配線層M104に接続される。ソースおよびドレインの他方は、コンタクトC110を介して反転ビット線/BLAに接続される第1メタル配線層M107に接続される。
【0053】
また、アクセストランジスタAC1aおよびAC2aのゲートとなるポリシリコンPO3は、コンタクトC111を介してワード線WLAに接続される第1メタル配線層M108に接続される。
【0054】
一方、ドライバトランジスタDR2は、負荷トランジスタLD2のゲートにも繋がるポリシリコンPO2からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN4からなるソースおよびドレインとを有している。ソースは、2つのコンタクトC112a,C112bを介して接地電圧GNDが供給される第1メタル配線層M109に接続される。ドレインは、コンタクトC113を介してLD2のドレイン等にも繋がる第1メタル配線層M104に接続される。
【0055】
アクセストランジスタAC1bは、ポリシリコンPO4からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN5からなるソースおよびドレインとを有している。ソースおよびドレインの一方は、コンタクトC114を介して負荷トランジスタLD1およびドライバトランジスタDR1のドレインにも繋がる第1メタル配線層M102に接続される。ソースおよびドレインの他方は、コンタクトC115を介してビット線BLBに接続される第1メタル配線層M110に接続される。
【0056】
アクセストランジスタAC2bは、アクセストランジスタAC1bのゲートにも繋がるポリシリコンPO4からなるゲートと、その両脇に形成されたN型拡散領域DN6からなるソースおよびドレインとを有している。ソースおよびドレインの一方は、コンタクトC116を介して負荷トランジスタLD2のドレイン等にも繋がる第1メタル配線層M104に接続される。ソースおよびドレインの他方は、コンタクトC117を介して反転ビット線/BLBに接続される第1メタル配線層M111に接続される。
【0057】
また、アクセストランジスタAC1bおよびAC2bのゲートとなるポリシリコンPO4は、コンタクトC118を介してワード線WLBに接続される第1メタル配線層M112に接続される。
【0058】
ドライバトランジスタDR1および負荷トランジスタLD1のゲートとなるポリシリコンPO1は、コンタクトC119を介して負荷トランジスタLD2のドレイン等に導通する第1メタル配線層M104に接続される。ドライバトランジスタDR2および負荷トランジスタLD2のゲートとなるポリシリコンPO2は、コンタクトC120を介して負荷トランジスタLD1のドレイン等に導通する第1メタル配線層M102に接続される。
【0059】
なお、各P型拡散領域DP1,DP2は、それぞれ対応するポリシリコンのゲートをマスクとしてN型ウェル領域NWにP型不純物を注入することにより形成され、各N型拡散領域DN1〜DN6も、それぞれ対応するポリシリコンのゲートをマスクとしてP型ウェル領域PW0,PW1内にN型不純物を注入することにより形成される。
【0060】
次いで、図6(A)を参照して、図5の上層には、左右両側に第2メタル配線層M21aおよびM21bが形成され、その間で、ライン状に並んで配置された第2メタル配線層M23〜M29が形成される。第2メタル配線層M23およびM25は、それぞれ、ビット線BLAおよび反転ビット線/BLAに該当し、その間に配置された第2メタル配線層M24には、接地電圧GNDが供給される。
【0061】
第2メタル配線層M27およびM29は、それぞれ、ビット線BLBおよび反転ビット線/BLBに該当し、その間に配置された第2メタル配線層M28には、接地電圧GNDが供給される。
【0062】
そして、第2メタル配線層M25とM27の間に配置された第2メタル配線層M26には、電源電圧VDDが供給される。
【0063】
第2メタル配線層M21aは、第1ビアホールV101を介して図5の第1メタル配線層M108に接続される。第2メタル配線層M21bは、第1ビアホールV106を介して図5の第1メタル配線層M112に接続される。第2メタル配線層M23は、第1ビアホールV102を介して図5の第1メタル配線層M106に接続される。第2メタル配線層M25は、第1ビアホールV103を介して図5の第1メタル配線層M107に接続される。第2メタル配線層M24は、第1ビアホールV107を介して図5の第1メタル配線層M105に接続される。第2メタル配線層M27は、第1ビアホールV109を介して図5の第1メタル配線層M110に接続される。第2メタル配線層M29は、第1ビアホールV110を介して図5の第1メタル配線層M111に接続される。第2メタル配線層M28は、第1ビアホールV105を介して図5の第1メタル配線層M109に接続される。そして、第2メタル配線層M26は、第1ビアホールV104を介して図5の第1メタル配線層M103に接続されると共に、第1ビアホールV108を介して図5の第1メタル配線層M101にも接続される。
【0064】
このように、第2メタル配線層においては、ビット線BLA(又はBLB)と反転ビット線/BLA(又は/BLB)の間が接地電圧GNDの配線(GNDライン)によってシールドされ、ポートA用の反転ビット線/BLAとポートB用のビット線BLBの間が電源電圧VDDの配線(VDDライン)によってシールドされた構成となっている。
【0065】
また、第2メタル配線層の上層には互いにライン状に並んで配置された第3メタル配線層M31,M32が形成される。第3メタル配線層M31は、ワード線WLA2に該当し、第3メタル配線層M32は、ワード線WLB2に該当する。第3メタル配線層M31は、第2ビアホールV21を介して第2メタル配線層M21aに接続され、第3メタル配線層M32は、第2ビアホールV22を介して第2メタル配線層M21bに接続される。
【0066】
次に、メモリセルMC2と隣接するメモリセルMC3に関しては、図5に示すように、メモリセルMC2とMC3の境界線を基準に線対称となるレイアウト構成を備えている。
【0067】
したがって、この境界部に位置し、メモリセルMC2のドライバトランジスタDR1のソースとなる拡散領域(DN1)、コンタクト(C105a,C105b)および第1メタル配線層(M105)は、メモリセルMC3のドライバトランジスタDR1のソースとしても共通に用いられる。同様に、負荷トランジスタLD1のソースや、アクセストランジスタAC1b,AC2bのソース・ドレインの一方も、メモリセルMC2とMC3で共通に用いられる。なお、図示はしないが、例えばメモリセルMC2とMC1の境界部に関しても同様に、この境界部に位置する拡散領域、コンタクトおよび第1メタル配線層が、メモリセルMC2とMC1とで共通に用いられる。
【0068】
また、図6(A)においても同様に、メモリセルMC2とMC3は、その境界線を基準に線対称となるレイアウト構成を備えている。メモリセルMC3においては、メモリセルMC2の場合と同様に、ワード線WLA接続用の第2メタル配線層M22aとワード線WLB接続用の第2メタル配線層M22bが、前述した境界線を挟んでメモリセルMC2内の第2メタル配線層M21aおよびM21bと線対称に配置されている。
【0069】
図7は、図5図6(A)を組み合わせた場合の断面構成図である。
図7(A)には、図5および図6(A)のA−A#間の断面図、図7(B)には、図5および図6(A)のB−B#間の断面図が示されている。
【0070】
図7(A)を参照して、半導体基板SUB内にP型ウェル領域PWが形成され、P型ウェル領域PW内に、NMOSトランジスタのソース又はドレインとなるN型拡散領域DN4,DN5が形成される。半導体基板SUB上には、MOSトランジスタのゲートとなるポリシリコンPO2,PO4が形成され、その上部に第1メタル配線層M109,M110,M102が形成される。第1メタル配線層M109,M110,M102は、対応するコンタクトC112a,C114,C115を介してN型拡散領域DN4,DN5に接続される。
【0071】
第1メタル配線層の上部には、第2メタル配線層M2からなるビット線BLBが形成される。
【0072】
ビット線BLBは、第1ビアホールV109を介して第1メタル配線層M110に接続される。第2メタル配線層M2の上部には、ビット線BLBと直交する方向(紙面を貫く方向)に延伸する第3メタル配線層M3が形成される。第3メタル配線層M3においては、ワード線WLAとワード線WLBが形成される。ここで、ワード線WLA−WLB間のピッチが、ワード線WLA−WLA間およびWLB−WLB間のピッチよりも大きく形成されている。
【0073】
図7(B)においては、半導体基板SUB内にP型ウェル領域PW0,PW1およびN型ウェル領域NWが形成され、SUB上にMOSトランジスタのゲートとなるポリシリコンPO2,PO3が形成される。
【0074】
P型ウェル領域PW0内にはN型拡散領域DN2,DN3が形成され、NW内にはP型拡散領域DP2が形成される。
【0075】
P型ウェル領域PW1内にはN型拡散領域DN4が形成される。
なお、これらの拡散領域は、便宜上示したものであり、実際には図5から判るように、当該拡散領域を両側に備えたMOSトランジスタのチャネルの部分に該当することになる。
【0076】
ポリシリコンの上部には、第2メタル配線層M2が形成される。第2メタル配線層M2においては、両側にワード線WLA接続用の第2メタル配線層M21aとワード線WLB接続用の第2メタル配線層M21bが形成され、その間に、ビット線BLA,/BLA,BLB,/BLBおよびGNDラインならびにVDDラインが形成される。
【0077】
GNDラインは、ビット線BLAと/BLAの間およびビット線BLBと/BLBの間にそれぞれ配置される。VDDラインは、ビット線/BLAとBLBの間に配置される。
【0078】
また、第2メタル配線層M2の上部には第3メタル配線層M3となるワード線WLA2が形成され、ワード線WLA2は、第2ビアホールV21を介して第2メタル配線層M21aに接続される。
【0079】
(ワード線のカップリングノイズを低減する構成)
図8は、実施形態1に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
【0080】
図8を参照して、実施形態1においては、ワード線WLAに対応してダミーワード線DWLAを設ける。また、ワード線WLBに対応してダミーワード線DWLBを設ける。
【0081】
具体的には、メモリセル行にそれぞれ対応して配置された第1ポート用の複数のワード線WLAにそれぞれ対応して上層に複数の第1のダミーワード線DWLAを設ける。また、メモリセル行にそれぞれ対応して配置された第2ポート用の複数のワード線WLBにそれぞれ対応して上層に複数の第2のダミーワード線DWLBを設ける。
【0082】
本例においては、一例としてワード線WLAn−1に対応してダミーワード線DWLAn−1が設けられる。ワード線WLAnに対応してダミーワード線DWLAnが設けられる。一例としてワード線WLBn−1に対応してダミーワード線DWLBn−1が設けられる。一例としてワード線WLBnに対応してダミーワード線DWLBnが設けられる。
【0083】
また、それぞれのワード線WLA,WLBおよびダミーワード線DWLA,DWLBを駆動するドライバ回路が設けられる。
【0084】
本例においては、ワード線WLA,WLBを駆動するワード線ドライバ回路と、ダミーワード線DWLA,DWLBを駆動するダミーワード線ドライバ回路とが設けられる。
【0085】
インバータ3An,3An−1,3Bn,3Bn−1は、ワード線WLAn,WLAn−1,WLBn,WLBn−1を駆動し、ワード線ドライバ回路を構成する。
【0086】
2段のインバータで構成されるインバータ群4An,4An−1,4Bn,4Bn−1は、ダミーワード線DWLAn,DWLAn−1,DWLBn,DWLBn−1を駆動し、ダミーワード線ドライバ回路を構成する。
【0087】
インバータ群4Anは、インバータ3Bnと同一のデコード信号XBnに従って動作する。
【0088】
具体的には、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「L」レベル)に従ってワード線WLBnを「H」レベルに駆動する場合には、インバータ群4Anは、ダミーワード線DWLAnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「H」レベル)に従ってワード線WLBnを「L」レベルに設定する場合には、インバータ群4Anは、ダミーワード線DWLAnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0089】
同様に、インバータ群4Bnは、インバータ3Anと同一のデコード信号XAnに従って動作する。
【0090】
具体的には、インバータ3Anがデコード信号XAn(「L」レベル)に従ってワード線WLAnを「H」レベルに駆動する場合には、インバータ群4Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Anがデコード信号XAn(「H」レベル)に従ってワード線WLAnを「L」レベルに設定する場合には、インバータ群4Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0091】
インバータ群4An−1は、インバータ3Bn−1と同一のデコード信号XBn−1に従って動作する。
【0092】
具体的には、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する場合には、インバータ群4An−1は、ダミーワード線DWLAn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「L」レベルに設定する場合には、インバータ群4An−1は、ダミーワード線DWLAn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0093】
同様に、インバータ群4Bn−1は、インバータ3An−1と同一のデコード信号XAn−1に従って動作する。
【0094】
具体的には、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「H」レベルに駆動する場合には、インバータ群4Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「L」レベルに設定する場合には、インバータ群4Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0095】
図9は、実施形態1に従うダミーワード線が配置される上層の配線レイアウト構成図である。
【0096】
図9に示されるように、ワード線WLA,WLBの上層にダミーワード線DWLA,DWLBが配置される。本例においては第3メタル配線層を用いてワード線WLA,WLBが形成される。また、第4メタル配線層を用いてダミーワード線DWLA,DWLBが形成される場合が示されている。
【0097】
図10は、実施形態1に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
【0098】
図10を参照して、図9のC−C#間の断面図が示されている。
具体的には、左からワード線WLAn−1,WLBn−1,WLBn,WLAnの順番に配置されている場合が示されている。
【0099】
また、ワード線WLA,WLBに対応して上層にダミーワード線DWLA,DWLBが配置される。
【0100】
具体的には、左からダミーワード線DWLAn−1,DWLBn−1,DWLBn,DWLAnの順番に配置されている場合が示されている。
【0101】
ここで、ワード線WLA,WLBは互いに非同期で動作する。
したがって、例えば、ワード線WLAn−1が駆動した場合には、カップリングノイズによりワード線WLBn−1は、ワード線WLAn−1の影響を受けることになる。
【0102】
本例においては、ワード線WLAn−1が駆動した際に、ワード線WLBn−1に与えるカップリングノイズの影響をダミーワード線DWLBn−1がキャンセルする方式である。
【0103】
図11は、実施形態1に従うデコード信号に基づくワード線およびダミーワード線の駆動について説明するタイミングチャート図である。
【0104】
図9を参照して、時刻T0において、Aポート用のデコード信号が「L」レベルに設定される。これに従いワード線WLAn−1を「H」レベルに駆動する。
【0105】
一方で、Aポート用のデコード信号(「L」レベル)に従いダミーワード線DWLBn−1を「L」レベルに駆動する。
【0106】
また、時刻T2において、Aポート用のデコード信号が「H」レベルに設定される。これに従いワード線WLAn−1を「L」レベルに立ち下げる。この際、Aポート用のデコード信号(「H」レベル)に従いダミーワード線DWLBn−1を「H」レベルに駆動する。
【0107】
当該構成により、ワード線WLAn−1を「H」レベルに駆動する際に隣接する他方のダミーワード線DWLBn−1を「L」レベルに駆動する。また、ワード線WLAn−1を「L」レベルに立ち下げる際に隣接する他方のダミーワード線DWLBn−1を「H」レベルに駆動する。
【0108】
したがって、ワード線WLAn−1が駆動した場合には、結合容量に従うカップリングノイズによりワード線WLBn−1は、ワード線WLAn−1の影響を受けることになる。
【0109】
しかしながら、ワード線WLAn−1が駆動した際に、隣接する他方のワード線WLBn−1に対応して設けられるダミーワード線DWLBn−1が逆相に駆動される。
【0110】
これにより、ワード線WLAn−1と、ダミーワード線DWLBn−1をそれぞれ逆相に駆動させることによりワード線WLBn−1に対する結合容量に従うカップリングノイズの影響をキャンセルすることが可能となる。
【0111】
同様に、非同期で動作するBポートについても同様である。
具体的には、時刻T1において、Bポート用のデコード信号が「L」レベルに設定される。これに従いワード線WLBnを「H」レベルに駆動する。
【0112】
一方で、Bポート用のデコード信号(「L」レベル)に従いダミーワード線DWLAnを「L」レベルに駆動する。
【0113】
また、時刻T3において、Bポート用のデコード信号が「H」レベルに設定される。これに従いワード線WLBnを「L」レベルに立ち下げる。この際、Bポート用のデコード信号(「H」レベル)に従いダミーワード線DWLAnを「H」レベルに駆動する。
【0114】
当該構成により、ワード線WLBnを「H」レベルに駆動する際に隣接する他方のダミーワード線DWLAnを「L」レベルに駆動する。また、ワード線WLBnを「L」レベルに立ち下げる際に隣接する他方のダミーワード線DWLAnを「H」レベルに駆動する。
【0115】
したがって、ワード線WLBnが駆動した場合には、結合容量に従うカップリングノイズによりワード線WLAnは、ワード線WLBnの影響を受けることになる。
【0116】
しかしながら、ワード線WLBnが駆動した際に、隣接する他方のワード線WLAnに対応して設けられるダミーワード線DWLAnが逆相に駆動される。
【0117】
これにより、ワード線WLBnと、ダミーワード線DWLAnをそれぞれ逆相に駆動させることによりワード線WLAnに対する結合容量に従うカップリングノイズの影響をキャンセルすることが可能となる。
【0118】
すなわち、面積増加を抑制しつつ、カップリングノイズを低減することが可能な半導体装置を実現することが可能となる。
【0119】
(変形例1)
図12は、実施形態1の変形例1に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
【0120】
図12を参照して、図10の構成と比較して、ダミーワード線DWLA,DWLBの線幅を調整した場合が示されている。
【0121】
ワード線WLA,WLBとダミーワード線DWLA,DWLBの線幅を同じにする必要はなく、線幅を調整するようにしても良い。
【0122】
具体的には、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチとが異なる場合も考えられる。
【0123】
したがって、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチとを比較して、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチの方が互いに隣接するワード線WLA,WLBとのピッチよりも距離がある場合について考える。当該場合には、本図に示されるように、ダミーワード線DWLA,DWLBが結合容量によりワード線WLA,WLBに与える結合容量に従うカップリングノイズの影響が互いに隣接するワード線WLB,WLAのカップリングノイズの影響と等しくなるようにダミーワード線DWLA,DWLBの線幅をワード線WLA,WLBよりも大きくしても良い。
【0124】
あるいは、反対にワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチとを比較して、互いに隣接するワード線WLA,WLBのピッチの方が、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチよりも距離がある場合について考える。当該場合には、ダミーワード線DWLA,DWLBがワード線WLA,WLBに与える結合容量に従うカップリングノイズの影響が互いに隣接するワード線WLB,WLAのカップリングノイズの影響と等しくなるようにダミーワード線DWLA,DWLBの線幅をワード線WLA,WLBよりも小さくしても良い。
【0125】
(変形例2)
上記の変形例1においては、線幅を調整する場合について説明した。
【0126】
図13は、実施形態1の変形例2に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBのレイアウトについて説明する図である。
【0127】
図13を参照して、図9の構成と比較して、ダミーワード線DWLA,DWLBの線の長さを調整した場合が示されている。
【0128】
ここでは、同一方向に配線されたダミーワード線DWLA,DWLBの長さを分割にすることにより短くした場合が示されている。これにより結合容量を調整することが可能である。
【0129】
具体的には、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチとが異なる場合も考えられる。
【0130】
したがって、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチとを比較して、ワード線WLBと、ダミーワード線DWLBとのピッチの方が互いに隣接するワード線WLA,WLBとのピッチよりも距離がある場合について考える。当該場合には、本図に示されるように、ダミーワード線DWLA,DWLBが結合容量によりワード線WLA,WLBに与える結合容量に従うカップリングノイズの影響が互いに隣接するワード線WLB,WLAのカップリングノイズの影響と等しくなるようにダミーワード線DWLA,DWLBの線長をワード線WLA,WLBよりも短くしても良い。あるいは、反対に結合容量を調整するためにダミーワード線DWLA,DWLBの長さを調整して長くするようにしても良い。
【0131】
また、上記の変形例1と組み合わせて結合容量を調整することも可能である。
(実施形態2)
上記の実施形態1においては、ダミーワード線DWLA,DWLBの線幅や長さを調整することにより結合容量によるカップリングノイズの影響を調整することが可能な方式について説明した。
【0132】
実施形態2においては、別の方式でダミーワード線DWLA,DWLBの線幅や長さを調整することにより結合容量によるカップリングノイズの影響を調整する場合について説明する。
【0133】
図14は、実施形態2に従うダミーワード線ドライバ回路の構成を説明する図である。
図14を参照して、実施形態2に従うダミーワード線ドライバ回路は、図8で説明したダミーワード線ドライバ回路と比較して、ダミーワード線ドライバ回路を構成するインバータ群4A,4Bの最終段のインバータの構成が異なる。
【0134】
具体的には、インバータ群4A,4Bの最終段のインバータが電源電圧VDDの代わりに他の電源線ADLCVDD,BDLCVDDの電圧の供給を受ける。
【0135】
すなわち、インバータ群4A,4Bの最終段のインバータは、ダミーワード線DWLA,DWLBを電源線ADLCVDD,BDLCVDDの電圧に従って駆動する。
【0136】
電源線ADLCVDDは、昇圧回路100と接続される。
昇圧回路100は、PチャネルMOSトランジスタ101と、コンデンサ102と、インバータ群103とを含む。
【0137】
昇圧回路100は、制御信号CLKAの入力を受けて動作し、電源電圧VDDを昇圧した昇圧電圧を電源線ADLCVDDに供給する。
【0138】
PチャネルMOSトランジスタ102は、電源電圧VDDと電源線ADLCVDDとの間に設けられ、そのゲートは制御信号CLKAの入力を受ける。
【0139】
制御信号CLKAが「H」レベルの場合には、PチャネルMOSトランジスタ101はオフである。一方、制御信号CLKAが「L」レベルの場合には、PチャネルMOSトランジスタはオンする。コンデンサ102は、PチャネルMOSトランジスタ101と並列に接続され、インバータ群103と接続される。インバータ群103は、制御信号CLKAの入力を受ける。
【0140】
初期状態においては、制御信号CLKAは、「L」レベルに設定されている。これに伴い、電源電圧VDDと電源線ADLCVDDが接続される。そして、制御信号CLKAが「H」レベルに設定されるに従い、PチャネルMOSトランジスタ101がオフする。そして、インバータ群103により「H」レベルの信号がコンデンサ102に出力される。
【0141】
インバータ群103からの信号に従いコンデンサ102にチャージされていた電荷が押し出されて電源線ADLCVDDの電圧が昇圧する。
【0142】
当該昇圧電圧を用いてダミーワード線DWLAを駆動する。
これにより、ダミーワード線DWLAからワード線WLAへのカップリングのノイズの影響を大きくすることが可能となる。
【0143】
すなわち、例えば、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLAと、ダミーワード線DWLAとのピッチとを比較して、ワード線WLAと、ダミーワード線DWLAとのピッチの方が、互いに隣接するワード線WLA,WLBのピッチよりも距離がある場合について考える。当該場合には、ダミーワード線DWLAがワード線WLAに与える結合容量に従うカップリングノイズの影響が大きくなるように、互いに隣接するワード線WLB,WLAのカップリングノイズの影響と等しくなるようにダミーワード線DWLAを駆動する電圧を大きくすることが可能である。
【0144】
なお、電源線ADLCVDDは、ダミーワード線DWLAに対応して設けられており、電源線ADLCVDDの電圧を昇圧する場合について説明したが、電源線BDLCVDDについても同様に適用可能である。すなわち、ダミーワード線DWLBに対応して設けられた電源線BDLCVDDの電圧を昇圧して、ダミーワード線DWLBを昇圧した電圧により駆動する。
【0145】
なお、上記においては、昇圧した電圧を用いてダミーワード線DWLA,DWLBを駆動する場合について説明したが、昇圧した電圧に限られず、降圧した電圧を用いることも可能である。
【0146】
(変形例)
図15は、実施形態2の変形例に従うダミーワード線ドライバ回路の構成を説明する図である。
【0147】
図15を参照して、実施形態2の変形例に従うダミーワード線ドライバ回路は、図14で説明したダミーワード線ドライバ回路と比較して、昇圧回路100の代わりに降圧回路110を設けた点が異なる。その他の構成については同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
【0148】
降圧回路110は、PチャネルMOSトランジスタ111,112と、インバータ113とを含む。
【0149】
電源電圧VDDと電源線ADLCVDDとの間にPチャネルMOSトランジスタ111が設けられる。また、電源線ADLCVDDと接地電圧GNDとの間にPチャネルMOSトランジスタ112が設けられる。PチャネルMOSトランジスタ111のゲートは接地電圧GNDと接続されている。したがって、PチャネルMOSトランジスタ111は常にオンしている。一方、PチャネルMOSトランジスタ112のゲートは、インバータ113を介する制御信号CLKAの入力を受ける。
【0150】
制御信号CLKAが「H」レベルの場合に、PチャネルMOSトランジスタ112はオンする。一方、制御信号CLKAが「L」レベルの場合に、PチャネルMOSトランジスタ112はオフする。
【0151】
したがって、制御信号CLKAの「H」レベルの期間を調整することにより電源線ADLCVDDの電圧レベルを調整することが可能である。
【0152】
制御信号CLKAの「H」レベルの期間が長いほど電源線ADLCVDDの電圧を降圧することが可能である。
【0153】
初期状態においては、制御信号CLKAは、「L」レベルに設定されている。これに伴い、電源電圧VDDと電源線ADLCVDDが接続される。そして、制御信号CLKAが「H」レベルに設定されるに従い、PチャネルMOSトランジスタ112がオンする。これに伴い、電源線ADLCVDDの電圧が降圧される。
【0154】
例えば、ワード線WLA,WLBとのピッチと、ワード線WLAと、ダミーワード線DWLAとのピッチとを比較して、互いに隣接するワード線WLA,WLBのピッチの方がワード線WLAと、ダミーワード線DWLAとのピッチよりも距離がある場合について考える。当該場合には、ダミーワード線DWLAがワード線WLAに与える結合容量に従うカップリングノイズの影響が小さくなるように、互いに隣接するワード線WLB,WLAのカップリングノイズの影響と等しくなるようにダミーワード線DWLAを駆動する電圧を小さくすることが可能である。
【0155】
なお、電源線ADLCVDDは、ダミーワード線DWLAに対応して設けられており、電源線ADLCVDDの電圧を降圧する場合について説明したが、電源線BDLCVDDについても同様に適用可能である。すなわち、ダミーワード線DWLBに対応して設けられた電源線BDLCVDDの電圧を降圧して、ダミーワード線DWLBを降圧した電圧により駆動する。
【0156】
(実施形態3)
図16は、実施形態3に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
【0157】
図16を参照して、実施形態3においては、ワード線の配列順序が実施形態1の構成と異なる。
【0158】
具体的には、一方のワード線WLAに隣接して、他方の2本のワード線WLBが設けられる。すなわち、ワード線WLA,WLBがそれぞれ交互に設けられる構成である。
【0159】
当該構成においても、ワード線のカップリングノイズを低減する構成について説明する。
【0160】
実施形態3においては、ワード線WLAに対応してダミーワード線DWLAを設ける。また、ワード線WLBに対応してダミーワード線DWLBを設ける。
【0161】
実施形態3に従うダミーワード線は、合成回路により駆動される。具体的には、インバータ群4A,4Bの代わりに合成回路5A,5Bが設けられる。
【0162】
合成回路5A,5Bは、ダミーワード線ドライバ回路を構成する。
合成回路5A,5Bは、NOR回路と、インバータとで構成される。
【0163】
具体的には、合成回路5A,5Bは、隣接するそれぞれのワード線を駆動するためのデコード信号の入力を受ける。合成回路5A,5Bは、当該デコード信号に従って隣接するそれぞれのワード線WLA,WLBと逆相にダミーワード線DWLA,DWLBをそれぞれ駆動する。
【0164】
合成回路5Anは、インバータ3Bnと同一のデコード信号XBnあるいは隣接するワード線に対応して設けられたインバータと同一のデコード信号に従って動作する。
【0165】
具体的には、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「L」レベル)に従ってワード線WLBnを「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5Anは、ダミーワード線DWLAnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「H」レベル)に従ってワード線WLBnを「L」レベルに設定する場合には、合成回路5Anは、ダミーワード線DWLAnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0166】
合成回路5Bnは、隣接するワード線WLAnに対応して設けられたインバータ3Anと同一のデコード信号XAnあるいは隣接するワード線WLBn−1に対応して設けられたインバータ3Bn−1と同一のデコード信号XBn−1に従って動作する。
【0167】
具体的には、インバータ3Anがデコード信号XAn(「L」レベル)に従ってワード線WLAnを「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Anがデコード信号XAn(「H」レベル)に従ってワード線WLAnを「L」レベルに設定する場合には、合成回路5Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0168】
また、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「L」レベルに設定する場合には、合成回路5Bnは、ダミーワード線DWLBnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0169】
合成回路5Bn−1は、隣接するワード線WLAn−1に対応して設けられたインバータ3An−1と同一のデコード信号XAn−1あるいは隣接するワード線WLBnに対応して設けられたインバータ3Bnと同一のデコード信号XBnに従って動作する。
【0170】
具体的には、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「L」レベルに設定する場合には、合成回路5Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0171】
また、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「L」レベル)に従ってワード線WLBnを「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「H」レベル)に従ってワード線WLBnを「L」レベルに設定する場合には、合成回路5Bn−1は、ダミーワード線DWLBn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0172】
合成回路5An−1は、隣接するワード線WLBn−1に対応して設けられたインバータ3Bn−1と同一のデコード信号XBn−1あるいは隣接するワード線に対応して設けられたインバータと同一のデコード信号に従って動作する。
【0173】
具体的には、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する場合には、合成回路5An−1は、ダミーワード線DWLAn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「L」レベルに設定する場合には、合成回路5An−1は、ダミーワード線DWLAn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0174】
図17は、実施形態3に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLA,DWLBの断面図である。
【0175】
図17を参照して、左からワード線WLAn−1,WLBn−1,WLAn,WLBnの順番に配置されている場合が示されている。
【0176】
また、ワード線WLA,WLBに対応して上層にダミーワード線DWLA,DWLBが配置される。
【0177】
具体的には、左からダミーワード線DWLAn−1,DWLBn−1,DWLAn,DWLBnの順番に配置されている場合が示されている。
【0178】
ここで、ワード線WLA,WLBは互いに非同期で動作する。
したがって、例えば、ワード線WLBn−1が駆動した場合には、カップリングノイズにより隣接する他方の2本のワード線WLAn−1とワード線WLAnとが、ワード線WLBn−1の影響を受けることになる。
【0179】
したがって、本例においては、ワード線WLBn−1が駆動した際に、隣接する2本の他方のワード線WLAnとワード線WLAn−1に与えるカップリングノイズの影響をダミーワード線DWLAnとダミーワード線DWLAn−1とがそれぞれキャンセルする方式である。
【0180】
当該構成により、ワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する際に隣接する他方の2本のダミーワード線DWLAn,DWLAn−1を「L」レベルに駆動する。また、ワード線WLBn−1を「L」レベルに立ち下げる際に隣接する他方の2本のダミーワード線DWLAn,DWLAn−1を「H」レベルに駆動する。
【0181】
したがって、ワード線WLBn−1が駆動した場合には、結合容量に従うカップリングノイズによりワード線WLAn,WLAn−1は、それぞれワード線WLBn−1の影響を受けることになる。
【0182】
しかしながら、ワード線WLBn−1が駆動した際に、隣接する他方の2本のワード線WLAn,WLAn−1にそれぞれ対応して設けられるダミーワード線DWLAn,DWLAn−1が逆相に駆動される。
【0183】
これにより、ワード線WLBn−1と、ダミーワード線DWLAn,DWLAn−1をそれぞれ逆相に駆動させることによりワード線WLAn,WLAn−1に対する結合容量に従うカップリングノイズの影響をキャンセルすることが可能となる。
【0184】
他のワード線WLAについても同様である。
(実施形態4)
上記の構成においては、ワード線WLA,WLBにそれぞれ対応してダミーワード線を設ける構成について説明した。
【0185】
一方で、ダミーワード線を共通に設けた構成とすることも可能である。
図18は、実施形態4に従うダミーワード線の構成を説明する図である。
【0186】
図18を参照して、実施形態4においては、ダミーワード線を共通に設けた点が実施形態1の構成と異なる。
【0187】
具体的には、2本のワード線に対応して共通のダミーワード線を設ける。
本例においては、ワード線WLBn,WLBn−1に対応して共通のダミーワード線DWLCn−1が設けられる。
【0188】
また、ワード線WLAn−2,WLAn−1に対応して共通のダミーワード線DWLCn−2が設けられる。
【0189】
また、ワード線WLAn,WLAn+1に対応して共通のダミーワード線DWLCnが設けられる。
【0190】
当該構成においても、ワード線のカップリングノイズを低減する構成について説明する。
【0191】
実施形態4に従うダミーワード線は、合成回路により駆動される。具体的には、合成回路5A,5Bの代わりに合成回路6Cが設けられる。
【0192】
合成回路6Cは、ダミーワード線ドライバ回路を構成する。
合成回路6Cは、NOR回路と、インバータとで構成される。
【0193】
具体的には、合成回路6Cは、隣接する他方のそれぞれのワード線を駆動するためのデコード信号の入力を受ける。合成回路6Cは、当該デコード信号に従って隣接する他方のそれぞれのワード線と逆相にダミーワード線DWLCを駆動する。
【0194】
合成回路6Cn−1は、2本のワード線WLBn,WLBn−1にそれぞれ隣接するワード線WLAnに対応して設けられたインバータ3Anと同一のデコード信号XAnあるいはワード線WLAn−1に対応して設けられたインバータ3An−1と同一のデコード信号XAn−1に従って動作する。
【0195】
合成回路6Cnは、2本のワード線WLAn,WLAn+1にそれぞれ隣接するワード線WLBnに対応して設けられたインバータ3Bnと同一のデコード信号XBnあるいはワード線WLBn+1に対応して設けられたインバータと同一のデコード信号XAn+1に従って動作する。
【0196】
合成回路6Cn−2は、2本のワード線WLAn−1,WLAn−2にそれぞれ隣接するワード線WLBn−1に対応して設けられたインバータ3Bn−1と同一のデコード信号XBn−1あるいはワード線WLBn−2に対応して設けられたインバータと同一のデコード信号XBn−2に従って動作する。
【0197】
具体的には、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「L」レベル)に従ってワード線WLBnを「H」レベルに駆動する場合には、合成回路6Cnは、ダミーワード線DWLCnを逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bnがデコード信号XBn(「H」レベル)に従ってワード線WLBnを「L」レベルに設定する場合には、合成回路6Cnは、ダミーワード線DWLCnを逆相の「H」レベルに駆動する。
【0198】
具体的には、インバータ3Anがデコード信号XAn(「L」レベル)に従ってワード線WLAnを「H」レベルに駆動する場合には、合成回路6Cn−1は、ダミーワード線DWLCn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Anがデコード信号XAn(「H」レベル)に従ってワード線WLAnを「L」レベルに設定する場合には、合成回路6Cn−1は、ダミーワード線DWLCn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0199】
また、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する場合には、合成回路6Cn−2は、ダミーワード線DWLCn−2を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3Bn−1がデコード信号XBn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLBn−1を「L」レベルに設定する場合には、合成回路6Cn−2は、ダミーワード線DWLCn−2を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0200】
具体的には、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「L」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「H」レベルに駆動する場合には、合成回路6Cn−1は、ダミーワード線DWLCn−1を逆相の「L」レベルに駆動する。一方で、インバータ3An−1がデコード信号XAn−1(「H」レベル)に従ってワード線WLAn−1を「L」レベルに設定する場合には、合成回路6Cn−1は、ダミーワード線DWLCn−1を逆相の「H」レベルに駆動する。
【0201】
図19は、実施形態4に従うワード線WLA,WLBと、ダミーワード線DWLCの断面図である。
【0202】
図19を参照して、左からワード線WLAn−2,WLAn−1,WLBn−1,WLBn,WLAn,WLAn−1の順番に配置されている場合が示されている。
【0203】
また、ワード線WLAn−2,WLAn−1に対応して共通にダミーワード線DWLCn−2が配置される。
【0204】
また、ワード線WLBn−1,WLBnに対応して共通にダミーワード線DWLCn−1が配置される。
【0205】
また、ワード線WLAn,WLAn+1に対応して共通にダミーワード線DWLCnが配置される。
【0206】
ここで、ワード線WLA,WLBは互いに非同期で動作する。
したがって、例えば、ワード線WLBn−1が駆動した場合には、カップリングノイズにより隣接する他方の2本のワード線WLAn−1とワード線WLAnとが、ワード線WLBn−1の影響を受けることになる。
【0207】
したがって、本例においては、ワード線WLBn−1が駆動した際に、隣接する他方のワード線WLAn−1に与えるカップリングノイズの影響をダミーワード線DWLCn−2がキャンセルする方式である。
【0208】
ワード線WLAn−1が駆動した際に、隣接する他方のワード線WLBn−1に与えるカップリングノイズの影響をダミーワード線DWLCn−1がキャンセルする方式である。
【0209】
当該構成により、ワード線WLBn−1を「H」レベルに駆動する際に隣接する他方のワード線に対応するダミーワード線DWLCn−2を「L」レベルに駆動する。また、ワード線WLBn−1を「L」レベルに立ち下げる際に隣接する他方のワード線に対応するダミーワード線DWLCn−2を「H」レベルに駆動する。
【0210】
したがって、ワード線WLBn−1が駆動した場合には、結合容量に従うカップリングノイズによりワード線WLAn−1は、ワード線WLBn−1の影響を受けることになる。
【0211】
しかしながら、ワード線WLBn−1が駆動した際に、隣接する他方のワード線WLAn−1に対応して設けられるダミーワード線DWLCn−2が逆相に駆動される。
【0212】
これにより、ワード線WLBn−1と、ダミーワード線DWLCn−2を逆相に駆動させることによりワード線WLAn−1に対する結合容量に従うカップリングノイズの影響をキャンセルすることが可能となる。
【0213】
他のワード線WLAについても同様である。
本実施の形態に従う半導体装置を用いることで、ワード線間において、ノイズマージンが大きい半導体装置を実現可能となる。また、このノイズマージンが大きい半導体装置を小面積で実現できる。特に、ワード線間において、ポート間干渉に対するノイズマージンが拡大可能となる。
【0214】
(その他実施形態)
例えば、ここでは、SRAMメモリセルを含んだマルチポートメモリを例に説明を行ったが、DRAMメモリセルを含んだマルチポートメモリなどに対しても同様に適用可能である。また、各実施の形態の一部もしくは全部を適宜組み合わせても良い。
【0215】
以上、本開示を実施形態に基づき具体的に説明したが、本開示は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0216】
100 昇圧回路、110 降圧回路、CTLA 第1ポートのコントロール部、CTLB 第2ポートのコントロール部、DWLA,DWLB ダミーワード線、IOC_A 第1ポートの入出力回路部、IOC_B 第2ポートの入出力回路部、ワード線WLA,WLB。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19