(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964084
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】リン酸塩鉱物からのリチウム回収
(51)【国際特許分類】
C22B 26/12 20060101AFI20211028BHJP
C22B 3/06 20060101ALI20211028BHJP
C22B 3/08 20060101ALI20211028BHJP
C22B 3/44 20060101ALI20211028BHJP
C01D 15/08 20060101ALI20211028BHJP
C02F 1/58 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
C22B26/12
C22B3/06
C22B3/08
C22B3/44 101A
C22B3/44 101Z
C01D15/08
C02F1/58 J
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-543633(P2018-543633)
(86)(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公表番号】特表2019-508587(P2019-508587A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】AU2017050142
(87)【国際公開番号】WO2017139852
(87)【国際公開日】20170824
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】2016900582
(32)【優先日】2016年2月18日
(33)【優先権主張国】AU
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517110922
【氏名又は名称】リ−テクノロジー プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Li−Technology Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ゲイリー ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ウルバーニ,マーク ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインズ,ニコラス ジョン
【審査官】
河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−531826(JP,A)
【文献】
米国特許第02024026(US,A)
【文献】
国際公開第2015/058287(WO,A1)
【文献】
国際公開第2016/054683(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00−61/00
C02F 1/58−1/64
C01D 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物からリチウムを回収する方法であって、
リチウムおよびリン酸塩の豊富な1種または複数種の鉱物を含有する鉱石を酸浸出工程へと送り、それにより浸出貴液を製造する工程と、
該浸出貴液に一連のプロセス工程を施すことによって、1種または複数種の不純物元素を取り除く工程と、
リチウム含有塩生成物としてリチウムを回収する工程とを含み、
1種または複数種の不純物元素を除去する該一連のプロセス工程が、ミョウバン石類似物を含む不純物を沈殿させるために90℃を超える高温においてpH2〜3の範囲で実施される低pH不純物除去工程を含み、前記低pH不純物除去工程において塩基が添加されるものであり、
ここで、ミョウバン石類似物が、NaAl3(XO4)2(Y)6(式中、Xは、SまたはPであり、Yは、OHまたはFである)である、方法。
【請求項2】
前記低pH不純物除去工程において添加される前記塩基が、石灰石、石灰、または一価の炭酸塩もしくは水酸化物塩のうちの1つまたは複数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低pH不純物除去工程の前記沈殿する不純物が、硫酸、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、および/またはフッ化物を含み、石膏として沈澱する硫酸塩、ならびにリン酸カルシウムとして沈澱するリン酸塩であってもよい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記低pH不純物除去工程の条件が前記低pH不純物除去工程においてリチウムが全く共沈殿しないものである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記リチウム含有塩生成物が、Li2CO3および/またはLiOH・H2Oを含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
リチウムおよびリン酸塩の豊富な前記鉱物が、アンブリゴナイトおよび/またはモンテブラサイトを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記酸浸出工程の前に前処理工程が提供され、前処理工程が選鉱工程および粉砕工程の一方または両方を含むものであり、選鉱工程が浮遊選鉱工程であってもよく、粉砕工程が微粉砕工程であってもよい、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記粉砕工程が下記粒径を有する生成物を生じる、請求項7に記載の方法:
(i)<P80 150ミクロン;または
(ii)<P80 75ミクロン。
【請求項9】
前記酸浸出工程の際に濃硫酸が加えられ、結果として、含有される任意のリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物の少なくともある割合が溶液中に抽出され、それにより、浸出貴液が形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記浸出工程が、大気圧条件下かつ下記温度において実施される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法:
(i)沸点温度;または
(ii)90℃から120℃の温度。
【請求項11】
前記浸出工程が、50g/L(H2SO4)を超える遊離酸濃度を提供する過剰なH2SO4によって実施されるものであり、かつ下記に対応するものであってもよい、請求項9に記載の方法:
(i)前記総硫酸塩濃度が、前記浸出温度における前記溶液の前記飽和限界濃度である;または
(ii)前記総硫酸塩濃度が、>90℃において6.0M(S)である。
【請求項12】
前記酸浸出工程において、90%を超える金属抽出が、12時間の保持時間によって達成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記低pH不純物除去工程が、同伴のリチウムを回収するために水で洗浄される沈殿した固体を生じる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ろ液が、低pH不純物除去工程から高pH不純物除去工程へと送られ、そこで、不純物の卑金属が、塩基の添加により沈殿されるものであり、前記塩基が、石灰および/または一価の水酸化物塩であってもよく、かつ、前記不純物卑金属が、鉄、マンガン、および/またはマグネシウムを含んでいてもよい、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
添加される塩基が石灰であり、かつ、カルシウムが、一価の炭酸塩の添加によって、前記高pH不純物除去工程のろ過生成物から沈殿するものであり、前記一価の炭酸塩がLi2CO3またはNa2CO3であってもよい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
炭酸リチウムが、カルシウム沈殿の前記ろ過生成物への一価の炭酸塩の添加によって沈殿するものであり、前記炭酸塩がNa2CO3であってもよい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記高pH不純物除去工程がpH>9で実施される、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
カルシウムが、一価の炭酸塩の添加によって、前記高pH不純物除去工程のろ過生成物から沈殿するものであり、前記一価の炭酸塩がLi2CO3またはNa2CO3であってもよく、
炭酸リチウムが、カルシウム沈殿の前記ろ過生成物への一価の炭酸塩の添加によって沈殿するものであり、
Li2CO3沈澱ステージが高温で実施されるものであり、前記高温が>90℃であってもよく、かつ
液量が、エバポレーションによって減らされる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
Li2CO3沈澱ステージの高温が>90℃である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩の豊富な鉱物からのリチウムの回収のためのプロセスに関する。より詳細には、本発明のプロセスは、アンブリゴナイトおよびモンテブラサイトなどの鉱物からのリチウムの回収を考慮に入れることが意図される。
【0002】
本発明のプロセスは、1つまたは複数の工程が、他の組み合わせにおいて、他の目的のために、鉱物処理および湿式精錬プロセスにおいて以前に使用されていた場合もある作業工程の、新規の改良された組み合わせからなる。
【背景技術】
【0003】
商業的に採掘されたLi
2CO
3の主要供給源は、歴史的に、塩水およびスポジュメン含有鉱石からもたらされてきた。これまで、アンブリゴナイトの豊富な鉱物または精鉱からのLi
2CO
3の商業的生産は存在しなかった。アンブリゴナイトは、多くのペグマタイト鉱床に存在し、いくつかのペグマタイトにおいてはスポジュメンと共存している。スポジュメン精鉱からLi
2CO
3を製造する精錬所にとって、アンブリゴナイトの存在は問題を孕むものである。そのため、アンブリゴナイトのリチウム含有量は価値がなく、スポジュメン選鉱所において拒絶される。
【0004】
アンブリゴナイトからリチウムを回収することが、実験室において、しばしば試みられている。重要なことに、先行技術の努力において、鉱物の酸性媒質での直接浸出を伴うものはなかった。
【0005】
1935年に、ColemanおよびJaffaが、2ステージ浸出プロセスを伴う、アンブリゴナイトからリチウムを回収するプロセスに対して特許文献1の特許を取得した。最初に、鉱石を、数時間かけて熱水酸化ナトリウム溶液に浸出させ、溶解したリン酸アルミニウムと不溶性のリチウムの豊富な残留物とを含有するスラリーを製造する。残ったリン酸塩を除去するために、当該残留物をさらに、リン酸またはリン酸二水素ナトリウム溶液で処理し、次いで、リチウムを溶解させるために硫酸で浸出させる。水酸化ナトリウム溶液に対する要件のために、当該プロセスの運用コストは高いと思われ、ならびに当該アルカリ性浸出液は、安定な廃水流を生成するために、さらなる処理を必要とする。
【0006】
SiegensおよびRoderは、1936年に、アンブリゴナイト鉱石からリチウムを抽出するプロセスに対して特許文献2の特許を取得した。このプロセスは、100〜200℃の間の温度において鉱石を硫酸と共に予備加熱する工程、続いて最高850℃までの温度で焙焼する工程を伴う。当該か焼物を浸出させる水は、硫酸リチウムとして95%のリチウムを、鉱物から溶液中へと効率的に抽出する。このプロセスは、加熱プロセスおよび焙焼プロセスに対する要件に起因して、商業的に実施可能な低エネルギーコストを頼りにしている。
【0007】
KalenowskiおよびRunkeも、アンブリゴナイトからリチウムを抽出するための高温焙焼プロセスについて記載している(非特許文献1を参照されたい)。アンブリゴナイト精鉱を、石膏および石灰(2:1の質量比)と混合し、950℃で最長2時間まで焙焼している。結果として得られるか焼物を、20%の固形分において水浸出させ、結果として、当該精鉱から97.3%のリチウム抽出物を得ている。このプロセスも、商業的に実用可能な低エネルギーコストを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2024026号
【特許文献2】米国特許第2040573号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Recovery of lithium from spodumene−amblygonite mixtures, Bureau of Mines, US Department of the Interior, Report of Investigations 4863;1952
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
リン酸塩からのリチウムの分離は、当業者によって問題があると考えられてきた。これは、ある程度、リン酸リチウムおよび炭酸リチウムの両方が高pH(>7)において不溶性であることに起因する。したがって、リン酸塩からリチウムを分離してリン酸リチウムの沈殿物としてのリチウムの損失を最小限に抑えることにおいて、低pH沈殿ステージの条件は重要である。
【0011】
本発明の回収プロセスは、先行技術に関連する問題を実質的に克服すること、または有用なその代替策を少なくとも提供することをその目的の1つとして有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
背景技術における先述の説明は、本発明の理解を促進することのみを目的としている。当該説明は、言及される材料のいずれかが、本出願の優先日において、オーストラリアまたは任意の他の国もしくは地域で一般的な知識の一部であったことを確認または承認するものではないことは理解されるべきである。
【0013】
用語「リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物」または同様のものは、例えば、アンブリゴナイトおよびモンテブラサイトによって例示されるように、それらの化学構造内にリンおよびリチウムを含有する鉱物を包含すると理解されるべきである。この用語は、非リチウム−リン酸塩含有鉱物、例えば、アパタイトCa
5(PO
4)
3(OH)など、の鉱石または精鉱を、非リン酸塩−リチウム含有鉱物、例えば、レピドライトなど、との組み合わせにおいて、含むことを意図するものではなく、ならびに含むと理解されるべきではない。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、文脈がそうでないことを必要としない限り、語句「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、言及された整数または整数の群を含むが他の整数または整数の群も除外しないことを意味するものと理解される。
【0015】
本発明の開示
本発明により、リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物からリチウムを回収するプロセスであって、リチウムおよびリン酸塩の豊富な1種または複数種の鉱物を含有する鉱石を酸浸出工程へと送り、それにより浸出貴液(pregnant leach solution)を製造する工程と、当該浸出貴液に一連のプロセス工程を施すことによって、1種または複数種の不純物元素を取り除く工程と、リチウム含有塩生成物としてリチウムを回収する工程とを含み、1種または複数種の不純物元素を除去する当該一連のプロセス工程が、1種または複数種の不純物を沈殿させるために高温において実施される低pH不純物除去工程を含む、プロセスが提供される。
【0016】
好ましくは、当該低pH不純物除去工程の当該高温は、約90℃を超える。
【0017】
好ましくは、当該低pH不純物除去工程に塩基が添加される。当該塩基は、好ましくは、石灰石、石灰、または一価の炭酸塩もしくは水酸化物塩のうちの1つまたは複数である。沈殿する不純物は、好ましくは、硫酸、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、および/またはフッ化物を含む。
【0018】
さらに好ましくは、当該低pH不純物除去工程の条件は、最小限のリチウムが共沈殿するような条件である。一形態において、当該低pH不純物除去工程では、リチウムは、実質的に全く共沈殿しない。
【0019】
好ましくは、当該リチウム含有塩生成物は、Li
2CO
3および/またはLiOH・H
2Oを含有する。
【0020】
好ましくは、リチウムおよびリン酸塩の豊富な当該鉱物は、アンブリゴナイトおよび/またはモンテブラサイトを含む。
【0021】
好ましくは、酸浸出工程の前に、前処理工程が提供される。当該前処理工程は、選鉱工程および粉砕工程の一方または両方を含み得る。当該粉砕工程は、好ましくは、微粉砕工程であり得る。選鉱工程は、浮遊選鉱工程であり得る。
【0022】
さらに好ましくは、当該粉砕工程は、<P
80 150ミクロンの粒径を有する生成物を生じる。
【0023】
さらに好ましくは、当該粉砕工程(ii)は、<P
80 75ミクロンの粒径を有する生成物を生じる。
【0024】
好ましくは、当該浸出工程の際に、濃硫酸が加えられる。
【0025】
さらに好ましくは、当該酸浸出工程により、結果として、含有される任意のリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物の少なくともある割合が溶液中に抽出され、それにより、浸出貴液(「PLS」)が形成される。
【0026】
好ましくは、当該浸出工程は、大気圧条件下において実施される。
【0027】
当該浸出工程は、好ましくは、沸点に近い温度、例えば、90℃から120℃またはその付近において実施される。
【0028】
当該浸出工程は、好ましくは、約50g/L(H
2SO
4)を超える遊離酸濃度を提供する過剰なH
2SO
4と共に行われる。
【0029】
さらに好ましくは、総硫酸濃度は、当該浸出温度での当該溶液の飽和限界に近い。例えば、これは、>90℃で6.0M(S)であり得る。
【0030】
さらに好ましくは、当該浸出工程において、約90%を超える金属抽出が、約12時間の保持時間によって達成される。
【0031】
好ましくは、当該低pH不純物除去工程から得られる固体は、同伴のリチウムを回収するために水で洗浄される。
【0032】
低pH不純物除去工程から得られるろ液は、高pH不純物除去工程に送られ、そこで、塩基の添加により、不純物の卑金属が沈殿する。当該塩基は、好ましくは、石灰および/または一価の水酸化物塩である。当該不純物卑金属は、好ましくは、鉄、マンガン、および/またはマグネシウムを含む。
【0033】
好ましくは、一価の炭酸塩の添加によって、当該高pH不純物除去工程のろ過生成物からカルシウムが沈殿する。当該炭酸塩は、好ましくは、Li
2CO
3またはNa
2CO
3のうちの一方である。
【0034】
さらに好ましくは、カルシウム沈殿のろ過生成物への一価の炭酸塩の添加によって、炭酸リチウムが沈殿する。当該炭酸塩は、好ましくは、Na
2CO
3である。炭酸リチウムの分離は、好ましくは、ろ過または傾瀉(decantation)によって行われる。
【0035】
本発明の一形態において、リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物からリチウムを回収するプロセスは、以下の方法工程:
(i)精鉱を製造するためのフロス浮遊選鉱である第1の前処理工程による、脈石鉱物からの、リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物の分離;
(ii)第2の前処理工程において、工程(i)の精鉱を微粉砕する工程;
(iii)工程(ii)の当該粉砕された精鉱を大気圧条件下において硫酸溶液に浸出させて、当該リチウム、ナトリウム、およびアルミニウムを可溶性硫酸塩に転化させ、かつ、存在する任意のフッ化物およびリン酸塩を抽出する工程;
(vi)H
2SO
4、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、およびフッ化物を含む、浸出貴液中に存在する不純物を、低pH不純物除去工程において、石灰石、石灰、または一価の炭酸塩もしくは水酸化物塩を含む好適な塩基を使用して、沈殿によって除去する工程;
(vii)ろ過または傾瀉による当該貴液からの当該不純物金属および硫酸塩の分離であって、その結果として得られるろ液が、PLSに含有されていた当該リチウムの90%を超える量を含有する、分離と、当該固体を水で洗浄することにより同伴するリチウムを回収する工程;
(viii)高pH不純物除去工程での、石灰または一価の水酸化物塩であり得る塩基を使用した、鉄、マンガン、および/またはマグネシウムを含む不純物卑金属の沈殿;
(ix)ろ過または傾瀉による当該貴液からの当該不純物金属および硫酸塩の分離であって、その結果として得られるろ液が、PLSに含有されていた当該リチウムの90%を超える量を含有する、分離と、当該固体を水で洗浄することにより同伴するリチウムを回収する工程;
(x)一価の炭酸塩の添加によるカルシウムイオンの沈殿;
(xi)ろ過または傾瀉による当該貴液から当該沈殿したカルシウム塩の分離であって、その結果として得られるろ液が、PLSに含有されていた当該リチウムの90%を超える量を含有する、分離;
(xii)一価の炭酸塩の添加による炭酸リチウムの沈殿と、ろ過または傾瀉による当該貴液からの当該リチウム塩の分離;および
(xiii)塩析および/またはエバポレーションによるろ液からの一価の硫酸塩の結晶化、
を含む。
【0036】
好ましくは、リチウムおよびリン酸塩の豊富な当該鉱物は、アンブリゴナイトおよび/またはモンテブラサイトを含む。
【0037】
粉砕工程(ii)は、好ましくは、<P
80 150ミクロンの粒径の鉱石または精鉱を生じる。
【0038】
さらに好ましくは、粉砕工程(ii)は、<P
80 75ミクロンの粒径の鉱石または精鉱を生じる。
【0039】
好ましくは、当該浸出工程(iii)は、沸点に近い温度、例えば、90℃から120℃の間の温度において、大気条件下で実施される。さらに好ましくは、当該浸出工程(iii)は、>50g/L(H
2SO
4)の遊離酸濃度を可能にする過剰なH
2SO
4によって実施される。
【0040】
さらに好ましくは、総硫酸塩濃度は、当該浸出温度における当該溶液の飽和限界に近い濃度であるべきである。例えば、これは、>90℃において6.0M(S)であり得る。この条件下において、12時間以内に>90%の金属抽出が達成される。
【0041】
好ましくは、不純物除去ステージ(vi)は、<7のpH、例えば、2から3の間のpHにおいて作動されるべきである。好ましくは、不純物除去ステージ(vi)において石灰石が利用される。石灰石は安価な塩基であり、石膏として硫酸塩を、ならびにリン酸カルシウムとしてリン酸塩を除去する。
【0042】
好ましくは、当該卑金属除去ステージ(viii)は、>9のpHにおいて作動されるべきである。好ましくは、石灰が当該卑金属除去ステージ(viii)において利用され、これは、石灰が安価な塩基であり、石膏として硫酸塩を除去するためである。
【0043】
好ましくは、当該カルシウム沈殿工程(x)は、Na
2CO
3および/またはLi
2CO
3生成物の添加によって行われ、ならびに当該沈殿したCaCO
3が、ステージ(vi)へとリサイクルされる。当該沈殿物を洗浄する工程は必要ない。
【0044】
好ましくは、当該Li
2CO
3沈殿ステージ(xii)は、高温において作動され、当該貴液の量は、エバポレーションによって減らされる。これは、結果として、より高いリチウム回収をもたらすであろう。例えば、これは、>90℃であり得る。
【0045】
本発明のプロセスについて、単なる一例として、その一実施形態および添付の図面を参照しながら、説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】
図1は、本発明に従って、リチウムおよびリン酸塩の豊富な鉱物からリチウムを回収するためのプロセスを表すフローチャートを示す図である。一実施形態として、特に、酸浸出、不純物除去、およびLi
2CO
3回収によってアンブリゴナイト鉱石または精鉱からリチウムを回収するためのプロセスを示している。
【
図2】
図2は、
図1のプロセスの浸出ステージを詳細に表すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明のプロセスは、新規の改良された作業工程の組み合わせを含む。1つまたは複数の工程は、他の組み合わせにおいて、かつ他の目的のために、鉱物処理および湿式精錬プロセスにおいて以前に使用されていた場合があるかもしれまない。
【0048】
ごく一般的に言えば、本発明の一実施形態において、リチウムおよびリン酸塩含有鉱物、例えば、アンブリゴナイトなどは、必要な場合、鉱物分離プロセス、例えば、浮遊選鉱など、によって予備精鉱される。次いで、当該アンブリゴナイト鉱石または精鉱に、例えば、微粉砕などを含む前処理工程が施される。アンブリゴナイト中に存在するリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物は、強硫酸浸出工程によって抽出され、それにより、リチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物を含有する浸出液または浸出貴液が製造される。これらに限定されるわけではないが、硫酸、リン酸塩、アルミニウム、鉄、マンガン、カルシウム、ナトリウム、およびフッ化物を含む残留不純物から、湿式精錬技術、例えば、選択的沈殿および結晶化など、によって、リチウムが分離され、販売可能なLi
2CO
3が製造される。
【0049】
アンブリゴナイトは、リチウム、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、フッ化物、および水酸化物で構成されるフルオロリン酸塩鉱物である。当該鉱物は、ペグマタイト鉱床において生じる。アンブリゴナイトの標準的化学式は、これらに限定されるわけではないが、(Li,Na)AlPO
4(F,OH)である。共生鉱物としては、石英、長石、スポジュメン、レピドライト、トルマリン、コロンバイト、すず石、トパーズ、およびベリルが挙げられる。アンブリゴナイトは、10.3%までのLi
2Oを含有し、この文書の目的に対して、リチウムおよびリン酸塩の両方が「豊富」であると考えられる。同様のレベルのリチウムおよびリン酸塩含有量を有する他の鉱物も、同様にリチウムおよびリン酸塩が豊富と見なされるべきである。単にリチウム含有量の観点から、約6から8%を超えるリチアの含有量は、リチウムが豊富と見なされ得る。
【0050】
ペグマタイト体中のアンブリゴナイトは、浮遊選鉱または分級によって脈石鉱物から分離することができる。
【0051】
本発明のプロセスは、アンブリゴナイトと同類であるがより低いフッ化物含有量およびより豊富な水酸化物を含むモンテブラサイトに対して適用可能であることが想定される。文脈から明確でない限り、本明細書の以下において、アンブリゴナイトへの言及は、モンテブラサイトへの言及を含むと見なされる。
【0052】
本発明の一形態において、当該プロセスは、以下の方法工程:
(i)アンブリゴナイト精鉱を製造するための、必要であれば、フロス浮遊選鉱による、脈石鉱物、例えば、石英および長石など、からの、リチウムおよびリン酸塩を含有する鉱物であるアンブリゴナイトの分離;
(ii)当該アンブリゴナイト精鉱を微粉砕する工程;
(iii)大気条件下において十分な硫酸溶液にアンブリゴナイトを浸出させて、可溶性硫酸塩へのリチウム、ナトリウム、およびアルミニウムの転化と、さらに、存在する任意のフッ化物およびリン酸塩の抽出とを可能にする工程;
(iv)当該リチウム含有ろ液中に存在する不純物、例えば、H
2SO
4、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、およびフッ化物など、が、好適な塩基、例えば、石灰石、石灰、または一価の炭酸塩もしくは水酸化物塩など、しかし好ましくは石灰石、を使用した沈殿によって分離される。当該溶液のpHは、当該不純物の中和および沈殿を考慮して、塩基の添加によって高められる;
(vii)ろ過または傾瀉による当該貴液からの不純物金属および硫酸塩の分離であって、それにより結果として得られるろ液が、初期アンブリゴナイト鉱石または精鉱から含有されるリチウムの大部分を含有する、分離。当該固体を水で洗浄して、同伴するリチウムを回収する;
(viii)好適な塩基、例えば、石灰または一価の水酸化物塩など、しかし、好ましくは石灰、を使用した、不純物卑金属、例えば、これらに限定されるわけではないが、マンガンおよびマグネシウムなど、の沈殿;
(ix)ろ過または傾瀉による当該貴液からの不純物金属および硫酸塩の分離であって、それにより結果として得られるろ液が、初期アンブリゴナイト鉱石または精鉱から含有されるリチウムの大部分を含有する、分離。当該固体を水で洗浄して、同伴するリチウムを回収する;
(x)一価の炭酸塩、例えば、Li
2CO
3またはNa
2CO
3など、の添加によるカルシウムイオンの沈殿;
(xi)ろ過または傾瀉による当該貴液からの当該沈殿したカルシウム塩の分離であって、それにより結果として得られるろ液が、初期アンブリゴナイト鉱石または精鉱から含有されるリチウムの大部分を含有する、分離;
(xii)一価の炭酸塩、例えば、Na
2CO
3など、の添加によるLi
2CO
3の沈殿。ろ過または傾瀉による当該貴液からのリチウム塩の分離;ならびに
(xiii)塩析および/またはエバポレーションによる当該ろ液からの一価の硫酸塩の結晶化、
を含む。
【0053】
アンブリゴナイト鉱石または精鉱は、
図1に示されるように、本発明に従って処理される。アンブリゴナイト中の金属の相対グレードは、単なる一例として説明され、本発明のプロセスは、グレードに依存せず、任意のアンブリゴナイト含有材料を処理することができると予想される。
【0054】
図1には、本発明によるフローチャートが示されており、ここに示されている実施形態は、特に、Li
2CO
328としてリチウムを回収するための、アンブリゴナイト含有鉱石または精鉱1の処理を対象としている。
【0055】
当該アンブリゴナイト含有鉱石または精鉱1は、水2と共に前処理工程、例えば、粉砕工程50へと送られ、そこで、当該鉱石または精鉱は、粒径を、例えば、<P
80 150ミクロン、好ましくは<P
80 75ミクロンなどまで減じるために粉砕され、これは、当該含有されるアンブリゴナイトの急速な溶解を可能にする。粉砕されたアンブリゴナイト3は、浸出工程60へと送られ、そこで、含有されるリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物の少なくともある割合が溶液中へと抽出されて、浸出貴液(「PLS」)を形成する。濃H
2SO
4が当該浸出ステージに加えられる。当該浸出工程60で用いられる浸出反応器は、高金属抽出および比較的短い保持時間を考慮して、蒸気5を使用して加熱される。
【0056】
当該浸出工程は、例えば、95℃から105℃の間、大気圧下、および当該カチオンを硫酸塩へと転化させるのに十分な酸の存在下で、1ステージにおいて実施される。
【0057】
浸出スラリー6は、浸出工程60から、固体液体分離工程、例えば、ベルトフィルター70へと送られ、これは、浸出温度またはその付近での当該浸出スラリーのろ過を可能にする。当該ろ過ステージにおいて、抽出されたリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ化物の大部分を含むPLS9と浸出残留物8とが生成され、当該残留物は、水7によって洗浄される。洗浄ろ液は、PLS9と混合され得、ならびに当該浸出残留物8は廃棄される。
【0058】
浸出工程60における総硫酸塩濃度は、当該溶液の飽和限界に近い濃度であり、当該浸出温度において80%から90%である。例えば、これは、>90℃において6.0M(S)である。この条件下において、本出願人は、>90%金属抽出が、12時間以内に達成されることを言及している。
【0059】
ろ過ステージ70を出た当該PLS9は、鉱石または精鉱中に含まれていたリチウムの90%を超える量を含有する。2から3の間のpHの低pH不純物除去ステージ80において、石灰または石灰石10の添加ならびに蒸気11によって、H
2SO
4が中和され、ならびに不純物元素、例えば、ナトリウム、アルミニウム、リン酸塩、およびフッ化物など、がPLS9から沈殿する。ステージ80から得られるスラリー12が、固体液体分離ステージ90へと送られて、当該貴液と固体とが分離される。当該固体は、水13で洗浄され、不純物固体14が廃棄される。
【0060】
当該低pH不純物除去ステージ80は、>90℃の温度において、ならびに以下の条件下において作動される。ミョウバン石類似物(NaAl
3(XO
4)
2(Y)
6)の沈殿が目標とされ、この場合、Xは
Sおよび/または
Pであり、Yは、OHおよび/またはFである。これは、溶液からのアルミニウム、リン酸塩、ナトリウム、およびフッ化物の沈殿を可能にする。当該リチウム沈殿ろ液29中にナトリウムも存在し(硫酸ナトリウムとして)、これは、スラリー(石灰石スラリーまたは石灰スラリー)(図示されず)として試薬を調製するために使用される。リチウムは、ミョウバン石を形成しない。リン酸塩が沈殿するであろう。リン酸塩は、ミョウバン石の格子中の硫酸塩と入れ替わり得、ならびにリン酸アルミニウムまたはリン酸カルシウムとしてあるいはこれらのそれぞれの組み合わせとしても沈殿し得る。
【0061】
ミョウバン石は、高温(>90℃)および2〜3のpH範囲、望ましくは約2.50において沈殿する。試験において、本出願人は、一貫してミョウバン石を作製し、フッ素濃度は、5g/Lから<2g/Lまで低下した。
【0062】
説明されるように、高温において低pH不純物除去工程を作動させることにより、リチウムの任意の共沈殿を最小化する目的において、比較的低いpHでのこれらの様々な不純物、特にリン酸塩の沈殿を可能にする。
【0063】
リチウムは、後続の高pH不純物除去ステージにおいて、フッ化リチウムおよび/またはリン酸リチウムとして沈殿し得るので、このステージでは、フッ化物およびリン酸塩を除去することが望ましい。ミョウバン石はさらに、ろ過され、十分に脱水され、ならびにリン酸塩およびフッ化物を捕捉し、取り扱いも容易である。
【0064】
アンブリゴナイト鉱石または精鉱1に含有されていたリチウムの大部分を含む、低pH不純物除去ステージ80から得られたろ液15が、高pH不純物除去ステージ100へと送られる。不純物卑金属、例えば、鉄、マンガン、およびマグネシウムなど、を沈殿させるために、石灰16が使用される。高pH不純物除去ステージ100から得られたスラリー17が、固体液体分離工程110へと送られ、固体が水33で洗浄され、それによって得られる当該高pH不純物除去固体19が廃棄される。
【0065】
アンブリゴナイト鉱石または精鉱1に含有されていたリチウムの大部分を含む、高pH不純物除去ステージ100から得られたろ液20に対して、沈殿とイオン交換との組み合わせであり得るカルシウム除去ステージ120が施される。溶液からカルシウムをCaCO
323として沈殿させるために、炭酸ナトリウム溶液21が使用される。ステージ120から得られるスラリー22は、固体液体分離工程130へと送られ、そこで得られる沈殿したCaCO
323および残留リチウムは、低pH不純物除去ステージ80へとリサイクルされる。
【0066】
当該カルシウム沈殿ステージから得られるろ液24は、さらに、必要であれば、イオン交換プロセス(図示されず)によってカルシウムを洗浄することもできる。
【0067】
アンブリゴナイト鉱石または精鉱1に含有されていたリチウムの大部分を含み、ならびに不純物も少ない、カルシウム除去ステージ120から得られるろ液24に対して、当該リチウム回収ステージ140が施される。必要であれば、この溶液は、エバポレーション(図示されず)によって、予備濃縮される。Na
2CO
325を当該ろ液24に加えることによって、Li
2CO
328を強制的に沈殿させる。高リチウム回収を考慮して、ステージ140において用いられる反応器(図示されず)を>80℃に加熱する。
【0068】
ステージ140から得られるスラリー26は、固体液体分離工程150へと送られ、当該固体が水27で洗浄される。工程150から得られたろ液29は、Na
2SO
430を回収するために、硫酸ナトリウム結晶化ステージ160へと送られる。このステージから得られるろ液31は、低pH不純物除去ステージ80へとリサイクルされる。
【0069】
図2には、本発明の浸出ステージ60によるフローチャートが示されている。同じ数字は、同じ部品、工程、またはプロセスを意味する。上記において言及されるように、当該アンブリゴナイト含有鉱石または精鉱1が、水2と共に粉砕工程50へと送られ、そこで、粒径を減じて当該含有されるアンブリゴナイトの急速な溶解を可能にするために粉砕される。粉砕されたアンブリゴナイト3は、浸出ステージ60における4つの浸出反応器のうちの第1の反応器、例えば、第1の浸出反応器61へと送られる。アンブリゴナイト中の関連カチオンの硫酸塩を形成するのに必要な硫酸イオンを提供するため、ならびに、当該浸出液において>50g/Lの残留硫酸濃度を可能にするために過剰に、浸出反応61において濃硫酸4がある割合において添加される。すなわち、酸は、概して、比率制御として加えられる。約120℃の目標温度を確実に達成するために、蒸気5も加えられ得る。アンブリゴナイト含有浸出供給原料のパーセント固形分も、最終浸出液の特定の金属濃度を達成するために制御される。
【0070】
浸出スラリーは、第1の浸出反応器61から放出され、第2の浸出反応器62へと入る。次いで、スラリーは、重力により、当該第2の浸出反応器62を通って第3の浸出反応器63へと送られ、続いて、第4の浸出反応器64へと送られる。複数の浸出反応器61、62、63、および64は、アンブリゴナイトからの価値ある成分の適切な抽出を達成するため、ならびに固体液体分離工程70へのスラリーの短絡を最小限に抑えるために、6〜12時間の必要な保持時間を提供するために必要である。目標温度を維持するために必要であれば、反応器62、63、および64にも蒸気が加えられ得る。
【0071】
特に、反応器61および62などの早期の反応器を出る溶液の硫酸濃度は、>500g/L(H
2SO
4)の範囲であり得るが、最終反応器64を出る溶液では、>50g/L(H
2SO
4)に下がる。遊離酸濃度は、供給原料のパーセント固形分および浸出液での目標金属濃度に依存するが、好ましくは>50g/Lである。
【0072】
第4の反応器64から得られるスラリーは、固体液体分離工程70へと送られ、これが、浸出温度またはその付近での当該浸出スラリーのろ過を可能にする。当該ろ過ステージにおいて、抽出されたリチウム、ナトリウム、リン酸塩、アルミニウム、およびフッ素の大部分を含むPLS9と、浸出残留物8とが生成され、当該残留物は、水7によって洗浄される。洗浄ろ液は、PLS9と混合され得、ならびに当該浸出残留物8は廃棄される。
【0073】
上記の説明から分かるように、本発明は、リチウムおよびリン酸塩の両方が豊富な鉱物からリチウム含有塩生成物を得ることができるプロセスを提供する。そのような成果は、特に、リン酸塩からの目的リチウムの分離と、炭酸リチウムおよびリン酸リチウムの両方を沈殿させずに1種または複数種の不純物元素を除去するプロセス工程に関して、先行技術の方法では達成可能ではなかった。
【0074】
当業者には明らかであるような変更および変形は、本発明の範囲内であると見なされる。