特許第6964093号(P6964093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6964093投影光学系、画像投影装置、および画像投影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964093
(24)【登録日】2021年10月20日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】投影光学系、画像投影装置、および画像投影システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/18 20060101AFI20211028BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20211028BHJP
   G02B 13/16 20060101ALI20211028BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   G02B27/18 Z
   G02B26/10 104Z
   G02B13/16
   H04N5/74 A
【請求項の数】9
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-556637(P2018-556637)
(86)(22)【出願日】2017年12月8日
(86)【国際出願番号】JP2017044186
(87)【国際公開番号】WO2018110448
(87)【国際公開日】20180621
【審査請求日】2020年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-240514(P2016-240514)
(32)【優先日】2016年12月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】半澤 文彦
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−280325(JP,A)
【文献】 特開2016−028682(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0174935(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0301097(US,A1)
【文献】 特開平03−028818(JP,A)
【文献】 特開2006−154748(JP,A)
【文献】 特表2009−539120(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/118937(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/208194(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/18
G02B 26/10
G02B 13/00 − 13/26
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成するようになされ、
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記1次結像点のビームウェスト半径をω1、前記1次結像点から前記第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足する
2≧f2+π・ω12/λ
投影光学系。
【請求項2】
前記第1レンズ群は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有する
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項3】
前記第1レンズ群は、複数の正の単レンズのみからなり、前記光源と前記第1レンズ群との間隔を調整することによって軸上色収差を補正する
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項4】
前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有する
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項5】
前記第2レンズ群は、少なくとも1面以上の自由曲面形状の透過面を有する
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項6】
前記第1レンズ群内のレンズおよび前記第2レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを前記光軸に沿う方向に動かすことによって、投影位置に対する合焦を行う
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項7】
前記第1レンズ群内のレンズおよび前記第2レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを前記光軸に垂直な方向に動かすことによって、投影像を前記光軸に垂直な方向に調整する
請求項1に記載の投影光学系。
【請求項8】
光源と、
前記光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系と
を含み、
前記投影光学系は、
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成するようになされ、
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記1次結像点のビームウェスト半径をω1、前記1次結像点から前記第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足する
2≧f2+π・ω12/λ
画像投影装置。
【請求項9】
光源と、
前記光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系による投影像を観察するための接眼光学系と
を含み、
前記投影光学系は、
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成するようになされ、
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記1次結像点のビームウェスト半径をω1、前記1次結像点から前記第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足する
2≧f2+π・ω12/λ
画像投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投影光学系、画像投影装置、および画像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光源からの光を偏向ミラーによって2次元走査することによって画像を投影するレーザ走査プロジェクタがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−179245号公報
【特許文献2】特開2009−180821号公報
【発明の概要】
【0004】
入力される画像ソースの高解像度化に伴い、プロジェクタにも入力された画像ソースに応じた高解像の画像出力が必要とされ得る。デバイス技術、制御技術、画像処理技術、および光学技術の向上によって、年々プロジェクタへの高解像度化の要求は高まっている。
【0005】
小型、軽量で、解像度の高い投影光学系、画像投影装置、および画像投影システムを提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る投影光学系は、光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、光源からの光を、光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、偏向器からの光を、1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群とを備え、第1レンズ群、光軸に沿って第1レンズ群と第2レンズ群との間に1次結像点を形成するようになされ、第2レンズ群の焦点距離をf2、1次結像点のビームウェスト半径をω1、1次結像点から第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足するようにしたものである。
2≧f2+π・ω12/λ
【0007】
本開示の一実施の形態に係る画像投影装置は、光源と、光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系とを含み、投影光学系は、光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、光源からの光を、光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、偏向器からの光を、1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群とを備え、第1レンズ群、光軸に沿って第1レンズ群と第2レンズ群との間に1次結像点を形成するようになされ、第2レンズ群の焦点距離をf2、1次結像点のビームウェスト半径をω1、1次結像点から第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足するようにしたものである。
2≧f2+π・ω12/λ
【0008】
本開示の一実施の形態に係る画像投影システムは、光源と、光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系と、投影光学系による投影像を観察するための接眼光学系とを含み、投影光学系は、光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、光源からの光を、光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、偏向器からの光を、1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群とを備え、第1レンズ群、光軸に沿って第1レンズ群と第2レンズ群との間に1次結像点を形成するようになされ、第2レンズ群の焦点距離をf2、1次結像点のビームウェスト半径をω1、1次結像点から第2レンズ群の前側主点までの距離をd2としたとき、所定の波長λで、以下の式を満足するようにしたものである。
2≧f2+π・ω12/λ
【0009】
本開示の一実施の形態に係る投影光学系、画像投影装置、または画像投影システムでは、第1レンズ群によって、第1レンズ群と第2レンズ群との間に光源の1次結像点が形成される。
【0010】
本開示の一実施の形態に係る投影光学系、画像投影装置、または画像投影システムによれば、第1レンズ群によって、第1レンズ群と第2レンズ群との間に光源の1次結像点を形成するようにしたので、小型、軽量で、解像度の高い投影光学系、画像投影装置、または画像投影システムを提供することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】比較例に係る投影光学系の概略を示す構成図である。
図2】本開示の一実施の形態に係る投影光学系の概略を示す構成図である。
図3】第1の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の概略を示す構成図である。
図4】第2の実施の形態に係る投影光学系における投影距離と解像度の変化の一例を示す特性図である。
図5】第3の実施の形態に係る投影光学系の概略を示す構成図である。
図6】第4の実施の形態に係る画像投影システムの概略を示す構成図である。
図7】第4の実施の形態に係る投影光学系の概略を示す構成図である。
図8】第4の実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での水平方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示す特性図である。
図9】第4の実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での垂直方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示す特性図である。
図10】第4の実施の形態に係る投影光学系における自由曲面の一例を概略的に示す説明図である。
図11】第4の実施の形態に係る投影光学系による投影面での2次元画像の歪曲特性を示す特性図である。
図12】第5の実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での水平方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示す特性図である。
図13】第5の実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での垂直方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.比較例および実施の形態の概要
0.1 比較例(レーザ走査プロジェクタの概要と課題)(図1
0.2 実施の形態の概要(図2
1.第1の実施の形態(図3
2.第2の実施の形態(図4
3.第3の実施の形態(図5
4.第4の実施の形態(図6図11
5.第5の実施の形態(図12図13
6.その他の実施の形態
【0013】
<0.比較例および実施の形態の概要>
[0.1 比較例(レーザ走査プロジェクタの概要と課題)]
本開示の一実施の形態に係る投影光学系、画像投影装置、および画像投影システムは、例えばレーザ走査プロジェクタに適用されてもよい。本開示の一実施の形態に係る投影光学系、画像投影装置、および画像投影システムの概要を説明する前に、レーザ走査プロジェクタの概要と課題を説明する。
【0014】
図1は、比較例に係るレーザ走査プロジェクタの概略構成を示している。
比較例に係るレーザ走査プロジェクタは、レーザ光を発する光源LDaと、光源LDaからのレーザ光に基づいてスクリーン(投影面)に画像を投影する投影光学系100とを備えている。なお、ここでのスクリーンまたは投影面とは、必ずしも一般的な定義である投影のための平面部材のように実体を持つとは限らず、“偏向器より後の光路における光軸に垂直な平面”という広い意味での定義とする。
【0015】
投影光学系100は、光軸Z1に沿って光源側から投影側に向かって順に、少なくとも1つのレンズL1と、走査ミラーMMとを備えている。
【0016】
比較例に係るレーザ走査プロジェクタでは、1画素に相当するレーザ光束はほぼ平行状態で出射される。レーザビームがビームウェストまで緩やかに収束して、ビームウェストで最もビーム径が小さくなり、ビームウェスト以降では緩やかに発散していく。最も投影面に近いレンズと投影面との間に画像を2次元的スキャンをするための偏向器(走査ミラーMM)がある。小型のレーザ走査プロジェクタの走査ミラーMMにはMEMS(Microelectro-Mechanical Systems)技術などで作製されたデバイスを用いる。例えば、MEMSミラーの大きさはφ1mm程度である。なお、φは直径を表す。
【0017】
投影光学系100を高解像度化するためには、レンズL1のNAを高くしてビームを小さく絞り込む必要がある。これは最も投影面に近いレンズ上で投影面までの距離に比例した大きな光束径が必要であることを意味する。投影光学系100を高NA化しようとすると、走査ミラーMMのサイズが律速となって光束径が制限される。その制限から外れるためには走査ミラーMMのサイズを大きくする必要があるが、ミラーサイズを大きくすると応答特性の悪化や、装置の大型化、高コスト化が生じてしまう問題がある。
【0018】
特許文献1(特開2015−179245号公報)では、3色のレーザをコリメータによって略平行光状態で走査ミラーに入射させ、その走査ミラーによって2次元走査したビームを投射レンズに入射させて1次の投影像を形成することが提案されている。特許文献1では、1次の投影像から広がった光はマイクロレンズアレイによって、平行光束に変換された後に眼の網膜上に2次の投影像として結像する。これにより、観察者は画像を観察することが可能となる。
【0019】
特許文献1では、1次の投影像の解像度を決めるNAは以下の式(1)で表される。ただし、投射レンズへの入射光束径をR、投射レンズの焦点距離をfとする。
NA=R/2f …(1)
【0020】
光学的に解像度を上げるためにはNAを大きくする必要がある。NAを大きくする1つの方法として光束径Rを大きくする方法があるが、以下の理由によって大きくすることは困難である。
【0021】
特許文献1では走査部が存在するコリメータと投射レンズとの間は中間結像点を持たない平行光束になっており、光束径を広げるためには走査部のミラーの有効径が律速となり、図1の比較例に係るレーザ走査プロジェクタと同様の問題が生ずる。NAを大きくするもう1つの方法として、焦点距離fを小さくする方法があるが、焦点距離fを小さくすると投影距離が短くなることで、ミラー等の光学素子の配置に困難をきたすデメリットが生じる。つまり、従来のレーザ走査プロジェクタの構成で光学的に解像度を上げるためには、装置の大型化、もしくは投影距離が短くなるデメリットが生じる。
【0022】
特許文献2(特開2009−180821号公報)では、平行光に近いある広がり角を持ったレーザ光の走査によって、投影面までの距離が変化しても、常にフォーカスがあった画像を表示可能なレーザ走査プロジェクタが提案されている。
【0023】
特許文献2では、式(2)で定められる広がり角αを有するように画像を拡大することが提案されている。
α=arctan((tan(θ/2)/(YN/2)) ……(2)
ただし、θは走査ミラーの水平方向および垂直方向の振れ角であり、YNは投影される画像の垂直方向の画素数である。
【0024】
式(2)を満たす場合、投影面までの距離が長くなるに従って大きくなる画像サイズとレーザビーム径の広がりとを同じ比率で拡大することができるので、スクリーン上では常にフォーカスが合ったように見える。これはレーザ走査プロジェクタの特徴であるフォーカスフリーを満たすための条件を表している。
【0025】
ここで、式(2)の条件の下で高解像度化する方法を考える。解像度をN倍(N>1)にするためには映像の幅を一定のままで画素数YNをN倍にすればよく、それはすなわちビーム径を1/Nの大きさにすることである。以降、映像の幅が一定となる条件を、投影距離と走査ミラーの振れ角θとが一定の前提で考える。式(2)のarctanの括弧内は一般的なプロジェクタでは1より十分に小さいため、簡単のためαとarctanの括弧内は線形の関係があると考える。解像度をN倍にするために、垂直方向の画素数YNをN倍にすると、ビームの広がり角αは1/Nにする必要がある。
【0026】
ビームの広がり角とビーム径とには式(3)の関係がある。ただし、λは波長、ωはビームウェスト半径である。
α=λ/πω ……(3)
【0027】
式(3)から、広がり角αが1/Nになる場合、1画素あたりのビーム径はN倍にしなければならない。つまり、式(2)の条件の下で解像度をN倍にするための条件はビーム径をN倍にすることである。しかし、これは、上記ビーム径を1/Nの大きさにすることと相容れず、式(2)のフォーカスフリーとなる条件から外れないと高解像度化できないことを意味する。
【0028】
以上のことから、レーザ走査プロジェクタにおいて、長い投影距離と装置の小型化とを可能にしながら、フォーカスフリー特性からの外れにも対応しつつ、光学的に高解像を実現する技術の開発が望まれる。
【0029】
[0.2 実施の形態の概要]
図2は、本開示の一実施の形態に係る投影光学系1の概略構成を示している。
【0030】
(投影光学系1の基本構成)
投影光学系1は、光軸Z1に沿って光源LDa側から投影側に向かって順に、第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1からの光を走査する偏向器としての走査ミラーMMと、第2レンズ群G2とを備えている。
【0031】
第1レンズ群G1は、全体として正の焦点距離を持つ。第1レンズ群G1は、少なくとも1枚のレンズ(例えばレンズL1,L2)を有し、光源LDaからの光を、光源LDaの像である1次結像点に集光させる。なお、図2では、1次結像点の一例をI1と記す。
【0032】
第2レンズ群G2は、全体として正の焦点距離を持つ。第2レンズ群G2は、少なくとも1枚のレンズ(例えばレンズL3)を有し、走査ミラーMMからの光を、1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる。なお、図2では、2次結像点の一例をI2と記す。
【0033】
第1レンズ群G1は、光軸Z1に沿って第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に1次結像点である中間結像点を形成する。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の1次結像点近傍に走査ミラーMMを配置することで、走査ミラーMMの有効範囲による制限を受けずに、小型の光学系を構築できる。
【0034】
さらに、投影光学系1では、中間結像点を持つことで、比較的自由に1次結像点でのNAを設定できる。すなわち、投影光学系1では、第2レンズ群G2への入射NAを大きくできる。投影光学系1では、第2レンズ群G2への入射NAに応じて第2レンズ群G2の出射NAも大きくできるために、最終的に1次結像点の像である2次結像点に大きなNAでビームを絞れるため高解像な画像を形成することができる。
【0035】
中間結像点を持たずに、光源LDaからの光を直接結像させる場合は、以下の問題がある。走査ミラーMMの走査範囲のビームとの干渉を避けるためには光源LDaと走査ミラーMMの距離をある程度離さなければならない。さらに画像をカラー化する場合には、光源LDaとして最低でも3波長の光源が必要であり、3つの光源が合成光路を通った後に走査ミラーMMで走査するにはさらに距離を離す必要があるために、高解像度化するためには走査ミラーMMを巨大化するしかなく、前述の比較例と同じ問題に突き当たる。
【0036】
つまり、本技術では第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に光源LDaの1次結像点である中間結像点を形成することが必須の条件となる。
【0037】
以上のように、投影光学系1によれば、第1レンズ群G1によって、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に1次結像点である中間結像点を形成するようにしたので、小型、軽量で、解像度の高い投影光学系を提供することができる。また、投影光学系1を用いて、小型、軽量で、解像度の高い画像投影装置、または画像投影システムを提供することができる。
【0038】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。以降の他の実施の形態の効果についても同様である。
【0039】
(投影光学系1の好ましい構成)
投影光学系1は、以下のような好ましい構成を取ってもよい。
【0040】
投影光学系1では、第2レンズ群G2の焦点距離をf2、1次結像点のビームウェスト半径をω1、1次結像点から第2レンズ群G2の前側主点までの距離をd2とし、所定の波長λで、以下の式(後述する式(7))を満足することが好ましい。
2≧f2+π・ω12/λ
ただし、光源LDaにガウシアン分布を持ったレーザビームを用いる場合の、1次結像点や2次結像点の位置はビーム径が最も小さくなるビームウェストの位置とする。
【0041】
走査ミラーMMは、第1レンズ群G1の後のビームウェストの近傍にあり、ビームウェストからの距離分広がったビーム径がミラーの有効範囲に比べて小さくするように配置すれば問題ない。
【0042】
以下、ガウシアン分布を持ったレーザビームをレンズにて伝搬させる場合の伝搬式によって説明する。
【0043】
【数1】
【0044】
波長はλ、第1レンズ群G1透過後の1次結像点のビームウェスト半径をω1、第2レンズ群G2透過後の2次結像点のビームウェスト半径をω2、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とする。また、第1レンズ群G1透過後の1次結像点から第2レンズ群G2の前側主点までの距離をd2、第2レンズ群G2の後側主点から第2レンズ群G2透過後の2次結像点までの投影距離をd2’とする。
【0045】
【数2】
【0046】
D=d2−f2(>0)
A=πω12/λ
とおくと、以下の式(4),(5)が得られる。
【0047】
【数3】
【0048】
式(4)および式(5)をそれぞれDで微分した微分係数は、式(4)’および式(5)’のように求められる。
【0049】
【数4】
【0050】
【表1】
【0051】
表1に、Dの変化によるω2,d2’の変化を示す。ω2はD≧0の領域で単調減少する。d2’はD<Aでは単調増加し、D=Aで最大値を取り、D>Aでは単調減少する。
【0052】
光学的に解像度を上げるためには、スクリーン上の1画素分の集光されたビームウェスト半径ω2を小さくすればよい。Dを大きくすればするほど解像度が上がるが、D>A以降では投影距離d2’が減少するので、仕様に応じてd2’とのバランスを取ることが望ましい。
【0053】
投影距離d2’は、D=0で最小値f2を取り、D=Aで最大値f2+f22/2Aを取り、式(6)の範囲を取る。
【0054】
2≦d2’≦f2+f22/2A ……(6)
【0055】
式(6)の範囲で投影距離d2’を設定できるが、d2’は0≦D<Aの領域で1つ目の解D1、D>Aの領域で2つ目の解D2、合計2つの解を持つ。D1とD2は同じ投影距離であるが、解像度に影響するビーム径はD1>D2であるため、D2の方が光学的に高解像である。すなわち、D≧Aの条件を満たすことで、光学的に高解像を達成することができる。
【0056】
以上のことから、投影光学系1での解像度を高めるためのDに関する条件式はD≧Aであることが結論付けられる。D=d2−f2、A=πω12/λなので、
2−f2≧πω12/λ
2≧f2+π・ω12/λ ……(7)
【0057】
式(7)を満たせば、長い投影距離を維持しながら、高解像を両立したプロジェクタを実現することが可能となる。
【0058】
第1レンズ群G1は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有することが好ましい。第1レンズ群G1によって、レーザ光を集光するが、集光側のレンズに色収差を補正するための正レンズと負レンズとの組合せレンズを使用すると、光源LDaの各波長の色収差を補正することが可能となる。色収差を補正するためには正レンズと負レンズとで異なるアッベ数のガラスレンズの組合せを用いることが一般的である。
【0059】
また、第1レンズ群G1を、複数の正の単レンズのみから構成し、光源LDaと第1レンズ群G1との間隔を調整することによって軸上色収差を補正するようにしてもよい。この場合、色収差補正用の組合せレンズを用いないので、コスト削減のメリットがある。この場合、第1レンズ群G1のレンズはガラス製でなく、プラスティック製のレンズを用いるとさらにコスト削減効果が大きい。
【0060】
第2レンズ群G2は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有することが好ましい。走査ミラーMMより後で少なくとも1組の正レンズと負レンズとの組合せレンズを用いることで、軸外で発生する倍率の色収差を補正することが可能となる。上記した第1レンズ群G1の好ましい構成では、軸上の色収差を補正することは可能だが、軸外の画角全体に亘って色収差を補正することは困難であるため、第2レンズ群G2で色収差を補正することが好ましい。第2レンズ群G2に少なくとも1組の正レンズと負レンズとの組合せレンズを使用すると、光源LDaの各波長の色収差を補正することが可能となる。
【0061】
また、第2レンズ群G2は、少なくとも1面以上の自由曲面形状の透過面を有することが好ましい。第2レンズ群G2に軸対称なレンズを用いた場合、2次元走査した画像は歪が発生する。光学的に歪を補正するために、自由曲面形状のレンズを用いると光学的な歪が補正された良好な画像が得られる。
【0062】
上記した投影光学系1の基本構成によって、解像度を高めるために投影面での1画素に相当するビーム径は小さくなるが、式(3)で示されるようにガウシアンビームの特性としてビームが絞られる程広がり角は大きくなるので、焦点深度が狭くなり、フォーカスフリー特性から外れる。そこで、第1レンズ群G1内のレンズおよび第2レンズ群G2内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを光軸Z1に沿う方向に動かすことによって、投影位置に対する合焦を行うようにしてもよい。これにより、解像度を高めながらも常に投影面でピントが合った状態で画像を観察することができる。
【0063】
また、第1レンズ群G1内のレンズおよび第2レンズ群G2内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを光軸Z1に垂直な方向に動かすことによって、投影像を光軸Z1に垂直な方向に調整するようにしてもよい。これにより、投影像を光軸Z1に垂直な面内で移動させることができる。
【0064】
(画像投影装置)
少なくとも、光源LDaと、上記した基本構成および好ましい構成を適宜満足した投影光学系1とを用いて、画像投影装置を構成してもよい。
【0065】
(画像投影システム)
少なくとも、光源LDaと、上記した基本構成および好ましい構成を適宜満足した投影光学系1と、投影光学系1による投影像を観察するための接眼光学系とを用いて、画像投影システムを構成してもよい。
【0066】
以下、上記した投影光学系1の基本構成および好ましい構成を適宜満足した、より具体的な実施の形態を説明する。なお、以下では、上記した投影光学系1の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
<1.第1の実施の形態>
図3は、本開示の第1の実施の形態に係る投影光学系1A、および画像投影装置10の概略構成を示している。
【0068】
本実施の形態に係る画像投影装置10は、光源LDaと、投影光学系1Aと、制御部11とを備えている。
【0069】
投影光学系1Aは、光軸Z1に沿って光源LDa側から投影側に向かって順に、第1レンズ群G1と、走査ミラーMMと、第2レンズ群G2とを備えている。
【0070】
第1レンズ群G1は、レンズL1,L2を有している。第2レンズ群G2は、レンズL3を有している。
【0071】
制御部11は、光源制御部12と、走査制御部13とを有している。光源制御部12は、画像データに基づいて光源LDaの発光制御を行う。走査制御部13は、画像データに基づいて走査ミラーMMによる走査方向および走査タイミングを制御する。
【0072】
光源LDaは、例えば小型のLD(Laser Diode)を用いることができる。光源LDaには、LDの代わりに発光ダイオード(LED)を用いても構わない。
【0073】
光源LDaからは、画像データに基づいて強度変調されたレーザ光が出力される。光源LDaからのレーザ光は、第1レンズ群G1のレンズL1によって略平行光となる。その後、第1レンズ群G1のレンズL2によって略平行光は集光されて、光軸Z1に沿って第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に1次結像点が形成される。
【0074】
レンズL1とレンズL2はどちらも正の焦点距離を持つレンズであり、それらの合成である第1レンズ群G1の焦点距離も正の値を持つ。第1レンズ群G1の後の1次結像点近傍に走査ミラーMMが位置している。走査ミラーMMとしては、2次元的に偏向走査可能なMEMSミラーを用いることができる。1次結像点の位置は走査ミラーMMの位置と同じ位置でなくてもよい。走査ミラーMMが1次結像点の位置からずれたとしても、1次結像点からの光束の広がりの大きさが走査ミラーMMの有効径以下であれば問題ない。走査ミラーMMと1次結像点との距離を近くすることで、走査ミラーMMの有効径を小さくすることができ、装置の小型化やミラー特性の低下と高コスト化を防ぐ利点がある。投影光学系1Aでは、レンズL2によって1次結像点でのNAを大きくすることができるので、その後の第2レンズ群G2の出射側のNAも大きくすることができる。
【0075】
レンズL3は正の焦点距離を持ち、第2レンズ群G2全体も正の焦点距離を持つ。走査ミラーMMで2次元的に走査された光は、第2レンズ群G2のレンズL3で投影面2に投影される。ここで、投影面2とは2次結像点である第2レンズ群G2透過後のビームウェストもしくはその近傍に位置する光軸Z1に垂直な平面を指す。これにより、投影面2では2次元の画像を観察することが可能となる。光学的に高解像度化を実現するためにはNAを高くする必要があるため、最も投影面2に近いレンズL3では大きな光束径が必要となる。
【0076】
(変形例)
第1の実施の形態の変形例として、1次結像点の位置にピンホールを配置し、ピンホールを1次結像点の代わりとして機能させるようにしてもよい。ピンホールの径を小さくすれば、NAを大きくすることができるので、仕様に応じて解像度を調整することができる。この変形例はピンポールを配置するだけでよく、第1レンズ群G1の組み立て調整が不要であるので、製造時の作業を大幅に軽減、簡素化できる利点がある。
【0077】
<2.第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置について説明する。なお、以下では、上記第1の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0078】
本実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の構成は、図3に示した投影光学系1A、および画像投影装置10の構成と略同様であってもよい。
【0079】
本実施の形態では、図3に示した投影光学系1Aのより具体的な数値実施例を提供する。表2に具体的な数値実施例を示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表2において、fはレンズの焦点距離、sは、ある光学素子から次の光学素子までの距離、ωは光学素子透過後のビームウェストの半径、d’は光学素子からビームウェストまでの距離を表す。光源LDaの波長は525nmである。レンズL2において、d’<sであるため、レンズL2とレンズL3との間にビームウェストが存在する。すなわち、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に1次結像点があり、上記した投影光学系1の基本構成を満たす数値実施例となっている。
【0082】
第2レンズ群G2の焦点距離をf2、第1レンズ群G1透過後の1次結像点のビームウェスト半径をω1、1次結像点から第2レンズ群G2の前側主点までの距離をd2、波長をλとする場合、表2の数値実施例では、
2=28.0
ω1=0.0076
λ=0.000525
2+π・ω12/λ=28.346(小数第4位を四捨五入)
2はレンズL2とレンズL3との間の距離s=30.058からレンズL2透過後のビームウェストの距離d’=2.218を引いた値である。すなわち、
2=30.058−2.218=30.84
であり、上記式(7)を満たしている。
【0083】
図4は、投影光学系1Aにおける投影距離と解像度の変化の一例を示している。
図4には、D=d2−f2(>0)、A=πω12/λとおいた場合のDに対するd2’とω2の変化を表したグラフを示す。d2’は、第2レンズ群G2の後側主点から投影面2までの投影距離を示す。本実施の形態では、D=2.84,A=0.35となっており、D≧Aの範囲内で、できるだけ大きく取りながらもd2’を最大限にすることで投影距離と解像度のバランスの取れた設計になっている。
【0084】
次に、光源LDaの波長が変わる場合を考える。一般的に波長が長い程、絞られるビームが大きくなる。このため、通常は式(7)は右辺の第2項の影響で長波長程、数値が大きくなる。よって、式(7)は使用波長の最も長波長が満たせば、短波長も同時に満たす。例えば、光源LDaとして、640nmの赤色光源、525nmの緑色光源、445nmの青色光源の3種類の波長のLDを用いた場合、赤色の640nmで式(7)を満たせば525nmや445nmの波長も同時に式(7)を満たす。ただし、上記第1の実施の形態の変形例のように、1次結像点の位置にピンホールを配置した場合、波長に関わらずω1がほぼ同じ値になるため、上記関係が逆転して式(7)は短波長程、数値が大きくなる。よって、その場合、式(7)は使用波長の最も短波長が満たせば、長波長も同時に満たす。例えば青色光源の445nmが式(7)を満たせば、640nmや525nmの波長でも同時に式(7)を満たすことになる。
【0085】
その他の構成、動作、ならびに効果は、上記第1の実施の形態に係る投影光学系1A、および画像投影装置10と略同様であってもよい。
【0086】
<3.第3の実施の形態>
次に、本開示の第3の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置について説明する。なお、以下では、上記第1または第2の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0087】
図5は、本開示の第3の実施の形態に係る投影光学系1Bの概略構成を示している。
【0088】
投影光学系1Bは、カラー映像を投影するための構成となっている。カラー映像を投影するためには複数のレーザ光源を用いる必要がある。例えば、光源LDaとして、赤色(R)光源LDrと緑色(G)光源LDgと青色(B)光源LDbとの3色の光源を用いてカラー映像を形成することができる。この場合、各光源からの光を合成するための合成光学系が必要となる。赤色光源LDrは例えば波長640nmのLD、緑色光源LDgは例えば波長525nmのLD、青色光源LDbは例えば波長445nmのLDとなっている。
【0089】
第1レンズ群G1は、レンズL1R,L1G,L1BとレンズL2とからなる。レンズL1R,L1G,L1Bは各波長の光を平行光にする機能を持つ。レンズL1Rは、赤色光源LDr用のコリメータとなっている。レンズL1Gは、緑色光源LDg用のコリメータとなっている。レンズL1Bは、青色光源LDb用のコリメータとなっている。
【0090】
本実施の形態では、ミラーM1とダイクロイックミラーM2,M3とを合成光学系として用いて、各光源からの光を同一光軸上になるように合成した後にレンズL2に入射させる。ダイクロイックミラーM2,M3は、ダイクロイックプリズムによって構成しても構わない。
【0091】
ミラーM1は、赤色光源LDrとレンズL1Rの光軸Z1R上に配置されている。ミラーM1は、赤色のレーザ光を反射する。
【0092】
ダイクロイックミラーM2は、緑色光源LDgとレンズL1Gの光軸Z1G上に配置されている。ダイクロイックミラーM2は、緑色のレーザ光を反射し、赤色のレーザ光を透過する。
【0093】
ダイクロイックミラーM3は、青色光源LDbとレンズL1Bの光軸Z1B上に配置されている。ダイクロイックミラーM3は、赤色と緑色のレーザ光を反射し、青色のレーザ光を透過する。
【0094】
レンズL2は、レンズL1R,L1G,L1Bからの平行光を集光して1次結像させる。レンズL2からの光は走査ミラーMMで2次元的に偏向走査させられて第2レンズ群G2を通って投影位置に投影される。
【0095】
本実施の形態に係る投影光学系1Bにおいて、画像が表示される投影面2での色収差の問題を、以下の方法で解決してもよい。例えば、レンズL2に正レンズと負レンズとの組合せレンズを用いることで色収差を低減してもよい。正レンズと負レンズとの組合せレンズには、色分散の異なるガラスレンズの接合レンズを使用することが望ましい。
【0096】
上記とは別の方法で、色収差を低減可能で、かつコストを下げるために効果的な方法としてレンズL2にプラスティックの単レンズを用いてもよい。第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とで発生する色収差に対して逆方向の色収差を発生させて補正すれば、トータルとして色収差が補正される。第1レンズ群G1で所望の色収差を発生させるためには、レンズL1Rと赤色光源LDrとの間、レンズL1Gと緑色光源LDgとの間、およびレンズL1Bと青色光源LDbとの間の少なくとも1つの距離を調節することで、レンズL2より後での各波長の1次結像点、すなわち各光源の1次結像点の位置を変化させればよい。
【0097】
その他の構成、動作、ならびに効果は、上記第1または第2の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置と略同様であってもよい。
【0098】
<4.第4の実施の形態>
次に、本開示の第4の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置について説明する。なお、以下では、上記第1ないし第3の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0099】
図6は、第4の実施の形態に係る画像投影システム20の概略構成を示している。
【0100】
本実施の形態に係る画像投影システム20は、投影光学系1Cを有する画像投影装置10Aと、投影光学系1Cによる投影像を観察するための接眼光学系21とを備えている。
【0101】
本実施の形態では、投影光学系1Cの投影面2での画像サイズが例えば24mm×18mmとなっている。投影光学系1Cにおける走査ミラーMMの振り角は上記画像サイズになるように設定している。本実施の形態では、(投影距離)/(投影される画像の幅)で定義されるスローレシオ(throw ratio)が17.1と、一般的なプロジェクタに比べて非常に大きく設定されている。このように非常に大きいスローレシオのプロジェクタ用途としては、例えば、メガネ型ディスプレイ用の投影プロジェクタで、特に画像投影部とメガネ部とが分離しているタイプのディスプレイが考えられる。画像の観察者のメガネ部に配置された接眼光学系21の前側焦点位置にプロジェクタの映像を投影することで、観察者の網膜上に直接画像を投影することができる。画像サイズが小さいことで、1画素あたりのビーム径を小さく絞り込まなければならないため、本開示による高解像度化の技術が有用となる。
【0102】
接眼光学系21は、例えばガラス材などを用いた屈折タイプの接眼レンズである。接眼光学系21は、体積型HOE(Holographic Optical Element)を用いた回折タイプの接眼レンズであってもよい。接眼レンズに体積型HOEを用いる場合、その波長選択性によって、例えば光源の波長以外の光をそのまま透過させる性質を持たせることができる。これにより、シースルーでプロジェクタの投影画像を観察することが可能となる。
【0103】
図7は、投影光学系1Cの概略構成を示している。
投影光学系1Cは、カラー映像を投影するための構成となっている。カラー映像を投影するためには複数のレーザ光源を用いる必要がある。例えば、赤色光源LDrと緑色光源LDgと青色光源LDbとの3色の光源を用いてカラー映像を形成することができる。この場合、各光源からの光を合成するための合成光学系が必要となる。赤色光源LDrは例えば波長640nmのLD、緑色光源LDgは例えば波長525nmのLD、青色光源LDbは例えば波長445nmのLDとなっている。緑色光源LDgの放射角は水平方向(X方向)が例えば22°、垂直方向(Y方向)が例えば12°となっている。
【0104】
第1レンズ群G1は、レンズL1R,L1G,L1BとレンズL2とからなる。レンズL1R,L1G,L1Bは各波長の光を平行光にする機能を持つ。レンズL1Rは、赤色光源LDr用のコリメータとなっている。レンズL1Gは、緑色光源LDg用のコリメータとなっている。レンズL1Bは、青色光源LDb用のコリメータとなっている。
【0105】
本実施の形態では、ミラーM1とダイクロイックミラーM2,M3とを合成光学系として用いて、各光源からの光を同一光軸上になるように合成した後にレンズL2に入射させる。ダイクロイックミラーM2,M3は、ダイクロイックプリズムによって構成しても構わない。
【0106】
ミラーM1は、赤色光源LDrとレンズL1Rの光軸Z1R上に配置されている。ミラーM1は、赤色のレーザ光を反射する。
【0107】
ダイクロイックミラーM2は、緑色光源LDgとレンズL1Gの光軸Z1G上に配置されている。ダイクロイックミラーM2は、緑色のレーザ光を反射し、赤色のレーザ光を透過する。
【0108】
ダイクロイックミラーM3は、青色光源LDbとレンズL1Bの光軸Z1B上に配置されている。ダイクロイックミラーM3は、赤色と緑色のレーザ光を反射し、青色のレーザ光を透過する。
【0109】
レンズL2は、レンズL1R,L1G,L1Bからの平行光を集光して1次結像させる。光学系のNAを決めるために、ダイクロイックミラーM3とレンズL2との間に、例えばφ1mmの円形のアパーチャを設けてもよい。本実施の形態では、レンズL2に、正レンズと負レンズとの組合せレンズを用いることで、色収差を補正している。
【0110】
第2レンズ群G2は、レンズL3とレンズL4とからなる。レンズL3には、正レンズと負レンズとの組合せレンズを用いている。これにより、軸外の倍率色収差を低減している。
【0111】
本実施の形態では、走査ミラーMMとしてMEMSミラーを使って2次元走査を行う。第1走査方向を水平方向とし、第2走査方向を垂直方向とすると、第1走査方向は共振運動によって走査を行い、第2走査方向は非共振運動によって走査を行う。横軸は水平方向、縦軸は垂直方向である。
【0112】
表3に、赤色光源LDrから走査ミラーMMまでの光路データを示す。表4には、緑色光源LDgから走査ミラーMMまでの光路データを示す。表5には、青色光源LDbから走査ミラーMMまでの光路データを示す。表6には、走査ミラーMMから投影面2までの光路データを示す。表3〜表6において、「面形状」の欄にはミラーの場合は平面と記載している。また、「面形状」の欄には、レンズの場合は球面、非球面、自由曲面のレンズの形状の種別を記載している。「ADE」の欄には光軸Z1と第1走査方向とを含む平面に垂直な方向を回転軸とした光学面の回転角(度)を記す。「R」の欄には、曲率半径の値(mm)を示す。Rの値が「INF」となっている部分は平面、または仮想面等を示す。「面間隔」の欄には、光軸上の隣り合う面の間隔の値(mm)を示す。「nd」の欄には光学素子のd線(波長587.6nm)における屈折率の値を示す。「νd」の欄には光学素子のd線におけるアッベ数の値を示す。
【0113】
表7には、レンズL1Rの両面の非球面形状の係数の値を示す。表8にはレンズL1Gの両面の非球面形状の係数の値を示す。表9には、レンズL1Bの両面の非球面形状の係数の値を示す。表10には、レンズL4の両面の自由曲面形状の係数の値を示す。表7〜表10において、R1は光源側、R2は投影面側の面を示す。
【0114】
ここで、「非球面形状」とは球面ではない回転対称な面形状を意味する。「自由曲面」とは非回転対称な面を意味し、ここではXY多項式によって表現する。式(8)に非球面形状を表す式、式(9)に自由曲面形状を表す式を示す。
ただし、
k:コーニック定数
r:面中心からの半径距離
z:光軸に平行な面のサグ量
c:面頂点での曲率
とする。
【数5】
【0115】
【数6】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【表10】
【0124】
図8は、投影光学系1Cによる投影位置近傍での水平方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示している。図9は、投影光学系1Cによる投影位置近傍での垂直方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示している。ビーム径の計算は光学シミュレーションソフト”CODE V”を用いた。波長は緑の525nmである。図8および図9において、横軸はスクリーンのデフォーカス量ΔZ、縦軸はビーム径を示す。ビーム径は、ビームのピーク強度値が1/e2となる位置でのビーム幅[mm]を示す。ΔZは、光軸に沿って光源から2次結像点へ向かう光線の進む方向をプラスとしたスクリーンのデフォーカス量[mm]を示す。
【0125】
図8および図9から、最小ビーム径は水平方向でφ0.072mm、垂直方向でφ0.082mmである。また、比較のために従来のプロジェクタ光学系として、光源からの光をコリメータによって平行光で投影する場合のビーム径を計算シミュレーションによって求めた。投影面2の距離を本実施の形態と略同様にコリメータから410mmとすると、投影面2でのビーム径は約φ1mm程度となる。これに対して、本実施の形態に係る投影光学系1Cでは、ビーム径が1/10以下まで小さく絞れており、高解像度化の効果が確認できた。
【0126】
図10は、投影光学系1CにおけるレンズL4の自由曲面の形状を模式的に示している。投影光学系1Cでは、表6、表10に示したように、レンズL4の両面が自由曲面形状の透過面となっている。図10においてX軸が水平方向、Y軸が垂直方向であり、レンズL4の両面はともにX軸に対しては対称、Y軸に対しては非対称となっている。一般的に2次元走査ミラーで平面スクリーンに投影すると、2次元画像に歪みが発生することが知られている。レンズL4に自由曲面形状のレンズを用いることによって、画像の歪曲を補正することができる。
【0127】
図11は、投影光学系1Cによる投影面2での2次元画像の歪曲特性を示している。
図11では、走査ミラーMMの走査範囲を分割した各振り角に応じた投影面2でのビーム結像位置を示している。画像の歪曲が非常に良く補正されていることが分かる。
【0128】
その他の構成、動作、ならびに効果は、上記第1ないし第3の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置と略同様であってもよい。
【0129】
<5.第5の実施の形態>
次に、本開示の第5の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置について説明する。なお、以下では、上記第1ないし第4の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0130】
図7の投影光学系1Cにおいて、第1レンズ群G1内のレンズおよび第2レンズ群G2内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを光軸Z1に沿う方向に動かすことによって、投影位置に対する合焦を行うようにしてもよい。また、第1レンズ群G1内のレンズおよび第2レンズ群G2内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを光軸Z1に垂直な方向に動かすことによって、投影像を光軸Z1に垂直な方向に調整するようにしてもよい。
【0131】
例えば、図7に示したように、レンズL2を光軸Z1に沿う方向に駆動させることによって、2次結像点の合焦位置を変化させることができる。本実施の形態ではレンズL2を駆動させているが、他の単体レンズ、もしくは2枚以上のレンズを駆動させても構わない。レンズL2に入射する光は略平行光であるため、レンズL2を光軸Z1に沿う方向に駆動させても1次結像点の結像性能はほとんど劣化しない。レンズL2を光軸Z1に沿って駆動させると走査ミラーMMの面上でのビーム径が変化するが、レンズL2の駆動範囲内でのビーム径の最大値が走査ミラーMMの有効径より小さくなるように設計すれば問題ない。
【0132】
なお、本実施の形態での投影光学系1Cにおける光学素子の面形状、光源の波長、および光源の放射角などの条件は上記第4の実施の形態と略同様であってもよい。
【0133】
図12は、本実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での水平方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示している。図13は、本実施の形態に係る投影光学系による投影位置近傍での垂直方向のビーム径のデフォーカス特性の一例を示している。図12および図13では、レンズL2をΔZLの量で駆動したときの画面中央のビーム径のデフォーカス特性を表している。波長は緑の525nmである。ビーム径の計算は光学シミュレーションソフト”CODE V”を用いた。ΔZLは、レンズL2の光軸Z1に沿う駆動量[mm]である。図12および図13において、横軸はスクリーンのデフォーカス量ΔZ、縦軸はビーム径を示す。ビーム径は、ビームのピーク強度値が1/e2となる位置でのビーム幅[mm]を示す。ΔZは、表6の投影面2の位置を基準として光源側をマイナスとしたときのスクリーンのデフォーカス量[mm]を示す。ΔZL,ΔZともに光軸に沿って光源から2次結像点へ向かう光線の進む方向をプラスとする。
【0134】
レンズL2を駆動させることによって、すなわちΔZLを変化させることによって、ビーム径の最小位置、すなわちピントが合う面を移動させることができるので、常に高解像でシャープな画像を映し出すことが可能となる。その際、走査ミラーMMを第2レンズ群G2の前側焦点位置に配置して、テレセントリックな光学系にすると、投影面2の光軸方向の移動による画像の倍率変動を無くすことができる。光学系の大きさの制限からテレセントリックな光学系にできない場合、投影面2の光軸方向の移動による画像の倍率変動が生じるが、投影面2の位置と拡大縮小率はあらかじめ分かる数値情報なので、投影面2の位置に応じた元画像の倍率を補正する映像処理によってあたかも倍率変動が無いかのように映し出すことができる。
【0135】
また、光軸Z1に垂直な面内でレンズL2を駆動させると、1次結像点を光軸Z1に対して垂直な面内で駆動させることができるので、ひいては1次結像点の像である2次結像点を光軸Z1に垂直な方向に調整することができる。レンズL2を光軸Z1に垂直な方向に駆動させると走査ミラーMMの面上でのビーム位置が変化するが、レンズL2の駆動範囲内でのビーム径端が走査ミラーMMの有効径より内側になるように設計すれば問題ない。レンズ駆動による軸外特性の劣化が著しく大きくならない程度に駆動量の大きさを決めるべきである。
【0136】
その他の構成、動作、ならびに効果は、上記第1ないし第4の実施の形態に係る投影光学系、および画像投影装置と略同様であってもよい。
【0137】
<6.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記各実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0138】
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
(1)
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群は、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成する
投影光学系。
(2)
前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記1次結像点のビームウェスト半径をω1、前記1次結像点から前記第2レンズ群の前側主点までの距離をd2とし、所定の波長λで、以下の式を満足する
上記(1)に記載の投影光学系。
2≧f2+π・ω12/λ
(3)
前記第1レンズ群は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有する
上記(1)または(2)に記載の投影光学系。
(4)
前記第1レンズ群は、複数の正の単レンズのみからなり、前記光源と前記第1レンズ群との間隔を調整することによって軸上色収差を補正する
上記(1)または(2)に記載の投影光学系。
(5)
前記第2レンズ群は、正レンズと負レンズとの組合せレンズを有する
上記(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の投影光学系。
(6)
前記第2レンズ群は、少なくとも1面以上の自由曲面形状の透過面を有する
上記(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の投影光学系。
(7)
前記第1レンズ群内のレンズおよび前記第2レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを前記光軸に沿う方向に動かすことによって、投影位置に対する合焦を行う
上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の投影光学系。
(8)
前記第1レンズ群内のレンズおよび前記第2レンズ群内のレンズのうち、少なくとも1つのレンズを前記光軸に垂直な方向に動かすことによって、投影像を前記光軸に垂直な方向に調整する
上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の投影光学系。
(9)
光源と、
前記光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系と
を含み、
前記投影光学系は、
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群は、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成する
画像投影装置。
(10)
光源と、
前記光源からの光に基づいて画像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系による投影像を観察するための接眼光学系と
を含み、
前記投影光学系は、
光軸に沿って光源側から投影側に向かって順に、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記光源からの光を、前記光源の像である1次結像点に集光させる第1レンズ群と、
前記第1レンズ群からの光を走査する偏向器と、
少なくとも1枚のレンズを有し、正の焦点距離を持ち、前記偏向器からの光を、前記1次結像点の像である2次結像点の位置に結像させる第2レンズ群と
を備え、
前記第1レンズ群は、前記光軸に沿って前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に前記1次結像点を形成する
画像投影システム。
【0139】
本出願は、日本国特許庁において2016年12月12日に出願された日本特許出願番号第2016−240514号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0140】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13