特許第6964500号(P6964500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964500
(24)【登録日】2021年10月21日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】剥離剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 9/00 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   C09D9/00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-233920(P2017-233920)
(22)【出願日】2017年12月6日
(65)【公開番号】特開2019-99723(P2019-99723A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】599071496
【氏名又は名称】ベック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北尾 成史
【審査官】 山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−177599(JP,A)
【文献】 特開2013−108062(JP,A)
【文献】 特開2016−160373(JP,A)
【文献】 特許第5534233(JP,B2)
【文献】 中国特許出願公開第105985676(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−10/00、
101/00−201/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二塩基酸エステル、沸点が150℃以上の高沸点溶剤(但し、二塩基酸エステルは除く)、及び増粘剤を含む剥離剤組成物であって、
前記増粘剤として、パリゴルスカイトを含有することを特徴とする剥離剤組成物。
【請求項2】
組成物全量に対し、パリゴルスカイトを0.1重量%以上15重量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載の剥離剤組成物。
【請求項3】
前記増粘剤が、パリゴルスカイトとともに、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイトから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の剥離剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗膜軟化性、軟化持続性に優れた剥離剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物、土木構造物等の表面に形成された塗膜(旧塗膜)を塗り替える方法として、旧塗膜の上に新しい塗料を塗装する方法、または、旧塗膜を一旦剥離し新しい塗料を塗装する方法等が挙げられる。従来コストや工期短縮等の面から旧塗膜に上に新しい塗料を塗装する方法で塗り替える場合が多く、現在旧塗膜の上に2回ないし3回以上塗り重ねた建築物、土木構造物は数多く存在する。
【0003】
しかし、既に劣化した旧塗膜の上に新しい塗料を何重にも塗り重ねると、塗膜自体が重くなり基材に負荷を与える恐れがある。また塗膜自体の厚みが厚くなりすぎ空間を圧迫してしまう場合もある。さらに近年では高機能性塗膜が登場し、塗膜の上に新しい塗料を塗装すること自体が難しい場合もある。
【0004】
このような問題から、最近では旧塗膜を一旦剥離する方法が多くなってきている。
旧塗膜を剥離する方法としては、サンダー処理、ブラスト処理、高圧水噴射、タガネハツリ等の物理的手法、薬剤、溶剤を利用した化学的手法等が挙げられるが、最近では、下地損傷、粉塵飛散等の問題、環境配慮等の観点から、溶剤特に高沸点溶剤を利用した手法が用いられるようになっている。(例えば、特許文献1等)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5534233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献1のような手法では、溶剤として高沸点溶剤を用いているため、下地損傷、粉塵飛散、環境を配慮した上に、溶剤の揮発を遅らせ、剥離可能な時間を延ばして施工者のタイミングに合わせて剥離できるようにしている。
しかしながら、特許文献1の手法でも剥離可能な時間が短い場合があり、より剥離可能な時間を長くする材料が望まれている。さらに旧塗膜が厚い場合、特許文献1の手法では旧塗膜への浸透性、軟化性が十分でない場合があり、数回剥離工程を行わざるを得ない場合もあり、旧塗膜への浸透性、軟化性により優れる材料が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、二塩基酸エステル、高沸点溶剤とともに、セピオライト及び/またはパリゴルスカイトを含む増粘剤を含有する剥離剤組成物が、旧塗膜の浸透性・軟化性に優れるとともに、塗膜が軟化した状態を長時間持続でき、施工者のタイミングで剥離しやすいことを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.二塩基酸エステル、沸点が150℃以上の高沸点溶剤(但し、二塩基酸エステルは除く)、及び増粘剤を含む剥離剤組成物であって、
前記増粘剤として、パリゴルスカイトを含有することを特徴とする剥離剤組成物。
2.組成物全量に対し、パリゴルスカイトを0.1重量%以上15重量%以下含むことを特徴とする1.に記載の剥離剤組成物。
3.前記増粘剤が、パリゴルスカイトとともに、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイトから選ばれる1種以上を含有することを特徴とする1.または2.に記載の剥離剤組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の剥離剤組成物は、塗膜軟化性、軟化持続性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
本発明の剥離剤組成物は、二塩基酸エステル、高沸点溶剤(但し、二塩基酸エステルは除く)、及び増粘剤を含むもので、増粘剤としてセピオライト及び/またはパリゴルスカイトを含有することを特徴とするものである。このような増粘剤を含有することで塗膜軟化性、軟化持続性に優れた剥離剤組成物が得られるものである。
【0012】
本発明で用いるセピオライト及び/またはパリゴルスカイトは、繊維方向に沿って細孔管構造(チャンネル構造)を持つ粘土鉱物で、このような構造の間に二塩基酸エステル、高沸点溶剤が入り込むと外へと出にくい状態となっているものと思われる。このような状態では高沸点溶剤が揮発しにくいため、剥離剤が旧塗膜の奥へと浸透しやすく軟化させやすい。さらに軟化した状態を長時間持続することができる。また1度の剥離工程でより多くの剥離が可能であるため、剥離工程の回数を減らし工期短縮にも有利である。なおパリゴルスカイトは、アタパルジャイトともいい、本発明ではパリゴルスカイトとアタパルジャイトは同義で扱う。
【0013】
セピオライト及び/またはパリゴルスカイトの含有量は、組成物全量に対しその合計量で、0.1重量%以上15重量%以下、さらには0.3重量%以上10重量%以下であることが好ましい。このような範囲であればより塗膜軟化性、軟化持続性に優れた剥離剤組成物を得ることができる。
【0014】
増粘剤としては、その他の粘土鉱物を用いることもできる。その他の粘土鉱物としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、ソーコナイト、スティーブンサイト、フルオロヘクトライト、ラポナイト、レクトナイト、バーミキュライト、イライト、マカタイト、カネマイト、イリエライト、マガディアイト、ケニヤアイト等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また粘土鉱物以外の増粘剤として、例えば、膨潤性シリカ、セルロース系増粘剤、ポリアクリル酸系増粘剤等を用いることができる。
【0015】
特に本発明では、セピオライト及び/またはパリゴルスカイトとともに、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイトから選ばれる1種以上(好ましくはベントナイト、モンモリロナイトから選ばれる1種以上)を併用することが好ましい。このような粘土鉱物は、板状構造を有する層状粘土鉱物で、併用することにより、剥離剤組成物の粘性調整が容易となり、旧塗膜面への優れた付着性を示すことができ、その結果塗膜軟化性、軟化持続性を向上させることができる。
併用するベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイトから選ばれる1種以上の含有量は、特に限定されないが組成物全量に対しその合計量で、0.1重量%以上15重量%以下、さらには0.5重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
【0016】
二塩基酸エステルとしては、例えば、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジメチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。本発明では特に、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルから選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
二塩基酸エステルの含有量は、組成物全量に対し、15重量%以上70重量%以下、さらには25重量%以上65重量%以下であることが好ましい。二塩基酸エステルの含有量が少ないと、塗膜への浸透性、塗膜軟化性に劣る場合がある。
【0017】
高沸点溶剤(但し、二塩基酸エステルは除く。)としては、沸点が150℃以上、さらには160℃以上、さらには170℃以上の高沸点溶剤を含むことが好ましい。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(沸点:176℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点:165℃)、1−3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(沸点:220℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(沸点:235℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、スルホラン(沸点:285℃)、
n−ヘキサノール(沸点:157℃)、1−ヘプタノール(沸点176℃)、シクロヘキサノール(沸点:162℃)、2−エチルヘキサノール(沸点:185℃)、フルフリルアルコール(沸点:170℃)、フェノール(沸点:181℃)、ベンジルアルコール(沸点:205℃)、フェニルエチルアルコール(沸点:220℃)、1,2,4,−トリメチルベンゼン(沸点:169℃)、1,3,5−トリメチルベンゼン(沸点:165℃)、クメン(沸点:152℃)、シクロヘキサノン(沸点:155℃)、イソホロン(沸点:215℃)、エチレングリコール(沸点:197℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、
プロピレングリコール(沸点:188℃)、
エチレングリコールモノn−ブチルエーテル(沸点170℃)、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル(沸点153℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)、エチレングリコールジアセテート(沸点:191℃)
プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃)、
プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(沸点170℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点230℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(沸点229℃)
エチレングリコールジブチルエーテル(沸点203℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点179℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点256℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点171℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点216℃)、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点156℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点217℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点:247℃)、
等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。
高沸点溶剤の含有量は、組成物全量に対し、15重量%以上70重量%以下、さらには25重量%以上65重量%以下であることが好ましい。高沸点溶剤の含有量が少ないと、塗膜への浸透性、塗膜軟化性に劣る場合がある。
【0018】
本発明の剥離剤組成物は、上記成分の他に、例えば、ワックス、界面活性剤、酸化剤、還元剤、アミン化合物、芳香剤、着色剤、染料等の添加剤を用いることもできる。また、溶剤(沸点が150℃未満)や水等を併用することもできるが、本発明では使用しないことが好ましい。
【0019】
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、ペトロラタム、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ラノリン、みつろう、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられ、1種または2種以上を用いることができる。本発明では特に、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスを用いることが好ましく、軟化持続性を向上させることができる。
ワックスは、組成物全量に対し、0.1重量%以上10重量%以下、さらには0.5重量%以上5重量%以下含有することが好ましい。
【0020】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等特に限定されず用いることができる。
界面活性剤は、組成物全量に対し、0.1重量%以上10重量%以下、さらには0.5重量%以上5重量%以下含有することが好ましい。
【0021】
酸化剤としては、例えば、蟻酸、酢酸、酪酸、アクリル酸、リノール酸、オレイン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、サリチル酸、ケイ皮酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アミノ安息香酸、アルギン酸、グリコール酸、グルコン酸、グルタミン酸、トルエンスルホン酸、ニコチン酸、尿酸、ハロゲン置換酢酸、ベンゼンスルホン酸、過酸化水素、過塩素酸塩、過ホウ酸塩等が挙げられる。
還元剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、モノメチルアミン、モノエチルアミン、イソプロピルアミン、モノブチルアミン、シクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等が挙げられる。
【0022】
本発明の剥離剤組成物は、建築物、土木構造物等の表面に形成された塗膜(旧塗膜)を剥離するもので、適用できる旧塗膜としては、特に限定されない。
旧塗膜としては、例えば、JIS K5621「一般用さび止めペイント」、JIS K5651「アミノアルキド樹脂塗料」、JIS K5658「建築用耐候性上塗り塗料」、JIS K5659「鋼構造物用耐候性塗料」、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5668「合成樹脂エマルション模様塗料」、JIS K5670「アクリル樹脂系非水分散形塗料」、JIS A6909「建築用仕上塗材」等が挙げられる。
【0023】
本発明の剥離剤組成物は、このような旧塗膜の上に、好ましくは0.2kg/m以上5.0kg/m以下、より好ましくは0.3kg/m以上3.0kg/m以下で塗付すればよい。塗装器具としては特に限定されず、例えば、ローラー、刷毛、鏝、ヘラ、スプレー、ガン等を用いて塗装すればよい。
【0024】
また本発明の剥離剤組成物は、30分から2時間程度で軟化し剥離を開始することができ、さらに24時間から48時間経過後も軟化が持続している。そのため、翌日など、施工者のタイミングにあわせて剥離が可能である。剥離器具としては特に限定されず、例えば、鏝、ヘラ、スクレーパー等を用いて剥離すればよい。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0026】
表1に示す重量割合にて下記原料を均一に混合した剥離剤組成物1〜23を用意した。
・二塩基酸エステル1:フタル酸ジメチル
・二塩基酸エステル2:グルタル酸ジメチル
・高沸点溶剤1:N−メチルピロリドン
・高沸点溶剤2:ベンジルアルコール
・高沸点溶剤3:1,2,4,−トリメチルベンゼン
・高沸点溶剤4:n−ヘキサノール
・増粘剤1:セピオライト
・増粘剤2:パリゴルスカイト
・増粘剤3:ベントナイト
・増粘剤4:バーミキュライト
・ワックス1:パラフィンワックス
【0027】
(試験)
下記に示す旧塗膜面が垂直となるように置き、表1に示す剥離用組成物を下記に示す所要量でローラー塗りし、下記の試験を実施した。
旧塗膜1:スレート板(300×300×6mm)の片面に、アクリル樹脂、酸化チタンを主成分とするアクリル樹脂エナメルを吹付け、塗膜厚0.2mmの塗膜を形成させ、これを促進耐候性試験機「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気株式会社製)にて400時間曝露させたものを旧塗膜とした。剥離用組成物所要量0.5kg/m
旧塗膜2:スレート板(300×300×6mm)の片面に、アクリルシリコン樹脂、酸化チタンを主成分とするアクリルシリコン樹脂塗料を吹付け、塗膜厚0.2mmの塗膜を形成させ、これを促進耐候性試験機「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気株式会社製)にて400時間曝露させたものを旧塗膜とした。剥離用組成物所要量0.5kg/m
旧塗膜3:スレート板(300×300×6mm)の片面に、アクリル樹脂、酸化チタン、炭酸カルシウム、寒水石を主成分とする外装厚塗材Eを吹付け、塗膜厚5mmの塗膜を形成させ、これを促進耐候性試験機「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気株式会社製)にて400時間曝露させたものを旧塗膜とした。剥離用組成物所要量1.0kg/m
【0028】
(試験1)塗着性
塗付直後の剥離用組成物の塗着度合いを目視にて観察した。度合いの評価は、「5」(垂直面でも問題無く優れた塗着性を示した。)から「1」(剥離用組成物が一部垂れ落ちてしまった。)の5段階で評価した。結果は表1に示す。
【0029】
(試験2)塗膜軟化性
塗付後3時間後、ヘラを用いて塗膜剥離を行い、その度合いを、「5」(問題無くスムーズに剥離でき、優れた塗膜軟化性を示した。)から「1」(剥離が困難であり、塗膜軟化性に劣っていた。)の5段階で評価した。結果は表1に示す。
【0030】
(試験3)軟化持続性
塗付後24時間後、ヘラを用いて塗膜剥離を行い、その度合いを評価した。評価は試験2と同様である。結果は表1に示す。
【0031】
【表1】