(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
人物の顔を撮影する第1撮影装置と、前記第1撮影装置の撮影範囲から所定距離離れた位置に設置され、人物の静脈を撮影する第2撮影装置と、前記第1撮影装置および前記第2撮影装置と通信可能な認証装置とを備える認証システムであって、
前記認証装置は、
前記第1撮影装置から顔画像を取得し、前記第2撮影装置から静脈画像を取得する取得部と、
前記顔画像から顔認証に用いる顔認証データを抽出し、前記静脈画像から静脈認証に用いる静脈認証データを抽出する抽出部と、
抽出された前記顔認証データと第1記憶部に記憶された前記複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行し、前記第1記憶部に記憶されている静脈認証登録データのうち、前記顔認証に成功した前記顔認証登録データに対応付けられている前記静脈認証登録データを、前記顔画像の撮影日時に対応付けて第2記憶部に記憶させる顔認証部と、
前記第2記憶部に記憶された前記静脈認証登録データのうち、過去の所定時間帯における前記顔画像の撮影日時に対応付けられた前記静脈認証登録データを取得し、抽出された前記静脈認証データと、前記第2記憶部から取得した前記静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する静脈認証部と
を含むことを特徴とする認証システム。
人物の顔を撮影する第1撮影装置、および前記第1撮影装置の撮影範囲から所定距離離れた位置に設置され人物の静脈を撮影する第2撮影装置と通信可能な認証装置であって、
前記第1撮影装置から顔画像を取得し、前記第2撮影装置から静脈画像を取得する取得部と、
前記顔画像から顔認証に用いる顔認証データを抽出し、前記静脈画像から静脈認証に用いる静脈認証データを抽出する抽出部と、
抽出された前記顔認証データと第1記憶部に記憶された前記複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行し、前記第1記憶部に記憶されている静脈認証登録データのうち、前記顔認証に成功した前記顔認証登録データに対応付けられている前記静脈認証登録データを、前記顔画像の撮影日時に対応付けて第2記憶部に記憶させる顔認証部と、
前記第2記憶部に記憶された前記静脈認証登録データのうち、過去の所定時間帯における前記顔画像の撮影日時に対応付けられた前記静脈認証登録データを取得し、抽出された前記静脈認証データと、前記第2記憶部から取得した前記静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する静脈認証部と
を備える
ことを特徴とする認証装置。
人物の顔を撮影する第1撮影装置、および前記第1撮影装置の撮影範囲から所定距離離れた位置に設置され人物の静脈を撮影する第2撮影装置と通信可能なコンピュータに、
前記第1撮影装置から顔画像を取得し、前記第2撮影装置から静脈画像を取得し、
前記顔画像から顔認証に用いる顔認証データを抽出し、前記静脈画像から静脈認証に用いる静脈認証データを抽出し、
前記抽出された前記顔認証データと第1記憶部に記憶された前記複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行し、前記第1記憶部に記憶されている静脈認証登録データのうち、前記顔認証に成功した前記顔認証登録データに対応付けられている前記静脈認証登録データを、前記顔画像の撮影日時に対応付けて第2記憶部に記憶させ、
前記第2記憶部に記憶された前記静脈認証登録データのうち、過去の所定時間帯における前記顔画像の撮影日時に対応付けられた前記静脈認証登録データを取得し、抽出された前記静脈認証データと、前記第2記憶部から取得した前記静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する
処理を実行させるための認証プログラム。
人物の顔を撮影する第1撮影装置、および前記第1撮影装置の撮影範囲から所定距離離れた位置に設置され人物の静脈を撮影する第2撮影装置と通信可能なコンピュータが、
前記第1撮影装置から顔画像を取得し、前記第2撮影装置から静脈画像を取得し、
前記顔画像から顔認証に用いる顔認証データを抽出し、前記静脈画像から静脈認証に用いる静脈認証データを抽出し、
前記抽出された前記顔認証データと第1記憶部に記憶された前記複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行し、前記第1記憶部に記憶されている静脈認証登録データのうち、前記顔認証に成功した前記顔認証登録データに対応付けられている前記静脈認証登録データを、前記顔画像の撮影日時に対応付けて第2記憶部に記憶させ、
前記第2記憶部に記憶された前記静脈認証登録データのうち、過去の所定時間帯における前記顔画像の撮影日時に対応付けられた前記静脈認証登録データを取得し、抽出された前記静脈認証データと、前記第2記憶部から取得した前記静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する
処理を実行することを特徴とする認証方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態における認証システムの全体構成を示す図である。
【0013】
図1は、コンビニエンスストア等の店舗を示している。店舗には、第1撮影装置1aが、店舗の入口付近を撮影可能な位置に設置されている。また、入口から所定距離離れた店舗内のカウンタに、静脈認証に用いられる第2撮影装置2aが設置されている。すなわち、第2撮影装置2aは、第1撮影装置1aの撮影範囲から所定距離離れた位置に設置されている。
【0014】
第1撮影装置1aは、所定の周期で店舗の入口付近を撮影することにより、店舗の入口にから入店する人物(利用者4a)の顔を撮影して、顔画像を生成する。第1撮影装置1aは、認証装置3aと通信可能であり、生成した顔画像を認証装置3aに送信する。第1撮影装置1aは、例えば、店舗に予め設置されている監視カメラであってもよい。
【0015】
認証装置3aは、顔画像と、予め登録された複数の顔認証登録データとに基づいて1対Nの顔認証を実行する。なお、認証装置3aは、コンピュータの一例である。
【0016】
利用者4aは、入口から店舗内に入り、商品を選んだ後、カウンタで第2撮影装置2aに手のひらをかざし、静脈認証を用いた決済を行う。
【0017】
第2撮影装置2aは、例えば、可視光線を遮断するフィルタが設けられたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ、またはCCD(Charge Coupled Device)カメラ等である。第2撮影装置2aは、近赤外光を照射する図示しない照射部を有しており、手のひらが置かれたことを検知すると、手のひらに近赤外光を照射する。照射部は、例えば、近赤外光の波長域の光を照射可能なLED(Light Emitting Diode)である。
【0018】
第2撮影装置2aは、近赤外光が照射された手のひらの静脈を撮影し、利用者4aの手のひらの静脈が写された静脈画像を生成する。第2撮影装置2aは、認証装置3aと通信可能であり、生成した静脈画像を認証装置3aに送信する。なお、第2撮影装置2aが撮影する静脈画像は、指の静脈画像であってもよい。
【0019】
認証装置3aは、第2撮影装置2aから静脈画像を取得すると、予め登録されている複数の静脈認証登録データのうち、顔認証により絞り込んだ静脈認証登録データに基づいて、1対Nの静脈認証を実行する。利用者4aが店舗に入ってから決済を行うまでの間に、商品の選択や移動により、所定時間経過していることが考えられる。よって、認証装置3aが利用者4aの静脈認証を行う時点において、その利用者4aの顔認証が完了していることが想定される。
【0020】
表示装置5aは、認証装置3aが出力した静脈認証の結果を表示する。店員6は、表示装置5aを参照して認証が成功したことを確認した場合、決済処理を実行する。
【0021】
以上のように、認証システムは、顔認証により絞り込まれた静脈認証登録データに対して1対Nの静脈認証を実行するため、静脈認証の処理時間を減少させることができる。
【0022】
図2は、認証装置3aの機能ブロック図である。認証装置3aは、取得部10と抽出部11と認証情報DB12aと認証候補DB12bと顔認証部13と静脈認証部14と第1設定部15と出力部16とを含む。
【0023】
取得部10は、第1撮影装置1aから顔画像を取得し、第2撮影装置2aから静脈画像を取得する。
【0024】
抽出部11は、取得部10が取得した顔画像から顔認証に用いる顔認証データを抽出する。また、抽出部11は、取得部10が取得した静脈画像から静脈認証に用いる静脈認証データを抽出する。
【0025】
認証情報DB12aは、顔認証に用いられる複数の顔認証登録データ、および静脈認証に用いられる複数の静脈認証登録データ等を含む認証情報を記憶する。認証情報について、詳細は後述する。
【0026】
認証候補DB12bは、静脈認証登録データと、顔画像の撮影日時とが対応づけられた、認証候補が記憶されている。認証候補について、詳細は後述する。
【0027】
顔認証部13は、抽出部11が抽出した顔認証データと、予め認証情報DB12aに登録されている複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行する。顔認証部13は、認証情報DB12aに記憶されている静脈認証登録データのうち、顔認証に成功した顔認証登録データに対応付けられている静脈認証登録データを、顔画像の撮影日時に対応付けて認証候補DB12bに記憶させる。
【0028】
静脈認証部14は、抽出部11が抽出した静脈認証データと、予め認証情報DB12aに登録されている複数の静脈認証登録データのうち顔認証で認証に成功した顔認証登録データに対応する静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する。静脈認証部14は、例えば、認証候補DB12bに記憶された静脈認証登録データのうち、過去の所定時間帯における顔画像の撮影日時に対応付けられた静脈認証登録データを取得する。そして、静脈認証部14は、抽出部11が抽出した静脈認証データと、認証候補DB12bから取得した静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する。
【0029】
第1設定部15は、認証情報DB12aに記憶された過去の顔画像の撮影日時と、その過去の顔画像の撮影日時に対応する静脈認証の日時との差分を人物毎に算出し、その差分の平均値に基づいて、静脈認証の制御に用いる上記所定時間帯の開始時刻を設定する。
【0030】
出力部16は、静脈認証部14の認証結果を出力する。出力部16は、例えば、静脈認証部14の認証結果を表示装置5aに送信して、認証結果を表示装置5aに表示させる。出力部16は、例えば、静脈認証部14の認証結果を、図示しない情報処理装置等に送信してもよい。
【0031】
認証装置3aは、プロセッサ、メモリおよび補助記憶装置を有している。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)またはHDD(Hard Disc Drive)である。メモリおよび補助記憶装置は、何れもコンピュータ読み取り可能な有形の記憶媒体の一例である。これらの有形な記憶媒体は、信号搬送波のような一時的な媒体ではない。
【0032】
認証装置3aにおける取得部10、抽出部11、顔認証部13、静脈認証部14、第1設定部15、および出力部16は、プロセッサがメモリに展開された認証プログラムを実行することにより実現される。認証情報DB12aおよび認証候補DB12bは、例えば、補助記憶装置に記憶される。
【0033】
認証装置3aは、通信インタフェースを有する。取得部10は、通信インタフェースを介して顔画像および静脈画像を取得する。また、出力部16は、通信インタフェースを介して表示装置5aまたは情報処理装置等に認証結果を出力する。
【0034】
図3は、認証情報の例を示す図である。
図3に示す認証情報は、認証情報DB12aに記憶された情報であり、利用者4aに関する様々な属性情報を含む。
【0035】
認証情報は、利用者4aのID(Identification)、氏名、顔認証登録データ、静脈認証登録データ、性別、年齢、最終顔画像撮影日時、および最終認証日時を含む。
【0036】
利用者4aのID、氏名、顔認証登録データ、静脈認証登録データ、性別および年齢は、例えば、利用者4aが店舗において利用登録を行う際に記録される。IDは、例えば、店舗側の管理者により、利用者4aの識別情報として付与される。氏名、性別および年齢は、利用者4aが申請した情報が記録される。
【0037】
顔認証登録データおよび静脈認証登録データは、利用者4aが利用登録を行う際に撮影された顔画像および静脈画像に基づいて、予め生成される。顔認証登録データおよび静脈認証登録データは、例えば、画像中の特徴点の位置、および特徴点間の距離等を含む数値データである。
【0038】
最終顔画像撮影日時は、利用者4aが最後に第1撮影装置1aにより撮影された日時である。すなわち、最終顔画像撮影日時は、利用者4aが最後に入店した日時である。例えば、顔認証部13は、顔認証により利用者4aの入店を確認した際に、顔画像に付与されている撮影日時を最終顔画像撮影日時として記録する。
【0039】
最終認証日時は、静脈認証部14が、最後に静脈認証を実行し、認証に成功した日時である。静脈認証部14は、静脈認証を実行し認証に成功した場合、認証日時を最終認証日時として記録する。
【0040】
第1設定部15は、
図3に示す認証情報を参照して、全利用者4aの最終認証日時と最終顔画像撮影日時との差分を算出し、その差分の平均値を算出する。平均値は、利用者4aが入店してから静脈認証を行うまでの時間の推定値となる。そして、第1設定部15は、算出した平均値に基づいて、静脈認証部14の制御に用いる上記所定時間帯の開始時刻を設定する。例えば、第1設定部15は、静脈認証を開始する時点の日時から上記平均値を減算した時刻の30秒前を所定時間帯の開始時刻とする。また、所定時間帯の範囲は、例えば、1分であるとする。
【0041】
図4は、認証候補の例を示す図である。認証候補は、認証候補DB12bに記憶される情報である。
図4に示すように、認証候補は、IDと、静脈認証登録データと、顔画像撮影日時とが対応付けられた情報である。
【0042】
上述のように、顔認証部13は、抽出された顔認証データと、認証情報DB12a内の複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証処理を実行する。そして、顔認証部13は、複数の顔認証登録データのうち認証に成功した顔認証登録データに対応付けられたIDおよび静脈認証登録データを認証情報DB12aから取得する。顔認証部13は、認証情報DB12aから取得したIDおよび静脈認証登録データを、顔認証に用いた顔画像の撮影日時に対応付けて、認証候補として認証候補DB12bに記憶する。
【0043】
図5は、顔認証処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図5に示す顔認証処理は、例えば、第1撮影装置1aの撮影周期と同じ所定の周期で実行される。また、複数の顔認証処理が並列で実行されてもよい。
【0044】
取得部10は、第1撮影装置1aの撮影により得られた顔画像を取得する(ステップS101)。抽出部11は、取得部10が取得した顔画像から、顔認証に用いられる顔認証データを抽出する(ステップS102)。顔認証データは、例えば、顔画像中の特徴点の位置、および特徴点間の距離等を含む数値データである。取得部10が複数の顔画像を取得した場合、抽出部11は、各顔画像について、顔認証に用いられる顔認証データを抽出する。
【0045】
顔認証部13は、抽出された顔認証データと、認証情報DB12aに記憶された全ての顔認証登録データとに基づいて、1対Nの顔認証を実行する(ステップS103)。
【0046】
顔認証部13は、例えば、ステップS102で抽出された顔認証データと、認証情報DB12aに記憶された全ての顔認証登録データとを照合し、ステップS102で抽出された顔認証データに一致する顔認証登録データが認証情報DB12aに存在するか判定する。顔認証部13は、一致する顔認証登録データが存在すれば認証成功であると判定し、一致する顔認証登録データが存在しなければ認証失敗であると判定する。
【0047】
認証が成功した場合(ステップS104でYES)、顔認証部13は、認証情報DB12aに記憶されている静脈認証登録データのうち、認証に成功した顔認証登録データに対応付けられている静脈認証登録データを、ステップS101で取得部10が取得した顔画像の撮影日時に対応付けて認証候補DB12bに記憶させる(ステップS105)。
【0048】
認証が失敗した場合(ステップS104でNO)、またはステップS105の処理後、顔認証部13は、取得部10が取得した画像内の全ての顔の顔認証が終了したか判定する(ステップS106)。ステップS106でYESの場合、処理は終了する。ステップS106でNOの場合、処理はステップS103に移行する。
【0049】
上記の処理が行われることにより、
図4に示す認証候補が認証候補DB12bに蓄積される。
図1に示す利用者4aが入店してから決済を行うまでの間に商品の選択や移動等を行うことから、その利用者4aが決済のために静脈認証を行う時点では、顔認証処理が完了していることが想定される。
【0050】
図6は、静脈認証処理の流れを示すフローチャートである。
取得部10は、第2撮影装置2aから、静脈画像を取得する(ステップS201)。取得部10は、例えば、第2撮影装置2aに定期的にアクセスし、新たな静脈画像が撮影されている場合、その静脈画像を取得する。
【0051】
抽出部11は、取得部10が取得した静脈画像から、静脈認証に用いられる静脈認証データを抽出する(ステップS202)。静脈認証データは、例えば、静脈画像中の特徴点の位置、および特徴点間の距離等を含む数値データである。
【0052】
静脈認証部14は、認証候補DB12bから過去の所定時間帯の顔画像撮影日時に対応付けられた静脈認証登録データを取得する(ステップS203)。すなわち、静脈認証部14は、過去の所定時間帯に撮影された顔画像に対する顔認証処理で成功した顔認証登録データに対応する静脈認証登録データを取得する。ステップS203で静脈認証部14が取得する静脈認証登録データは、複数のデータとなる可能性がある。
【0053】
静脈認証部14は、ステップS202で抽出された静脈認証データとステップS203で認証候補DB12bから取得した静脈認証登録データとに基づいて1対Nの静脈認証を実行する(ステップS204)。すなわち、静脈認証部14は、抽出された静脈認証データと、予め登録された複数の静脈認証登録データのうち顔認証で認証に成功した顔認証登録データに対応する静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する。
【0054】
静脈認証部14は、ステップS204で、例えば、抽出された静脈認証データと認証候補DB12bから取得した各静脈認証登録データとを照合する。そして、静脈認証部14は、抽出された静脈認証データに一致する静脈認証登録データが認証候補DB12bに存在すれば認証に成功したと判定し、一致する静脈認証登録データが存在しなければ認証に失敗したと判定する。
【0055】
ステップS204における静脈認証に用いられる認証候補DB12b内の静脈認証登録データは、認証情報DB12a内の静脈認証登録データより少ないことが想定される。よって、静脈認証部14は、認証候補DB12bから取得した各静脈認証登録データを用いて1対N認証を行うことにより、認証にかかる時間を減少させることができる。
【0056】
静脈認証部14が認証に成功した場合(ステップS205でYES)、出力部16は、認証結果を出力する(ステップS209)。例えば、出力部16は、表示装置5aに認証が成功したことを示すメッセージを表示させる。
【0057】
静脈認証部14は、認証に失敗した場合(ステップS205でNO)、ステップS204で認証に用いた静脈認証登録データに対応する顔画像撮影時間帯の直前の時間帯に対応する静脈認証登録データが認証候補DB12bに存在するか判定する(ステップS206)。例えば、時間帯の幅が1分であり、ステップS204で用いた静脈認証登録データに対応する顔画像撮影時間帯が9:05:00〜9:05:59であった場合、上記直前の時間帯は9:04:00〜9:04:59となる。
【0058】
静脈認証部14は、認証候補DB12bに上記直前の時間帯に対応する静脈認証登録データが存在すると判定した場合(ステップS206でYES)、上記直前の時間帯における顔画像撮影日時に対応する静脈認証登録データを認証候補DB12bから取得する(ステップS207)。
【0059】
静脈認証部14は、ステップS206、S207において、ステップS204で認証に用いた静脈認証登録データに対応する顔画像撮影時間帯の直後の時間帯における顔画像撮影時間帯に対応する静脈認証登録データを認証候補DB12bから取得してもよい。例えば、時間帯の幅が1分であり、ステップS204で用いた静脈認証登録データに対応する顔画像撮影時間帯が9:05:00〜9:05:59であった場合、上記直後の時間帯は9:06:00〜9:06:59となる。
【0060】
ステップS207の処理後、ステップS204に戻り、静脈認証部14は、ステップS202で抽出部11が抽出した静脈認証データとステップS207で認証候補DB12bから新たに取得した静脈認証登録データとに基づいて静脈認証を実行する(ステップS204)。
【0061】
静脈認証部14は、認証候補DB12bに上記直前の時間帯に対応する静脈認証登録データが存在しないと判定した場合(ステップS206でNO)、ステップS202で抽出部11が抽出した静脈認証データと認証情報DB12a内の全ての静脈認証登録データとに基づいて、静脈認証を実行する(ステップS208)。静脈認証部14は、例えば、抽出部11が抽出した静脈認証データと認証情報DB12a内の全ての静脈認証登録データとを照合して、一致するかを判定する。静脈認証部14は、認証情報DB12a内に、抽出部11が抽出した静脈認証データに一致する静脈認証登録データが存在すれば、認証が成功であると判定し、一致する静脈認証登録データが存在しなければ、認証が失敗であると判定する。
【0062】
ステップS208の処理後、出力部16は、ステップS208での認証結果に基づいて認証結果を出力する(ステップS209)。出力部16は、例えば、表示装置5aに、認証が成功したことを示すメッセージまたは認証が失敗したことを示すメッセージを認証結果として表示させる。
【0063】
なお、
図6に示す例では、認証装置3aは、ステップS206でNOとなるまで、ステップS204〜S207の処理を繰り返すが、予め決められた回数だけ、ステップS204〜S207の処理を繰り返してもよい。
【0064】
本実施形態の認証システムは、
図1に示すように、顔を撮影する第1撮影装置1aの撮影範囲と静脈を撮影する第2撮影装置2aとが所定距離離れているため、静脈認証の開始までに顔認証の実行時間を確保することができる。そして、認証装置3aは、顔認証により絞り込まれた静脈認証登録データに対して1対Nの静脈認証を実行するため、全ての静脈認証登録データに対して1対Nの静脈認証を実行する場合と比べて、静脈認証の処理時間を減少させることができる。
【0065】
<第2の実施形態>
以下、図面を参照して、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0066】
図7は、第2の実施形態における認証システムの全体構成を示す図である。
図7には、ドア7、およびドア7に向かう利用者4bが通過する通路8が示されている。第1撮影装置1bは、通路8の所定範囲を撮影可能な位置に設置されている。また、第2撮影装置2bは、ドア7の近傍に設けられている。また、第1撮影装置1bの撮影範囲と第2撮影装置2bとは所定距離離れているとする。
【0067】
第1撮影装置1bは、第2撮影装置2bに向かって通路8を通過する人物(利用者4b)を撮影して、顔画像を生成する。第1撮影装置1bは、認証装置3bと通信可能であり、生成した顔画像を認証装置3bに送信する。第1撮影装置1bは、例えば、通路8に予め設置されている監視カメラであってもよい。
【0068】
認証装置3bは、顔画像と、予め登録された複数の顔認証登録データとに基づいて顔認証を実行する。なお、認証装置3bは、コンピュータの一例である。
【0069】
利用者4bは、第1撮影装置1bの撮影範囲を通過した後、ドア7を解錠するために、第2撮影装置2bに手のひらをかざし、静脈認証による個人認証を行う。
【0070】
第2撮影装置2bは、近赤外光が照射された手のひらの静脈を撮影し、利用者4bの手のひらの静脈が写された静脈画像を生成する。第2撮影装置2bは、認証装置3bと通信可能であり、生成した静脈画像を認証装置3bに送信する。第2撮影装置2bの機能および構成は第1の実施形態における第2撮影装置2aと同様であるとする。
【0071】
認証装置3bは、第2撮影装置2bから静脈画像を取得すると、予め登録されている複数の静脈認証登録データのうち、顔認証により絞り込んだ静脈認証登録データに基づいて、静脈認証を実行する。認証装置3bは、認証に成功した場合、ドア7に解錠指示を送信する。
【0072】
利用者4bが第1撮影装置1bの撮影範囲を通過した後、第2撮影装置2bに到達するまで、所定時間経過していることが考えられる。よって、認証装置3bが利用者4bの静脈認証を行う時点において、その利用者4bの顔認証が完了していることが想定される。
【0073】
表示装置5bは、認証装置3bが出力した静脈認証の結果を表示する。利用者4bは、表示装置5bを参照することにより、認証が成功したかを知ることができる。
【0074】
図7に示す例において、例えば、認証装置3bの処理能力および登録されている利用者4bの人数に応じて、第1撮影装置1bの設置位置を変更して第1撮影装置1bの撮影範囲を変更してもよい。認証装置3bの処理能力が高いほど、顔認証の処理時間が短いため、第1撮影装置1bはドア7の近くに設置されてもよい。また、登録されている利用者4bの人数が少ないほど、顔認証の処理時間が短いため、第1撮影装置1bはドア7の近くに設置されてもよい。
【0075】
以上のように、認証装置3bは、顔認証により絞り込まれた静脈認証登録データに対して1対N認証による静脈認証を実行するため、静脈認証の処理時間を減少させることができる。
【0076】
図8は、第2の実施形態における認証装置3bの機能ブロック図である。
図8に示す、認証装置3bは、第1設定部15の替わりに第2設定部17が含まれている点で、
図2に示す第1の実施形態の認証装置3aと異なる。
【0077】
第2の実施形態における第2設定部17は、第1撮影装置1bの撮影範囲と第2撮影装置2bとの距離Sと、人物の歩行速度の推定値Vとに基づいて、静脈認証部14の処理に用いる所定時間帯の開始時刻を設定する。なお、例えば、第1撮影装置1bの撮影範囲のうち第2撮影装置2bに最も近い部分と第2撮影装置2bとの距離を距離Sとする。第2設定部17は、例えば、以下の式に基づいて、所定時間帯の開始時刻を設定する。Tは、例えば30秒であり、所定時間帯の時間幅は、例えば1分であるとする。
所定時間帯の開始時刻=現在時刻−(距離S÷歩行速度の推定値V)−T
【0078】
なお、(距離S÷歩行速度の推定値V)の算出結果は、利用者4bが第1撮影装置1bの撮影範囲から第2撮影装置2bに到達するまでの時間の推定値を示す。第1撮影装置1bの撮影範囲と第2撮影装置2bとの距離Sと、人物の歩行速度の推定値Vは、予め管理者により設定されているとする。
【0079】
第2の実施形態における認証情報および認証候補は、
図3および
図4に示す第1の実施形態の認証情報および認証候補と同様であるため、説明を省略する。なお、第2の実施形態における認証情報は、ドア7へのアクセス権の有無を含んでいてもよい。
【0080】
また、第2の実施形態における認証装置3bの顔認証処理および静脈認証処理は、
図5および
図6に示す処理と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
本実施形態の認証システムは、
図7に示すように、顔を撮影する第1撮影装置1bの撮影範囲と静脈を撮影する第2撮影装置2bとが所定距離離れているため、静脈認証の開始までに顔認証の実行時間を確保することができる。そして、認証装置3bは、顔認証により絞り込まれた静脈認証登録データに対して1対Nの静脈認証を実行するため、静脈認証の処理時間を減少させることができる。
【0082】
なお、上記の各実施形態は、以上に述べた構成に限定されるものではなく、各実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成を適用可能である。