(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記照明部から放射されて前記枠の被測定部の内側近傍を通過する光線とある軸線のなす角は、前記枠の被測定部から撮像装置の光学系に向かう光路と前記軸線のなす角よりも大きい、請求項1に記載の方法。
前記反射板の反射面は、反射領域と、前記枠の陰影が投射された陰影領域に区分され、前記反射領域と前記陰影領域の境界は、前記枠の内壁面よりも外側に位置する、請求項6又は7に記載の方法。
前記枠の内壁面が、前記撮像装置寄りの第1辺部と前記撮像装置からより離れて位置する第2辺部を有し、前記被測定部は、前記第2辺部である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
前記チャックにより保持され、撮像位置に位置付けられた前記枠を撮像する撮像装置により取得される画像に基づいて前記枠における被測定部の画像上の位置を決定する工程は、エッジ検出処理に基づいて行われる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
前記補正値に応じた前記チャックの変位は、前記チャックが前記枠を解放する時の鉛直方向に直交する水平方向における前記枠の変位に帰結する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
前記補正値に応じた前記チャックの変位は、前記チャックが前記枠を解放する時の鉛直方向回りの前記枠の回転に帰結する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
前記棚板上にセラミックス構造体が配置され、前記セラミックス構造体が、複数の開口セルを規定する格子状の隔壁を有する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
焼成炉を繰り返し通過する枠の変形によりチャックが枠を解放する位置精度が低下してしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る方法は、少なくとも棚板と枠から構成される収容棚を構築又は解体する方法であって、
チャックが、前記枠を保持する工程と、
前記チャックにより保持され、撮像位置に位置付けられた前記枠を撮像する撮像装置により取得される画像に基づいて前記枠における被測定部の画像上の位置を決定する工程と、
前記チャックが前記棚板上で前記枠を解放する時の前記枠の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を前記決定された画像上の位置に基づいて決定する工程を含み、
前記被測定部は、前記枠の内壁面であり、
前記撮像装置と前記枠の撮像位置の間に照明部が配置され、
前記照明部から放射される照明光により生じる前記枠の陰影が、前記撮像装置により撮像されない程度に前記枠の内壁面よりも外側に形成される。
【0006】
幾つかの場合、前記照明部から放射されて前記枠の被測定部の内側近傍を通過する光線とある軸線のなす角は、前記枠の被測定部から撮像装置の光学系に向かう光路と前記軸線のなす角よりも大きい。前記軸線は、前記枠の内壁面に平行であり得る。
【0007】
幾つかの場合、前記照明部は、1以上の光源と、前記1以上の光源が固定された固定台を含む。
【0008】
幾つかの場合、前記画像には前記固定台が写される。
【0009】
幾つかの場合、前記チャックには、前記照明部から放射され、前記枠内を伝播した光を反射するための反射板が取り付けられる。
【0010】
幾つかの場合、前記照明部は、前記反射板側に位置する前記枠の内側の縁部の内側近傍を通過する光線を放射する。
【0011】
幾つかの場合、前記反射板の反射面は、反射領域と、前記枠の陰影が投射された陰影領域に区分され、前記反射領域と前記陰影領域の境界は、前記枠の内壁面よりも外側に位置する。
【0012】
幾つかの場合、前記枠の内壁面が、前記撮像装置寄りの第1辺部と前記撮像装置からより離れて位置する第2辺部を有し、前記被測定部は、前記第2辺部である。
【0013】
幾つかの場合、前記チャックにより保持され、撮像位置に位置付けられた前記枠を撮像する撮像装置により取得される画像に基づいて前記枠における被測定部の画像上の位置を決定する工程は、エッジ検出処理に基づいて行われる。
【0014】
幾つかの場合、前記補正値に応じた前記チャックの変位は、前記チャックが前記枠を解放する時の鉛直方向に直交する水平方向における前記枠の変位に帰結する。
【0015】
幾つかの場合、前記補正値に応じた前記チャックの変位は、前記チャックが前記枠を解放する時の鉛直方向回りの前記枠の回転に帰結する。
【0016】
幾つかの場合、前記チャックが、前記棚板上で前記枠を解放する工程と、
前記チャックが、前記枠上に配置されるべき棚板を保持して、前記枠上に前記棚板を移動し、前記枠上で前記棚板を解放する工程を更に含む。
【0017】
幾つかの場合、前記枠が、アルミナ(Al
2O
3)又はムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)を含む。
【0018】
幾つかの場合、前記枠が多角形状である。
【0019】
幾つかの場合、少なくとも一つの突起が前記棚板に設けられ、前記棚板上において前記枠の位置が規制される。
【0020】
幾つかの場合、前記棚板上にセラミックス構造体が配置され、前記セラミックス構造体が、少なくとも炭化ケイ素(SiC)を含む。
【0021】
幾つかの場合、前記棚板上にセラミックス構造体が配置され、前記セラミックス構造体が、複数の開口セルを規定する格子状の隔壁を有する。
【0022】
本開示の一態様に係るセラミックス焼成体の製造方法は、上記いずれかの段落に記載の方法により構築された収容棚が焼成炉を通過する工程と、
前記焼成炉を通過した前記収容棚からセラミックス焼成体を取り出す工程を含む。
【0023】
本開示の一態様に係る搬送システムは、少なくとも棚板と枠から構成される収容棚に含まれる前記枠を搬送する搬送システムであって、
枠を保持するチャックと、
前記チャックにより保持され、撮像位置に位置付けられた前記枠を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により取得される画像に基づいて前記枠における被測定部の画像上の位置を決定し、この決定された画像上の位置に基づいて前記棚板上に前記枠が解放される時の前記枠の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を決定する補正値決定部を備え、
前記被測定部は、前記枠の内壁面であり、
前記撮像装置と前記枠の撮像位置の間に照明部が配置され、
前記照明部から放射される照明光により生じる前記枠の陰影が、前記撮像装置により撮像されない程度に前記枠の内壁面よりも外側に形成される。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一態様によれば、チャックが枠を解放する時の枠の解放位置の精度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、
図1乃至
図15を参照しつつ、本発明の非限定の実施形態について説明する。当業者は、過剰説明を要せず、各実施形態及び/又は各実施形態に含まれる各特徴を組み合わせることができる。また、当業者は、この組み合わせによる相乗効果も理解可能である。実施形態間の重複説明は、原則的に省略する。参照図面は、発明の記述を主たる目的とするものであり、作図の便宜のために簡略化されている場合がある。「幾つかの場合」という表現により明示される個別の特徴は、図面に開示された搬送システム及び/又はこれを用いた方法にのみ有効であるものではなく、他の様々な搬送システム及び/又はこれを用いた方法にも通用する普遍的な特徴として理解される。
【0027】
図1は、搬送システム110の概略図である。搬送システム110は、枠2(
図2又は
図10参照)を保持するチャック5と、少なくともチャック5の変位を指示する指令を生成する制御部6と、制御部6の指令に基づいて作動するロボットアーム7、チャック5により保持され、撮像位置に位置付けられた枠2を撮像する撮像装置81と、撮像装置81により取得される画像に基づいて枠2における被測定部の画像上の位置を決定し、この決定された画像上の位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を決定する補正値決定部9を含む。
【0028】
枠2は、収容棚3に含まれる時、鉛直方向に平行なある軸線に関する又はこれを中心とする周方向に延びる外周壁26を有する(
図10参照)。外周壁26は、周方向において連続し、或いは非連続である。外周壁26が周方向で連続する場合、枠2は、閉じた枠である。外周壁26が周方向で連続しない場合、枠2は、開いた枠である。幾つかの場合、枠2が多角形であり、及び/又は、外周壁26が多角形状の開口を規定する。鉛直方向に直交する面において枠2の断面形状が四角形状であり得る。外周壁26には、複数の角部27が設けられ得る。枠2が四角形状である時、外周壁26には4つの角部27が設けられる。
【0029】
チャック5は、把持、吸引、又は磁着といった様々な態様で枠2を保持し得る。チャック5が枠2を保持する時、チャック5が枠2に物理的に接触し得るが、必ずしもこの限りではない。チャック5は、幾つかの場合、間隔調整可能である接触部53の1以上のペア(対)を含む。ペアの接触部53の間隔を小さくすることにより接触部53の間で枠2が挟まれる。ペアの接触部53の間隔を大きくすることにより接触部53から枠2が解放される。接触部53は、枠2の外壁面2bに接触し得るが、これに限られない。接触部53が枠2の内壁面2aに接触する場合、ペアの接触部53の間隔を大きくすることにより接触部53により枠2が保持される。ペアの接触部53の間隔を小さくすることにより接触部53から枠2が解放される。チャック5は、ある軸線AX5を中心として回転可能に設けられ得、この利益は、後述のとおりである。
【0030】
チャック5は、ロボットアーム7のアーム先端部に取り付けられる本体部51を有する。本体部51に対する接触部53の相対的な変位は、シリンダーの伸縮、ボールネジのナット部の変位、リニアガイド上のスライダーの変位といった様々な態様で達成される。
図2を含む幾つかの場合、本体部51に対してシリンダー54で接続されたアーム52に対して接触部53が取り付けられる。シリンダー54の伸縮に応じて、接触部53が本体部51に対して相対的に変位する。
【0031】
接触部53は、幾つかの場合、チャック5により枠2が把持される時に枠2に対して与えられ得る衝撃を低減するように構成され得る。接触部53は、クッション材、ゴムシートといった衝撃吸収材を含み得る。クッション材又はゴムシートが枠2の内壁面2a及び/又は外壁面2bに接触し得る。
【0032】
搬送システム110にオプションとして含まれ得るロボットアーム7は、少なくとも一つのベース71、2以上のリンク72、及び隣接するリンク72を接続する1以上の関節73を含む。ベース71に対してリンク72が枢動可能である。あるリンク72に対して別のリンク72が枢動可能である。ベース71が回転可能に設けられ得る。ロボットアーム7は、ピック場所とピック場所とは異なるリリース場所の間でチャック5を移動させることができる。ピック場所は、チャック5が棚板1又は枠2を保持する場所であり、リリース場所は、チャック5が棚板1又は枠2を解放する場所である。ロボットアーム7は、複数のモーターを内蔵し、各モーターを制御するためのドライバー回路を含み得る。
【0033】
図2を参照すれば、チャック5は、ピック場所に置かれた又は供給された枠2の積層体の最上層の枠2を保持する。ロボットアーム7の作動に応じてチャック5及びチャック5により保持された枠2が鉛直方向に直交する水平方向に沿って動かされる。リリース場所において、チャック5が枠2を解放し、枠2が棚板1上に配置される。チャック5は、幾つかの場合、棚板1と枠2を交互に積み重ねるように作動する。これにより、
図2又は
図10に示すような収容棚3が構築される。収容棚3を構築するに際して、作業者(つまり、ヒト)又は他の装置が、枠2上に棚板1を配置する形態も想定される。作業者又は他の装置が、収容棚3に含まれる少なくとも一つの枠2を棚板1を配置する形態も想定される。なお、収容棚3が土台800を有する場合、最下層の棚板1又枠2が、土台800上に配置される。枠2が棚板1上に配置される時、棚板1上に1以上のセラミックス構造体が配置され得るが、必ずしもこの限りではない。
【0034】
搬送システム110は、チャック5の変位を指示する指令を生成する制御部6を含む。制御部6は、幾つかの場合、ロボットアーム7の制御部である。ロボットアーム7の制御に基づいてチャック5が変位し、チャック5の位置が決定される。追加的に、制御部6は、チャック5の制御部も兼務し、チャック5が枠2を保持する状態とチャック5が枠を解放する状態の間でチャック5の状態を切り替える。なお、チャック5の変位のためにロボットアーム7以外の手段が採用される場合も想定される。つまり、チャック5が別の機構に取り付けられることも想定される。
【0035】
制御部6は、ロボットアーム7に含まれる各モーターに対して直接的又は間接的に指令を出力し、これにより、チャック5の連続した変位が生じる。制御部6は、追加的に、適切なタイミングで、直接的又は間接的に、チャック5のシリンダーに指令を出力し、チャック5の状態を切り替える。ロボットアーム7に対する指令の出力タイミングは、搬送システム110の内部又は外部タイミング信号に基づいて決定され得る。ロボットアーム7がチャック5を変位させる軌道は、予め適切に設定される。
【0036】
上述したように、搬送システム110は、チャック5により保持され、撮像位置に位置付けられた枠2を撮像する撮像装置81と、撮像装置81により取得される画像に基づいて枠2における被測定部の画像上の位置を決定し、この決定された画像上の位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を決定する補正値決定部9を含む。補正値決定部9は、撮像装置81により取得される画像に基づいて枠2における被測定部の画像上の位置を決定する。被測定部の画像上の位置は、画像上における被測定部の絶対位置又は相対位置に相当する。画像上における被測定部の絶対位置は、画像上における被測定部の位置を示す座標により表される。画像上における被測定部の絶対位置は、近似された座標により表されることもある。画像上における被測定部の相対位置は、画像上における被測定部の位置と画像上に設定された基準位置の間隔(或いは、距離)により表される。画像上における被測定部の相対位置は、近似された間隔(或いは、距離)により表されることもある。
【0037】
補正値決定部9は、この決定された画像上の位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を決定する。撮像装置81により取得される画像に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を加えることができる。決定された補正値に応じてチャック5の現在位置、目的位置、又は移動軌跡が変更され、結果として、枠2の解放位置の精度が高められる。
【0038】
補正値決定部9は、位置決定部91と演算部92を有する(
図3参照)。位置決定部91は、撮像装置81により取得される画像に基づいて枠2における被測定部の画像上の位置を決定する。絶対位置が用いられる時、位置決定部91は、2以上の被測定部について、各被測定部の画像上の座標を決定する。相対位置が用いられる時、位置決定部91は、画像上における被測定部と基準位置の間の2以上の間隔を決定する。演算部92は、この決定した位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を演算する。位置決定部91と演算部92は、同一又は異なるコンピューター又はプログラム部分であり得る。補正値決定部9は、制御部6と同一又は異なるコンピューター又はプログラム部分であり得る。換言すれば、補正値決定部9の一部又は全体が制御部6に組み込まれ得る。
【0039】
撮像装置81は、チャック5により保持された枠2を撮像する。撮像装置81により取得される画像に基づいて間隔が決定される。撮像装置81は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサといったイメージセンサ88と、少なくとも一つの光学系89を有し得る。光学系89は、ズーム光学系、対物レンズ、又は他の光学素子を含む。撮像装置81は、不図示の1以上の半導体チップを有し得る。半導体チップは、イメージセンサ88から読み出されるアナログ又はデジタル信号を処理する信号処理回路や、フィルター回路、及び通信インターフェイス回路を含み得る。撮像装置81は、チャック5により保持され、撮像位置に位置付けられた枠2を撮像し得る。撮像装置81は、外部から提供されるタイミング信号に応じて移動中の枠2を撮像し、又は、ある一定の期間、一定の時間間隔で連続的に撮像する。これにより、枠2が撮像されないことが回避される。撮像装置81に含まれるイメージセンサ88は、例えば、4k以上の解像度を有する。
【0040】
補正値決定部9は、当業者が理解するようにソフトウェア又はハードウェア又はこれらの協調により構成される。補正値決定部9が行う工程は、幾つかの場合、コンピューターにより実行される。コンピューターは、1以上のCPU(central processing unit)と1以上のメモリーを含む。メモリーは、ハードドライブ、半導体メモリー、磁気記録媒体、光学記録媒体等を含む。メモリーから読み出したプログラムがCPUで実行され、これにより、補正値決定部9のソフトウェア処理が実行される。コンピューターは、インターネットを介して撮像装置81及び制御部6と通信可能であるクラウドコンピューターである形態が想定される。
【0041】
撮像装置81と補正値決定部9は、有線又は無線又はネットワークを介して接続される。撮像装置81の出力、つまり、撮像装置81で撮像された画像データが、補正値決定部9のアプリケーションにより処理される。アプリケーションによる画像データの処理によって、画像上における枠2の被測定部の位置が決定される。続いて、この決定した位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値が決定される。アプリケーションによる画像データの処理は、画像上における被測定部の位置の決定のためのエッジ検出処理を含み得る。補正値の決定は、計算式又はアルゴリズムに基づいて決定され得る。
【0042】
画像上における被測定部の絶対位置は、例えば、イメージセンサ88のピクセル基準の座標に基づいて決定することができるが、必ずしもこの限りではない。ピクセル基準の座標は、ピクセルの位置を示す座標に基づいて構築されたより高分解能の座標であり得る。画像上における被測定部の相対位置は、画像上に設定された基準位置と被測定部の位置の間のピクセル基準の間隔(或いは、距離)に基づいて決定することができるが、必ずしもこの限りではない。基準位置は、例えば、枠の内側の位置である。
【0043】
相対位置が用いられる幾つかの場合、チャック5により保持された枠2におけるN個(Nは、2以上の自然数を示す)の被測定部とM個(Mは、2以上の自然数を示し、N以下である)の基準位置の間のN個の間隔が決定される。以下の場合が想定される。
(i)チャック5により保持された枠2における第1被測定部と第1基準位置の間の第1間隔に加えて、チャック5により保持された枠2における第2被測定部と第2基準位置の間の第2間隔が決定される。
(ii)チャック5により保持された枠2における第1被測定部と第1基準位置の間の第1間隔に加えて、チャック5により保持された枠2における第3被測定部と第1基準位置の間の第3間隔が決定される。
(i)の場合、決定される間隔間において用いられる基準位置が異なる。(ii)の場合、決定される間隔間において用いられる基準位置が同一である。枠2の形状に応じて(i)及び(ii)の様々な組み合わせが想定される。
【0044】
図3は、搬送システム110における照明部85と撮像装置81のより具体的構成を示す模式図である。照明部85から放射される照明光により生じる枠の陰影が、撮像装置81により撮像されない程度に枠2の内壁面2aよりも外側に形成される。
図4は、搬送システム110において反射板86の反射面861に形成される反射領域R1と陰影領域R2の境界B1が枠2の内壁面2aよりも外側に位置することを示す模式図である。
【0045】
撮像装置81と枠2の撮像位置の間に照明部85が配置される。照明部85は、枠2の内壁面2aにより周囲される空間を照明するように配置される。照明部85は、1以上の光源851と、1以上の光源851が固定された固定台852を含む。光源851は、例えば、白熱灯、蛍光灯、又はLED光源である。LED光源は、LEDチップと、LEDチップの放射光を投光するための少なくとも一つのレンズを含む。幾つかの場合、2以上の光源851が固定台852上に固定され、十分に広い照明範囲が確保される。枠2の内壁面2aは、撮像装置81寄りの第1辺部2eと撮像装置81からより離れて位置する第2辺部2fを有する。被測定部は、端的には、枠2の内壁面2aの第2辺部2fである。
【0046】
枠2の内壁面2aに対して平行に延びる共通の軸線AX1を設定する(
図3及び
図4参照)。追加的又は代替的に、軸線AX1は、照明部85に含まれる光学系の光軸に平行であり、及び/又は、撮像装置81に含まれる光学系の光軸に平行である。照明部85から放射されて撮像位置にある枠2の第2辺部2fの内側近傍を通過する光線L1と軸線AX1のなす角θ1は、撮像位置にある枠2の第2辺部2fから撮像装置81の光学系に向かう光路L2と軸線AX1のなす角θ2よりも大きい(
図4参照)。光線L1と軸線AX1のなす角θ1は、幾つかの場合、光線L1と照明部85の光学系の光軸のなす角θ3に等しい(
図3参照)。同様、光路L2と軸線AX1のなす角θ2は、光路L2と撮像装置81の光学系の光軸のなす角θ4に等しい。このような幾つかの場合、照明部85から放射される照明光により生じる枠2の陰影が、撮像装置81により撮像されない程度に枠2の内壁面2aよりも外側に形成される。枠2の陰影が撮像装置81により取得される画像に写り込むことが回避され、撮像装置81により取得される画像に基づいて定まる被測定部の位置精度が高められる。なお、枠2の全周に亘る範囲で枠2の陰影が撮像装置81により撮像されない程度に枠2の内壁面2aよりも外側に形成されることは必須ではない。枠2の周方向のある区間において、枠2の陰影が撮像装置81により撮像されることは許容される。このような場合においても許容範囲内の精度で被測定部の画像上の位置を決定することができる。例えば、枠2の周方向のある区間において枠2の陰影が撮像装置81により撮像され、被測定部の画像上の位置に誤差が生じるとしても、枠2の周方向における別の区間において枠2の陰影が撮像装置81により撮像されず、被測定部の画像上の位置が精度良く決定できるならば、全体としての誤差は低減される。
【0047】
なす角θ3>なす角θ4を満足しない場合においても、撮像装置81と枠2の撮像位置の間で照明部85を適切に位置付け及び配向させることにより、照明部85から放射される照明光により生じる枠2の陰影が、撮像装置81により撮像されない程度に枠2の内壁面2aよりも外側に形成される。
【0048】
チャック5には、オプションとして、照明部85から放射され、枠2内を伝播した光を反射するための反射板86が取り付けられる。これにより、撮像装置81は、被測定部である枠2の内壁面2aをより明瞭に撮像することができる。反射板86は、少なくとも一つの反射面861を有する。反射板86がチャック5に取り付けられる態様は様々である。反射面861は、拡散反射面又は鏡面であり得る。チャック5に反射板86を取り付けることにより、反射板86とチャック5の衝突又は干渉が回避される。照明部85は、反射板86側に位置する枠2の内側の縁部2g(
図4参照)の内側近傍を通過する光線を放射する。なお、反射板86は、チャック5の動作と干渉しないように設けられる。
【0049】
図4に示すように、反射板86の反射面861は、反射領域R1と、枠2の陰影が投射された陰影領域R2に区分される。反射領域R1と陰影領域R2の境界B1は、枠2の内壁面2aよりも外側に位置する。反射領域R1と陰影領域R2の境界B1が枠2の外壁面2bよりも外側に位置する形態も想定される。
【0050】
図5は、撮像装置81により撮像された画像に基づいて枠2における被測定部の画像上の絶対位置が決定されることを示す模式図である。
図5に示すように、チャック5は、接触部53の2ペアを有し、つまり、第1ペアの接触部53aと、第2ペアの接触部53bを有する。第1ペアの接触部53aの間隔の減少により接触部53aの間で枠2が挟まれる。第2ペアの接触部53bの間隔の減少により接触部53bの間で枠2が挟まれる。第1ペアの接触部53aの間隔の減少と2ペアの接触部53bの間隔の減少が同時に開始するとする。枠2に変形が生じている時、接触部53a、53bの間で枠2との接触タイミングに差が生じ得る。チャック5により枠2が把持される際、枠2の変形に応じてチャック5に関して枠2が変位又は回転してしまい得る。これは、枠2の解放位置の精度の低下を招来し得る。正方形の枠2に対して各接触部53が同時に接触する場合と比べて、解放位置の精度の低下は顕著になり得る。
【0051】
図6は、棚板1上に変形した枠2が不適切に配置された状態を示す模式図である。少なくとも一つの突起15が棚板1に設けられ、棚板1上において枠2の位置が規制される場合がある(
図11も併せて参照)。
図6に示す場合、棚板1上に配置される枠2が棚板1の突起上に配置され、従って、棚板1と枠2の間に隙間が生じ、また、上層に配置される棚板1が傾斜してしまう。棚板1と枠2の間の隙間は、鉛直方向で隣接する棚板1と、その間に配置される枠2により画定される収容空間31(
図11参照)の雰囲気を焼成炉の内部雰囲気に連通させ、セラミックス構造体700(
図10参照)の焼成不良(変色等)に帰結し得る。
図8は、補正値決定部9により決定された補正値によりチャック5の現在位置、目標位置、又は移動軌跡が変更され、棚板1上に変形した枠2が適切に配置された状態を示す。なお、棚板1上に突起15を設けることは必須ではなく、また、突起15の具体的な形状や配置態様も任意である。
【0052】
図5を参照してより詳細に説明する。
図5は、1フレームの画像を示す。この画像には、被測定部の枠2の内壁面2aが写され、第1辺部2eと第2辺部2fが写される。被測定部は、非限定の一例として、P1〜P4により示される第2辺部2fの交差点である。アプリケーションによる画像データの処理、端的にはエッジ検出処理によって、枠2の第2辺部2fのエッジ線が決定される。第2辺部2fの交差点P1は、y軸沿いに延びる一方の第2辺部2fのx座標とx軸沿いに延びる他方の第2辺部2fのy座標から求めることができる。第2辺部2fの他の交差点P2〜P4についても同様である。
【0053】
基準位置Q1〜Q4と枠2の被測定部X1〜X4,Y1〜Y4の間隔を決定することもできる。被測定部は、枠2の内壁面であり、端的には、第2辺部2fである。アプリケーションによる画像データの処理、端的にはエッジ検出処理によって、枠2の第2辺部2fのエッジ線が決定される。被測定部X1〜X4,Y1〜Y4は、基準位置Q1〜Q4の座標と、画像処理に基づいて決定されたエッジ線に基づいて決定される。被測定部X1は、エッジ線上にあり、また、基準位置Q1のy座標と同じy座標を有する。被測定部Y1は、エッジ線上にあり、また、基準位置Q1のx座標と同じx座標を有する。第2の基準位置Q2と被測定部X2,Y2についても同様に理解される。第3の基準位置Q3と被測定部X3,Y3についても同様に理解される。第4の基準位置Q4と被測定部X4,Y4についても同様に理解される。
【0054】
基準位置Q1〜Q4と被測定部X1〜X4,Y1〜Y4の間隔は、基準位置Q1〜Q4の座標と被測定部X1〜X4,Y1〜Y4の座標に基づいて決定され得るが、必ずしもこの限りではない。適切なアプリケーションを用いることにより、基準位置からエッジ線までの最小間隔を決定することができる。この最小間隔が、上述の間隔に対応又は一致する。間隔は、本明細書に開示されていない別の方法でも決定され得る。
【0055】
被測定部の画像上の位置は、アプリケーションにより実行されるパターンマッチングに基づいて決定される形態も想定される。例えば、第2辺部2fに対応する4つのエッジ線から形成される矩形状の対象パターンに対して矩形状の標準パターンが重ね合わされる。被測定部は、枠2の内壁面2aの第2辺部2fの交差点であるものとする。第2辺部2fに対応する4つのエッジ線から形成される矩形状の対象パターンに対して重ね合わされた標準パターンの角部の座標が対象パターンにおける交差点の座標として決定される。このような場合においても、被測定部の画像上の位置は、撮像装置81により取得される画像に基づいて決定されるものと言える。
【0056】
図5の点線で示すように光源851が固定された固定台852が画像に写されるが、被測定部の画像上の位置の決定に影響しない。
【0057】
演算部92は、この決定した位置に基づいて、棚板1上に枠2が解放される時の枠2の解放位置に変更を生じさせるための少なくとも一つの補正値を演算する。補正値は、チャック5の変位量に関する任意の値である。例えば、中心座標と回転角度(回転位置)に関する補正値が決定される。例えば、以下のXc、Ycにより中心座標が定まり、以下のθにより回転角度(回転位置)が定まる。決定された中心座標と目標とする中心座標の比較(端的には、減算)に基づいて補正値が定まる。同様、決定された回転角度(回転位置)と、目標とする回転角度(回転位置)の比較(端的には、減算)に基づいて補正値が定まる。このように、補正値は、測定値と目標値の差分値であり得る。
Xc=(X1+X2+X3+X4)/4
Yc=(Y1+Y2+Y3+Y4)/4
θ={((Y2−Y1)/(X2−X1))+((Y4−Y3)/(X4−X3))−((X3−X1)/(Y3−Y1))−((X4−X2)/(Y4−Y2))}/4
【0058】
いずれか又は全ての補正値が制御部6に伝送され、チャック5の変位に帰結する。補正値に応じたチャック5の変位は、チャック5が枠2を解放する時の鉛直方向に直交する水平方向における枠2の変位に帰結し、及び/又は、チャック5が枠2を解放する時の鉛直方向回りの枠2の回転に帰結する。補正値に基づいてチャック5の位置を変更することは、チャック5の現在位置、目標位置、移動軌跡、又はこれらの組み合わせを変更することにより達成される。従って、補正値に応じてチャック5の位置が調整される時、枠2は、チャック5の現在の配向に依存した任意の方向に補正値に応じた距離だけ移動する。このようなチャック5の位置の調整は、結果として、チャック5が枠2を解放する時の枠2の位置に変更を生じさせる。
【0059】
X方向におけるチャック5の位置調整、Y方向におけるチャック5の位置調整、及び回転方向におけるチャック5の位置調整のいずれか又はこれらの組み合わせが実行される。X方向におけるチャック5の位置調整、Y方向におけるチャック5の位置調整、及び回転方向におけるチャック5の位置調整のいずれかが、他のものよりも支配的であるならば、重み付けが行われ得る。この場合、補正値の計算式にゲイン係数を導入することも想定される。
【0060】
演算部92で算出された補正値は、制御部6に無線又は有線又はネットワークを介して伝送される。制御部6は、受け取った補正値に応じて、チャック5の現在位置、目標位置、又は移動軌跡を制御する。具体的には、制御部6は、補正値に応じてロボットアーム7を制御し、これにより、チャック5の現在位置、目標位置、移動軌跡に変更が生じる。結果として、補正値に応じて、チャック5が枠2を解放する時の鉛直方向に直交する水平方向における枠2の変位が生じ、及び/又は、補正値に応じて、チャック5が枠2を解放する時の鉛直方向回りの枠2の回転が生じる。
【0061】
図8は、搬送システム110の動作を示す概略的なフローチャートである。ステップS1で、被測定部の画像上の位置が決定される。ステップS2で、被測定部の画像上の位置に基づいて補正値が決定される。複数の補正値は、個別に計算され、又は、一度に計算される。複数の入力値に応じて複数の出力値を出力するアルゴリズムが用いられ得る。ニューラルネットワークといったアルゴリズムも採用可能である。ステップS3で、補正値に基づいてチャック5の現在位置、目標位置、移動軌跡、又はこれらの組み合わせが変更される。
【0062】
本開示の搬送システム110は、セラミックス焼成体の製造ラインに導入され得る。
図9において、第1場所L1と第2場所L2の間で脱脂炉を通過する収容棚が移動する。第2場所L2と第1場所L1の間で脱脂炉を通過した収容棚から取り出された枠が移動する。第4場所L4と第3場所L3の間で焼成炉を通過した収容棚から取り出された枠が移動する。第3場所L3と第4場所L4の間で焼成炉を通過する収容棚が移動する。搬送システム110は、第2場所L2に提供される収容棚3から取得した棚板1と第3場所L3に提供される枠2を用いて焼成炉400を通過する新たな収容棚3を構築する。新たな収容棚3の構築のため、チャック5は、棚板上で枠を解放する工程と、その枠上で別の棚板を解放する工程を含むことができる。棚板上での枠の解放と枠上での棚板の解放が交互に実行される。
図10は、新たに構築された収容棚3の一例を示す。棚板1上には脱脂炉により脱脂されたセラミックス構造体が配置されている。追加的又は代替的に、搬送システム110は、第4場所L4に提供される収容棚3を解体するために用いられ、収容棚3から枠2を取り出し、枠2を積層させる。なお、セラミックス焼成体の製造方法は、構築された収容棚が焼成炉を通過する工程と、焼成炉を通過した収容棚からセラミックス構造体を取り出す工程を含む。
【0063】
棚板1及び枠2は、耐火性材料から成り得る。必ずしもこの限りではないが、棚板1及び/又は枠2は、炭化ケイ素(SiC)又はアルミナ(Al
2O
3)又はムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)を含み、又は、炭化ケイ素(SiC)又はアルミナ(Al
2O
3)又はムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)の焼結体である。棚板1及び/又は枠2に含まれる炭化ケイ素(SiC)は、反応焼結Si−SiC、再結晶SiC(Re−SiC)、窒化物結合SiC(N−SiC)のいずれか一つ又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。特には、幾つかの場合、枠2は、アルミナ(Al
2O
3)又はムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)を含み、又は、アルミナ(Al
2O
3)又はムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)から成る。枠2が炭化ケイ素の代替としてアルミナ又はムライトから成る場合、枠2が焼成炉400を通過する回数の増加に応じた枠2の重量の減少が緩慢になり、枠2の寿命が長寿命化し得る。しかしながら、反面、枠2が焼成炉400を通過する回数の増加に応じた枠2の変形が大きくなり得る。棚板1と枠2により収容空間31が閉じられる場合、焼成炉の雰囲気温度と収容空間31内の温度に差が生じ、枠2の変形を促進する。
【0064】
図12は、棚板1上に配置されるセラミックス構造体の概略的な斜視図である。セラミックス構造体700は、脱脂炉900により脱脂され、続いて、焼成炉400により焼成され得る。焼成炉400において脱脂と焼成が連続的に行われ、脱脂炉900が省略されることも想定される。脱脂炉900においてセラミックス構造体700が加熱され、セラミックス構造体700に含まれる有機バインダーが除去される。焼成炉400において脱脂されたセラミックス構造体700が焼成され、セラミックス材料、例えば、炭化ケイ素(SiC)の粒子が焼結する。必ずしもこの限りではないが、脱脂炉900におけるセラミックス構造体700の加熱が酸化雰囲気で行われ、例えば、大気雰囲気で行われる。焼成炉400におけるセラミックス構造体700の焼成は、非酸化雰囲気で行われ、例えば、アルゴンといった不活性化ガス雰囲気で行われる。セラミックス構造体700の脱脂工程中の脱脂炉900の炉内温度は、500℃以下であり得る。セラミックス構造体700の焼成工程中の焼成炉400の炉内温度は、1000℃以上であり得る。脱脂炉900を第1焼成炉と呼び、焼成炉400を第2焼成炉と呼ぶこともできる。繰り返すが、脱脂炉900が省略されることも想定される。
【0065】
セラミックス構造体700は、原料の成形と乾燥を経て製造されたものであり得る。原料は、幾つかの場合、少なくとも坏土を含み、又は、少なくともセラミックス材料、有機バインダー、及び水を含む。セラミックス材料は、焼成によりコージェライト(2MgO・2Al
2O
3・5SiO
2)になる原料、炭化ケイ素(SiC)、ムライト(3Al
2O
3・2SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、及びジルコニア(ZrO
2)から成る群から選択される少なくとも一つの材料を含み得る。焼成によりコージェライト(2MgO・2Al
2O
3・5SiO
2)になる原料は、シリカが40〜60質量%、アルミナが15〜45質量%、マグネシアが5〜30質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミックス原料であり得る。有機バインダーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、及び寒天から成る群から選択される少なくとも一つの材料を含み得る。押出成形機を用いてセラミックス構造体700が押し出され、これに続いて乾燥機により乾燥される。これにより人手又は機械により把持できる硬さを有するセラミックス構造体700が製造される。
【0066】
必ずしもこの限りではないが、セラミックス構造体700は、複数の開口セル710を規定する格子状の隔壁720を有する。セラミックス構造体700の格子構造により規定される開口セル710の開口形状は、多角形或いは円形或いは楕円形であり得る。多角形は、三角形、四角形、五角形、六角形、又はこれ以外のものであり得る。セラミックス構造体700は、第1端部706と第2端部707を有し、各端部706,707の間を延びる。開口セル710は、セラミックス構造体700の延在方向に沿って延在する。
【0067】
必ずしもこの限りではないが、開口セル710の2次元配置において幾つかの開口セル710が封止材730により封止される。
図13に示すように、セラミックス構造体700の第1端部706における封止材730による開口セル710の封止パターンと、セラミックス構造体700の第2端部707における封止材730による開口セル710の封止パターンとが相補的であり得る。フィルター790における排ガスの透過性と排ガスの浄化性の両立が促進され得る。なお、第1端部706が、排ガスの流れ方向においてエンジン寄りに配置される端部であり、第2端部707が排ガスの流れ方向においてエンジンからより離れて配置される端部であり得る。
【0068】
セラミックス構造体700は、幾つかの場合、少なくとも炭化ケイ素(SiC)を含む。セラミックス構造体700は、幾つかの場合、脱脂されていないものであり、炭化ケイ素に加えて有機バインダーを有する。セラミックス構造体700は、幾つかの場合、脱脂されたものであり、炭化ケイ素に加えて残炭成分を有する。残炭成分は、有機バインダーに由来する炭素分であり得る。
【0069】
複数のセラミックス構造体700から
図14に示すフィルター790が製造され得る。
図14に示されるフィルター790は、ディーゼルエンジンといった内燃機関から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質、通称、PM(Particulate Matter)を捕獲して除去する機能部品である。フィルター790は、接着層を介してセラミックス焼成体780を2次元配置し、これにより得たブロックを円柱状に加工し、最後に円柱体の外周面に外周層を塗布して焼成することにより製造される。フィルター790は、ディーゼルエンジンの排ガスの浄化用に限らず、汚染水の浄化用といった他の様々な用途に用いられることに留意されたい。フィルター790に含まれるセラミックス構造体700に様々な種類の触媒が導入されることも想定される。フィルター790の接着層及び/又は外周層は、幾つかの場合、焼成によりコージェライト(2MgO・2Al
2O
3・5SiO
2)になる原料を含み得る。
【0070】
図15は、参考例に係る搬送システムの概略図である。
図15に示す場合、照明部85から放射されて枠2の第2辺部2fの内側近傍を通過する光線L1と軸線AX1のなす角θ1は、撮像位置にある枠2の第2辺部2fから撮像装置81の光学系に向かう光路L2と軸線AX1のなす角θ2よりも小さい。従って、照明部85から放射される照明光により生じる枠2の陰影が、撮像装置81により撮像される。陰影の影響のため、エッジ検出処理において、被測定部である枠2の内壁面2a、端的には、第2辺部2fを明確に特定することが困難になるおそれがある。被測定部の位置精度の低下は、補正値の精度の低下に帰結し、ひいてはチャック5から解放される枠2の解放位置の精度の低下に帰結する。
【0071】
上述の開示を踏まえ、当業者は、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。