特許第6964549号(P6964549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964549
(24)【登録日】2021年10月21日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】評価取得システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20211028BHJP
   G07G 1/14 20060101ALI20211028BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20211028BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20211028BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20211028BHJP
【FI】
   G06Q50/12
   G07G1/14
   G07G1/12 361C
   G07G1/01 301D
   G06Q30/02 312
【請求項の数】4
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-63345(P2018-63345)
(22)【出願日】2018年3月28日
(65)【公開番号】特開2019-175188(P2019-175188A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】島貫 友貴
【審査官】 塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−222191(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0001616(US,A1)
【文献】 特開2014−146264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G07G 1/14
G07G 1/12
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店に来訪したユーザのユーザ端末からの接続要求を受け付ける受付手段と、
前記飲食店にて提供する商品の一覧を前記ユーザ端末に表示させる表示制御手段と、
前記ユーザ端末から前記商品の注文を受ける受注手段と、
前記商品の評価に関する情報を、前記ユーザの挙動から把握する把握手段と、
を備え
前記把握手段は、前記ユーザの発話を録音する録音手段が録音した発話内容及び撮像手段が撮影した画像の少なくともいずれかに基づいて、前記飲食店にて提供される複数の商品の中から前記ユーザが飲食した一の商品を特定するとともに、当該発話内容及び当該画像の少なくともいずれかに基づいて、当該一の商品の評価に関する情報を把握することを特徴とする評価取得システム。
【請求項2】
前記把握手段は、前記ユーザの表情を撮像する撮像手段が撮影した前記一の商品を飲食した後の当該ユーザの表情に基づいて当該一の商品の評価に関する情報を把握する
請求項1に記載の評価取得システム。
【請求項3】
前記把握手段は、前記撮像手段が撮影した画像に基づいて前記一の商品を特定し、前記録音手段が録音した発話内容に基づいて当該一の商品の評価を把握する
請求項1又は2に記載の評価取得システム。
【請求項4】
前記把握手段は、前記撮像手段が撮影した画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている各商品の特徴量とを比較し、一致度が閾値以上であるか否かで商品を特定する際に、前記受注手段が注文を受けていた商品の特徴量と、当該画像から抽出した特徴量とを最初に比較する
請求項3に記載の評価取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店の評価情報を提供するシステムが提案されている。
特許文献1に記載された情報提供システムは、飲食店の評価情報をユーザから口コミ情報として受け付け、受け付けた口コミ情報を他のユーザに公開するシステムである。この情報提供システムにおいては、単に口コミ情報を公開するだけでなく、各投稿者から得意地域や得意ジャンルの登録を受け付け、各投稿者が自分の得意地域や得意ジャンルに該当する飲食店に対して投稿した口コミ情報を各投稿者に共通する得意地域や得意ジャンルごとに集計することにより、飲食店をランク付けした地域やジャンルごとの評価ランキングに係る情報を生成することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−193427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店においては、顧客が美味しいと感じる商品を提供することが望ましい。それゆえ、顧客から、飲食した商品の評価に関する情報を取得し、取得した情報を、その後に調理する際に参考にすることが考えられる。そして、取得する情報は、確度が高いことが望ましい。
本発明は、確度が高い評価に関する情報を取得することができる評価取得システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、飲食店に来訪したユーザのユーザ端末からの接続要求を受け付ける受付手段と、前記飲食店にて提供する商品の一覧を前記ユーザ端末に表示させる表示制御手段と、前記ユーザ端末から前記商品の注文を受ける受注手段と、前記商品の評価に関する情報を、前記ユーザの挙動から把握する把握手段と、を備え、前記把握手段は、前記ユーザの発話を録音する録音手段が録音した発話内容及び撮像手段が撮影した画像の少なくともいずれかに基づいて、前記飲食店にて提供される複数の商品の中から前記ユーザが飲食した一の商品を特定するとともに、当該発話内容及び当該画像の少なくともいずれかに基づいて、当該一の商品の評価に関する情報を把握することを特徴とする評価取得システムである。
ここで、前記把握手段は、前記ユーザの表情を撮像する撮像手段が撮影した前記一の商品を飲食した後の当該ユーザの表情に基づいて当該一の商品の評価に関する情報を把握しても良い。
また、前記把握手段は、前記撮像手段が撮影した画像に基づいて前記一の商品を特定し、前記録音手段が録音した発話内容に基づいて当該一の商品の評価を把握しても良い。
また、前記把握手段は、前記撮像手段が撮影した画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている各商品の特徴量とを比較し、一致度が閾値以上であるか否かで商品を特定する際に、前記受注手段が注文を受けていた商品の特徴量と、当該画像から抽出した特徴量とを最初に比較しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、確度が高い評価に関する情報を取得することができる評価取得システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係るキャッシュレスシステムの概略構成を例示した図である。
図2】ユーザ端末の概略構成を例示した図である。
図3】サーバの機能構成を例示したブロック図である。
図4】ユーザ端末に表示されるアクセス画面の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図6】記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
図7】ユーザ端末に表示される会計画面の一例を示す図である。
図8】ユーザ端末に表示されるまとめ会計画面の一例を示す図である。
図9】ユーザ端末に表示されるまとめ会計時の支払い画面の一例を示す図である。
図10】ユーザ端末に表示される端末毎会計時の支払い画面の一例を示す図である。
図11】ユーザ端末に表示される同等割会計時の支払い画面の一例を示す図である。
図12】ユーザ端末に表示される特殊割会計画面の一例を示す図である。
図13】ユーザ端末に表示される特殊割会計時の支払い画面の一例を示す図である。
図14】評価把握部の機能構成を例示したブロック図である。
図15】評価把握部が行う評価把握処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16】店舗端末の機能構成を例示したブロック図である。
図17-1】本実施の形態に係るキャッシュレスシステムにおける動作例を示したシーケンス図である。
図17-2】本実施の形態に係るキャッシュレスシステムにおける動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1の概略構成を例示した図である。
キャッシュレスシステム1は、ユーザが所有するユーザ端末10と、飲食店等の店舗にて提供可能なメニューの管理等を行うサーバ20と、店舗が所有する店舗端末30と、周知のプリンタ40とを備えている。また、キャッシュレスシステム1は、マイク61と、カメラ62と、通信サーバ63とを有し、店舗にて提供された商品の評価に関する情報を取得する取得システム60を備えている。
【0009】
ユーザ端末10、サーバ20、店舗端末30及び取得システム60は、装置間を通信可能に接続するネットワーク50に接続されており、ネットワーク50を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク50は、各システム及び装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットであることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。また、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成しても良い。店舗端末30とプリンタ40とは、LAN、bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の無線通信又は有線通信にて、互いに通信可能となっている。また、店舗端末30とプリンタ40とは、WAN、インターネットにて、互いに通信可能であっても良い。
【0010】
<ユーザ端末10>
図2は、ユーザ端末10の概略構成を例示した図である。
ユーザ端末10は、装置全体を制御する制御部11と、データ等の記憶に用いられる記憶部12と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部13と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部14と、外部装置との通信に用いられる通信部15とを備えている。また、ユーザ端末10は、カメラ16と、スピーカ17と、マイク18とを備えている。
【0011】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11cにより構成される。ROM11bには、CPU11aにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPU11aは、RAM11cを作業エリアに使用し、ROM11bや記憶部12から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。CPU11aがプログラムを実行することにより、ユーザ端末10の各部が制御される。
【0012】
記憶部12は、半導体メモリなどの記憶装置であることを例示することができる。
表示部13は、静止画像や動画像等を表示するディスプレイ装置である。表示部13は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであることを例示することができる。
操作部14は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部14は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部15は、通信インターフェースであることを例示することができる。
カメラ16は、静止画又は動画を撮像することができるデジタルカメラであることを例示することができる。
スピーカ17は、制御部11からの電気的な音信号を音に変換して出力する装置であることを例示することができる。
マイク18は、ユーザ端末10の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部11に出力する装置であることを例示することができる。
【0013】
以上のように構成されたユーザ端末10は、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC等であることを例示することができる。
【0014】
ユーザ端末10は、カメラ16にて、QRコード(登録商標)等のコード情報を読み取ることができる機能を備えている。
また、ユーザ端末10は、商品又はサービスの対価としてお金を支払う場合に、電子データをやり取りすることで支払いを行う電子決済機能を備えている。電子決済としては、クレジットカード情報を予め登録しておくと、暗証番号の入力等の認証手続きをすることなく、決済可能な、アップルペイ(登録商標)やグーグルウォレット(登録商標)等の電子決済サービス(電子支払いシステム)を利用するものであることを例示することができる(ただし、例えばアップルペイ(登録商標)のように、指紋認証や顔認証は必要であっても良い)。また、電子決済としては、クレジットカード決済サービスや、商品代金を携帯電話の利用料金とまとめて支払うキャリア決済サービスを利用するものであることを例示することができる。
【0015】
<サーバ20>
図3は、サーバ20の機能構成を例示したブロック図である。
サーバ20は、ユーザ端末10が備える、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15と同様に、制御部21、記憶部22、表示部(不図示)、操作部(不図示)、通信部(不図示)を備えている。記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)であっても良い。
【0016】
制御部21は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)等を有しており、CPUがプログラムを実行することにより、以下の機能を実現する。
すなわち、制御部21は、店舗に来訪した一のグループを構成する複数のユーザ(客)が有する複数のユーザ端末10の各々のユーザ端末10からの接続要求を受け付ける受付手段の一例としての受信部211を有している。また、制御部21は、受信部211が受け付けた接続要求から、各々のユーザ端末10を一意に特定して識別する識別手段の一例としての識別部212を有している。また、制御部21は、ユーザ端末10に対して、商品に関する各種情報を有するウェブページを公開するHTML(HyperText Markup Language)文書を生成する生成部213を有している。また、制御部21は、ユーザ端末10から、店舗にて提供可能な商品の注文を受け付ける受注部214と、ユーザ端末10からなされた注文に対して料金を課す課金手段の一例としての課金部215とを有している。また、制御部21は、コード情報を作成する作成部216と、生成部213が生成したHTML文書や作成部216が作成したコード情報を送信する送信部217とを有している。また、制御部21は、商品の評価に関する情報を把握する評価把握部220を有している。
【0017】
(受信部)
受信部211は、ネットワーク50を介して、ユーザ端末10から送信されてきた情報を受信する。
ここで、受信部211がユーザ端末10から最初に受信する情報について例示する。
図4は、ユーザ端末10に表示されるアクセス画面70の一例を示す図である。
図4に示したアクセス画面70は、予め発行された後述するコード情報をユーザ端末10のカメラ16が読み取った後にユーザ端末10の表示部13に表示される画面である。図4に示すように、アクセス画面70には、予め定められたアドレス70aが表示される。
ユーザ端末10を所有するユーザがアドレス70aを押下すると、サーバ20の受信部211は、ユーザ端末10が予め発行しておいたコード情報を読み取った旨の情報と、ユーザ端末10の情報とを受信する。
【0018】
(識別部)
識別部212は、受信部211が受け付けたユーザ端末10からの情報に基づいて、ユーザ端末10を一意に特定して識別する。
上述したようにして、ユーザ端末10から、予め発行された後述するコード情報を読み取った後に表示されるアドレスにアクセスされると、受信部211が、このユーザ端末10から送信された情報を受信し、識別部212が、受信部211が受信した情報を解析する。識別部212は、ユーザ端末10から送信された情報に基づいて、ユーザ端末10は、店舗内のどのエリアに付与しておいたコード情報を読み込んだかを把握する。言い換えれば、識別部212は、店舗内の所定のエリアにて、ユーザ端末10を所有するユーザが飲食することを把握する。なお、エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画された領域であることを例示することができる。
【0019】
識別部212は、エリアの識別番号であるエリア番号と、ユーザ端末10の識別番号であるユーザ番号とを関連付けて記憶部22に記憶する。識別部212は、一のエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10がN番目である場合には、当該ユーザ端末10のユーザ番号をNとする。例えば、識別部212は、エリア番号が1であるエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10が1番目である場合には、当該ユーザ端末10のユーザ番号を1とする。
【0020】
また、識別部212は、同じエリア(同じエリア番号)に関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスにアクセスしてきたユーザ端末10が複数ある場合には、これらのユーザ端末10を、一のグループを構成する複数のユーザが有する複数のユーザ端末10であると把握する。
このように、エリア番号に基づくことで、一のエリアにて飲食するグループと、他のエリアにて飲食するグループとを区別することが可能となる。また、識別部212がユーザ番号を付与することで、同じエリアにて飲食する複数のユーザを区別することが可能となる。
【0021】
(生成部)
生成部213は、ユーザ端末10からのアクセスに応じて、店舗にて提供されている商品に関する各種情報を有するウェブページを公開するHTML文書を生成する。
例えば、生成部213は、受信部211がユーザ端末10から最初のアクセス(コード情報を読み込んだ後に表示されるアドレス70aへのアクセス)を受信した場合に、店舗にて提供可能な商品を表示した画面を表示させるためのHTML文書を生成する。
【0022】
図5は、ユーザ端末10に表示されるメニュー画面71の一例を示す図である。
生成部213が生成したメニュー画面71を表示させるためのHTML文書は、送信部217を介してユーザ端末10に送信される。サーバ20から送信されたHTML文書を受信したユーザ端末10においては、制御部11が、表示部13の表示画面13aにHTML文書に基づく、図5に示したメニュー画面71を表示させる。
メニュー画面71には、店舗にて提供される商品毎に、商品名71a、商品画像71b、商品説明71c及び「注文」と記載された注文ボタン71d等が表示される。また、メニュー画面71には、商品一覧とともに、エリア番号と、ユーザ番号とが表示される。また、メニュー画面71には、「会計」と記載された会計ボタン71eが表示される。
なお、図5に例示したメニュー画面71においては、揚げ物、焼物等のカテゴリー毎に、そのカテゴリーに含まれる商品が表示される画面となるように構成されているが、全ての商品を一の画面で表示しても良い。また、一の画面にそのカテゴリーに含まれる全ての商品を表示すると見難くなる場合には、複数の画面にて構成しても良い。
生成部213は、メニュー画面71に表示された会計ボタン71eが押下された場合に、後述する会計画面72(図7参照)を表示させるためのHTML文書を生成する。
【0023】
(受注部)
図6は、記憶部22が記憶する情報の一例を示す図である。
受注部214は、ユーザ端末10からの注文を受け付ける。
受注部214は、ユーザ端末10の表示部13に表示されたメニュー画面71において、注文ボタン71dが押下された旨の情報を受信部211が受信した場合に、ユーザ端末10から注文があったことを把握する。
受注部214は、注文を受けた商品及びその金額と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶する。
なお、図6に示すように、エリア番号が1であるエリアに関連付けられたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスに、1番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10A、2番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10B、3番目にアクセスしてきたユーザ端末10をユーザ端末10Cと称す。
また、受注部214は、注文を受けた商品、注文を行ったユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号等の情報を、送信部217を介して店舗端末30に送信する。
【0024】
(課金部)
課金部215は、予め定められた複数の課金方法の中から、ユーザ端末10において選択された会計方法に応じた課金方法にて、ユーザ端末10に課金する。また、課金部215は、ユーザ端末10を用いて支払うべき金額を、送信部217を介して、当該ユーザ端末10に対して送信する。
【0025】
複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10に対して課金するまとめ課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、ユーザ端末10を介して注文された商品のみの合計金額を、当該ユーザ端末10に対して課金する端末毎課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、当該一のエリアに関連付けて記憶されているユーザ端末10の数にて同等割した金額を、各ユーザ端末10に対して課金する同等割課金方法がある。
また、複数の課金方法の中には、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、ユーザが入力した割合で分割した金額を、各ユーザ端末10に対して課金する特殊割課金方法がある。
【0026】
言い換えれば、ユーザ端末10を有するユーザは、予め定められた複数の会計方法の中から、一の会計方法を選択可能である。複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品(全ユーザ端末10を介して注文した商品の全て)の合計金額を、一のユーザ端末10を用いて支払うまとめ会計方法がある。また、複数の会計方法の中には、ユーザ端末10を介して注文した商品のみの合計金額を、当該ユーザ端末10を用いて支払う端末毎会計方法がある。ユーザが、まとめ会計方法、端末毎会計方法を選択した場合には、サーバ20は、それぞれ、まとめ課金方法、端末毎課金方法にて課金する。
【0027】
また、複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品の合計金額を、当該一のエリアに関連付けて記憶されているユーザ端末10の数にて同等割した金額を、各ユーザ端末10を用いて支払う同等割会計方法がある。
また、複数の会計方法の中には、一のエリアで飲食した全商品の合計金額を、ユーザが入力した割合で分割した金額を、各ユーザ端末10を用いて支払う特殊割会計方法がある。ユーザが、同等割会計方法、特殊割会計方法を選択した場合には、サーバ20は、それぞれ、同等割課金方法、特殊割課金方法にて課金する。
【0028】
図7は、ユーザ端末10に表示される会計画面72の一例を示す図である。
会計画面72は、図5に示したメニュー画面71に表示された会計ボタン71eが押下された場合に表示される。会計画面72には、「まとめ会計」と記載されたまとめ会計ボタン72aと、「端末毎会計」と記載された端末毎会計ボタン72bと、「同等割会計」と記載された同等割会計ボタン72cと、「特殊割会計」と記載された特殊割会計ボタン72dとが表示される。
【0029】
図8は、ユーザ端末10に表示されるまとめ会計画面73の一例を示す図である。
まとめ会計画面73は、まとめ会計ボタン72aが押下された場合に表示される。まとめ会計画面73には、どのユーザ端末10を用いて支払うかを選択するためのボタンとして、ユーザ番号が記載されたボタンがユーザ端末10の数の分だけ表示される。例えば、エリア番号が1であるエリアにて登録されたユーザ端末10が3個である場合には、図8に示すように、「ユーザ番号:1」、「ユーザ番号:2」、「ユーザ番号:3」と記載された3つのユーザ番号ボタン73aが表示される。
【0030】
図9は、ユーザ端末10に表示されるまとめ会計時の支払い画面74の一例を示す図である。
支払い画面74は、まとめ会計画面73にていずれかのユーザ番号ボタン73aが押下された場合に表示される。
図8に示したまとめ会計画面73において、例えば「ユーザ番号:2」と記載されたユーザ番号ボタン73aが押下された場合には、サーバ20の課金部215は、ユーザ番号が2であるユーザ端末10を用いてまとめ会計が行われると判断する。そして、課金部215は、ユーザ番号が2であるユーザ端末10に対して、合計金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して送信する。その結果、ユーザ端末10の表示部13には、図9に示した支払い画面74が表示される。支払い画面74には、当該ユーザ端末10を用いて支払うべき金額(例えば12,000円)が請求金額として表示されるとともに、「確認」と記載された確認ボタン74aが表示される。ユーザが、支払い画面74に表示された確認ボタン74aを押下することにより、上述した電子決済サービスを利用して支払いが完了する。つまり、課金部215は、確認ボタン74aが押下された旨の情報を取得した場合には、ユーザ端末10において選択された電子決済サービスに応じた所定の決済処理を実行する。そして、課金部215は、所定の決済処理を実行した場合には、支払いが完了した旨の通知をユーザ端末10に対して送信しても良い。なお、ユーザ端末10が例えばクレジットカード決済サービスやキャリア決済サービスを利用する場合であって、認証手続きが必要なサービスを利用する場合には、課金部215は、ユーザ端末10において所定の認証手続きが行われた後に決済処理を実行する。
【0031】
図10は、ユーザ端末10に表示される端末毎会計時の支払い画面75の一例を示す図である。図10(a)には、ユーザ端末10Aの表示部13に表示される支払い画面75を例示し、図10(b)には、ユーザ端末10Bの表示部13に表示される支払い画面75を例示し、図10(c)には、ユーザ端末10Cの表示部13に表示される支払い画面75を例示している。
図7に示した会計画面72において、端末毎会計ボタン72bが押下された場合には、サーバ20の課金部215は、各ユーザ端末10を介して注文された商品のみの合計金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して送信する。その結果、各ユーザ端末10の表示部13には、図10に例示したように、当該ユーザ端末10を用いて支払うべき金額(当該ユーザ端末10を介して注文された商品のみの合計金額(図10においては、ユーザ端末10Aが3,000円、ユーザ端末10Bが4,000円、ユーザ端末10Cが5,000円)が請求金額として表示されるとともに、「確認」と記載された確認ボタン74aが表示される。ユーザが、表示部13に表示された確認ボタン74aを押下することにより支払いが完了する。確認ボタン74aが押下された後の課金部215の処理は、上述した通りである。
【0032】
図11は、ユーザ端末10に表示される同等割会計時の支払い画面76の一例を示す図である。図11(a)には、ユーザ端末10Aの表示部13に表示される支払い画面76を例示し、図11(b)には、ユーザ端末10Bの表示部13に表示される支払い画面76を例示し、図11(c)には、ユーザ端末10Cの表示部13に表示される支払い画面76を例示している。
図7に示した会計画面72において、同等割会計ボタン72cが押下された場合には、サーバ20の課金部215は、一のエリアで飲食された全商品(全ユーザ端末10を介して注文された商品の全て)の合計金額を、ユーザ端末10の数にて同等割した金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して全ユーザ端末10に送信する。その結果、各ユーザ端末10の表示部13には、図11に例示したように、当該ユーザ端末10を用いて支払うべき金額(合計金額を同等割した金額(所謂、割り勘した金額))が請求金額として表示されるとともに、「確認」と記載された確認ボタン74aが表示される。ユーザが、表示部13に表示された確認ボタン74aを押下することにより支払いが完了する。確認ボタン74aが押下された後の課金部215の処理は、上述した通りである。
【0033】
図12は、ユーザ端末10に表示される特殊割会計画面77の一例を示す図である。
特殊割会計画面77は、図7に示した会計画面72にて特殊割会計ボタン72dが押下された場合に表示される。特殊割会計画面77には、全てのユーザ番号が表示されるとともに、各ユーザ番号の横に、当該ユーザ番号のユーザ端末10の割合を入力する入力欄77aと、当該入力欄77aに入力する数字を増加させる増加ボタン77bと、当該入力欄77aに入力する数字を減少させる減少ボタン77cとがユーザ端末10の数の分だけ表示される。また、特殊割会計画面77には、全ての入力欄77aに入力する数字の合計が10となるように入力することを促すために、「合計が10となるように入力してください。」と表示される。また、特殊割会計画面77には、「決定」と記載された決定ボタン77dが表示される。
図12に示した特殊割会計画面77は、ユーザ番号1に対する割合を5、ユーザ番号2に対する割合を3、ユーザ番号2に対する割合を2とする場合の入力例である。
【0034】
図13は、ユーザ端末10に表示される特殊割会計時の支払い画面78の一例を示す図である。
特殊割会計画面77において、全ユーザ端末10の割合が入力され、決定ボタン77dが押下された場合には、サーバ20の課金部215は、一のエリアで飲食した全商品(全ユーザ端末10を介して注文した商品の全て)の合計金額を、ユーザが入力した割合で分割した金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して全ユーザ端末10に送信する。例えば、課金部215は、図12の特殊割会計画面77に例示したように、ユーザ番号1の割合が5、ユーザ番号2の割合が3、ユーザ番号3の割合が2である場合には、合計金額に5/10を乗算した金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介してユーザ番号1のユーザ端末10Aに対して送信する。また、課金部215は、合計金額に3/10を乗算した金額等の情報を含んだHTML文書を、ユーザ番号2のユーザ端末10Bに対して送信する。また、課金部215は、合計金額に2/10を乗算した金額等の情報を含んだHTML文書を、ユーザ番号3のユーザ端末10Cに対して送信する。
【0035】
その結果、各ユーザ端末10の表示部13には、図13に示した支払い画面78が表示される。支払い画面78には、各ユーザ端末10を用いて支払うべき金額が請求金額として表示される(金額は入力された割合に応じた値となる)とともに、「確認」と記載された確認ボタン74aが表示される。ユーザが、支払い画面78に表示された確認ボタン74aを押下することにより支払いが完了する。確認ボタン74aが押下された後の課金部215の処理は、上述した通りである。
【0036】
(作成部)
作成部216は、店舗に予め定められたエリア毎に、当該エリアのエリア番号を含むコード情報を作成する。ユーザ端末10が、作成部216が作成したコード情報を読み取った後に表示されるアドレスにアクセスすることで、識別部212はどのエリアに配置されたコード情報を読み込んでアクセスしてきたかを把握することができる。
作成部216は、あるエリアにて飲食し終え、支払いが完了したことを把握した後に、当該エリアのコード情報を新たに作成する。支払いが完了したことは、例えば、課金部215が決済処理を実行した旨の情報を取得することにより把握することができる。また、作成部216は、店舗の従業員の指示に従ってコード情報を作成しても良い。従業員は、あるエリアにて飲食し終えたグループが店舗を出たことを確認した後にコード情報を作成しても良いし、営業が始まる前に当日必要と考えられる数のコード情報を作成しても良い。
作成部216は、作成したコード情報を含む情報を、送信部217を介して店舗端末30に送信する。店舗端末30からの指示に基づいて、プリンタ40が、例えば用紙にコード情報を含む画像を形成し、出力する(プリントアウトする)。
なお、エリアは、テーブル毎に、又は、部屋毎に区画されていることを例示することができる。ただし、テーブル又は部屋毎にコード情報を含む画像が形成された用紙を配置しておいたとしても、一のグループを構成する人数が、テーブル又は部屋毎に許容される人数を超える場合には、複数のエリアを利用する複数人で一のコード情報を共有させても良い。
【0037】
(送信部)
送信部217は、生成部213が生成したHTML文書をユーザ端末10に送信する。例えば、送信部217は、メニュー画面71を表示させるためのHTML文書をユーザ端末10に送信する。
また、送信部217は、ユーザ端末10から注文を受けた商品、注文を行ったユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号等の情報を、店舗端末30に送信する。
また、送信部217は、作成部216が作成したコード情報を含む情報を、店舗端末30に送信する。
また、送信部217は、評価把握部220が把握した、一の商品に対する評価を、店舗端末30に送信する。
【0038】
(評価把握部)
図14は、評価把握部220の機能構成を例示したブロック図である。
評価把握部220は、取得システム60のマイク61により収録された人の音声を解析する音声解析部221と、取得システム60のカメラ62により撮影された撮影画像を解析する画像解析部222とを有している。また、評価把握部220は、音声解析部221が解析した音声及び画像解析部222が解析した画像の少なくともいずれかに基づいて、商品の評価に関する情報を導出する評価導出部223を有している。
【0039】
≪音声解析部≫
音声解析部221は、取得システム60から取得された情報のうち、マイク61により収録された音響情報を解析する。音声解析部221は、収録された音響情報を解析し、人の音声を識別する。そして、音声解析部221は、人の音声を解析して発話内容を認識し、テキスト化する。より具体的には、音声解析部221は、先ず、マイク61により収録された音響情報から一続きの音声に相当する発話の内容及び発話区間(開始時刻と終了時刻)を検出し、次に各発話の内容をテキスト化する。音声解析部221は、「美味しい」、「美味しくない」、「まずい」、「味が濃い」、「味が薄い」、「冷えている」、「ぬるい」等の評価に関する情報と、商品に関する情報のみを認識し、テキスト化しても良い。
音声解析部221は、どのエリアのどの位置に設置されたマイク61が収録した発話内容であるかも認識する。また、音声解析部221は、一のエリアのどのユーザが発生した音声であるかも認識する。
【0040】
≪画像解析部≫
画像解析部222は、取得システム60から取得された情報のうち、カメラ62により撮影された撮影画像を解析する。画像解析部222は、撮影画像を解析し、撮影された領域を3次元空間として認識する。また、画像解析部222は、撮影された対象物のうち人物と人物以外の物とを識別する。画像解析による人物やその他の物の識別は、画像認識に係る既存技術を用いて行うことができる。また、画像解析部222は、どのエリアを撮影した画像であるかも認識する。また、画像解析部222は、一のエリアのどのユーザを撮影した画像であるかも認識する。
【0041】
また、画像解析部222は、人物の撮影画像から輪郭検出などを行うことによって、ユーザの顔を検出し、目、鼻、口等の顔の各部の特徴量を抽出する。そして、画像解析部222は、撮影画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている、笑顔時の目、鼻、口等の顔の各部の特徴量とを比較し、一致度が閾値以上である場合、ユーザの表情が笑顔であると認識する。他方、画像解析部222は、撮影画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている特徴量とを比較し、一致度が閾値未満である場合、ユーザの表情が笑顔ではないと認識する。つまり、画像解析部222において認識される笑顔は、撮影画像から抽出された顔の各部の特徴が、笑顔の認識機能の開発時等に笑顔が写っている画像として選択された画像から抽出された顔の特徴と閾値以上一致する表情である。また、画像解析部222は、認識した笑顔が撮影された時刻を認識する。
【0042】
また、画像解析部222は、撮影画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている、怒り顔時の目、鼻、口等の顔の各部の特徴量とを比較し、一致度が閾値以上である場合、ユーザの表情が怒り顔であると認識する。他方、画像解析部222は、撮影画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている特徴量とを比較し、一致度が閾値未満である場合、ユーザの表情が怒り顔ではないと認識する。つまり、画像解析部222において認識される怒り顔は、撮影画像から抽出された顔の各部の特徴が、怒り顔の認識機能の開発時等に怒り顔が写っている画像として選択された画像から抽出された顔の特徴と閾値以上一致する表情である。また、画像解析部222は、認識した怒り顔が撮影された時刻を認識する。
【0043】
また、画像解析部222は、人物以外の物の撮影画像から商品を検出し、商品の特徴量を抽出する。そして、画像解析部222は、撮影画像から抽出した特徴量と、認識用データとして与えられている各商品の特徴量とを比較し、一致度が閾値以上であるか否かで商品を特定する。つまり、画像解析部222において認識される商品は、撮影画像から抽出された商品の特徴が、商品の認識機能の開発時等に商品が写っている画像として選択された画像から抽出された商品の特徴と閾値以上一致する商品である。また、画像解析部222は、認識した商品が撮影された時刻を認識する。
【0044】
画像解析部222は、撮影画像から商品を特定する際に、受注部214が注文を受けていた商品に基づいても良い。画像解析部222は、例えば、撮影画像から商品を特定するときに、受注部214が一のグループから注文を受けていた商品が1つである場合には、撮影画像から抽出した特徴量と、受注部214が注文を受けていた1つの商品の特徴量とを最初に比較すると良い。撮影画像から商品を特定するときに、受注部214が一のグループから注文を受けていた商品が複数ある場合には、撮影画像から抽出した特徴量と、受注部214が注文を受けていた複数の商品の特徴量を、注文を受けていない商品の特徴量よりも先に比較すると良い。受注部214が注文を受けていた商品を考慮することで、受注部214が注文を受けていた商品を考慮しない場合よりも、迅速かつ精度高く商品を特定することが可能となる。
また、画像解析部222は、表情を特定した場合には、その商品を飲食したユーザを特定する。
【0045】
≪評価導出部≫
評価導出部223は、音声解析部221が解析した音声及び画像解析部222が解析した画像の少なくともいずれかに基づいて、商品の評価に関する情報を導出する。
評価導出部223は、音声解析部221が認識し、テキスト化している一のユーザの発話内容から、一の商品に対する評価に関する情報を導出可能である場合には、音声解析部221による解析結果を用いて一の商品に対する評価に関する情報を導出する。例えば、評価導出部223は、音声解析部221が、「この揚げ出し豆腐、美味しい。」との、「揚げ出し豆腐」と「美味しい」とが連続した発話内容を認識し、テキスト化している場合には、「揚げ出し豆腐」に対する評価が「美味しい」ことを導出する。また、評価導出部223は、音声解析部221が、「この生ビール、ぬるい」との発話内容を認識し、テキスト化している場合には、「生ビール」に対する評価が「ぬるい」であることを導出する。
【0046】
評価導出部223は、画像解析部222が認識した一のユーザの表情及び当該一のユーザが飲食した商品から、一の商品に対する評価に関する情報を導出可能である場合には、画像解析部222による解析結果を用いて一の商品に対する評価に関する情報を導出する。例えば、評価導出部223は、画像解析部222がユーザの笑顔を認識するとともに笑顔になった商品が「揚げ出し豆腐」であることを特定している場合には、「揚げ出し豆腐」に対する評価が「笑顔」であることを導出する。「笑顔」は、「良い」意味であるとして、「揚げ出し豆腐」に対する評価が「良い」ことを導出しても良い。また、評価導出部223は、画像解析部222がユーザの怒り顔を認識するとともに怒り顔になった商品が「ビール」であることを特定している場合には、「ビール」に対する評価が「怒り顔」であることを導出する。「怒り顔」は、「悪い」意味であるとして、「ビール」に対する評価が「悪い」ことを導出しても良い。
【0047】
評価導出部223は、音声解析部221が認識している一のユーザの発話内容から、ある商品に対する評価に関する情報を導出可能であるが、その評価の対象の商品を特定できない場合には、他の人物の発話内容を用いて対象商品を特定する。例えば、評価導出部223は、音声解析部221が、「これ美味しい」との発話内容を認識している場合には、ある商品に対する評価が「美味しい」ことを導出する。そして、音声解析部221が認識している一のユーザの発話内容では「美味しい」との評価の対象商品を特定できない場合には、一のユーザが「美味しい」と発声した前後の他の人物の発話内容を用いて商品を特定する。例えば、当該一のユーザが「美味しい」と発声する直前に、他のユーザが「揚げ出し豆腐の味どう?」と発声していることを音声解析部221が認識した場合には、評価導出部223は、「揚げ出し豆腐」に対する評価が「美味しい」ことを導出する。また、当該一のユーザが「美味しい」と発声する直前に、配膳人が例えば「揚げ出し豆腐です。」と発声したことを音声解析部221が認識した場合には、評価導出部223は、「揚げ出し豆腐」に対する評価が「美味しい」ことを導出する。一のユーザが「美味しい」と発声した時刻と、他のユーザが「揚げ出し豆腐の味どう?」と発声した時刻又は配膳人が「揚げ出し豆腐です。」と発声した時刻とを参照することで、「美味しい」との評価の対象商品が「揚げ出し豆腐」であることを特定することができる。
【0048】
また、評価導出部223は、音声解析部221が認識している一のユーザの発話内容から、ある商品に対する評価に関する情報を導出可能であるが、その評価の対象の商品を特定できない場合には、画像解析部222が認識した商品を用いて商品を特定する。例えば、評価導出部223は、音声解析部221が、「美味しい」との発話内容を認識している場合には、ある商品に対する評価が「美味しい」ことを導出する。そして、音声解析部221が認識している発話内容では「美味しい」との評価の対象商品を特定できない場合には、「美味しい」と発声したユーザが「美味しい」と発声する直前に飲食した商品を画像解析部222が認識した商品を用いて商品を特定する。「美味しい」と発声した時刻と商品を飲食した時刻とを参照することで、「美味しい」との評価の対象商品を特定することができる。
【0049】
また、評価導出部223は、画像解析部222が認識した一のユーザの表情から、商品に対する評価に関する情報を導出可能であるが、画像解析部222が解析した画像からはその評価の対象の商品を特定できない場合には、発話内容を用いて対象商品を特定する。例えば、一のユーザが評価に関連する表情となった直後に、他のユーザが「揚げ出し豆腐の味どう?」と発声していることを音声解析部221が認識した場合には、評価導出部223は、評価の対象の商品が「揚げ出し豆腐」であると特定する。また、一のユーザが評価に関連する表情となった直前に、配膳人が例えば「揚げ出し豆腐です。」と発声したことを音声解析部221が認識した場合には、評価導出部223は、評価の対象の商品が「揚げ出し豆腐」であると特定する。また、一のユーザが評価に関連する表情となった直前に、当該一のユーザが例えば「揚げ出し豆腐を頂きます。」と発声したことを音声解析部221が認識した場合には、評価導出部223は、評価の対象の商品が「揚げ出し豆腐」であると特定する。一のユーザが評価に関連する表情(例えば笑顔)となった時刻と、他のユーザが「揚げ出し豆腐の味どう?」と発声した時刻、配膳人が「揚げ出し豆腐です。」と発声した時刻又は一のユーザが「揚げ出し豆腐を頂きます。」と発声した時刻とを参照することで、評価の対象商品が「揚げ出し豆腐」であることを特定することができる。
【0050】
また、評価導出部223は、発話内容や撮影画像から商品を特定する際に、受注部214が注文を受けていた商品に基づいても良い。評価導出部223は、例えば、「ステーキ美味しい。」と発声していることを音声解析部221が認識したとしても、受注部214がこのグループからステーキの注文を受けていない場合には、店舗にて提供した商品に対する評価ではないと判断し、評価を導出しないようにしても良い。
【0051】
評価導出部223は、一の商品に対する評価を導出した場合には、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する。上述した例では、評価導出部223は、「揚げ出し豆腐」と、「美味しい」とを関連付けて記憶部22に記憶する。また、評価導出部223は、「揚げ出し豆腐」と、「笑顔」又は「良い」とを関連付けて記憶部22に記憶する。また、評価導出部223は、「ビール」と、「怒り顔」又は「悪い」とを関連付けて記憶部22に記憶する。
また、評価導出部223は、一の商品に対する評価を導出した場合には、商品名と評価に関する情報とを関連付けて送信部217を介して店舗端末30に送信する。
【0052】
次に、フローチャートを用いて、評価把握部220が行う評価把握処理の手順の一例について説明する。
図15は、評価把握部220が行う評価把握処理の手順の一例を示すフローチャートである。
評価把握部220は、この評価把握処理を、予め定めた期間(例えば1ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
【0053】
評価把握部220は、ユーザの発話内容に評価に関する情報が含まれているか否かを判別する(ステップ(以下「S」と称する場合もある。)1501)。これは、評価導出部223が、音声解析部221が認識したユーザの発話内容に基づいて判別する処理であり、発話内容の中に、例えば「美味しい」や「美味しくない」等の評価に関する情報が含まれているか否かを判別する処理である。そして、評価に関する情報が含まれている場合(S1501でYes)、その評価の対象の商品を、一のユーザの発話内容から特定可能であるか否かを判別する(S1502)。例えば、音声解析部221が認識した一のユーザの発話内容が、「この揚げ出し豆腐、美味しい。」等、S1501で含まれていると判断した評価に関する情報と商品名とが連続した一文である場合には、評価の対象の商品を特定可能であると判定する。そして、評価の対象の商品を特定可能である場合(S1502でYes)、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する(S1503)。また、評価把握部220は、記憶部22に記憶するとともに、商品名と評価に関する情報とを関連付けて送信部217を介して店舗端末30に送信しても良い。
【0054】
他方、評価の対象の商品を特定可能ではない場合(S1502でNo)、評価把握部220は、他のユーザの発話内容から商品を特定可能であるか又は画像解析部222が認識した画像に基づいて商品を特定可能であるか等、他の手段により商品を特定可能であるか否かを判別する(S1504)。そして、評価の対象の商品を特定可能である場合(S1504でYes)、評価把握部220は、記憶部22に記憶するとともに、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する(S1503)。
【0055】
一方、評価に関する情報が含まれていない場合(S1501でNo)、画像解析部222が認識した画像を用いて評価に関する情報を取得可能であるか否かを判別する(ステップ(S1505)。これは、評価導出部223が、画像解析部222が認識したユーザの表情に基づいて判別する処理であり、例えば、商品を飲食した直後のユーザの表情が「笑顔」や「怒り顔」であるか否かを判別する処理である。そして、評価に関する情報が含まれている場合(S1505でYes)、その評価の対象の商品を、評価に関する情報を取得した画像に映っているユーザ(例えば「笑顔」であったユーザ)が飲食する前後の画像から特定可能であるか否かを判別する(S1506)。そして、評価の対象の商品を特定可能である場合(S1506でYes)、評価把握部220は、記憶部22に記憶するとともに、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する(S1503)。
【0056】
他方、評価の対象の商品を特定可能ではない場合(S1506でNo)、評価把握部220は、評価に関する情報を取得した画像に映っているユーザ(例えば「笑顔」であったユーザ)又は他のユーザの発話内容から商品を特定可能であるか否かを判別する(S1507)。そして、評価の対象の商品を特定可能である場合(S1507でYes)、評価把握部220は、記憶部22に記憶するとともに、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する(S1503)。
【0057】
<店舗端末30>
図16は、店舗端末30の機能構成を例示したブロック図である。
店舗端末30は、ユーザ端末10が備える、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15、スピーカ17に相当する、制御部31、記憶部(不図示)、表示部33、操作部(不図示)、通信部(不図示)、スピーカ37を備えている。
店舗端末30は、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC等であることを例示することができる。
店舗端末30は、例えば、店舗の厨房に配置されていることを例示することができる。
【0058】
制御部31は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)等を有しており、CPUがプログラムを実行することにより、以下の機能を実現する。
すなわち、制御部31は、サーバ20から、商品の注文を受け付けた旨の情報等を取得する取得部311を有している。また、制御部31は、表示部33を制御する表示制御部312と、スピーカ37を制御する音響制御部313と、プリンタ40に画像を出力させる出力部314とを備えている。
【0059】
取得部311は、サーバ20から、商品の注文に関する情報である、注文を受けた商品、注文を行ったユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号等を取得する。
表示制御部312は、取得部311が取得した注文に関する情報を表示部33の表示画面に表示させるように表示部33を制御する。例えば、表示制御部312は、注文を受けた商品名や商品番号、当該注文を行ったユーザ番号及びエリア番号を、表示部33の表示画面に表示させる。
【0060】
音響制御部313は、取得部311が取得した注文に関する情報についての音を出力させるようにスピーカ37を制御する。例えば、音響制御部313は、注文を受けた商品名や商品番号、当該注文を行ったユーザ番号及びエリア番号を、スピーカ37から音声出力させる。
出力部314は、取得部311が取得した注文に関する情報である、注文を受けた商品名や商品番号、当該注文を行ったユーザ番号及びエリア番号の画像をプリンタ40に出力させる。また、出力部314は、サーバ20の作成部216が作成したコード情報と、当該コード情報に関連付けられているエリア番号の画像をプリンタ40に出力させる。
【0061】
商品名、商品番号、ユーザ番号、エリア番号等が、表示部33の表示画面に表示されることにより、又は、スピーカ37から音声が出力されることにより、調理人は、商品の注文を受けたことを把握することが可能となり、配膳人は、当該商品を、注文を行ったエリアに届けることが可能となる。また、プリンタ40により出力された、商品名、商品番号、ユーザ番号、エリア番号等が記載された紙を見ることにより、調理人は、商品の注文を受けたことを把握することが可能となり、配膳人は、当該商品を、注文を行ったエリアに届けることが可能となる。
なお、コード情報等が記載された紙は、店舗の従業員(例えば配膳人)にて、該当するエリアに配置される。
【0062】
また、取得部311は、サーバ20から、商品の評価に関する情報等を取得する。
表示制御部312は、取得部311が取得した商品の評価に関する情報を表示部33の表示画面に表示させるように表示部33を制御しても良い。
音響制御部313は、取得部311が取得した評価に関する情報についての音を出力させるようにスピーカ37を制御しても良い。
出力部314は、取得部311が取得した評価に関する情報の画像をプリンタ40に出力させてもよい。
【0063】
商品名と、その商品の評価に関する情報等が、表示部33の表示画面に表示されることにより、又は、スピーカ37から音声が出力されることにより、店舗の従業員は、商品の評価を把握することが可能となる。また、プリンタ40により出力された、商品名と、その商品の評価に関する情報等が記載された紙を見ることにより、店舗の従業員は、商品の評価を把握することが可能となる。
商品名と、その商品の評価に関する情報等を、表示制御部312が表示部33に表示させること、音響制御部313がスピーカ37から音声を出力させること、及び、出力部314がプリンタ40に出力させることは、店舗の従業員からの要求に応じて行っても良い。
【0064】
<取得システム60>
取得システム60は、マイク61と、カメラ62と、通信サーバ63とを備える。マイク61及びカメラ62は、通信サーバ63に接続されている。通信サーバ63は、さらにネットワーク50を介してサーバ20と接続される。マイク61及びカメラ62と通信サーバ63、及び、通信サーバ63とサーバ20は、LAN、bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の無線通信又は有線通信にて、互いに通信可能となっていても良い。
【0065】
マイク61は、情報としての音(音響情報)を収録する録音装置である。マイク61としては、収録しようとする場所や音響情報の種類等に応じて種々の特性や構成を有するものを用いて良い。マイク61により収録された音響情報は、デジタル・データとして通信サーバ63へ送られる。マイク61は、店舗に設けられた全てのエリアの発話を録音可能なように複数設けられていることを例示することができる。また、マイク61は、一のエリアにて飲食する複数のユーザ全ての発話を録音可能なように複数設けられていることを例示することができる。
【0066】
カメラ62は、店舗内の画像を取得する撮像装置である。カメラ62により取得された画像は、デジタル・データとして通信サーバ63へ送られる。カメラ62により取得される画像は、動画および静止画のいずれであっても良い。カメラ62としては、使用環境に応じて種々の構成のものを用いて良い。例えば、可搬型のカメラであっても良いし、固定カメラであっても良い。また、周囲の広い空間の画像を取得する広角カメラや全周カメラ、特定の対象物や場所を様々な角度で撮影する複数のカメラ群等を用いても良い。カメラ62は、一のエリアにて飲食する複数のユーザや、一のエリアに設置されたテーブルに置かれた商品を全て撮影可能なように複数設けられていることを例示することができる。
【0067】
通信サーバ63は、マイク61及びカメラ62により取得した情報をサーバ20へ送信する通信制御装置である。通信サーバ63は、例えば、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC等であることを例示することができる。また、マイク61及びカメラ62(以下、これらをまとめて「情報取得デバイス」と称する場合がある。)が接続されたLANを構成するルータに情報処理機能および通信制御機能を持たせたものを用いても良い。さらに、ネットワーク50に接続する機能及び情報処理機能を備えた各種の情報機器(テレビ受像機やファクシミリ装置等)を用いても良い。
【0068】
通信サーバ63は、設定に応じて、各情報取得デバイスから情報を収集する。具体的には、常時連続的に情報を取得しても良いし、一定の時間間隔で断続的に情報を取得しても良いし、予め定められた事象(イベント)が発生したことを契機(トリガー)として情報を取得しても良い。情報取得デバイスからプッシュ型通信で情報を送っても良いし、通信サーバ63から情報取得デバイスへ問い合わせるプル型通信で情報を取得しても良い。通信が衝突(コリジョン)しない範囲において、個々の情報取得デバイスごとに異なる方式や態様で通信サーバ63へ情報を送るように構成しても良い。予め定められた事象(イベント)としては、各情報取得デバイスが取得対象のエリアを利用して飲食するユーザによりサーバ20の受注部214が注文を受けたことを例示することができる。そして、通信サーバ63は、各情報取得デバイスが取得対象のエリアを利用して飲食するユーザが店舗を退出したときに取得を終了しても良い。
【0069】
また、通信サーバ63は、設定に応じて、取得した情報をサーバ20へ送信する。具体的には、常時サーバ20と接続して連続的に情報を送信しても良いし、一定の時間間隔で断続的にサーバ20と接続して情報を送信しても良い。また、予め定められた事象(イベント)が発生したことを契機(トリガー)としてサーバ20と接続して情報を送信しても良い。予め定められた事象(イベント)としては、各情報取得デバイスが取得対象のエリアを利用して飲食するユーザが店舗を退出したことを例示することができる。
【0070】
図17−1及び図17−2は、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1における動作例を示したシーケンス図である。図17−1及び図17−2に示した動作例は、ユーザA、ユーザB、ユーザCの3人を含んで一のグループが構成され、ユーザAが所有するユーザ端末10A、ユーザBが所有するユーザ端末10B、ユーザCが所有するユーザ端末10Cにて注文や会計が行われる場合の動作例を示している。
【0071】
先ず、ユーザAが、案内されたエリア(エリア番号は1とする)に予め置かれていたコード情報を、自身が所有するユーザ端末10Aにて読み取るとともに、読み込んだ後に表示されるアドレスにアクセスする(S1701)。
サーバ20は、エリア番号とユーザ端末10Aとを関連付けて記憶する(S1702)。より具体的には、エリア番号が1であるエリアに配置されていたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスに基づいて最初にアクセスしてきたのがユーザ端末10Aであることから、ユーザ端末10Aの識別番号であるユーザ番号を1として、エリア番号に関連付けて記憶部22に記憶する。これは、識別部212が行う処理である。そして、サーバ20においては、生成部213がメニュー画面を表示させるためのHTML文書を生成して、ユーザ端末10Aに送信する(S1703)。ユーザ端末10Aは、表示部13にメニュー画面を表示する(S1704)。
【0072】
ユーザBが、案内されたエリア(エリア番号:1)に予め置かれていたコード情報を、自身が所有するユーザ端末10Bにて読み取るとともに、読み込んだ後に表示されるアドレスにアクセスする(S1705)。
サーバ20は、エリア番号とユーザ端末10Bとを関連付けて記憶する(S1706)。より具体的には、エリア番号が1であるエリアに配置されていたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスに基づいて、ユーザ端末10Aの次にアクセスしてきたのがユーザ端末10Bであることから、ユーザ端末10Bの識別番号であるユーザ番号を2として、エリア番号に関連付けて記憶部22に記憶する。そして、サーバ20は、メニュー画面を表示させるためのHTML文書を生成して、ユーザ端末10Bに送信する(S1707)。ユーザ端末10Bは、表示部13にメニュー画面を表示する(S1708)。
【0073】
ユーザCが、案内されたエリアに予め置かれていたコード情報を、自身が所有するユーザ端末10Cにて読み取るとともに、読み込んだ後に表示されるアドレスにアクセスする(S1709)。
サーバ20は、エリア番号とユーザ端末10Cとを関連付けて記憶する(S1710)。より具体的には、エリア番号が1であるエリアに配置されていたコード情報を読み取ることで表示されるアドレスに基づいて、ユーザ端末10Bの次にアクセスしてきたのがユーザ端末10Cであることから、ユーザ端末10Cの識別番号であるユーザ番号を3として、エリア番号に関連付けて記憶部22に記憶する。そして、サーバ20は、メニュー画面を表示させるためのHTML文書を生成して、ユーザ端末10Cに送信する(S1711)。ユーザ端末10Cは、表示部13にメニュー画面を表示する(S1712)。
【0074】
その後、ユーザAが、ユーザ端末10Aの表示部13に表示されているメニュー画面に表示されている商品群の中から一の商品(例えばビール)を選択して、その商品の注文ボタン71dを押下したとする(S1713)。サーバ20は、その商品の注文を受け付け、注文を受けた商品と、注文を行ってきたユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号とを関連付けて記憶部22に記憶する(S1714)。そして、サーバ20は、注文を受けた商品、注文を行ったユーザ端末10のユーザ番号及びエリア番号等の情報を、店舗端末30に送信する(S1715)。これらは、受注部214が行う処理である。
【0075】
店舗端末30においては、サーバ20からの商品の注文に関する情報を取得し、取得した情報である、注文を受けた商品(例えばビール)、注文を行ったユーザ端末10Aのユーザ番号(ユーザ番号:1)及びエリア番号(エリア番号:1)を報知する(S1716)。報知手法としては、上述した、表示部33の表示画面に表示させること、スピーカ37から音声出力させること、プリンタ40に出力させることの少なくともいずれかであることを例示することができる。
そして、店舗の従業員(例えば配膳人)が、注文を受けた商品(例えばビール)をユーザAに届けることで、ユーザAは、注文した商品を受け取る(S1717)。
上記S1713〜S1717の処理が、ユーザA、ユーザB、ユーザCの全てのユーザからの注文が終了するまで注文毎に繰り返される。
【0076】
サーバ20の評価把握部220は、音声解析部221が解析した音声及び画像解析部222が解析した画像の少なくともいずれかに基づいて、商品の評価に関する情報を把握する評価把握処理を行う(S1718)。この評価把握処理において、評価把握部220は、一の商品に対する評価を把握した場合には、商品名と評価に関する情報とを関連付けて記憶部22に記憶する。また、評価把握部220は、商品名と評価に関する情報とを店舗端末30に送信しても良い。このようにして、サーバ20は、ユーザが飲食した直後に商品に対する評価を把握することができる。それゆえ、サーバ20は、例えばユーザが店舗を退出した後に評価を入力する等に比べて、確度が高い評価に関する情報を把握することができる。
【0077】
一のグループを構成するいずれかのユーザが、ユーザ端末10(図17−2においてはユーザ端末10A)の表示部13に表示されているメニュー画面71に表示されている会計ボタン71eを押下したとする(S1719)。サーバ20においては、生成部213が会計画面72を表示させるためのHTML文書を生成し(S1720)、送信部217がHTML文書をユーザ端末10Aに送信する(S1721)。ユーザ端末10Aは、表示部13に会計画面72を表示する(S1722)。
【0078】
その後、ユーザAが、ユーザ端末10Aの表示部13に表示されている会計画面72に表示されている同等割会計ボタン72cを押下したとする(S1723)。サーバ20においては、課金部215が、エリア番号が1であるエリアで飲食された全商品の合計金額を、ユーザ端末10の数である3にて同等割した金額を算出し(S1724)、その金額等の情報を含んだHTML文書を、送信部217を介して全ユーザ端末10(ユーザ端末10A、ユーザ端末10B、ユーザ端末10C)に送信する(S1725)。全ユーザ端末10(ユーザ端末10A、ユーザ端末10B、ユーザ端末10C)は、表示部13に、同等割した金額と、確認ボタン74aを表示する(S1726)。
【0079】
その後、ユーザAが、ユーザ端末10Aの表示部13に表示されている確認ボタン74aを押下した場合には(S1727)、サーバ20は、決済処理を行う(S1728)。これにより、ユーザ端末10Aを用いた支払いが終了する。また、ユーザBが、ユーザ端末10Bの表示部13に表示されている確認ボタン74aを押下した場合には(S1729)、サーバ20は、決済処理を行う(S1730)。これにより、ユーザ端末10Bを用いた支払いが終了する。また、ユーザCが、ユーザ端末10Cの表示部13に表示されている確認ボタン74aを押下した場合には(S1731)、サーバ20は、決済処理を行う(S1732)。これにより、ユーザ端末10Cを用いた支払いが終了する。
【0080】
以上のように構成された本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1は、飲食店に来訪したユーザのユーザ端末10からの接続要求を受け付ける受付手段の一例としての受信部211と、飲食店にて提供する料理の一覧をユーザ端末10に表示させる表示制御手段の一例としての生成部213と、を備える評価取得システムの一例である。そして、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1は、ユーザ端末10から商品の注文を受ける受注手段の一例としての受注部214と、商品の評価に関する情報を、ユーザの挙動から把握する把握手段の一例としての評価把握部220と、を備える。
本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1によれば、評価把握部220がユーザの挙動から商品の評価に関する情報を把握するので、ユーザの挙動以外から商品の評価に関する情報を把握する場合よりも、確度高い評価に関する情報を把握することができる。
【0081】
評価把握部220は、ユーザの発話を録音する録音手段の一例としてのマイク61が録音した発話内容に基づいて商品の評価に関する情報を把握しても良い。音声解析部221は、マイク61により収録された音響情報を解析することによりユーザの発話内容を認識する。そして、評価導出部223は、音声解析部221が認識した発話内容から、一の商品に対する評価を把握可能である場合には、音声解析部221による解析結果を用いて一の商品に対する評価を把握する。本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1によれば、例えば、ユーザの飲食直後の生の声を基に商品の評価に関する情報を把握することで、確度高い評価に関する情報を把握することができる。
【0082】
評価把握部220は、ユーザの表情を撮像する撮像手段の一例としてのカメラ62が撮影した商品を食べた後のユーザの表情に基づいて商品の評価に関する情報を把握しても良い。画像解析部222は、カメラ62により撮影された撮影画像を解析することによりユーザの表情を認識する。画像解析部222は、カメラ62により撮影された撮影画像を解析することによりユーザが飲食した商品を特定する。そして、評価導出部223は、画像解析部222が認識したユーザの表情及びユーザが飲食した商品から、一の商品に対する評価を把握可能である場合には、画像解析部222による解析結果を用いて一の商品に対する評価を把握する。本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1によれば、例えば、ユーザの飲食直後の表情を基に商品の評価に関する情報を把握することで、確度高い評価に関する情報を把握することができる。
【0083】
評価把握部220は、受注部214が受けた注文に基づいてユーザが食べた商品を特定しても良い。画像解析部222は、例えば、撮影画像から商品を特定するときに、受注部214が一のグループから複数の注文を受けていた場合には、撮影画像から抽出した特徴量と、受注部214が注文を受けていた複数の商品の特徴量を、注文を受けていない商品の特徴量よりも先に比較すると良い。受注部214が注文を受けていた商品を考慮することで、受注部214が注文を受けていた商品を考慮しない場合よりも、迅速かつ精度高く商品を特定することが可能となる。
【0084】
評価把握部220は、マイク61が録音した発話内容と、カメラ62が撮影した画像とに基づいて商品の評価に関する情報を把握しても良い。つまり、マイク61が商品に関する情報と評価に関する情報とをともに収録できない場合や、カメラ62が商品とユーザの表情とをともに撮影できない場合等には、マイク61が録音した発話内容とカメラ62が撮影した撮影画像とを用いて商品に関する情報と評価に関する情報とを把握しても良い。
例えば、評価把握部220は、カメラ62が撮影した画像に基づいてユーザが飲食した商品を特定し、マイク61が録音した発話内容に基づいて商品の評価を把握しても良い。又は、評価把握部220は、カメラ62が撮影したユーザの表情を基に商品の評価を把握し、マイク61が録音した発話内容を基にユーザが飲食した商品を特定しても良い。
【0085】
評価把握部220は、受注部214が注文を受けた複数の商品の中から選択することでユーザが食べた商品を特定しても良い。マイク61が録音した発話内容、又は、カメラ62が撮影した画像を基にユーザが飲食した商品を特定する際に、受注部214が注文を受けていた商品を考慮することで、受注部214が注文を受けていた商品を考慮しない場合よりも、迅速かつ精度高く商品を特定することが可能となる。
【0086】
なお、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1においては、商品の評価に関する情報として、画像解析部222は、ユーザの顔の表情である笑顔や怒り顔を認識し、評価導出部223は、「笑顔」は「良い」、「怒り顔」は「悪い」ことを示す評価であると把握するが特にかかる態様に限定されない。例えば、画像解析部222は、ユーザの顔の表情が驚嘆した顔や渋い顔であることを認識し、評価導出部223は、「驚嘆した顔」は「良い」、「渋い顔」は「悪い」ことを示す評価であると把握しても良い。
また、画像解析部222は、評価に関する情報を得るために、ユーザの顔の表情以外を認識しても良い。例えば、画像解析部222は、親指を立てるジェスチャーや親指を下げるジェスチャーを認識しても良い。そして、評価導出部223は、「親指を立てるジェスチャー」は「良い」、「親指を下げるジェスチャー」は「悪い」ことを示す評価であると把握しても良い。
【0087】
また、本実施の形態に係るキャッシュレスシステム1において、サーバ20は、飲食店にて提供する料理の一覧とともに、評価把握部220が把握した個々の商品の評価を、口コミとしてインターネットで閲覧可能にしても良い。これにより、飲食店が、特定の料理に強みを有する場合には、その料理をアピールすることが可能となる。例えば、接客態度が悪いために飲食店全体の評価が低くても、特定の料理に強みを持ち、その特定の料理の評価が高い場合には、その特定の料理を目的とする顧客を獲得することができる。その結果、飲食店の経営を向上させることが可能となる。また、ユーザは、特定の料理の評価が高い店舗に訪れることで、好みの料理を美味しく食べたいという要求を満たすことが可能となる。
なお、料理の評価をインターネットで閲覧可能にする際には、サーバ20は、飲食店にて提供する料理を、評価が高い順に外部端末に表示させても良い。これにより、外部端末を所有する者は、料理をチェックする際に、簡便に評価が高い料理をチェックすることが可能となる。また、サーバ20は、把握した評価がネガティブである場合には、公表しないようにしても良い。
【0088】
なお、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1においては、飲食店にて飲食をし終えた後に会計処理を行う態様であるが、ユーザ端末10にて注文を行う度に支払いを行えるようにしても良い。例えば、サーバ20は、ユーザ端末10の表示部13に表示されたメニュー画面71の注文ボタン71dが押下された旨を受信した場合に、図7に例示した会計画面72をユーザ端末10の表示部13に表示させても良い。そして、注文した個々の商品の代金を、一のグループを構成する複数のユーザの内のいずれかのユーザのユーザ端末10にて支払うのか、同等割にするのか、特殊割にするのかを選択可能にすると良い。
【0089】
また、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1においては、一のグループを構成する複数のユーザが所有する複数のユーザ端末10の全ての表示部13に表示されるメニュー画面71に、会計ボタン71eを表示させているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、一のグループを構成する複数のユーザの内の一人を会計権限者として設定し、当該会計権限者が所有するユーザ端末10(会計権限者端末)の表示部13にのみ、メニュー画面71に会計ボタン71eを表示させるようにしても良い。そして、当該会計権限者端末においてのみ会計画面72を表示させ、まとめ会計、端末毎会計、同等割会計、特殊割会計を選択可能にしても良い。なお、会計権限者は、一のグループを構成する複数のユーザが決定可能にしても良いし、コード情報を読み取ることで表示されるアドレスに最初にアクセスしてきたユーザ端末10を所有する者を会計権限者(当該ユーザ端末10を会計権限者端末)として決定しても良い。
【0090】
また、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1においては、店舗の配膳人が注文された商品(料理や飲み物など)を配膳する態様であるが特にかかる態様に限定されない。商品の準備が整ったら、注文を行ったユーザ端末10に対して電話をするかメッセージを送るなどして報知し、ユーザが商品を取りに来る態様であっても良い。かかる態様である場合、店舗端末30に、ユーザ端末10に対して電話やメッセージを送る機能を持たせても良い。
【0091】
また、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1において、店舗端末30は、厨房等の店舗内に配置されていることが好ましいが、サーバ20は、店舗内に配置されていても良いし、店舗外に配置されていても良い。サーバ20が店舗内に配置される場合には、サーバ20と店舗端末30とは一体であって良い。また、店舗端末30とプリンタ40とは一体であっても良いし、サーバ20、店舗端末30及びプリンタ40が一体であっても良い。これらが一体となった装置と、取得システム60とは、LAN、bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の無線通信又は有線通信にて、互いに通信可能となっていても良い。
また、プリンタ40にてコード情報を含む画像が形成された用紙をエリアに配置する態様に限定されない。例えば、エリアに設置された、液晶パネルなどの表示装置にコード情報を表示させ、表示装置に表示されたコード情報を、ユーザ端末10にて読み取らせるようにしても良い。
【0092】
また、上述した実施の形態に係るキャッシュレスシステム1においては、ユーザ端末10を用いて商品の注文及び会計を行うことを実現可能なサーバ20が、商品の評価に関する情報をユーザの挙動から把握する機能を有するが特にかかる態様に限定されない。例えば、ユーザ端末10を用いて商品の注文及び会計を行い得ないサーバが、評価把握部220を有し、店舗内に配置された取得システム60から取得した音声や画像に基づいて商品の評価に関する情報をユーザの挙動から把握する機能を有しても良い。かかる場合、評価把握部220を備えるサーバを、商品の評価に関する情報をユーザの挙動から把握する把握手段の一例としての評価把握部220を備える評価取得システムとして捉えることができる。
【0093】
また、上述の実施形態に係るキャッシュレスシステム1では、ユーザ端末10が、サーバ20から取得するHTML文書を解釈することでメニュー画面71等を表示部13に表示させる、いわゆるブラウザ形式によって本発明が実現される場合について説明したが、特にかかる態様に限定されない。ユーザ端末10がダウンロードしたプログラムを実行することでメニュー画面71等を表示させる、いわゆるネイティブアプリケーション形式によって実現しても良い。
【符号の説明】
【0094】
1…キャッシュレスシステム、10…ユーザ端末、20…サーバ、21…制御部、30…店舗端末、40…プリンタ、60…取得システム、211…受信部、212…識別部、213…生成部、214…受注部、215…課金部、216…作成部、217…送信部、220…評価把握部、221…音声解析部、222…画像解析部、223…評価導出部
図1
図2
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図5
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