特許第6964553号(P6964553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝映像ソリューション株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964553
(24)【登録日】2021年10月21日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】スイッチ機構および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   H01H25/04 D
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-87490(P2018-87490)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2019-192611(P2019-192611A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2020年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張田 敬侑
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 尋基
【審査官】 太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−178652(JP,A)
【文献】 特開2012−150963(JP,A)
【文献】 実開平03−030335(JP,U)
【文献】 特開2007−257852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
H01H 23/00−23/30
H01H 25/00−25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支点と、押圧によって前記支点を軸として傾斜する傾斜部と、を有する押圧傾斜部材と、
前記傾斜部と共に傾斜する基板と、
前記基板に配置される少なくとも1のスイッチと、
前記少なくとも1のスイッチに対向して配置され、前記基板の傾斜に対応して、前記少なくとも1のスイッチを押圧する少なくとも1の突起と、
前記押圧傾斜部材を載置する台座と、
を具備し、
前記支点が、互いに係合する形状の凸部、凹部の一方を有し、
前記台座が、前記凸部、凹部の他方を有し、
前記凸部および凹部が前記台座と前記押圧傾斜部材の積層方向を軸とする略回転体形状を有し、前記積層方向を軸とする全方位に、前記傾斜が可能である
スイッチ機構。
【請求項2】
前記台座が、前記凸部、凹部の他方が配置される、アーチ構造を有する、
請求項1記載のスイッチ機構。
【請求項3】
前記押圧傾斜部材が、前記台座に載置される、弾性部材からなる脚部を有し、
前記傾斜部の傾斜時に、前記脚部が弾性変形する
請求項1または2に記載のスイッチ機構。
【請求項4】
前記押圧傾斜部材が、前記脚部より剛性の大きな2以上の腕部を有し、
前記基板が、前記2以上の腕部の端部に固定される
請求項3に記載のスイッチ機構。
【請求項5】
前記脚部が第1の係合部を有し、
前記台座が前記第1の係合部と係合する第2の係合部を有する
請求項3または4に記載のスイッチ機構。
【請求項6】
前記基板の外周を保持する外周部と、前記外周部に接続される第3の係合部と、を有する基板保持部材をさらに具備し、
前記台座が、前記第3の係合部と前記基板の傾斜が可能に係合する第4の係合部をさらに有する、
請求項5に記載のスイッチ機構。
【請求項7】
前記第1、第2の係合部の係合方向と、前記第3、第4の係合部の係合方向が、逆である
請求項6に記載のスイッチ機構。
【請求項8】
前記基板上に配置され、前記外周部に係合するカバー部材をさらに具備し、
前記カバー部材が前記基板および前記押圧傾斜部材に固定される
請求項6または7に記載のスイッチ機構。
【請求項9】
前記基板が、発光素子を有し、
前記カバー部材が、前記発光素子からの光を拡散する拡散部と、前記拡散部で拡散された光を放射する放射部と、を有する
請求項8に記載のスイッチ機構。
【請求項10】
前記基板が、集音素子を有し、
前記カバー部材が、前記集音素子に対応する開口を有する
請求項8または9に記載のスイッチ機構。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のスイッチ機構と、
前記スイッチ機構が配置される筒状のケースと、
を具備する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は,スイッチ機構および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器において、押圧することでスイッチを入り切りすることがある。例えば、回路基板上にスイッチを配置し、このスイッチを指等により押圧することで、切り替えることができる。このとき、回路基板は固定され、押圧によって動くことはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−60461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、押圧によって、回路基板を動かす(傾ける)ことが適する場合がある。例えば、回路基板と別部材が連係して、応力(例えば、押圧)および信号(例えば、光や音声)を伝達する場合である。このとき、回路基板と別部材の距離、角度などが変化すると、応力、信号の伝達条件が変化してしまう。
本発明は,押圧によって、スイッチの切替と基板の傾斜の双方を行えるスイッチ機構および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のスイッチ機構は,押圧傾斜部材、基板、少なくとも1のスイッチ、少なくとも1の突起を備える。押圧傾斜部材は、支点と、押圧によって前記支点を軸として傾斜する傾斜部と、を有する。基板は、傾斜部と共に傾斜する。スイッチは、基板に配置される。突起は、スイッチに対向して配置され、基板の傾斜に対応して、スイッチを押圧する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る電子機器10を分解した状態を表す分解斜視図である。
図2】スイッチ機構12の断面を表す断面図である。
図3A】台座20を上方から見た状態を表す斜視図である。
図3B】台座20を下方から見た状態を表す斜視図である。
図4A】シーソー部材30を上方から見た状態を表す斜視図である。
図4B】シーソー部材30を下方から見た状態を表す斜視図である。
図5A】基板40を上方から見た状態を表す斜視図である。
図5B】基板40を下方から見た状態を表す斜視図である。
図6】基板保持部材50を上方から見た状態を表す斜視図である。
図7】カバー部材60を下方から見た状態を表す斜視図である。
図8】シート部材70の上面図である。
図9】本体部11に台座20を載置した状態を表す斜視図である。
図10A】台座20上にシーソー部材30を載置した状態を表す斜視図である。
図10B】台座20上に置いたシーソー部材30を回転して固定した状態を表す斜視図である。
図11】シーソー部材30上に基板40を固定した状態を表す斜視図である。
図12A】基板40上に基板保持部材50を載置する前の状態を表す斜視図である。
図12B】基板40上に基板保持部材50を載置した後の状態を表す斜視図である。
図13A】基板保持部材50を回転する前の状態を表す断面斜視図である。
図13B】基板保持部材50を回転した後の状態を表す断面斜視図である。
図14】カバー部材60を取り付けた状態を表す斜視図である。
図15】シート部材70を取り付けた状態を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下,図面を参照して,実施形態を詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る電子機器10を分解した状態を表す分解斜視図である。
電子機器10は,情報入出力機器(例えば、AI(Artificial Intelligence:人工知能)スピーカ)であり、通信機能、入力機能(音声入力、スイッチ入力)、出力機能(音声出力)、発光機能を有する。電子機器10は、ネットワークに接続し、音声あるいはスイッチでの入力に応じて、種々の音声(天気予報などの音声情報、音楽)を出力する。
【0008】
電子機器10は,略円柱形状の外形を有し、本体部11,スイッチ機構12を有する。
本体部11は、電子機器10の主要な構成要素であり、ケース13,スピーカ部14,基体15を有する。
ケース13は、電子機器10の外装(外箱)であり、筒形状を有する。ケース13中に、他の要素(スピーカ部14,基体15、スイッチ機構12)が格納される。ここでは、ケース13は、円筒形状であるが、角筒形状など他の形状を採用してもよい。
【0009】
スピーカ部14は、スピーカを有し、音声を出力する。
基体15は、スイッチ機構12を保持する。
基体15の下に、電子機器10の動作に必要なCPU(Central Processing Unit、プロセッサ)、メモリ、通信用カードなどが格納される。メモリはプログラムを保持し、CPUはこのプログラムによって動作する。通信用カードは、有線または無線(例えば、WiFi)によって、ネットワーク(インターネットを含む)に接続する。
【0010】
スイッチ機構12は、台座20,シーソー部材30,基板40,基板保持部材50,カバー部材60,シート部材70を有する。基体15上に、台座20,シーソー部材30,基板40,基板保持部材50,カバー部材60,シート部材70が順に配置(積層)される。なお、台座20,シーソー部材30,基板保持部材50,カバー部材60は、例えば、プラスチックの射出成形で作成できる。
図2は、スイッチ機構12の断面を表す断面図である。
図3A図3Bはそれぞれ、台座20を上方および下方から見た状態を表す斜視図である。
【0011】
台座20は、有底の略円筒形状であり、基体15上に配置、固定される。後述のように、シーソー部材30,基板40,基板保持部材50,カバー部材60,シート部材70は、互いに固定され、台座20および基体15に対して、一体的に傾斜可能である。
台座20は、底板21,側板22,脚23,突起24、係合部25,26を有する。
【0012】
底板21は、略円板状の板部材であり、アーチ部27,凹部28を有する。
アーチ部27は、略上に凸のアーチ状部材であり、アーチ形状(上面、下面、共に上に凸の曲面、円形の外周の板形状)を有する。
アーチ部27の下方にリブ(補強部材)27Aが配置される。ここでは、略板形状を有する4つのリブ27Aが、アーチ部27底面の中央近傍で接続され、それぞれアーチ部27の周に向かって配置される。リブ27Aの上端はアーチ部27の下面に接続され、下端は底板21の下面と略同一の高さを有する。
ここでは、4つのリブ27Aが配置されるが、その個数は適宜に変更できる(例えば、2個または3個)。
【0013】
凹部28は、アーチ部27の中央に配置される。凹部28に後述のシーソー部材30の突起35が挿入される。シーソー部材30(カバー部材60)の外周近傍(例えば、後述のシート部材70のマーク71のいずれか)が押圧されると(押圧操作)、突起35を支点として、シーソー部材30の傾きが変化する。このとき、突起35が凹部28を押圧する。
【0014】
前述のように、凹部28は、アーチ形状を有するアーチ部27に配置される。この結果、凹部28が押圧されたときに、アーチ部27の沈み込みが回避される。すなわち、底板21、あるいはアーチ部27の板厚を大きくしなくても、大きな剛性を確保できる。この結果、押圧操作によって、後述の基板40のスイッチ43を安定して入り切りできる。
リブ27Aは、アーチ部27を補強し、凹部28が押圧されたときのアーチ部27の沈み込みをさらに抑制する。
【0015】
側板22は、ケース13の内面に対向して配置される。側板22は、その外周に配置される複数の突起22Aを有する。この突起22Aは、ケース13の内面に近接(あるいは当接)し、台座20の安定した保持に寄与する。突起22A間の間隙は、ケース13内からの放熱に寄与する。
【0016】
複数(ここでは、4つ)の脚23は、基体15上に台座20を保持する。
突起24は、基板40のスイッチ43に対向して配置され、押圧に応じて基板40が傾いたときに、スイッチ43を押圧、切り替える。基板40が傾斜することで、いずれかのスイッチ43が下がり、突起24を押す。相対的に見れば、突起24がスイッチ43を押圧することになる。
ここでは、4つの突起24が4つのスイッチ43と対向している。
【0017】
係合部25は、後述のシーソー部材30の脚下部37と係合する。ここでは、係合部25は、突起24の下部に形成された切り欠きである。なお、係合部25の位置、形状等は適宜に変更してもよい。
【0018】
底板21上、係合部25の両側に止め部材Sおよび位置決め部材Tが配置される。止め部材Sは係合部25の近傍に、位置決め部材Tは係合部25から離間して配置される。なお、この詳細は後述する。
【0019】
係合部26は、後述の基板保持部材50の係合片54と係合する。ここでは、係合部26は、底板21の外周近傍に形成された切り欠きである。
【0020】
図4A図4Bはそれぞれ、シーソー部材30を上方および下方から見た状態を表す斜視図である。
既述のように、シーソー部材30は、押圧操作によって、基板40,基板保持部材50,カバー部材60,シート部材70と一体となって傾く。
シーソー部材30は、基部31,腕32(32A,32B)、接続部33(33A,33B)、脚34を有する。
【0021】
基部31は、略円板形状の部材であり、下面に突起35を有する。
突起35は、台座20の凹部28に挿入され、支点として機能する。すなわち、押圧操作時に突起35を中心として、シーソー部材30の傾きが変化する。このとき、シーソー部材30は、いわゆるシーソーのように動く。シーソー部材30の外周近傍のいずれか(例えば、接続部33のいずれか)が押圧されて下がった場合、その逆側(例えば、押圧された接続部33と反対側の接続部33)が上がることになる。
【0022】
基部31,腕32(32A,32B)、接続部33(33A,33B)は、押圧によって、支点(突起35)を軸(中心)として傾斜する傾斜部として機能する。
【0023】
図4Aに示すように、押圧によって、シーソー部材30を角度θ傾斜することができる(基部31の中心軸がC0からC1に変化)。このとき、押圧の箇所に応じて、傾斜の方位Φを変更できる。なお、この図では、方位の基準L0に対して、方位角Φの接続部33Aが押圧されたとしている。
【0024】
突起35は、少なくともその先端が中心軸C0(台座20とシーソー部材30の積層方向)を軸とする略回転体曲面形状(例えば、略球状)であることが、好ましい。略回転体とすることで、傾斜の方位Φの選択の自由度が大きくなる。すなわち、中心軸C0を軸とする全方位Φに、傾斜が可能となる。
一方、台座20の凹部28は、突起35と対応する略回転体曲面形状(例えば、球状凸面)を有し、凹部28内に突起35の先端が挿入された状態で、突起35(シーソー部材30)の傾きを変更できる。
【0025】
ここでは、突起35は、その先端(下端)35Aが略球面形状であり、その上部は球面よりやや尖った略回転楕円体形状を有する。先端35Aが略球面形状であることで、全方位Φ(360°)でのシーソー部材30の傾斜が容易となる。
【0026】
ここでは、台座20、シーソー部材30それぞれに凹部28、突起35が配置されているが、この逆に、台座20、シーソー部材30それぞれに突起35、凹部28を配置してもよい。この場合、シーソー部材30の凹部28を支点として、シーソー部材30の角度(傾き)を変更できる。
【0027】
腕32(32A,32B)は、基部31と接続部33を接続する部材である。この腕32および基部31は、脚34より剛性が大きい。このため、腕32および基部31の少なくとも一部は、脚34(後述の脚上部36)より、肉厚となっている。この結果、基部31,腕32は、一体的に傾く。一方、脚34(脚上部36)は、基部31の傾きに応じて、弾性的に変形する。
【0028】
ここでは、腕32は、その一部(その中心軸近傍)を肉厚としている。腕32全体を肉厚とする場合に比べ、平均肉厚を小さくしても、剛性を保つことが可能となり、使用材料の量を低減できる。
【0029】
一対の腕32Aおよび32Bがそれぞれ、基部31の反対側に配置される。この結果、シーソー部材30(腕32)がバランスを保った状態で傾斜することが容易となる。
【0030】
但し、必ずしも一対の腕32が互いに反対側に配置されなければならない訳では無い。例えば、3つの腕32を3方向に配置することも可能である。すなわち、必要に応じて、腕32の個数を1以上の適宜の個数とすることができる。このとき、腕32の個数に応じて、スイッチ43の個数を適宜に増減できる。
【0031】
台座20の突起24は、腕32の間に配置される。すなわち、腕32と突起24が配置される方位をずらしている。この結果、基板40上に、腕32と接続される接続部(後述の貫通孔44A、44B)およびスイッチ43を適宜に分散して配置することが容易となる。
【0032】
接続部33(33A,33B)は、腕32(32A,32B)の端部の上面に固定され、基板40およびシート部材70に固定される。
接続部33Aは、後述の基板40の貫通孔44Aを通るネジB1によって、基板40に固定される。
【0033】
一方、接続部33Bは、後述のカバー部材60のネジ穴68および基板40の貫通孔44Bを通るネジB2によって、カバー部材60および基板40に固定される。このとき、カバー部材60と基板40の間に基板保持部材50の上板51が挟み込まれるので、接続部33Bは、基板40、基板保持部材50、カバー部材60に固定されることになる。
【0034】
脚34は、脚上部36,脚下部37,脚中間部38を有し、シーソー部材30を台座20の底板21の上に載置する。
脚上部36は、弾性部材であり、基部31に接続される。
既述のように、シーソー部材30(基部31、腕32,接続部33)は、底板21上に載置された状態で、その傾きを変えることができる。このとき、特に脚上部36が弾性変形することで、シーソー部材30を台座20の底板21の上に載置した状態が保たれ、シーソー部材30の安定した動き(傾斜)が可能となる。
【0035】
脚下部37(第1の係合部)は、脚中間部38を介して腕32に接続され、台座20の底板21上に配置されると共に、台座20の係合部25(第2の係合部)と係合する。
台座20上にシーソー部材30を配置し、左に回転すると、係合部25(切り欠き)の中にシーソー部材30の脚下部37が入り、台座20の止め部材Sに当たって停止する。止め部材Sは、脚下部37の側部と当接して、脚下部37がさらに左に回転して、係合部25(切り欠き)内から外れることを防止する。
なお、台座20の位置決め部材Tは、シーソー部材30を回転する前に、シーソー部材30の脚下部37の位置決めに用いられる。
【0036】
図5A図5Bはそれぞれ、基板40を上方および下方から見た状態を表す斜視図である。
基板40は、集積回路、配線等を有する回路基板であり、略円板形状を有し、発光素子41,集音素子42,スイッチ43,貫通孔44A,44Bを有する。
【0037】
発光素子41は基板40の上面に配置される。発光素子41は、電気で発光する例えばLEDである。
集音素子42は、基板40の下面に配置される。集音素子42は、音声を電気信号に変換するマイクであり、内側(基板40側)にマイク穴(図示せず)を有する。集音素子42は、外部の音声を基板40の上面の開口45およびマイク穴を介して受け取り、電気信号に変換する。
スイッチ43は、例えば、ボタン式スイッチである。スイッチ43は、基板40の下面に配置され、台座20の突起24によって押圧され、スイッチが切り替わる。
【0038】
図6は、基板保持部材50を上方から見た状態を表す斜視図である。
基板保持部材50は,基板40を保持固定する部材であり、上板51,側板52、脚53,係合片54を有する。
上板51は、略ドーナツ状円板であり、基板40の外周近傍を上から押さえ、保持する。上板51は、基板の外周を保持する外周部として機能する。
【0039】
上板51は、内周に沿って突出部55を有する。これら突出部55は、後述のカバー部材60の係合部63と係合する。すなわち、突出部55(凸部)は、係合部63(凹部)と対応する形状を有し、互いに嵌まり合うことで、基板保持部材50とカバー部材60間での回転が規制される。
ここでは、4つの略円弧形状、および2つの角形状の突出部55が配置されているが、突出部55の形状、個数は適宜に設定できる。
【0040】
側板52は、基板40の外周に対応する内周を有し、基板40の外周を覆う。
脚53および係合片54は、外周部に接続される第3の係合部として機能する。また、台座20の係合部26(切り欠き)は、第3の係合部と前記基板の傾斜が可能に係合する第4の係合部として機能する。
【0041】
また、側板52は、後述のように、カバー部材60の上板61の外周側面に対向する内周側面を有する。側板52は、カバー部材60の上板61の外周側面から出射される光をこの内周側面で受けて、外周側面から放射(拡散)する(導光)。このため、側板52(あるいは基板保持部材50)は透光性の材料から構成することが好ましい。
なお、側板52の外周側面は、図2に示すように、斜め上方を向いていることが好ましい。外周側面から放射する光によって、シート部材60の上面を照らすことが容易となる。
【0042】
脚53は、側板52から下方に延伸し、台座20の係合部26(切り欠き)に挿入される。
係合片54は、基板保持部材50が上方に引き抜かれることを防止する係止手段である。
【0043】
ここで、基板40が傾斜していないとき、係合片54は台座20の底板21の下面から離間している。基板40の傾斜に応じて、係合片54と底板21の下面間の距離が変化する。すなわち、係合片54と底板21の下面間に適度の遊びがあることで、台座20から基板40等が外れることを防止し、かつ基板40等が傾斜することを可能としている(基板40を上方に引くと引っかかる一種の引っ掛け構造)。
【0044】
シーソー部材30、基板40が順に積層された台座20上に、基板保持部材50を配置し、係合部26(切り欠き)に脚53,係合片54を通す。この状態で、基板保持部材50を右に回転すると、係合片54が係合部26(切り欠き)の無い底板21の下に移動する。そして、脚53が係合部26(切り欠き)の内壁に当接することで停止する。すなわち、基板保持部材50のさらなる右回転が制限される。このとき、係合片54が係合部26(切り欠き)の無い底板21の下にあることで、基板保持部材50が上方に引き抜けなくなる。
【0045】
既述のように、シーソー部材30は台座20に対して、ある程度左に回転すると、それ以上の左回転が規制される。これに対して、基板保持部材50は右回転が規制される。すなわち、シーソー部材30、台座20(第1、第2の係合部)の係合方向と、基板保持部材50、台座20(第3、第4の係合部)の係合方向が、逆方向である。
この結果、シーソー部材30と基板保持部材50が固定されれば、台座20に対して左右いずれにも回転が規制されることになる。
以上では、シーソー部材30と台座20間、基板保持部材50と台座20間それぞれで、左回転および右回転が規制されていたが、この逆でも差し支えない。
【0046】
図7は、カバー部材60(天板)を下方から見た状態を表す斜視図である。
カバー部材60は、透光性の部材(例えば、ガラス、プラスチック)からなる略円板形状を有し、上板61,凸部62,係合部63,レンズ部66,開口67,ネジ穴68を有する。
【0047】
上板61は、基板保持部材50の上板51上に置かれ、基板40を覆う。
凸部62は、上板61の外周に沿って、その内側に形成される略ドーナツ状の平板形状を有する。凸部62は、基板保持部材50の上板51の内周内に突出して、基板40と近接または接触する。凸部62が基板40と近接または接触することで、基板40上の発光素子41からの光,集音素子42への音声の伝達効率を向上できる。
【0048】
係合部63は、上板61と凸部62の境界が、上板61の内側に向かって突き出た領域(凸部62から見れば凹部)である。既述のように、係合部63は、基板保持部材50の突出部55と係合して、基板保持部材50とカバー部材60間での回転を規制する。すなわち、カバー部材60は、基板40上に配置され、上板51(外周部)に係合する。
ここでは、突出部55と対応して、4つの略円弧形状、および2つの角形状の係合部63が配置されているが、係合部63の形状、個数は適宜に設定できる。
【0049】
レンズ部66は、凸部62上に球面状の凹面(凹レンズ)が形成された領域である。レンズ部66は、基板40の発光素子41と近接、対向して配置され、発光素子41からの光を広げて、凸部62内に導入する。レンズ部66は、発光素子41からの光を拡散する拡散部として機能する。
凸部62に導入された光は、上板61の側面から出射し、基板保持部材50の側板52にその内周側面から入射し、その外周側面および上面から出射する。すなわち、上板61(および基板保持部材50の側板52)は、拡散部で拡散された光を放射する放射部として機能する。
この光は、後述のシート部材70のマーク71を照らし、暗所での操作を容易とする。
【0050】
開口67は、基板40の集音素子42に対応して配置され、外部からの音声が集音素子42に容易に到達するようにする。
ネジ穴68は、ネジB2を通し、基板40の貫通孔44B、シーソー部材30の接続部33Bに固定される。
【0051】
図8は、シート部材70の上面図である。
シート部材70は、カバー部材60の上面に粘着剤等で固定され、マーク71,貫通孔72を有する。
このシート部材70は、透光性、非透光性のいずれとしてもよい。シート部材70を非透光性としても、基板保持部材50の側板52の外周側面等から出射(放射、拡散)する光によって、シート部材70の上面を照らすことができる。
【0052】
マーク71はスイッチ43に対応して配置される。すなわち、押圧したマーク(ボタン)71に対応するスイッチ43が入る。ここでは、4つのスイッチ43(4つの機能、すなわち、マルチ機能、マイクミュート、音量増加、および音量低減)に対応して、4つのマーク(ボタン)71が示される。
マルチ機能ボタン(ファンクションボタン)は、適宜の機能を実現できる。例えば、電子機器10を外部機器と無線接続可能とするための関連付け(ペアリング)に利用できる。
マイクミュートボタンは、集音素子42による集音を停止するためのボタンである。
音量増加、音量停止のボタンは、スピーカ部14から出力される音声の大きさを増減するためのボタンである。
【0053】
貫通孔72は、カバー部材60の開口67と連通し、集音素子42への音声の伝達を容易とする。
【0054】
(組立手順)
以下、電子機器10の組立(本体部11へのスイッチ機構12の取り付け)の手順を示す。
A.台座20の取り付け
本体部11の基体15上に台座20を載置する(図9参照)。このとき、必要に応じて、台座20は本体部11にネジ等で固定できる。
【0055】
B.シーソー部材30の取り付け
(1)シーソー部材30の載置
台座20上にシーソー部材30を載置する(図10A参照)。このとき、シーソー部材30の脚下部37が台座20の突起24と位置決め部材Tの間に配置される。
【0056】
(2)シーソー部材30の回転
台座20上のシーソー部材30を左に回転する(図10B参照)。この回転によって、シーソー部材30の脚下部37が台座20の係合部25(切り欠き)に挿入され、止め部材Sに当接して回転が止まる。
【0057】
C.基板40の取り付け
シーソー部材30上に基板40を載置し、ネジ(ビス)B1で固定する(図11参照)。基板40の貫通孔44AにネジB1の軸を通し、シーソー部材30の接続部33にネジ止めする。
基板40は、シーソー部材30に取り付けられている。しかし、この段階では基板40およびシーソー部材30を右に回転すると、上方に取り出すことが可能である。
【0058】
D.基板保持部材50の取り付け
(1)基板保持部材50の載置
基板40上に基板保持部材50を載置する(図12A図12B参照)。基板保持部材50の脚53を台座20の係合部26(切り欠き)に挿入する。この結果、基板40の外周近傍が基板保持部材50の上板51に保持される。
【0059】
(2)基板保持部材50の回転
基板保持部材50を右に回転する(図13A図13B参照)。この回転によって、基板保持部材50の脚53が係合部26(切り欠き)内を移動し、その内壁に当接することで停止する。このとき、係合片54が係合部26(切り欠き)の無い底板21の下にあることで、基板保持部材50が上方に引き抜けなくなる。
【0060】
E.カバー部材60の取り付け
基板保持部材50にカバー部材60を載置し、取り付ける(図14参照)。基板保持部材50の係合片54にカバー部材60の係合部63を係合させ、ネジB2で固定する。カバー部材60のネジ穴68および基板40の貫通孔44BにネジB2の軸を通し、シーソー部材30の接続部33Bにネジ止めする。
【0061】
この結果、基板40は、シーソー部材30および基板保持部材50の双方に固定され、回転できなくなる。仮に、シーソー部材30および基板保持部材50が互いに固定されていなければ、これら自体はそれぞれ、右回転、左回転して、台座20から取り外すことができる。
しかし、ここではシーソー部材30および基板保持部材50がネジB2で固定されている。このため、シーソー部材30および基板保持部材50は回転できない。すなわち、左回転が規制されるシーソー部材30と右回転が規制される基板保持部材50が固定されることで、右、左いずれも回転もできなくなり、基板40が台座20に安定して保持される。
【0062】
F.シート部材70の取り付け
粘着剤等を用いて、カバー部材60上にシート部材70が取り付けられる(図15参照)。
【0063】
以上のように、本実施形態は次のような特徴を有する。
シーソー部材30の腕32(32A,32B)が中央の突起35を支点として、傾斜できる。一方、シーソー部材30、基板40,基板保持部材50,カバー部材60が固定される。
このため、カバー部材60(天板)を押圧すると、シーソー部材30、基板40,基板保持部材50,カバー部材60が中央の突起35を支点として、一体的に傾く。
【0064】
基板40が傾くことで、基板40のスイッチ43が台座20上の突起24によって押圧される。スイッチ43を基板40の下面に配置し、台座20上の突起24によって、間接的に押圧できる。
【0065】
このとき、基板40とカバー部材60(シーソー部材30)は互いに固定され、距離は一定である。このため、基板40が傾斜しても、発光素子41,集音素子42の機能(集音、発光機能)を維持できる。
【0066】
カバー部材60を押圧する箇所を変更することで、基板40が傾斜する方位Φを変更し、押圧するスイッチ43(例えば、4つ)を選択できる。
【0067】
シーソー部材30の突起35が係合する台座20の凹部28をアーチ部27に配置している。支点の押圧が印加される箇所をアーチ構造とすることで、省スペース、かつ高強度とした。すなわち、支点の沈み込みを抑制し、シーソー部材30の動作の確実が図られる。
【0068】
シーソー部材30の腕32(32A,32B)の先端で基板40を固定している。基板40の中央に支点の応力が印加されることが回避される。基板40の中央への部品、配線の配置が可能となり、基板40への負荷、制約を回避している。
【0069】
シーソー部材30は、脚34によって弾性的に台座20上に載置される。腕32(32A,32B)が傾いても、脚34が弾性変形することで、シーソー部材30は、台座20上に安定的に載置される。
【0070】
シーソー部材30、基板40,カバー部材60は、基板保持部材50に固定され、基板保持部材50の係合片54によって、台座20の係合部63と、傾斜可能に係合される(引っ掛け構造)。既述のように、係合片54と底板21下面間に適度の遊び(間隔)があることで、基板40等の傾斜が可能となり、かつ台座20から基板40等が外れることが防止される。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10: 電子機器,11: 本体部,12: スイッチ機構,13: ケース,14: スピーカ部,15: 基体,20: 台座,21: 底板,22: 側板,22A: 突起,23: 脚,24: 突起,25,26: 係合部,27: アーチ部,27A: リブ,28: 凹部,30: シーソー部材,31: 基部,32: 腕,32(32A,32B): 腕,33(33A,33B): 接続部,34: 脚,35: 突起,35A: 先端,36: 脚上部,37: 脚下部,38: 脚中間部,40: 基板,41: 発光素子,42: 集音素子,43: スイッチ,44A、44B: 貫通孔,50: 基板保持部材,51: 上板,52: 側板,53: 脚,54: 係合片,55: 突出部,60: カバー部材,61: 上板,62: 凸部,63: 係合部,66: レンズ部,67: 開口,68: ネジ穴,70: シート部材,71: マーク,72: 貫通孔,S: 止め部材,T: 位置決め部材
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15