特許第6964560号(P6964560)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6964560骨移植片からなる微粉化組成物ならびにその製造および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6964560
(24)【登録日】2021年10月21日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】骨移植片からなる微粉化組成物ならびにその製造および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/50 20150101AFI20211028BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 35/32 20150101ALI20211028BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20211028BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/02 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/10 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/12 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/20 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/36 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/40 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/44 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/46 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/50 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/52 20060101ALI20211028BHJP
   A61L 27/56 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20211028BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   A61K35/50
   A61K9/06
   A61K9/12
   A61K9/14
   A61K35/32
   A61K47/02
   A61K47/10
   A61K47/18
   A61K47/26
   A61K47/36
   A61K47/38
   A61L27/02
   A61L27/10
   A61L27/12
   A61L27/20
   A61L27/36 100
   A61L27/36 110
   A61L27/36 311
   A61L27/40
   A61L27/44
   A61L27/46
   A61L27/50
   A61L27/52
   A61L27/56
   A61P19/08
   A61P43/00 121
【請求項の数】19
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-128094(P2018-128094)
(22)【出願日】2018年7月5日
(62)【分割の表示】特願2015-535876(P2015-535876)の分割
【原出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2018-184420(P2018-184420A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月2日
【審判番号】不服2020-10568(P2020-10568/J1)
【審判請求日】2020年7月29日
(31)【優先権主張番号】13/647,308
(32)【優先日】2012年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514156585
【氏名又は名称】ミメディクス グループ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー,ランダル
(72)【発明者】
【氏名】トフェ,ロバート
【合議体】
【審判長】 前田 佳与子
【審判官】 鳥居 福代
【審判官】 渕野 留香
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/112410(WO,A2)
【文献】 特表2015−533095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K35/00-35/768, A61L2/00-33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の骨を互いに固定するために使用される微粉化組成物であって、
(a)1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子と、(b)1種以上の骨移植片とを含み、
前記使用は、(1)1つ以上の骨に施用する工程と、(2)前記組成物を介して前記骨を互いに接触させる工程とを含む、
微粉化組成物。
【請求項2】
前記胎盤成分は、羊膜嚢、羊膜、絨毛膜、ホウォートンゼリー、盤状胎盤またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記微粉化粒子は、1,000μm未満の粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記微粉化粒子は、200μm〜300μmの粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記微粉化粒子は、100%微粉化羊膜である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記微粉化粒子は、100%微粉化絨毛膜である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記微粉化粒子は、ホウォートンゼリーを含む微粉化羊膜および/または絨毛膜である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記骨移植片は、自家移植片、同種移植片、異種移植片、人工移植片またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
微粉化粒子:骨移植片の量は、体積基準で1:99〜99:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記薬学的に許容される担体は、水、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、ハンクス液、緩衝液または非水性媒体を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記緩衝液は、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液またはトリス緩衝液を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記薬学的に許容される担体は、生体適合性充填剤を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記充填剤は、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ヒアルロン酸もしくはそれらの塩、グリセリンまたはそれらの任意の組み合わせである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
注射可能である、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
泡、ゲル、パテまたはペースト状である、請求項1〜14のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の微粉化組成物を含む、2つ以上の骨を互いに固定するために使用される3次元構築物であって、前記胎盤成分が羊膜および中間組織層である、3次元構築物。
【請求項18】
請求項1に記載の微粉化組成物を含む、2つ以上の骨を互いに固定するために使用される3次元構築物であって、前記胎盤成分が羊膜および絨毛膜である、3次元構築物。
【請求項19】
生分解性充填剤をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年10月8日に出願された,米国特許出願第13/647,308号の優先権を主張し、かつ2011年10月6日に出願された米国仮出願第61/543,934号の優先権を主張するものである。これらの出願の開示内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、微粉化羊膜および/または絨毛膜などの微粉化胎盤組織を含む骨移植片に関する。骨移植片にそのような微粉化組織を含めることにより、そのような骨移植片の移植の治療結果を向上させる方法などの多くの医学的用途が得られる。
【背景技術】
【0003】
1種以上の骨移植片と組み合わせた、胎盤組織中に存在する1種以上の成分に由来する微粉化粒子からなる組成物について本明細書に記載する。上記組成物は、数多くの医学的用途を有する。微粉化組成物の製造および使用方法についても本明細書に記載する。
【0004】
本発明の利点は、以下の説明に部分的に記載されており、その説明から部分的に明らかになるか、あるいは、以下に記載する態様の実施により知ることができる。以下に記載する利点は、特に添付の特許請求の範囲に示されている要素および組み合わせを用いて実現および達成される。なお、上記一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも単に例示および説明のためのものであり、それらに限定されるものではない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子および1種以上の骨移植片を含む微粉化組成物を提供する。各種実施形態では、胎盤成分は、羊膜嚢(amniotic membrane)、羊膜(amnion)、絨毛膜、ホウォートンゼリー、盤状胎盤またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0006】
一態様では、本微粉化粒子は、1,000μm未満の粒径を有する。別の態様では、本微粉化粒子は、200μm〜300μmの粒径を有する。他の様態では、本微粉化粒子は、100%微粉化羊膜である。さらに別の態様では、本微粉化粒子は、100%微粉化絨毛膜である。
【0007】
他の実施形態では、本微粉化粒子は、ホウォートンゼリーを含む微粉化羊膜および/または絨毛膜である。さらなる実施形態では、骨移植片は、自家移植片、同種移植片、異種移植片、人工移植片またはそれらの任意の組み合わせである。一実施形態では、微粉化粒子:骨移植片の量は、体積基準で1:99〜99:1である。
【0008】
他の例示的な実施形態は、薬学的に許容される担体をさらに含む上記微粉化組成物を提供する。特定の態様では、薬学的に許容される担体は、水、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、ハンクス液、緩衝液または非水性媒体を含む。いくつかの態様では、緩衝液は、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液またはトリス緩衝液を含む。さらなる実施形態では、薬学的に許容される担体は、生体適合性充填剤を含む。特定の態様では、充填剤は、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ヒアルロン酸もしくはそれらの塩、グリセリンまたはそれらの任意の組み合わせである。本発明の各種実施形態では、本微粉化組成物は注射可能である。他の様態では、本組成物は、泡、ゲルもしくはパテまたはペースト状である。
【0009】
さらに別の実施形態では、本発明は、(a)1種以上の胎盤成分を微粉化して微粉化粒子を生成する工程と、(b)本微粉化粒子を1種以上の骨移植片と混合する工程とを含む方法によって生成された組成物を提供する。いくつかの態様では、機械的粉砕または破砕により工程(a)を行う。他の様態では、低温粉砕により工程(a)を行う。
【0010】
本発明の微粉化組成物は、脊椎用途で使用することができる。他の様態では、本微粉化組成物は、本微粉化組成物を関節に注射する工程を含む、対象の関節における炎症の治療または予防方法で使用することができる。
【0011】
本発明の他の実施形態は、(1)本微粉化組成物を1つ以上の骨に施用する工程と、(2)本組成物を介してこれらの骨を互いに接触させる工程とを含む、2つ以上の骨を互いに固定する方法を含む。別の実施形態では、本発明は、本微粉化組成物を骨の空洞に注射する工程を含む、骨の空洞の充填方法を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子を含む微粉化組成物を関節に注射する工程を含む、対象の関節における炎症の治療または予防方法を提供する。さらなる実施形態では、(1)1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子を含む微粉化組成物を1つ以上の骨に施用する工程と、(2)本組成物を介してこれらの骨を互いに接触させる工程とを含む、2つ以上の骨を互いに固定する方法が提供される。さらに別の実施形態では、1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子を含む微粉化組成物を空洞に注射する工程を含む、骨の空洞の充填方法が提供される。
【0012】
さらなる例示的な実施形態では、本発明は、(a)架橋剤で処理された微粉化羊膜および中間組織層と、任意に(b)1種以上の骨移植片とを含む、3次元構築物を提供する。一態様では、3次元構築物は、(a)架橋剤で処理された微粉化羊膜嚢および絨毛膜と、任意に(b)1種以上の骨移植片とを含む。特定の態様では、上記構築物を整形外科または脊椎用途で使用してもよい。他の様態では、上記用途は、空洞充填または構造的支持用途である。さらなる態様では、上記構築物を、抜歯後の抜歯窩充填剤として使用してもよい。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、(a)1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子と、(b)1種以上の骨移植片と、(c)薬学的に許容される担体と、(d)生分解性充填剤とを含む、骨欠損の治療の際に使用するのに適した微粉化組成物を提供する。本実施形態の一態様では、本組成物は、本組成物の基本的な特性を実質的に変えない成分のみを含むことが理解されるであろう。本実施形態の別の態様では、本組成物は、本明細書に具体的に記載されている成分のみを含む。
【0014】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、以下に記載するいくつかの態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本明細書に記載されている微粉化組成物の製造方法の概略フローチャートである。
図2】2つの椎骨を固定するための微粉化組成物が充填された椎体間固定装置の使用を示す。
図3】2つの椎骨を固定するための微粉化組成物の使用を示す。
図4】歯骨の空洞における微粉化組成物の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本物品および方法を開示および説明する前に、以下に記載する態様は、特定の化合物、合成法または使用に限定されず、従って、当然のことながら変更可能であることを理解されたい。また、本明細書で使用する用語は、単に特定の態様を記述するためのものであって、本発明を限定するものではないことも理解されたい。
【0017】
本明細書および以下の特許請求の範囲では、多くの用語に触れるが、それらは以下の意味を有するものとする。
【0018】
なお、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する単数形の「1つ(種)の(a)」「1つ(種)の(an)」および「前記(the)」は、文脈が明らかに別の意を示していない限り、複数の指示物を含む。従って、例えば、「生物活性剤」という場合、2種以上のそのような薬剤の混合物などを含む。
【0019】
「任意の」または「任意に」とは、その後に記載されている事象または状況が生じても生じなくてもよいことを意味し、その記載は、事象または状況が生じる場合およびそれらが生じない場合を含む。例えば、「任意の洗浄工程」という語句は、洗浄工程を行っても行わなくてもよいことを意味する。
【0020】
本明細書で使用する「対象」という用語は、任意の脊椎動物生物である。
【0021】
本明細書で使用する「羊膜嚢」という用語は、中間組織層が除去されていない羊膜組織を含む。
【0022】
本明細書で使用する「羊膜」という用語は、中間組織層が除去された羊膜組織を含む。
【0023】
本明細書で使用する「混合する工程」という用語は、化学反応または物理的相互作用が存在しないように2種類の成分を互いに混合するものとして定める。「混合する工程」という用語は、化合物と薬学的に許容される化合物との間の化学反応または物理的相互作用も含む。
【0024】
本明細書で使用する「胎盤組織」という用語は、洗浄および除染された胎盤および臍帯中に存在するあらゆる物質または組織などのあらゆる成分を含む。一態様では、胎盤成分としては、羊膜嚢、羊膜、絨毛膜、ホウォートンゼリーまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。従って、「胎盤組織」および「胎盤成分」を本明細書では同義で使用する。
【0025】
本明細書で使用する「微粉化胎盤組織」という用語は、限定されるものではないが、機械的粉砕もしくは破砕、低温粉砕、磨砕、ボールミル粉砕、湿式粉砕、高圧均質化、乳化および沈殿、圧縮流体貧溶媒による沈殿、液体中への噴霧凍結、液化ガス溶液からの急速膨張、水溶液中への蒸発沈殿、およびエアジェット微粉化などの当該技術分野で知られている任意の技術を用いて微粉化された上に定義した胎盤組織を含む。
【0026】
本明細書で使用する「骨欠損」という用語は、空洞、間隙、凹部または骨におけるその他の不連続部位などのあらゆる骨の欠けた領域を指す。骨欠損は、人為的に生じたものであっても自然に生じたものであってもよく、例えば、疾患または外傷により生じたものであってもよい。従って、骨欠損は、病的状態、炎症または腫瘍疾患、外科的介入、先天性欠損症または骨折などにより生じたものであってもよい。例えば、骨腫瘍などの特定の疾患の場合、骨欠損は、腫瘍組織を除去したことにより人為的に生じる。従って、本発明の方法に従って、例えば、歯周欠損修復、頭蓋顔面再建、関節再建、骨折修復、整形外科手術および脊椎固定の実施のために、本組成物を施用することができる。
【0027】
本明細書では、読者の便宜上、タイトルまたはサブタイトルを使用している場合もあるが、それらは、本発明の範囲に影響を与えるものではない。さらに、本明細書で使用するいくつかの用語については、以下により具体的に定義する。
【0028】
I.微粉化粒子およびその製造方法
微粉化胎盤組織からなる組成物およびその医薬組成物が本明細書に記載されている。微粉化胎盤組織を含む組成物は、PCT出願番号PCT/US12/24798号ならびに米国仮出願第61/442,346号および第61/543,995号に記載されている。これらの出願の開示内容全体が、参照により明確に本明細書に組み込まれる。
【0029】
(a)1種以上の胎盤成分に由来する微粉化粒子と、(b)1種以上の骨移植片とからなる微粉化組成物が本明細書に記載されている。
【0030】
図1は、本明細書に記載されている微粉化組成物の調製に使用される胎盤材料の回収、処理および調製工程の概略(100)および特定の態様を示す。各個々の工程に関するより詳細な説明および考察を以下に記載する。最初に、胎盤組織を回収する(工程110)。この物質を、従来の組織保存法で保存し、受付および評価に適した処理場所または施設に輸送する(工程120)。次いで、組織層の総処理、取扱いおよび分離を行う(工程130)。次いで、許容可能な組織を除染する(工程140)。除染後、胎盤成分(例えば、羊膜嚢、羊膜、絨毛膜、ホウォートンゼリー、盤状胎盤)を脱水し(工程145)、その後に微粉化して微粉化粒子を生成する(工程150)。最後に、本微粉化粒子を1種以上の骨移植片と混合して微粉化組成物を生成する(工程160)。各工程について以下に詳細に説明する。
【0031】
最初の組織回収(工程110)
本微粉化粒子を生成するために使用される成分は、胎盤組織に由来している。胎盤組織供給源は異なってもよい。一態様では、ヒトおよび他の動物(限定されるものではないが、ウシおよびブタなど)などの哺乳類から排出された胎盤組織を本明細書で使用することができる。ヒトの場合、胎盤組織の回収は病院で行われ、そこでは、帝王切開分娩中に胎盤組織が回収される。提供者(出産間近の母親を指す)は、移植が可能な最も安全な組織を得るために設計された包括的スクリーニングプロセスを自発的に受ける。スクリーニングプロセスは、従来の血清学的検査を用いて、ヒト免疫不全ウイルス1型および2型に対する(抗HIV−1および抗HIV−2)抗体、B型肝炎表面抗原(HBsAg)に対する抗体、C型肝炎ウイルスに対する(抗HCV)抗体、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型および2型に対する(抗HTLV−Iおよび抗HTLV−II)抗体、CMVおよび梅毒に対する抗体について試験することが好ましい。当業者には理解されるように、時間の経過または移植片の目的の使用に基づいて、より多くの試験、より少ない試験または異なる試験が望まれたり必要となったりすることがあるため、上記試験の列挙は単に例示である。
【0032】
提供者の情報の見直しおよびスクリーニング試験の結果に基づいて、提供者が許容可能であるか否かを判定する。さらに、分娩時に、培養を行って、細菌、例えば、クロストリジウム属菌または連鎖球菌の存在について判定する。提供者の情報、スクリーニング試験および分娩培養物が全て満足のいくものであれば(すなわち、どんなリスクも示さないか許容されるレベルのリスクを示すものであれば)、提供者は、医長によって承認され、その組織標本は、初期段階では、さらなる処理および評価にとって適格なものと指定される。
【0033】
上記選択基準を満たすヒトの胎盤を、生理食塩水を含む無菌の出荷用袋に入れ、さらなる処理のために処理場所または実験室に出荷するために、湿った氷を含む容器に保管することが好ましい。
【0034】
スクリーニング試験および分娩培養物の完了またはその結果を得る前に胎盤組織を回収した場合、そのような組織にラベルを付けて、隔離して保存する。そのような組織は、必要なスクリーニング評価および分娩培養後にのみ、さらなる処理について承認がなされるものであり、この承認は、当該組織が取扱いおよび使用に安全であり、かつ満足のいくものであり、最終承認が医長から得られたことを示す。
【0035】
材料の受付および評価(工程120)
処理センターまたは実験室に到着するとすぐに、出荷物を開封し、滅菌出荷袋/容器がなお密封され、かつ冷却剤の中にあるか、適切な提供者の書類が存在するか、そして、書類上の提供者番号が当該組織を含む滅菌出荷袋上の番号と一致しているかを確認する。次いで、当該組織を含む滅菌出荷袋を、さらなる処理のための準備が整うまで冷蔵庫に保管する。
【0036】
総組織処理(工程130)
胎盤組織が、さらなる処理が可能な状態になったら、この組織をさらに処理するのに必要な滅菌用品を制御環境下の中間準備地に集め、制御環境に入れる準備を行う。制御環境が製造フードである場合、滅菌用品を開封して、従来の無菌技術を用いてフードの中に置く。制御環境がクリーンルームである場合、滅菌用品を開封して、滅菌ドレープで覆われたカート上に置く。従来の無菌技術を用いて、全ての作業台を1枚の滅菌ドレープで覆い、従来の無菌技術を再度用いて、滅菌用品および処理機器を滅菌ドレープ上に置く。
【0037】
従来の産業認可されている除染手順に従って、処理機器を除染し、次いで、制御環境内に入れる。この機器を戦略的に制御環境内に置いて、この機器を組織標本に近づけたり、不注意で組織標本により汚染したりする確率を最小限に抑える。
【0038】
次に、胎盤を滅菌出荷袋から取り出し、制御環境内の無菌処理用洗面器に無菌的に移す。無菌洗面器は、室温またはその前後の高張生理食塩水(例えば、18%NaCl)を含む。胎盤を穏やかに揉んで血餅の分離を助け、胎盤組織を室温に到達させ、それにより、以下に記載するように、羊膜および絨毛膜の互いからの分離をより容易にする。次いで、周囲温度まで温めた後(約10〜30分後)、胎盤を無菌処理用洗面器から取り出し、検査のために羊膜嚢層を下に向けた状態で、処理トレイの上に平らに置く。
【0039】
胎盤組織を、変色、壊死組織片もしくは他の汚染物、臭いおよび損傷の兆候について調べる。当該組織の大きさにも留意する。この時点で、当該組織が、さらなる処理に許容可能であるか否かについて決定する。
【0040】
次に、胎盤組織がさらなる処理に許容可能なものであるとみなされた場合、次いで、胎盤組織の羊膜嚢および絨毛膜を慎重に分離する。一態様では、この手順で使用される材料および機器は、処理トレイ、18%生理食塩水、4×4滅菌スポンジおよび2つの滅菌ナルゲン広口丸形ボトルを含む。胎盤組織を詳しく調べて、羊膜嚢を絨毛膜から分離することができる領域(典型的には角)を見つける。羊膜嚢は、絨毛膜上に薄い透明な層として現れる。
【0041】
1枚の滅菌ガーゼまたは綿棒を用いて、羊膜嚢の両側を穏やかに接触させて、線維芽細胞層を特定する。線維芽細胞層は、試験材料に張り付く。羊膜嚢を、基底膜層を下に向けて処理トレイの中に置く。鈍器、セルスクレーパーまたは滅菌ガーゼを用いて、あらゆる残留する血液も除去する。この工程は、ここでも、羊膜嚢を裂かないように適切な注意を払って行わなければならない。外見上、羊膜嚢が滑らかで透明な白色になったら、羊膜嚢の洗浄は完了である。羊膜嚢が過剰に洗浄された場合、ゼリー状の線維芽細胞層が除去されてしまうことがある。あまりに激しく洗浄されて透明に見える羊膜嚢の領域はいずれも許容されず、最終的に廃棄される。
【0042】
特定の態様では、中間組織層を羊膜嚢から除去する。中間組織層を羊膜嚢から剥がすことで、これを行うことができる。あるいは、ガーゼまたは他の好適な拭き取り物で中間組織層を拭き取ることにより、中間組織層を羊膜嚢から除去することができる。その後、得られた羊膜を、以下に記載する方法を用いて除染することができる。中間組織層は、さらなる処理を全く必要とせず、そのまま使用することができる。
【0043】
特定の態様では、以下の手順を用いて、ホウォートンゼリーを任意に単離することができる。メスまたはハサミを用いて、臍帯を絨毛膜板から切り離す。静脈および動脈を特定したら、静脈または動脈のうちの1つから臍帯を縦方向に下に向かって切り離す。臍帯を切り離したら、手術用ハサミおよび鉗子を使用して、静脈および動脈壁をホウォートンゼリーから切り離すことができる。次に、羊膜を切断することにより、羊膜の外層をホウォートンゼリーから除去する。羊膜をホウォートンゼリーから除去した後、ホウォートンゼリーを切断して細片にすることができる。一態様では、この細片は、およそ1〜4cm×10〜30cmの大きさであり、およそ1.25cmの厚さである。但し、用途に応じて他の厚さも可能である。
【0044】
化学的除染(工程140)
次いで、一態様では、工程130で生成された羊膜を、さらなる洗浄のための次の工程のために、滅菌ナルゲン広口丸形ボトルに入れる。一態様では、以下の手順を使用して羊膜を洗浄することができる。各ナルゲン広口丸形ボトルを、無菌的に18%高張生理食塩水で満たし、密封する(あるいは、上蓋で密閉する)。次いで、この広口丸形ボトルを振盪台の上に置き、30〜90分間撹拌し、これにより、当該組織から夾雑物をさらに除去する。振盪台が重要な環境(例えば、製造フード)内にない場合、ナルゲン広口丸形ボトルを制御/無菌環境に戻してから開ける。滅菌鉗子を用いるか、内容物を無菌的にデカントすることにより、当該組織を、18%高張生理食塩水を含むナルゲン広口丸形ボトルから穏やかに取り出し、空のナルゲン広口丸形ボトルの中に入れる。次いで、当該組織を含むこの空のナルゲン広口丸形ボトルを、予め混合した抗生物質溶液で無菌的に満たす。予め混合した抗生物質溶液は、硫酸ストレプトマイシンおよび硫酸ゲンタマイシンなどの抗生物質の混合物からなることが好ましい。硫酸ポリミキシンBおよびバシトラシンなどの他の抗生物質または現在入手可能であるか将来入手可能である同様の抗生物質も好適である。さらに、当該組織の温度を変化させないように、添加の際に抗生物質溶液が室温であることが好ましく、そうでなければ当該組織を損傷してしまう。次いで、当該組織および抗生物質を含むこの広口丸形ボトルまたは容器を密閉または閉鎖して、振盪台の上に置き、好ましくは60〜90分間撹拌する。抗生物質溶液中の当該組織のそのような振盪または撹拌により、当該組織から夾雑物および細菌をさらに除去する。任意に、羊膜を200mLの.5%Triton−X洗浄溶液の中に入れることができる。
【0045】
ここでも、振盪台が重要な環境(例えば、製造フード)内になければ、当該組織および抗生物質を含むこの広口丸形ボトルまたは容器を重要かつ無菌の環境に戻してから開ける。滅菌鉗子を用いて、当該組織をこの広口丸形ボトルまたは容器から穏やかに取り出し、無菌水または通常生理食塩水(0.9%生理食塩水)を含む滅菌洗面器に入れる。当該組織を滅菌水/通常生理食塩水に少なくとも10〜15分間浸したままにする。当該組織を僅かに撹拌して、抗生物質溶液およびあらゆるその他の夾雑物を当該組織から除去するのを容易にしてもよい。少なくとも10〜15分後に、当該組織は、脱水およびさらなる処理が可能な状態となる。
【0046】
別の態様では、羊膜嚢を、上記方法を用いて除染し、次いで、中間組織層を除去することができる。
【0047】
絨毛膜を使用する場合、以下の例示的な手順を使用することができる。絨毛膜を羊膜から分離し、かつ血餅を線維層から除去した後、絨毛膜を18%生理食塩水で30分間すすぐ。第1のすすぎサイクルの間、溶液温度がおよそ48℃になるように、18%生理食塩水を、実験室加熱版を用いて滅菌容器内で加熱する。この溶液をデカントし、絨毛膜組織を滅菌容器に入れ、デカントした生理食塩水をこの容器に注ぎ入れる。この容器を密閉して振盪台の上に置き、1時間撹拌する。1時間の撹拌浴後に、当該組織を取り出し、さらなる1時間のすすぎサイクルのために、第2の加熱した撹拌浴の中に入れる。任意に、絨毛膜組織を、200mLの.5%Triton−X洗浄溶液の中に入れることができる。この容器を密閉し、加熱せずに2時間撹拌する。次に、当該組織を、すすぎの度に激しく動かしながら、脱イオン水で洗浄する(250mLの脱イオン水×4)。当該組織を取り出し、1×PBSw/EDTA溶液を含む容器の中に入れる。この容器を密閉し、8時間の制御温度で1時間撹拌する。当該組織を取り出し、滅菌水ですすぐ。あらゆる残留する変色した線維性血液物質を当該膜から除去するために、目視検査を行う。当該膜は、茶色がかった変色が全く認められないクリーム状の白色の外観を有していなければならない。除染後、微粉化前に絨毛膜を脱水する。
【0048】
ホウォートンゼリーの場合、それを滅菌ナルゲン広口丸形ボトルに移すことができる。次に、室温の18%高張生理食塩水を添加して当該組織をすすぎ、この広口丸形ボトルを密閉する。この広口丸形ボトルを30〜60分撹拌する。温置後、この広口丸形ボトルを除染し、滅菌野に戻す。当該組織をきれいな滅菌ナルゲン広口丸形ボトルに移し、予め温めた(約48℃の)18%NaClを添加する。この容器を密閉して振盪台の上に置き、60〜90分間撹拌する。
【0049】
一態様では、すすぎ後に、この広口丸形ボトルを除染し、滅菌野に戻す。当該組織を取り出し、抗生物質溶液の中に入れる。この容器を密閉し、振盪台の上で60〜90分間撹拌する。温置後、この広口丸形ボトルを、1〜10℃で最長24時間冷蔵してもよい。次に、ホウォートンゼリーを、およそ200mLの滅菌水を含む滅菌洗面器に移す。当該組織を1〜2分間すすいで、およそ300mLの滅菌水を含む滅菌ナルゲン広口丸形ボトルに移す。この広口丸形ボトルを密閉し、振盪台の上に30〜60分置く。温置後、この広口丸形ボトルを滅菌野に戻す。ホウォートンゼリーは、茶色がかった変色が認められないクリーム状の白色の外観を有していなければならない。当該組織は、さらなる処理が可能な状態である。
【0050】
脱水(工程145)
一態様では、胎盤成分(例えば、羊膜嚢または羊膜、中間組織層、絨毛膜、ホウォートンゼリー、盤状胎盤)を処理して組織移植片にし、これを、その後に微粉化する。一態様では、胎盤成分を好適な乾燥用固定具の上に置く。乾燥用固定具は、平たい状態に完全に広げた胎盤成分を受け入れるのに十分な大きさであることが好ましい。一態様では、乾燥用固定具は、テフロン(登録)製またはデルリン製(デュポン社で発明および販売されているアセタール樹脂エンジニアリングプラスチックの商品名であり、かつジョージア州マリエッタにあるWerner Machine社からも市販されている)である。乾燥用固定具のために、湿組織を受け入れるように適当な形状に形成することができる耐熱性かつ耐切性の任意の他の好適な材料を使用することもできる。
【0051】
別の実施形態では、米国仮出願第61/683,700号、第61/683,699号、第61/683,698号および第61/683,697号に記載されている好適な方法で、乾燥室または脱水装置を使用することができる。これらの出願の開示内容全体が、参照により明確に本明細書に組み込まれる。
【0052】
胎盤成分を乾燥用固定具の上に置いたら、乾燥用固定具を、滅菌Tyvex製(または同様の通気性のある耐熱性で密封可能な材料の)脱水袋に入れて密封する。そのような通気性のある脱水袋により、当該組織があまりに急速に乾燥するのを防ぐ。複数の乾燥用固定具を同時に処理する場合、各乾燥用固定具を、それ自体のTyvex製袋の中に入れるか、あるいは、その上に複数の乾燥枠を保持するように設計された好適な取付枠の中に置き、次いで、この枠全体を、より大きな単一の滅菌Tyvex製脱水袋の中に入れて密封する。
【0053】
次いで、1つ以上の乾燥用固定具を含むTyvex製脱水袋を、およそ35〜50℃に予め加熱されている非真空乾燥器または定温器の中に置く。Tyvex製袋を、乾燥器の中に30〜120分間置いたままにするが、およそ45℃の温度でおよそ45分間が、当該組織を過剰乾燥または燃焼させることなく十分に乾燥させるのに理想的であると思われる。任意の特定の乾燥器のための具体的な温度および時間は、高度、乾燥器の大きさ、乾燥器温度の正確性、乾燥用固定具のために使用される材料、同時に乾燥する乾燥用固定具の数、乾燥用固定具の単一または複数の枠を同時に乾燥するか否かなどの他の因子に基づいて、較正および調節する必要があるであろう。
【0054】
微粉化組成物の調製(工程150)
胎盤成分(例えば、羊膜嚢もしくは羊膜、中間組織層、絨毛膜、ホウォートンゼリー、盤状胎盤)を単離、除染および脱水したら、胎盤成分を微粉化して、微粉化粒子を生成する。本微粉化粒子を製造するために使用する胎盤成分の選択は、骨移植片の用途および選択によって異なってもよい。一態様では、本微粉化粒子は、100%の羊膜、絨毛膜またはホウォートンゼリーからなる。別の態様では、本微粉化粒子は、羊膜および絨毛膜の混合物からなり、ここで、羊膜:絨毛膜の量は、重量%基準で1:99〜99:1、20:80〜80:20、40:60〜60:40または約50:50であってもよい。別の態様では、本微粉化粒子は、絨毛膜およびホウォートンゼリーの混合物からなり、ここで、絨毛膜:ホウォートンゼリーの量は、重量%基準で1:99〜99:1、20:80〜80:20、40:60〜60:40または約50:50であってもよい。さらなる態様では、本微粉化粒子は、羊膜、絨毛膜およびホウォートンゼリーの混合物からなり、ここで、羊膜の量は、本微粉化粒子の10重量%〜50重量%または20重量%〜40重量%であり、絨毛膜の量は、20重量%〜60重量%または30重量%〜50重量%であり、ホウォートンゼリーの量は、20重量%〜60重量%または30重量%〜50重量%である。
【0055】
本微粉化組成物は、当該技術分野で知られている機器を用いて生成することができる。例えば、Retsch Oscillating Mill MM400を使用して、本明細書に記載されている微粉化組成物を生成することができる。本微粉化組成物中の物質の粒径も、本微粉化組成物の用途に応じて異なってもよい。一態様では、本微粉化組成物は、1,000μm未満、500μm未満、25μm〜500μm、25μm〜300μm、25μm〜200μmの粒子を有する。別の態様では、本微粉化組成物は、100μm〜300μmまたは200μm〜300μmの粒子を有する。一態様では、本微粉化組成物は、150μm未満、100μm未満または50μm未満の直径の粒子を有する。他の様態では、より大きな直径(例えば、150μm〜350μm)を有する粒子が望ましい。全ての場合において、粒子の直径は、その最長の軸に沿って測定している。
【0056】
一実施形態では、当該粒子の大きさを、ナノ範囲まで減少させてもよい。当業者には理解されるように、胎盤成分のナノ粒子は、創傷に施用すると密度の増加および/または放出速度の上昇が得られるため望ましい。好ましくは、本微粉化粒子の粒径は、約0.05μm〜約2μm、約0.1μm〜約1.0μm、約0.2μm〜約0.8μm、約0.3μm〜約0.7μm、または約0.4μm〜約0.6μmである。あるいは、本微粉化粒子の粒径は、少なくとも0.05μm、少なくとも0.1μm、少なくとも0.2μm、少なくとも0.3μm、少なくとも0.4μm、少なくとも0.5μm、少なくとも0.6μm、少なくとも0.7μm、少なくとも0.8μm、少なくとも0.9μmまたは少なくとも1μmである。あるいは、本微粉化粒子の粒径は、1μm未満、0.9μm未満、0.8μm未満、0.7μm未満、0.6μm未満、0.5μm未満、0.4μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満、0.1μm未満または0.05μm未満である。
【0057】
他の様態では、ある範囲の大きさおよび体積を有する粒子により、創傷内への放出速度差が得られるため、そのような粒子は好ましい。一実施形態では、ある範囲の質量:体積比を有する粒子は、ある範囲の移植片の大きさおよび体積が得られるように単層移植片と多層移植片(例えば、2〜10個の層)との混合物を微粉化する工程により調製することができる。別の実施形態では、直線的な移植片を圧縮して異なる大きさの3次元形状(円形、楕円形、長楕円形など)にして、同じ組織材料の様々な表面積:体積比を有する粒子を調製することができる。表面積:体積比が増加するにつれて、内在酵素などに対する曝露面積が大きくなるため、粒子の散逸が増加する。これにより、IV型、V型およびVII型コラーゲン、フィブロネクチンおよびラミニンなどの細胞接着生物活性因子ならびに本微粉化粒子の他の成分の放出速度は上昇する。他方、表面積:体積比が減少するにつれて、内在酵素などに対する曝露面積が小さくなるため、粒子の散逸が減少する。これにより、IV型、V型およびVII型コラーゲン、フィブロネクチンおよびラミニンなどの細胞接着生物活性因子ならびに本微粉化粒子の他の成分の放出速度は低下する。組み合わせると、異なる表面積:体積比を有する微粉化粒子の層の使用により、「徐放」機序が得られ、それにより、微粉化移植片の利点は、即時型および長期型の両方となる。
【0058】
一実施形態では、表面積:体積比(上記のようなある範囲の直径を有する球体に基づく)は、約0.06μm〜約6×10μm、約0.06μm〜約6×10μm、約0.06μm〜約6×10μm、または約0.6μm〜約6×10μmの範囲である。
【0059】
一態様では、機械的粉砕または破砕により微粉化を行う。別の態様では、低温粉砕により微粉化を行う。この態様では、粉砕プロセスの前および間に、胎盤成分を含む粉砕用広口丸形ボトルを、一体化式冷却システムからの液体窒素で絶えず冷却する。このようにして、試料を脆化させ、揮発性成分を保存する。さらに、羊膜または羊膜嚢、中間組織層および絨毛膜中のタンパク質の変性を最小限に抑えるか防止する。一態様では、Retsch社製のCryoMillをこの態様で使用することができる。
【0060】
別の態様では、微粉化の前および/または後に、生物活性剤を本胎盤成分の組成物に添加することができる。生物活性剤の例としては、濃厚血小板由来の天然に生じる増殖因子、自己血液を回収および分離した生成物または期限切れの保存血由来の濃厚血小板、骨髄穿刺液、濃縮されたヒト胎盤臍帯血幹細胞、濃縮された羊水幹細胞またはバイオリアクターで増殖された幹細胞由来の幹細胞あるいは抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。生物活性剤を含む本微粉化組成物を目的の領域に施用すると、生物活性剤は、時間をかけてその領域に送達される。
【0061】
一態様では、羊膜嚢または羊膜を、中間組織層または絨毛膜と架橋させることができる。例えば、微粉化の前および/または後に、架橋剤を本組成物に添加することができる。一般に、架橋剤は、非毒性かつ非免疫原性である。羊膜嚢または羊膜、中間組織層および絨毛膜を架橋剤で処理する場合、架橋剤は同じであっても異なっていてもよい。一態様では、羊膜嚢または羊膜、中間組織層および絨毛膜を、架橋剤で別々に処理することができ、あるいは代わりとして、羊膜嚢または羊膜、中間組織層および絨毛膜を、同じ架橋剤で一緒に処理することができる。特定の態様では、羊膜嚢または羊膜、中間組織層および絨毛膜を、2種以上の異なる架橋剤で処理することができる。羊膜嚢または羊膜、中間組織層および絨毛膜を処理するための条件は異なってもよい。他の様態では、羊膜嚢または羊膜、中間組織層および/または絨毛膜を微粉化することができ、この微粉化組成物をその後に架橋剤で処理することができる。一態様では、架橋剤の濃度は、0.1M〜5M、0.1M〜4M、0.1M〜3M、0.1M〜2Mまたは0.1M〜1Mである。
【0062】
架橋剤は一般に、タンパク質と反応して共有結合を生成することができる2種以上の官能基を有する。一態様では、架橋剤は、羊膜、中間組織層および絨毛膜中に存在するタンパク質上のアミノ基と反応することができる基を有する。そのような官能基の例としては、ヒドロキシル基、置換もしくは非置換アミノ基、カルボキシル基およびアルデヒド基が挙げられるが、これらに限定されない。一態様では、架橋剤は、例えば、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒドであってもよい。別の態様では、架橋剤は、カルボジイミドであってもよい。
【0063】
一態様では、糖は架橋剤であり、ここでは、糖は、羊膜、中間組織層および絨毛膜中に存在するタンパク質と反応して、共有結合を形成することができる。例えば、糖は、メイラード反応によりタンパク質と反応することができ、この反応は、還元糖によるタンパク質上のアミノ基の非酵素的グリコシル化により開始し、その後に共有結合の形成が生じる。架橋剤として有用な糖の例としては、D−リボース、グリセロース、アルトロース、タロース、エリトロース(ertheose)、グルコース、リキソース、マンノース、キシロース、グロース、アラビノース、イドース、アロース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、スクロース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ツラノース、トレハロース、イソマルトースまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
骨移植片を含む微粉化組成物の調製(工程160)
本微粉化粒子を生成したら、それらを1種以上の骨移植片と混合することができる。骨移植片は、骨組織における欠損または欠陥を修復するために使用される組織または材料である。骨移植片は一般に、4つのカテゴリー、すなわち、患者から得られる自家移植片、同種移植片、異種移植片および人工移植片に分類される。骨移植片は一般に、以下の特性:(1)骨形成能(生存細胞の存在)、(2)骨誘導性(細胞を引きつけ、骨形成を誘導し、かつ/または細胞遊走を促進する非コラーゲン性タンパク質を含む)、および(3)骨伝導性(細胞遊走のための足場として機能し、かつリン酸カルシウムを供給する)のうちの1つ以上を有する。
【0065】
腸骨稜、肋骨、顎または、上顎結節もしくは抜歯部位の口腔内海綿骨から回収した自家移植骨は、骨形成能、骨誘導性および骨伝導性を有する。同種移植片材料は、ヒトの死体から得られた組織を指し、腸骨の海綿骨および骨髄、凍結乾燥した皮質骨および海綿骨ならびに脱灰および凍結乾燥した皮質骨および海綿骨が挙げられる。同種移植片は、骨伝導性および骨誘導性を有する。異種移植片は、非ヒト種由来である。これらの移植片材料は、タンパク性材料の全てまたは大部分を除去すると不活性かつ吸収性のヒドロキシアパタイト足場材料が残るため、骨伝導性特性のみを有する。人工移植片は、合成により製造されたものであり、非多孔性ヒドロキシアパタイト、多孔性ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、生物活性ガラス、フルオロアパタイト、炭酸アパタイト、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムおよびそれらの組み合わせが挙げられ、様々な程度の骨伝導性が得られる。
【0066】
当該技術分野で知られている技術を用いて、本微粉化粒子および骨移植片を互いに混合することができる。本微粉化粒子および骨移植片を、生物系または生物学的実体が耐えることができる任意の賦形剤で製剤化して、医薬組成物を生成することができる。そのような賦形剤の例としては、水、ヒアルロン酸水溶液、生理食塩水、リンガー液、デキストロース溶液、ハンクス液、および他の水性の生理学的平衡塩類溶液が挙げられるが、これらに限定されない。不揮発性油、植物油(例えば、オリーブ油および胡麻油)、トリグリセリド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよび注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)などの非水性媒体も使用することができる。他の有用な製剤としては、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、セルロース、ヒアルロン酸またはそれらの塩、グリセリン、ソルビトール、デキストランまたはそれらの任意の組み合わせなどの粘度増強剤を含有する懸濁液が挙げられる。賦形剤は、等張性および化学的安定性を増強させる物質などの微量の添加剤も含有することができる。緩衝液の例としては、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液およびトリス緩衝液が挙げられ、防腐剤の例としては、チメロサール、クレゾール、ホルマリンおよびベンジルアルコールが挙げられる。特定の態様では、投与様式に応じてpHを変えることができる。さらに、本医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、防腐剤、界面活性剤などを含むことができる。
【0067】
本医薬組成物は、当該技術分野で知られている技術を用いて調製することができる。一態様では、本微粉化粒子および骨移植片を薬学的に許容される化合物および/または担体と混合して、本組成物を調製する。
【0068】
当然のことながら、指定された事例における微粉化粒子および骨移植片の実際の好ましい量は、利用される具体的な化合物、製剤化される特定の組成物、施用様式および治療される特定の位置および対象によって変わる。一態様では、微粉化粒子:骨移植片の量は、体積基準で1:99〜99:1、1:50〜50:1、1:10〜10:1、2:8〜8:2、4:6〜6:4または約1:1である。所与の宿主のための用量は、従来の検討方法、例えば対象化合物および公知の薬剤の活性差の慣習的比較法を用いて、例えば、適当な従来の製薬手順を用いて決定することができる。医薬化合物の用量を決定する当該技術分野の熟練の医師および製剤者であれば、標準的な推奨(Physician’s Desk Reference, Barnhart Publishing (1999))に従って、用量を決定するのに全く問題はない。
【0069】
本明細書に記載されている医薬組成物は、局所もしくは全身治療のどちらが望まれるかによって、また、治療される領域によって、多くの方法で投与することができる。一態様では、投与は、注射により行うことができ、ここでは、本微粉化組成物は、液体、ゲル、パテ、ペーストまたは海綿状(すなわち、凍結乾燥された状態)に製剤化される。他の様態では、本微粉化組成物を、対象に内服的に投与されるように製剤化することができる。他の様態では、本微粉化組成物を局所的に(例えば、眼内、膣内、直腸内、鼻腔内、経口または皮膚に直接に)投与することができる。局所投与のための製剤としては、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、液滴、坐薬、スプレー、液体および粉末を挙げることができる。従来の医薬担体、水性、粉末もしくは油性基剤、増粘剤などが必要であったり望ましかったりすることもある。
【0070】
特定の態様では、本微粉化組成物を使用して3次元構築物を形成することができる。例えば、骨移植片を含む本微粉化粒子を上記架橋剤で処理し、次いで、特定の寸法を有する型に入れることができる。あるいは、骨移植片を含む本微粉化粒子を型に入れ、その後に架橋剤で処理することができる。他の様態では、架橋された粒子を手で任意の所望の形状に形成することができる。理論によって縛られたくはないが、より小型の微粉化粒子からなる3次元構築物により、機械的負荷に耐えることができるより高密度な生成物が生成される。あるいは、より大型の微粉化粒子により、あまり密度が高くなく、かつ圧縮性を有する構築物が生成される。この特徴は、無負荷空洞充填、特に、不規則な形状に適合する生成物を有することが望ましい場合に、有用であり得る。3次元構築物は、本明細書に記載されている1種以上の生物活性剤を含むことができる。
【0071】
II.微粉化組成物の施用
本明細書に記載されている微粉化組成物(すなわち、骨移植片を含む/含まない微粉化粒子)は、数多くの医学的用途を有する。一態様では、本明細書に記載されている微粉化組成物は、例えば、骨の空洞充填、骨軟骨の修復、骨移植、例えば、椎体間固定、横突間突起固定、新鮮骨折治療、偽関節骨折治療、関節再建、脛骨の骨幹端治療、足および足首固定、一次および二次歯槽堤増大、上顎洞底挙上、抜歯窩増強、部位保存ならびに骨縁下欠損治療などの数多くの整形外科用途を有する。一態様では、本微粉化組成物を使用して、2つ以上の骨を互いに固定することができる。この例は、図2および図3に示されており、ここでは、微粉化組成物を椎体間固定装置により椎骨内に注射して(図2)、2つの椎骨を固定する(図3)。
【0072】
本微粉化組成物は、数多くの創傷治癒用途において有用である。一態様では、本明細書に記載されている微粉化組成物は、外科手術後に生じる脊椎およびその周囲の領域への合併症に対処するかそれを緩和するのに有用である。一態様では、本明細書に記載されている組成物は、脊椎または脊椎近傍での瘢痕形成を防止または軽減するのに有用である。上に記載したように、外科手術後の脊椎またはその近傍における瘢痕形成は、対象を非常に衰弱させ、場合により、症状に対処するためにその後の手術が必要になることもある。「抗接着性」という用語も、脊椎またはその近傍における瘢痕組織の予防を指すために当該技術分野で使用される。他の様態では、本明細書に記載されている微粉化組成物を防護壁として使用することができ、ここでは、本組成物は、脊髄硬膜を、その周囲の手術部位からの外科手術後外傷から保護する。例えば、本組成物は、椎骨などの新しく切断された骨からの鋭いエッジによって生じる脊髄硬膜への損傷を防止することができる。
【0073】
外科手術に応じて、本微粉化組成物を、脊髄硬膜、神経根を含む脊椎の周囲領域またはそれらの組み合わせに直接施用することができる。椎骨の独特な構造により、本微粉化組成物を、ゲルまたはペースト状に製剤化して対象の体内の適当な位置に置いて付着させることができる。側方移動を最小限に抑えるだけでなく、本微粉化組成物は、患部を露出するために脊椎の薄膜が除去されている場所に近位および遠位障壁被覆も提供することができる。
【0074】
本微粉化組成物は、脊椎に関連する様々な外科手術により生じ得る瘢痕形成を防止または減少させるのに有用である。首、中背部または腰における任意の処置後に、本組成物を使用することができる。例えば、前方椎体間固定術(ALIF)などの前方処置または修正された前方処置および経椎間孔腰椎椎体間固定術(TLIF)後に、本組成物を使用することができる。これらの態様では、本組成物は、腹膜、より大きな血管および腹部の筋肉組織からの分離を維持することにより、椎骨手術部位へのさらなる保護を与える。本組成物は、癒着および瘢痕形成に対する低摩擦の解剖学的障壁として機能する。例えば、本組成物は、主要な血管を脊椎に結合する瘢痕組織を予防することができる。これは、脊椎外科手術後に伴う一般的な問題であり、これに対処するために第2の外科手術が必要になる。
【0075】
瘢痕形成を防止または減少させるための別の実施形態では、本明細書に記載されている微粉化組成物を、米国仮出願第61/683,698号(この開示内容全体が、参照により明確に本明細書に組み込まれる)に記載されているような多層組織移植片と共に使用してもよい。
【0076】
他の様態では、歯肉退縮欠損の治療、垂直および水平方向への歯肉増大、付着歯肉組織量の増加、小帯の引っ張り除去、歯科インプラントの周囲組織の増大、乳頭組織の再生、口腔前庭形成、組織再生誘導、移植された抜歯窩上の骨再生誘導、骨縁下欠損、開窓型および裂開型骨欠損の治療、一次および二次歯槽堤増大、上顎洞の側壁の窓の被覆、およびシュナイダー膜における上方断裂の治療を含む歯の再生処置において、本微粉化組成物を使用することができる。経口粘膜組織に関わる用途では、口腔内びらん、口腔病変の治療および疾患または外傷により失われた多量の粘膜組織の置換が挙げられる。別の態様では、抜歯後の抜歯窩充填剤として、あるいは歯の空洞を充填するために、本微粉化組成物を使用することができる。この特徴は、図4に示されており、ここでは、対象の顎における空洞を本明細書に記載されている微粉化組成物(40)で充填する。
【実施例】
【0077】
以下の実施例は、本明細書に記載され、かつ特許請求される化合物、組成物および方法の製造および評価方法に関する完全な開示および記載を当業者に提供するために示されており、純粋に例示的なものであって、本発明者らが彼らの発明であるとみなしているものの範囲を限定するものではない。数(例えば、量、温度など)に関して正確性を保証するように努めたが、若干の誤差および偏差は考慮されるべきである。特に明記しない限り、部とは重量部であり、温度は、摂氏温度または周囲温度であり、圧力は、大気圧またはその前後の圧力である。反応条件、例えば、成分濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力およびその他の反応範囲ならびに本記載の方法で得られる生成物純度および収率を最適化するために使用することができる条件の数多くの変形および組み合わせが存在する。そのようなプロセス条件を最適化するために、合理的かつ日常的な実験法のみが必要とされる。
【0078】
実施例1:微粉化粒子の調製
一態様では、注射可能な微粉化ヒト羊膜嚢は、病院で生じた胎盤組織から得られたヒトの羊膜および中間組織層からなり、病院ではこれを、帝王切開分娩時に回収した。当該組織の微粉化は、Retsch Oscillating Mill MM400を用いて行った。リン酸緩衝液を担体として使用した。注射可能な組織の割合は50mg/mLであった。濃度比は、60%(21mg)の羊膜:40%(14mg)の中間組織層であった(0.70mLのリン酸緩衝液を含む)。
【0079】
実施例2:微粉化組成物の調製
一態様では、本微粉化組成物を、(1)胎盤組織を得る工程、(2)この組織を洗浄する工程、(3)この組織を脱水する工程、(4)脱水した組織を微粉砕、粉砕および/または磨砕する工程、(5)粒子状の胎盤組織を転がして微粉化粒子を形成する工程、(6)微粉化粒子をスクリーニングまたは篩分けして、250μm±50μmの平均粒径を得る工程、(7)乾燥した微粉化粒子をバイアルに詰める工程、(8)最終滅菌工程、および(9)微粉化粒子を骨移植片と混合して、体積基準で50%の微粉化粒子および50%の骨移植片の複合移植片を形成する工程により、調製することができる。
【0080】
別の態様では、(1)胎盤組織を得る工程、(2)この組織を洗浄する工程、(3)この組織を脱水する工程、(4)脱水した組織を微粉砕、粉砕および/または磨砕する工程、(5)粒子状の胎盤組織を転がして微粉化粒子を形成する工程、(6)微粉化粒子をスクリーニングまたは篩分けして250μm±50μmの平均粒径を得る工程、および(7)体積基準で1:1の比の微粉化粒子および骨移植片を、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸セルロースまたはグリセリンなどの生体適合性充填剤と組み合わせて、ゾルゲル法を用いて20〜80重量%の微粉化組成物および20〜80重量%充填剤からなるゲルまたはペーストを形成する工程により、本微粉化組成物からなるゲルまたはパテを製造することができる。このゲルまたはパテを注射器に詰め、さらに滅菌することができる。
【0081】
さらなる態様では、(1)胎盤組織を得る工程、(2)この組織を洗浄する工程、(3)この組織を脱水する工程、(4)脱水した組織を微粉砕、粉砕および/または磨砕する工程、(5)粒子状の胎盤組織を転がして微粉化粒子を形成する工程、(6)微粉化粒子をスクリーニングまたは篩分けして250μm±50μmの平均粒径を得る工程、および(7)体積基準で1:1の比の微粉化粒子および骨移植片を、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸セルロースまたはグリセリンなどの生体適合性充填剤と組み合わせて、ゾルゲル法を用いて20〜80重量%の微粉化組成物および20〜80重量%の充填剤からなるゲルまたはペーストを形成する工程、および(8)スラリーを凍結乾燥して複合泡を生成する工程により、本微粉化組成物からなる泡を生成することができる。
【0082】
実施例3:生物活性剤を含む微粉化組成物の調製
実施例2に記載されている工程に従って、微粉化組成物を調製した。具体的には、10μmの平均粒径を有する5mgの微粉化胎盤組織を、1:1の重量比で骨移植片と混合して、50体積%の微粉化粒子および50体積%の骨移植片の複合移植片を形成した。次に、カルボキシメチルセルロースおよび緩衝液を1:1の重量比で添加して、骨移植片術での使用に適した充填剤組成物を形成した。次いで、一定分量の充填剤組成物を別個の容器に分け、抗炎症剤、抗生物質および増殖因子を含む各種生物活性剤を、各別個の充填剤組成物の中に添加して、生物活性剤がその中に組み込まれた一連の微粉化組成物を形成した。
【0083】
本明細書に記載されている化合物、組成物および方法には様々な修正および変形を加えることができる。本明細書に記載されている化合物、組成物および方法の他の態様は、本明細書を検討し、かつ本明細書に開示されている化合物、組成物および方法を実施することにより明らかになるであろう。本明細書および実施例は、例示的なものとみなすものとする。
図1
図2
図3
図4