【実施例】
【0103】
略語
AE 有害事象
CFR 連邦規則集
CR 完全奏効
CRF 症例報告
CTCAE 有害事象共通用語規準
DLT 用量制限毒性
ECOG 米国東海岸がん臨床試験グループ
FDA 食品医薬品局
GLP 優良試験所規範
HIV ヒト免疫不全ウイルス
HNSTD 重篤な毒性が発現しない最大用量
IRB/IEC 治験審査委員会/独立倫理委員会
ITT 治療企図
IV 静脈内
PD 進行性疾患
MTD 最大耐量
NCI 米国国立がん研究所
NIH 米国国立衛生研究所
NOAEL 無毒性量
NOEL 無作用量
PBS リン酸緩衝食塩水
PK 薬物動態
PR 部分奏効
SAE 重篤な有害事象
SD 安定疾患
ULN 正常上限
WBC 白血球
【0104】
(実施例1)
ラットにおける毒性学:
雄のFischerラットにおける非GLP用量範囲探索試験では、LB−100を、0.5、0.75および1.5mg/kg/日で静脈内(IV)注入により、4日間連続で毎日、投与した。処置群のうちのいずれにも、予定外の死亡はなかった。無毒性量(NOAEL)は、この試験では確立されなかった。MTDは、4日間、毎日、IV投与すると、0.75mg/kg/日(約4.5mg/m
2)であった。1.5mg/kg/日では、臨床的観察は、尿中の血液(4日目)、嗜眠(3日目および4日目)および後肢運動麻痺(4日目)を含んだ。1.5mg/kg/日では、遠位曲尿細管における腎臓での有害作用(ネフローゼ)が3匹のラット中3匹に見られた。0.75mg/kg/日の群では、ネフローゼは軽度であり、0.5mg/kg/日の群では、ネフローゼは最小限であった。尿中の血液の一次臨床徴候ならびに血中尿素窒素およびクレアチニンの増加という臨床化学的所見は、腎臓および膀胱が毒性の標的器官であることを支持した。1.5mg/kg/日の用量レベルで観察された一過性後肢運動麻痺は、運動麻痺を説明する、組織病理学的相関を有さなかった。心臓毒性(主に心房の心外膜における、炎症を伴う心外膜過形成)は、0.75および1.5mg/kg/日の群で観察された。過形成は、単核細胞および好酸球の心外膜下蓄積を伴った。1.5mg/kg/日の群のラット1匹は、大動脈に関連する好酸球による炎症が大規模に集中していた。腎臓、心臓、大腿部骨、肝臓および膀胱の毒性は、4日間連続で、1日1回、IV投与した場合、LB−100により処置されたラットでは、用量制限毒性があるようであった。
【0105】
ラットにおけるGLP反復投薬試験において、0.5、0.75および1.25mg/kg/日の用量レベルで、雄および雌のスプラーグドーリーラットに、5日間連続で毎日、静脈内(ゆっくりとしたボーラス)注射により投与したLB−100は、0.75および1.25mg/kg/日の群の雄および雌において、試験品に関連する有害な腎臓のネフローゼをもたらし、これは、回復剖検(recovery necropsy)では、0.75および1.25mg/kg/日の群の雄では、継続または進行していた。尿検査パラメータに対する試験品に関連する効果は、すべての処置群において観察され、5日目に、0.5mg/kg/日の群の雄ならびに0.75および1.25mg/kg/日の群の雄および雌において尿潜血の発生率および重症度の増加、1.25mg/kg/日の雌において尿タンパク、ならびに1.25mg/kg/日の群の雄および雌、ならびに0.5および0.75mg/kg/日の群の両方における雌1匹において白血球の微視的観察の増加が含まれた。これらの変化は可逆的であった。LB−100投与は、一次剖検で、≧0.5mg/kg/日の雄、および1.25mg/kg/日の雌の心房における亜急性心外膜下炎症および/または中皮肥大をもたらし、1.25mg/kg/日の群の雄1匹では、有害と考えられた。0.5、0.75および1.25mg/kg/日の群の雄、ならびに1.25mg/kg/日の群の雌において、心臓の左心房および/または右心房の心外膜および心外膜下で、最小限から軽度の亜急性炎症が観察された。1.25mg/kg/日の群の雄1匹は、右心房に最小限の線維増殖(膨らんだ線維芽細胞)を伴う、軽度の亜急性炎症を有した。炎症には、多くの場合、中皮肥大を伴った。対照群と比較すると、1.25mg/kg/日の群の雌において、中皮肥大の発生率がより高かった。これらの知見に基づいて、この試験のために動物の10%で重篤な毒性が発現する用量(STD10)を、0.75mg/kg/日と決定した。この用量は、試験4日目において、雄および雌の場合、それぞれ、596および691ng・h/mLのAUC
last値、ならびに1804および2347ng/mLのC
0値に相当した。LB−100は、in vitroおよびin vivoで単剤として活性を、ならびにin vivoで、テモゾロミド、ドキソルビシン、ドセタキセルおよび電離放射線を含めた細胞毒性剤の活性の増強を示した。LB−100は、テモゾロミドまたはドキソルビシンと組み合わせて活性である。
【0106】
(実施例2)
イヌにおける毒性:
非GLP用量範囲探索試験では、4日毎×4回の用量(試験0、4、8および12日目に)で与えた0.1、0.25、0.5および1.0mg/kgの用量レベルでビーグル犬に静脈内投与(ゆっくりとしたボーラスプッシュ)したLB−100は、0.25mg/kgの無作用量(NOEL)をもたらした。生存に対するLB−100に関連する効果はなかった。1.0mg/kgのLB−100を投与した後の試験13日目に1匹の雌において、間欠性振戦という試験品に関連すると考えられる臨床的観察が記録された。0.5および1.0mg/kgの用量レベルでは、雌において、より小さな重量増加およびより少ない食物消費が記録された。
【0107】
GLP反復投薬のイヌ試験では、5日間連続で、毎日、0.15、0.30および0.75mg/kgの用量レベルで、LB−100を静脈内注射(ゆっくりとしたボーラスプッシュ)により投与した。0.75mg/kg/日の群における10匹の動物のうち2匹において、試験品に関連する致死が観察され、1匹の雄および1匹の雌が、4回目の計画用量の投与前に死亡したことがわかった。投与量レベルは、4回目および5回目の用量に関しては、0.50mg/kg/日に減量した(試験3日目および4日目)。0.75mg/kg/日で3回目の用量の後に死亡した動物はどちらも、胃腸管、腎臓、注射部位(出血)、脾臓、喉頭、肺(急性炎症を含む)および/または肝臓に影響を及ぼす、試験品に関連する類似の巨視的および微視的所見を有した。どちらの動物も、嘔吐、排便の減少、黄や赤色の粘性便、および赤色の下痢を経験した。これらの変化はまた、0.3mg/kg/日の用量レベルで処置した動物でも観察された。
【0108】
最も注目すべき所見(髄質外部および皮質に由来する尿細管上皮細胞の有糸分裂像および単一細胞壊死)は、変更された腎機能と関連し得ることであったが、これらの所見は、致死性の損傷とは考えられなかった。したがって、各動物の死亡の原因は、決定されないが、試験品の投与に直接、起因していると考えられた。注:イヌ(9kgの平均重量および0.5m2のBSA)における、0.75mg/kgの用量は、約13.8mg/m2であるか、またはラットにおける、MTDの2倍を超える。イヌにおける用量範囲試験により、用量範囲探索試験において、1.0mg/kg(約18mg/m2)の単回用量後に、毒性の徴候はほとんどないことが明らかになったので、この最高用量を選択した。3日間、毎日、0.75mg/kg、および第4用量および第5用量に0.5mg/kgを投与されたイヌを含めた他の動物はすべて、計画された一次剖検(試験5日目)および回復剖検(試験29日目)まで生存した。5日目の剖検時の試験品に関連する組織学的変化は、0.75/0.5mg/kg/日の用量群では、胃腸管内部におけるびらんおよび局限性出血を含んだ。単一細胞壊死は、胃腸管全体にわたって観察された。
【0109】
回復期間中、これらの変化は、消散したと報告された。いずれの処置群においても、試験品の投与に関連する、眼科的所見、または心電図検査パラメータおよび血圧の変化はなかった。
【0110】
回復期間の間、生存動物はすべて、回復を示す体重増加を有し、他の観察された臨床的徴候の大部分が、回復期間の最初の数日以内に消散した。一次剖検(5日目)では、0.75/0.50mg/kg/日の群の雄および雌における試験品に関連する巨視的所見は、腎臓の暗赤色の変色、小さな脾臓、および胃腸管の様々な区域の赤色の変色(赤くなった粘膜または暗赤色のエリア)からなった。
【0111】
回復剖検(29日目)では、試験品に関連する巨視的所見は、観察されなかった。小さな脾臓サイズの主な原因は、赤脾髄中に血液が少なくなっていることによるようであった。軽度または中程度の単一細胞(リンパ球)壊死が、脾臓において、微視的に見られた。5日目の評価における血液学的パラメータおよび凝固パラメータに対する、試験品に関連する効果は、0.75/0.50mg/kg/日の群の動物において、より高い赤血球の量(mass)(赤血球数、ヘモグロビンおよびヘマトクリット)、より少ない血小板数および活性化部分トロンボプラスチン時間の値の延長を含んだ。この群では、より少ない血小板数は、雄だけで、統計学的に有意に低く、群の平均レベルは、歴史的対照群の平均レベルよりも低かった。雌における血小板数の少なさは、統計学的有意性はなかったが、試験品に関連すると考えられた。29日目の評価では、血液学的パラメータまたは凝固パラメータに対する試験品の投与の残留効果はなかった。0.75/0.50mg/kg/日の群における、5日目の評価で観察された尿検査パラメータの試験品に関連する変化は、比重の低下、尿量の増加、および血液の存在量の増加を含んだ。29日目では、尿検査パラメータの試験品に関連する変化は存在しなかった。
【0112】
無作為化前のすべての動物(−8日目)、ならびに4日目(用量投与の約2〜4時間後に記録)および27日目にすべての生存動物に対して、マルチリード(I、II、III、aVR、aVL、aVFおよびV2)ECGを記録した。ECGはすべて、質的および量的に解釈し、正常範囲内にあった。試験前および投薬後の群の平均値および対照値の比較に基づくと、いずれの用量レベルでも試験品の投与に起因する試験品に関連する効果は見出されなかった。律動の異常は見出されなかった。
【0113】
試験前期間(−8日目)の間に1度、すべての動物に対して、ならびに試験4日目(用量投与の約2〜4時間後に記録)および27日目にすべての生存動物に対して、血圧(収縮期、拡張期および平均動脈圧)データを記録した。血圧は、試験品の投与によって影響を受けなかった。対照群および試験品により処置された群を比較すると、4日目および27日目の評価において、統計学的に有意な差異はなかった。
【0114】
結論として、雄および雌のビーグル犬への、5日間連続で毎日の静脈内(ゆっくりとしたボーラス)注射によるLB−100の投与は、0.15mg/kg/日の投与量レベルで十分に耐容された。0.30および0.75/0.50mg/kg/日の投与量レベルでは、LB−100の投与は、投薬期間の間に、臨床的病理、器官の重量および/または巨視的所見に対する効果に相関する、有害な臨床的観察、体重の低下、および組織学的所見(腎臓における鬱血およびネフローゼ、肝臓における有糸分裂および単一細胞壊死の増加、胸腺におけるリンパ球の枯渇および単一細胞壊死、ならびに/または胃もしくは腸でのびらんおよび/もしくは出血)をもたらした。29日目の回復剖検において、0.30および0.75/0.50mg/kg/日の群の雄および雌において、腎臓に、持続性の有害な、試験品に関連する組織学的変化が観察された。これらの変化は、回復よりもむしろ、慢性への進行を一層示した。さらに、致死は、0.75mg/kg/日で観察された。したがって、重篤な毒性が発現しない最大用量(HNSTD)は0.15mg/kgであり、これは、雄および雌について、試験4日目では、それぞれ、LB−100が267および335ng・h/mLのAUC
lastに相当した。
【0115】
(実施例3)
現行の臨床試験:
固形腫瘍における、化学療法増感剤として、LB−100を用いた治験(NCT01837667)がある。治験により、用量レベル6(2.33mg/m
2)に対して、用量制限毒性は観察されなかった。
【0116】
具体的には、心毒性または骨髄抑制毒性は観察されなかった。用量レベル6では、LB−100の血漿中濃度は、1μMを超える。
【0117】
LB−100は、第1相治験では、十分に耐容される。より高い用量でLB−100を与えたラットおよび/またはイヌのGLP毒性試験では、腎変化が観察された。ラットでは、これらは、腎臓のネフローゼならびに尿潜血、尿タンパク、および白血球の微視的観察の増加を含んだ。これらの変化は、可逆的であった。ラットでは、最小限から軽度の亜急性炎症が、心臓の左心房および/または右心房の心外膜および心外膜下で観察された。炎症には、多くの場合、中皮肥大を伴った。イヌでは、より高い用量では、5日目における尿検査パラメータの変化は、比重の低下、尿量の増加、および血液の存在量の増加を含んだ。29日目では、尿検査パラメータの試験品に関連する変化は存在しなかった。一般により高い用量で、イヌにおいて観察された他の効果は、29日目までに回復した血小板数の一過性減少、回復期間中に一般に消散した胃腸の効果(嘔吐、下痢、びらん、局限性出血および単一細胞壊死を含む)、急性炎症を含めた肺の変化および注射部位における出血を含んだ。5日間連続で、LB−100を投与されたイヌにおいて、ECGまたは血圧に異常は観察されなかった。
【0118】
患者の腎機能は、試験中、厳重にモニタリングする。尿検査および血液化学の評価は、試験前、試験中は少なくとも毎週、および試験終了時に行う。より高い用量のLB−100を与えたラットでは、一過性の後肢運動麻痺が報告されたので、患者を神経学的症状の発症についてモニタリングする。
【0119】
試験評価項目:
主要評価項目:
・ 第1b相:最初の2サイクル(6週間)で、米国国立がん研究所の有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)、バージョン4.03に従って等級付けした、以下に定義されている、DLTの発生。
・ 第2相:IWG2006診断基準による血液学的改善(HI)およびまたは細胞遺伝学的奏効の達成(表1および2を参照されたい)。このような応答を達成した患者は、「応答者」として類別され、患者の残りは非応答者として類別される。
【表1-1】
【表1-2】
【表2】
【0120】
二次評価項目:
・ 第1b相コホート内だけの血漿中濃度。
・ HIおよび/または細胞遺伝学的奏効を達成するdel(5q)を有するMDS患者の応答。
・ HIおよび/または細胞遺伝学的奏効の達成から疾患の進行または疾患による死亡までの時間として定義される奏効期間
・ 世界保健機関(WHO)診断基準による急性骨髄性白血病(AML)への形質転換(表1および2を参照されたい)。
・ LB−100の投与前および後の末梢血における、活性PP2Aアッセイキットにより測定されたPP2A活性、ならびに骨髄(BM)試料における、免疫組織化学(IHC)によるPP2A基質(例えば、CDC25C、MDM2、AKT)のリン酸化およびp53発現における下流での標的阻害の評定
・ フローサイトメトリーによって測定される、赤血球前駆細胞におけるエリスロポエチン誘導性STAT5活性化
・ 試験登録時ならびに試験の最良応答/終了および/または疾患の進行における、ABL1、ASXL1、CBL、CEBPA、CSF3R、CUX1、DNMT3A、ETV6、EZH2、FLT3、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、KIT、KRAS、MLL、MPL、MYD88、NPM1、NRAS、PHF6、RUNX1、SETBP1、SF3B1、SH2B3、SRSF2、TET2、TP53、U2AF1、WT1およびZRSR2の再発性遺伝子変異の決定
【0121】
患者の選択:
組み入れ基準:
1.患者はインフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名をし、プロトコール要件に適合することができる。
2.患者は、以下の臨床検査値によって定義される、適切な器官機能を有する:
a.血清クレアチニン≦2×正常上限値(ULN)
b.十分に裏付けられたジルベール症候群もしくは溶血を有する患者、または定期的な輸血を必要とした患者では、総血清ビリルビン<1.5×ULN、あるいは正常範囲内の直接ビリルビンを含めた総ビリルビン≦3.0×ULN
c.アラニンアミノトランスフェラーゼ(AST)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(ALT)が<3.0×ULN
3.インフォームドコンセントフォームへの署名時点における年齢≧18歳。
4.世界保健機関(WHO)診断基準により、低いまたはint−1のリスクに対するIPSS診断基準を満たすMDSまたはMDS/MPNの裏付けられた診断。
5.非del(5q)患者の場合、任意の時間点における、処置に対する応答がない、応答の喪失、または治療に対する進行性疾患/不耐容性として定義される、アザシチジンまたはデシタビンまたはレナリドミドの少なくとも2サイクルによる前の処置に不首尾であった。
6.del(5q)患者の場合、任意の時間点における、処置に対する応答がない、応答の喪失、または治療に対する進行性疾患/不耐容性として定義される、レナリドミドの少なくとも2サイクルによる前の処置に不首尾であった。
7.0、1または2の米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータススコア
8.妊娠の可能性のある女性および男性は、試験に登録前の少なくとも28日間、および試験への参加期間中に、適切な避妊(産児調節のホルモン法またはバリア法;禁欲;卵管結紮、パートナーの精管切除)を使用することに同意しなければならない。この試験に参加している間に、万一女性が妊娠した、または妊娠していることが疑われる場合、その女性は、処置している医師に直ちに通知すべきである。
【0122】
除外基準:
1.患者が、HIV感染(検査は義務ではない)の既往歴を有する。
2.患者が、以下の心臓異常のうちのいずれかを有する:
a.症候性鬱血性心不全
b.登録の≦6か月前の心筋梗塞
c.不安定狭心症
d.重篤な制御されない不整脈
3.登録時における、悪性腫瘍の併発、または無病期間が2年未満である以前の悪性腫瘍。適切に切除された皮膚の基底細胞癌または扁平上皮癌を有する、または適切に切除された上皮内癌(すなわち、子宮頸部)を有する患者は、診断時に関わりなく、登録することができる。
4.試験薬物処置の最初の日の14日以内の、MDSの処置用の化学治療剤または実験薬剤(市販されていない薬剤)の使用。好中球減少性感染症の短期管理のために、成長因子支持が使用されてもよい。最初のLB−100から>8週間で開始したエリスロポエチン刺激剤の安定用量は許容される。
5.LB−100は妊娠被験体では試験されていないので、妊婦はこの試験から除外される。LB−100による母体の処置に対して二次的な、幼児における有害事象の潜在的リスク以外は未知であるので、母体がLB−100により処置されている場合、授乳は中止すべきである。
【0123】
女性およびマイノリティの組み入れ:
男性と女性の両方、ならびにすべての人種のメンバーおよび人種集団が適格である。
【0124】
試験デザイン:
この試験は、2つのパート:第1相の用量設定パートとその後のSimonの2段階の第2相デザインで行われる、よりリスクの低いMDS患者における、静脈内LB−100の毒性および効力を評価する、単一施設、非盲検、第1b/2相治験である。停止規則を使用して、多すぎる許容できない有害事象をモニタリングし、患者は、WHO(表1および2を参照されたい)によって定義されている急性骨髄性白血病への形質転換についてモニタリングされる。適格被験体は、MDSまたはMDS/MPNのWHO診断を有し、低いまたはint−1のリスク疾患に関するIPSS診断基準を満たし、これまでに、低メチル化剤(hypomethylating agent)またはレナリドミド(del(5q)患者の場合、レナリドミドに不首尾/不耐容性であることが必須)に不首尾でなければならない。用量設定相では、患者は、用量レベル1で開始する漸増用量の、各21日サイクルの1〜3日目に、15分間にわたるLB−100の静脈内注入を受ける(表3を参照されたい)。患者は、少なくとも6週間(2サイクル)、追跡された後に、各コホートの安全性が十分に評定されて、次のコホートにおいて、用量漸増に関する決定を行うことができる。MTDは、DLTが患者の≧33%において証明された(manifested)用量レベル未満の用量レベルとして定義し、またはDLTが患者の<33%に証明された場合、用量レベル2で定義する。
【表3】
【0125】
用量設定相の完了後、用量の拡大を行い、これにより、患者は、用量漸増相から決定した通り、21日サイクルを使用して、MTDで静脈内投与したLB−100により処置される。Simonの二段階デザインを、以下の通り適用する:ステージ1:MTDにおいて合計が21名の評価可能な患者を登録する(試験の第1相のパートの間に登録した患者を含む)。IWG2006診断基準(HIおよび/または細胞遺伝学的奏効)により定義される応答者が、2名またはそれより少ない場合には、レジメンはさらなる調査を保証するものではないという結論により、試験を早期に終了する。応答者が3名またはそれより多い場合には、ステージ2へと継続するために登録が許可される。
【0126】
ステージ2:20名のさらに評価可能な患者を登録し、合計41名とする。応答者が6名またはそれより少ない場合には、この処置の継続試験を支持するには証拠が不十分である。応答者が7名またはそれより多い場合には、第3相において、LB−100のさらなる試験を支持するには証拠は十分である。
【化5】
【0127】
用量制限毒性
NCI有害事象共通用語規準(CTCAE)、バージョン4.03を使用して毒性を等級付けする。DLTは、処置のサイクル2の終わりまで発生する以下の有害事象のうちのいずれかとして定義され、試験処置に関連する、恐らく関連がある、関連がある可能性が高い、または確実に関連がある、と考えられる。
1.以下を除く、処置に関連する非血液学的CTCAEグレード3〜4の毒性:
a.臨床的に重要ではなく、72時間以内に適切に制御されたグレード3の代謝/電解質異常は、DLTとはみなさないことにする。
b.最大の医学的治療にもかかわらず、グレード3の悪心/嘔吐/下痢がある。
【0128】
DLT評定期間(サイクル2の終了まで)中にDLTを有する患者は試験から外され、さらなる処置を受けない。DLTを有する患者は、毒性が消散する、ベースラインに戻るまたは安定するまで、追跡される。
【0129】
用量の論理的根拠
前臨床試験において、3、4または5日間、毎日のLB−100用量投与スケジュールを試験した。毎日×5日間のレジメンでは、ラット毒性データにより、4日間のLB−100の投与後に、一部の腎毒性が明らかなことが示された。したがって、LB−100の毎日×3用量は、安全な初期用量と考えられ、この投薬が、進行中の第1相治験において安全である。各用量は、24時間、間隔をあけて(+/−2時間)投与する。薬物は、適切なバイオマーカー評定を得るため、クリニックで投与する。報告された有害事象および潜在的リスクは、実験方法のセクション中に記載する。LB100に関する適切な用量改変も、実験方法のセクション中に記載する。
【0130】
LB−100は、静脈内投与用の滅菌溶液として供給される。LB−100滅菌注射の各バイアルは、pH10.5のグルタミン酸一ナトリウム中のLB−100の1.0mg/mL溶液10mLを含有する。LB100は、20℃で保管される(許容可能な範囲:25℃〜10℃)。適切な用量を滅菌シリンジ中に抜き取り、500mLのノーマルセーライン(0.9%)に加えて、2時間かけて、静脈内投与する。食塩水中での希釈によりpHが低下し、その結果、注入液は、非刺激性であるが、管外溢出が回避される。ノーマルセーライン中での希釈に続いて、LB−100を8時間内に投与する。
【0131】
一般的併用薬品および支持療法ガイドライン
一般に、患者のケアに必要とみなされる任意の併用薬品/治療の使用は許される(禁止されていない限り。以下を参照されたい)。患者は、試験薬物の開始の後に、患者が受けるいかなる新たな薬品に関しても、治験現場(investigational site)に通知するよう指示される。患者は、試験中、いかなる他の抗がん治療も受けることは許されない(例外は以下を参照されたい)。成長因子支持は、以下に指定されている通り許容される。併用薬物はすべて、投与量情報、投与日時および使用理由と共に、適切な症例報告フォーム(CRF)で報告される。患者は、いかなるセルフメディケーションも記録するように求められる。いかなるセルフメディケーションに関しても、患者に質問するには、特別の注意を払うべきである。
【0132】
禁止薬品
赤血球生成刺激剤(ESA)は、試験中の貧血に対して許されない。G−CSFは、発熱性好中球減少症を有する被験体、および短期間の使用には、試験中、許される。
【0133】
試験処置以外の抗がん治療(化学療法、内分泌療法、生物学的療法または放射線療法および手術)は、患者が治験の処置部分(treatment portion)に登録されている間、患者に与えてはならない。このような薬剤が、患者に必要な場合には、患者に、試験の処置部分を恒久的に中止させる。少なくとも2年間、無病であった、アジュバントホルモン療法(例えば、アナストロゾール/タモキシフェン)の乳がん患者は除く。
【0134】
患者が試験中にある間、他の調査的治療が使用されてはならない。
【0135】
植物性調製物/薬品は、潜在的な薬物−薬物相互作用が常に考えられるので、試験全体を通して許容されない。これらの植物性薬品は、以下を含むが、これらに限定されない:セントジョンズワート、カヴァ、エフェドラ(マオウ)、イチョウ(gingko biloba)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ヨヒンベ、ノコギリパルメットおよびチョウセンニンジン。患者は、試験処置の第1の用量の少なくとも7日前に、これらの植物性薬品の使用を中止すべきである。
【0136】
治療期間
被験体は、合計で18週間、処置される。18週時点で応答がある被験体の場合、処置は、以下の診断基準の1つが該当するまで、継続してもよい:
・ 用量制限毒性に到達している、
・ 処置のさらなる投与を妨げる併発疾病、
・ 許容できない有害事象(複数可)、
・ 患者が、試験から離脱すると決める、または
・ 患者の状態の一般的または特定の変化により、治験責任医師の判断で、患者にさらなる処置が許容されない。
・ IWG2006診断基準による疾患進行の証拠。
・ 処置を継続したくない被験体が、18週時点で試験来診の終了を完了する。
【0137】
経過観察期間
被験体は、18週間の処置に対して、予定表通りに、追跡する。18週後、試験を継続する被験体は、毎月、追跡する。AML形質転換に関する処置終了後のデータは、6か月毎にまたは死亡するまで、どちらが最初に発生しようとも、更新する。許容されない有害事象のために試験から除外された被験体は、有害事象の消散または安定化まで追跡される。
【0138】
試験から除外するための診断基準
被験体が、以下の診断基準の少なくとも1つを満たす場合、被験体は、試験を完了したとみなす:
・ 被験体が、試験薬品による18週間の処置を、応答なく完了した。
・ 被験体が、試験中に死亡した。
・ 被験体が、試験からの離脱に至らしめる、処置に関連するAEを経験する。
【0139】
被験体は、試験薬品から自発的に離脱しても、任意の時点で、試験から同意を撤回してもよい。治験責任医師はまた、該医師の判断で、任意の時点で被験体の試験の参加を中止してもよい。試験からの被験体の離脱の日時および理由が記録される。
【0140】
被験体が、試験薬品による処置から恒久的に離脱されるが、同意を撤回しない場合、治験責任医師は、離脱の時点に、被験体にすべての離脱評定を完了させる、およびすべての計画された経過観察来診を完了するよう、あらゆる努力を行う。試験薬品による処置は、以下の場合、中止される:
・ 被験体が同意を撤回する。
・ さらなる参加は、治験責任医師の医学的判断で、被験体の健康または福祉に対して有害になると思われる。
・ 試験を終了する。
・ 被験体が妊娠する。
・ 被験体が、白血病の形質転換を示す(少なくとも20%の骨髄芽球数、または少なくとも8週間、継続している少なくとも20%の末梢芽球数により証拠付けられる)。
・ 16週間の処置後に、臨床的利益が得られていない。
・ IWG2006診断基準による疾患進行の証拠。
・ 被験体が、プロトコールの要件にかなり対応していない。
・ 治験責任医師の判断で、被験体が試験に続けて参加すると、許容されないリスクをもたらすと思われる有害経験を有する。
【0141】
投薬の遅延/改変
プロトコール指定投薬計画に耐容しない患者の場合、試験処置を患者が継続するのを可能にするため、用量調節が許される。用量改変、中断または中止のすべてが、NCI臨床毒性基準(NCI−CTCAEバージョン4.03)によって等級付けされる前述の最悪の毒性に基づく。処置サイクル中、一旦用量が低減されると、その後のいずれのサイクル中にも再漸増は許可されない。毒性以外の理由のためにLB−100の投与が中断される場合には、同じ用量でそれぞれの試験薬物による処置を再開してもよい。一般に、用量中断において消散を伴うグレード1の毒性またはグレード2の毒性の場合、用量は低減されないが(表5を参照されたい)、症状の制御のための処置は、適宜、提供される。
【0142】
患者が、DLT診断基準(実施例6を参照されたい)を満たす有害事象を経験する場合には、患者は、試験から外され、さらなる処置を受けない。>28日のLB−100用量遅延を必要とする患者に、試験薬物を恒久的に中止させる。さらに、LB−100に対して>2の用量低減を必要とする患者に、試験薬物を恒久的に中止させる。
【0143】
恒久的にすべての試験薬物を中止する患者は、すべての試験処置の中止後またはAEの≦グレード1への消散後30日間、どちらが最初に発生しようとも、毎週または2週間毎に、上記事象をモニタリングするために適切なすべての試験評定を含めた、経過観察を受ける。
【表4】
【0144】
LB−100に関連していることが疑われる毒性のために用量改変および用量中断するためのガイドラインは、表5に記載されている。処置は、より低い用量で再開される:
・ 同じ毒性が同じ重症度で再発する場合には、次の処置再開始は、期間に関係なく、より低い用量で再開しなければならない。
・ 同じ毒性が一層悪い重症度で再発する場合には、患者は、LB−100による処置を中止しなければならない。
【表5-1】
【表5-2】
【0145】
AEの定義
医薬製品に関連していると考えられるか否かに関わらず、医薬製品の使用に一時的に関連する、被験体または臨床治験被験体における任意の医学上有害な出来事。注:したがって、AEは、医薬製品の使用に一時的に関連する、任意の不利でかつ意図しない徴候(異常な臨床検査所見を含む)、症状または疾患(新たなまたは悪化した)とすることができる。
【0146】
AEの定義を満たす事象は、以下を含む:
・ 慢性または間欠性の既存の状態の頻度および/または強度の増加のどちらかを含む、該状態の悪化。
・ 試験の開始前に存在し得る場合でさえも、治験製品の投与後に、検出または診断された新しい状態。
・ 疑わしい相互作用の徴候、症状または臨床的後遺症
・ 治験製品または併用薬品のどちらかの疑わしい過量の徴候、症状または臨床的後遺症(過量それ自体は、AE/SAEとして報告されない)。18週間の最初のLB−100処置/曝露の期間内の「効力の欠如」または「予想される薬理学的作用の不首尾」はそれ自体、AEまたはSAEとして報告されない。しかし、効力の欠如に起因する徴候および症状および/または臨床的後遺症は、それらがAEまたはSAEの定義を満たす場合には報告される。
【0147】
AEの定義を満たさない事象は、以下を含む:
・ 医学的または外科的手技(例えば、内視鏡検査、虫垂切除);手技に至る状態はAEである。
・ 望ましくない医学上有害な出来事が発生しない状況(病院への社会的および/または便宜的な入院)。
・ 試験の開始時において存在しているまたは検出されている、悪化しない、既存疾患(複数可)または状態(複数可)の予期される日ごとの変動。
・ 被験体の状態に対して予期されるよりも重度でない限り、試験されている疾患/障害、または試験されている疾患/障害の予想される進行、徴候もしくは症状。
・ 試験されている疾患による死亡。
【0148】
SAEの定義
重篤な有害事象は、任意の用量で、任意の医学的有害な出来事である:
・ 結果的に死亡する。
・ 生命を脅かすものである。注釈:用語「生命を脅かす」の定義は、被験体が事象時に死亡するリスクのあった事象を指す。この用語は、より重度の場合、死亡を引き起こし得たと仮定される事象を指さない。
・ 入院加療または現在の入院加療の延長を必要とする。注:一般に、入院加療は、被験体が、診療所または外来診療環境で適切とは思われない、観察および/または処置のために、病院または救急病棟において、収容(通常、少なくとも一晩の滞在を含む)していることを表す。入院加療中に発生する合併症は、AEである。合併症が入院加療を引き延ばす、または任意の他の重大な判定基準を満たす場合、事象は重篤である。「入院加療」が行われたか、または必要であったかどうかについて不確かな場合、AEは重篤とみなすべきである。ベースラインから悪化しなかった既存状態の選択的な処置のための入院加療は、AEとはみなさない。
・ 結果的に能力障害/無能になる。注釈:能力障害という用語は、通常の生活機能を行う人の能力の実質的な破壊を意味する。この定義は、日常の生活機能を妨害または阻害するが、実質的な破壊を構成し得ない、合併症のない頭痛、悪心、嘔吐、下痢、インフルエンザおよび偶発性外傷(例えば、足首のねんざ)などの、比較的、軽症の医学的有意性の経験を含むことは意図されていない。
・ 先天性異常/出生時欠損である。
・ NCI CTCAE v4.03を使用して評定した、処置に関連するグレード4の非血液学的臨床検査の異常のすべて。
【0149】
直ちに生命を脅かす、または死亡もしくは入院加療になり得ないが、被験体を危険にさらす恐れがある、または上記の定義において列挙されている他の転帰の1つを予防するために、医学的または外科的インターベンションを必要とし得る、重要な医学的事象などの他の状況において、報告が適切であるかどうかを決定する際には、医学的または科学的判断が行使される。これらもやはり、重篤と考えられる。
【0150】
このような事象の例は、侵襲性もしくは悪性がん、アレルギー性気管支痙攣のための救急処置室もしくは自宅での集中的な処置、または入院加療には至らない痙攣、または薬物依存もしくは薬物乱用の発生がある。
【0151】
治験製品との関連性
治験責任医師が、入手可能な情報に基づいて治験製品との関連性を評定することは、規制上の要件である。評定は、任意の新しい情報を受け取り次第再調査され、必要な場合、修正される。「合理的な可能性」は、因果関係を示唆する事実/証拠または議論が存在していることを伝達することが意味される。「合理的な可能性」を支持することができる事実/証拠または議論には、例えば、一時的な関連性、薬理学的に予測される事象、またはデチャレンジ陽性もしくはリチャレンジ陽性が含まれる。併用薬品、併発症または関連病歴などの交絡因子も考慮される。
【0152】
AEおよびSAEとして報告された、検査室検査およびその他の安全性評定の異常
ベースラインから悪化したものを含めた、任意の臨床検査結果(血液学、臨床化学または尿検査)または他の安全性評定(例えば、ECG、放射線スキャン、バイタルサイン測定値)の異常は、NCI−CTCAE診断基準に従って記録される。しかし、これらの検査室の結果は、治験責任医師または処置医師の医学的および科学的判断において、臨床的に重要とみなされた場合、AEまたはSAEとして記録される。被験体の状態または死亡について、予想されるよりも重度であると治験責任医師または処置医師により判断される所見を除き、基礎疾患に関連する任意の臨床的に有意な安全性評定は、AEまたはSAEとして報告されない。貧血、白血球減少症または血小板減少症の悪化などの、典型的な疾患関連事象に関するデータを収集する。
【0153】
試験中に経験した感染症はすべて、AEまたはSAEとして記録される。
【0154】
SAEと認定されない、疾患関連事象および/または疾患関連転帰
以下の状態は、AEまたはSAEとして認定されないが、但し、それらは、試験薬品に起因しているとみなされないことを条件とする:
・ LB−100の1回目の投薬前に発生する事象。
・ 疾患進行の症例。
【0155】
妊娠
試験への参加中に起こるいかなる妊娠も報告される。被験体の安全を確保するため、各妊娠は、その発生を知ってから2週間以内に、LB−100へのカーボンコピー(CC)の通知によりFDAに報告される。妊娠は、転帰(早期中絶を含む)、ならびに母体および子供の状況を決定するため経過観察される。医学的理由のための妊娠合併症および選択的中絶は、AEまたはSAEとして報告される。自然流産は、SAEとして報告される。被験体が試験を完了した後に、妊娠に伴って発生する任意のSAEが、治験責任医師の注意を引き、治験製品に関連している可能性が高いとして治験責任医師により考えられると、ファーマコビジランスグループに速やかに報告される。さらに、男性試験被験体が試験に登録されている間に妊娠した、該被験体の任意の女性パートナーに関する妊娠情報が収集される。妊娠情報は、上で記載されている通り報告される。
【0156】
AEおよびSAEを検出する期間および頻度
治験責任医師または現場スタッフ(site staff)は、AEまたはSAEの定義を満たす事象を検出する、記述するおよび報告する責任を負う。AEは、治験製品の開始から、および経過観察による接触を通じて収集される。SAEは、AEについて上で明記されているのと同じ期間にわたり収集される。しかし、試験への参加に関連していると評定された任意のSAE(例えば、治験製品、プロトコールに必須の手技、侵襲検査、または既存の治療の変更)は、被験体が試験に参加することを同意したときから任意の経過観察による接触を含めてそれまでを記録する。SAEはすべて、示されている通り報告される。
【0157】
Lixte Biotechnologyへの通知によるFDAへの重篤な有害事象およびその他の事象の速やかな報告
試験薬物に関連するか否かにかかわらず、臨床試験中、または試験薬品の最後の用量を受けて30日以内に起こるいかなる重篤な有害事象も、治験責任医師により報告される。さらに、プロトコールに特異的な診断的手技またはインターベンションの結果として起こるいかなるSAEもやはり報告される。LB−100の中止後の任意の時点で治験責任医師の注意を引き、LB−100に関連しているまたはおそらく関連していると治験責任医師がみなしたSAEは、それらが起こる場合、および起こったときにFDAに報告される。
【0158】
さらに、国際的な報告義務を果たすために、試験への参加に関連する(例えば、手技、侵襲検査、既存の療法の変更)、または併用薬品に関連するSAEは収集されて、被験体が試験に参加することに同意したときから、被験体が試験から解放されるまで記録される。
【表6】
【0159】
SAEに関する規制上の報告要件
治験責任医師によるFDA(およびLixte Biotechnology)へのSAEの速やかな通知が必須であり、こうして被験体の安全に対する法的義務および倫理責任が満たされる。治験依頼者−治験責任医師は、臨床治験下における製品の安全性について、地方の規制当局および他の規制機関の両方に通知する法的責任を有している。治験依頼者−治験責任医師は、規制当局、治験審査委員会(IRB)、FDAへの安全性の報告に関連する具体的な規制上の要件、Lixte Biotechnologyおよび治験分担医師への通知を遵守する。地方の規制上の要件およびFDAにより示されるそれらの政策に従って、疑わしい予想外の重篤な有害反応に関する、治験責任医師の安全性報告が用意され、必要な場合、治験責任医師およびLixte Biotechnologyに送られる。H.Lee Moffitt Cancer CenterからのSAE(複数可)または他の具体的な安全性情報(例えば、SAEの概要または一覧表示)を記載した治験責任医師の安全性報告を受け取る治験責任医師は、CIBと一緒にファイルし、地方要件に従って、適切な場合、IEC/IRBに通知する。
【表7】
【表8】
【0160】
医薬品情報
LB−100は、静脈内投与用の滅菌溶液として供給される。LB−100は、−20℃(許容範囲:−10℃〜−25℃(またはそれより低い))で保管されることになっている。各バイアルは、1mg/mlの濃度のLB−100を含有する。
【0161】
試験薬物の遵守および説明責任
遵守は、丸剤数、ならびに患者および/または介護者により提供される情報を使用して各患者来診時に、治験責任医師および/または試験担当者により評定される。使用された試験薬品、投与された投与量、および来診の間隔、および試験の完了の記録は、薬物説明責任フォームに保存される。この情報は、患者の各来診時に、ソースドキュメントに保存される。
【0162】
試験薬物の説明責任
治験責任医師または被指名者は、薬物説明責任原簿に、試験処置剤(study treatment)の発送および調剤の正確な記録を維持する。薬物の説明責任は、現場への来診中および試験の完了時に、現場監視者により記録される。
【0163】
試験の終了時、および適宜、試験の過程中、治験責任医師は、未使用の試験処置剤、包装、薬物ラベルおよび完成した薬物説明責任原簿のコピーのすべてをLixte Biotechnologyに返却する。
【0164】
廃棄および破壊
薬物供給品は、薬物供給グループまたは第三者で、適宜、破壊され得る。治験現場における試験薬物の破壊は、事前の合意でLixte Biotechnologyにより承認されている場合、および地方条例により許可されている場合に限り許されている。
【0165】
試験予定表
スクリーニング評価はすべて、LB−100処置の開始前の4週間以内に行われる。被験体は、処置の開始前の4週間以内に行われる骨髄生検および吸引物(aspirate)(細胞遺伝学的なものを含む)を有する。輸血および輸血前のヘモグロビン数または血小板数はすべて、試験処置剤の開始前の8週間、記録される。来診計画への厳格な遵守が要求される。来診または検査が正確な来診日に予定することができない場合、±7日のウィンドウがスケジューリングに許容される。骨髄吸引および生検の検査は、割り当て日時の28日の枠内に行われる。インフォームドコンセントに署名する前のスクリーニング期間内に行われる検査(骨髄生検および吸引物を含む)は、この試験において使用することができる。
【0166】
ベースライン評定
処置開始の4週間以内に行われる。
病歴は以下を含む:
・ 処置前の、WHOサブタイプ、IPSSスコアなどの疾患特徴
・ ECOGパフォーマンスステータス(表1を参照されたい)
・ 併用薬品の再調査
・ 定期身体検査
・ 細胞形態学、細胞遺伝学的評定、フローサイトメトリー分析、および次世代シークエンシング(NGS)骨髄パネルによる分子分析を含めた、骨髄検査
【0167】
検査室の評定:
・ 鑑別を伴うCBC
・ BUN/尿素、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、アルカリホスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、総ビリルビンおよびアルブミンを含めた、臨床化学
・ 尿分析
・ 出産の可能性がある女性への尿または血清による妊娠検査は、試験薬品の最初の投薬前の−1日目または1日目に行われる。
・ 前の8週間のいかなる血液および血液支持ケア製品も再調査および記録する。
【表9】
【0168】
処置のタイムライン
処置期間(1〜18週):LB−100は、3週間の処置サイクルについて、1〜3日目に静脈内投与する。被験体は、試験治験責任医師により、白血球鑑別および全代謝プロファイル(CMP)を含むCBCを毎週、またはそれより高い頻度で受ける。BM吸引物ならびに細胞遺伝学的分析およびNGS骨髄パネルによる生検は、サイクル3および6(9週目、18週目)後に行い、病理学的奏効、細胞遺伝学的奏効、分子奏効(molecular response)および疾患進行を評定する。
【0169】
第18週の処置の終了:被験体は、応答評定を完了する。試験を早期に中止した被験体は、治験製品の最後の投薬後の2週間以内に、処置来診の終了を完了する。身体検査、バイタルサイン、併用薬品、有害事象報告、CBC、CMPおよびBM吸引物、ならびに細胞遺伝学的分析およびNGS骨髄パネルによる生検が行われる。
【0170】
継続期:サイクル6の応答評定の完了後に、一部の応答者は、LB−100を受けることを継続する。骨髄生検および吸引物を、6サイクル毎の後に繰り返す。CBCおよびCMPは、試験治験責任医師により毎月またはそれより高い頻度で、および標準治療に従い全代謝プロファイルを得る。
【0171】
処置終了後の評定:達成された最良の応答、最初の応答の日時、応答の喪失の日時、中止の理由を含む。
【0172】
処置終了後の評価:該当する場合、バイタル状態、死亡/最後の接触の日時、AMLへの形質転換およびAMLに形質転換した日時を含む。この評価は、2年間、6か月毎に更新する。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0173】
効果の測定
定義:
応答および進行は、改変国際ワーキンググループ(IWG)2006診断基準(表1および2)(Cheson, B. D.ら、2006年)に従って評定する。改善は、≧8週間、続かなければならない。
【0174】
処置前のヘモグロビン<11g/dlに関する赤血球系反応:
・ ヘモグロビンは≧1.5g/dL増加。
・ 輸血前のベースラインヘモグロビン≦9g/dLを有する輸血を受けた被験体の場合、前の8週間における処置前輸血数と比較すると、前の8週間における、4またはそれより多いRBC単位の低減。
【0175】
処置前(pre-treatment)血小板数<50×10
9/Lを有する被験体の場合の血小板反応
・ 主要な血小板反応:≧30×10
9/Lという絶対的増加。血小板が、ベースラインにおいて<20×10
9/Lであれば、100%の増加が、主要な血小板反応として適格である。被験体が、ベースラインにおいて輸血依存性であれば、8週間連続で維持される血小板輸血非依存性が、主要な血小板反応として適格である。
・ 完全血小板反応:血小板数は、8週間連続で≧100×10
9/Lまで増加。
【0176】
処置前ANC<1×10
9/Lに対する好中球反応:
・ ≧100%の増加および>0.5×10
9/Lの絶対的増加
【0177】
血液学的改善後の進行/再発:以下の少なくとも1つ:
・ 任意の新たに生じた(RBC/血小板)輸血依存性
・ 顆粒球または血小板の、最大反応レベルから≧50%の減少
・ または≧1.5g/dLのヘモグロビンの低下。
【0178】
完全奏効(CR)
・ 骨髄:すべての細胞系の正常な成熟を伴う≦5%の骨髄芽球
・ 持続的な異形成が記録される
・ 末梢血:
○ ヘモグロビン≧11g/dL
○ 血小板≧100×10
9/L
○ 好中球≧1.0×10
9/L
○ 芽球0%
【0179】
部分奏効(PR)
・ 以下を除いて、処置前に異常がある場合、CR診断基準のすべて:
・ 骨髄芽球が、処置前よりも≧50%減少しているが、依然として>5%である
・ 細胞充実度および形態に関連性がない
【0180】
骨髄完全奏効(mCR)
・ 骨髄:≦5%の骨髄芽球および処置前より≧50%の減少
・ 末梢血:HI応答がある場合、それらは、骨髄CRに加えて記録される
【0181】
安定疾患(SD)
少なくともPRの達成に不首尾であるが、>8週間、進行の証拠はない
【0182】
奏効期間:
奏効期間は、上で概略した骨髄反応により定義される疾患進行、CR、骨髄CRもしくはPRの後の進行/再発、または上で概略した血液学的改善(HI)後の進行/再発の最初の日まで主要評価項目を実現している間の時間として定義される。
【0183】
病理学的奏効:病理学的奏効は、PR、CRまたはmCRとして類別される。末梢血および/または骨髄中の応答パラメータは、少なくとも4週間、維持されなければならない。表1および2を参照されたい。
【0184】
統計学的考察
試験デザイン:
治験は、2つのパート:第1相の用量設定パートとその後のSimonの2段階の第2相デザインで行われる、よりリスクの低いMDS患者における、静脈内LB−100の毒性および効力を評価する、単一施設、非盲検、第1b/2相治験として行われる。停止規則を使用して、多すぎる許容できない有害事象をモニタリングし、患者は、WHO(表1および2を参照されたい)によって定義されている急性骨髄性白血病への形質転換についてモニタリングされる。適格被験体は、MDSまたはMDS/MPNのWHO診断を有し、低いまたはint−1のリスク疾患に関するIPSS診断基準を満たし、これまでに、低メチル化剤またはレナリドミド(del(5q)患者の場合、レナリドミドに不首尾/不耐容性であることが必須)に不首尾である。
【0185】
設定相では、患者は、用量レベル1で開始する漸増用量で、各21日サイクルの1〜3日目に、15分間にわたるLB−100の静脈内注入を受ける(表3を参照されたい)。患者は、少なくとも6週間(2サイクル)、追跡された後に、各コホートの安全性が十分に評定されて、次のコホートにおいて、用量漸増に関する決定を行うことができる。MTDは、DLTが患者の≧33%において証明された用量レベル未満の用量レベルとして定義し、またはDLTが患者の<33%に証明された場合、用量レベル2で定義する。用量設定相の完了後、患者は、用量の拡大を受け、これにより、患者は、用量漸増相から決定した通り、21日サイクルを使用して、MTDで静脈内投与したLB−100により処置される。MTDで処置された患者のコホート内では、停止規則は、多すぎる許容できない有害事象をモニタリングするために使用される。
【0186】
試料サイズ/集積率
登録された患者数は、DLTに達する前に評価された用量レベルの数に依存する。用量レベルあたり、3〜6名の評価可能な患者が参加する。最大12名の評価可能な患者が、試験の第1相の部分で処置される。最大35名の追加の評価可能な患者が、治験の第2相の部分におけるMTDのレベルで処置され、これは、実験方法のセクションで詳述される通り、奏効率の改善を検出するのに十分な検出力を提供する。最大の合計集積数は、47名の患者である。
【0187】
統計学的分析方法
試験患者の人口統計学的および臨床的変数は、記述統計学(平均、標準偏差、メジアン、四分位数範囲、範囲、頻度数および百分率)を使用して要約する。安全性および効力データは、各用量コホートに関して、総合的におよび適切な時には個別に分析する。
【0188】
MTDで処置された患者のコホートに関する第2相の部分内で、Simonの二段階デザインが、以下の通り適用される:
・ MTDで合計が21名の評価可能な患者を登録(試験の第1相のパートの間に登録した患者を含む)する。IWG2006診断基準により定義される応答者が、2名またはそれより少ない場合(HIおよび/または細胞遺伝学的奏効)、レジメンがさらなる調査を正当化するものではないという結論により、試験を早期に終了する。応答者が3名またはそれより多い場合、ステージ2への登録を継続する。
・ ステージ2:20名のさらに評価可能な患者を登録し、合計41名とする。応答者が6名またはそれより少ない場合、継続するのは証拠が不十分であり、この処置の試験を中止する。応答者が7名またはそれより多い場合、十分な証拠が存在し、第3相において、LB−100のさらなる試験を継続する。
【0189】
この規則は、次の動作特徴を有する:奏効率が<10%である帰無仮説対奏効率が≧26%であるその対立仮説の下では、アルファ=0.1で90%の検出力である。予想される試料サイズは28.03であり、早期終了の確率は0.648である。
【0190】
安全性分析
この分析は、患者の適格性に関わりなく、任意のプロトコール処置を受けた被験体のすべてを含む。有害事象、重篤な有害事象、および処置中止に至る有害事象を有する被験体の数(%)が報告される。有害事象概要は、タイプおよび重症度によって報告される。
【0191】
臨床検査パラメータもまた、記述統計学を使用してまとめられる。以下のSimonの二段階デザインを使用して、非血液学的グレード3/4毒性として定義されている、多すぎる許容できない有害事象の発生をモニタリングする。
【0192】
ステージ1:21名の評価可能な患者を登録する。5名またはそれより多い患者が、非血液学的グレード≧3の有害事象を有している場合はいつでも、次に、試験は、用量改変または終結を考察するために一時的に中断される。5名未満の患者が、非血液学的グレード≧3の有害事象を有する場合、試験はステージ2へと継続する。
【0193】
ステージ2:20名のさらに評価可能な患者を登録し、合計41名とする。12名またはそれより多い患者が、非血液学的グレード≧3の有害事象を有している場合はいつでも、次に、試験は、用量改変を考察するために一時的に中断されるか、または十分な安全性がないとみなされる。12名未満の患者が、非血液学的グレード≧3の有害事象を有する場合には、治療は十分な安全性があるとみなされる。
【0194】
さらに、患者は、WHO(表1および2を参照されたい)によって定義されている急性骨髄性白血病への形質転換についてモニタリングされる。2名の評価可能な患者が、急性骨髄性白血病に形質転換する場合はいつでも、試験は、再調査するために一時的に中断されて、用量改変または終結が考慮される。
【0195】
効力の分析:治療企図(ITT)
この分析は、患者の適格性または処置期間に関わりなく、任意のプロトコール処置を受けた被験体のすべてを含む。試験からの脱落、離脱同意または経過観察の喪失などの理由のために、応答評定データのない者は、様々な応答評価に対して、非応答者として取り扱われる。主要評価項目を達成した被験体の割合をまとめる。割合の95%正確な二項信頼区間は、MTDで処置されたすべての参加者に対して提供される。さらに、評価可能な被験体の第2の分析を行う。評価可能な被験体は、少なくとも9週間の治療を完了し、かつ検討薬物の応答を評価するために、骨髄生検および吸引物の処置の最初を完了する者として定義される。
【0196】
試験評価項目の分析
第1b相に対する主要目的に対処するため、上記の3+3デザインを適用する。
【0197】
第2相に対する主要目的に対処するため、上記のSimonの二段階デザインを適用する。
【0198】
二次目的3 − 試験の第1相部分に関する患者のコホート内:血漿中濃度、最大濃度の算出、最大濃度に到達するまでの時間、曲線下面積、半減期、全身クリアランスおよび分布容積が決定される。平均値、標準偏差、信頼区間、メジアン、四分位数、最小値および最大値を含めた記述統計学が、これらの尺度のために示される。
【0199】
二次目的4 − del(5q)MDSを有する患者内では、HIおよび/または遺伝学的奏効を達成する患者の割合を算出する。95%の信頼区間が、これらの割合に置かれる。
【0200】
二次目的5 − MTDで処置された、試験の第2相の部分における患者内で、奏効期間を算出する。奏効期間は、HIおよび/または細胞遺伝学的奏効の達成から疾患の再発もしくは進行、または疾患による死亡までの時間として定義される。期間の平均値および標準偏差を算出し、95%の信頼区間が、この平均値に置かれる。
【0201】
二次目的6 − 急性骨髄性白血病(AML)への形質転換についての発生率を世界保健機関(WHO)診断基準に従い算出する。95%の信頼区間が、これらの割合に置かれる。
【0202】
二次目的7 − 活性PP2AアッセイキットによるPP2A活性を算出する。この尺度(連続値)は、プロトコール治療前およびプロトコール治療後に収集する。ウィルコクソンの符号付き順位検定を使用して、ベースラインから治療後までの統計的に有意な変化について検定する。骨髄(BM)試料に由来する、PP2A基質(すなわち、CDC25C、MDM2、AKT)およびp53の平均値、標準偏差、メジアン、四分位数、最小および最大の発現値を算出する。
【0203】
二次目的8 − 赤血球前駆細胞における平均値、標準偏差、メジアン、四分位数、最小および最大のエリスロポエチン誘導性STAT5活性化を算出する。
【0204】
二次目的9 − 試験登録時ならびに試験の最良応答/終了および/または疾患の進行における、ABL1、ASXL1、CBL、CEBPA、CSF3R、CUX1、DNMT3A、ETV6、EZH2、FLT3、IDH1、IDH2、IKZF1、JAK2、KIT、KRAS、MLL、MPL、MYD88、NPM1、NRAS、PHF6、RUNX1、SETBP1、SF3B1、SH2B3、SRSF2、TET2、TP53、U2AF1、WT1およびZRSR2の再発性遺伝子変異を決定する。この分析は、本質的に探索的なものである。
【0205】
上記の評価項目に関する予備データは、このプロトコールの処置のさらなる調査には非常に有用である。このようなデータを探索的に、適切にまとめる。実行可能な場合、ポイント推定値と95%信頼区間の両方を報告する。
【0206】
薬物動態
LB−100の薬物動態(PK)測定のための血漿のサンプリングは、第1相でのみ行う。血液試料は、表11中のスケジュールに従い、サイクル1の1日目および3日目に収集する。各時間点において、5mLを冷却したヘパリン採取管へと抜き取る。血漿が分離するまで、採取管を氷上で保持する。
【0207】
採取管を、収集して30分以内に、約4℃の冷却遠心分離器で遠心分離にかける(1800rcfで10分間)。0.5N NaOHを含有する、適切に表示されたポリプロピレン管(1.8〜2mLのクリオバイアル)に、血漿を等分する(2つのアリコート)。アリコートした血漿1.0mL毎に、0.1mLの0.5N NaOHを加える。試料は、分析のときまで、−70℃で保管する。
【表11】
【0208】
試料収集
サイクル1の1回目の投薬および3回目の投薬、およびその後のサイクルの1日目のときに、4個の緑色トップバイアルおよび1個の赤色トップバイアルを収集する。試験担当者は、検査室抜き取りエリアから試料を収集する(血液の抜き取り後、3時間以内)。RBC溶解緩衝液を使用して、緑色トップ試料(ヘパリン化)を処理して、RBCおよび残屑を除去する。それらを、FICOLLと共に遠心分離(1700rpmで20分間)することによりさらに処理して、単核細胞層を収集する。
【0209】
治験責任医師および試験担当者にしか知らされていない各患者に対応する固有の識別子により表示して、この層を先に記載した通りに冷凍保存し、後の使用のために液体窒素中に保管する。赤色トップ試料を遠心分離により処理して上清(血清)を収集し、治験責任医師および試験担当者にしか知らされていない各患者に対応する固有の識別子により標識して、後の使用のために冷凍保存する。
【0210】
LB−100のための薬力学マーカーとしてのPP2A活性。
1回目の投薬のときおよび3日目に、末梢血を被験体から収集(1回目の投薬の最大1時間前とすることができる)して処理し、上記の通り保管する。末梢血は、1回目の投薬の3時間後(+/−30分)にも抜き取って収集し、処理して上記の通り保管する。
【0211】
割り当てた時間点(試験予定表を参照されたい)でも末梢血を収集し、上記の通り処理する。10個の試料を処理して冷凍保存した後、分析のためにこれらの試料をバッチ処理する。Alan Listの実験室において、それらをSTEM spanおよび20%FBS中で再構成する。PP2A活性は、上記の通り、LB−100投薬前および投薬後を利用して、以前に記載した通り、活性PP2Aアッセイキットにより測定する。
【0212】
骨髄吸引物および生検の分析
冷凍保存した骨髄吸引物(bone marrow aspirate)の一部を使用して、MDM2、Cdc25C、AKT、p53、セレブロンおよびCSNK1A1の全体の形態およびリン酸化形態についてウエスタンブロット分析により測定する。
【0213】
p53の免疫組織化学を行い、0〜3+として報告する。フローサイトメトリーによって測定される、赤血球前駆細胞中のエリスロポエチン誘導性STAT5活性化を記録する。
【0214】
規制上の考察
この研究は、適用可能な州法および連邦法、ならびに規制を遵守して、ならびにICHガイドラインを遵守して行う。データおよび安全性のプランは、ICHガイドラインに従って、ならびにH.Lee Moffitt Cancer Center and Research Instituteにおける政策および手技を遵守して実行する。臨床治験の実施およびモニタリングのため、以下は、食品医薬品局(FDA)の規則に従うことが確認されている。それらはまた、妥当な研究実践をも表す。
・ インフォームドコンセント
○ インフォームドコンセントの原理は、連邦規則ガイドライン(連邦官報、46巻、17号、1981年1月27日、パート50)および研究リスク保護局(Office for Protection from Research Risks)の報告:ヒト被験体の保護(連邦規則集45 CFR46)により記載されている。それらは、臨床治験の実施およびモニタリングのため、FDAの規則を遵守するよう従わなければならない。
・ 研究用の検体の使用
○ 患者は、将来のいずれの時でも、検体を提供しない、またはさらなる科学研究から自分の検体を取り下げる決定をするのは自由である。このような決定は、患者の処置またはこの試験への参加の他の局面に影響を及ぼさない。
・ 施設内審査
○ この試験は、連邦規則ガイドライン(参照。連邦官報、46巻、17号、1981年1月27日、パート56)および研究リスク保護局の報告:ヒト被験体の保護(連邦規則集45 CFR46)により定義されている適切な施設内審査委員会により承認される。
・ 薬物説明責任
○ 試験のために供給された各薬物に関しては、試験薬物供給の領収、分配および返却を包含する現行の正確な在庫記録を含有する、説明責任原簿(accountability ledger)を維持する。薬物供給は、推奨される保管条件下、安全な立ち入りが制限されている保管エリアに保持される。試験過程の間、以下の情報が説明責任原簿に記録される。薬物が分配された被験体の識別コード、被験体に分配された薬物の日時および量、ならびに被験体により返却された薬物の日時および量。被験体は、上記原簿に返却を記録して、治験責任医師に空の容器を返却することが求められる。これらの説明責任フォームは、査察のため容易に入手可能であり、いかなる時でも、FDA査察に公開される。
・ 記録の保有
○ 米国FDA規則(21CFR §312.62[c])は、この試験の実施に関連する記録および文書、ならびに治験薬の分配(CRF、同意書、臨床検査試験結果および薬品在庫記録を含む)は、上市申請承認後2年間、治験責任医師主任により保有されなければならないことを要求する。申請書が提出されない場合、これらの記録は、試験の中止後2年間、保持されなければならず、米国FDAおよび該当する中央および地方保健当局に通知される。
・ 試験のモニタリング:
○ 試験に参加することにより担う責任の一部として、適切な症例記録は維持されて、このプロトコール下で処置された被験体をモニタリング(正確なソースドキュメントおよびCRF)するために利用可能である。さらに、すべての行政書類、例えばIRB/IEC文書、治験製品および供給品の積み荷目録、モニタリングログまたはMoffitt Cancer Center/被指名者の文書が維持される。PIは、主に、有害事象、プロトコール違反および他の緊急のプロトコール問題をモニタリングする責任がある。試験コーディネーターは、電子媒体または紙媒体のAEフォーム、CRFフォーム、試験終了のフォームおよびインフォームドコンセントフォームの使用により、Moffittおよび他の施設に登録された被験体の情報を収集する。
・ 内部モニタリング
○ データは、Oncore、Moffittの治験データベースに保存される。症例報告フォームは、治験の実施全体にわたり、定期的に、Moffittの内部監視者により再調査される。モニタリングには、研究被験体の医療記録を利用する、ソースデータの検証が含まれる。
・ 現場監査
○ 治験責任医師は、任意の規制当局によって予定された任意の監査をMoffitt Cancer Centerまたはその正式代表者に速やかに通知して、受け取った任意の監査報告のコピーをMoffitt Cancer Centerまたはその正式代表者に速やかに送るべきである。
・ データおよび安全性のモニタリングプラン
○ 監督責任の特定:
・ PIは、主要な責任を有する。
・ MCCプロトコールモニタリング委員会(PMC);PMCは、毎月、面会し、すべての有害事象の発生、パターンおよび頻度、プロトコール違反、および該当する場合、内部監査結果を再調査する。
・ 内部(PI)安全性審査およびモニタリングプロセスの説明:
○ 2週間毎に、有害事象を特定して再調査する責任:
・ 主治験責任医師
・ 試験チーム
・ 再調査すべきこと:
○ グレード(CTCAE v4.03を使用してGr.3またはそれより上)および起因(予想または予想外)による有害事象
○ 試験薬物/インターベンションとの関連性
○ 用量設定漸増/漸減規則の適用
○ デザインした試験の中止/決定規則の適用
○ 試験の発生パターンが、継続/作用を保証するかどうか
○ プロトコール違反
○ AEは、Oncoreデータベース中に、他のすべてのデータと一緒に報告される。PIまたはPI指名者(designate)は、Clinical Research Office(CRO)にすべての有害事象を報告する。CROは、すべてのSAEをCTIに、およびすべての報告可能なSAEをIRBに報告する。AE情報は、CROデータベースに入力される。AE情報は、CROによって管理され、PMCの指定メンバーまたは試験の統計学者がPMCまたは適切な監視団体に対して利用可能にする。
【0215】
薬物調製:
LB−100は、静脈内投与用の滅菌溶液として提供される、水溶性の鏡像異性体の双性イオンである。グルタミン酸一ナトリウム、pH10.5中で製剤化されると、−20℃で数か月間、および冷蔵温度で少なくとも8時間、安定である。
【0216】
前臨床効力試験では、LB−100の投与のためのビヒクルとしてリン酸緩衝食塩水(PBS)が使用され、GLP毒性試験用には、注射用の炭酸水素ナトリウム4.2%をビヒクルとして使用した。分離した鏡像異性体は、溶液中で迅速にラセミ化することが示されているので、ラセミ体のみを試験する。
【0217】
米国国立衛生研究所(NIH)は、以下の等表面積投与量換算係数の表(表12)を提供しており、これは種間の表面積対体重比に相当する換算係数を提示するものである。
【表12】
【0218】
結果
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0219】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0220】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0221】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0222】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0223】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0224】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0225】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0226】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0227】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0228】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0229】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0230】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0231】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0232】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0233】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0234】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0235】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0236】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0237】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0238】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0239】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0240】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0241】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有するMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0242】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0243】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0244】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0245】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0246】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0247】
0.83mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0248】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0249】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0250】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0251】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0252】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0253】
1.25mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0254】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0255】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0256】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0257】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0258】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0259】
1.75mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0260】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている赤血球系反応、血小板反応、または好中球反応のうちの1つまたは複数を含む血液学的改善がもたらされる。
【0261】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全奏効または部分奏効のどちらかを含む細胞遺伝学的奏効がもたらされる。
【0262】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている完全寛解がもたらされる。
【0263】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている部分寛解がもたらされる。
【0264】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている骨髄CRがもたらされる。
【0265】
2.33mg/m
2のLB−100によりdel(5q)を有していないMDS患者を処置すると、表1に定義されている安定疾患がもたらされる。
【0266】
考察
骨髄異形成症候群
骨髄異形成症候群(MDS)は、進行性血球減少症、異形成および急性骨髄性白血病(AML)形質転換リスクによって特徴付けられる、クローン性造血幹細胞障害の臨床的および遺伝学的に不均質な群の両方を表す(Greenberg, P. L.ら、2013年;Cazzola, M.ら、2013年;Greenberg, P. L.ら、2012年)。単独の染色体5q欠失(del(5q))を有するMDSは、世界保健機関(WHO)分類で認識されている、別個の臨床的および病理学的実体を表わす。染色体5qを含む中間部欠失は、MDS症例の約15%を占める、MDSにおける最も一般的な細胞遺伝学的異常である(Haase, D.ら、2007年;Kulasekararaj, A. G.ら、2013年)。これらの中で、半分は、単独のdel(5q)を有している一方、残りのものは、さらなる細胞遺伝学的異常または複雑な核型のどちらかを有する(Haase, D.ら、2007年;Mallo, M.ら、2011年)。Del(5q)MDSは、異形成巨核球(dysplastic megakaryocyte)を伴う低増殖性貧血、およびむしろ無痛性の臨床経過によって特徴付けられる(Giagounidis, A. A.ら、2004年)。
【0267】
予後判定システムは、予測される生存およびAMLへの進行に基づいて、患者を階層化する一助となるよう開発された(Greenberg, P. L.ら、2012年;Greenberg, P.ら、1997年;Kantarjian, H.ら、2008年)。実際には、処置の決定は、国際予後判定システム(IPSS、表7を参照されたい)、改訂IPSS(R−IPSS)およびMD Anderson判定システム(MDASC)によって定義されている、低リスクおよび高リスクの下位群に、MDSを有する患者を群分けすることにより行われる(Greenberg, P. L.ら、2012年;Greenberg, P.ら、1997年;Kantarjian, H.ら、2008年)。IPSSは、低い、中間1(int−1)、int−2および高いリスクにより細分され、低/int−1リスクの疾患が、より低いリスクのMDSを表す。MDS患者の生存は、一般に、不良であり、現行の治療選択肢には限りがある(Bodor, C.ら、2007年)。より低いリスク疾患を呈するおよび5qの欠失(del(5q))のない者の場合、支持輸血および成長因子を利用することが多い。
【0268】
レナリドミド(Revlimid(商標))および低メチル化剤(HMA)(アザシチジン(Vidaza(商標))およびデシタビン(Dacogen(商標))を含む)は、患者の輸血負荷の低減するために提供されることが多いが、疾患の自然史または生存の延長を変更しない(レナリドミドにより処置されたdel(5q)患者とは対照的である。以下を参照されたい)。
【0269】
さらに、応答は、限定された代替治療選択肢では、一時的であることが多い。同種異系幹細胞移植(ASCT)が依然として、唯一の潜在的な治癒性治療法である。しかし、大部分の被験体は、年齢に関連する除外に伴い不適格となる。
【0270】
移植を受けることができる者は、高い程度の罹患率、許容されない移植関連死亡率に直面しており、5年生存している被験体はごくわずかしかいない(Lim, Z.ら、2010年)。まとめると、初期治療後に進行した、リスクのより低いMDSを有する患者は、満たされていない医学的ニーズを有する患者の群を表わす。
【0271】
レナリドミドおよびDel(5q)MDS
レナリドミドは、細胞遺伝学的に定義された疾患のサブセットを標的とする、MDSにおける第1の治療剤を代表し、この患者集団に対する標準ケアを意味する。その臨床的活性の最初の証拠は、初期安全性および効力試験において、del(5q)MDS患者における高い臨床的および細胞遺伝学的奏効率に基づいた(11)。レナリドミドは、輸血依存性のIPSSでは低いまたはint−1のdel(5q)MDSの処置のために、2005年に食品医薬品局(FDA)によって承認された。承認は、MDS−003の多施設での第2相試験の結果に基づいており、そこでは、患者の67%が、レナリドミド治療により輸血非依存性(TI)を達成し、2.2年のメジアンTI期間であった(12)。
【0272】
さらに、患者の73%は、少なくとも部分細胞遺伝学的奏効を有し、患者の45%は、完全奏効(CR)を達成した。最近、公表された本試験の長期経過観察により、全生存のメジアンは、TIに達した患者では、それぞれ、非応答者では2年に対して4.3年、および細胞遺伝学的応答者では3.1年に対して4.9年へと有意に増加したことが見出された(13)。輸血非依存性または細胞遺伝学的奏効の達成はまた、AMLへの進行のリスクの低減ももたらした。
【0273】
PP2Acα:レナリドミドの重要標的
del(5q)MDS表現型を占める特異的遺伝子の対立遺伝子ハプロ欠損(allelic haplodeficiency)と同じように(Ebert, B. L.ら、2008年;Kumar, M. S.ら、2011年)、5q31、CDC25CおよびPP2Acαにおいて、近位共通欠失領域(CDR)内またはこれに隣接してコードされる2つの二重特異性ホスファターゼの遺伝子量が、レナリドミドによる、del(5q)クローンの選択的抑制の基礎をなす(Wei, S.ら、2009年)。
【0274】
具体的には、本発明者らは、レナリドミドがdel(5q)患者において、アポトーシスおよび細胞周期停止を誘導するが、非del(5q)患者では、そうではないことを示している。クローンの抑制に加え、レナリドミドは、MDM2安定化による赤血球生成、p53の下方調節、およびG1停止からの赤血球前駆体の放出をレスキューする(Wei, S.ら、2013年)。この効果の基礎をなす機構はまた、セリン(Ser166)およびSer186における重要な調節部位でのリン酸化の増加を伴うPP2Acα阻害によるものであり、MDM2の自己ユビキチン化を阻害し、これによりMDM2核転座およびp53分解をもたらす。まとめると、これらの結果は、レナリドミドの、クローン抑制および正常な赤血球生成の回復についての二重能力を明確にしている。
【0275】
不運なことに、患者の約50%は、処置の2〜3年後にレナリドミドに対して耐性を生じさせ、代替となる核型選択的治療剤は現在のところ存在しない(List, A. F.ら、2006年;List, A. F.ら、2014年)。PP2Acαの過剰発現がレナリドミド耐性の根底にあることを考慮すると、この経路を標的とする新規な戦略は、極めて重要なものである。
【0276】
1つの可能性のある戦略は、より強力かつ特異的なPP2Aの阻害剤の開発である。これは、レナリドミドに対するTIの期間が、PP2Acα抑制の大きさに直接関連したという本発明者らの知見によって補強される(Wei, S.ら、2013年)。具体的には、ベースラインからのPP2Acα抑制がない患者では679日間であるのに対し、ベースラインからのPP2Acα抑制を有する患者では、TIのメジアン期間に到達しなかった(1507+日間)(P=0.006、ログランク)。
【0277】
非del(5q)MDSでは、レナリドミドは、患者のサブセットにおいて、赤血球受容体シグナル伝達を増強し、有効な赤血球生成を回復する(List, A.ら、2005年)。非del(5q)細胞における、レナリドミドの有益な効果の基礎となる分子機構は、明確に理解されていない。
【0278】
しかし、本発明者らの研究室により、PP2A阻害は、そのシグナル伝達中間体と共に、エリスロポエチン受容体の付随する取り込みおよび上方調節を伴う脂質ラフトの合体を促進して、より有効な受容体シグナル伝達プラットフォームをもたらすことが示された(McGraw, K. L.ら、2014年)。
【0279】
総合すると、これらの試験は、リスクの低いMDS患者の処置において、PP2Aは魅力的な治療標的として特徴付ける。
【0280】
試験結果の考察
本試験の結果は、del(5q)染色体異常を有するか有していないかにかかわらず、MDSを患っているヒト被験体を処置するためにLB−100の使用が有効であることを示している。
【0281】
参考文献
1. Greenberg, P.L., et al. Myelodysplastic syndromes. Journal of the National Comprehensive Cancer Network : JNCCN 11, 838-874 (2013).
2. Cazzola, M., et al. The genetic basis of myelodysplasia and its clinical relevance. Blood 122, 4021-4034 (2013).
3. Greenberg, P.L., et al. Revised International Prognostic Scoring System (IPSS-R) for myelodysplastic syndromes. Blood (2012).
4. Haase, D., et al. New insights into the prognostic impact of the karyotype in MDS and correlation with subtypes: evidence from a core dataset of 2124 patients. Blood 110, 4385-4395 (2007).
5. Kulasekararaj, A.G., et al. TP53 mutations in myelodysplastic syndrome are strongly correlated with aberrations of chromosome 5, and correlate with adverse prognosis. British journal of haematology 160, 660-672 (2013).
6. Mallo, M., et al. Impact of adjunct cytogenetic abnormalities for prognostic stratification in patients with myelodysplastic syndrome and deletion 5q. Leukemia 25, 110-120 (2011).
7. Giagounidis, A.A., et al. Clinical, morphological, cytogenetic, and prognostic features of patients with myelodysplastic syndromes and del(5q) including band q31. Leukemia 18, 113-119 (2004).
8. Greenberg, P., et al. International scoring system for evaluating prognosis in myelodysplastic syndromes. Blood 89, 2079-2088 (1997).
9. Kantarjian, H., et al. Proposal for a new risk model in myelodysplastic syndrome that accounts for events not considered in the original International Prognostic Scoring System. Cancer 113, 1351-1361 (2008).
10. Bodor, C., et al. Elevated expression of Cu, Zn-SOD and Mn-SOD mRNA in inflamed dental pulp tissue. International endodontic journal 40, 128-132 (2007).
11. Lim, Z., et al. Allogeneic Hematopoietic Stem-Cell Transplantation for Patients 50 Years or Older With Myelodysplastic Syndromes or Secondary Acute Myeloid Leukemia. Journal of Clinical Oncology 28, 405-411 (2010).
12. Ebert, B.L., et al. Identification of RPS14 as a 5q- syndrome gene by RNA interference screen. Nature 451, 335-339 (2008).
13. Kumar, M.S., et al. Coordinate loss of a microRNA and protein-coding gene cooperate in the pathogenesis of 5q- syndrome. Blood 118, 4666-4673 (2011).
14. Wei, S., et al. A critical role for phosphatase haplodeficiency in the selective suppression of deletion 5q MDS by lenalidomide. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 106, 12974-12979 (2009).
15. Wei, S., et al. Lenalidomide promotes p53 degradation by inhibiting MDM2 autoubiquitination in myelodysplastic syndrome with chromosome 5q deletion. Oncogene 32, 1110-1120 (2013).
16. List, A.F., et al. Lenalidomide (CC-5013; Revlimid(R)) Promotes Erythropoiesis in Myelodysplastic Syndromes (MDS) by CD45 Protein Tyrosine Phosphatase (PTP) Inhibition. ASH Annual Meeting Abstracts 108, 1360- (2006).
17. List, A.F., et al. Extended survival and reduced risk of AML progression in erythroid-responsive lenalidomide-treated patients with lower-risk del(5q) MDS. Leukemia 28, 1033-1040 (2014).
18. List, A., et al. Efficacy of lenalidomide in myelodysplastic syndromes. The New England journal of medicine 352, 549-557 (2005).
19. McGraw, K.L., et al. Lenalidomide induces lipid raft assembly to enhance erythropoietin receptor signaling in myelodysplastic syndrome progenitors. PloS one 9, e114249 (2014).
20. Hart, M.E., et al. Modified norcantharidins; synthesis, protein phosphatases 1 and 2A inhibition, and anticancer activity. Bioorganic & medicinal chemistry letters 14, 1969-1973 (2004).
21. Lu, J., et al. Inhibition of serine/threonine phosphatase PP2A enhances cancer chemotherapy by blocking DNA damage induced defense mechanisms. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 106, 11697-11702 (2009).
22. Zhuang, Z., et al. Enhancement of cancer chemotherapy by simultaneously altering cell cycle progression and DNAdamage defenses through global modification of the serine/threonine phosphoproteome. Cell cycle 8, 3303-3306 (2009).
23. Zhang, C., et al. A synthetic cantharidin analog for the enhancement of doxorubicin suppression of stem cell-derived aggressive sarcoma. Biomaterials 31, 9535-9543 (2010).
24. Lu, J., et al. The effect of a PP2A inhibitor on the nuclear receptor corepressor pathway in glioma. Journal of neurosurgery 113, 225-233 (2010).
25. Vincent M. Chung, A.S.M., John Kovach. A phase 1 study of a novel inhibitor of protein phosphatase 2A alone and with docetaxel. Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology 32, suppl; abstr TPS2636 (2014).
26. Cheson, B.D., et al. Clinical application and proposal for modification of the International Working Group (IWG) response criteria in myelodysplasia. Blood 108, 419-425 (2006).
27. Vardiman, J.W., et al. The 2008 revision of the World Health Organization (WHO) classification of myeloid neoplasms and acute leukemia: rationale and important changes. Blood 114, 937-951 (2009).