(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体基板と、前記半導体基板の表面に形成された、出射端面から出射する光が生成される活性層を含む半導体構造部と、前記半導体構造部の前記半導体基板と反対側の表面に形成された表面電極と、前記表面電極の前記半導体基板と反対側の表面に形成された導電部材と、を備えた半導体レーザであって、
前記導電部材は、
前記活性層が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である前記出射端面側の側面の一部又は全部が、前記半導体構造部における前記出射端面よりも前記x方向の前記出射端面に対向する他の端面側に形成されており、
前記出射端面から前記x方向の前記他の端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材に形成されており、
前記導電部材は、
本体部と、
前記本体部の前記出射端面側の側面における前記表面電極側で、かつ前記x方向及び前記半導体基板に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部に、前記x方向に延伸した延伸部と、を備えており、
前記後退部は、
前記延伸部における前記半導体基板と反対側の表面である延伸部表面と前記延伸部表面に連結された前記本体部の側面とを含んでおり、
前記導電部材は、前記x方向の長さが、前記半導体構造部における前記x方向の長さよりも短くなっている、
半導体レーザ。
半導体基板と、前記半導体基板の表面に形成された、出射端面から出射する光が生成される活性層を含む半導体構造部と、前記半導体構造部の前記半導体基板と反対側の表面に形成された表面電極と、前記表面電極の前記半導体基板と反対側の表面に形成された導電部材と、を備えた半導体レーザであって、
前記導電部材は、
前記活性層が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である前記出射端面側の側面の一部又は全部が、前記半導体構造部における前記出射端面よりも前記x方向の前記出射端面に対向する他の端面側に形成されており、
前記x方向の前記他の端面側の側面の一部又は全部が前記出射端面側に形成されており、
前記出射端面から前記x方向の前記他の端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材の前記出射端面側に形成されており、
前記x方向の前記他の端面から前記出射端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材の前記x方向の前記他の端面側に形成されており、
前記導電部材は、
本体部と、
前記本体部の前記x方向の互いに対向する2つの側面における前記表面電極側で、かつ前記x方向及び前記半導体基板に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部に、前記x方向に延伸した延伸部と、を備えており、
前記出射端面側及び前記x方向の前記他の端面側の前記後退部は、
前記延伸部における前記半導体基板と反対側の表面である延伸部表面と前記延伸部表面に連結された前記本体部の側面とを含んでおり、
前記導電部材は、前記x方向の長さが、前記半導体構造部における前記x方向の長さよりも短くなっている、
半導体レーザ。
半導体基板と、前記半導体基板の表面に形成された、出射端面から出射する光が生成される活性層を含む半導体構造部と、前記半導体構造部の前記半導体基板と反対側の表面に形成された表面電極と、前記表面電極の前記半導体基板と反対側の表面に形成された導電部材と、を備えた半導体レーザであって、
前記導電部材は、
前記活性層が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である前記出射端面側の側面の一部又は全部が、前記半導体構造部における前記出射端面よりも前記x方向の前記出射端面に対向する他の端面側に形成されており、
前記出射端面から前記x方向の前記他の端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材に形成されており、
前記導電部材は、
本体部と、
前記本体部の前記出射端面側の側面における前記表面電極側で、かつ前記x方向及び前記半導体基板に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部に、前記x方向に延伸した延伸部と、
前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝、又は前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の一方の側面から前記y方向の他方の側面側に延伸している溝と、を備えており、
前記後退部は、
前記延伸部における前記半導体基板と反対側の表面である延伸部表面と前記延伸部表面に連結された前記本体部の側面とを含んでおり、
前記溝の前記z方向の深さは、前記後退部の前記z方向の深さと同じである、
半導体レーザ。
半導体基板と、前記半導体基板の表面に形成された、出射端面から出射する光が生成される活性層を含む半導体構造部と、前記半導体構造部の前記半導体基板と反対側の表面に形成された表面電極と、前記表面電極の前記半導体基板と反対側の表面に形成された導電部材と、を備えた半導体レーザであって、
前記導電部材は、
前記活性層が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である前記出射端面側の側面の一部又は全部が、前記半導体構造部における前記出射端面よりも前記x方向の前記出射端面に対向する他の端面側に形成されており、
前記x方向の前記他の端面側の側面の一部又は全部が前記出射端面側に形成されており、
前記出射端面から前記x方向の前記他の端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材の前記出射端面側に形成されており、
前記x方向の前記他の端面から前記出射端面側に前記導電部材の少なくとも一部が後退した後退部が前記導電部材の前記x方向の前記他の端面側に形成されており、
前記導電部材は、
本体部と、
前記本体部の前記x方向の互いに対向する2つの側面における前記表面電極側で、かつ前記x方向及び前記半導体基板に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部に、前記x方向に延伸した延伸部と、
前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝、又は前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の一方の側面から前記y方向の他方の側面側に延伸している溝と、を備えており、
前記出射端面側及び前記x方向の前記他の端面側の前記後退部は、
前記延伸部における前記半導体基板と反対側の表面である延伸部表面と前記延伸部表面に連結された前記本体部の側面とを含んでおり、
前記溝の前記z方向の深さは、前記後退部の前記z方向の深さと同じである、
半導体レーザ。
前記導電部材は、前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝を備えている、請求項1、2、5、8のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
前記導電部材は、前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の一方の側面から前記y方向の他方の側面側に延伸している溝を備えている、請求項1、2、5、8のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
前記導電部材は、前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝を備えている、請求項17から19のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
前記導電部材は、前記半導体基板と反対側の表面に前記y方向の一方の側面から前記y方向の他方の側面側に延伸している溝を備えている、請求項17から19のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
当該半導体レーザとサブマウントとを接合する際に用いる接合部材に付着しない付着阻害部材が前記後退部に形成されている、請求項1から22のいずれか1項に記載の半導体レーザ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第一例を示す断面図であり、
図2は実施の形態1に係る半導体レーザの第一例の斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の上面図である。
図4は
図2の導電部材の表面図であり、
図5は
図2の導電部材の要部を示す断面図である。
図6は、
図1の導電部材と接合部材との他の接合部の要部を示す断面図である。
図7は、実施の形態1に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第二例を示す断面図である。
図8は実施の形態1に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第三例を示す断面図であり、
図9は
図8の導電部材の要部を示す断面図である。実施の形態1に係る半導体レーザ100は、半導体基板1と、半導体基板1の表面に形成された、出射端面から出射する光が生成される活性層10を含む半導体構造部2と、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に形成された表面電極である第一電極20と、第一電極20の半導体基板1と反対側の表面に形成された導電部材90と、半導体基板1の裏面側に形成された裏面電極である第二電極22と、を備えている。
図1に示した半導体レーザ装置の断面図は
図3に示した破断面12で切断した断面図であり、
図1に示した半導体レーザ100の断面は
図2に示した破断面12で切断した断面である。
【0010】
実施の形態1に係る半導体レーザ装置200は、半導体レーザ100、半導体レーザ100を搭載するサブマウント50を備えており、半導体レーザ100の導電部材90がサブマウント50に半田材等の接合部材40により接合されている。半導体レーザ100は、例えば前端面101から光を光軸11に沿って出射する。また、半導体レーザ100は、前端面101から光を光軸11に沿って出射し、後端面102から光を光軸11に沿って出射する場合もある。光軸11において前端面101から光が出射される方向に矢印を付している。図において、半導体基板1に垂直な方向はz方向であり、活性層10が延伸する延伸方向に平行な方向はx方向であり、x方向及びz方向に垂直な方向はy方向である。
【0011】
導電部材90は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の両方の側面における第一電極20側の一部すなわち前端面101側の一部及び後端面102側の一部が、それぞれ反対側の端面側に後退するように形成されており、半導体構造部2における前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に導電部材90の少なくとも一部が後退した後退部80が形成されている。より具体的には、導電部材90は、前端面101側の一部が、半導体構造部2における出射端面である前端面101よりも前端面101に対向する他の端面側である後端面102側に後退するように形成されており、後端面102側の一部が、半導体構造部2における後端面102よりも後端面102に対向する他の端面側である前端面101側に形成されている。このため導電部材90は、半導体構造部2における前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に導電部材90の少なくとも一部が後退した後退部80が前端面101側及び後端面102側に形成されている。後退部80は、導電部材90のx方向正側の先端及びx方向負側の先端においてz方向の厚さが薄くなった部分でもある。導電部材90のz方向の厚さが薄くなった部分は、本体部91から延伸した延伸部92ということもできる。破線13bと破線13cとの間が本体部91であり、破線13aと破線13bとの間及び破線13cと破線13dとの間が延伸部92であり、かつ後退部80である。破線13a、13dは延伸部92の延伸部側面98に沿った破線であり、破線13b、13cは本体部91の本体部側面97に沿った破線である。
【0012】
図1、
図2、
図4、
図5には導電部材90の第一例を示した。導電部材90の第一例は、例えば第一電極20側の導電層31と、導電層31よりもz方向正側の導電層32を備えている。後退部80は、導電層32の側面すなわち本体部91の側面である本体部側面97と延伸部92のサブマウント50に対向する延伸部表面96とを含んだ部分である。導電部材90の後退部80は、半導体構造部2のx方向の両方の端面側すなわち前端面101側及び後端面102側に、延伸部92における半導体基板1と反対側の表面である延伸部表面96と延伸部表面96に連結された本体部91の本体部側面97とを含むように形成されている。後退部80のx方向の長さは、延伸部92の長さである延伸長Lxと同じである。前端面101側の後退部80のx方向の長さは破線13aから破線13bまでの長さであり、後端面102側の後退部80のx方向の長さは破線13cから破線13dまでの長さである。後退部80のz方向の高さは、導電層31の表面である延伸部表面96と導電層32の表面との段差高さΔdと同じであり、本体部91のz方向の高さである本体部高さd1と延伸部92のz方向の高さである延伸部高さd2との差と同じである。なお、後退部80のz方向の高さは、後退部80のz方向の深さということもできる。
【0013】
導電部材90の第一例は、x方向の互いに対向する2つの側面における表面電極側で、かつx方向及び半導体基板1に垂直なz方向に垂直なy方向の本体部側面97が、x方向で反対側の半導体構造部2の端面側(前端面101側、後端面102側)に後退している。また、導電部材90の第一例は、本体部91と、本体部91のx方向の互いに対向する2つの側面における表面電極側にx方向に延伸した延伸部92と、を備えている。導電部材90の第一例は、出射端面である前端面101及び他の端面である後端面102からx方向の反対の端面側に後退した後退部80が形成されており、後退部80は、延伸部92における半導体基板1と反対側の表面である延伸部表面96と延伸部表面96に連結された本体部91の側面(本体部側面97)とを含んでいる。導電部材90の第一例に形成された後退部80は、導電部材90のy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している。
【0014】
導電部材90は例えばめっき層であり、導電層31、32はめっき層である。導電部材90の第一例は、例えば2段めっき方法により形成することが可能である。半導体基板1に半導体構造部2が形成され、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に第一電極20、半導体基板1の半導体構造部2と反対側の裏面に第二電極22がメタルスパッタ工程により形成されている。第一電極20の表面に1回目のめっき工程により導電層31を形成する。その後、後退部80が形成される部分がレジストで覆われるレジストパターンを形成する。レジストパターンの開口部から露出した導電層31の表面に2回目のめっき工程により導電層32を形成する。この複数回のめっき工程を行う方法は、後退部80をエッチング処理により形成する場合に比べて容易に製造が可能で、量産性を向上することができる。なお、1回目のめっき工程を実行する際は前端面101、後端面102の劈開による形成が容易になるように、劈開する部分にめっきが形成されないようレジストで覆っておくことが望ましい。
【0015】
導電部材90の後退部80をエッチング処理により形成することもできる。第一電極20の表面にめっき工程により厚さが本体部高さd1である導電層31を形成する。後退部80を形成する部分が開口したレジストパターンを形成し、本体部91の表面から延伸部92の延伸部表面96までの高さがΔdになるまで導電層31をエッチング処理することで導電部材90を形成することができる。エッチング処理にて形成された後退部80は、導電層31に形成された凹部或いはエッチング凹部ということもできる。
【0016】
実施の形態1の半導体レーザ100の第一例は導電部材90の前端面101側及び後端面102側の側面の少なくとも一部が前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
図1では、本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部側面97に接合している例を示した。また
図6には、本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部側面97及び延伸部92の延伸部表面96に接合している例を示した。
図6の場合でも、本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収できている。
【0017】
本体部91からx方向にはみだす接合部材40を後退部80にて吸収する場合には、後退部80の容積は導電部材90の本体部91からx方向にはみだす接合部材40を吸収できる容積であることが望ましい。後退部80の容積は、段差高さΔd、延伸部92のx方向の延伸長Lx、y方向の延伸長Lyで決定されるので、導電部材90の段差高さΔd、延伸長Lx、延伸長Lyは、半導体レーザ装置200に用いる接合部材40の量に合わせて設計されている。例えば、本体部91からx方向にはみだす接合部材40である接合部材40aのz方向の高さよりも段差高さΔd又は本体部高さd1を高くすることで、
図7に示す半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200のように一方の端面側にのみ後退部80が形成された導電部材90を用いることもできる。
【0018】
図7に示した半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例における導電部材90の第二例は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面の一部すなわち前端面101側の一部が、半導体構造部2における出射端面である前端面101よりも前端面101に対向する他の端面側である後端面102側に形成されており、出射端面である前端面101から後端面102側に導電部材90の少なくとも一部が後退した後退部80が形成されている。
図7では、前端面101側において本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部側面97に接合しており、後端面102側において本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部91のサブマウント50側の導電層32の側面に接合している例を示した。半導体レーザ100の第二例は、導電部材90の前端面101側の側面の少なくとも一部が前端面101からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されており、後退部80の深さすなわち段差高さΔdが本体部91からx方向にはみだす接合部材40である接合部材40aのz方向の高さよりも高いので、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40aが後退部80で吸収できる。更に、半導体レーザ100の第二例は、はみ出した接合部材40aのz方向の高さを本体部高さd1よりも低くできるので、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。なお、導電部材90のx方向の互いに対向する2つの側面において、接合部材40は半導体レーザ100の表面電極である第一電極20と導電部材90との境界よりもサブマウント50側にて接合していてもよい。この場合でも、本体部91からx方向にはみだす接合部材40である接合部材40aは、表面電極である第一電極20と導電部材90との境界よりもサブマウント50側になっているので、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0019】
導電部材90の第二例は、出射端面側(前端面101側)の側面における表面電極側で、かつx方向及び半導体基板1に垂直なz方向に垂直なy方向の本体部側面97が、x方向の他の端面側(後端面102側)に後退している。また、導電部材90の第二例は、本体部91と、本体部91の出射端面側(前端面101側)の側面における表面電極側にx方向に延伸した延伸部92と、を備えている。導電部材90の第二例は、出射端面である前端面101からx方向の他の端面側(後端面102側)に後退した後退部80が形成されており、後退部80は、延伸部92における半導体基板1と反対側の表面である延伸部表面96と延伸部表面96に連結された本体部91の側面(本体部側面97)とを含んでいる。導電部材90の第二例に形成された後退部80は、導電部材90のy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している。
【0020】
導電部材90は、1段の段差を有する後退部80を備える例に限らず、2段以上の段差を有する後退部80を備えていてもよい。
図8に、2段の段差を有する後退部80が形成された導電部材90を備えた半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例を示した。導電部材90の第三例は、例えば導電層31、32、33を備えている。導電層31は第一電極20側の層であり、導電層32はz方向正側の最表面を構成する層であり、導電層33は導電層31と導電層32との間に配置された層である。
【0021】
導電部材90の第三例は、導電部材90の第一例と同様に、破線13bと破線13cとの間が本体部91であり、破線13aと破線13bとの間及び破線13cと破線13dとの間が延伸部92であり、かつ後退部80である。後退部80は、導電層32の側面すなわち本体部91の側面である本体部側面97と、延伸部92のサブマウント50に対向する延伸部表面96a、96bと、中間の導電層33の側面である延伸部側面99とを含んだ部分である。導電部材90の第三例の後退部80は、半導体構造部2のx方向の両方の端面側すなわち前端面101側及び後端面102側に、本体部91の本体部側面97と、本体部側面97から順次連結された延伸部表面96bと、延伸部側面99と、延伸部表面96aとを含むように形成されている。
【0022】
後退部80のx方向の長さは、延伸部92の長さである延伸長Lxと同じである。前端面101側の後退部80のx方向の長さは破線13aから破線13bまでの長さであり、後端面102側の後退部80のx方向の長さは破線13cから破線13dまでの長さである。x方向正側の延伸長Lxは、破線14aから破線13bまでの長さである延伸長Lx1と、破線13aから破線14aまでの長さである延伸長Lx2との合計の長さである。x方向負側の延伸長Lxは、破線14bから破線13cまでの長さである延伸長Lx1と、破線13dから破線14bまでの長さである延伸長Lx2との合計の長さである。破線13a、13dは延伸部92における導電層31の延伸部側面98に沿った破線であり、破線14a、14bは延伸部92における導電層33の延伸部側面99に沿った破線であり、破線13b、13cは本体部91の本体部側面97に沿った破線である。
【0023】
後退部80のz方向の高さは、導電層31の表面である延伸部表面96aと導電層32の表面との段差高さΔdであり、導電層32の表面と導電層33の表面との段差高さΔd1と、導電層33の表面と導電層31の表面との段差高さΔd2との合計の高さである。本体部91のz方向の高さは本体部高さd1であり、延伸部92のz方向の高さは延伸部高さd2である。延伸部高さd2は、導電層31のz方向の高さである導電層高さd3aと、導電層33のz方向の高さである導電層高さd3bとの合計の高さである。後退部80のz方向の高さは、本体部91のz方向の高さである本体部高さd1と、延伸部92における第一電極20側の導電層31のz方向の高さである延伸部高さd3aとの差である。
【0024】
実施の形態1の半導体レーザ100の第三例は、半導体レーザ100の第一例と同様に、導電部材90の前端面101側及び後端面102側の側面の少なくとも一部が前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
図8では、本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部側面97に接合している例を示した。
【0025】
以上のように実施の形態1の半導体レーザ100は、半導体基板1と、半導体基板1の表面に形成された、出射端面(前端面101)から出射する光が生成される活性層10を含む半導体構造部2と、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に形成された表面電極(第一電極20)と、表面電極(第一電極20)の半導体基板1と反対側の表面に形成された導電部材90と、を備えている。導電部材90は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である出射端面側(前端面101側)の側面の一部(本体部側面97)が、半導体構造部2における出射端面(前端面101)よりもx方向の出射端面(前端面101)に対向する他の端面側(後端面102側)に形成されている。当該半導体レーザ100は、出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に導電部材90の少なくとも一部(本体部側面97)が後退した後退部80が形成されている。実施の形態1の半導体レーザ100は、この構成により、導電部材90の出射端面側(前端面101側)の側面の少なくとも一部(本体部側面97)が出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に光出射端面(前端面101)への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0026】
実施の形態1の半導体レーザ装置200は、半導体レーザ100と、半導体レーザ100を搭載するサブマウント50と、を備えており、半導体レーザ100の導電部材90がサブマウント50に接合部材40により接合されている。半導体レーザ100は、半導体基板1と、半導体基板1の表面に形成された、出射端面(前端面101)から出射する光が生成される活性層10を含む半導体構造部2と、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に形成された表面電極(第一電極20)と、表面電極(第一電極20)の半導体基板1と反対側の表面に形成された導電部材90と、を備えている。導電部材90は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である出射端面側(前端面101側)の一部(本体部側面97)が、半導体構造部2における出射端面(前端面101)よりもx方向の出射端面(前端面101)に対向する他の端面側(後端面102側)に形成されている。当該半導体レーザ100は、出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に導電部材90の少なくとも一部(本体部側面97)が後退した後退部80が形成されている。導電部材90のx方向の互いに対向する2つの側面において、接合部材40は半導体レーザ100の表面電極(第一電極20)と導電部材90との境界よりもサブマウント50側にて接合している。実施の形態1の半導体レーザ装置200は、この構成により、導電部材90の出射端面側(前端面101側)の側面の少なくとも一部(本体部側面97)が出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に光出射端面(前端面101)への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0027】
実施の形態2.
図10は実施の形態2に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置を示す断面図であり、
図11は実施の形態2に係る半導体レーザの斜視図である。
図12は
図11の導電部材の表面図であり、
図13は
図11の導電部材の第一例の要部を示す断面図である。
図14は
図11の導電部材の第二例の要部を示す断面図であり、
図15は
図11の導電部材の第三例の要部を示す断面図である。
図16、
図17は、それぞれ実施の形態2に係る導電部材の第一例の形成方法を説明する図である。
図18、
図19は、それぞれ実施の形態2に係る導電部材の第一例の他の形成方法を説明する図である。
図20、
図21は、それぞれ実施の形態2に係る導電部材の第二例及び第三例の形成方法を説明する図である。
図22は実施の形態2に係る導電部材の第二例の形成方法を説明する図であり、
図23は実施の形態2に係る導電部材の第三例の形成方法を説明する図である。
図24は実施の形態2に係る導電部材の第四例を示す表面図であり、
図25は実施の形態2に係る導電部材の第五例を示す表面図である。
図26は、実施の形態2に係る導電部材の第六例を示す表面図である。実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90が溝60を備えている点で、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる。なお、
図11では、溝60が明確に分かるように導電層32のパターンを省略している。実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。
【0028】
導電部材90は、本体部91における半導体基板1と反対側の表面にy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝60又はy方向の側面に連結された溝60を備えている。導電部材90の第一例は、y方向に延伸した溝60が2つあり、溝60のz方向の深さである溝深さΔgが後退部80の段差高さΔdと同じである例である。導電部材90の第二例は、y方向に延伸した溝60が2つあり、溝60の溝深さΔgが後退部80の段差高さΔdよりも大きい例である。導電部材90の第三例は、y方向に延伸した溝60が2つあり、溝60の溝深さΔgが後退部80の段差高さΔdよりも小さい例である。導電部材90の第二例及び第三例は、溝60の溝深さΔgが後退部80の段差高さΔdと異なっている例である。溝60は、破線15aと破線15bとの間、破線15cと破線15dとの間に形成されている。2つの溝60のx方向の幅である溝幅Lgは、例えば同じである。y方向の側面に連結された溝60を備えた導電部材90は、第六例として
図26に示した。
【0029】
導電部材90は、前端面101側及び後端面102側に後退部80を備え、さらに本体部91に溝60を備えているので、ジャンクションダウン実装する際に、溝60周辺の接合部材40が溝60に吸収でき、本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収できる。このため、実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様に、ジャンクションダウン実装する際に前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
図10では、本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが本体部側面97に接合しており、接合部材40の一部である接合部材40bが溝60のx方向の側面に接合している例を示した。
【0030】
実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、溝60が接合部材40を吸収できるので、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりも後退部80側への接合部材40のはみ出しが少なくでき、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりも前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を高めることができる。実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90が溝60を備えているので、導電部材90のサブマウント50側の表面積を実施の形態1の導電部材90よりも大きくできるので、すなわち溝60のx方向の側面の表面積分だけ実施の形態1の導電部材90よりも大きくできるので、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりもサブマウント50への放熱性を向上させることができる。
【0031】
導電部材90は例えばめっき層であり、導電層31、32はめっき層である。導電部材90の第一例は、例えば2段めっき方法により形成することが可能である。半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に第一電極20、半導体基板1の半導体構造部2と反対側の裏面に第二電極22がメタルスパッタ工程により形成されている。第一電極20の表面に1回目のめっき工程により導電層31を形成する。その後、
図16に示すように、後退部80及び溝60を形成する部分がレジストで覆われるレジストパターン41を形成する。破線13aと破線13bとの間、破線13cと破線13dとの間に示した部分は後退部80が形成される部分であり、破線15aと破線15bとの間、破線15cと破線15dとの間に示した部分は溝60が形成される部分である。レジストパターン41の開口部から露出した導電層31の表面に2回目のめっき工程により導電層32を形成する。レジストパターン41を除去することで、
図17に示すように後退部80及び溝60を備えた導電部材90が形成される。
【0032】
導電部材90における溝60の溝深さΔg及び後退部80の段差高さΔdは、使用する接合部材40の量によって調整することができる。使用する接合部材40の量が多い場合における、溝60の溝深さΔg及び後退部80の段差高さΔdは、使用する接合部材40の量が少ない場合よりも大きい方が、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を高めることができる。溝60の溝深さΔg及び後退部80の段差高さΔdは、レジストパターン41のz方向の厚さに応じた高さにすることができる。例えば、レジストパターン41のz方向の厚さを厚くすれば、溝60の溝深さΔg及び後退部80の段差高さΔdは大きくなり、レジストパターン41のz方向の厚さを薄くすれば、溝60の溝深さΔg及び後退部80の段差高さΔdは小さくなる。この複数回のめっき工程を行う方法は、後退部80及び溝60をエッチング処理により形成する場合に比べて容易に製造が可能で、量産性を向上することができる。なお、1回目のめっき工程を実行する際は前端面101、後端面102を劈開での形成を容易にするため、劈開する部分にめっきが形成されないようレジストで覆っておくことが望ましい。
【0033】
導電部材90の後退部80をエッチング処理により形成することもできる。
図18、
図19にエッチング処理を用いて導電部材90の第一例を形成する方法を示した。第一電極20の表面にめっき工程により厚さが本体部高さd1である導電層31を形成する。導電層31のz方向の高さは、本体部91の本体部高さd1と同じなので、
図16、
図17で示した2段めっき方法よりも厚く形成する。第一電極20の表面にめっき工程により厚さが本体部高さd1の導電層31を形成する。
図18に示すように、後退部80及び溝60を形成する部分が開口したレジストパターン41を形成する。破線13aと破線13bとの間、破線13cと破線13dとの間に示した開口部分は後退部80が形成される部分であり、破線15aと破線15bとの間、破線15cと破線15dとの間に示した開口部分は溝60が形成される部分である。その後、本体部91の表面から延伸部92の延伸部表面96までの高さがΔdになり、本体部91の表面から溝60の底面61までの深さがΔdと同じであるΔgになるまで導電層31をエッチング処理する。エッチング処理後にレジストパターン41を除去することで、
図19に示すように後退部80及び溝60を備えた導電部材90が形成される。エッチング処理にて形成された後退部80及び溝60は、導電層31に形成された凹部或いはエッチング凹部ということもできる。
【0034】
また、2段めっき方法とエッチング処理とを組み合わせることで、後退部80の段差高さΔdと異なる大きさの溝深さΔgを有する導電部材90を形成することができる。
図20に示すように、第一電極20の表面に1回目のめっき工程により形成された導電層31の表面に、後退部80を形成する部分がレジストで覆われるレジストパターン41を形成する。レジストパターンの開口部から露出した導電層31の表面に2回目のめっき工程により導電層32を形成し、レジストパターン41を除去することで、後退部80のみが形成された導電部材90を形成する。これは実施の形態1の導電部材90を2段めっき方法で形成する場合と同じである。その後、
図21に示すように、溝60を形成する部分が開口したレジストパターン42を形成する。破線15aと破線15bとの間、破線15cと破線15dとの間に示した開口部分は溝60が形成される部分である。その後、本体部91の表面から溝60の底面61までの深さがΔgになるまで導電層32をエッチング処理し、又は導電層32及び導電層31をエッチング処理する。エッチング処理後にレジストパターン41を除去することで、
図22又は
図23に示すように後退部80及び溝60を備えた導電部材90が形成される。
【0035】
図22に示した導電部材90は、導電層32及び導電層31をエッチング処理した導電部材の第二例である。導電部材90の第二例におけるエッチング処理にて形成された溝60は、導電層31及び導電層32に形成された凹部或いはエッチング凹部ということもできる。
図23に示した導電部材90は、導電層32をエッチング処理した導電部材の第三例である。導電部材90の第三例におけるエッチング処理にて形成された溝60は、導電層32に形成された凹部或いはエッチング凹部ということもできる。2段めっき方法とエッチング処理とを組み合わせることで、使用する接合部材40の量によって後退部80の段差高さΔdと溝60の溝深さΔgとを独立して調整することができる。
【0036】
図10〜
図23では後退部80が1段である例を示したが、実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、
図8に示した2段以上になっている後退部80を備えていてもよく、
図7に示したように一方の端面側にのみ後退部80が形成されていてもよい。すなわち、
図8に示した実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例に溝60を備えた導電部材90を適用してもよく、
図7に示した実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例に溝60を備えた導電部材90を適用してもよい。これらの半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、それぞれ溝60による接合部材40の吸収作用により、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例又は実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例の前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を向上させることができ、溝60による導電部材90におけるサブマウント50側の表面積の増大に伴って放熱性を向上させることができる。
【0037】
導電部材90の溝60の数は2つに限らない。導電部材90の溝60の数は3つ以上でもよい。溝60の数が多いほど、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果及び放熱性の向上効果を高めることができる。
図24に、3つの溝60を備えた導電部材90の第四例を示した。また、溝60はx方向に垂直なy方向に延伸した場合に限らず、
図25のようにy方向から傾いた方向に延伸していてもよい。
図25では、2つの溝60が本体部91のy方向の互いに対向する2つの側面を、y方向から傾いて貫通している例を示した。導電部材90の溝60は、本体部91におけるy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している例に限らず、
図26に示すように貫通することなくy方向の側面に連結された溝でもよい。
図26には、本体部91のy方向の側面に、y方向正側に活性層10周辺まで延伸した4つの溝60と、y方向負側に活性層10周辺まで延伸した4つの溝60を備えた導電部材90の第六例を示した。また、導電部材90の第六例は、後退部80に隣接している溝60と後退部80とが接続溝62にて接続されている例を示した。y方向正側に活性層10周辺まで延伸した4つの溝60は、
図26の紙面下側の本体部91の側面に形成されており、y方向負側に活性層10周辺まで延伸した4つの溝60は、
図26の紙面上側の本体部91の側面に形成されている。なお、y方向の側面に連結された溝60は、活性層10を超えてy方向の一方の側面からy方向の他方の側面側に延伸していてもよい。導電部材90の第六例のように互いに対向するy方向の本体部91の側面に貫通していない溝60であっても、この溝60及び後退部80を備えた実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を向上させることができ、溝60による導電部材90におけるサブマウント50側の表面積の増大に伴って放熱性を向上させることができる。
【0038】
実施の形態3.
図27は実施の形態3に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置を示す断面図であり、
図28は実施の形態3に係る半導体レーザの斜視図である。
図29は、
図28の半導体レーザの表面図である。
図30は
図28の導電部材の第一例の要部を示す断面図であり、
図31は
図28の導電部材の第二例の要部を示す断面図である。実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90の後退部80に接合部材40の付着を阻害する付着阻害部材72が形成されている点で、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる。実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。付着阻害部材72は、例えばレジスト70、SiOx等のシリコン酸化膜、SiNx等のシリコン窒化膜等の絶縁膜71等である。
図30に付着阻害部材72がレジスト70である例を示し、
図31に付着阻害部材72が絶縁膜71である例を示した。付着阻害部材72は、破線13aから破線13bの後退部80の延伸部表面96及び本体部側面97を覆っており、破線13cから破線13dの後退部80の延伸部表面96及び本体部側面97を覆っている。付着阻害部材72における、破線16aから破線13bまでの部分及び破線16bから破線13cまでの部分が、後退部80における本体部側面97を覆う部分である。
【0039】
実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90の後退部80に接合部材40の付着を阻害する付着阻害部材72が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80から延伸部92の延伸部側面98への這い上がりを防止することができる。このため、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。実施の形態3の半導体レーザ装置200は、付着阻害部材72が形成された導電部材90の後退部80におけるx方向の側面すなわち本体部側面97に接合部材が接続されていない。ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した半田材等の接合部材40は、後退部80に付着阻害部材72が形成されていない場合に比べて、導電部材90のy方向の側面に接合される量が多くなる。
【0040】
実施の形態3の半導体レーザ100は、実施の形態1の半導体レーザ100の導電部材90が形成された後に、後退部80に付着阻害部材72を形成する。付着阻害部材72がレジスト70の場合は、付着阻害部材が形成されていない半導体レーザ100にスピンコーターによりレジスト70を塗布する。その後、露光及び現像処理によりレジスト70をパターニングし、UVキュア等の硬化処理を行うことで、後退部80にレジスト70の付着阻害部材72を備えた実施の形態3の半導体レーザ100を製造することができる。レジスト70はポジ型でもネガ型でもよい。付着阻害部材72が絶縁膜71の場合は、付着阻害部材72が形成されていない半導体レーザ100に絶縁膜生成装置により絶縁膜71を形成する。その後、絶縁膜71を残す部分以外が開口されたレジストパターンを形成し、露出している絶縁膜71をエッチング処理することで、後退部80に絶縁膜71の付着阻害部材72を備えた実施の形態3の半導体レーザ100を製造することができる。
【0041】
実施の形態4.
図32は実施の形態4に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置を示す断面図であり、
図33は実施の形態4に係る半導体レーザの斜視図である。
図34は、
図33の半導体レーザの表面図である。実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90が溝60を備えている点で、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる。実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。
図32では、溝60が明確に分かるように導電層32のパターンを省略しており、付着阻害部材72が明確に分かるように付着阻害部材72にパターンを付している。
【0042】
導電部材90は、本体部91における半導体基板1と反対側の表面にy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝60又はy方向の側面に連結された溝60を備えている。実施の形態4の導電部材90における溝60は、実施の形態2で説明した導電部材90の第一例〜第六例における溝60を用いることができる。
図32〜
図34では、実施の形態2で説明した導電部材90の第一例における溝60を備えている例を示した。溝60及び後退部80を備えた導電部材90の形成方法は実施の形態2で説明した通りである。溝60及び後退部80を備えた導電部材90を形成した後に、実施の形態3で説明した付着阻害部材72を後退部80に形成する。
図34は、
図29に2つの溝60が追加された図になっている。溝60が形成されている部分は、破線15aと破線15bとの間、破線15cと破線15dとの間に示した部分である。
【0043】
導電部材90は、前端面101側及び後端面102側に付着阻害部材72が形成された後退部80を備え、さらに本体部91に溝60を備えているので、ジャンクションダウン実装する際に、溝60周辺の接合部材40が溝60に吸収でき、付着阻害部材72により本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80から延伸部92の延伸部側面98への這い上がりを防止することができる。このため、実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様に、ジャンクションダウン実装する際に前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
図32では、接合部材40の一部である接合部材40bが溝60のx方向の側面に接合している例を示した。
【0044】
実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、溝60が接合部材40を吸収できるので、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりも後退部80側への接合部材40のはみ出しが少なくでき、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりも前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を高めることができる。実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90が溝60を備えているので、導電部材90のサブマウント50側の表面積を実施の形態3の導電部材90よりも大きくできるので、すなわち溝60のx方向の側面の表面積分だけ実施の形態3の導電部材90よりも大きくできるので、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200よりもサブマウント50への放熱性を向上させることができる。
【0045】
導電部材90の後退部80の構造は、実施の形態1で説明した半導体レーザ100の第二例における後退部80の構造(
図7参照)、半導体レーザ100の第三例における後退部80の構造(
図8参照)を用いてもよい。付着阻害部材72は、実施の形態3で説明したように、例えばレジスト70、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜71等である。
【0046】
実施の形態5.
図35は、実施の形態5に係る半導体レーザの斜視図である。
図36は実施の形態5に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置における後退部を切断した断面図であり、
図37は実施の形態5に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置における先端本体部を切断した断面図である。
図38は
図35の導電部材の第一例を示す表面図であり、
図39は
図35の導電部材の第二例を示す表面図である。
図40は
図35の導電部材の第三例を示す表面図であり、
図41は
図35の導電部材の第四例を示す表面図である。実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90における活性層10を包含する部分を除く、前端面101側及び後端面102側の少なくとも一方に後退部80が形成されている点で実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる。実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。
【0047】
半導体レーザ装置200の上面図は
図3と同じである。ただし、
図3に示した破断面12は
図35の破断面12bに相当する。破断面12aは、
図3において破断面12の下側に配置されることになる。
図36に示した半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の断面は、
図35に破断面12aで切断した断面である。
図37に示した半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の断面は、
図35に示した破断面12bで切断した断面である。
図35では、
図38に示した導電部材90の第一例を備えた半導体レーザ100を示した。導電部材90の第一例は、x方向の両方の側面における第一電極20側の一部すなわち前端面101側の一部及び後端面102側の一部が、それぞれ反対側の端面側に後退するように形成されており、半導体構造部2における前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に導電部材90の少なくとも一部が後退した後退部80が4つ形成されている。前端面101側に2つの後退部80が形成されており、後端面102側に2つの後退部80が形成されている。
【0048】
前端面101側のy方向における2つの後退部80の間に先端本体部85が形成されており、後端面102側のy方向における2つの後退部80の間に先端本体部85が形成されている。
図35には、先端本体部85のx方向の側面である先端本体部側面86と、先端本体部85のy方向の側面である先端本体部側面87も示した。実施の形態1で説明したように、後退部80は、導電部材90のx方向正側の先端及びx方向負側の先端においてz方向の厚さが薄くなった部分でもあり、導電部材90のz方向の厚さが薄くなった部分は、本体部91から延伸した延伸部92でもある。破線13bと破線13cとの間の部分が、本体部91である。破線13aと破線13bとの間及び破線13cと破線13dとの間で先端本体部85を除いた部分が、延伸部92であり、かつ後退部80である。破線13a、13dは延伸部92の延伸部側面98及び先端本体部85の先端本体部側面86に沿った破線であり、破線13b、13cは本体部91の本体部側面97に沿った破線である。破線17aは前端面101側の先端本体部85におけるy方向正側の先端本体部側面87に沿った破線であり、破線17bは前端面101側の先端本体部85におけるy方向負側の先端本体部側面87に沿った破線である。破線17cは後端面102側の先端本体部85におけるy方向正側の先端本体部側面87に沿った破線であり、破線17dは後端面102側の先端本体部85におけるy方向負側の先端本体部側面87に沿った破線である。なお、本体部91と先端本体部85を区別しているが、先端本体部85もz方向の厚さが本体部91と同じであり、先端本体部85は本体部91の一部ということもできる。実施の形態5の半導体レーザ100は、導電部材90の延伸部92よりもz方向の厚さが厚い本体部(先端本体部85を含む本体部91)が活性層10を包含するように、すなわち活性層10の半導体基板1と反対の表面側を包含するように形成されている。
【0049】
前端面101側でy方向負側に形成された後退部80及び後端面102側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、前端面101側でy方向負側に形成された延伸部92及び後端面102側でy方向負側に形成された延伸部92のy方向の長さである延伸長Ly1と同じである。前端面101側でy方向正側に形成された後退部80及び後端面102側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、前端面101側でy方向正側に形成された延伸部92及び後端面102側でy方向正側に形成された延伸部92のy方向の長さである延伸長Ly2と同じである。前端面101側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17bから本体部91のy方向負側の側面までの長さであり、後端面102側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17dから本体部91のy方向負側の側面までの長さである。前端面101側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17aから本体部91のy方向正側の側面までの長さであり、後端面102側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17cから本体部91のy方向正側の側面までの長さである。
【0050】
前端面101側に形成された2つの後退部80のx方向の長さは、前端面101側に形成された先端本体部85のx方向の長さである先端本体部長Ld1と同じである。先端本体部長Ld1は、前端面101側に形成された2つの延伸部92の長さでもある。後端面102側に形成された2つの後退部80のx方向の長さは、後端面102側に形成された先端本体部85のx方向の長さである先端本体部長Ld2と同じである。先端本体部長Ld2は、後端面102側に形成された2つの延伸部92の長さでもある。前端面101側に形成された2つの後退部80及び先端本体部85のx方向の長さは、破線13aから破線13bまでの長さである。後端面102側に形成された2つの後退部80及び先端本体部85のx方向の長さは、破線13cから破線13dまでの長さである。後退部80のy方向の長さLy1、Ly2は、同じ長さでも異なっていてもよい。後退部80及び先端本体部85のx方向の長さLd1、Ld2は、同じ長さでも異なっていてもよい。
【0051】
導電部材90の第一例は、x方向の互いに対向する2つの側面における表面電極側で、かつx方向及び半導体基板1に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部である本体部側面97が、x方向で反対側の半導体構造部2の端面側(前端面101側、後端面102側)に後退している。また、導電部材90の第一例は、本体部91と、本体部91のx方向の互いに対向する2つの側面における表面電極側でかつy方向の少なくとも一部にx方向に延伸した延伸部92と、を備えている。導電部材90の第一例は、出射端面である前端面101及び他の端面である後端面102からx方向の反対の端面側に後退した後退部80が形成されており、後退部80は、延伸部92における半導体基板1と反対側の表面である延伸部表面96と延伸部表面96に連結された本体部91の側面(本体部側面97、先端本体部側面87)とを含んでいる。導電部材90の第一例に形成された後退部80は、導電部材90のy方向の互いに対向する2つの側面を貫通していない。
【0052】
導電部材90の第一例を備えた実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、前端面101側及び後端面102側に導電部材90における活性層10を包含する先端本体部85を備えている点で実施の形態1の半導体レーザ100の第一例と異なっており、他の構造は実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例と同様である。このため、導電部材90の第一例を備えた実施の形態5の半導体レーザ100は、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例と同様の効果を奏する。導電部材90の第一例における前端面101側及び後端面102側の側面の少なくとも一部が前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
図36、
図37では、本体部91からはみ出した接合部材40である接合部材40aが後退部80の本体部側面97に接合しており、先端本体部85のx方向の側面である先端本体部側面86に接合部材40が接合していない例を示した。
【0053】
導電部材90は例えばめっき層であり、導電層31、32はめっき層である。導電部材90の第一例は、実施の形態1で説明したように例えば2段めっき方法により形成することが可能である。この複数回のめっき工程を行う方法は、後退部80をエッチング処理により形成する場合に比べて容易に製造が可能で、量産性を向上することができる。また、導電部材90の後退部80をエッチング処理により形成することもできる。
【0054】
図38に示した導電部材90の第一例は、前端面101側及び後端面102側に合計4個の後退部80が形成されている例を示したが、後退部80の数は4個に限定されない。
図39に示した導電部材90の第二例は、前端面101側に1個の後退部が形成された例である。
図40に示した導電部材90の第三例は、前端面101側に2個の後退部80が形成された例である。
図41に示した導電部材90の第四例は、前端面101側に2個の後退部80が形成され、後端面102側に1個の後退部80が形成された例である。導電部材90の第二例及び第三例は、
図7に示した実施の形態1の導電部材90の第二例と同様に、一方の端面側にのみ後退部80が形成されている例である。
【0055】
図39において先端本体部85は、破線13aからは破線13bまでのx方向の範囲で、破線17bから本体部91のy方向正側の側面までのy方向の範囲である。
図40において先端本体部85は、
図38のx方向正側の先端本体部85と同じである。
図41においてx方向正側の先端本体部85は、
図38のx方向正側の先端本体部85と同じである。
図41においてx方向負側の先端本体部85は、破線13cからは破線13dまでのx方向の範囲で、破線17dから本体部91のy方向正側の側面までのy方向の範囲である。
【0056】
導電部材90の第二例及び第三例を備えた実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、
図7に示した実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例と同様の効果を奏する。導電部材90の第四例を備えた実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例と同様の効果を奏する。
【0057】
図35〜
図41では後退部80が1段である例を示したが、実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、
図8に示した2段以上になっている後退部80を備えていてもよい。また、実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90に実施の形態2で示した溝60が形成されてもよく、後退部80に実施の形態3で示した付着阻害部材72が形成されていてもよい。
【0058】
実施の形態6.
図42は実施の形態6に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第一例を示す断面図であり、
図43は実施の形態6に係る半導体レーザの第一例の斜視図である。
図44は、実施の形態6に係る半導体レーザの第一例を示す表面図である。
図45、
図46は、それぞれ実施の形態6に係る導電部材の第一例の形成方法を説明する図である。
図47は実施の形態6に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第二例を示す断面図であり、
図48は実施の形態6に係る半導体レーザの第二例を示す表面図である。
図49は実施の形態6に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第三例を示す断面図であり、
図50は実施の形態6に係る半導体レーザの第三例を示す表面図である。
図51は、実施の形態6に係る半導体レーザの第四例を示す表面図である。
図52は実施の形態6に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第四例における後退部を切断した断面図であり、
図53は実施の形態6に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置の第四例における先端本体部を切断した断面図である。実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90に後退部80が形成されておらず、導電部材90のx方向の一方の側面である前端面101側の側面の一部又は全部が半導体構造部2の前端面101からx方向の他の端面側である後端面102側に後退した後退部80が形成されている点で、実施の形態1から5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる。実施の形態1〜5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。
【0059】
図42〜
図46を用いて、実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例を説明する。実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例は、導電部材90のx方向の2つの側面における全部が半導体構造部2の前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されている例である。実施の形態6の第一例の導電部材90は、延伸部92を備えておらず、本体部91のみで形成された構造である。
図44に示した半導体レーザ100の表面図のように、第一電極20のx方向の両端側が露出している。破線18aから破線18bまでの範囲及び破線18cから破線18dまでの範囲は、第一電極20が露出した第一電極露出部21である。破線18bは導電部材90のx方向正側の側面が反対の側面側に後退した境界すなわち本体部側面97に沿った破線であり、破線18cは導電部材90のx方向負側の側面が反対の側面側に後退した境界すなわち本体部側面97に沿った破線である。したがって、破線18aから破線18bまでの範囲及び破線18cから破線18dまでの範囲は、後退部80である。
図44には、半導体レーザ100のx方向の長さであるレーザ長Lr、導電部材90のx方向の長さである導電部材長Lc、導電部材90のy方向の長さと等しい後退部80のy方向の長さである後退部長Lsも示した。
【0060】
実施の形態6の導電部材90の第一例は、導電部材長Lcが半導体レーザ100の共振器方向の長さすなわちレーザ長Lrより短くなっており、実施の形態6の半導体レーザ100の第一例は半導体構造部2の前端面101側及び後端面102側に後退部80が形成されているので、実施の形態1の半導体レーザ100と同様に、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0061】
導電部材90は例えばめっき層であり、導電層31はめっき層である。導電部材90の第一例は、例えばめっき方法により形成することが可能である。半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に第一電極20、半導体基板1の半導体構造部2と反対側の裏面に第二電極22がメタルスパッタ工程により形成されている。
図45に示すように、後退部80を形成する部分がレジストで覆われるレジストパターン41を第一電極20の表面に形成する。破線18aと破線18bとの間、破線18cと破線18dとの間に示した部分は後退部80が形成される部分である。レジストパターン41の開口部から露出した第一電極20の表面にめっき工程により導電層31を形成する。レジストパターン41を除去することで、
図46に示すように後退部80に隣接した導電部材90が第一電極20の表面に形成される。実施の形態6の導電部材90の第一例は、実施の形態1の導電部材90の第一例における2段めっき方法に比べて、めっき工程を減らすことができ、容易に製造が可能で、量産性を向上することができる。
【0062】
実施の形態6の導電部材90の第一例は、x方向の互いに対向する2つの側面における全部である本体部側面97が、x方向で反対側の半導体構造部2の端面側(前端面101側、後端面102側)に後退している例である。実施の形態6の導電部材90は、実施の形態2で説明した溝60を備えていてもよく、実施の形態5で説明した先端本体部85を備えていてもよく、実施の形態3で説明した付着阻害部材72が導電部材90の本体部側面97を含む後退部80を覆っていてもよい。
図47、
図48に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例は、導電部材90が溝60を備えている例である。
図49、
図50に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例は、付着阻害部材72が後退部80を覆っている例である。
図51、
図52、
図53に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第四例は、導電部材90が先端本体部85を備えている例である。
【0063】
図47、
図48に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例は、導電部材90がy方向の互いに対向する2つの側面を貫通している溝60を備えている。前述した実施の形態6の導電部材90の第一例と同様に、後退部80と溝60を1回のめっき工程で形成する例である。
図47、
図48では、溝60の底面が第一電極20の第一電極露出部21になっている。溝60は、破線15aから破線15bまでの範囲、破線15cから破線15dまでの範囲である。なお、実施の形態2で説明したように、エッチング処理と組み合わせて、溝60の底面が導電層31の凹部の底面にしてよい。この場合、溝60において第一電極20は露出されない。また、
図24、
図25に示したように、溝60の数は3つ以上であってもよく、溝60がy方向から傾いた方向に延伸していてもよい。また、
図26に示したように、溝60は導電部材90のy方向の互いに対向する2つの側面を貫通しておらず、y方向の一方の側面からy方向の他方の側面側に延伸している溝でもよい。実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例は、導電部材90が溝60を備えているので、実施の形態2の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様の効果を奏する。
【0064】
図49、
図50に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例は、付着阻害部材72が後退部80を覆っている。付着阻害部材72は、破線18aから破線18bの後退部80の第一電極露出部21及び本体部側面97を覆っており、破線18cから破線18dの後退部80の第一電極露出部21及び本体部側面97を覆っている。付着阻害部材72における、破線16aから破線18bまでの部分及び破線16bから破線18cまでの部分が、後退部80における本体部側面97を覆う部分である。実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様に、実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、第三例と第二例とを組み合わせてもよい。実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第三例は、付着阻害部材72が後退部80を覆っているので、実施の形態3の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様の効果を奏する。
【0065】
図51〜
図53に示した実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第四例は、前端面101側のy方向における2つの後退部80の間に先端本体部85が形成されており、後端面102側のy方向における2つの後退部80の間に先端本体部85が形成されている。破線18bと破線18cとの間の部分が、本体部91である。破線18aと破線18bとの間及び破線18cと破線18dとの間で先端本体部85を除いた部分が、後退部80である。破線18a、18dは第一電極20のx方向の側面及び先端本体部85の側面に沿った破線であり、破線18b、18cは本体部91の本体部側面97に沿った破線である。なお、本体部91と先端本体部85を区別しているが、先端本体部85もz方向の厚さが本体部91と同じであり、先端本体部85は本体部91の一部ということもできる。実施の形態6の半導体レーザ100の第四例は、導電部材90(先端本体部85を含む本体部91)が活性層10を包含するように、すなわち活性層10の半導体基板1と反対の表面側を包含するように形成されている。
【0066】
前端面101側でy方向負側に形成された後退部80及び後端面102側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、後退部長Ls1である。前端面101側でy方向正側に形成された後退部80及び後端面102側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、後退部長Ls2である。前端面101側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17bから本体部91のy方向負側の側面までの長さであり、後端面102側でy方向負側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17dから本体部91のy方向負側の側面までの長さである。前端面101側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17aから本体部91のy方向正側の側面までの長さであり、後端面102側でy方向正側に形成された後退部80のy方向の長さは、破線17cから本体部91のy方向正側の側面までの長さである。
【0067】
前端面101側に形成された2つの後退部80のx方向の長さは、前端面101側に形成された先端本体部85のx方向の長さである先端本体部長Ld1と同じである。先端本体部長Ld1は、前端面101側に形成された2つの後退部80の長さでもある。後端面102側に形成された2つの後退部80のx方向の長さは、後端面102側に形成された先端本体部85のx方向の長さである先端本体部長Ld2と同じである。先端本体部長Ld2は、後端面102側に形成された2つの後退部80の長さでもある。前端面101側に形成された2つの後退部80及び先端本体部85のx方向の長さは、破線18aから破線18bまでの長さである。後端面102側に形成された2つの後退部80及び先端本体部85のx方向の長さは、破線18cから破線18dまでの長さである。後退部80のy方向の長さLs1、Ls2は、同じ長さでも異なっていてもよい。後退部80及び先端本体部85のx方向の長さLd1、Ld2は、同じ長さでも異なっていてもよい。
【0068】
実施の形態6の導電部材90の第四例は、x方向の互いに対向する2つの側面における、x方向及び半導体基板1に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部である本体部側面97が、x方向で反対側の半導体構造部2の端面側(前端面101側、後端面102側)に後退している。実施の形態6の導電部材90の第四例を備えた半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、後退部80が導電部材90におけるy方向の互いに対向する2つの側面を貫通していない。
【0069】
図51に示した実施の形態6の導電部材90の第四例は、前端面101側及び後端面102側に合計4個の後退部80が形成されている例を示したが、後退部80の数は4個に限定されない。
図39〜
図41のように、後退部80が1個〜3個でもよい。
図39、
図40に示したように前端面101側のみに後退部80が形成されている例は、
図7に示した実施の形態1の導電部材90の第二例と同様に、一方の端面側にのみ後退部80が形成されている例である。一方の端面側にのみ後退部80が形成されている実施の形態6の導電部材90の第四例は、出射端面側(前端面101側)の側面における、x方向及び半導体基板1に垂直なz方向に垂直なy方向の少なくとも一部である本体部側面97が、x方向で反対側の半導体構造部2の端面側(後端面102側)に後退している。
【0070】
実施の形態6の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第四例は、導電部材90(先端本体部85を含む本体部91)が活性層10を包含するように、すなわち活性層10の半導体基板1と反対の表面側を包含するように形成されているので、実施の形態5の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と同様の効果を奏する。
【0071】
以上のように実施の形態6の半導体レーザ100は、半導体基板1と、半導体基板1の表面に形成された、出射端面(前端面101)から出射する光が生成される活性層10を含む半導体構造部2と、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に形成された表面電極(第一電極20)と、表面電極(第一電極20)の半導体基板1と反対側の表面に形成された導電部材90と、を備えている。導電部材90は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である出射端面側(前端面101側)の側面の一部又は全部(本体部側面97)が、半導体構造部2における出射端面(前端面101)よりもx方向の出射端面(前端面101)に対向する他の端面側(後端面102側)に形成されている。当該半導体レーザ100は、出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に導電部材90の少なくとも一部(本体部側面97)が後退した後退部80が形成されている。実施の形態6の半導体レーザ100は、この構成により、導電部材90の出射端面側(前端面101側)の側面の少なくとも一部(本体部側面97)が出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に光出射端面(前端面101)への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0072】
実施の形態6の半導体レーザ装置200は、半導体レーザ100と、半導体レーザ100を搭載するサブマウント50と、を備えており、半導体レーザ100の導電部材90がサブマウント50に接合部材40により接合されている。半導体レーザ100は、半導体基板1と、半導体基板1の表面に形成された、出射端面(前端面101)から出射する光が生成される活性層10を含む半導体構造部2と、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に形成された表面電極(第一電極20)と、表面電極(第一電極20)の半導体基板1と反対側の表面に形成された導電部材90と、を備えている。導電部材90は、活性層10が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である出射端面側(前端面101側)の一部又は全部(本体部側面97)が、半導体構造部2における出射端面(前端面101)よりもx方向の出射端面(前端面101)に対向する他の端面側(後端面102側)に形成されている。当該半導体レーザ100は、出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に導電部材90の少なくとも一部(本体部側面97)が後退した後退部80が形成されている。導電部材90のx方向の互いに対向する2つの側面において、接合部材40は半導体レーザ100の表面電極(第一電極20)と導電部材90との境界よりもサブマウント50側にて接合している。実施の形態6の半導体レーザ装置200は、この構成により、導電部材90の出射端面側(前端面101側)の側面の少なくとも一部(本体部側面97)が出射端面(前端面101)からx方向の他の端面側(後端面102側)に後退した後退部80が形成されているので、ジャンクションダウン実装する際に光出射端面(前端面101)への接合部材40の回り込みを防止することができる。
【0073】
実施の形態7.
実施の形態1〜実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200では、導電部材90の導電部材長Lcが半導体レーザ100の共振器方向の長さすなわちレーザ長Lrと同じ長さである例で説明したが、導電部材長Lcがレーザ長Lrより短くなっていてもよい。
図54は実施の形態7に係る半導体レーザ及び半導体レーザ装置を示す断面図であり、
図55は実施の形態7に係る半導体レーザの斜視図である。
図56は、
図55の半導体レーザの表面図である。
図54〜
図56では、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例における導電部材90の導電部材長Lcがレーザ長Lrより短くなっている例を示した。実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200と異なる部分を主に説明する。
【0074】
実施の形態7の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、導電部材90のx方向の2つの側面における全部が半導体構造部2の前端面101及び後端面102からx方向の他の端面側に後退した後退部80が形成されており、導電部材90にも後退部80が形成されている例である。
図56に示した半導体レーザ100の表面図のように、x方向の両端側に第一電極20の一部である第一電極露出部21が露出している。破線18aから破線18bまでの範囲及び破線18cから破線18dまでの範囲は、第一電極20が露出した第一電極露出部21である。破線18bから破線13bまでの範囲及び破線18cから破線13cまでの範囲は、導電部材90の延伸部92である。破線18bは導電部材90のx方向正側の側面が反対の側面側に後退した境界すなわち延伸部側面98に沿った破線であり、破線18cは導電部材90のx方向負側の側面が反対の側面側に後退した境界すなわち延伸部側面98に沿った破線である。破線13bは導電部材90のx方向正側の本体部91が反対の側面側に後退した境界すなわち本体部側面97に沿った破線であり、破線13cは導電部材90のx方向負側の本体部91が反対の側面側に後退した境界すなわち本体部側面97に沿った破線である。したがって、破線18aから破線13bまでの範囲及び破線13cから破線18dまでの範囲は、後退部80である。破線18bから破線13bまでの範囲及び破線13cから破線18cまでの範囲は、導電部材90に形成された後退部80である。
図56には、半導体レーザ100のx方向の長さであるレーザ長Lr、導電部材90のx方向の長さである導電部材長Lc、導電部材90のy方向の長さと等しい後退部80のy方向の長さである後退部長Lsも示した。
【0075】
実施の形態7の導電部材90は、半導体構造部2の前端面101側及び後端面102側に後退部80が形成されており、導電部材長Lcが半導体レーザ100の共振器方向の長さすなわちレーザ長Lrより短くなっている。このため、実施の形態7の半導体レーザ100は、半導体構造部2の前端面101側及び後端面102側に形成された後退部80の範囲を実施の形態1の半導体レーザ100の第一例よりも拡大することができる。したがって、実施の形態7の半導体レーザ100は、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で実施の形態1の半導体レーザ100の第一例よりも多く吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を実施の形態1の半導体レーザ100の第一例よりも高めることができる。
【0076】
導電部材90は例えばめっき層であり、導電層31、32はめっき層である。導電部材90は、例えば2段めっき方法により形成することが可能である。半導体基板1に半導体構造部2が形成され、半導体構造部2の半導体基板1と反対側の表面に第一電極20、半導体基板1の半導体構造部2と反対側の裏面に第二電極22がメタルスパッタ工程により形成されている。導電層31を形成する部分以外がレジストで覆われるレジストパターンを第一電極20の表面に形成する。破線18aと破線18bとの間、破線18cと破線18dとの間に示した部分は導電層31が形成されない部分であり、第一電極20が露出する第一電極露出部21になる部分である。レジストパターンの開口部から露出した第一電極20の表面に1回目のめっき工程により導電層31を形成する。その後、後退部80が形成される部分がレジストで覆われるレジストパターンを形成する。レジストパターンの開口部から露出した導電層31の表面に2回目のめっき工程により導電層32を形成する。この複数回のめっき工程を行う方法は、後退部80をエッチング処理により形成する場合に比べて容易に製造が可能で、量産性を向上することができる。なお、1回目のめっき工程を実行する際は前端面101、後端面102の劈開による形成が容易になるように、劈開する部分にめっきが形成されないようレジストで覆っておくことが望ましい。
【0077】
導電部材90における後退部80をエッチング処理により形成することもできる。導電層31を形成する部分以外がレジストで覆われるレジストパターンを第一電極20の表面に形成する。レジストパターンの開口部から露出した第一電極20の表面にめっき工程により厚さが本体部高さd1である導電層31を形成する。導電部材90における後退部80を形成する部分が開口したレジストパターンを形成する。すなわち、破線18bと破線13bとの間、破線18cと破線13cとの間が開口したレジストパターンを形成する。その後、本体部91の表面から延伸部92の延伸部表面96までの高さがΔdになるまで導電層31をエッチング処理することで導電部材90を形成することができる。
【0078】
図54〜
図56では、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第一例を変形した例を説明したが、導電部材長Lcがレーザ長Lrより短くなって導電部材90は、実施の形態1の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200の第二例、第三例にも適用でき、実施の形態2〜実施の形態4の半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200にも適用できる。導電部材長Lcがレーザ長Lrより短くなって導電部材90を適用することで、適用前の例よりも半導体構造部2の前端面101側及び後端面102側に形成された後退部80の範囲を拡大することができる。したがって、導電部材長Lcがレーザ長Lrより短くなって導電部材90を適用した半導体レーザ100及び半導体レーザ装置200は、ジャンクションダウン実装する際に本体部91からはみ出した接合部材40が後退部80で適用前の例よりも多く吸収でき、前端面101及び後端面102への接合部材40の回り込みを防止する効果を適用前の例よりも高めることができる。
【0079】
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
半導体レーザ(100)は、半導体基板(1)と、半導体基板(1)の表面に形成された、出射端面(101)から出射する光が生成される活性層(10)を含む半導体構造部(2)と、半導体構造部(2)の半導体基板(1)と反対側の表面に形成された表面電極(20)と、表面電極(20)の半導体基板(1)と反対側の表面に形成された導電部材(90)と、を備えている。導電部材(90)は、活性層(10)が延伸する延伸方向に平行なx方向の一方の側面である出射端面側の側面の一部又は全部が、半導体構造部(2)における出射端面(101)よりもx方向の出射端面(101)に対向する他の端面側に形成されている。当該半導体レーザ(100)は、出射端面(101)からx方向の他の端面側に導電部材(90)の少なくとも一部が後退した後退部(80)が形成されている。