(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6964957
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】物のパッケージ、手袋のパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20211028BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20211028BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A41D19/00 Z
A41D19/015 610Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-111432(P2021-111432)
(22)【出願日】2021年7月5日
【審査請求日】2021年7月5日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521294427
【氏名又は名称】株式会社K2
(74)【代理人】
【識別番号】100194456
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 勇
(72)【発明者】
【氏名】金井 善果
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−074501(JP,A)
【文献】
特開平05−137751(JP,A)
【文献】
特表2014−506826(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0307263(US,A1)
【文献】
特開平08−198357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A41D 19/00
A41D 19/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有している筒状部と、筒状又は袋状の本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの物のパッケージであって、
前記筒状部には、引き裂き線が、前記開口に沿う直線状部分と、前記本体部分を折り畳み、前記筒状部を2つ折りにして前記折り畳んだ本体部分を封入した状態において、前記直線状部分の両端から、前記開口から離れる向きに、当該2つ折りの折り線の両端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、表裏に渡って設けられており、
さらに、前記筒状部は、当該筒状部の幅より短くなるように前記本体部分を折り畳んだものを、筒状部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、前記2つ折りした時に重なり合う筒状部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、開口を閉じるように接着されている、ことを特徴とする物のパッケージ。
【請求項2】
手入れ口を有し、手首の部分まで伸びている袖部と、手首から指先までの本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの手袋のパッケージであって、
前記袖部は、引き裂き線が、前記手入れ口に沿う直線状部分と、前記本体部分を折り畳み、前記袖部を2つ折りにして前記折り畳んだ本体部分を封入した状態において、前記直線状部分の両端から、前記手入れ口から離れる向きに、当該2つ折りの折り線の両端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、手袋表裏に設けられており、
さらに、前記袖部は、当該袖部の幅よりも短くなるように前記本体部分を折り畳んだものを、袖部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、前記2つ折りした時に重なり合う袖部の縁及び手入れ口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、手入れ口を閉じるように接着されている、ことを特徴とする手袋のパッケージ。
【請求項3】
前記とは別の手袋を折り畳んだものを、前記袖部を2つ折りした部分に収めたことを特徴とする請求項2に記載の手袋のパッケージ。
【請求項4】
手袋はフィルムシート製のものである、
請求項2又は請求項3に記載の手袋のパッケージ。
【請求項5】
手袋はゴムシート製のものである、
請求項2又は請求項3に記載の手袋のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状又は袋状の物のパッケージ、例えば、医療、食事の際に使用できる薄型手袋のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
筒状又は袋状の物のパッケージ、例えば、手袋のパッケージとして、特許文献1には、複数枚重ね合わせ、ティッシュボックス式に1枚づつ取り出すように容器に手袋を収納したパッケージが提案されている。
図10(a)は、容器100の中に、複数の手袋が収納されており、開口部101を介して取り出せるようになっているものを示している。
図10(b)は、容器100の中に積層状態で収納されている手袋102を示す。
【0003】
また、特許文献2には、1枚の手袋を収納したパッケージが提案されている。
図11(a)は、台紙110上に載置された手袋111を示し、(b)は、台紙110を2つ折りして手袋111を封止した状態を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−166040号公報
【特許文献2】実開昭59−118777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
何れの技術も、手袋と、その手袋をパッケージする容器又は台紙とは完全に分離している。このため、最後の1枚、又は、1枚封止の場合にはその封止されている手袋を使用する際、パッケージしていた容器又は台紙がゴミになる。
【0006】
環境問題となっているゴミ、特に一般に容器、台紙に使用されているプラスチックのゴミの低減の観点から言えば、この容器又は台紙をゴミとして出さないことが望まれる。特に、1枚づつパッケージされている手袋の場合、使用のたびに、ゴミが出ることになり、屋外などでは、特に放置ゴミとされる虞が高かった。
【0007】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、小量、例えば1枚又は2枚の手袋が封止されているパッケージで、開封後、使用済みとなるまでの間、ゴミを出さない手袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のパッケージは、開口を有している筒状部と、筒状又は袋状の本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの物のパッケージであって、前記筒状部には、引き裂き線が、前記開口に沿う直線状部分と、
前記本体部分を折り畳み、前記筒状部を2つ折りにして前記折り畳んだ本体部分を封入した状態において、前記直線状部分の両端から、前記開口から離れる向きに、当該2つ折りの折り線の両端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、表裏に渡って設けられており、さらに、前記筒状部は、当該筒状部の幅より短くなるように前記本体部分を折り畳んだものを、筒状部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、前記2つ折りした時に重なり合う筒状部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、開口を閉じるように接着されている、ことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明のパッケージは、手入れ口を有し、手首の部分まで伸びている袖部と、手首から指先までの本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの手袋のパッケージであって、前記袖部は、引き裂き線が、前記手入れ口に沿う直線状部分と、
前記本体部分を折り畳み、前記袖部を2つ折りにして前記折り畳んだ本体部分を封入した状態において、前記直線状部分の両端から、前記手入れ口から離れる向きに、当該2つ折りの折り線の両端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、手袋表裏に設けられており、さらに、前記袖部は、当該袖部の幅よりも短くなるように前記本体部分を折り畳んだものを、袖部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、前記2つ折りした時に重なり合う袖部の縁及び手入れ口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、手入れ口を閉じるように接着されている、ことを特徴とする。
【0010】
前記とは別の手袋を折りたたんだものを、前記袖部を2つ折りした部分に収めた物が好ましい。
【0011】
手袋はフィルムシート製のものであることが好ましい。
【0012】
手袋はゴムシート製のものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、パッケージを開けて中に収めていた本体部分を引き出した時に、包んでいた部分のゴミが出ない。使用後に、本体部分と一緒に処分することができる。また、斜線状部分の引き裂き線を設けてあるので、接着位置が製造誤差によりずれた場合でも、最大の開口を得ることができ、使用感に影響を与えずに、使用できるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は折り畳む前の、引き裂き線を備えた状態の手袋を示し、(b)は手袋を折り畳んで、収納したパッケージを示す。
【
図2】パッケージングのため、手袋を折り畳む様子を示す説明図。
【
図3】パッケージングのため、手袋を折り畳む様子を示す説明図。
【
図4】パッケージングのため、手袋を折り畳む様子を示す説明図。
【
図5】(a)は最後まで手袋を折り畳み、3方を接着し封止した状態を示し、(b)は(a)の裏側、引き裂き線のある側の様子を示す。
【
図6】(a)はパッケージの引き裂き線を裂いて開けた時の様子を示し、(b)は中から折りたたまれていた手袋本体部分を出した状態を示す。
【
図7】フィルムシート製の手袋で造ったパッケージの引き裂き線の直線状部分を裂いた状態を示す写真。
【
図8】フィルムシート製の手袋で造ったパッケージの引き裂き線の直線状部分及び斜線状部分を裂いた状態を示す写真。
【
図9】
図8に示す状態の手袋の引き裂き位置にできる新たな手入れ口から手を入れた状態を示す写真。
【
図10】(a)は従来の複数の手袋を収めたパッケージを示し、(b)はその容器の中に収められている手袋の様子を示す。
【
図11】(a)は従来の手袋を台紙上に載置した状態を示し、(b)はその台紙を2つ折りして封止したパッケージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のパッケージは、開口を有している筒状部と、筒状又は袋状の本体部分とを備え、折りたたみ可能な柔らかさの物のパッケージに関する。筒状部には、引き裂き線が、開口に沿う直線状部分と、当該直線状部分の両端から、開口から離れる向きに、当該本体部分を折り畳む際に端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、表裏に渡って設けられている。さらに、筒状部は、当該筒状部の幅より短くなるように本体部分を折り畳んだものを、筒状部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、2つ折りした時に重なり合う筒状部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、開口を閉じるように接着されている。
【0016】
例えば、筒状部が、手入れ口を有し、手首の部分まで伸びている袖部で、本体部分が、手首から指先までで、折り畳み可能な柔らかさの手袋のパッケージがこれに相当する。この場合、袖部は、引き裂き線が、手入れ口に沿う直線状部分と、当該直線状部分の両端から、手入れ口から離れる向きに、当該手袋を折り畳む際に端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、手袋表裏に設けられている。さらに、袖部は、当該袖部の幅よりも短くなるように本体部分を折り畳んだものを、袖部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、2つ折りした時に重なり合う袖部の縁及び手入れ口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、手入れ口を閉じるように接着(熱溶着、接着剤による接着等を含む)されている。
【0017】
当該構成を採用することによって、使用時直前までは、本体部分の表裏が外気に触れていない滅菌状態のパッケージとすることができ、かつ、使用時は、引き裂き線を切り裂くことによって、包んでいた筒状部又は袖部をゴミとせず、かつ、切り裂いた部分が新たな別の手入れ口となるように開封することができる。本来ゴミとなるパッケージ部分は、上記袖部及び手入れ口の部分で接着されており本体部分から分離しておらず、即ち、ゴミとなるパッケージ部分の例えば端だけが本体部分に付いて吊り下がっているような状態とはならず、本体部分の使用の邪魔にならず、使用後は本体部分と同時に廃棄できる。特に、筒状部又は袖部を、2つ折りした時に重なり合う筒状部又は袖部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、開口を閉じるように接着されているため、引き裂き線を裂いてもこの部分で新たな手入れ口に沿うように、点でなく、線で接着されており、使用の邪魔とならない、という利点を有している。更には、引き裂き線で引き裂いた後の筒状部又は袖部の縁及び開口の部分は、ポケット様になり、ゴミになるどころか、収納用途に使える可能性もある。これにより、医療現場、飲食現場、特に屋外で、物、例えば手袋のパッケージ部分のゴミが出ないようにする。1つの手袋のパッケージの中に、もう1つの物、例えば手袋を入れても当然良く、この場合でも発明の効果は失われない。
【0018】
本発明の物のパッケージの実施の形態に係る手袋1のパッケージ8について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0019】
図1(a)は、パッケージされる手袋1の正面図である。手袋1は、以降の説明の便宜のため、不透明なフィルムシート製の薄型手袋とする。手袋1は、パッケージするために必要な大きさに折り畳めるサイズ及び柔らかさのものであればよく、透明のフィルムシート製、ゴムシート製の手袋であっても良い。手袋1は、指先2から手首3までの本体部分4と、手首3から手入れ口5まで伸びている袖部6とで構成されている。手袋1には、一点鎖線で示す引き裂き線7が表裏を貫いて設けられている。引き裂き線7は、引き裂いて開口できるように加工した部分で、例えば、厚みを薄くした部分、又は、破線状に小さな切込みを入れた部分をいう。
【0020】
図1(b)は、手袋1を折り畳み、封止してパッケージ8の製造が完了した状態を示す。サイズは、
図1(a)の袖部6を2つ折りしたサイズに相当する。図示するように、引き裂き線7は、手入れ口に沿う直線状部分7aと、直線状部分7aの両端から、手入れ口から離れる向きに、手袋を折り畳む際に端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分7b、7cと、手袋1の表裏を貫き設けられている。袖部6は、本体部分4を袖部6の幅W1より短くなるように、折り畳んだものを、袖部6を2つ折りすることによって封入できるだけの長さL1を有している。2つ折りした時に重なり合う袖部6の縁6a、6b(L1の略半分の長さ)及び手入れ口5の部分は、折り畳んだ本体部分4を封止し、かつ、手入れ口5を閉じるように熱溶着、又は、接着剤によって接着されている。なお、本例の袖部6は幅W1の変わらない、円柱状部分として示しているが、2つ折りした時に、折りたたんだ本体部分4を中に封止できる、という条件を満たす限りにおいて、手首3の部分の方が袖口5よりも幅の狭い場合、又は、その逆の場合も想定される。
【0021】
図2は、手袋1の折り畳み方を説明する図で、先ず、点線で示す谷折り線9で左側の部分を折り畳む。袖口6の寸法L2、L3は、2つ折りした時に重なり合うように、略同一の長さに設定されている(以下同じ)。
【0022】
図3は、手袋1の折り畳み方を説明する図で、
図2を用いて説明した工程に続いて、点線で示す谷折り線10で右側の部分を折り畳む。
【0023】
図4は、手袋1の折り畳み方を説明する図で、
図3を用いて説明した工程に続いて、点線で示す谷折り線11〜20で、中央部分を図面上手前側に折り畳む。なお、谷折り線20で折り畳む際に、別途小さく折り畳んでおいた手袋50を間に挟むようにしても良い。
【0024】
図5(a)は、
図4で示した谷折り線20で2つ折りした時に重なり合う袖部6の縁6a、6b及び手入れ口5の部分が、折り畳んだ本体部分4を封止し、かつ、手入れ口5を閉じるように熱溶着、または、接着剤によって接着された状態を示す。図中接着部分を網点を付して示す。なお、パッケージに所望される封止のレベルが低くい場合、断続的に接着する場合も考えられる。
【0025】
図5(b)は、引き裂き線7の設けられているパッケージ8の裏面の様子を示す。引き裂き線7は、斜線状部分7b、7cが直線状部分7aの両端から伸びている。図中接着部分を網点で示す。例えば、斜線部分7cを設けたことによって、封止処理実行時に、接着位置が矢印A方向にずれた場合でも、引き裂き線7の斜線状部分7cが接着位置のところに到達している。これにより、引き裂き線7を引き裂き、開封した場合、可能な限り広く開口されている新たな手入れ口21(
図6(b)を参照)を作る事ができる。
【0026】
図6(a)は、パッケージ8の引き裂き線7を裂き、開けた状態を示す。引き裂き線7に沿って開けた部分は、新たな手入れ口21となる。
【0027】
図6(b)は、更に、中に折り畳んで収納していた手袋1の本体部分4をパッケージ8の外に引き出した状態を示す。図示するように、新たに設ける手入れ口21は、接着位置のところまで、開口しているので、手が入れ易いといった利点を有する。図示するように、本来ゴミとなる部分は、本体部分から分離しておらず、使用後は、本体部分4と同時に廃棄できる。特に、袖部を、2つ折りした時に重なり合う袖部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分4を封止し、かつ、手入れ口5を閉じるように接着されているため、引き裂き線を裂いてもこの部分で新たな手入れ口21に沿うように、点でなく、線で接着されており(
図5(b)に網点で示す接着部分を参照)、使用の邪魔とならない、という利点を有している。
【0028】
(実施例の説明)
図7は、透明のフィルムシートを手形状に張り合わせてつくった手袋60に、切り裂き線の内、直線状部分(
図5(b)の7aを参照)を開け、斜線状部分(
図5(b)の7b、7cを参照)はまだ開けずに黒のライン61を引いて示す状態を表す写真である。透明フィルムの様子が分かりやすいように、格子模様のゴム板70の上に載置して撮影している(以下の写真について同じ)。写真に示されるように、斜線状部分を開けない場合、手を入れる口が空かず、実用的で無い。
【0029】
図8は、
図7に黒のライン61で示した引き裂き線の斜線状部分(
図5(b)の7b、7cを参照)を開けた状態の手袋60を示す。写真に示されるように、手を入れることができる程の大きさに、新たな手入れ口62が空くことが判る。
【0030】
図9は、黒のライン61の斜線状部分を開けてつくた新たな手入れ口62に実際に手80を入れた状態を示す。写真に示すように、新たな手入れ口62が広く開いているため、特に問題無く、手を入れることができた。
【0031】
上記のように構成された本実施形態の手袋のパッケージは、引き裂き線を開け、使用可能な状態にした時に、封止していた部分が分離したゴミとならない、という利点を有している。さらに、本実施形態の手袋のパッケージは、封止していた部分は元の手入れ口に沿うように、点でなく線で接着されているので、使用時にバタつかず邪魔にならない、という利点を有している。即ち、仮に、包んでいた袋の端の点が内部に含まれている本体部分に繋がっている場合と比較して、明確に異なる利点を有している。また、斜線状部分の引き裂き線を設けたことによって、製造時の位置ずれを許容しつつ、可能な限り広い新たな手入れ口を設けることができる。
【0032】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、薄いフィルムシートの代わりに、ゴムシートを用いたゴム手袋を用いても、同様のパッケージをつくることができる。
【0033】
また、手袋に限らず、開口を有している筒状部と、筒状又は袋状の本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの物のパッケージであって、以下の要件を満たすものであれば、本発明の物のパッケージに含まれる。即ち、筒状部には、引き裂き線が、開口に沿う直線状部分と、当該直線状部分の両端から、開口から離れる向きに、当該本体部分を折り畳む際に端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分とに、表裏に渡って設けられている。さらに、筒状部は、当該筒状部の幅より短くなるように本体部分を折り畳んだものを、筒状部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、2つ折りした時に重なり合う筒状部の縁及び開口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、開口を閉じるように接着されている。例えば、筒状の本体部分を有しているマフラー、ストール等、袋状の本体部分を有している、靴下、簡易バッグ等のパッケージに応用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のパッケージ技術は、開口を有している筒状部と、筒状又は袋状の本体部分とを備え、折り畳み可能な柔らかさの物のパッケージ、例えばTシャツ、フード付きレインコート又はポンチョ等をパッケージングするのにも使うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1、50、60 手袋
2 指先
3 手首
4 本体部分
5、21、62 手入れ口
6 袖部
6a、6b、6c 袖部の縁
7 引き裂き線
8 パッケージ
9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20 谷折り線
【要約】 (修正有)
【課題】物、例えば手袋を収納しているパッケージで、使用時ゴミを出さないものを提供する。
【解決手段】手入れ口21を有し、手首の部分まで伸びている袖部と、手首から指先までの本体部分4とを備え、折り畳み可能な柔らかさの手袋1のパッケージ8で、袖部は、引き裂き線7が、手入れ口に沿う直線状部分と、直線状部分の両端から、手入れ口から離れる向きに、手袋を折り畳む際に端となる位置近傍まで斜めに伸びる斜線状部分と、手袋表裏に設けられており、さらに、袖部は、袖部の幅よりも短く本体部分を折り畳んだものを、袖部を2つ折りすることによって封入できるだけの長さを有しており、2つ折りした時に重なり合う袖部の縁及び手入れ口の部分は、折り畳んだ本体部分を封止し、かつ、手入れ口を閉じるように接着されている、ことを特徴とする。開封した際にパッケージのゴミが出ず、使用後、一緒に捨てることができる。
【選択図】
図6