特許第6965003号(P6965003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965003
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】ロボット式製造環境における衝突防止
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20211028BHJP
【FI】
   B25J19/06
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-58798(P2017-58798)
(22)【出願日】2017年3月24日
(65)【公開番号】特開2017-213672(P2017-213672A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2020年3月18日
(31)【優先権主張番号】15/084,107
(32)【優先日】2016年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハル, ジェラルド エー.
【審査官】 樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−183537(JP,A)
【文献】 特開2014−180707(JP,A)
【文献】 特開2012−093104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットであって、
製造セル(100)内で動作するエンドエフェクタ(132)と、
前記製造セル内で前記エンドエフェクタを再配向する運動連鎖(156)を規定するアクチュエータ(114、116)と、
前記エンドエフェクタに対して固定された位置に取り付けられた撮像システム(134)であって、二次元センサと、前記二次元センサに対して既知の距離および方向に設定可能なレーザー源とを含む、撮像システム(134)と、
ミラー(200)の位置及び配向を特定し、前記撮像システムを前記ミラーに向けて配向するように前記アクチュエータに指示し、前記撮像システムを動作させて前記ミラー内の画像をスキャンすることによって、前記レーザー源からのレーザー光線が前記ロボット上の箇所に達したレーザースポットの三次元位置の点群(756)を取得し、前記ミラーによって規定される表面(201)で前記三次元位置を折り返すことによって、前記点群の前記三次元位置を修正し、修正された前記三次元位置に基づいて前記製造セル内で前記ロボットが占める空間(758)を決定し、前記空間に基づいて、前記製造セル内での衝突を防止するように動作するよう前記ロボットに指示するコントローラ(152)と
を含むロボット(150)
を含む装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記ロボットのコンピュータ支援設計(CAD)モデルと前記空間との間の不一致を特定し、前記不一致を表すレポートを送信する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、修正された前記位置に基づいて、前記製造セル内で前記ロボットを覆う外装(140)が占める空間を決定する、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記製造セル内での衝突を防止するため、前記外装が占める前記空間に基づいて動作するよう、前記コントローラが前記ロボットに指示する、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ミラーの近傍の対象物を検出するため前記撮像システムを動作させ、既知である前記ミラーに対する前記対象物の場所に基づいて、前記撮像システムに対する前記ミラーの位置及び配向を決定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラは、修正された前記位置に基づいて、前記エンドエフェクタが占める空間を決定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記エンドエフェクタは、前記製造セル内で部品(170)に変更を加える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
製造セル内でミラーの位置及び配向を特定するため、ロボットのエンドエフェクタに対して固定された位置に取り付けられた撮像システムであって、二次元センサと、前記二次元センサに対して既知の距離および方向に設定可能なレーザー源とを含む、撮像システムを動作させること(302)と、
前記ミラーに向けて前記撮像システムを配向するため、前記ロボットのアクチュエータに指示すること(304)と、
前記撮像システムを動作させて前記ミラー内の画像をスキャンすることによって、前記レーザー源からのレーザー光線が前記ロボット上の箇所に達したレーザースポットの三次元位置の点群を取得すること(306)と、
前記ミラーによって規定される表面で前記三次元位置を折り返すことによって、前記点群の前記三次元位置を修正すること(308)と、
修正された前記三次元位置に基づいて、前記製造セル内で前記ロボットが占める空間を決定すること(310)と、
前記製造セル内での衝突を防止するため、前記空間に基づいて前記ロボットの動作を指示すること(312)と
を含む方法(300)。
【請求項9】
前記ロボットのコンピュータ支援設計(CAD)モデルと前記空間との間の不一致を特定することと、
前記不一致を表すレポートを送信することと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
修正された前記位置に基づいて、前記製造セル内で前記ロボットを覆う外装が占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記製造セル内での衝突を防止するため、前記外装が占める前記空間に基づいて動作するよう、前記ロボットに指示すること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ミラーの近傍の対象物(210)を検出するため、前記撮像システムを動作させることと、
既知である前記ミラーに対する前記対象物の場所に基づいて、前記撮像システムに対する前記ミラーの前記位置及び配向を決定すること
をさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
修正された前記位置に基づいて、前記エンドエフェクタが占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記製造セル内で部品に変更を加えるように、前記エンドエフェクタを動作させること
をさらに含む、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
プログラムされた指令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記指令は、プロセッサによって実行されると、
製造セル内でミラーの位置及び配向を特定するために、ロボットのエンドエフェクタに対して固定された位置に取り付けられた撮像システムであって、二次元センサと、前記二次元センサに対して既知の距離および方向に設定可能なレーザー源とを含む、撮像システムを動作させること(302)と、
前記ミラーに向けて前記撮像システムを配向するために、前記ロボットのアクチュエータに指示すること(304)と、
前記撮像システムを動作させて前記ミラー内の画像をスキャンすることによって、前記レーザー源からのレーザー光線が前記ロボット上の箇所に達したレーザースポットの三次元位置の点群を取得すること(306)と、
前記ミラーによって規定される表面で前記三次元位置を折り返すことによって、前記点群の前記三次元位置を修正すること(308)と、
修正された前記三次元位置に基づいて、前記製造セル内で前記ロボットが占める空間を決定すること(310)と、
前記製造セル内での衝突を防止するため、前記空間に基づいて、前記ロボットの動作を指示すること(312)
を含む方法(300)を実施するために動作可能である、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット工学の分野に関し、具体的には、ロボット式製造環境における衝突防止に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットは、様々な製造環境において利用されている。例えば、ロボットは、アセンブリラインにおいてセル(即ち所定の容積の空間)内に設置され得る。ロボットは、セル内に置かれる搬入部品がさらなる処理を受けるために次のセルに進行する前に、その部品に対して作業を実施し得る。例えば、ロボットは、部品に孔をドリル加工したり部品にリベットを付けたりするために、エンドエフェクタを動作させることによって作業を実施し得る。
【0003】
ロボットは製造環境内で効果的且つ効率的に動作する一方、正常動作中に、セル内で物体と意図せぬ衝突を起こすリスクを有している。例えば、ロボットがセル内である所定の場所を占めることが、コンピュータモデルによって示され得る。しかし、ロボット及び/または作業対象の部品が、セル内でそれぞれの予期された位置及び/または方向に正確に設置されていない場合、衝突が生じ得る。さらに、ロボットは、油圧ホースや電力ケーブルなどを含む外装に覆われていてよいが、この外装は、セル用のコンピュータモデルにおいては十分に考慮されていない可能性がある。したがって、外装が、セル内で意図せずに他の物体に衝突したり、引っかかったり、絡んだりすることがあり得る。
【0004】
これらの問題に対処するため、技術者が一種の三次元測定機(CMM)を用いて、ロボットや部品などを含むセル内の様々な構成要素の位置及び/または配向を測定することは、珍しくない。しかし、これらの物体は、CMMの座標系内で測定されるのであり、これらの物体の測定値には、残余誤差が含まれてしまう。したがって、ロボットのエンドエフェクタの任意の点と部品との間の距離を決定するためには、(誤差を含む)これらの測定値を、CMM座標系からロボット用の座標系に変換する必要があり得る。こうして、CMMの測定誤差の大きさに応じて、衝突は依然として発生し得る。また、これらの測定には、処理と定期的な認証のための、専用の設備と時間が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本書に記載の実施形態は、ミラーを通じてロボットの画像をスキャンし、ロボットが占めている空間を定量化するため、ロボットに取り付けられた撮像システムを動作させる。これによって、例えばロボットに取り付けられているあらゆる外装も含めて、製造セル内でロボットが占めている空間を、正確且つ迅速に決定することが可能になる。さらに、撮像システムの位置は既知でありロボットのエンドエフェクタに対して固定されているため、撮像システムの測定値に固有の誤差は、エンドエフェクタの機械加工ツールと共通の経路を共有する。したがって、それらは相殺される。対照的に、外部の座標系内に固有の誤差は、エンドエフェクタとロボットの姿勢に関する誤差として、ロボットの座標系に伝達される。
【0006】
1つの実施形態は、ロボットを含む装置である。ロボットは、製造セル内で動作するエンドエフェクタと、製造セル内でエンドエフェクタを再配向する運動連鎖(kinematic chain)を規定するアクチュエータを含む。ロボットはまた、エンドエフェクタに装着された撮像システムと、ミラーの位置と配向を識別するように構成されたコントローラも含む。コントローラは、撮像システムをミラーに向けて配向するようにアクチュエータに指示することと、撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群を取得することと、ミラーによって規定された表面で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正することが可能である。ロボットはまた、修正された位置に基づいて、製造セル内でロボットが占めている空間を決定し、この空間に基づいて、製造セル内での衝突を防止するようにロボットが動作するよう指示することが可能である。
【0007】
別の実施形態は、ロボットをスキャンする方法である。方法は、製造セル内のミラーの位置及び配向を識別するためにロボットのエンドエフェクタに取り付けられた撮像システムを動作させることと、撮像システムをミラーに向けて配向するようにロボットのアクチュエータに指示することと、撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群を取得することと、ミラーによって規定された表面で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正することを含む。方法は、修正された三次元位置に基づいて、製造セル内でロボットが占めている空間を決定することと、この空間に基づいて、製造セル内での衝突を防止するようにロボットが動作するよう指示することも、また含む。
【0008】
別の実施形態は、プログラムされた指令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記指令は、プロセッサによって実行されると、方法を実施するために動作することができる、非一時的コンピュータ可読媒体である。方法は、製造セル内のミラーの位置及び配向を識別するためにロボットのエンドエフェクタに取り付けられた撮像システムを動作させることと、撮像システムをミラーに向けて配向するようにロボットのアクチュエータに指示することと、撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群を取得することと、ミラーによって規定された表面で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正することを含む。方法は、修正された三次元位置に基づいて、製造セル内でロボットが占めている空間を決定することと、この空間に基づいて、製造セル内での衝突を防止するようにロボットが動作するよう指示することも、また含む。
【0009】
他の例示的な実施形態(例えば、上述の実施形態に関連する方法及びコンピュータ可読媒体)が、後述される。上述の特徴、機能及び利点は、様々な実施形態において独立して実現することが可能であり、また別の実施形態において組み合わせられてもよい。これらの実施形態については、以下の説明および添付図面を参照して、さらに詳細に見ることができる。
【0010】
ここで、本開示の幾つかの実施形態が、例示のみの目的で添付図面を参照して説明される。全ての図面において、同じ参照番号は同じ要素または同じタイプの要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的な一実施形態における、製造セルの図である。
図2】例示的な一実施形態における、製造セル内で初期化を行っているロボットの図である。
図3】例示的な一実施形態における、ロボットを動作させる方法を示すフローチャートである。
図4】例示的な一実施形態における、三次元位置の折り返しを示す図である。
図5】例示的な一実施形態における、三次元位置の折り返しを示す図である。
図6】例示的な一実施形態における、三次元位置の折り返しを示す図である。
図7】例示的な一実施形態における、製造セルのブロック図である。
図8】例示的な一実施形態による、航空機の製造及び保守方法のフロー図である。
図9】例示的な一実施形態における、航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面及び下記の記載により、本開示の具体的な例示的実施形態が示される。本明細書に明示的に記載または図示されていないが、本開示の原理を具現化し本開示の範囲に含まれる様々な装置が当業者によって考案され得ることは、理解されるべきである。さらに、本明細書に記載のいかなる実施例も、本開示の原理の理解を助けるためのものであって、それらの具体的に記載された実施例や諸条件を限定しないものとして理解されるべきである。結果として、本開示は、下記の具体的な実施形態または実施例に限定されず、特許請求項の範囲及びその均等物によって限定される。
【0013】
図1は、例示的な実施形態における、製造セル100の図である。製造セル100は、内部でロボット150が搬入部品の生産、製造、及び/または組み立てを補助するために動作することが予期される、任意の空間のスペースを含み得る。例えば、製造セル100は、閉鎖空間、または作業場内の開放空間のスペースを含み得る。図1によると、製造セル100は、空間102、台座110、台座110に装着されたロボット150、コンベヤー160、及び部品170を含む。台座110は、製造セル100内の固定した場所を占める構造用部品を含み得るか、または所望に応じて、ロボット及び/または工具を様々な構成用にアレンジするために作業場の各地で運転することが可能な可動機構(例えばカート)を含み得る。したがって、ある実施形態では、台座110、部品170、及びコンベヤー160は、可動である、及び/または作業場の各地で運転可能である。台座110にはロボット150が装着されており、ロボット150は、複数のアクチュエータ(112、114、116)及び剛性の本体(120、130)を含む。複数のアクチュエータと剛体の本体は、合わせて運動連鎖156を規定する。ロボット150はまた、部品170に対する作業を実施し得るエンドエフェクタ132も含み得る。例えば、エンドエフェクタ132は、のこぎり、ドリル、リベットガン、自動積層装置(AFP)などを含み得る。
【0014】
コントローラ152は、エンドエフェクタ132及び撮像システム134を含む、ロボット150の動作を指示する。コントローラ152は、例えばカスタム回路として、プログラムされた指令を実行するプロセッサとして、またはこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。
【0015】
部品170は、エンドエフェクタ132によって作業されるように構成された、任意の適切な構造物を含み得る。例えば、部品170は、航空機の翼用の硬化複合材パネル、胴体用の構造用部品、支柱、などを含み得る。コンベヤー160は部品170を製造セル100内に移動するものであり、自動コンベヤーベルト、カートなどを含み得る。
【0016】
エンドエフェクタ132が製造セル100内の他の物体と衝突するのを防止するため、エンドエフェクタ132に撮像システム134が装着されている(例えば、エンドエフェクタ132に装着されているか、または剛性の本体130に装着されている)。撮像システム134は、三次元点群を生成して衝突を防止するため、エンドエフェクタ132の周囲の空間をスキャンする。さらに、撮像システム134は、ロボット150に取り付けられているあらゆる外装140(例えば電力ケーブル、油圧ホースなど)を含めて、ロボット150が占めている空間を正確に決定するため、ミラー(図2の200)を利用することが可能である。こうしてロボット150は、アクチュエータ112、114、116に対して送られる関節空間指令を介して動かされる際に、この動きが、製造セル100内の他の物体との衝突にどのように帰着し得るかを理解して、動かされる。コントローラ152は、撮像システム134からの入力に基づいて空間の情報を計算し得、衝突を回避するためにアクチュエータ112、114、及び116に指示するときに、この情報を利用し得る。撮像システム134は、光検出と測距(LIDAR)システム、三次元スキャナー、もしくは(名目的三次元モデルであるロボット150が検討されている場合に)入力が三次元位置の計算に利用される二次元カメラ、または任意の他の適切な撮像システムであってよい。
【0017】
図2は、例示的な一実施形態における、製造セル100内で初期化をしているロボット150の図である。この実施形態では、ロボット150が自身の空間を正確に決定することができるように、製造セル100内にミラー200が置かれている。望ましい場合には、ロボット150の初期化完了後にミラー200は取り外され得る。ミラー200は、表面201を含み、ミラー200から既知の距離及び方向で(例えば、ミラー200のへり沿いに、ミラー200から1インチ空けて上方に、下方に、及び/または両サイドなどに)設置された、スキャン対象物210を伴っていてよい。対象物210は、コントローラ152が認識可能な特有の色及び/または形状によって特徴づけられていてよい。これによって、撮像システム134に対するミラー200の場所及び/または配向の測定の補助が促進され得る。
【0018】
ロボット150の動作の例示的な詳細が、図3に関連して説明される。この実施形態では、ロボット150は初期化プロセスを開始しており、セルフスキャンを実施する準備ができている。ロボット150は、搬入部品(例えば部品170)に対する能動的な作業の実施を未だ開始していない。この初期化プロセスは、例えばロボット150が最初に設置されたときや、1日1回、1時間に1回などに実施されてよい。
【0019】
図3は、例示的な一実施形態における、ロボット150を動作させる方法300を示すフロー図である。方法300のステップは、図1図2に示されるロボット150に関連して説明されるが、所望であれば方法300が他のシステムで実施され得ることを、当業者は理解するであろう。本書に記載のフロー図のステップは網羅的ではなく、図示されない他のステップも含み得る。本書に記載のステップはまた、他の順序でも実施され得る。
【0020】
コントローラ152は、製造セル100内でミラー200の場所を特定するために撮像システム134を動作させることによって、初期化プロセスを開始する(ステップ302)。このプロセスの一部として、コントローラ152は、撮像システム134を反復して再配置/再配向し得、ミラー200(または対象物210)が発見されるまで、画像を取得し得る。したがって、このプロセスは、ミラー200の近傍の対象物210を検出するように撮像システム134を動作させることと、既知であるミラー200に対する対象物210の場所に基づいて、撮像システム134に対するミラー200の位置及び配向を判定することとを含み得る。
【0021】
ロボット150が撮像システム134をミラー200に向けて配向した後、コントローラ152は、撮像システム134を動作させて、ミラー200に提示された及び/またはミラー200で反射された画像をスキャンすることによって三次元位置の点群を取得するため、撮像システム134からの入力を処理する(ステップ306)。例えば、撮像システム134がレーザーを利用する実施形態では、撮像システム134は、ミラー200の箇所202に対してレーザー光136(図2に示す)を放射し得る。次いで、光136はミラー200によって反射され、ロボット150上の箇所154に達する。レーザー光136によるロボット150上の箇所154の照射は、ミラー200の反対側の面にある位置のように見える。この位置までの距離は、ミラー200からの反射がロボット150まで進んだ距離と同じである。したがって、各位置/点に関して撮像システム134によって計算される総距離は、撮像システム134から箇所202までのレーザー光136による移動距離と、箇所/画像202から箇所154までのレーザー光136による移動距離とを合わせた距離に相当する。ロボット150(例えばエンドエフェクタ132を含む)と外装140が占める箇所の三次元点群を取得するため、こうした技法が反復して実施され得る。
【0022】
距離が撮像システム134を介して測定された後、コントローラ152は、ミラー200の表面201を規定する既知の表面といった、ミラー200の既知の表面形状で位置を折り返すことによって、画像内の位置(例えば三次元位置)を修正する(ステップ308)。こうしたプロセスの詳細は、以下の実施例の節で記載される。
【0023】
ミラー200の表面201で位置を折り返すことによって画像内の位置を修正し終わると、コントローラ152は、修正された位置に基づいて、ロボット150(例えば、エンドエフェクタ132及び/または外装140を含む)が占める空間を決定し得る(ステップ310)。この空間は、点群によって、一連のボクセルなどとして表され得る。この情報は次に、ロボット150が占める空間を決定するために、コントローラ152のメモリ内に保存され得る。例えばロボット150は、アクチュエータ112、114及び116を介して既知の力が加えられた場合、コンピュータモデルに基づいて、ある空間を占めることが予期され得る。しかし、(例えば、外装140のねじれによって生じる)予期せぬ抵抗力によって、ロボット150が動作中に予期されるものとは異なる空間を占めることが起こり得る。
【0024】
ロボット150が動いて複数のポーズ(例えば運動連鎖156によって許容された種々の位置)のそれぞれをとる際、これらのポーズのそれぞれでロボットが実際に占める空間を決定するため、コントローラ152は、ステップ302〜310を反復して実施し得る。コントローラ152はさらに、この空間情報を、ポーズごとにメモリ内に保存し得る。例えば、各空間は、アクチュエータ112、114、及び116によって加えられる力の種々の組み合せと相関関係を有していてよい(力の種々の組合せはそれぞれ、結果として異なるポーズとなる)。
【0025】
さらなる実施形態では、力の組み合せがアクチュエータ112、114、及び116に対して加えられるとき、ロボット150が実施する動作は、ロボット150が到達するポーズに対して影響を与え得る。例えば、ロボット150があるポーズをとろうとする前に周回状の動作を実行する場合には、別の動作が行われた場合とは異なる力/ねじれが、外装140に生じ得る。これによって、動作の終了時にはアクチュエータ112、114、及び116によって同じ組み合せの力が加えられているにも関わらず、ロボット150がとる最終ポーズ(及びロボット150が占める空間)は変化し得る。こうした状況においては、コントローラ152は、同じ組み合わせの力が加えられたときに、種々のポーズのどれが生じ得るかを、まず決定する。コントローラ152はさらに、これらの種々のポーズのそれぞれで見られるロボット150の空間を組み合わせる。こうして、組合せた力が加えられたとき、(ロボット150が種々のポーズのうちのどれを用いているかに関わらず)ロボット150は他の物体と衝突しないであろう。
【0026】
(例えば、複数のポーズのそれぞれにおける)ロボット150の空間が決定された後、コントローラ152は、その空間に基づいて、ロボット150の動作を指示する(ステップ312)。例えばロボット150が、ロボット150を2センチメートル超えて延びる外装140を有することが予期されているが、実際には外装140がロボット150を7センチメートル超えて延びている場合、コントローラ152は、製造セル100内での衝突を防止するためにこの情報を使い得る。このプロセスの一部として、コントローラ152は、ロボット150が、製造セル100内で検出された他の物体との衝突を起こし得るポーズをとることを制限し得る。
【0027】
さらなる実施形態では、コントローラ152は、ロボット150のコンピュータ支援設計(CAD)モデルをメモリ内に保存する。ステップ310でロボット150の真の空間を決定した後、コントローラ152は、ロボット150のCADモデルと真の空間との間の不一致(例えば、真の空間がCADモデルを1センチメートルよりも大きく超えて延びている箇所)を特定する。コントローラ152はさらに、これらの不一致のそれぞれの、位置及び重症度を表すレポートを生成し送信し得る。例えば、コントローラ152は、不一致を表すファイルを生成し得、このファイルをユーザのコンピュータに送信し得る。このファイルは、各不一致の箇所、不一致の直線的測定値、及び不一致の空間測定値を含み得る。本書で使用する場合、不一致とは、ロボット150の、位置、サイズ、または配向の、CADファイルに示される予期された値からのあらゆるずれを含み得る。一実施形態では、不一致は、閾値よりも大きい場合(例えば、直線的なずれが1センチを超える場合)にのみレポートされる。さらなる実施形態では、ロボット150がエンドエフェクタ134で作業を実施しているときにロボットに付着した金属、削り屑、及び/または他の残屑が、ロボットによって検出されることを確実にするため、閾値は非常に低く(例えば、1ミリメートル以下に)設定され得る。
【0028】
方法300は、先行のシステムに比べた実質的なメリットを提供する。なぜならば、方法300によって、複数のポーズのそれぞれにおけるロボットの真の形状を特定するため、ロボット150が自身をスキャンすることが可能になるからである。これによって、コントローラ152が、ロボット150の衝突に帰着する動作を先行して識別することが可能になり、こうした衝突を、実際に起きる前に回避することが可能になる。さもないと、1つ1つの衝突が生産の一時停止(または、ロボット150及び/または製造セル100内もしくはその近傍の他の物体の高額な修理)に帰着するため、これらの衝突を回避することによって、実質的なメリットが提供される。
【0029】
実施例
以下の例では、エンドエフェクタ132からロボット150の他の箇所への距離を決定する追加のプロセス、システム、及び方法が、ロボット150に関連して記載される。具体的には、図4図6が、これらの実施例において、例示的な実施形態のロボット150用の距離の三角測量を示す図である。これらの図は、二次元配置に関して検討されているが、これらの原理は、特に個々の三角形は、そもそも定義によって平面であるとの理解に照らして検討した場合、三次元配置の計算にも拡張可能である。さらに、セルフスキャンを実施する目的で、さらなる技法及びシステムが利用され得る。これらの技法には、限定しないが、三次元スキャナー技法、写真測量法、光検出と測距(LIDAR)などが含まれる。例えば、写真測量法では、二次元入力の三次元位置との相関関連付けに関して結果的に生じるPnP問題を解決することによって三次元位置を検出し取得するため、名目的三次元モデルと組み合わせて二次元カメラからの入力が用いられ得る。PnP問題に関する解決法は、最良適合を用いて剛性の本体の名目的三次元モデルから二次元測定値に変換する、並進オフセット及び回転オフセットを返し得る。こうした環境においては、スキャンされているロボットが剛体であると見なすことが有益であり得る。
【0030】
以下の実施例は、三次元スキャナー技法に焦点を合わせているが、LIDAR及び他の技法を用いて、同様の測距原理が利用され得る。図4によると、レーザー410は、点p2から、点p1を中心とするイメージャから撮像されている物体400上の点p3に、レーザー光線412を放射する。p1とp2の間の距離(d)は既知であり、距離(dd)は、レーザー光線412のスポット(p3)よって作り出された照射が、センサ420のどこに当たるかを決定することによって測定される。さらに、センサ420は既知の照準線及び位置(p1)を有し、レーザー410は、既知の方向及び位置(p2)を有する。さらに、図4に示すように、センサ420から焦点距離(f)を空けて、レンズ430が設置されている。距離DDは、物体400とセンサ420の照準線422との間の距離を表す。焦点面424もまた示されている。物体400とセンサ420の間の距離は、三角法を用いて決定され得る。要約すると、光線412が戻ってくるときに、センサ420上の二次元のセントロイド位置が決定され得、光線412が移動する距離は、このセンサ420上のセントロイド位置に基づいて計算され得る。
【0031】
図5に示すように、距離に関する様々なパラメータを特定するために、三角測量が用いられてよい。これらのパラメータに基づいて、正確な距離が決定され得る。角度Bは(dd/f)の逆正接として規定され得、角度Cはπ/2−Bとして規定され得、角度Dはπ−A−Cとして規定され得る。正弦定理によって、正弦(D)をd及びddの和で除すると、正弦(C)を距離cで除したものと等しいことが理解されよう。したがって、この等式を再整理すると、距離cは、dとddの和に正弦(C)を乗じ、正弦(D)で除したものと等しいということが判明し得る。点p3は、レーザー光線412の方向に沿って、p2から距離cの位置にある。したがって、物体までの距離は、上記の再整理された等式に基づいて決定され得る。
【0032】
ミラーによって、(例えば、レーザースポットp3がセンサ420の被写界深度内及び視野内に留まる限り)焦点面424の背後のスキャンが可能になる。こうした実施形態では、物体400は、ミラーライン610によって規定されるミラーを通して視覚される。図6に示すように、任意の直線のミラーライン610は関係式y=Mmirror*x+bmirrorによって規定され得、その一方、任意の直線の反射線620は、垂線の関係式y = Mreflect*x + breflectによって規定され得る。こうした環境では、p3は、被照射位置p5のミラーライン610の背後の画像を表している。したがって、位置p3に関して行われた計算は、他の位置p5をミラーライン610で垂直に「折り返す」計算である(三次元環境では、ミラーの表面は平面として規定される)。座標が(x,y)である位置p3では、Mreflect=−1/Mmirrorであり、y=Mreflect*x3+breflectであり、breflect = y− Mreflect*xである。座標が(x,y)であり、ミラーラインが反射線と交差する位置である位置p4では、Mmirror*x+bmirror=Mreflect*x+breflectであり、x*(Mmirror−Mreflect)=breflect−bmirrorであり、x=(breflect−bmirror)/(Mmirror−Mreflect)であり、y=Mmirror*x4+bmirrorである。座標が(x,y)である位置p5では、x=2*(x−x)であり、y=(y−y)である。さらなる実施形態では、センサ420の裏側の視界を提供するため、p4とp5の間に別のミラーが設置されていてよい。これらの方程式を合わせて検討することによって、エンドエフェクタからロボット上の他の点までの真の距離を測定するためのフレームワークが提供される。
【0033】
図7は、例示的な一実施形態における、製造セル700のブロック図である。図7に示すように、セル700はロボット750を含む。ロボット外装740は、エンドエフェクタ832に油圧と電力を提供するためにロボット750を覆っている。ロボット750はベース710に取り付けられており、コントローラ752を含んでいる。コントローラ752は、剛性の本体720及び730を再配置するためにアクチュエータ714、及び716の動作を指示する。これによって、エンドエフェクタ732(例えば、部品770に対して作業を実施するため)及び撮像システム734(例えば、ロボット150をスキャンするため)もまた、再配置される。アクチュエータ714、716、並びに剛性の本体720及び730(撮像システム734及びエンドエフェクタ432を含む)の組合せによって、運動連鎖754が形成される。コントローラ752はまた、メモリ754も含む。コントローラ752は、撮像システム734からの入力に基づいて三次元位置を検出するので、これらの位置を、どの空間758が計算され保存され得るかに基づいて、点群756で保存する。空間758は、ロボット150、外装140、エンドエフェクタ132、及び/または撮像システム134の全てを含み得る。さらに、ロボット150のこれらの機構のそれぞれの具体的な空間は、空間758の一部/部分として特定/決定され得る。ロボット750自身のスキャンのためにロボット750を利用することによって、先行のシステムに比べたメリットが提供される。なぜならば、種々のポーズをとっているときにロボット150が占める空間が、正確に測定され得、エンドエフェクタ732の位置と相互に関連付けられ得るからである。このようにして、エンドエフェクタ732は、予期せぬ衝突を生じることなく再配置され得る。
【0034】
本開示の実施形態を、図面をさらに具体的に参照しながら、図8に示す航空機の製造及び保守方法800、及び図9に示す航空機802に照らして説明する。製造前段階では、例示の方法800は、航空機802の仕様及び設計804と、材料の調達806とを含み得る。製造段階では、航空機802の、構成要素とサブアセンブリの製造808と、システム統合810とが行われる。その後、航空機802は認可及び納品812を経て運航814に供され得る。顧客による運航期間中に、航空機802には、定期的な整備及び保守816(改造、再構成、改修なども含み得る)が予定される。
【0035】
方法800のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/またはオペレータ(例えば顧客)によって実行され、もしくは実施され得る。本書の目的に関しては、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含み得、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み得、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであり得る。
【0036】
図9に示すように、例示的方法800によって製造される航空機802は、複数のシステム820及び内装822を伴う機体818を含んでいてよい。高次のシステム820の例には、推進システム824、電気システム826、油圧システム828、及び環境システム830のうちの1つ以上が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれていてよい。航空宇宙産業の例が示されているが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業にも適用され得る。
【0037】
本書で具現化されている装置及び方法は、製造及び保守方法800の各段階のうちの、任意の1つ以上において用いられ得る。例えば、製造段階808に対応する構成要素またはサブアセンブリは、航空機802の運航期間中に製作される構成要素またはサブアセンブリと類似の方法で、製造または生産され得る。また、1つ以上の装置の実施形態、方法の実施形態、またはそれらの組み合わせは、例えば、航空機802の組立を実質的に効率化するか、または航空機802のコストを削減することにより、製造段階808及び810において利用され得る。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を、航空機802の運航期間中に、限定しないが例として整備及び保守816に利用することができる。例えば、本書に記載される技法及びシステムは、ステップ806、808、810、814、及び/または816で使用され得、及び/または、機体818、内装822、及び/またはシステム820(推進システム824、電気システム826、油圧システム828、及び/または環境システム830)で使用され得る。
【0038】
一実施形態では、ロボット150は、コンポーネント及びサブアセンブリの製造908中に、機体118の一部を含む部品170を製造する。部品170は次に、システムインテグレーション810で航空機へと組み立てられ、部品170が損耗によって使用不可能になるまで、運航814期間中に使用され得る。次いで、整備及び保守816で、ロボット150は部品170を修理調整するか、または新たな部品170を製造する。
【0039】
本明細書に記載の図面に示す様々な制御要素の内の任意のものが、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。例えば、ある要素は専用ハードウェアとして実装され得る。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」、または同様の用語で呼ばれ得る。機能がプロセッサによって提供される場合、機能の提供は、単一の専用プロセッサによってであっても、単一の共有プロセッサによってであっても、またはそのうちの幾つかが共有であり得る複数の個別のプロセッサによってであってもよい。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」の語を明示的に使用することによって表されるのは、ソフトウェアの実行が可能なハードウェアのみであると解釈されるべきでなく、限定しないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)もしくは他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェア記憶用のリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性ストレージ、ロジックもしくは何らかの他の物理的ハードウェアコンポーネントもしくはモジュールなどが、黙示的に含まれてよい。
【0040】
また、ある制御要素が、その要素の機能を実施するためにプロセッサまたはコンピュータによって実行可能な指令として実装され得る。指令の幾つかの例は、ソフトウェア、プログラムコード、及びファームウェアである。指令は、その要素の機能を実施するようにプロセッサに指示するためにプロセッサによって実行されるとき、動作可能である。指令は、プロセッサが読み取り可能な記憶デバイスに記憶され得る。ストレージデバイスの幾つかの例は、デジタルもしくはソリッドステートメモリ、磁気ディスク及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学可読デジタルデータ記憶媒体である。
【0041】
ゆえに、要約すると、本発明の第1の態様により、下記が提供される。
【0042】
A1.製造セル(100)内で動作するエンドエフェクタ(132)と、
製造セル内でエンドエフェクタを再配向する運動連鎖(156)を規定するアクチュエータ(114、116)と、
エンドエフェクタを伴う撮像システム(134)と、
ミラー(200)の位置及び配向を特定し、撮像システムをミラーに向けて配向するようにアクチュエータに指示し、撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群(756)を取得し、ミラーによって規定される表面(201)で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正し、修正された三次元位置に基づいて製造セル内でロボットが占める空間(758)を決定し、空間に基づいて、製造セル内での衝突を防止するように動作するようロボットに指示するコントローラ(152)と
を含むロボット(150)
を含む装置。
【0043】
A2.コントローラは、ロボットのコンピュータ支援設計(CAD)モデルとこの空間との間の不一致を特定し、この不一致を表すレポートを送信する、
段落A1に記載の装置もまた提供される。
【0044】
A3.コントローラは、修正された位置に基づいて、製造セル内でロボットを覆う外装(140)が占める空間を決定する、
段落A1に記載の装置もまた提供される。
【0045】
A4.製造セル内での衝突を防止するため、外装が占める空間に基づいて動作するよう、コントローラがロボットに指示する、
段落A3に記載の装置もまた提供される。
【0046】
A5.コントローラは、ミラーの近傍の対象物を検出するため撮像システムを動作させ、ミラーに対する対象物の既知の位置に基づいて、撮像システムに対するミラーの位置及び配向を決定する、
段落A1に記載の装置もまた提供される。
【0047】
A6.コントローラは、修正された位置に基づいて、エンドエフェクタが占める空間を決定する、
段落A1に記載の装置もまた提供される。
【0048】
A7.エンドエフェクタは、製造セル内で部品(170)に変更を加える、
段落A1に記載の装置もまた提供される。
【0049】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0050】
B1.製造セル内でミラーの位置及び配向を特定するため、ロボットのエンドエフェクタに取り付けられた撮像システムを動作させること(302)と、
ミラーに向けて撮像システムを配向するため、ロボットのアクチュエータに指示すること(304)と、
撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群を取得すること(306)と、
ミラーによって規定される表面で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正すること(308)と、
修正された三次元位置に基づいて、製造セル内でロボットが占める空間を決定すること(310)と、
製造セル内での衝突を防止するため、空間に基づいてロボットの動作を指示すること(312)と
を含む方法(300)。
【0051】
B2.前記ロボットのコンピュータ支援設計(CAD)モデルと前記空間との間の不一致を特定することと、
前記不一致を表すレポートを送信することと
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた提供される。
【0052】
B3.修正された位置に基づいて、製造セル内でロボットを覆う外装が占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた提供される。
【0053】
B4.製造セル内での衝突を防止するため、外装が占める空間に基づいて動作するよう、ロボットに指示すること
をさらに含む、段落B3に記載の方法もまた提供される。
【0054】
B5.ミラーの近傍の対象物(210)を検出するため、撮像システムを動作させることと、
既知であるミラーに対する対象物の場所に基づいて、撮像システムに対するミラーの位置及び配向を決定すること
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた提供される。
【0055】
B6.修正された位置に基づいて、エンドエフェクタが占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、段落B1に記載の方法もまた提供される。
【0056】
B7.製造セル内で部品に変更を加えるように、エンドエフェクタを動作させること
をさらに含む、段落B1に記載の方法。
【0057】
本発明のさらなる態様によれば、下記が提供される。
【0058】
C1.プログラムされた指令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記指令は、プロセッサによって実行されると、
製造セル内でミラーの位置及び配向を特定するために、ロボットのエンドエフェクタに取り付けられた撮像システムを動作させること(302)と、
ミラーに向けて撮像システムを配向するために、ロボットのアクチュエータに指示すること(304)と、
撮像システムを動作させてミラー内の画像をスキャンすることによって、三次元位置の点群を取得すること(306)と、
ミラーによって規定される表面で三次元位置を折り返すことによって、点群の三次元位置を修正すること(308)と、
修正された三次元位置に基づいて、製造セル内でロボットが占める空間を決定すること(310)と、
製造セル内での衝突を防止するため、空間に基づいて、ロボットの動作を指示すること(312)を含む方法(300)を実施するために動作することができる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0059】
C2.ロボットのコンピュータ支援設計(CAD)モデルと前記空間との間の不一致を特定することと、
不一致を表すレポートを送信することと
をさらに含む、段落C1に記載の方法もまた提供される。
【0060】
C3.修正された三次元位置に基づいて、製造セル内でロボットを覆う外装が占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、段落C1に記載の方法もまた提供される。
【0061】
C4.製造セル内での衝突を防止するため、外装が占める空間に基づいて動作するよう、ロボットに指示すること
をさらに含む、段落C3に記載の方法もまた提供される。
【0062】
C5.ミラーの近傍の対象物(210)を検出するため撮像システムを動作させることと、
既知であるミラーに対する対象物の場所に基づいて、撮像システムに対するミラーの位置及び配向を決定すること
をさらに含む、段落C1に記載の装置もまた提供される。
【0063】
C6.修正された三次元位置に基づいて、エンドエフェクタが占める空間(758)を特定すること
をさらに含む、段落C1に記載の方法もまた提供される。
【0064】
本書には具体的な実施形態が記載されているが、本開示の範囲は、それらの具体的な実施形態よって限定されるものではない。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲及びその均等物によって規定されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9