(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配信手段は、前記配信の対象となる設定情報に前記配信履歴が存在しない場合には、さらに、前記第1管理手段で管理される前記配信の対象となる設定情報の保存先を新たな保存先に更新し、
前記更新前の設定情報の保存先とは異なる場所は、前記配信手段により更新された前記設定情報の保存先であることを特徴とする請求項6に記載の配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。以降の実施の形態においては、ネットワークデバイスの前設置を実施例として記述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0012】
ネットワークデバイスにおいては、新規に購入されたネットワークデバイスのソフトウェア設定や構成の変更等を行ってから顧客先に届ける「前設置」と呼ばれる作業を行う場合がある。前設置で使用する設定の作成・編集を行う設定編集者は、前設置作業を依頼する際に、設定を作成した際に発行される設定IDを、前設置作業を実施する設置作業者に連絡する。設定IDを受け取った設置作業者が受け取った設定IDをネットワークデバイス上で入力して前設置を開始することで、ネットワークデバイスに搭載された機能によって、設定の適用が行われる。ネットワークデバイスごとに一つの設定を作成するだけではなく、一つの設定で複数のネットワークデバイスの前設置を行うことも可能である。すなわち、一つの設定を複数のネットワークデバイスに適用することも可能である。
【0013】
本実施例では、前設置において、ネットワークデバイスに適用した設定をエビデンスとして残す。以降、エビデンスを残すために、設定のコピー(複製)を作成して別に保存しておくことを「スナップショットを作成する」と呼ぶ。また、作成したコピーを「スナップショット」と呼ぶ。
【0014】
なお、設置の依頼後、前設置作業が開始される前および前設置作業中においても、設定編集者は設定の編集が可能である。そのため、設定を編集した際にスナップショットを取得しても、実際にネットワークデバイスの前設置で使用される設定とは異なる可能性があり、そのスナップショットをエビデンスとして扱うことはできない。例えば、前設置作業が開始された後に設定が編集された場合、該設定を編集した際に作成されたスナップショットと、前設置作業によりネットワークデバイスに適用された設定とが異なる可能性がある。また、一つの設定を複数のネットワークデバイスに適用する場合、同じ設定IDの設定が適用されたネットワークデバイスであっても、編集のタイミングと前設置のタイミングによっては適用された設定が同一になるとは限らない。
【0015】
そこで、本実施例では、設置作業者がネットワークデバイスの前設置を開始した際に設定のスナップショットを取得し、該スナップショットを用いて前設置を行い、該ネットワークデバイスと該スナップショットの紐付けを行う。これによって、ネットワークデバイスと実際に前設置に使用された設定のスナップショットが紐付けられ、そのスナップショットをエビデンスとして扱うことが可能となる。
【0016】
図1は、本発明の一実施例を示すネットワークシステムの構成を例示する図である。
設定配信システム100は、設定編集者PC110およびネットワークデバイス111からの要求を受け付けて処理を行う。
【0017】
設定編集者PC110は、ユーザが操作するPC(パーソナルコンピュータ)やタブレット型コンピュータ、ユーザにサービスを提供するアプリケーションサーバ等が想定される。設定編集者PC110は、ネットワークデバイス111に適用する設定を編集する機能を持つ。ただし、設定配信システム100が設定編集機能を持ち、設定編集者PC110にユーザインタフェース(UI)を提供する構成でもよい。設定編集者PC110は、ネットワーク112を経由して設定配信システム100に接続する。
【0018】
ネットワークデバイス111は、クライアント・ソフトウェアの機能を果たし、ネットワークデバイス111のユーザからの指示を設定配信システム100に送信する。また、ネットワークデバイス111は、設定配信システム100から配信された設定情報を自身に適用する機能を持つ。ネットワークデバイス111は、ネットワーク113を経由して設定配信システム100に接続する。
【0019】
設定配信システム100は、Webサーバ101と、DB(データベース管理サーバ)102、ファイルサーバ103を含む。Webサーバ101は、設定編集者PC110やネットワークデバイス111から受信した要求を処理する。DB102には、サービスを提供するための各種データ等が格納されている。ファイルサーバ103には、ネットワークデバイスに配信する設定データ等やサービスを提供するための各種データ等が格納されている。
【0020】
なお、設定配信システム100は、1台の装置で構成されていてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。例えば、Webサーバ101の機能、DB102の機能、ファイルサーバ103の機能の少なくとも2つを1台の装置で提供する構成でもよい。また、設定配信システム100は、クラウドサーバ等で構成されていてもよい。例えば、設定配信システム100は、パブリッククラウドサービス等を利用して構築可能である。
【0021】
上述したように、本実施例では、前設置において、ネットワークデバイスに適用した設定をエビデンスとして残す場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。設定配信システムから配信されてネットワークデバイスに適用された設定をエビデンスとして残す構成であればよい。
【0022】
図2は、本実施例に係るネットワークデバイス設定201の構成を例示する図である。
ネットワークデバイス設定201とは、ネットワークデバイス111に適用する各種設定情報が記載されたファイルである。
【0023】
ネットワークデバイス設定201は、例えば、ネットワークデバイス111のファームウェアのバージョン、ネットワークデバイス111のIPアドレス、ネットワークデバイス111のユーザのEmailアドレス等を含む。
【0024】
ネットワークデバイス設定201が保持する設定項目は、ネットワークデバイス111の機種およびインストールするファームウェア・アプリケーション等によって異なる場合がある。また、ネットワークデバイス設定201は、テキスト形式のデータには限定されず、バイナリ形式のデータ等の様々な形式のデータを含むことも可能である。ネットワークデバイス設定201のうち、ネットワークデバイス111に適用される設定データについてはファイルサーバ103に保存される。また、ネットワークデバイス設定201の設定データのID等はDB102に保存される。
【0025】
図3は、本実施例に係る設定スナップショット301の構成を例示する図である。
設定スナップショット301とは、ネットワークデバイス設定201のある時点での状態を全てコピーしたものである。設定スナップショット301の保存先については、前述のネットワークデバイス設定201と同様である。
【0026】
以下、
図18、
図19を用いて、本実施例のネットワークシステムに含まれる各装置のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図18は、Webサーバ101、DB102、ファイルサーバ103、設定編集者PC110を構成可能な情報処理装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
この情報処理装置は、CPU3000、主記憶装置3001、2次記憶装置3002、ユーザインタフェース3003、外部インタフェース3004等を有する。
【0028】
CPU3000は、所定のプログラムを実行し、情報処理装置の各種制御を指示するユニットである。主記憶装置3001は、CPU3000がプログラムを実行する際に使用するワークメモリであり、RAM(Random Access Memory)などにより実現される。
【0029】
2次記憶装置3002は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶装置により実現される。2次記憶装置3002は、アプリケーションプログラムやOS(Operating System)を含む各種プログラムや各種データが記憶されている。2次記憶装置3002に記憶されている各種プログラムは、CPU3000がプログラムを実行する際に主記憶装置3001にロードされる。
【0030】
ユーザインタフェース3003は、ユーザの操作入力を受け付ける機能、ユーザに通知を行う機能を持つユニットである。例えば、ユーザインタフェース3003は、キーボード、マウス等を用いてユーザの操作に応じた信号を受け付け可能である。また、ユーザインタフェース3003は、ディスプレイ等を用いてユーザに対する通知を出力可能である。
外部インタフェース3004は、ネットワークに接続して、他の機器との通信を可能にする。
【0031】
図19は、ネットワークデバイス111のハードウェア構成を例示するブロック図である。ここでは、ネットワークデバイス111の一例として複合機を用いて説明するが、ネットワークデバイス111は複合機に限定されるものではなく、ネットワークデバイス111には各種の情報処理装置が含まれる。例えば、プリンタ、スキャナ等の画像処理装置、パーソナルコンピュータ、ネットワークカメラ、ナビゲーションシステム、また、エアーコンディショナー、テレビジョン等の各種ネットワーク家電等も本実施例のネットワークデバイス111に含まれるものである。
【0032】
本実施例のネットワークデバイス111は、大別して画像処理ユニット2000、印刷ユニット2006、読み込みユニット2007等を有する。
【0033】
画像処理ユニット2000は、CPU2001、主記憶装置2002、2次記憶装置2003、ユーザインタフェース2004、外部インタフェース2005等を有する。
CPU2001は、所定のプログラムを実行し、ネットワークデバイス111の各種制御を指示する。
【0034】
主記憶装置2002は、CPU2001がプログラムを実行する際に使用するワークメモリであり、RAMなどにより実現される。2次記憶装置2003は、HDDやSSD等の不揮発性の記憶装置により実現される。2次記憶装置2003は、アプリケーションプログラムやOS等の各種プログラムや各種設定情報等が記憶されている。2次記憶装置2003に記憶されている各種プログラムは、CPU2001がプログラムを実行する際に主記憶装置2002にロードされる。
【0035】
ユーザインタフェース2004は、ユーザの操作入力を受け付ける機能を持つユニットであり、タッチ操作が可能なパネルやハードキーなどを有する操作パネル等により実現される。
【0036】
外部インタフェース2005は、例えばネットワークインタフェースであり、外部装置からのデータの受信や外部装置へのデータの送信が可能となっている。例えば、外部インタフェース2005は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)やSNMP(Simple Network Management Protocol)などのプロトコルを介して、2次記憶装置2003に記録されたネットワークデバイス111の各種管理情報を外部に提供したり、外部から取得することができる。本実施例では、外部インタフェース2005は、設定配信システム100と情報をやり取りするために通信することを想定している。
【0037】
印刷ユニット2006は、ネットワークデバイス111において、プリント、コピーなどの機能が実行された際に、画像形成を行うハードウェア機構である。読み込みユニット2007は、ネットワークデバイス111において、スキャン、コピーなどの機能が実行された際に、文字や写真などの原稿を電子データに変換するハードウェア機構である。
【0038】
図4は、実施例1のWebサーバ101のソフトウェア構成を例示する図である。
Webサーバ101は、設定更新部401、設定配信部402、スナップショット作成部403、設置履歴管理部404等の機能部を含む。これらの機能部は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0039】
設定更新部401は、設定編集者PC110から受信したネットワークデバイス設定201を、DB102およびファイルサーバ103に保存する。例えば、設定更新部401は、ネットワークデバイス設定201のうち、ファイルサーバ103上のパス等の管理上の属性情報をDB102に保存し、設定データそのものはファイルサーバ103に保存する。なお、ネットワークデバイス設定201の設定データそのものもDB102に保存すること等も可能である。
【0040】
設定配信部402は、ネットワークデバイス111からの要求に応じて、設定スナップショット301をネットワークデバイス111に配信する。なお、配信する設定スナップショット301は、スナップショット作成部403に要求して作成されたものを使用する。なお、本実施例においては、作成された設定スナップショット301を使用するが、設定配信部402がネットワークデバイス設定201をネットワークデバイス111に配信する構成でもよい。
【0041】
スナップショット作成部403は、設定配信部402からの要求に応じて、ネットワークデバイス設定201のスナップショットである設定スナップショット301を作成する。なお、要求されたネットワークデバイス設定201のスナップショットがすでに存在する場合には、スナップショットは作成せずに既存の設定スナップショット301を設定配信部402に返す。なお、要求されたネットワークデバイス設定201のスナップショットの有無の判断方法については後述する。
【0042】
設置履歴管理部404は、ネットワークデバイス111の前設置で利用した設定スナップショット301のスナップショットIDを、ネットワークデバイス111のネットワークデバイスIDとマッピングしてDB102に記録する。ネットワークデバイス111のネットワークデバイスIDとしては、例えばネットワークデバイスのシリアル番号を使用する。このようにネットワークデバイスIDとスナップショットIDをマッピングして管理することによって、ネットワークデバイスの前設置で使用された設定スナップショット301を特定可能となり、前設置のエビデンスとして利用可能となる。
【0043】
図5は、設定編集者PC110における設定編集画面501の構成を例示する図である。設定編集画面501は、設定編集者等による所定の操作に応じて、設定編集者PC110のユーザインタフェース3003に表示される。
【0044】
設定編集者PC110のユーザは、ネットワークデバイス設定201ごとに設定値の編集を行い、設定編集の途中および完了時に設定を保存することができる。設定編集画面501上で保存指示(保存ボタン502の押下)を行うと、設定編集者PC110からの要求を受けた設定配信システム100の設定更新部401が、設定編集者PC110の設定編集画面501の編集領域503で編集された設定を、DB102およびファイルサーバ103に保存する。このように、設定編集者PC110から設定更新部401を介して、設定配信システム100に保存されているネットワークデバイス設定201を更新可能である。
【0045】
図6は、ネットワークデバイス111のソフトウェア構成を例示する図である。
ネットワークデバイス111は、設定取得部601と設定適用部602等の機能部を有する。これらの機能部は、ネットワークデバイス111のCPU2001が2次記憶装置2003に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置2002に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0046】
設定取得部601は、設定スナップショット301を、設定配信システム100の設定配信部402から取得する。取得する設定スナップショット301は、後述する
図7に示す方法によって指定したネットワークデバイス設定201から作成されたものとなる。なお、設定取得部601は、設定スナップショット301を取得する際に、設定配信システム100に対してネットワークデバイス111のネットワークデバイスIDを送信する。
【0047】
設定適用部602は、設定取得部601が取得した設定スナップショット301をネットワークデバイス111に適用する。
【0048】
図7は、ネットワークデバイス111における設置開始画面701の構成を例示する図である。設置開始画面701は、設置作業者等による所定の操作に応じて、ネットワークデバイス111のユーザインタフェース2004に表示される。
【0049】
設置開始画面701上で、ネットワークデバイス設定201の設定IDを、設定ID入力部702で指定した上で、設置開始を指示(設定開始ボタン703を押下)することで、設定取得部601が設定スナップショット301の取得を開始する。
【0050】
本実施例では、ネットワークデバイス設定201の設定IDは、ネットワークデバイスが所有するUIで入力されることを想定しているため、利便性のために数字を想定しているが、数字以外の文字列を用いても本実施例は実現可能である。また、設定IDに対応するバーコード等を読み込みユニット2007により読み取らせること等により、設定IDを指定可能に構成してもよい。
【0051】
図8は、本実施例に係る設定管理テーブル801を例示する図である。
設定管理テーブル801は、DB102によって保持される。
設定管理テーブル801には、ネットワークデバイス設定201の設定ID、ファイルサーバ103上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパス、当該ネットワークデバイス設定201と紐づく設定スナップショット301のスナップショットIDが保持される。
【0052】
なお、設定管理テーブル801上で、設定IDとスナップショットIDが記録されている状態を、当該設定IDを持つネットワークデバイス設定201に「設定リンクがある」と呼ぶ。また、設定管理テーブル801上で、設定IDが記録され、スナップショットIDが記録されていない状態を、当該設定IDを持つネットワークデバイス設定201に「設定リンクがない」と呼ぶ。ネットワークデバイス設定201に設定リンクがない状態で、スナップショットIDを記録することを、当該ネットワークデバイス設定201に「設定リンクを作成する」と呼ぶ。さらに、ネットワークデバイス設定201に設定リンクがある状態で、スナップショットIDを削除することを、当該ネットワークデバイス設定201の「設定リンクを削除する」と呼ぶ。
【0053】
設定更新部401は、ネットワークデバイス設定201を更新する場合、設定管理テーブル801上の設定IDとスナップショットIDを参照し、更新するネットワークデバイス設定201に設定リンクがある場合は、当該設定リンクを削除する。これにより、スナップショットIDが設定管理テーブル801から削除される。さらに、設定更新部401は、更新するネットワークデバイス設定201を、設定管理テーブル801のファイルパスで指定される場所(本実施例ではファイルサーバ103上)に保存する。
【0054】
スナップショット作成部403は、スナップショットの作成要求に応じて、設定管理テーブル801上の設定IDとスナップショットIDを参照し、前設置で使用するネットワークデバイス設定201の設定リンクがあるかを判断する。設定リンクがない場合には、当該ネットワークデバイス設定201の設定スナップショット301を作成し、当該設定スナップショット301のスナップショットIDを用いて、当該ネットワークデバイス設定201の設定リンクを作成する。これにより、スナップショットIDが設定管理テーブル801に記録される。
【0055】
図9は、本実施例に係るスナップショット管理テーブル901を例示する図である。
スナップショット管理テーブル901は、DB102によって保持される。
スナップショット管理テーブル901には、設定スナップショット301のスナップショットID、ファイルサーバ103上の当該設定スナップショット301のファイルパスが保持される。
【0056】
設定配信部402は、スナップショット管理テーブル901のスナップショットIDとファイルパスを参照し、スナップショット301のスナップショットIDからファイルパスを取得する。そして、設定配信部402は、ファイルサーバ103上の当該ファイルパスで指定される場所から、設定スナップショット301を取得し、ネットワークデバイス111に配信する。
【0057】
スナップショット作成部403は、スナップショットIDとファイルパスを生成し、スナップショット管理テーブル901に記録する。また、スナップショット作成部403は、ネットワークデバイス設定201の設定スナップショット301を作成し、ファイルサーバ103上の当該ファイルパスに当該設定スナップショット301を保存する。上述のスナップショットIDの生成からファイルサーバ103上への保存までの一連の処理を、「スナップショットを作成する」と呼ぶ。
【0058】
図10は、ネットワークデバイス設定201の更新処理を例示するフローチャートである。このフローチャートで示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0059】
Webサーバ101のCPU3000は、設定編集者PC110の要求に応じて、設定編集者PC110から受け取ったネットワークデバイス設定201の設定更新処理を開始する(S1001)。設定編集者PC110は、上記要求の際、ネットワークデバイス設定201の設定データと設定IDをWebサーバ101に送信する。
【0060】
まず、S1002において、設定更新部401は、当該更新を要求されたネットワークデバイス設定201の設定IDを用いて設定管理テーブル801を参照し、当該更新を要求されたネットワークデバイス設定201に設定リンクがあるか否かを判定する。そして、設定リンクがあると判定した場合(S1002でYesの場合)、設定更新部401は、S1003に処理を進める。
S1003において、設定更新部401は、当該リンクを削除し、S1004に処理を進める。
【0061】
一方、設定リンクがないと判定した場合(S1002でNoの場合)、設定更新部401は、S1004に処理を進める。
【0062】
S1004において、設定更新部401は、設定管理テーブル801の当該ネットワークデバイス設定201の設定IDが記録されたレコードから、対応するファイルパスを取得する。そして、設定更新部401は、ファイルサーバ103上の当該ファイルパスに、当該ネットワークデバイス設定201を保存する。そして、設定更新処理を終了する。
【0063】
図11は、実施例1に係るネットワークデバイス111の前設置処理を例示するフローチャートである。このフローチャートのS1102〜S1106で示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。また、S1107で示す処理は、ネットワークデバイス111のCPU2001が2次記憶装置2003に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置2002に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0064】
Webサーバ101のCPU3000は、ネットワークデバイス111からの前設置処理の要求に応じて、前設置処理を開始する(S1101)。この要求の際、ネットワークデバイス111は、設定配信システム100に対して、当該ネットワークデバイス111のネットワークデバイスID及びネットワークデバイス設定201の設定IDを送信する。
【0065】
S1102において、スナップショット作成部403は、当該設定IDを用いて設定管理テーブル801を参照し、当該設定IDが示すネットワークデバイス設定201に設定リンクがあるか否かを判定する。そして、設定リンクがあると判定した場合(S1102でYesの場合)、スナップショット作成部403は、S1105に処理を移行させる。
【0066】
一方、設定リンクがないと判定した場合(S1102でNoの場合)、スナップショット作成部403は、S1
103に処理を進める。
S1103において、スナップショット作成部403は、
図9の説明に記載の方法に従い、設定スナップショット301を作成する。
次に、S1104において、スナップショット作成部403は、
図8の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイス設定201の設定リンクを作成し、S1105に処理を移行させる。
【0067】
S1105において、設置履歴管理部404は、当該ネットワークデバイスIDと当該設定リンクが示すスナップショットIDとを紐付けるための情報をDB102に記録する。すなわち、設置履歴管理部404は、配信対象の設定情報のスナップショットと、配信先となるネットワークデバイスとの関連を記録し管理する。
【0068】
次に、S1106において、設定配信部402は、
図9の説明に記載の方法に従い、当該スナップショットIDから対応する設定スナップショット301を取得し、当該設定スナップショット301を当該ネットワークデバイス111に配信する。
【0069】
上記S1106での設定スナップショット301の配信に応じて、当該設定スナップショット301を、ネットワークデバイス111の設定取得部601が取得する。そして、S1107において、設定適用部602が、設定配信部402によって配信され設定取得部601で取得された当該設定スナップショット301を、ネットワークデバイス111に適用する。
【0070】
なお、上記S1106の配信処理、上記S1107の適用処理のいずれかでエラーとなり、ネットワークデバイス111に、設定配信システム100から配信された設定が適用されなかった場合には、上記S1105でDB102に記録したネットワークデバイスIDとスナップショットIDとを紐付けるための情報を削除するようにしてもよい。
【0071】
以上に示すように、ネットワークデバイス設定201の設定リンクの有無によってスナップショット作成の必要性を判断することにより、スナップショット作成を必要最低限に抑えることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施例によれば、ネットワークデバイスの前設置開始の際に、最後に前設置で使用されてから設定が更新されているかを判定し、更新されている場合にのみスナップショットを作成するように構成する。すなわち、本実施例の設定配信システムは、ネットワークデバイスに対して設定の配信を行う場合、該設定の複製であるスナップショットを作成して保存しておき、該スナップショットと、配信先となるネットワークデバイスとの関連を記録しておき、該スナップショットを該配信先となるネットワークデバイスに配信するものである。さらに、本実施例の設定配信システムは、更新された最新の設定に対応するスナップショットが存在しない場合には、該設定からスナップショットを作成し、前記最新の設定に対応するスナップショットが存在する場合には、該設定からスナップショットを作成しない構成とする。
【0073】
このような構成により、スナップショットの作成を必要最低限に抑えることができ(無駄なスナップショットの作成を抑え)、この結果、前設置において発生するストレージコストを抑えることができる。特に、一つの設定を使用して複数台のネットワークデバイスの前設置等を実施する場合(すなわち、一つの設定を複数台のネットワークデバイスに配信して適用させる場合)、従来に比べてストレージコストを削減することが可能である。
【実施例2】
【0074】
ネットワークデバイス設定201は、ネットワークデバイスの機種ごとに共通の設定と、ネットワークデバイスごとに異なる個別の設定の2種類の設定から構成されてもよい。以下、この実施例について説明する。
【0075】
ネットワークデバイスの機種ごとに共通の設定を「ネットワークデバイス共通設定」と呼び、ネットワークデバイスごとに異なる個別の設定を「ネットワークデバイス個別設定」と呼ぶ。また、「ネットワークデバイス共通設定」に対応する設定スナップショット301を「共通設定スナップショット」と呼び、「ネットワークデバイス個別設定」に対応する設定スナップショット301を「個別設定スナップショット」と呼ぶ。
【0076】
ネットワークデバイス共通設定、ネットワークデバイス個別設定は、実施例1のネットワークデバイス設定201と、後述する差異を除き同じ構成である。すなわち、ネットワークデバイス共通設定、ネットワークデバイス個別設定はそれぞれ、設定管理テーブル801に登録され管理される。また、共通設定スナップショットおよび個別設定スナップショットは、実施例1の設定スナップショット301と、後述する差異を除き同じ構成である。すなわち、また、共通設定スナップショット、個別設定スナップショットはそれぞれ、スナップショット管理テーブル901に登録され管理される。
【0077】
差異として、ネットワークデバイス個別設定は、ネットワークデバイス共通設定の設定IDを持っている。また、ネットワークデバイス111の設置開始画面701(
図7)で指定するネットワークデバイス設定201の設定IDは、ネットワークデバイス個別設定の設定IDである。また、個別設定スナップショットは、ネットワークデバイス共通設定の設定IDを持っている。
【0078】
ネットワークデバイス設定201が2種類の設定から構成される場合、スナップショットの作成の判断をネットワークデバイス共通設定・ネットワークデバイス個別設定ごとにそれぞれ行わなければ不必要なスナップショットが作成されてしまう。その結果、前設置のストレージコストを増加させてしまう可能性がある。
【0079】
そこで、本実施例2では、ネットワークデバイス設定201が2種類の設定から構成される場合に、スナップショットの作成を必要最低限に抑え、前設置において発生するストレージコストを削減する構成について記述する。
まず、
図12および
図13を用いて実施例1との差異を記述する。
【0080】
図12は、実施例2のWebサーバ101のソフトウェア構成を例示する図であり、
図4と同一のものには同一の符号を付してある。
実施例2のWebサーバ101は、設定更新部401、設定配信部402、スナップショット作成部403、設置履歴管理部404に加え、設置リンク管理部1201の機能部を含む。これらの機能部は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0081】
設置リンク管理部1201は、後述する
図13に示す設置リンク管理テーブル1301を参照し、後述する設置リンクがあるかを判断する。設置リンクがあるかの判断方法については後述する。また、設置リンク管理部1201は、設置リンク管理テーブル1301を更新し、設置リンクを作成する。設置リンクの作成方法については後述する。
【0082】
設置リンク管理部1201は、設置リンク管理テーブル1301を参照および更新する際、共通設定スナップショットのスナップショットIDである共通設定スナップショットIDと、個別設定スナップショットのスナップショットIDである個別設定スナップショットIDを用いる。また、設置リンク管理部1201は、設置リンク管理テーブル1301を参照し、後述する設置リンクIDを用いて、設置リンクIDに対応する共通設定スナップショットIDと個別設定スナップショットIDを取得する。
【0083】
図13は、実施例2に係る設置リンク管理テーブル1301を例示する図である。
設置リンク管理テーブル1301は、DB102によって保持される。
設置リンク管理テーブル1301には、共通設定スナップショットID、個別設定スナップショットID、後述の設置リンクIDが保持される。
【0084】
なお、設置リンク管理テーブル1301上で、共通設定スナップショットIDと個別設定スナップショットIDが記録されている状態を、「共通設定スナップショットと個別設定スナップショットに設置リンクがある」と呼ぶ。設置リンクは、設置リンクIDを持つ。設置リンクIDを生成し、共通設定スナップショットIDと個別設定スナップショットID、設置リンクIDを当該テーブルに記録することを、「共通設定スナップショットと個別設定スナップショットの設置リンクを作成する」と呼ぶ。
【0085】
図14は、実施例2に係るネットワークデバイス共通設定とネットワークデバイス個別設定を用いたネットワークデバイス111の前設置処理を例示するフローチャートである。このフローチャートのS1402〜S1411で示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。また、S1412で示す処理は、ネットワークデバイス111のCPU2001が2次記憶装置2003に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置2002に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0086】
Webサーバ101のCPU3000は、ネットワークデバイス111の要求に応じて、前設置処理を開始する(S1401)。この要求の際、ネットワークデバイス111は、設定配信システム100に対して、当該ネットワークデバイス111のネットワークデバイスID及びネットワークデバイス個別設定の設定IDを送信する。
【0087】
S1402において、スナップショット作成部403は、設定管理テーブル801を参照し、当該ネットワークデバイス個別設定に設定リンクがあるか否かを判定する。そして、設定リンクがあると判定した場合(S1402でYesの場合)、スナップショット作成部403は、S1405に処理を移行させる。
【0088】
一方、設定リンクがないと判定した場合(S1402でNoの場合)、スナップショット作成部403は、S1403に処理を進める。
S1403において、スナップショット作成部403は、
図9の説明に記載の方法に従い、個別設定スナップショットを作成する。次に、S1404において、スナップショット作成部403は、
図8の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイス個別設定に設定リンクを作成し、S1405に処理を移行させる。
【0089】
S1405において、スナップショット作成部403は、当該ネットワークデバイス個別設定が持つネットワークデバイス共通設定の設定IDを取得する。さらに、スナップショット作成部403は、当該設定IDを用いて、設定管理テーブル801を参照し、当該ネットワークデバイス共通設定に設定リンクがあるか否かを判定する。そして、設定リンクがあると判定した場合(S1405でYesの場合)、スナップショット作成部403は、S1408に処理を移行させる。
【0090】
一方、設定リンクがないと判定した場合(S1405でNoの場合)、スナップショット作成部403は、S1406に処理を進める。
S1406において、スナップショット作成部403は、
図9の説明に記載の方法に従い、共通設定スナップショットを作成する。次に、S1407において、スナップショット作成部403は、
図8の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイス共通設定に設定リンクを作成し、S1408に処理を移行させる。
【0091】
S1408において、設置リンク管理部1201は、
図13の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイス共通設定と当該ネットワークデバイス個別設定に設置リンクがあるか否かを判定する。そして、設置リンクがあると判定した場合(S1408でYesの場合)、設置リンク管理部1201は、S1410に処理を移行させる。
【0092】
一方、設置リンクがないと判定した場合(S1408でNoの場合)、設置リンク管理部1201は、S1409に処理を進める。
S1409において、設置リンク管理部1201は、
図13の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイス共通設定と当該ネットワークデバイス個別設定に設置リンクを作成し、S1410に処理を移行させる。
【0093】
S1410において、設置履歴管理部404は、当該ネットワークデバイスIDと当該設置リンクの設置リンクIDとを紐付けるための情報をDB102に記録する。
次に、S1411において、設置リンク管理部1201は、当該設置リンクIDを用いて、設置リンク管理テーブル1301から共通設定スナップショットIDと個別設定スナップショットIDを取得する。また、設定配信部402は、
図9の説明に記載の方法に従い、当該個別設定スナップショットIDから対応する個別設定スナップショットを取得し、ネットワークデバイス111に配信する。また、
図9の説明に記載の方法に従い、当該共通設定スナップショットIDから対応する共通設定スナップショットを取得し、ネットワークデバイス111に配信する。
【0094】
上記S1411での個別設定スナップショットおよび共通設定スナップショットの配信に応じて、当該個別設定スナップショットおよび共通設定スナップショットを、ネットワークデバイス111の設定取得部601が取得する。そして、S1412において、設定適用部602は、設定配信部402によって配信され設定取得部601で取得された当該共通設定スナップショットおよび当該個別設定スナップショットを、ネットワークデバイス111に適用する。
【0095】
なお、本実施例では、ネットワークデバイス設定201が、ネットワークデバイスの機種ごとに共通の設定と、ネットワークデバイスごとに異なる個別の設定の2種類の設定から構成される場合を例に説明した。しかし、ネットワークデバイス設定201は、3種類以上の設定から構成されていてもよい。例えば、共通設定、個別設定の少なくともいずれかが複数種類から構成され、その結果、ネットワークデバイス設定201が3種類以上の設定から構成されるものでもよい。
【0096】
以上に示すように、設定の種類ごとにスナップショット作成の必要性を判断する仕組みを設ける。これにより、ネットワークデバイス設定201が複数の種類から構成される場合でも、スナップショットの作成を最低限に抑制し、ストレージコストを削減することが可能となる。
【実施例3】
【0097】
設定配信システム100を、パブリッククラウドサービス等を利用して構築する場合、パブリッククラウドサービス等の特性として、ファイルサーバ103が結果整合性を持つ。そのため、データを更新した後に、その更新が確実に反映されるまで多少のタイムラグが発生する場合がある。本実施例の場合、スナップショット作成部403が設定スナップショット301を作成した後、ネットワークデバイス111に設定スナップショット301を配信する際に次のような課題が発生する。スナップショット301を配信する際に設定スナップショット301の作成処理が完全に完了していない場合があり、設定スナップショット301を配信できない可能性がある。
【0098】
そこで、本実施例3では、設定スナップショット301の作成後に、設定スナップショット301とネットワークデバイス設定201を入れ替える処理を実行することで、前述の課題を解決する構成について記述する。
【0099】
本実施例では、
図15を用いて実施例1との差異を中心に記述する。なお、
図15に記載の各ステップは、S1506を除き、
図11と同一のため、これらについては説明を省略する。
【0100】
図15は、実施例3に係るネットワークデバイス設定201と設定スナップショット301の入れ替えを含むネットワークデバイス111の前設置処理を例示するフローチャートである。このフローチャートのS1502〜S1507で示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。また、S1508で示す処理は、ネットワークデバイス111のCPU2001が2次記憶装置2003に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置2002に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0101】
まず、S1501〜S1505は、
図11のS1101〜S1105と同一であるので説明を省略する。
次に、S1506において、スナップショット作成部403は、当該ネットワークデバイス設定201と当該設定スナップショット301について、次の入れ替え処理を実行する。スナップショット作成部403は、設定管理テーブル801から当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスを、スナップショット管理テーブル901から当該設定スナップショット301のファイルパスをそれぞれ取得する。さらに、スナップショット作成部403は、上記取得した当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスで、スナップショット管理テーブル901の当該設定スナップショット301のファイルパスを上書きする。また、スナップショット作成部403は、上記取得した当該設定スナップショット301のファイルパスで、設定管理テーブル801の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスを上書きする。
また、S1507〜S1508は、
図11のS1106〜S1107と同一であるので説明を省略する。
【0102】
上記で示すように、スナップショットを作成後、設定とスナップショットを入れ替える。この際、設定やスナップショットのコピーによって入れ替えを行うのではなく、DB102上のレコードを書き換えることで入れ替えを実行する。これらにより、デバイスにスナップショットを配信する際に、スナップショットが取得できることを担保することが可能となる。
【実施例4】
【0103】
設定配信部402は、ネットワークデバイス設定201の更新日時と設定スナップショット301の作成日時を使用して、設定スナップショット301を作成するかどうかを判断するように構成してもよい。以下、本実施例4について、実施例1との差分について記述する。
【0104】
設定管理テーブル801に、ネットワークデバイス設定201の最終更新日時を記録する項目を追加する(不図示)。また、スナップショット管理テーブル901に、設定スナップショット301の作成日時を記録する項目を追加する(不図示)。また、スナップショット管理テーブル901に、設定スナップショット301の作成元であるネットワークデバイス設定201の設定IDを記録する項目を追加する(不図示)。
【0105】
設定更新部401は、ネットワークデバイス設定201を更新する際に、設定管理テーブル801にネットワークデバイス設定201の最終更新日時も記録する。スナップショット作成部403は、設定スナップショット301を作成する際に、スナップショット管理テーブル901に設定スナップショット301の作成日時も記録する。また、スナップショット作成部403は、当該設定スナップショット301の作成元となったネットワークデバイス設定201の設定IDもスナップショット管理テーブル901に記録する。
【0106】
スナップショット作成部403は、設定スナップショット301を作成するかどうかを判断する際に、設定管理テーブル801から対象のネットワークデバイス設定201の最終更新日時を取得する。そして、スナップショット作成部403は、スナップショット管理テーブル901を参照し、当該ネットワークデバイス設定201から作成した設定スナップショット301の一覧を取得する。スナップショット作成部403は、この一覧に、当該最終更新日時とスナップショット301の作成日時が一致するものがない場合に、設定スナップショット301を作成する必要があると判断する。
【0107】
上記で示すように、ネットワークデバイス設定201に設定スナップショット301へのリンクの有無以外の方法でもスナップショット作成の判断を行うことが可能である。
【実施例5】
【0108】
設定スナップショット301は、ある時点でのネットワークデバイス設定201の状態を復元できるものであればよいため、全てのデータを含む必要はない。そこで、前回作成したスナップショット301との差分情報(すなわち更新前の設定と更新後の設定との差分情報)によって設定スナップショット301を構成してもよい。なお、初回に作成する設定スナップショット301は、前回作成したスナップショット301との差分は存在しないため、ネットワークデバイス設定201の全てのデータを含む。本実施例5について、
図16と
図17を用いて実施例1との差異を中心に記述する。
【0109】
図16は、実施例5に係る差分設定管理テーブル1601を例示する図である。
差分設定管理テーブル1601は、設定管理テーブル801に、ネットワークデバイス設定201の最新の設定スナップショット301のスナップショットIDを記録する項目を追加したものである。当該項目をネットワークデバイス設定201の「最新スナップショットID」と呼ぶ。
【0110】
スナップショット作成部403は、設定スナップショット301を作成した場合、実施例1に記載の処理に加え、作成した設定スナップショット301のスナップショットIDによって最新スナップショットIDを更新する。
【0111】
図17は、実施例5に係る差分スナップショット管理テーブル1701を例示する図である。
差分スナップショット管理テーブル1701は、スナップショット管理テーブル901に、同一ネットワークデバイス設定201に対して作成された、1つ前の世代の設定スナップショット301のスナップショットIDを記録する項目を追加したものである。当該項目を設定スナップショット301の「前世代スナップショットID」と呼ぶ。すなわち、差分スナップショット管理テーブル1701は、最新の世代の設定スナップショットと、1つ前の世代の設定スナップショットとを関連付けするものである。
【0112】
スナップショット作成部403は、ネットワークデバイス設定201の設定スナップショット301を作成する際に、実施例1に記載の処理に加え、以下の処理を実行する。スナップショット作成部403は、差分設定管理テーブル1601に記録された当該ネットワークデバイス設定201の最新スナップショットIDを取得する。そして、作成した設定スナップショット301のスナップショットIDとファイルパスを差分スナップショット管理テーブル1701に書き込む際に、上記取得した最新スナップショットIDを前世代スナップショットIDに書き込む。
【0113】
なお、差分設定管理テーブル1601からの最新スナップショットIDの取得は、
図16に記載の処理によって当該最新スナップショットIDが更新される前に実行される。なお、当該ネットワークデバイス設定201の最新スナップショットIDが記録されていない場合は、差分スナップショット管理テーブル1701の前世代スナップショットIDは記録しない。
【0114】
設定配信部402は、スナップショットIDから設定スナップショット301を取得し、ネットワークデバイス111に配信する際に、次の処理を実行し、複数の設定スナップショット301からネットワークデバイス設定201を復元する。差分スナップショット管理テーブル1701を参照し、当該スナップショットIDに対応する前世代スナップショットIDとファイルパスを取得する。当該前世代スナップショットIDが記録されている場合、それをスナップショットIDとして用いて再度上記処理を実行する。前世代スナップショットIDが記録されていない場合、前述の処理の繰り返しを終了する。上記処理の繰り返しで取得した一連のファイルパスを用いて、一連の設定スナップショット301をファイルサーバ103から取得する。そして、取得した一連の設定スナップショット301を結合してネットワークデバイス設定201を復元し、該復元したネットワークデバイス設定201をネットワークデバイス111に配信する。
【0115】
上記で示すように、前回作成したスナップショット301との差分情報によって設定スナップショット301を構成することも可能である。
【実施例6】
【0116】
ネットワークデバイス111の前設置においては、一度、前設置で使用したネットワークデバイス設定201を再度編集して別の前設置で使用するケースは少ない。そのため、多くの場合はネットワークデバイス設定201と設定スナップショット301の内容は同一のものとなる。このように、同じデータを重複して保持するためストレージコストの点で無駄が発生する。この課題を解決するため、本実施例6では、設定更新および設定配信の処理において、過去に設置で使用したネットワークデバイス設定201か否かによって設定スナップショット301を作成するかを判断するように構成する。以下、本実施例6について、実施例1との差分について記述する。
【0117】
実施例6の設定更新部401は、ネットワークデバイス設定201を更新する場合、設定管理テーブル801を参照し、設置で使用した履歴の有無を判断する。設置で使用した履歴は、「設定リンクがある」場合は履歴があると判断し、「設定リンクがない」場合は履歴がないと判断する。履歴がある場合を、「設置使用履歴がある」と呼び、履歴がない場合を、「設置使用履歴がない」と呼ぶこととする。設置使用履歴は、ネットワークデバイスへの配信履歴に対応する。すなわち、設置使用履歴が存在するネットワークデバイス設定は、以前に前設置等で配信されたことがある設定に対応する。一方、設置使用履歴が存在しないネットワークデバイス設定は、未だ前設置等で配信されたことのない設定に対応する。
【0118】
設定を更新する際、当該ネットワークデバイス設定201に設置使用履歴がある場合(以前に配信されたことがある設定の場合)、設定更新部401は、当該ネットワークデバイス設定201の設定リンクを削除する。当該設定リンクを削除する処理を「設置使用履歴を削除する」と呼ぶこととする。さらに、設定更新部401は、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスが示す場所に更新された当該ネットワークデバイス設定201を保存する。詳細は後述する設定配信部402で示すが、この場合、当該ファイルパスが示す場所は、更新前のネットワークデバイス設定が保存された場所とは異なる場所となる。すなわち、設定更新部401は、更新対象のネットワークデバイス設定201に設置使用履歴が存在する場合には、該設置使用履歴を削除して、更新前のネットワークデバイス設定とは異なる場所に、更新されたネットワークデバイス設定を保存することになる。このように、配信されたネットワークデバイス設定に対する上書きが防止されている。
【0119】
設置使用履歴がない場合(未だ配信されたことがない設定の場合)、設定更新部401は、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスが示す場所に更新された当該ネットワークデバイス設定201を上書き保存する。
【0120】
設定配信部402は、ネットワークデバイス111からの要求に応じて、ネットワークデバイス設定201をネットワークデバイス111に配信する。当該ネットワークデバイス設定201に設置使用履歴がある場合、設定配信部402は、当該設置使用履歴が示す、つまり設定リンクが保持するスナップショットIDを用いて、スナップショット管理テーブル901からファイルパスを取得する。そして、ファイルサーバ103上の当該ファイルパスで指定される場所から設定スナップショット301を取得し、ネットワークデバイス111に配信する。すなわち、設定配信部402は、配信対象のネットワークデバイス設定に配信履歴がある場合、該配信履歴から特定されるネットワークデバイス設定を配信する。
【0121】
当該ネットワークデバイス設定201に設置使用履歴がない場合、設定配信部402は、設定管理テーブル801に記録された当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスと新規に発行したスナップショットIDを、スナップショット管理テーブル901に新規に記録する。そして、設定配信部402は、ファイルサーバ103上の当該ファイルパスで指定される場所から設定スナップショット301を取得し、ネットワークデバイス111に配信する。さらに、設定配信部402は、ファイルパスを新規に発行し、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスとして上書きして記録する。また、設定配信部402は、上記新規に発行したスナップショットIDを、設定管理テーブル801上のスナップショットIDとして記録する。すなわち、設定配信部402は、配信対象のネットワークデバイス設定に配信履歴がない場合、設定管理テーブル801のファイルパスに保存される該ネットワークデバイス設定を配信する。さらに、設定配信部402は、該ネットワークデバイス設定が更新される場合に備えて新たな保存先(ファイルパス)を新規に作成し、該ファイルパスにより設定管理テーブル801のファイルパスを更新しておく。
【0122】
このように、設定配信部402は、配信対象のネットワークデバイス設定に配信履歴がない場合、新たにスナップショットを作成する代わりに、該ネットワークデバイス設定201を配信する。これにより、同じ内容のネットワークデバイス設定201と設定スナップショット301が重複して保持されることを抑え、ストレージコストにかかる無駄の発生を抑えることが可能となる。なお、設定配信部402は、配信の際、該ネットワークデバイス設定201の更新に備えて、更新後のネットワークデバイス設定201の新たな保存先を決定して設定管理テーブル801を更新しておく。これにより、配信したネットワークデバイス設定のエビデンスが更新による上書きで消失しないようにしておくことができる。このため、設定更新部401が更新を行う際、更新対象のネットワークデバイス設定201に設置使用履歴が存在する場合には、更新前のネットワークデバイス設定とは異なる場所に、更新されたネットワークデバイス設定を保存することができる。
上記のスナップショット管理テーブル901と設定管理テーブル801上の記録を更新する一連の処理を「設置使用履歴を作成する」と呼ぶこととする。
【0123】
図20は、実施例6に係るネットワークデバイス設定201の更新処理を例示するフローチャートである。このフローチャートのS2002〜S2004で示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0124】
Webサーバ101のCPU3000は、設定編集者PC110の要求に応じて、設定編集者PC110から受け取ったネットワークデバイス設定201の設定更新処理を開始する(S2001)。設定編集者PC110は、上記要求の際、ネットワークデバイス設定201の設定データと設定IDをWebサーバ101に送信する。
【0125】
まず、S2002において、設定更新部401は、更新を要求された当該ネットワークデバイス設定201の設定IDを用いて設定管理テーブル801を参照し、当該更新を要求されたネットワークデバイス設定201に設置使用履歴があるか否かを判定する。そして、設置使用履歴があると判定した場合(S2002でYesの場合)、設定更新部401はS2003に処理を進める。S2003において、設定更新部401は、当該設置使用履歴を削除し、S2004に処理を進める。
【0126】
一方、設置使用履歴がないと判定した場合(S2002でNoの場合)、設定更新部401は、S2004に処理を進める。
【0127】
S2004において、設定更新部401は、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスが示す場所に当該ネットワークデバイス設定201を保存する。この際、設定更新部401は、設置使用履歴が存在する場合には、更新前のネットワークデバイス設定とは異なる場所に、更新されたネットワークデバイス設定を保存することになる。一方、設置使用履歴が存在しない場合には、設定更新部401は、更新前のネットワークデバイス設定を、更新されたネットワークデバイス設定で上書きすることになる。
S2004の処理の後、設定更新部401は、設定更新処理を終了する。
【0128】
図21は、実施例6に係るネットワークデバイス設定201の前設置処理を例示するフローチャートである。このフローチャートのS2102〜S2105で示す処理は、Webサーバ101のCPU3000が2次記憶装置3002に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置3001に読み出して実行することにより実現されるものである。また、S2106で示す処理は、ネットワークデバイス111のCPU2001が2次記憶装置2003に格納されたプログラムを必要に応じて主記憶装置2002に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0129】
Webサーバ101のCPU3000は、ネットワークデバイス111からの前設置処理の要求に応じて、前設置処理を開始する(S2101)。この要求の際、ネットワークデバイス111は、設定配信システム100に対して、当該ネットワークデバイス111のネットワークデバイスID及びネットワークデバイス設定201の設定IDを送信する。
【0130】
S2102において、設定配信部402は、当該設定IDを用いて設定管理テーブル801を参照し、当該設定IDが示すネットワークデバイス設定201に設置使用履歴があるか否かを判定する。そして、設置使用履歴がないと判定した場合(S2102でNoの場合)、設定配信部402はS2103に処理を進める。S2103において、設定配信部402は、当該ネットワークデバイス設定201に設置使用履歴を作成する。すなわち、設定配信部402は、設定管理テーブル801に記録された当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスと新規に発行したスナップショットIDを、スナップショット管理テーブル901に新規に記録する。さらに、設定配信部402は、ファイルパスを新規に発行し、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のファイルパスとして上書きして記録する。さらに、設定配信部402は、上記新規に発行したスナップショットIDを、設定管理テーブル801上の当該ネットワークデバイス設定201のスナップショットIDとして記録する。
上記S2103の処理の後、設定配信部402はS2104に処理を進める。
【0131】
一方、設置使用履歴があると判定した場合(S2102でYesの場合)、設定配信部402は、S2104に処理を進める。
【0132】
S2104において、設定配信部402は、
図9の説明に記載の方法に従い、当該設定スナップショットIDから対応する設定スナップショット301を取得し、当該設定スナップショット301を当該ネットワークデバイス111に配信する。
【0133】
次に、S2105において、設置履歴管理部404は、
図4の説明に記載の方法に従い、当該ネットワークデバイスIDと当該スナップショットIDとを紐付けるための情報をDB102に記録する。また、S2106において、設定適用部602が、設定配信部402によって配信された当該設定スナップショット301を、ネットワークデバイス111に適用する。
【0134】
なお、上記S2104の配信処理、上記S2106の適用処理のいずれかでエラーとなり、ネットワークデバイス111に、設定配信システム100から配信された設定が適用されなかった場合には、上記S2105でDB102に記録したネットワークデバイスIDとスナップショットIDとを紐付けるための情報を削除するようにしてもよい。
【0135】
以上の説明では、配信履歴がない場合、設定配信部402が、ネットワークデバイス設定201の更新に備えて、更新後のネットワークデバイス設定201の新たな保存先を作成し設定管理テーブル801を更新しておく構成を示した。しかし、更新後のネットワークデバイス設定201の新たな保存先を作成して設定管理テーブル801を更新する処理は、設定更新部401が行ってもよい。具体的には、設定更新部401は、更新の際、配信履歴がない場合、更新後のネットワークデバイス設定201の新たな保存先を作成して設定管理テーブル801を更新し、該更新した保存先に、更新されたネットワークデバイス設定201を保存するように構成してもよい。
【0136】
以上示したように、実施例6によれば、ネットワークデバイス設定201の設置使用履歴の有無に応じて設定更新及び設定配信における処理を切り替える。これにより、当該ネットワークデバイス設定201を使用した初回の設定配信時に一律で設定スナップショット301を作成していた実施例1と比較し、設定スナップショット301の作成頻度を抑えることができる。この結果、前設置において発生するストレージコストを抑えることが可能となる。
【0137】
以上示したように、上記各実施例によれば、ネットワークデバイスの前設置等において発生するネットワークデバイスの設定の保持にかかるストレージコストを削減することができる。
【0138】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されていてもよい。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0139】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。