(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記開閉センサが、前記圧板が開状態のままであることを検知する場合、前記開閉センサが前記圧板の閉状態を検知する場合よりも光量を低くして前記照明手段に前記原稿のサイズを検知するための光を照射させることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
(全体構成)
図1、
図2は、本実施形態の画像読取装置の構成図である。画像読取装置10は、箱形の筐体101と、読み取りの対象となる原稿Aが載置される原稿台102と、原稿Aを押圧する原稿押さえ部材105が取り付けられた圧板104とを備える。
【0011】
筐体101は、原稿Aから原稿画像を読み取る読取ユニット103及び制御ユニット400を内蔵する。原稿台102は、ガラス等の透明部材により構成される。原稿Aは、読み取られる面を原稿台102側に向けて載置される。圧板104は、筐体101に対して取付角度が可変になっており、原稿台102に対して開閉可能に筐体101に取り付けられる。筐体101は、圧板104の原稿台102に対する開閉状態を検知するための圧板開閉検知フラグ106及び圧板開閉センサ107を備える。圧板104の開閉により圧板開閉検知フラグ106の位置が変化して、圧板開閉センサ107の出力が変化する。原稿押さえ部材105は、読取時に原稿Aの領域外が黒くならないように、原稿Aを押さえる側の面が白色で構成される。
【0012】
読取ユニット103は、照明部201a、201b、反射ミラー202a〜202e、結像レンズ203、受光部204、及びセンサ基板205を備える。照明部201a、201bは、原稿Aに光を照射する。照明部201a、201bは、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子が線状に複数並べられて構成される。反射ミラー202a〜202eは、原稿Aによる反射光を結像レンズ203まで導く光学系である。結像レンズ203は、反射ミラー202a〜202eにより導かれた反射光を受光部204の受光面に結像させる。
【0013】
受光部204は、受光面で受光した反射光に応じた電気信号を出力する。この電気信号は、原稿Aから読み取った原稿画像を表すアナログ信号である。受光部204は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサ等の光電変換素子が発光素子列と同方向に複数並んで構成される。受光部204は、センサ基板205に実装される。センサ基板205は、制御ユニット400に接続されており、受光部204から出力されるアナログ信号を制御ユニット400に送信する。制御ユニット400の構成は後述する。
【0014】
このような構成の読取ユニット103は、照明部201a、201bの発光素子列及び受光部204の光電変換素子列が並ぶ方向を主走査方向として、原稿画像を読み取る。読取ユニット103は、レール206に設けられており、レール206上を移動しながら原稿画像を読み取る。読取ユニット103の移動方向は、主走査方向に直交する副走査方向となる。
【0015】
図3は、筐体101の原稿台102側の説明図である。原稿台102の周囲には、主走査原稿サイズ指標301、副走査原稿サイズ指標302、原稿Aが載置される際の基準位置303が設けられる。原稿Aは、基準位置303に角部を合わせるようにして原稿台102に載置される。主走査原稿サイズ指標301は、基準位置303に合わせて載置された原稿Aの主走査方向のサイズの指標である。副走査原稿サイズ指標302は、基準位置303に合わせて載置された原稿Aの副走査方向のサイズの指標である。
図3の例では、A4サイズの原稿Aが載置される。
【0016】
原稿Aの主走査方向の原稿サイズは、原稿サイズ検知位置で検知開始される。原稿Aは、原稿画像の読み取り時に原稿先端位置から読み取りを開始される。原稿サイズ検知位置は、原稿先端位置から副走査方向に所定距離離れた位置に設定される。原稿先端位置は、原稿Aを読み取る際に最初に原稿画像の読み取りが行われる位置である。
【0017】
制御ユニット400は、原稿サイズの検知時に、圧板開閉センサ107が圧板104の開状態を検知すると、読取ユニット103を原稿サイズ検知位置に移動させる。制御ユニット400は、読取ユニット103の移動後に、読取ユニット103を原稿サイズ検知位置から原稿先端位置へ移動させながら、原稿Aを所定のライン数を読み取る(バックスキャン)。制御ユニット400は、読取ユニット103による読取結果に基づいて、原稿Aの原稿エッジを検知し、原稿エッジに基づいて原稿サイズを決定する。
【0018】
図4は、制御ユニット400の説明図である。制御ユニット400には、読取ユニット103の照明部201a、201b及び受光部204、圧板開閉センサ107、及びモータ406が接続される。モータ406は、読取ユニット103をレール206に沿って移動させるための駆動源である。なお、画像読取装置10は、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置40に接続される。
【0019】
制御ユニット400は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、及びRAM(Random Access Memory)410を備えるコンピュータシステムである。CPU401は、ROM402からコンピュータプログラムを読み出し、RAM410を作業領域に用いて実行することで画像読取装置10の動作を制御する。この他に制御ユニット400は、読取ユニット103の動作を制御するための点灯制御部403及び走査制御部405を備える。また、制御ユニット400は、原稿Aの原稿サイズを検知するためのA/D変換部407、画像処理部408、原稿サイズ検知部409を備える。制御ユニット400は、ディスクリート品やワンチップの半導体製品により実現されてもよい。ワンチップの半導体製品は、例えばMPU(Micro-Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、SOC(System-On-a-Chip)である。
【0020】
点灯制御部403は、CPU401の制御により、照明部201a、201bの点灯及び消灯動作を制御する。本実施形態では、点灯制御部403は、圧板開閉センサ107の検知結果に応じて、照明部201a、201bの点灯状態を変化させる。点灯制御部403は、圧板104が開状態のときには、閉状態のときよりも照明部201a、201bから照射される光の総量を低減する。これにより照明部201a、201bからユーザの目に届く光の総量を低減して、ユーザが眩しく感じることを抑制することができる。「光の総量」は、例えば照明部201a、201bが照射する光の光量と点灯時間とで表される量であり、原稿Aに照射される光量の総和である。具体的には、点灯制御部403は、圧板開閉センサ107が圧板104の開状態を検知する場合、圧板104の閉状態を検知する場合よりも照明部201a、201bの点灯時間を短時間にする或いは光量を低くする。走査制御部405は、CPU401の制御により、モータ406に駆動信号を送信して、読取ユニット103をレール206に沿って副走査方向へ所定の速度で移動させる。
【0021】
A/D変換部407は、CPU401の制御により、受光部204から原稿画像を表すアナログ信号を受信し、該アナログ信号をデジタル信号に変換して画像処理部408へ送信する。画像処理部408は、CPU401の制御により、A/D変換部407から取得したデジタル信号に対して各種の画像処理を行い、原稿Aから読み取った原稿画像を表す画像データを生成する。画像データは、制御ユニット400から画像形成装置40やパーソナルコンピュータ等に送信される。原稿サイズ検知部409は、CPU401の制御により、画像処理部408で生成された画像データに基づいて原稿画像の原稿エッジを検知し、検知した原稿エッジに基づいて原稿Aの原稿サイズを決定する。
【0022】
画像形成装置40は、画像形成部411及び操作部412を備える。画像形成部411は、制御ユニット400から取得する画像データに応じて、該画像データが表す画像をシート等の記録材に形成する。画像形成部411は、制御ユニット400で決定した原稿サイズに応じたサイズの記録材に画像を形成する。これにより、画像読取装置10で読み取った原稿画像が適切なサイズの記録材に形成される。操作部412は、入力装置及び出力装置を備えるユーザインタフェースである。入力装置は、例えば各種の操作キーやタッチパネルである。出力装置は、例えばディスプレイである。操作部412は、出力装置により情報をユーザへ提供し、入力装置によりユーザからの指示を受け付ける。操作部412は、受け付けた指示を制御ユニット400や画像形成部411へ送信する。なお、操作部412は、画像読取装置10に設けられていてもよい。
【0023】
図5は、画像読取装置10による原稿サイズ検知処理を含む原稿画像の読取処理を表すフローチャートである。
【0024】
制御ユニット400は、圧板104が閉状態から開状態に変化したか否かを、圧板開閉センサ107の検知結果に応じて判断する(S501)。圧板104が開状態になった場合(S501:Y)、制御ユニット400は、読取ユニット103を原稿サイズ検知位置へ移動させる(S502)。このときユーザは、原稿Aを基準位置303に角部を合わせて原稿台102上に載置する。その後、制御ユニット400は、圧板104が開状態から閉状態に変化したか否かを、圧板開閉センサ107から取得する検知結果の変化により判断する(S503)。
【0025】
圧板104が閉状態に変化した場合(S503:Y)、制御ユニット400は、読取ユニット103の照明部201a、201bを連続して点灯させ、読取ユニット103を原稿サイズ検知位置から原稿先端位置へ移動させる(S504)。これにより制御ユニット400は、原稿Aを所定のライン数を読み取るバックスキャンを行う(S505)。バックスキャンにより、制御ユニット400は、読取ユニット103から所定数のライン分の原稿画像を表すアナログ信号を取得する。
【0026】
制御ユニット400は、取得した原稿画像を表すアナログ信号をA/D変換部407でデジタル信号に変換し、これを画像処理部408で画像処理して画像データを生成する。制御ユニット400は、画像データに基づいて原稿サイズ検知部409により原稿画像の原稿エッジを検知する(S506)。原稿エッジの検知処理の詳細は後述する。制御ユニット400は、検知した原稿エッジに基づいて原稿サイズを決定する(S507)。
【0027】
圧板104が閉状態に変化しない場合(S503:N)、制御ユニット400は、操作部412から原稿画像の読み取りが指示されたか否かを判断する(S508)。ユーザによっては、圧板104を閉状態にする前に操作部412により原稿画像の読み取りの指示を行うことがある。この場合に、圧板104が閉状態に変化しない場合の処理が行われる。
【0028】
圧板104が閉状態になる前に原稿画像の読み取りが指示された場合(S508:Y)、そのまま原稿エッジ検知を行うと、照明部201の光がユーザの目に直接届く状態でバックスキャンが行われる。そのためにユーザは、照明部201の光を眩しく感じる。そこで制御ユニット400は、照明部201を連続して点灯させず、点灯時間が短いフラッシュ点灯させる(S509)。短時間の点灯により、ユーザが感じる照明部201の光の眩しさを、最小限に抑制することができる。
【0029】
制御ユニット400は、主走査原稿サイズ指標301で指示される主走査方向の定型サイズ位置毎の原稿Aの有無を検知する(S510)。フラッシュ点灯では、読取ユニット103が1回の読取処理によるライン数(例えば受光素子列の数に応じたライン数分)の読取結果しか得られない。そのために、S506の処理のような原稿エッジ検知を行うと、連続点灯時よりも精度が低くなる。そのために制御ユニット400は、フラッシュ点灯により得られる1回の読取処理によるライン数の読取結果に基づいて、主走査方向の定形サイズ位置における輝度を、所定の閾値と比較して2値化する。原稿Aは一般的に白色であるために輝度が大きく、原稿Aがない部分は、圧板104が開状態であるために照明部201a、201bの光が反射されず、輝度が小さくなる。そのために制御ユニット400は、輝度が大きい部分は原稿Aが有り、輝度が小さい部分は原稿Aが無いと判断できる。制御ユニット400は、2値化した輝度により定形サイズ位置まで原稿有りと判断された位置を判定して、原稿サイズを決定する(S511)。
【0030】
原稿サイズを決定した制御ユニット400は、読取ユニット103の動作を制御して、原稿台102に載置された原稿Aの原稿画像を読み取る(S512)。ユーザは、原稿Aを原稿台102上に載置した後に操作部412を操作して、原稿画像の読み取りを画像読取装置10に指示する。ユーザによる操作部412の操作は、圧板104が閉状態の場合(S503の処理で閉状態に変化)にS504〜S507の処理の間に行われ、圧板104が開状態の場合(S503の処理で開状態に変化)にS508の処理のタイミングで行われる。操作部412は、ユーザの操作に応じて、制御ユニット400に原稿画像の読み取りの指示を送信する。制御ユニット400は、操作部412から原稿画像の読み取りの指示を取得することで原稿画像の読み取りを開始する。
以上のような処理により、原稿台102に載置された原稿Aの原稿サイズが決定されて、原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像を表す画像データは、例えば画像形成装置40に送られて、画像形成部411により記録材への画像形成処理に用いられる。
【0031】
圧板104が閉状態の場合、原稿Aが無い部分の輝度が原稿押さえ部材105の白色により大きくなるため、輝度の2値化で原稿Aの有無が区別できない。そのために制御ユニット400は、圧板104が閉状態の場合、バックスキャンを行って原稿エッジを検知する。圧板104が開状態の場合、原稿Aが無い部分は上述の理由で輝度が小さくなるため、制御ユニット400は、輝度の2値化で原稿Aの有無の区別が可能である。そのために制御ユニット400は、複数ラインの読取結果を要せず、点灯時間を短くしても問題なく原稿サイズ検知が可能である。
【0032】
図6、
図7は、S506の原稿エッジの検知処理の説明図である。制御ユニット400の原稿サイズ検知部409は、原稿画像の画素毎に原稿エッジであるか否かを判定して、原稿エッジを検知する。制御ユニット400は、以下のようにして、原稿押さえ部材105に埃や髪の毛等のゴミが付着していても精度よく原稿エッジを検知する。
【0033】
原稿サイズ検知部409は、原稿エッジの判定対象となる注目画素が原稿エッジの画素(原稿エッジ画素)であるか否かを判定するために、3つの判定式を用いる。注目画素の主走査方向の位置を「x」、注目画素の輝度値を「f(x)」とする。画素毎の輝度値は、画像データに含まれる。第1の判定式は、注目画素から主走査方向に所定の第1距離H1離れた2つの位置(x+H1)、(x−H1)の画素の輝度値f(x+H1)、f(x−H1)の差分値である輝度差分値g(x)を表す。
g(x) = f(x+H1)−f(x−H1)
【0034】
第2の判定式は、注目画素から主走査方向に第1距離H1より大きい所定の第2距離H2の範囲内にある画素の最大輝度値と最小輝度値との差分値h(x)を表す。
h(x) = max(f(x−2H)、…、f(x)、…f(x+H2))
−min(f(x−2H)、…、f(x)、…f(x+H2))
【0035】
第3の判定式は、注目画素から主走査方向に所定の第3距離H3の範囲内にある画素の輝度値の平均値i(x)を表す。
i(x) = ave(f(x+3H)、…、f(x)、…f(x−H3))
【0036】
原稿サイズ検知部409は、第1〜第3の判定式による算出結果を、それぞれ第1〜第3閾値と比較することで注目画素が原稿エッジ画素であるか否かの判定を行う。
【0037】
照明部201a、201bの発光素子は、原稿Aを斜めから照射する。そのために原稿Aの厚みにより原稿エッジに影が生じる。この影により、原稿エッジと原稿押さえ部材105との間に輝度差が生じる。輝度差分値g(x)は、この輝度差を検知するために算出される。第1閾値TH1は、原稿エッジによる輝度値と、背景である原稿押さえ部材105による輝度値とを区別できる値に設定される。原稿エッジでは輝度差分値g(x)の絶対値が第1閾値TH1より大きく、原稿エッジではない原稿押さえ部材105の部分では輝度差分値g(x)の絶対値が第1閾値TH1より小さくなる。影が生じにくい坪量の小さな原稿を考慮して、第1閾値TH1は設定される。
【0038】
なお、原稿サイズ検知部409は、輝度差分値g(x)の符号の変化により白スジを切り分けることができる。原稿エッジの影は周囲の画素よりも輝度が低いために、輝度差分値g(x)の符号が主走査方向外側から見てプラスからマイナスに変化する。白スジは、周囲の画素よりも輝度が高いために、輝度差分値g(x)の符号が主走査方向外側から見てマイナスからプラスに変化する。原稿サイズ検知部409は、この符号の変化により白スジを切り分ける。このように輝度差分値g(x)は、原稿エッジと原稿押さえ部材105及び白スジとの切り分けに用いることができる。しかしながら輝度差分値g(x)は、埃や髪の毛等のゴミを読み取った場合も値が大きくなる。そのために原稿サイズ検知部409は、輝度差分値g(x)により、ゴミを読み取ったときの画素と、原稿エッジとの切り分けが困難である。
【0039】
原稿サイズ検知部409は、差分値h(x)と第2閾値TH2とを比較することで、ゴミを読み取ったときの画素と、原稿エッジとの切り分けを行う。原稿エッジにより生じる影と、ゴミにより生じる影とでは、輝度の特徴に相違があることが多い。原稿エッジにより生じる影は、照明部201a、201bの拡散光の影響によりぼやけたものとなる。ゴミにより生じる影は、ゴミ自体が暗いことが多く、原稿エッジにより生じる影よりも鮮明になる。そのために、ゴミにより生じる影の輝度値は、原稿エッジにより生じる影の輝度値よりも低い値になる。つまり、原稿エッジによる影を含む範囲の差分値h(x)は、ゴミにより生じる影を含む範囲の差分値h(x)よりも小さくなる。そのために、差分値h(x)を適切な第2閾値TH2により区別することで、影の原因を判断することができる。第2閾値TH2は、このような値に設定される。しかしながら、輝度差分値g(x)及び差分値h(x)では、原稿サイズ検知部409は、余白のない黒原稿の原稿エッジを、埃や髪の毛等のゴミと誤検知してしまうことがある。
【0040】
原稿サイズ検知部409は、平均値i(x)と第3閾値TH3とを比較することで、平均値i(x)により余白のない黒原稿の原稿エッジと、ゴミを読み取ったときの画素とを切り分ける。原稿Aが余白のない黒原稿の場合、原稿エッジ付近で主走査方向の所定の範囲内の画素の輝度値の平均値i(x)が、ゴミによる輝度値を含む場合の平均値i(x)よりも小さくなる。これは、平均値i(x)に黒原稿の原稿エッジの輝度値が多く含まれるためである。ゴミは、小さい点又はスジ状であることが多く、ある程度広い範囲で輝度値を平均するとゴミの影響が小さくなり、平均値i(x)に原稿押さえ部材105の白色による輝度値が多く含まれる。そのためにゴミによる輝度値を含む場合、平均値i(x)が大きくなる。このような平均値i(x)を適切な第3閾値TH3により区別することで、影の原因を判断することができる。第3閾値TH3は、このような値に設定される。
【0041】
原稿サイズ検知部409は、輝度差分値g(x)、差分値h(x)、及び平均値i(x)による判定を組み合わせて行うことで、注目画素が原稿エッジ画素か否かの切り分けを正確に行うことができる。さらに原稿サイズ検知部409は、
図7に示すように、副走査方向に複数のラインで、原稿エッジ画素の数をカウントすることで、ノイズ等の影響を抑え、原稿エッジの検知精度を上げることができる。原稿サイズ検知部409は、原稿エッジ検知によって検知された原稿エッジ位置が複数存在する場合、最も外側の位置を原稿エッジ位置とする。これにより、原稿A内の図や罫線が誤って原稿エッジとして検知される可能性が低減する。
【0042】
図7では、原稿エッジの候補画素のカウント数により原稿エッジを検知する。主走査方向で、原稿エッジの候補画素が判断される。Nライン分繰り返し行うことで、副走査方向で、主走査方向に同じ位置の画素が原稿エッジの候補画素で所定数以上存在するか否かが判断可能になる。この所定数が第4閾値TH4である。
図7の例では、主走査方向に左端から8画素目の画素に原稿エッジの候補画素が7画素ある。そのために主走査方向に左端から8画素目が原稿エッジであると判断される。主走査方向に左端から3画素目、14画素目、及び16画素目は、原稿エッジの候補画素が存在するが、所定数(第4閾値TH4)より少ないために、原稿エッジとして判断されない。このように、1ラインの処理では誤検出してしまう可能性のあるゴミが生じた場合であっても、その影響を抑制して精度よく原稿エッジが検出できる。
【0043】
以上のような構成の画像読取装置10は、原稿サイズ検知時に圧板104が開状態であっても、照明部201の点灯時間が短いために、ユーザが眩しく感じることが最小限に抑えられる。なお、画像読取装置10は、この場合であっても原稿エッジを正確に検知するために、原稿サイズを正確に決定することができる。
【0044】
図8は、画像読取装置10による原稿サイズ検知処理を含む原稿画像の読取処理を表す別のフローチャートである。S801〜S807の処理は、
図5のS501〜S507の処理と同様である。ただし、S804の処理で制御ユニット400は、照明部201を光量「100」で発光させる。
【0045】
圧板104が開状態で画像読取が指示された場合(S803:N、S808:Y)、制御ユニット400は、照明部201を光量「50」で発光させる(S809)。すなわち制御ユニット400は、圧板104が閉状態のときよりも、開状態のときの照明部201の光量を低くする。原稿サイズ検知部409は、光量が低い場合でも、
図5のS510の処理と同様に、輝度の2値化の閾値を最適化することで原稿Aの有無が区別可能である。これにより制御ユニット400は、正確に原稿エッジを検知して、高精度に原稿サイズを決定することができる(S811)。
【0046】
原稿サイズを決定した制御ユニット400は、
図5のS512の処理と同様にして、原稿台102に載置された原稿Aの原稿画像を読み取る(S812)。以上のような処理により、原稿台102に載置された原稿Aの原稿サイズが決定されて、原稿画像が読み取られる。読み取られた原稿画像を表す画像データは、例えば画像形成装置40に送られて、画像形成部411により記録材への画像形成処理に用いられる。
【0047】
以上のような画像読取装置10は、原稿読取時に圧板104が開状態であっても、照明部201の光量が低いために、ユーザが眩しく感じることが最小限に抑えられる。なお、画像読取装置10は、この場合であっても原稿エッジを正確に検知するために、原稿サイズを正確に決定できる。また、原稿Aの原稿サイズに応じたサイズの記録材に、原稿画像が形成される複写処理が可能である。原稿サイズが正確に検知されるために、複写先の記録材のサイズが適切に決定され、原稿画像が欠けることなく複写される。