特許第6965057号(P6965057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6965057-インターホンシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965057
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】インターホンシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20211028BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20211028BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   H04N7/18 H
   H04M9/00 D
   G08B25/04 J
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-157613(P2017-157613)
(22)【出願日】2017年8月17日
(65)【公開番号】特開2019-36866(P2019-36866A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2020年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】水谷 准也
【審査官】 鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−060499(JP,A)
【文献】 特開2004−266478(JP,A)
【文献】 特開2013−074532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04M 9/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に前記子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、
映像を保存する第1映像保存部を前記子機に設け、
前記子機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行う映像制御部を前記親機に設け、
更に前記親機が親機の周囲を撮像する親機カメラを有し、
前記映像制御部は、前記親機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行うことを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記親機は、前記子機が呼出操作されたら前記子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、
前記映像制御部は、前記留守モードに設定された状態で前記子機が呼出操作されたら、前記親機カメラの撮像映像を前記第1映像保存部へ保存することを特徴とする請求項記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記親機は、前記子機が呼出操作されたら前記子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部と、人感センサとを備えており、
前記映像制御部は、前記留守モードに設定された状態で前記人感センサが感知動作したら、前記親機カメラの撮像映像を前記第1映像保存部へ保存することを特徴とする請求項記載のインターホンシステム。
【請求項4】
前記親機は、前記親機カメラの撮像映像を一時保存する一時保存部を有し、
前記映像制御部は、前記留守モードに設定されたら前記親機カメラの撮像映像の前記一時保存部への保存を開始し、
その後前記人感センサが感知動作したら、感知動作した時刻の一定時間前からの撮像映像を前記一時保存部から取り出して前記第1映像保存部に保存すると共に、感知動作してからの前記親機カメラの撮像映像も合わせて前記第1映像保存部に保存することを特徴とする請求項記載のインターホンシステム。
【請求項5】
前記親機は所定の携帯端末と通信する外部通信部と、前記携帯端末との通信を制御する通信制御部とを有し、
前記通信制御部は、前記人感センサが感知動作したら、前記携帯端末に異常発生の通知及び前記親機カメラの撮像映像の送信のうち、少なくとも異常発生の通知を行うことを特徴とする請求項3又は4記載のインターホンシステム。
【請求項6】
前記親機カメラとは異なる場所を撮像する外部カメラが前記親機に接続されており、
前記映像制御部は、前記親機カメラの撮像映像の保存に連動させて、前記外部カメラの撮像映像の保存を実施することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記親機と同様に前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えた増設親機が前記親機に接続されていると共に、前記増設親機には映像を保存する第2映像保存部が設けられており、
前記映像制御部は、前記第1映像保存部への映像保存に連動させて、同一の映像を前記第2映像保存部にも保存することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のインターホンシステム。
【請求項8】
前記子機と前記親機とを接続している伝送線の断線を検知する断線検知部が前記子機に設けられており、
前記断線検知部は、断線を検知したら前記子機から警報音を発報させることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のインターホンシステム。
【請求項9】
居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に前記子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、
映像を保存する第1映像保存部を前記子機に設けると共に、
前記子機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行う映像制御部を前記親機に設け、
前記親機は、前記子機が呼出操作されたら前記子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、
更に、前記親機と同様に前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えた増設親機が前記親機に接続されていると共に、前記増設親機には映像を保存する第2映像保存部が設けられており、
前記映像制御部は、前記留守モードに設定された状態で前記子機が呼出操作されたら、前記子機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行うと共に、同一の映像を前記第2映像保存部にも保存することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項10】
居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、前記子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に前記子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、
映像を保存する第1映像保存部を前記子機に設け、
前記子機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行う映像制御部を前記親機に設け、
更に前記親機は、前記子機が呼出操作されたら前記子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、
更に、前記子機と前記親機とを接続している伝送線の断線を検知する断線検知部が前記子機に設けられており、
前記映像制御部は、前記留守モードに設定された状態で前記子機が呼出操作されたら、前記子機カメラの撮像映像の保存を前記第1映像保存部に行うと共に、前記断線検知部は、断線を検知したら前記子機から警報音を発報させることを特徴とするインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来訪者が居住者を呼び出して通話するインターホンシステムに関し、特にカメラ及びその録画機能を備えて防犯機能を備えたインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
玄関に設置した子機にカメラを備えて来訪者を撮像し、住戸内に設置した親機にその撮像映像を表示するモニタを備えたインターホンシステムが防犯に有効であるため普及している。このような防犯機能を備えたインターホンシステムには、留守時には来訪者の映像を自動録画する留守モード機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−94020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した自動録画する機能を備えたインターホンシステムは、留守時の訪問者映像を保存するため、不審者が呼出操作したら当然録画されるため防犯に有効であったが、空き巣等の侵入者はこの録画機能を認識しており、保存映像から自身が特定されないように映像保存部が設けられている親機を取り外して持って帰ったり破壊する問題が発生し、せっかくの録画機能が役立たない場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、親機以外の場所にも来訪者映像を保存することで、親機が取り外されても侵入者を特定することが可能なインターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、映像を保存する第1映像保存部を子機に設け、子機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行う映像制御部を親機に設け、更に親機が親機の周囲を撮像する親機カメラを有し、映像制御部は、親機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行うことを特徴とする。
この構成によれば、子機カメラの撮像映像は子機に保存されるため、侵入した不審者により親機が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、後から映像の確認が可能であり、侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
また、親機カメラの撮像映像は子機に保存されるため、侵入した不審者により親機が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、それまで親機カメラが撮像した映像は子機に保存されているため、映像の確認が可能であり侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、親機は、子機が呼出操作されたら子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、映像制御部は、留守モードに設定された状態で子機が呼出操作されたら、親機カメラの撮像映像を第1映像保存部へ保存することを特徴とする。
この構成によれば、留守時に来訪者があったら親機カメラの撮像撮像が保存されるため、住戸に不審者が侵入したらその映像を残すことができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の構成において、親機は、子機が呼出操作されたら子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部と、人感センサとを備えており、映像制御部は、留守モードに設定された状態で人感センサが感知動作したら、親機カメラの撮像映像を第1映像保存部へ保存することを特徴とする。
この構成によれば、人感センサが不審者の存在を検知したら親機カメラの撮像撮像が保存されるため、住戸に侵入した不審者の映像を確実に残すことができる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の構成において、親機は、親機カメラの撮像映像を一時保存する一時保存部を有し、映像制御部は、留守モードに設定されたら親機カメラの撮像映像の一時保存部への保存を開始し、その後人感センサが感知動作したら、感知動作した時刻の一定時間前からの撮像映像を一時保存部から取り出して第1映像保存部に保存すると共に、感知動作してからの親機カメラの撮像映像も合わせて第1映像保存部に保存することを特徴とする。
この構成によれば、人感センサの動作を受けて保存される映像は、人感センサが感知動作する一定時間前からの映像であるため、不審者を判別できる映像が保存されている確率が高い。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載の構成において、親機は所定の携帯端末と通信する外部通信部と、携帯端末との通信を制御する通信制御部とを有し、通信制御部は、人感センサが感知動作したら、携帯端末に異常発生の通知及び親機カメラの撮像映像の送信のうち、少なくとも異常発生の通知を行うことを特徴とする。
この構成によれば、居住者が携行する携帯端末に不審者の侵入を通知することが可能であり、居住者が外出していても速やかに不審者の侵入を認識でき、遅滞のない対処が可能となる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の構成において、親機カメラとは異なる場所を撮像する外部カメラが親機に接続されており、映像制御部は、親機カメラの撮像映像の保存に連動させて、外部カメラの撮像映像の保存を実施することを特徴とする。
この構成によれば、親機カメラが撮像した親機周囲の映像だけでなく、異なる場所を撮像する外部カメラの撮像映像も保存されるため、広範囲の映像を保存でき不審者を撮像した映像を確実に残すことができる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の構成において、親機と同様に子機からの呼び出しに応答する機能を備えた増設親機が親機に接続されていると共に、増設親機には映像を保存する第2映像保存部が設けられており、映像制御部は、第1映像保存部への映像保存に連動させて、同一の映像を第2映像保存部にも保存することを特徴とする。
この構成によれば、子機だけでなく増設親機にも映像が保存されるため、子機が破壊されても映像を残すことができ、映像の保存確率が高まる。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の構成において、子機と親機とを接続している伝送線の断線を検知する断線検知部が子機に設けられており、断線検知部は、断線を検知したら子機から警報音を発報させることを特徴とする。
この構成によれば、親機が取り外されたら子機から警報音が報音されるため、近隣に異常発生を通知でき、不審者の撃退や防犯に有効である。
【0014】
請求項9の発明は、居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、映像を保存する第1映像保存部を子機に設けると共に、子機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行う映像制御部を親機に設け、親機は、子機が呼出操作されたら子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、更に、親機と同様に子機からの呼び出しに応答する機能を備えた増設親機が親機に接続されていると共に、増設親機には映像を保存する第2映像保存部が設けられており、映像制御部は、留守モードに設定された状態で子機が呼出操作されたら、子機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行うと共に、同一の映像を第2映像保存部にも保存することを特徴とする。
この構成によれば、子機カメラの撮像映像は子機に保存されるため、侵入した不審者により親機が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、後から映像の確認が可能であり、侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
また、留守時に来訪者による呼出操作が成されたら子機カメラの撮像撮像が自動保存され第1映像保存部に保存されるため、呼出操作した不審者映像を残すことができる。
加えて、子機だけでなく増設親機にも映像が保存されるため、子機が破壊されても映像を残すことができ、映像の保存確率が高まる。
【0015】
請求項10の発明は、居住者を呼び出して通話する機能を備えると共に来訪者を撮像するための子機カメラを備えた子機と、子機からの呼び出しに応答する機能を備えると共に子機カメラの撮像映像を表示するモニタを備えた親機とを有するインターホンシステムであって、映像を保存する第1映像保存部を子機に設け、子機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行う映像制御部を親機に設け、更に親機は、子機が呼出操作されたら子機カメラの撮像映像を自動保存する留守モードに設定する留守設定部を有し、更に、子機と親機とを接続している伝送線の断線を検知する断線検知部が子機に設けられており、映像制御部は、留守モードに設定された状態で子機が呼出操作されたら、子機カメラの撮像映像の保存を第1映像保存部に行うと共に、断線検知部は、断線を検知したら子機から警報音を発報させることを特徴とする。
この構成によれば、子機カメラの撮像映像は子機に保存されるため、侵入した不審者により親機が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、後から映像の確認が可能であり、侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
また、留守時に来訪者による呼出操作が成されたら子機カメラの撮像撮像が自動保存され第1映像保存部に保存されるため、呼出操作した不審者映像を残すことができる。
加えて、親機が取り外されたら子機から警報音が報音されるため、近隣に異常発生を通知でき、不審者の撃退や防犯に有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、親機カメラの撮像映像は子機に保存されるため、侵入した不審者により親機が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、それまで親機カメラが撮像した映像は子機に保存されているため、映像を確認することができる。よって、侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】インターホンシステムの一例を示す構成図であり、個々の機器を回路ブロック図で示している。
図2】インターホンシステムの他の例を示す親機の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るインターホンシステムの構成図であり、1は玄関に設置されて来訪者が居住者を呼び出して通話するための子機、2は住戸内に設置されて子機1からの呼び出しに応答するための親機、3は親機2に接続されて子機1からの呼び出しに応答する機能を備えた増設親機である。また、5は親機2が公衆通信網Nを介して通信するスマートフォン等の携帯端末を示している。
【0019】
子機1は、呼出操作する呼出ボタン11、来訪者を撮像するための子機カメラ12、通話するためのマイク及びスピーカを備えた子機通話部13、映像を保存する子機記憶部(第1映像保存部)14、子機カメラ12の撮像映像を親機2に送信するためにFM変調等実施する子機映像処理部15、子機1を制御する子機CPU16、親機2と通信するための子機通信IF17、非常用電源としての蓄電池18等を備えている。
【0020】
親機2は、呼び出しに応答するための通話ボタン21、各種操作をする親機操作部22、通話するためのマイク及びスピーカを備えた親機通話部23、室内等親機2の周囲を撮像するための親機カメラ24、子機カメラ12及び親機カメラ24の撮像映像及び保存映像や各種情報を表示するモニタ25、モニタ25に表示する映像を生成する親機映像処理部26、映像を保存する親機記憶部27、人物の接近を検知する人感センサ28、親機2を制御する親機CPU29、子機1及び増設親機3と通信する親機通信IF30、携帯端末5と通信する外部通信IF(外部通信部)41等を備えている。
【0021】
増設親機3は、呼び出しに応答するための通話ボタン31、通話するためのマイク及びスピーカを備えた増設親機通話部33、映像及び各種情報を表示するモニタ35、モニタ35に表示する映像を生成する増設親機映像処理部36、映像を保存する増設親機記憶部(第2映像保存部)37、増設親機3を制御する増設親機CPU39、親機2と通信する増設親機通信IF40等を備えている。
【0022】
子機1と親機2、親機2と増設親機3は、それぞれ伝送線L1,L2で接続され、親機2は公衆通信網Nを介して携帯端末5と通信を実施する。また、親機2、増設親機3は商用電源に接続されて電源の供給を受けているが、子機1は伝送線L1を介して親機2から電源が供給される。
【0023】
上記の如く構成されたインターホンシステムは以下の様に動作する。但し、子機1からの呼び出し、親機2或いは増設親機3からの応答に関しては従来と同様であるため説明を省略し、ここでは子機カメラ12及び親機カメラ24の動作、及び撮像映像の保存を中心に説明する。
まず、通常モード状態で子機1が呼出操作されると、子機カメラ12が起動して親機2に子機カメラ12の撮像映像が表示され、親機2で呼出動作が行われる。但し、このときの映像は保存されないが、親機操作部22が操作されて録画操作されたら、モニタ25に表示されている映像が一定時間親機記憶部27に保存される。この保存映像は親機2の操作でモニタ25に表示される。
【0024】
次に、親機操作部22が操作されて留守モードに設定された場合を説明する。親機操作部22が操作されて留守設定されると、システムは留守モードに移行する。
留守モード状態で呼出操作を受けると、子機カメラ12が起動してその撮像映像が自動保存される。但し、ここでは留守モードに設定されると、自動録画動作に加えて親機2に設けられている人感センサ28が能動状態となり、感知動作したら親機カメラ24が撮像を開始して、その撮像映像が録画される。更に、登録されている携帯端末5に対して異常発生が通知される。
【0025】
具体的に、留守モード状態で子機1が呼出操作されると、呼出信号と共に子機カメラ12の撮像映像が親機2に伝送される。呼出信号を受信した親機CPU29は、通常モードと同様に呼出音を鳴動させてモニタ25に来訪者映像を表示させる。そして、録画(映像の保存)が開始される。但し、録画は親機記憶部27に加えて、子機記憶部14及び増設親機3の増設親機記憶部37にも同時に実施され、いずれの記憶部も子機カメラ12が撮像した同一の映像が保存される。この録画は一定時間(例えば1分)実施される。
【0026】
このとき、呼出操作した訪問者が空き巣等の悪意のある不審者であって、応答がないことで不在を確認し、窓等から住戸内に侵入した場合は引き続き以下の様な動作が実施される。
住戸に侵入した不審者が親機2のある部屋に入ると、人感センサ28が能動状態であるためそれを検知する。すると親機CPU29の制御により、親機カメラ24が撮像を開始して撮像映像が保存される。この場合も子機カメラ12の撮像映像の保存と同様に親機2と増設親機3と子機1の3箇所で保存される。
尚、増設親機3が無くても良く、その場合映像の保存は親機2と子機1の2箇所で実施される。
【0027】
また、留守モード状態では人感センサ28の感知動作を受けて、親機CPU29が公衆通信網Nを介して予め登録された居住者が携行する携帯端末5に異常発生の通知を実施し、合わせて親機カメラ24の撮像映像を送信する。
異常発生の通知はインターネットを使用してメール送信され、例えば「不審者が侵入しました。注意して下さい」等のメッセージが送信される。そしてメールに添付された映像が表示される。
尚、異常発生を通知するメールに添付する情報は映像でなくデータの少ない画像としても良いし、映像や画像を添付しなくても良い。映像や画像情報が無くても通知を受けた居住者は自宅に不審者が侵入したことを把握できる。
【0028】
その後、侵入した不審者が録画している親機2の存在に気づき、親機2を持ち去ろうと壁から取り外した場合は更に次のような動作を実施する。
親機2が取り外されて子機1との接続が切断されると、子機CPU16がそれを検知して、電源を非常用電源である蓄電池18に切り替えて子機通話部13のスピーカからブザー音等の警報音を発報して近隣に報知させる。このとき子機CPU16は、例えば伝送線L1のインピーダンスの変化から断線を判断する。
尚、蓄電池18は伝送線L1を介して親機2からの通電を受けて充電された状態にある。また、親機2にも非常用電源を設けて同様に発報動作させても良い。
【0029】
このように、子機カメラ12及び親機カメラ24の撮像映像は親機2だけでなく子機1及び増設親機3に保存されるため、映像の保存確率が高まり侵入した不審者により親機2が取り外されて破壊若しくは持ち去られても、後から映像の確認が可能であり、侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
また、留守モードに設定されたら子機カメラ12の撮像撮像が自動保存されるため、呼出操作した不審者映像を子機記憶部14及び増設親機記憶部37に残すことができる。そして、待受状態では子機カメラ12はオフ状態にあるため、省電力で済む。
更に、留守モード状態では、人感センサ28が不審者の存在を検知したら親機カメラ24の撮像撮像が保存されるため、住戸に不審者が侵入したらその映像を残すことができる。加えて、普段は親機カメラ24はオフ状態にあるため、省電力で済む。
また、親機2が取り外されたら子機1から警報音が報音されるため、近隣に異常発生を通知でき、不審者の撃退や防犯に有効である。
【0030】
尚、親機2に設けた人感センサ28の感知動作を受けて親機カメラ24の録画を開始したが、人感センサ28は無くても良く、その場合子機カメラ12と同様に呼出ボタン11の操作を受けて親機カメラ24の撮像映像の録画を開始すれば良い。こうすることで、留守時の住戸に不審者が侵入してもその映像を残すことができ、人感センサ28を設けた場合と同様に侵入者の特定に役立ち防犯機能を上げることができる。
【0031】
図2は、インターホンシステムの他の形態を示し、親機2の回路ブロックを示している。子機1及び増設親機3は上記図1と同様であるため省略している。上記図1の親機2とは、親機2に映像を一時保存する一時記憶部(一時保存部)42を設けている点、カメラ接続IF43を備えて外部カメラ6が伝送線L3を介して接続されている点が大きく異なっている。尚、図1と共通する構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0032】
外部カメラ6は、室内或いは廊下等の親機カメラ24が撮像できない場所に設置され、留守モードに設定されると上記形態と同様に人感センサ28が感知動作すると、録画が実施されるが、この形態の場合は一定時間遡った時刻からの映像が録画される。尚、外部カメラ6と親機カメラ24とは連動して動作する。
【0033】
具体的に、親機CPU29により制御され、子機1が呼出操作されると、親機カメラ24及び外部カメラ6は撮像を開始して撮像映像が一時記憶部42に保存される。一時記憶部42は、例えば5分間の映像を保存するよう構成され、常時5分前から現在までの映像が常時保存され、5分前以前の保存映像は消去されて最新の映像で上書きされる。
【0034】
その後、この動作状態で人感センサ28が感知動作したら、その時点からの双方のカメラ24,6の撮像映像は、親機記憶部27、子機記憶部14、増設親機記憶部37のそれぞれへ保存される。合わせて親機CPU29は、一時記憶部42に保存されている一定時間前からの録画映像(例えば5分前からの映像)も取り出して、親機記憶部27、子機記憶部14、増設親機記憶部37のそれぞれに保存する。この結果、人感センサ28が感知動作する5分前から感知動作した後の所定時間後までの映像が保存される。
【0035】
尚、留守モードに設定されたら、呼出操作を受けて子機カメラ12の撮像映像が保存される動作、人感センサ28が感知動作したら携帯端末5に対して異常発生の通知が成される動作等は、上記実施形態と同様である。
【0036】
このように、一時記憶部42を設けて常時一定時間の録画を実施することで、人感センサ28の感知動作を受けた際に、感知動作する一定時間前からの映像を保存できるため、不審者を判別できる映像が保存されている確率が高まる。
また、親機カメラ24が撮像した親機周囲の映像だけでなく外部カメラ6の撮像映像も保存されるため、広範囲の映像を保存でき不審者を撮像した映像を確実に残すことができる。
【0037】
尚、外部カメラ6だけ設けて、親機2に一時記憶部42を設けなくても良く、その場合は上記実施形態と同様に、人感センサ28が感知動作してからの親機カメラ24及び外部カメラ6の撮像映像を保存すれば良く、親機カメラ24が撮像した親機周囲の映像だけでなく外部カメラ6の撮像映像も保存されるため、広範囲の映像を保存でき不審者の判別に有効である。
【符号の説明】
【0038】
1・・子機、2・・親機、3・・増設親機、5・・携帯端末、6・・外部カメラ、11・・呼出ボタン、12・・子機カメラ、14・・子機記憶部(第1映像保存部)、16・・子機CPU(断線検知部)、21・・通話ボタン、22・・親機操作部(留守設定部)、24・・親機カメラ、25・・モニタ、28・・人感センサ、29・・親機CPU(映像制御部、通信制御部)、37・・増設親機記憶部(第2映像保存部)、41・・外部通信IF(外部通信部)42・・一時記憶部(一時保存部)。
図1
図2