(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定器は、回路素子を介さず前記電圧検出ラインのみを介して前記入力ノードに接続され、前記電圧検出ラインを介して前記入力ノードの電圧を直接検出することを特徴とする請求項6に記載の故障検出装置。
前記判定器は、前記電圧検出ラインを介して検出された前記入力ノードの電圧と、前記閾値電圧とを比較し、この比較結果に基づいて前記整流回路に故障が生じているか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の故障検出装置。
前記検出回路は、更に、前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路で分圧された電圧を矩形波電圧に変換するロジックICとを有し、
前記判定器は、前記ロジックICで変換された電圧を検出することで、前記入力ノードの電圧を検出することを特徴とする請求項6に記載の故障検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した4つのファクターには、三相交流発電機の性能の違いによる個体差があるため、三相交流発電機毎に4つのファクターに基づいた短絡の判断基準を個別に設定する必要があった。このため、従来は、発電機の性能の違いに応じた複雑な判断基準の設定を行わなければ故障を適切に判断することができないといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、発電機の性能の違いに応じた複雑な判断基準の設定を要することなく整流回路の故障を適切に判断することが可能な故障検出装置および故障検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る故障検出装置は、
交流電圧を出力する発電機および前記発電機の出力電圧を整流する整流回路に接続され、前記出力電圧を検出するための検出回路と、
前記検出回路を介して前記出力電圧を検出し、前記検出された出力電圧と予め設定された閾値電圧との比較結果に基づいて、前記整流回路に故障が生じているか否かを判定する判定器と、を備え、
前記整流回路は、一端が前記出力電圧の入力ノードに接続され、他端がハイサイド側の第1出力ノードに接続された第1整流素子と、一端がローサイド側の第2出力ノードに接続され、他端が前記入力ノードに接続された第2整流素子とを有し、
前記判定器は、前記検出回路を介して前記入力ノードの電圧を検出することで前記出力電圧を検出し、前記整流回路に故障が生じている場合には、前記発電機を停止させる停止信号を出力し、一方、前記整流回路に故障が生じていない場合には、前記停止信号を出力しない。
【0009】
前記故障検出装置において、
前記判定器は、
前記検出された出力電圧が第1の閾値電圧よりも大きい状態が第1の判定期間継続した場合には、前記第1整流素子に前記故障として短絡が生じていると判定し、
一方、前記検出された出力電圧が前記第1の閾値電圧よりも大きい状態が前記第1の判定期間継続しなかった場合には、前記第1整流素子に短絡が生じていないと判定してもよい。
【0010】
前記故障検出装置において、
前記第1の判定期間は、前記交流電圧の半周期以上の期間であってもよい。
【0011】
前記故障検出装置において、
前記判定器は、
前記検出された出力電圧が第2の閾値電圧以下である状態が第2の判定期間継続した場合には、前記第2整流素子に前記故障として短絡が生じていると判定し、
一方、前記検出された出力電圧が前記第2の閾値電圧以下である状態が前記第2の判定期間継続しなかった場合には、前記第2整流素子に短絡が生じていないと判定してもよい。
【0012】
前記故障検出装置において、
前記第2の判定期間は、前記交流電圧の半周期よりも長い期間であってもよい。
【0013】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、一端が前記入力ノードに接続され、他端が前記判定器に接続された電圧検出ラインを有していてもよい。
【0014】
前記故障検出装置において、
前記判定器は、回路素子を介さず前記電圧検出ラインのみを介して前記入力ノードに接続され、前記電圧検出ラインを介して前記入力ノードの電圧を直接検出してもよい。
【0015】
前記故障検出装置において、
前記判定器は、前記電圧検出ラインを介して検出された前記入力ノードの電圧と、前記閾値電圧とを比較し、この比較結果に基づいて前記整流回路に故障が生じているか否かを判定してもよい、
【0016】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、更に、前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を矩形波電圧に変換するロジックICを有し、
前記判定器は、前記ロジックICで変換された電圧を検出することで、前記入力ノードの電圧を検出してもよい。
【0017】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、
一端が前記入力ノードに接続され、他端が前記判定器に接続された電圧検出ラインと、
前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を矩形波電圧に変換するロジックICと、を有し、
前記第1の閾値電圧および前記第2の閾値電圧は、前記入力ノードの電圧を前記矩形波電圧に変換するための前記ロジックICの閾値電圧であり、
前記ロジックICは、
前記入力ノードの電圧と前記ロジックICの閾値電圧とを比較し、前記入力ノードの電圧が前記ロジックICの閾値電圧よりも大きい場合には、前記入力ノードの電圧をハイレベル電圧に変換し、変換した前記ハイレベル電圧を前記判定器に出力し、
一方、前記入力ノードの電圧が前記ロジックICの閾値電圧以下である場合には、前記入力ノードの電圧をローレベル電圧に変換し、変換した前記ローレベル電圧を前記判定器に出力し、
前記判定器は、
前記ハイレベル電圧または前記ローレベル電圧を検出することで前記比較結果を取得し、
前記ハイレベル電圧が前記第1の判定期間継続した場合には、前記第1整流素子に短絡が生じていると判定し、一方、前記ハイレベル電圧が前記第1の判定期間継続しなかった場合には、前記第1整流素子に短絡が生じていないと判定し、
前記ローレベル電圧が前記第2の判定期間継続した場合には、前記第2整流素子に短絡が生じていると判定し、一方、前記ローレベル電圧が前記第2の判定期間継続しなかった場合には、前記第2整流素子に短絡が生じていないと判定してもよい。
【0018】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、更に、前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を分圧する分圧回路を有し、
前記判定器は、前記分圧回路で分圧された電圧を検出することで、前記入力ノードの電圧を検出してもよい。
【0019】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、更に、前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路で分圧された電圧を矩形波電圧に変換するロジックICとを有し、
前記判定器は、前記ロジックICで変換された電圧を検出することで、前記入力ノードの電圧を検出してもよい。
【0020】
前記故障検出装置において、
前記検出回路は、
一端が前記入力ノードに接続され、他端が前記判定器に接続された電圧検出ラインと、
前記電圧検出ライン上に配置され、前記入力ノードの電圧を分圧する分圧回路と、
前記分圧回路で分圧された電圧を矩形波電圧に変換するロジックICと、を有し、
前記第1の閾値電圧および前記第2の閾値電圧は、前記分圧された電圧を前記矩形波電圧に変換するための前記ロジックICの閾値電圧であり、
前記ロジックICは、
前記分圧された電圧と前記ロジックICの閾値電圧とを比較し、前記分圧された電圧が前記ロジックICの閾値電圧よりも大きい場合には、前記分圧された電圧をハイレベル電圧に変換し、変換した前記ハイレベル電圧を前記判定器に出力し、
一方、前記分圧された電圧が前記ロジックICの閾値電圧以下である場合には、前記分圧された電圧をローレベル電圧に変換し、変換した前記ローレベル電圧を前記判定器に出力し、
前記判定器は、
前記ハイレベル電圧または前記ローレベル電圧を検出することで前記比較結果を取得し、
前記ハイレベル電圧が前記第1の判定期間継続した場合には、前記第1整流素子に短絡が生じていると判定し、一方、前記ハイレベル電圧が前記第1の判定期間継続しなかった場合には、前記第1整流素子に短絡が生じていないと判定し、
前記ローレベル電圧が前記第2の判定期間継続した場合には、前記第2整流素子に短絡が生じていると判定し、一方、前記ローレベル電圧が前記第2の判定期間継続しなかった場合には、前記第2整流素子に短絡が生じていないと判定してもよい。
【0021】
前記故障検出装置において、
前記第1整流素子は、サイリスタであり、
前記第2整流素子は、ダイオードであってもよい。
【0022】
本発明の一態様に係る故障検出方法は、
発電機から出力された交流電圧を整流する整流回路の故障を検出する故障検出方法であって、
前記整流回路は、一端が前記出力電圧の入力ノードに接続され、他端がハイサイド側の第1出力ノードに接続された第1整流素子と、一端がローサイド側の第2出力ノードに接続され、他端が前記入力ノードに接続された第2整流素子とを有し、
前記故障検出方法は、
前記入力ノードの電圧を検出することで前記出力電圧を検出し、
前記検出された出力電圧と予め設定された閾値電圧との比較に基づいて、前記整流回路に故障が生じているか否かを判定し、
前記整流回路に故障が生じている場合には、前記発電機を停止させる停止信号を出力し、一方、前記整流回路に故障が生じていない場合には、前記停止信号を出力しない。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様に係る故障検出装置は、
交流電圧を出力する発電機および発電機の出力電圧を整流する整流回路に接続され、出力電圧を検出するための検出回路と、
検出回路を介して出力電圧を検出し、検出された出力電圧と予め設定された閾値電圧との比較結果に基づいて、整流回路に故障が生じているか否かを判定する判定器と、を備え、
整流回路は、一端が出力電圧の入力ノードに接続され、他端がハイサイド側の第1出力ノードに接続された第1整流素子と、一端がローサイド側の第2出力ノードに接続され、他端が前記入力ノードに接続された第2整流素子とを有し、
判定器は、検出回路を介して入力ノードの電圧を検出することで出力電圧を検出し、整流回路に故障が生じている場合には、発電機を停止させる停止信号を出力し、一方、整流回路に故障が生じていない場合には、停止信号を出力しない。
このように、入力ノードの電圧を検出することで発電機の出力電圧を正確に検出し、検出された出力電圧と閾値電圧との比較結果に基づくことで、発電機の性能の違いに応じた複雑な判断基準の設定を要することなく整流回路の故障を適切に判断できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。また、実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1に示される第1の実施形態に係る故障検出装置1は、交流電圧を直流電圧に変換する整流回路RCを備えた電力変換装置2に搭載され、整流回路RCの故障を検出する装置である。
【0027】
ここで、先ず、電力変換装置2の構成について説明する。
図1に示すように、電力変換装置2は、発電機ALTと、整流回路RCと、キャパシタCと、DC/ACインバータINVとを備える。
【0028】
発電機ALTは、図示しないエンジンに接続されている。発電機ALTは、エンジンの駆動にともなって、120°の位相差を有するU相、V相およびW相の三相の交流電圧を発生させる。
【0029】
整流回路RCは、発電機ALTの出力側に接続されている。整流回路RCは、発電機ALTの出力電圧Vua、Vva、Vwaを整流して出力する。
【0030】
より具体的には、整流回路RCは、第1整流素子の一例であるサイリスタSCR1、SCR2、SCR3と、第2の整流素子の一例であるダイオードDi1、Di2、Di3とを、発電機ALTの三相(U、V、W)の出力電圧Vua、Vva、Vwaに対応するように三組有する。
【0031】
サイリスタSCR1、SCR2、SCR3は、一端の一例であるアノードが出力電圧の入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、他端の一例であるカソードがハイサイド側の第1出力ノードNout1に接続され、ゲートが制御信号を出力するON/OFF制御回路CNTに接続されている。
【0032】
ダイオードDi1、Di2、Di3は、一端の一例であるアノードがローサイド側の第2出力ノードNout2に接続され、他端の一例であるカソードが入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続されている。
図1の例において、ダイオードDi1、Di2、Di3のアノードは、接地電位GNDに接続されている。
【0033】
整流回路RCは、ON/OFF制御回路CNTからゲートに入力される制御信号によってサイリスタSCR1、SCR2、SCR3がオンオフ制御されることにともなって、発電機ALTから入力された交流電圧を整流して出力する。このとき、ON/OFF制御回路CNTは、発電機ALTの相電圧が最大の相から整流回路RCに電流が流れ込み、流れ込んだ電流が整流回路RCから相電圧が最小(マイナス)の相に流れ出るように、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3をオンオフ制御する。
【0034】
キャパシタCは、一端が第1出力ノードNout1に接続され、他端が第2出力ノードNout2に接続されている。
【0035】
キャパシタCは、整流回路RCから出力された電圧を平滑化し、平滑化した直流電圧を出力する。
【0036】
DC/ACインバータINVは、キャパシタCの出力側に接続されている。DC/ACインバータINVは、キャパシタCから出力された直流電圧を交流電圧Voutに変換し、変換した交流電圧Voutを出力する。
【0037】
このように構成された電力変換装置2によれば、発電機ALTから入力された交流電圧を整流回路RCで直流電圧に変換した後にDC/ACインバータINVで交流電圧に変換することができる。
【0038】
このような電力変換装置2において、発電機ALTの性能の違いに応じた複雑な判断基準の設定を要することなく整流回路RCの故障を適切に判断するために、第1の実施形態に係る故障検出装置1が設けられている。以下、第1の実施形態に係る故障検出装置1の具体的な構成を説明する。
【0039】
図1に示すように、第1の実施形態に係る故障検出装置1は、発電機ALTの出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出するための検出回路11と、判定器12とを備える。
【0040】
(検出回路11)
検出回路11は、U相の出力電圧Vuaを検出するための電圧検出ライン111uと、V相の出力電圧Vvaを検出するための電圧検出ライン111vと、W相の出力電圧Vwaを検出するための電圧検出ライン111wとを有する。
【0041】
電圧検出ライン111u、111v、111wは、整流回路RCに接続されている。より具体的には、電圧検出ライン111u、111v、111wは、一端が入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、他端が判定器12に接続されている。
【0042】
(判定器12)
判定器12は、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。具体的には、判定器12は、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを検出することで出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。
【0043】
より具体的には、判定器12は、回路素子を介さず電圧検出ライン111u、111v、111wのみを介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続されている。そして、判定器12は、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを直接検出する。
【0044】
判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaと予め設定された閾値電圧との比較結果に基づいて、整流回路RCに故障が生じているか否かを判定する。
【0045】
具体的には、判定器12は、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して検出された入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaと、閾値電圧とを自らが比較し、この比較結果に基づいて整流回路RCに故障が生じているか否かを判定する。
【0046】
より具体的には、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第1の閾値電圧よりも大きい状態が第1の判定期間継続した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に故障として短絡が生じていると判定する。第1の判定期間は、例えば、発電機ALTの交流電圧の半周期以上の期間である。
【0047】
一方、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第1の閾値電圧よりも大きい状態が第1の判定期間継続しなかった場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていないと判定する。
【0048】
また、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第2の閾値電圧以下である状態が第2の判定期間継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に故障として短絡が生じていると判定する。第2の閾値電圧は、例えば、第1の閾値電圧と同一である。第2の閾値電圧は、第1の閾値電圧と異なっていてもよい。第2の判定期間は、例えば、発電機ALTの交流電圧の半周期よりも長い期間である。
【0049】
一方、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第2の閾値電圧以下である状態が第2の判定期間継続しなかった場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていないと判定する。
【0050】
判定器12は、整流回路RCに故障が生じている場合には、エンジンすなわち発電機ALTを停止させる停止信号SSを出力する。一方、判定器12は、整流回路RCに故障が生じていない場合には、停止信号SSを出力しない。
【0051】
(故障検出方法)
次に、第1の実施形態に係る故障検出方法の一例について説明する。
【0052】
(サイリスタの短絡の検出)
図2は、三相の出力電圧Vua、Vva、Vwaのうち、U相の電圧Vuaの波形を示したものである。U相における整流回路RCの故障を検査するため、ON/OFF制御回路CNTの制御によってU相のサイリスタSCR1をオンし、V相のサイリスタSCR2およびW相のサイリスタSCR3をオフすることで、
図2の波形が得られる。
図2に示すように、U相のサイリスタSCR1に短絡が生じていないサイリスタSCR1の正常動作時(
図2の時刻t0〜t1)において、判定器12は、電圧検出ライン111uを介して、半周期の正弦波状の波形を有する半波電圧Vua1(正値)とグランド電圧Vua2(0V)とが発電機ALTの交流電圧の半周期毎に交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaを検出する。
【0053】
判定器12は、検出された電圧Vuaと、予め設定された第1の閾値電圧Vth1とを比較する。そして、判定器12は、電圧Vuaが第1の閾値電圧Vth1より大きい状態が、発電機ALTの交流電圧の半周期以上の期間である第1の判定期間Tj1継続したか否かを判定基準として、サイリスタSCR1に故障として短絡が生じているか否かを判定する。
【0054】
図2に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図2の時刻t0〜t1)において、入力ノードNin1の電圧Vuaが第1の閾値電圧Vth1よりも大きい期間は、交流電圧の半周期に相当する半波電圧Vua1の継続期間のうちの一部の期間である。この期間は、交流電圧の半周期以上の期間である第1の判定期間Tj1よりも当然に短い。
【0055】
したがって、サイリスタSCR1の正常動作時において、判定器12は、電圧Vuaが第1の閾値電圧Vth1より大きい状態が第1の判定期間Tj1継続しないため、サイリスタSCR1に短絡が生じていないと判定する。
【0056】
サイリスタSCR1に短絡が生じていないと判定されたことで、判定器12は、停止信号SSを出力しない。
【0057】
なお、第1の判定期間Tj1は、発電機ALTの交流電圧の半周期以上の期間であって、発電機ALTの交流電圧の1周期以下または3/4周期以下の期間であってもよい。このように、第1の判定期間Tj1が長くなり過ぎないようにすることで、サイリスタSCR1の短絡を迅速に検出することができる。
【0058】
一方、
図2に示すように、サイリスタSCR1の短絡時(
図2の時刻t1〜)において、判定器12は、入力ノードNin1の電圧Vuaとして、最大値に固定された(すなわち、ハイ側に張り付いた)継続的な直流電圧Vua3を検出する。
【0059】
判定器12は、検出された直流電圧Vua3の電圧値と、第1の閾値電圧Vth1とを比較する。
【0060】
図2に示すように、サイリスタSCR1の短絡時(
図2の時刻t1〜)において、直流電圧Vua3の電圧値の検出期間は、第1の判定期間Tj1よりも長い。これにより、判定器12は、サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定する。具体的には、判定器12は、直流電圧Vua3の検出開始時刻t1から直流電圧Vua3が第1の判定期間Tj1継続した時刻t2に、サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定する。
【0061】
サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定されたことで、判定器12は、停止信号SSを出力する。
【0062】
なお、
図2の例では、U相のサイリスタSCR1の短絡の検出について説明したが、V相およびW相のサイリスタSCR2、SCR3についても、U相と同様の方法で短絡を検出することができる。
【0063】
(ダイオードの短絡の検出)
図3は、
図2と同様に、三相の出力電圧Vua、Vva、Vwaのうち、U相の電圧Vuaの波形を示したものである。
図3に示すように、ダイオードDi1に短絡が生じていないダイオードDi1の正常動作時(
図3の時刻t0〜t2)において、判定器12は、サイリスタSCR1の正常動作時(
図2の時刻t0〜t1)と同様に、電圧検出ライン111を介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaを検出する。
【0064】
判定器12は、検出された電圧Vuaと、予め設定された第2の閾値電圧Vth2とを比較する。なお、第2の閾値電圧Vth2は、第1の閾値電圧Vth1と同一であってもよく、または、第1の閾値電圧Vth1と異なっていてもよい。
【0065】
そして、判定器12は、電圧Vuaが第2の閾値電圧Vth2以下である状態が、発電機ALTの交流電圧の半周期よりも長い第2の判定期間Tj2継続したか否かを判定基準として、ダイオードDi1に故障として短絡が生じているか否かを判定する。
【0066】
図3に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図3の時刻t0〜t2)において、電圧Vuaが第2の閾値電圧Vth2以下である期間は、第2の判定期間Tj2よりも短い。したがって、判定器12は、ダイオードDi1に短絡が生じていないと判定する。ダイオードDi1に短絡が生じていないと判定されたことで、判定器12は、停止信号SSを出力しない。
【0067】
一方、ダイオードDi1の短絡時(
図3の時刻t2〜)において、判定器12は、入力ノードNin1の電圧Vuaとして、接地電位GNDに張り付いた継続的なグランド電圧Vua2を検出する。なお、
図3の例では、ダイオードDi1の短絡の発生時刻t2を、ダイオードDi1が正常である場合に半波電圧Vua1の検出が開始されるべき時刻t2としている。しかしながら、ダイオードDi1の短絡は、時刻t2よりも前のグランド電圧Vua2の検出期間中に発生していてもよい(他の実施形態においても同様)。
【0068】
図3に示すように、ダイオードDi1の短絡時(
図3の時刻t2〜)において、電圧Vuaが第2の閾値電圧Vth2以下である期間は、第2の判定期間Tj2よりも長い。したがって、判定器12は、ダイオードDi1に短絡が生じていると判定する。具体的には、判定器12は、第2の閾値電圧Vth2以下の電圧Vuaの検出開始時刻t1から第2の閾値電圧Vth2以下の電圧Vuaが第2の判定期間Tj2継続した時刻t3に、ダイオードDi1に短絡が生じていると判定する。
【0069】
ダイオードDi1に短絡が生じていると判定されたことで、判定器12は、停止信号SSを出力する。
【0070】
なお、
図3の例では、U相のダイオードDi1の短絡の検出について説明したが、V相およびW相のダイオードDi2、Di3についても、U相と同様の方法で短絡を検出することができる。
【0071】
以下、第1の実施形態によってもたらされる作用について説明する。
【0072】
既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1は、交流電圧を出力する発電機ALTおよび発電機ALTの出力電圧Vua、Vva、Vwaを整流する整流回路RCに接続され、出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出するための検出回路111、112、113を備える。また、故障検出装置1は、検出回路111、112、113を介して出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出し、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaと予め設定された閾値電圧Vth1、Vth2との比較結果に基づいて、整流回路RCに故障が生じているか否かを判定する判定器12を備える。また、整流回路RCは、アノード(一端)が出力電圧Vua、Vva、Vwaの入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、カソード(他端)がハイサイド側の第1出力ノードNout1に接続されたサイリスタSCR1、SCR2、SCR3(第1整流素子)を有する。また、整流回路RCは、アノード(一端)がローサイド側の第2出力ノードNout2に接続され、カソード(他端)が入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続されたダイオードDi1、Di2、Di3(第2整流素子)を有する。判定器12は、検出回路111、112、113を介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧を検出することで出力電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。そして、判定器12は、整流回路RCに故障が生じている場合には、発電機ALTを停止させる停止信号SSを出力し、一方、整流回路RCに故障が生じていない場合には、停止信号SSを出力しない。
【0073】
このような構成によれば、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧を検出することで、発電機ALTの出力電圧Vua、Vva、Vwaを正確に検出し、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaと閾値電圧Vth1、Vth2との比較結果に基づくことで、発電機の性能の違いに応じた複雑な判断基準の設定を要することなく整流回路RCの故障を適切に判断できる。
【0074】
また、既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1において、判定器12は、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して検出された入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaと、閾値電圧とを比較し、この比較結果に基づいて整流回路RCに故障が生じているか否かを判定する。
【0075】
このような構成によれば、判定器12自らが、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaと判定器12に設定された閾値電圧とを比較して、整流回路RCの故障の有無を正確に判定することができる。
【0076】
また、既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1において、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第1の閾値電圧Vth1よりも大きい状態が第1の判定期間継続Tj1した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に故障として短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第1の閾値電圧Vth1よりも大きい状態が第1の判定期間Tj1継続しなかった場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていないと判定する。
【0077】
このような構成によれば、出力電圧Vua、Vva、Vwaが第1の閾値電圧Vth1より大きい状態の継続時間と第1の判定期間Tj1との比較により、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3の短絡を正確に検出することができる。また、第1の判定期間Tj1として、発電機ALTの交流電圧の半周期以上の期間を用いることで、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていないときの出力電圧Vua、Vva、Vwaを短絡として誤検出することを防止することができる。これにより、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3の短絡をより正確に検出することができる。
【0078】
また、既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1において、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第2の閾値電圧Vth2以下である状態が第2の判定期間Tj2継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に故障として短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaが第2の閾値電圧Vth2以下である状態が第2の判定期間Tj2継続しなかった場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていないと判定する。
【0079】
このような構成によれば、出力電圧Vua、Vva、Vwaが第2の閾値電圧Vth2以下である状態の継続時間と第2の判定期間Tj2との比較により、ダイオードDi1、Di2、Di3の短絡を正確に検出することができる。また、第2の判定期間Tj2として、交流電圧の半周期よりも長い期間を用いることで、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていないときの出力電圧Vua、Vva、VwaをダイオードDi1、Di2、Di3の短絡として誤検出することを防止することができる。これにより、ダイオードDi1、Di2、Di3の短絡をより正確に検出することができる。
【0080】
また、既述したように、第2の閾値電圧Vth2として、第1の閾値電圧Vth1と同一の電圧を用いることで、共通の閾値電圧に基づいてサイリスタSCR1、SCR2、SCR3およびダイオードDi1、Di2、Di3の双方の短絡を検出することができる。
【0081】
また、既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1は、検出回路として、一端が入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、他端が判定器12に接続された電圧検出ライン111u、111v、111wを有する。
【0082】
このような構成によれば、シンプルな構成によって入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを確実に検出することができる。
【0083】
また、既述したように、第1の実施形態の故障検出装置1において、判定器12は、回路素子を介さず電圧検出ライン111u、111v、111wのみを介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、電圧検出ライン111u、111v、111wを介して入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを直接検出する。
【0084】
このような構成によれば、検出回路として電圧検出ライン111u、111v、111w以外の構成を設けることを要しないので、部品点数の増加を抑制することができる。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、
図4を参照して、検出回路11が電圧検出ラインに加えてロジックICを備えた第2の実施形態について説明する。
【0086】
図4に示すように、第2の実施形態に係る故障検出装置1は、第1の実施形態に対して検出回路11の構成部が追加されている。具体的には、第2の実施形態における検出回路11は、U相の出力電圧Vuaを検出するためのロジックIC113uと、V相の出力電圧Vvaを検出するためのロジックIC113vと、W相の出力電圧Vwaを検出するためのロジックIC113wとを有する。
【0087】
ロジックIC113u、113v、113wは、電圧検出ライン111u、111v、111w上に配置され、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwa(半波電圧)を矩形状の波形を有する矩形波電圧Vub、Vvb、Vwb(パルス電圧)に変換する。
【0088】
より具体的には、ロジックIC113u、113v、113wは、第1の実施形態で説明した第1の閾値電圧Vth1および第2の閾値電圧Vth2の双方として機能し、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを矩形波電圧に変換するための1つのIC閾値電圧Vthicを有する。
【0089】
ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaとIC閾値電圧Vthicとを比較する。そして、ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、電圧Vua、Vva、Vwaをハイレベル電圧に変換する。そして、ロジックIC113u、113v、113wは、変換したハイレベル電圧を判定器12に出力する。
【0090】
一方、ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、電圧Vua、Vva、Vwaをローレベル電圧に変換する。そして、ロジックIC113u、113v、113wは、変換したローレベル電圧を判定器12に出力する。
【0091】
判定器12は、ロジックIC113u、113v、113wで矩形波に変換された電圧Vub、Vvb、Vwb(すなわち、ハイレベル電圧またはローレベル電圧)を検出することで、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。
【0092】
また、第2の実施形態において、判定器12は、ハイレベル電圧またはローレベル電圧を検出することで、検出された出力電圧Vua、Vva、Vwaと閾値電圧との比較結果を取得する。すなわち、判定器12は、ハイレベル電圧を、出力電圧Vua、Vva、Vwaが閾値電圧よりも大きいという比較結果として検出し、ローレベル電圧を、出力電圧Vua、Vva、Vwaが閾値電圧以下であるという比較結果として検出する。
【0093】
そして、判定器12は、ハイレベル電圧が第1の判定期間Tj1継続した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、ハイレベル電圧が第1の判定期間Tj1継続しなかった場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていないと判定する。
【0094】
また、判定器12は、ローレベル電圧が第2の判定期間Tj2継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に故障として短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、ローレベル電圧が第2の判定期間Tj2継続しなかった場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていないと判定する。
【0095】
(故障検出方法)
次に、第2の実施形態に係る故障検出方法の一例について説明する。
【0096】
(サイリスタの短絡の検出)
図5は、ロジックIC113uによる変換前のU相の電圧Vuaの波形と、ロジックIC113uによる変換後のU相の電圧Vubの波形とを示している。
図5に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図5の時刻t0〜t1)において、ロジックIC113uには、電圧検出ライン111uを介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0097】
ロジックIC113uは、入力された電圧Vuaと、IC閾値電圧Vthicとを比較する。そして、ロジックIC113uは、電圧VuaがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、電圧Vuaをハイレベル電圧VubHに変換し、変換したハイレベル電圧VubHを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、電圧VuaがIC閾値電圧Vthicよりも大きい期間において、ハイレベル電圧VubHを検出する。
【0098】
一方、ロジックIC113uは、電圧VuaがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、電圧Vuaをローレベル電圧VubLに変換し、変換したローレベル電圧VubLを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、電圧VuaがIC閾値電圧Vthic以下の期間において、ローレベル電圧VubLを検出する。
【0099】
判定器12は、ハイレベル電圧VubHが第1の判定期間Tj1継続したか否かを判定基準として、サイリスタSCR1に短絡が生じているか否かを判定する。
【0100】
図5に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図5の時刻t0〜t1)において、ハイレベル電圧VubHの継続期間は、半波電圧Vua1の継続期間のうち、半波電圧Vua1がIC閾値電圧Vthicよりも大きくなる一部の期間に相当する。この期間は、半波電圧Vua1の継続期間(すなわち、交流電圧の半周期)に相当する第1の判定期間Tj1よりも当然に短い。
【0101】
したがって、サイリスタSCR1の正常動作時において、判定器12は、ハイレベル電圧VubHが第1の判定期間Tj1継続しないため、サイリスタSCR1に短絡が生じていないと判定する。
【0102】
一方、
図5に示すように、サイリスタSCR1の短絡時(
図5の時刻t1〜)において、ロジックIC113uには、入力ノードNin1の電圧Vuaとして、継続的な直流電圧Vua3が入力される。
【0103】
ロジックIC113uは、入力された直流電圧Vua3をハイレベル電圧VubHに変換して判定器12に出力する。
【0104】
そして、判定器12は、ハイレベル電圧VubHの検出開始時刻(
図5の時刻t1)からハイレベル電圧VubHが第1の判定期間Tj1継続した時刻(
図5の時刻t2)において、サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定する。
【0105】
(ダイオードの短絡の検出)
図5と同様に、
図6は、ロジックIC113uによる変換前のU相の電圧Vuaの波形と、ロジックIC113uによる変換後のU相の電圧Vubの波形とを示している。
図6に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図6の時刻t0〜t2)において、ロジックIC113uには、サイリスタSCR1の正常動作時(
図5の時刻t0〜t1)と同様に、電圧検出ライン111を介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0106】
ロジックIC113uは、入力された電圧Vuaと、IC閾値電圧Vthicとを比較し、電圧VuaがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、判定器12にハイレベル電圧VubHを出力する。一方、ロジックIC113uは、電圧VuaがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、判定器12にローレベル電圧VubLを出力する。
【0107】
ダイオードDi1の正常動作時(
図6の時刻t0〜t2)において、判定器12は、ローレベル電圧VubLが第2の判定期間Tj2継続しないため、ダイオードDi1に短絡が生じていないと判定する。
【0108】
一方、
図6に示すように、ダイオードDi1の短絡時(
図6の時刻t2〜)において、ロジックIC113uには、入力ノードNin1の電圧Vuaとして、継続的なグランド電圧Vua2が入力される。
【0109】
ロジックIC113uは、入力されたグランド電圧Vua2の電圧値がIC閾値電圧Vthic以下であるため、グランド電圧Vua2をローレベル電圧VubLに変換して判定器12に出力する。
【0110】
そして、判定器12は、ローレベル電圧VubLの検出開始時刻(
図6の時刻t1)からローレベル電圧VubLが第2の判定期間Tj2継続した時刻(
図6の時刻t3)において、ダイオードDi1に短絡が生じていると判定する。
【0111】
以下、第2の実施形態によってもたらされる作用について説明する。
【0112】
既述したように、第2の実施形態の故障検出装置1において、検出回路11は、電圧検出ライン111u、111v、111w上に配置され、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧を矩形波電圧に変換するロジックIC113u、113v、113wを有する。そして、判定器12は、ロジックIC113u、113v、113wで変換された電圧を検出することで、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。
【0113】
このような構成によれば、検出回路11側で、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを判定器12で直接処理できる矩形波電圧に変換することができるので、判定器12が、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwa(半波電圧)を矩形波電圧に変換する機能(専用ポート)を有することを要しない。言い換えれば、検出回路11を、判定器12の汎用ポートに接続して故障の検出に用いることができる。これにより、故障検出装置1の汎用性を高めることができる。
【0114】
また、既述したように、第2の実施形態の故障検出装置1において、ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaとIC閾値電圧Vthicとをとを比較する。この比較結果に基づいて、ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、電圧Vua、Vva、Vwaをハイレベル電圧に変換し、変換したハイレベル電圧VubH、VvbH、VwbHを判定器12に出力する。一方、ロジックIC113u、113v、113wは、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、VwaがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、電圧Vua、Vva、Vwaをローレベル電圧に変換し、変換したローレベル電圧を判定器12に出力する。判定器12は、ハイレベル電圧またはローレベル電圧を検出することで、出力電圧Vua、Vva、VwaとIC閾値電圧Vthicとの比較結果を取得する。そして、判定器12は、ハイレベル電圧が第1の判定期間継続した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていると判定する。また、判定器12は、ローレベル電圧が第2の判定期間継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていると判定する。
【0115】
このような構成によれば、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを矩形波電圧に変換するためのロジックIC113u、113v、113wのIC閾値電圧Vthicを、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3およびダイオードDi1、Di2、Di3の短絡の有無を判定するための閾値電圧として利用することができる。これにより、判定器12側において短絡の有無の判定のための閾値電圧を設定する必要がなくなるため、第1の実施形態の作用に加えて、更に、故障検出装置1の汎用性を向上しつつ、短絡の判断基準の設定作業を更に簡便化することができる。
【0116】
(第3の実施形態)
次に、
図7を参照して、検出回路11が電圧検出ラインに加えて分圧回路を備えた第3の実施形態について説明する。
【0117】
図7に示すように、第3の実施形態に係る故障検出装置1は、第1の実施形態に対して検出回路11の構成部が追加されている。具体的には、第3の実施形態における検出回路11は、U相の出力電圧Vuaを検出するための分圧回路114uと、V相の出力電圧Vvaを検出するための分圧回路114vと、W相の出力電圧Vwaを検出するための分圧回路114wとを有する。分圧回路114u、114v、114wは、一端が入力ノードNin1、Nin2、Nin3に接続され、他端が判定器12への出力ノード114Nに接続された第1抵抗R1と、一端が出力ノード114Nに接続され、他端が接地電位GNDに接続された第2抵抗R2とを有する。
【0118】
分圧回路114u、114v、114wは、電圧検出ライン111u、111v、111w上に配置され、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを分圧する。
【0119】
判定器12は、分圧回路114u、114v、114wで分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcを検出することで、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。
【0120】
判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcと第1の閾値電圧とを比較する。そして、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcが第1の閾値電圧よりも大きい状態が第1の判定期間継続した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcが第1の閾値電圧よりも大きい状態が第1の判定期間継続しなかった場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていないと判定する。
【0121】
また、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcと第2の閾値電圧とを比較する。そして、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcが第2の閾値電圧以下である状態が第2の判定期間継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に故障として短絡が生じていると判定する。一方、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcが第2の閾値電圧以下である状態が第2の判定期間継続しなかった場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていないと判定する。
【0122】
(故障検出方法)
次に、第3の実施形態に係る故障検出方法の一例について説明する。
【0123】
(サイリスタの短絡の検出)
図8は、分圧回路114uによる分圧前のU相の電圧Vuaの波形と、分圧回路114uによる分圧後のU相の電圧Vucの波形とを示している。
図8に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図8の時刻t0〜t1)において、分圧回路114uには、電圧検出ライン111uを介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0124】
分圧回路114uは、入力された電圧Vuaを分圧し、分圧された電圧Vucを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、サイリスタSCR1の正常動作時において、入力ノードNin1の半波電圧Vua1よりも振幅が低減された半波電圧Vuc1とグランド電圧Vuc2とが交互に繰り返される電圧Vucを検出する。
【0125】
判定器12は、検出された電圧Vucと第1の閾値電圧Vth1とを比較する。そして、判定器12は、電圧Vucが第1の閾値電圧Vth1より大きい状態が第1の判定期間Tj1継続したか否かを判定基準として、サイリスタSCR1に短絡が生じているか否かを判定する。
【0126】
分圧された半波電圧Vuc1は振幅が低減されているため、この半波電圧Vuc1が第1の閾値電圧Vth1より大きくなる期間は、第1の実施形態で説明した半波電圧Vua1が第1の閾値電圧Vth1より大きくなる期間よりも短い。このため、第3の実施形態における第1の判定期間Tj1は、判定を迅速に行うために第1の実施形態における第1の判定期間Tj1より短くすることも可能である。
【0127】
図8に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図8の時刻t0〜t1)において、電圧Vucが第1の閾値電圧Vth1よりも大きい期間は、第1の判定期間Tj1よりも短い。したがって、判定器12は、電圧Vucが第1の閾値電圧Vth1よりも大きい状態が第1の判定期間Tj1継続しないため、サイリスタSCR1に短絡が生じていないと判定する。
【0128】
一方、サイリスタSCR1の短絡時(
図8の時刻t1〜)において、判定器12は、ハイ側に張り付いた継続的な直流電圧Vua3が分圧された電圧Vuc3を検出することで、入力ノードNin1の電圧Vuaを検出する。
【0129】
そして、判定器12は、検出された電圧Vuc3の電圧値が第1の閾値電圧Vth1よりも大きく、且つ、電圧Vuc3の継続期間が第1の判定期間Tj1よりも長いため、電圧Vuc3の検出開始時刻(
図8の時刻t1)から第1の判定期間Tj1が経過した時刻(
図8の時刻t2)において、サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定する。
【0130】
(ダイオードの短絡の検出)
図9は、分圧回路114uによる分圧前のU相の電圧Vuaの波形と、分圧回路114uによる分圧後のU相の電圧Vucの波形とを示している。
図9に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図9の時刻t0〜t2)において、分圧回路114uには、
図8と同様に電圧検出ライン111uを介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0131】
分圧回路114uは、入力された電圧Vuaを分圧し、分圧された電圧Vucを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、振幅が低減された半波電圧Vuc1とグランド電圧Vuc2とが交互に繰り返される電圧Vucを検出する。
【0132】
図9に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図9の時刻t0〜t2)において、判定器12は、電圧Vucが第2の閾値電圧Vth2以下の期間が第2の判定期間Tj2よりも短いため、ダイオードDi1に短絡が生じていないと判定する。
【0133】
一方、ダイオードDi1の短絡時(
図9の時刻t2〜)において、判定器12は、継続的なグランド電圧Vuc2を検出することで入力ノードNin1の電圧Vuaを検出する。
【0134】
ダイオードDi1の短絡時において、判定器12は、電圧Vucが第2の閾値電圧Vth2以下である期間が第2の判定期間Tj2よりも長いため、第2の閾値電圧Vth2以下の電圧の検出開始時刻t1から第2の判定期間Tj2継続した時刻t3に、ダイオードDi1に短絡が生じていると判定する。
【0135】
以下、第3の実施形態によってもたらされる作用について説明する。
【0136】
既述したように、第3の実施形態に係る故障検出装置1において、検出回路11は、電圧検出ライン111u、111v、111w上に配置され、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを分圧する分圧回路114u、114v、114wを有する。そして、判定器12は、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcを検出することで、入力ノードNin1、Nin2、Nin3の電圧Vua、Vva、Vwaを検出する。
【0137】
このような構成によれば、判定器12に入力される電圧の電圧値を抑制することができるので、第1の実施形態の作用に加えて、更に、判定器12に過大な電圧値の電圧が入力されることにともなう判定器12の電気特性の悪化を防止することができる。
【0138】
(第4の実施形態)
次に、検出回路11が電圧検出ラインに加えてロジックICおよび分圧回路を備えた第4の実施形態について説明する。
図10は、第4の実施形態に係る故障検出装置1の一例を示す図である。
【0139】
図10に示すように、第4の実施形態の検出回路11は、
図7の構成に加えて、更に、分圧回路114u、114v、114wと判定器12との間に配置されたロジックIC113u、113v、113wを有する。
【0140】
ロジックIC113u、113v、113wは、分圧回路114u、114v、114wで分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcを矩形波電圧(パルス電圧)に変換する。
【0141】
より具体的には、ロジックIC113u、113v、113wは、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcと、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcを矩形波電圧に変換するためのIC閾値電圧Vthicとを比較する。
【0142】
そして、ロジックIC113u、113v、113wは、分圧された電圧Vuc、Vvc、VwcがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcをハイレベル電圧VubH、VvbH、VwbHに変換し、変換したハイレベル電圧VubH、VvbH、VwbHを判定器12に出力する。
【0143】
一方、ロジックIC113u、113v、113wは、分圧された電圧Vuc、Vvc、VwcがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、分圧された電圧Vuc、Vvc、Vwcをローレベル電圧VubL、VvbL、VwbLに変換し、変換したローレベル電圧VubL、VvbL、VwbLを判定器12に出力する。
【0144】
ハイレベル電圧VubH、VvbH、VwbHおよびローレベル電圧VubL、VvbL、VwbLに基づいたサイリスタSCR1、SCR2、SCR3およびダイオードDi1、Di2、Di3の短絡の有無の判定は、第2の実施形態と同様である。
【0145】
(故障検出方法)
次に、第4の実施形態に係る故障検出方法の一例について説明する。
【0146】
(サイリスタの短絡の検出)
図11は、分圧回路114uによる分圧前のU相の電圧Vuaの波形と、分圧後であってロジックIC113uによる変換前のU相の電圧Vucの波形と、ロジックIC113uによる変換後のU相の電圧Vubの波形とを示している。
図11に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図11の時刻t0〜t1)において、分圧回路114uには、電圧検出ライン111uを介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0147】
分圧回路114uは、入力された電圧Vuaを分圧し、分圧された電圧VucをロジックIC113uに出力する。
【0148】
ロジックIC113uは、分圧された電圧Vucと、IC閾値電圧Vthicとを比較し、電圧VucがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、電圧Vucを変換したハイレベル電圧VubHを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、電圧VucがIC閾値電圧Vthicよりも大きい期間において、ハイレベル電圧VubHを検出する。
【0149】
一方、ロジックIC113uは、分圧された電圧VucがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、電圧Vucを変換したローレベル電圧VubLを判定器12に出力する。これにより、判定器12は、電圧VucがIC閾値電圧Vthic以下の期間において、ローレベル電圧VubLを検出する。
【0150】
図11に示すように、サイリスタSCR1の正常動作時(
図11の時刻t0〜t1)において、ハイレベル電圧VubHの継続期間は、第1の判定期間Tj1よりも短い。したがって、判定器12は、ハイレベル電圧VubHが第1の判定期間Tj1継続しないため、サイリスタSCR1に短絡が生じていないと判定する。
【0151】
一方、サイリスタSCR1の短絡時(
図11の時刻t1〜)において、分圧回路114uには、電圧検出ライン111uを介して、継続的な直流電圧Vua3が入力される。
【0152】
分圧回路114uは、入力された直流電圧Vua3を分圧し、分圧された直流電圧Vuc3をロジックIC113uに出力する。
【0153】
ロジックIC113uは、分圧された直流電圧Vuc3の電圧値と、IC閾値電圧Vthicとを比較し、直流電圧Vuc3がIC閾値電圧Vthicよりも大きいため、直流電圧Vuc3をハイレベル電圧VubHに変換して判定器12に出力する。これにより、判定器12は、ロジックIC113uへの直流電圧Vuc3の入力期間において、ハイレベル電圧VubHを検出する。
【0154】
そして、判定器12は、ハイレベル電圧VubHの検出開始時刻(
図11の時刻t1)から第1の判定期間Tj1が経過した時刻(
図11の時刻t2)において、サイリスタSCR1に短絡が生じていると判定する。
【0155】
(ダイオードの短絡の検出)
図12は、
図11と同様に、分圧回路114uによる分圧前のU相の電圧Vuaの波形と、分圧後であってロジックIC113uによる変換前のU相の電圧Vucの波形と、ロジックIC113uによる変換後のU相の電圧Vubの波形とを示している。
図12に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図12の時刻t0〜t2)において、分圧回路114uには、サイリスタSCR1の正常動作時(
図11の時刻t0〜t1)と同様に、電圧検出ライン111uを介して、半波電圧Vua1とグランド電圧Vua2とが交互に繰り返される入力ノードNin1の電圧Vuaが入力される。
【0156】
分圧回路114uは、入力された電圧Vuaを分圧し、分圧された電圧VucをロジックIC113uに出力する。
【0157】
ロジックIC113uは、分圧された電圧VucとIC閾値電圧Vthicとを比較し、電圧VucがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、判定器12にハイレベル電圧VubHを出力し、電圧VucがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、判定器12にローレベル電圧VubLを出力する。
【0158】
図12に示すように、ダイオードDi1の正常動作時(
図12の時刻t0〜t2)において、ローレベル電圧VubLの継続期間は第2の判定期間Tj2よりも短いため、判定器12は、ダイオードDi1に短絡が生じていないと判定する。
【0159】
一方、ダイオードDi1の短絡時(
図12の時刻t2〜)において、分圧回路114uには、電圧検出ライン111uを介して、ロー側に張り付いた継続的なグランド電圧Vua2が入力される。
【0160】
分圧回路114uは、ロジックIC113uにグランド電圧Vuc2を出力する。
【0161】
ロジックIC113uは、グランド電圧Vuc2の電圧値と、IC閾値電圧Vthicとを比較し、グランド電圧Vuc2がIC閾値電圧Vthicよりも小さいため、判定器12にローレベル電圧VubLを出力する。
【0162】
そして、判定器12は、ローレベル電圧VubLの検出開始時刻(
図12の時刻t1)から第2の判定期間Tj2が経過した時刻(
図12の時刻t3)において、ダイオードDi1に短絡が生じていると判定する。
【0163】
以下、第4の実施形態によってもたらされる作用について説明する。
【0164】
既述したように、第4の実施形態に係る故障検出装置1において、ロジックIC113u、113v、113wは、分圧回路114uによって分圧された電圧Vuc、Vvc、VwcがIC閾値電圧Vthicよりも大きい場合には、判定器12にハイレベル電圧を出力する。一方、ロジックIC113u、113v、113wは、分圧された電圧Vuc、Vvc、VwcがIC閾値電圧Vthic以下である場合には、判定器12にローレベル電圧を出力する。
【0165】
判定器12は、ハイレベル電圧またはローレベル電圧を検出することで、出力電圧Vua、Vva、VwaとIC閾値電圧Vthicとの比較結果を取得する。そして、判定器12は、ハイレベル電圧が第1の判定期間Tj1継続した場合には、サイリスタSCR1、SCR2、SCR3に短絡が生じていると判定し、ローレベル電圧が第2の判定期間Tj2継続した場合には、ダイオードDi1、Di2、Di3に短絡が生じていると判定する。
【0166】
このような構成によれば、ロジックIC113u、113v、113wに入力される電圧の電圧値を抑制することができるので、第1〜第3の実施形態の作用に加えて、更に、ロジックIC113u、113v、113wに過大な電圧値の電圧が入力されることによるロジックIC113u、113v、113wの電気特性の悪化を抑制することができる。
【0167】
上述した実施形態は、あくまで一例であって、発明の範囲を限定するものではない。発明の要旨を逸脱しない限度において、上述した実施形態に対して種々の変更を行うことができる。変更された実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。