特許第6965148号(P6965148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6965148
(24)【登録日】2021年10月22日
(45)【発行日】2021年11月10日
(54)【発明の名称】測定プログラム、及び測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/74 20060101AFI20211028BHJP
   G01S 11/06 20060101ALI20211028BHJP
   G01S 5/14 20060101ALI20211028BHJP
【FI】
   G01S13/74
   G01S11/06
   G01S5/14
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-245623(P2017-245623)
(22)【出願日】2017年12月21日
(65)【公開番号】特開2019-113366(P2019-113366A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2020年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 敏行
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−206537(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0358780(US,A1)
【文献】 特開2008−306532(JP,A)
【文献】 特開2016−156652(JP,A)
【文献】 特開2016−114361(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0308618(US,A1)
【文献】 特開2017−146732(JP,A)
【文献】 特開2008−190268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 − G01S 5/14
G01S 11/00 − G01S 11/16
G01S 13/74 − G01S 13/84
H04W 4/00 − H04W 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によって計測された移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対して、閾値以上の変化のカット、移動平均、及び前記移動体からの電波強度と前記基地局から電波強度とを合成するためのスケール変換の順にフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の前記移動体からの電波強度と、フィルタ処理後の前記基地局からの電波強度とを合成し、
合成された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する、
測定プログラム。
【請求項2】
前記基地局は複数あるものとし、
複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する請求項1に記載の測定プログラム。
【請求項3】
前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対して前記フィルタ処理、及び前記合成を行い、合成された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定する請求項1又は請求項2に記載の測定プログラム。
【請求項4】
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は3つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める請求項に記載の測定プログラム。
【請求項5】
基地局からの電波強度を計測し、前記基地局に無線電波を発信する移動体と、
前記移動体からの電波強度を計測し、計測された前記移動体からの電波強度を測定装置に送信する基地局と、
前記基地局で計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対して、閾値以上の変化のカット、移動平均、及び前記移動体からの電波強度と前記基地局から電波強度とを合成するためのスケール変換の順にフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の前記移動体からの電波強度と、フィルタ処理後の前記基地局からの電波強度とを合成するフィルタ部、及び
合成された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する測定部を備える測定装置と、
を含む測定システム。
【請求項6】
前記基地局は複数あるものとし、
前記測定部は、複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する請求項に記載の測定システム。
【請求項7】
前記測定部は、前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対して前記フィルタ処理、及び前記合成を行い、合成された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定し、
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は三つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める請求項5又は請求項6に記載の測定システム。
【請求項8】
前記測定装置を、前記移動体に搭載した請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定プログラム、及び測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
計測した無線の電波強度を用いて、移動体の位置測位や性能の判定を行う技術がある。
【0003】
例えば、携帯電話の受信電波強度と基地局の受信電波強度を保守管理局で比較し、携帯電話の性能を判定する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−23384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、ノイズ等のゆらぎ成分による誤差を減少させるために、無線電波の電波強度のデータに対するフィルタ処理を実施する必要があるが、一定以上の回数計測した電波強度のデータを用いて誤差を収束させる必要があった。
【0006】
本発明は、一つの側面として、精度よく、かつ、効率的に、基地局と移動体との距離を測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの態様として、基地局によって計測された移動体からの電波強度と、移動体で計測された基地局からの電波強度とに基づいて、電波強度をフィルタ処理する。フィルタ処理された電波強度に基づいて、基地局と、移動体との距離を測定する。
【発明の効果】
【0008】
一つの側面として、精度よく、かつ、効率的に、基地局と移動体との距離を測定することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の位置測位の測位方法の一例を示す図である。
図2】従来の位置測位の測位方法の一例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る測定システムの概略構成を示すブロック図である。
図4】位置測位装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】フィルタ部のフィルタ処理の一例を示す図である。
図6】フィルタ部の合成処理の一例を示す図である。
図7】3点測位により位置の測定を行う場合の一例を示す図である。
図8】位置情報DBの一例を示す図である。
図9】位置測位装置として機能するコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
図10】第1実施形態の移動体の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図11】第1実施形態の固定基地局の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図12】第1実施形態の位置測位装置の位置測位処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第2実施形態に係る測定システムの概略構成を示すブロック図である。
図14】第2実施形態の移動体の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図15】第2実施形態の固定基地局の計測処理の一例を示すフローチャートである。
図16】第2実施形態の位置測位装置の位置測位処理の一例を示すフローチャートである。
図17】移動体に位置測位装置を搭載する場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本実施形態の前提となる従来技術の問題点について説明する。なお、無線の電波強度を用いて移動体の位置測位を行う場合について説明するが、無線の電波強度を用いて性能判定等を行う場合も同様である。
【0011】
無線電波の電波強度を用いた位置の測定には、以下の2通りの測位方法がある。
【0012】
1つは、図1に示すように、移動体90から発信される無線電波を、固定基地局92A〜92Cで受信し、固定基地局92A〜92Cで受信した無線電波の電波強度を利用して、位置測位装置94で移動体の位置を測定する方法である。
【0013】
もう1つは、図2に示すように、複数の固定基地局92A〜92Cから発信される無線電波を、移動体90で受信し、移動体90で受信した無線電波の電波強度を利用して、移動体10で移動体の位置を測定する方法である。
【0014】
しかし、これらの方法では、一方向の電波強度を利用して位置を測定している。そのため、ノイズ等のゆらぎ成分による誤差を減少させるために、複数回計測した電波強度のデータに対するフィルタ処理を実施したデータを用いて位置測定を行わないと、十分な精度の位置測定ができないという問題があった。
【0015】
そこで、本発明の各実施形態では、移動体及び固定基地局の双方で計測した電波強度を利用して移動体と各固定基地局との距離を測定し、移動体の位置を測定する場合について説明する。このように、移動体及び固定基地局の双方で電波強度を計測することで、単位時間当たりで位置測定に利用できる電波強度のデータ量を増やすことができれば、結果として、短時間で、かつ、精度よく移動体の位置を測定することが可能になる。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態の一例を詳細に説明する。
【0017】
図3に示すように、第1実施形態に係る測位システム100は、移動体10と、固定基地局12A〜12Cと、位置測位装置14とを有する。また、固定基地局12A〜12Cとしたが、固定基地局の数は図3の例に限定されない。また、本実施形態では固定基地局12A〜12Cとしたが、これに限定されるものではない。例えば、位置が固定された固定基地局ではなく、持ち運び可能な基地局であってもよいし、固定基地局と、持ち運び可能な基地局とを組み合わせてもよい。なお、測位システム100が測定システムの一例である。位置測位装置14が測定装置の一例である。また、以下、固定基地局12A〜12Cの各々を単にAP(アクセスポイント)と表記する場合もある。
【0018】
移動体10は、スマートフォン等の持ち運びが可能な端末であり、内臓のアンテナ(図示省略)により無線電波の発信、及び受信を行う。また、移動体10は、固定基地局12A〜12Cのそれぞれからの無線電波を受信し、固定基地局12A〜12Cのそれぞれについて計測した電波強度を、固定基地局12A〜12Cに送信する。
【0019】
計測される電波強度RSSI(r)は以下(1)式によって表される。
【0020】
RSSI(r)=A−10B×log10(r) ・・・(1)
【0021】
ここで、Aは、無線電波の送信元のアンテナから1m付近で観測した場合の電波強度、Bは電波強度の減衰を表す定数(一般的には2)、rはアンテナから観測地点までの距離である。
【0022】
固定基地局12A〜12Cは、無線通信が行われるエリアに設置された基地局であり、アンテナ(図示省略)により無線電波の発信、及び受信を行う。固定基地局12A〜12Cは、移動体10の無線電波を受信し、移動体10からの電波強度を計測する。また、固定基地局12A〜12Cは、移動体10で計測された自局の電波強度を、移動体10から受信する。また、固定基地局12A〜12Cは、移動体10について計測した電波強度、及び移動体10で計測された自局の電波強度、並びに自局の位置を位置測位装置14に送信する。なお、移動体10で計測されたAPの電波強度は、当該APから位置測位装置14に送信する場合に限定されるものではなく、他のAPやAP以外のインターネット等により位置測位装置14に送信するようにしてもよい。この場合には、移動体10から自局の電波強度を受信しなくてもよい。
【0023】
位置測位装置14は、固定基地局12A〜12Cから受信した電波強度、及び固定基地局12A〜12Cの位置を用いて、固定基地局12A〜12Cの各々と、移動体10との距離を測定し、移動体10の位置を求める。
【0024】
位置測位装置14は、図4に示すように、機能的には、通信部20と、フィルタ部22と、位置測定部24と、位置情報DB30とを含む。なお、位置測定部24が、測定部の一例である。
【0025】
通信部20は、固定基地局12A〜12Cから、固定基地局12A〜12Cで計測された移動体10の電波強度、及び移動体10で計測された固定基地局12A〜12Cの電波強度の少なくとも一つ、並びに固定基地局12A〜12Cの位置を受信する。
【0026】
フィルタ部22は、固定基地局12A〜12Cの各々によって計測された移動体10からの電波強度と、移動体10で計測された固定基地局12A〜12Cの各々からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行う。図5に具体的なフィルタ処理の一例を示す。フィルタ処理は、固定基地局12A〜12CであるAPの各々について、当該APによって計測された移動体10からの電波強度に対して行うと共に、移動体10で計測された当該APからの電波強度に対して行う。また、単位時間当たりに計測された電波強度に対してフィルタ処理を行う。図5に示すように、まず、計測された電波強度について、電波強度のうち予め定められた閾値以上の変化をカットする。次に、カット後の電波強度について移動平均を計算する。移動平均の計算は、前後4単位の電波強度の平均を計算するなど所定の単位で行えばよい。次に、移動平均の計算結果について、移動体10から当該APへの電波強度と、当該APから移動体10への電波強度とを合成するためのスケール変換を行う。スケール変換は、例えば、予め定めた値で電波強度を除する等により行う。ここまでのフィルタ処理を、移動体10からの電波強度、及び当該APからの電波強度のそれぞれについて行う。
【0027】
以上が、フィルタ部22のフィルタ処理の一例である。
【0028】
そして、図6に示すように、移動体10と固定基地局12A〜12CであるAPの各々のとの組み合わせの各々について、スケール変換後の移動体10からの電波強度と、スケール変換後の当該APからの電波強度とを合成する。ここでの合成は、同時点に電波強度同士を平均する処理とする。なお、合成を行わずに、後述する位置測定部24でそれぞれの電波強度の各々を用いて距離を測定し、平均の距離を算出するようにしてもよい。
【0029】
また、フィルタ部22は、上記フィルタ処理にあたって、3つ以上のAPから移動体10からの電波強度を受信したかを判定する。また、APの各々について、移動体10で計測された当該APからの電波強度を受信したかを判定する。当該APからの電波強度を受信していない場合には、上記のフィルタ処理を、移動体10からの電波強度についてのみ、閾値以上の変化のカット、移動平均、及びスケール変換のフィルタ処理を行う。なお、3つ以上のAPから電波強度を受信するものとしたが、計測環境によっては3つ必要ない場合もある。
【0030】
位置測定部24は、移動体10と固定基地局12A〜12CであるAPの各々との組み合わせの各々について、フィルタ部22で合成された電波強度に基づいて、固定基地局12A〜12Cの各々と、移動体10との距離を測定する。また、位置測定部24は、固定基地局12A〜12Cの各々に対する距離の測定結果と、固定基地局12A〜12Cの各々の位置とに基づいて移動体10の位置を測定する。
【0031】
以下に、位置測定部24の距離の測定の原理について説明する。
【0032】
移動体10とAPとの距離は、以下(2)式の距離と電波強度RSSI(r)との関係により求める。
【数1】

・・・(2)
【0033】
電波強度RSSI(r)はフィルタ処理したものを用いる。Nは測定回数、p及びqは実験の測定値から対数近似を用いて求める定数である。(2)式によりN回測定した結果を用いて距離と電波強度RSSI(r)を近似し、距離Dを測定する。
【0034】
次に、位置測定部24の位置の測定の原理について説明する。
【0035】
図7を参照して、3点測位により位置の測定を行う場合について説明する。図7において、各APは固定されており、位置が特定されているものとする。電波強度から測定された距離Dを用いて、各APからの距離Dを半径とした円の方程式を作り、円の交差する部分の中心を移動体の位置とする。なお3点以上の場合であっても位置測定の方法は同様である。なお、位置測定部24は、位置測定部24で測定された距離について、距離が短いほど精度がよいものとして重み付けする等のフィルタ処理をするようにしてもよい(非特許文献1参照)。
【0036】
[非特許文献1]古舘 達也,豊瀬 冬実,堀川 三好,菅原 光政,"受信電波強度を用いた位置測定手法の提案",2014
【0037】
以上のように、位置測定部24は移動体10の位置の測定を行い、測定した移動体10の位置を位置情報DB30に保存する。
【0038】
位置情報DB30には、図8に示すように、位置情報テーブル30Aに、移動体番号、位置、測定時刻が保存される。
【0039】
位置測位装置14は、例えば図9に示すコンピュータ40で実現することができる。コンピュータ40は、Central Processing Unit(CPU)41と、一時記憶領域としてのメモリ42と、不揮発性の記憶部43とを備える。また、コンピュータ40は、入出力装置44と、記憶媒体49に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するRead/Write(R/W)部45と、インターネット等のネットワークに接続される通信インターフェース(I/F)46とを備える。CPU41、メモリ42、記憶部43、入出力装置44、R/W部45、及び通信I/F46は、バス47を介して互いに接続される。
【0040】
記憶部43は、Hard Disk Drive(HDD)、Solid State Drive(SSD)、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部43には、コンピュータ40を位置測位装置14として機能させるための測位プログラム50が記憶される。測位プログラム50は、通信プロセス51と、フィルタプロセス52と、位置測定プロセス53とを有する。また、記憶部43は、位置情報DB30に保持される情報を記憶する情報記憶領域59を有する。なお、測位プログラム50が測定プログラムの一例である。
【0041】
CPU41は、測位プログラム50を記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、測位プログラム50が有するプロセスを順次実行する。CPU41は、通信プロセス51を実行することで、図4に示す通信部20として動作する。また、CPU41は、フィルタプロセス51を実行することで、図4に示すフィルタ部22として動作する。また、CPU41は、位置測定プロセス53を実行することで、図4に示す位置測定部24として動作する。これにより、測位プログラム50を実行したコンピュータ40が、位置測位装置14として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU41はハードウェアである。
【0042】
なお、測位プログラム50により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはApplication Specific Integrated Circuit(ASIC)等で実現することも可能である。
【0043】
次に、本実施形態に係る測位システム100の作用について説明する。
【0044】
まず、移動体10において実行される計測処理について図10を参照して説明する。
【0045】
ステップS100で、移動体10は、固定基地局12A〜12CのいずれかのAPからの無線電波を受信したかを判定する。受信していればステップS102へ移行し、受信していなければステップS106へ移行する。
【0046】
ステップS102で、移動体10は、無線電波を受信した各APについて、当該APの電波強度を計測する。
【0047】
ステップS104で、移動体10は、ステップS102で計測した各APの電波強度を、電波強度を計測したAPに対して送信する。
【0048】
ステップS106で、移動体10は、一定時間ウェイトし、ステップS100に戻って計測処理を繰り返す。なお、ウェイト時間は任意に定めた時間でよく、0であってもよい(以下、ウェイト時間について同様)。
【0049】
次に、固定基地局12A〜12Cの各APにおいて実行される計測処理について図11を参照して説明する。なお、以下では一つのAPについての動作について説明する。
【0050】
ステップS200で、APは、移動体10からの無線電波を受信したかを判定する。受信していればステップS202へ移行し、受信していなければステップS210へ移行する。
【0051】
ステップS202で、APは、無線電波を受信した移動体10の電波強度を計測する。
【0052】
ステップS204では、APは、移動体10で計測された当該APの電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS206へ移行し、受信していなければステップS208へ移行する。
【0053】
ステップS206で、APは、ステップS202で計測した移動体10の電波強度と、移動体10で計測された当該APの電波強度とを位置測位装置14に送信する。
【0054】
ステップS208で、APは、ステップS202で計測した移動体10の電波強度を位置測位装置14に送信する。
【0055】
ステップS210で、APは、一定時間ウェイトし、ステップS200に戻って計測処理を繰り返す。
【0056】
次に、位置測位装置14の各部において実行される位置測定処理について図12を参照して説明する。
【0057】
ステップS300で、フィルタ部22は、通信部20により、3箇所以上のAPから、APで計測された移動体10からの電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS302へ移行し、受信していなければステップS322へ移行する。
【0058】
ステップS302で、フィルタ部22は、電波強度を受信したAPのうち、処理対象とするAPを選択する。
【0059】
ステップS304で、フィルタ部22は、移動体10で計測された当該APからの電波強度を受信したかを判定し、受信していればステップS306へ移行し、受信していなければステップS314へ移行する。
【0060】
ステップS306で、フィルタ部22は、当該APで計測された移動体10からの電波強度をフィルタ処理する。具体的には、閾値以上の変化をカット、移動平均、及びスケール変換を行う。
【0061】
ステップS308で、フィルタ部22は、移動体10で計測された当該APからの電波強度をフィルタ処理する。具体的には、閾値以上の変化をカット、移動平均、及びスケール変換を行う。
【0062】
ステップS310で、フィルタ部22は、ステップS306及びS308のフィルタ処理で得られた、移動体10からの電波強度、及び当該APからの電波強度を合成する。
【0063】
ステップS312で、位置測定部24は、ステップS306〜S310で合成された電波強度に基づいて、当該APと、移動体10との距離を測定する。距離は、例えば上記(2)式に従って測定する。
【0064】
ステップS314で、フィルタ部22は、当該APで計測された移動体10からの電波強度をフィルタ処理する。具体的には、閾値以上の変化をカット、移動平均、及びスケール変換を行う。
【0065】
ステップS316で、位置測定部24は、ステップS314でフィルタ処理された電波強度に基づいて、当該APと、移動体10との距離を測定する。
【0066】
ステップS318で、位置測定部24は、全てのAPについて距離の測定が完了したかを判定し、完了していればステップS320へ移行し、完了していなければステップS302に戻って未測定のAPを選択し、処理を繰り返す。
【0067】
ステップS320で、位置測定部24は、APの各々に対する距離の測定結果と、各APの位置とに基づいて、移動体10の位置を測定する。測定した位置は位置情報DB30に保存する。
【0068】
ステップS322で、位置測定部24は、一定時間ウェイトし、ステップS300に戻って位置測位処理を繰り返す。
【0069】
以上説明したように、第1実施形態に係る測位システムによれば、基地局の各々によって計測された移動体からの電波強度と、移動体で計測された基地局の各々からの電波強度とに基づいて、電波強度をフィルタ処理する。フィルタ処理された電波強度に基づいて、基地局の各々と、移動体との距離を測定する。距離の測定結果と、基地局の位置とに基づいて、移動体の位置を測定する。このため、精度よく、かつ、効率的に、移動体の位置を測定することができる。
【0070】
次に、本発明の第2実施形態の一例を詳細に説明する。なお、第1実施形態と同様となる箇所については同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
第2実施形態では、既に位置が測定された移動体の電波強度も用いる点が第1実施形態と異なっている。このように、より多くの電波強度のデータを用いることで、位置測定の精度、及び効率が高まる。
【0072】
図13に示すように、第2実施形態に係る測位システム200は、移動体10Aと、移動体10Bと、固定基地局12A〜12Cと、位置測位装置214とを有する。
【0073】
移動体10A及び10Bは、スマートフォン等の持ち運びが可能な端末であり、内臓のアンテナ(図示省略)により無線電波の発信、及び受信を行う。ここで、移動体10Aについては、既に上記第1の実施の形態の手法により位置が測定されているものとする。なお、移動体10Aが、本発明における他の移動体の一例である。
【0074】
移動体10Bは、移動体10Aからの無線電波を受信し、移動体10Aの電波強度を計測し、移動体10Aに送信する。
【0075】
移動体10Aは、移動体10Bからの無線電波を受信し、移動体10Aの電波強度を計測する。また、移動体10Aは、移動体10Bから、移動体10Bで計測された移動体10A自体の電波強度を受信する。移動体10Aは、計測した移動体10Bからの電波強度、及び移動体10Bで計測された移動体10A自体の電波強度の各々を含む移動体間の電波強度を、固定基地局12A〜12Cのうち最も近い固定基地局(図13の例では、固定基地局12B)に対して送信する。
【0076】
固定基地局12A〜12Cは、上記第1実施形態で送信したAP及び移動体間の電波強度に加え、移動体間で計測された電波強度を受信した場合には、移動体間で計測された電波強度についても位置測位装置214に送信する。
【0077】
位置測位装置214は、上記図4に示すように、機能的には、通信部20と、フィルタ部222と、位置測定部224と、位置情報DB30とを含む。なお、位置情報DB30には、既に測定された移動体10Aの位置が記憶されているものとする。ただし、位置情報DB30に記憶されている移動体10Aの位置を用いるのではなく、移動体10Aの位置を、移動体10Aから都度、送信するようにしてもよい。
【0078】
フィルタ部222は、上記第1の実施の形態でフィルタ処理したAP及び移動体間の電波強度に加えて、移動体間で計測された電波強度を受信した場合には、移動体間で計測された電波強度もフィルタ処理を行う。フィルタ処理は、閾値以上の変化のカット、移動平均、スケール変換を行い、スケール変換した電波強度の各々を合成すればよい。
【0079】
位置測定部224は、フィルタ部222でフィルタ処理されたAP及び移動体間の電波強度に基づいて、固定基地局12A〜12Cの各々と、移動体10Bとの距離を測定する。また、位置測定部224は、フィルタ部222でフィルタ処理された移動体間の電波強度に基づいて、移動体10Aと、移動体10Bとの距離を測定する。
【0080】
また、位置測定部224は、APの各々に対する距離の測定結果と、APの各々の位置と、移動体間の距離の測定結果と、位置情報DB30に記憶されている移動体10Aの位置に基づいて移動体10Bの位置を測定する。
【0081】
位置測位装置214は、例えば上記図9に示すコンピュータ40で実現することができる。コンピュータ40は、CPU41と、一時記憶領域としてのメモリ42と、不揮発性の記憶部43とを備える。また、コンピュータ40は、入出力装置44と、記憶媒体49に対するデータの読み込み及び書き込みを制御するR/W部45と、インターネット等のネットワークに接続される通信I/F46とを備える。CPU41、メモリ42、記憶部43、入出力装置44、R/W部45、及び通信I/F46は、バス47を介して互いに接続される。
【0082】
記憶部43は、HDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現できる。記憶媒体としての記憶部43には、コンピュータ40を位置測位装置214として機能させるための測位プログラム250が記憶される。測位プログラム250は、通信プロセス51と、フィルタプロセス252と、位置測定プロセス253とを有する。また、記憶部43は、位置情報DB30に保持される情報記憶領域59を有する。なお、測位プログラム250が測定プログラムの一例である。
【0083】
CPU41は、測位プログラム250を記憶部43から読み出してメモリ42に展開し、測位プログラム250が有するプロセスを順次実行する。CPU41は、通信プロセス51を実行することで、図4に示す通信部20として動作する。また、CPU41は、フィルタプロセス251を実行することで、図4に示すフィルタ部222として動作する。また、CPU41は、位置測定プロセス253を実行することで、図4に示す位置測定部224として動作する。これにより、測位プログラム250を実行したコンピュータ40が、位置測位装置214として機能することになる。なお、プログラムを実行するCPU41はハードウェアである。
【0084】
なお、測位プログラム250により実現される機能は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC等で実現することも可能である。
【0085】
次に、本実施形態に係る測位システム200の作用について説明する。
【0086】
まず、移動体10A及び10Bの各々において実行される計測処理について図14を参照して説明する。以下は位置が測定済みの移動体10Aの場合について説明する。ステップS100〜S106については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。ステッS104を処理した後、以下のステップS1100を処理する。
【0087】
ステップS1100で、移動体10Aは、移動体10Bの無線電波、及び移動体10Bで計測された移動体10Aの電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS1102へ移行し、受信していなければステップS106へ移行する。
【0088】
ステップS1102で、移動体10Aは、移動体10Bの電波強度を計測する。
【0089】
ステップS1104で、移動体10Aは、ステップS1102で計測した移動体10Bの電波強度と、移動体10Bで計測された移動体10Aの電波強度とを、最も近いAPに対して送信する。
【0090】
次に、固定基地局12A〜12Cの各APにおいて実行される計測処理について図15を参照して説明する。なお、以下では一つのAPについての動作について説明する。ステップS200〜S210については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。ステップS206(又はS208)を処理した後、以下のステップS2200を処理する。
【0091】
ステップS2200で、APは、移動体10で計測された移動体間の電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS2202へ移行し、受信していなければステップS210へ移行する。
【0092】
ステップS2202で、APは、移動体10(ここでは、移動体10A)で計測された移動体間の電波強度を位置測位装置214に送信する。
【0093】
次に、位置測位装置214の各部において実行される位置測定処理について図16を参照して説明する。ステップS300〜S322については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0094】
ステップS3300で、フィルタ部222は、通信部20により、3箇所以上のAP、及び移動体で計測された電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS302へ移行し、受信していなければステップS322へ移行する。そして、ステップS302〜S318を処理した後、ステップS3302を処理する。このように3箇所以上のAP、及び移動体で判定すれば、例えば、固定基地局12Cで電波強度を計測できなかった場合であっても、固定基地局12Bを経由して位置が既知の移動体から送信された移動体間の電波強度を受信できれば、位置の測定が可能となる。
【0095】
ステップS318を処理した後、以下のステップS3302を処理する。
【0096】
ステップS3302で、フィルタ部222は、移動体間で計測された電波強度を受信したかを判定する。受信していればステップS3304へ移行し、受信していなければステップS3310へ移行する。
【0097】
ステップS3304で、フィルタ部222は、移動体間で計測された電波強度をフィルタ処理する。具体的には、フィルタ処理は、移動体10Aで計測された移動体10Bからの電波強度、及び移動体10Bで計測された移動体10Aからの電波強度の各々について、閾値以上の変化のカット、移動平均、スケール変換を行う。
【0098】
ステップS3306で、フィルタ部222は、ステップS3304でフィルタ処理された電波強度の各々を合成する。
【0099】
ステップS3308で、位置測定部224は、ステップ3306で合成された移動体間の電波強度に基づいて、移動体10Aと、移動体10Bとの距離を測定する。
【0100】
ステップS3310で、APの各々に対する距離の測定結果と、APの各々の位置と、移動体間の距離の測定結果と、位置情報DB30に記憶されている移動体10Aの位置に基づいて移動体の位置を測定する。
【0101】
以上説明したように、第2実施形態に係る測位システムによれば、基地局の各々によって計測された移動体からの電波強度と、移動体で計測された基地局の各々からの電波強度とに基づいて、電波強度をフィルタ処理する。フィルタ処理された電波強度に基づいて、基地局の各々と、移動体との距離を測定する。基地局又は移動体の距離の測定結果と、基地局又は移動体の位置とに基づいて、移動体の位置を測定する。このため、精度よく、かつ、効率的に、移動体の位置を測定することができる。
【0102】
次に上述した各実施形態の変形例を説明する。
【0103】
上述した各実施形態では、測位システムにおいて、位置測位装置を独立して設ける場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図17に示すように、移動体10に位置測位装置14を搭載するようにしてもよい。この場合には、固定基地局12A〜12Cの各々が、移動体10から受信した無線電波の電波強度を移動体10に送信する。そして、移動体10が、固定基地局12A〜12Cから受信した移動体10から固定基地局12A〜12Cの各々への電波強度と、移動体10で計測した固定基地局12A〜12Cの各々から移動体10への電波強度とを、搭載した位置測位装置14に入力する。搭載された位置測定装置12は、上記各実施形態と同様に位置測位を行う。
【0104】
また、上述した各実施形態では、測位システムにおいて、位置の測定を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、位置の測定を行うのではなく、測定した距離を用いて移動体の性能判定等を行うようにしてもよい。
【0105】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0106】
(付記1)
基地局によって計測された移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、
フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する、
測定プログラム。
【0107】
(付記2)
フィルタ処理された前記電波強度の各々を合成し、前記合成した電波強度に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する付記1に記載の測定プログラム。
【0108】
(付記3)
前記基地局は複数あるものとし、
複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する付記1又は付記2に記載の測定プログラム。
【0109】
(付記4)
前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定する付記1〜付記3の何れかに記載の測定プログラム。
【0110】
(付記5)
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は三つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める付記4に記載の測定プログラム。
【0111】
(付記6)
基地局からの電波強度を計測し、前記基地局に無線電波を発信する移動体と、
前記移動体からの電波強度を計測し、計測された前記移動体からの電波強度を測定装置に送信する基地局と、
前記基地局で計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行うフィルタ部、及び
フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する測定部を備える測定装置と、
を含む測定システム。
【0112】
(付記7)
前記測定部は、フィルタ処理された前記電波強度の各々を合成し、前記合成した電波強度に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する付記6に記載の測定システム。
【0113】
(付記8)
前記基地局は複数あるものとし、
前記測定部は、複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する付記6又は付記7に記載の測定システム。
【0114】
(付記9)
前記測定部は、前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定し、
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は三つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める付記6〜付記8の何れかに記載の測定システム。
【0115】
(付記10)
前記測定装置を、前記移動体に搭載した付記6〜付記9の何れかに記載の測定システム。
【0116】
(付記11)
基地局によって計測された移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行うフィルタ部と、
フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する測定部と、
を備える測定装置。
【0117】
(付記12)
前記フィルタ部は、フィルタ処理された前記電波強度の各々を合成し、前記合成した電波強度に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する付記11に記載の測定装置。
【0118】
(付記13)
前記基地局は複数あるものとし、
前記測定部は、複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する付記11又は付記12に記載の測定装置。
【0119】
(付記14)
前記測定部は、前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定する付記11〜付記13に記載の測定装置。
【0120】
(付記15)
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は三つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める付記4に記載の測定装置。
【0121】
(付記16)
基地局によって計測された移動体からの電波強度と、前記移動体で計測された前記基地局からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、
フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する、
測定方法。
【0122】
(付記17)
フィルタ処理された前記電波強度の各々を合成し、前記合成した電波強度に基づいて、前記基地局と、前記移動体との距離を測定する付記16に記載の測定方法。
【0123】
(付記18)
前記基地局は複数あるものとし、
複数の基地局の各々に対する距離の測定結果と、前記基地局の各々の位置とに基づいて前記移動体の位置を測定する付記16又は付記17に記載の測定方法。
【0124】
(付記19)
前記移動体とは異なる他の移動体により計測された前記移動体からの電波強度と、前記移動体により計測された前記他の移動体からの電波強度との各々に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理された前記電波強度の各々に基づいて、前記移動体と前記他の移動体との距離を測定する付記16〜付記18の何れかに記載の測定方法。
【0125】
(付記20)
前記他の移動体に対する距離の測定結果、及び前記基地局に対する距離の測定結果についての通常は三つ以上の測定結果と、前記他の移動体について測定された位置と、前記基地局の位置とに基づいて前記移動体の位置を求める付記19に記載の測定方法。
【符号の説明】
【0126】
10、10A、10B、90 移動体
12A〜12C、92A〜92C 固定基地局
14、94、214 位置測位装置
20 通信部
22、222 フィルタ部
24、224 位置測定部
30 位置情報DB
40 コンピュータ
41 CPU
42 メモリ
43 記憶部
49 記憶媒体
50、250 測位プログラム
100、200 測位システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17