(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示装置は、前記アタッチメントの操作中は、前記アタッチメントによる作業に関する数値情報を前記作業ガイダンス表示部に表示し、前記アタッチメントの非操作中は、前記数値情報を非表示にする、ことを特徴とする請求項2に記載のショベル。
周囲を撮像する撮像装置を有し、前記表示装置は、前記撮像装置による撮影画像を表示する撮影画像表示部を含む画像を表示する、ことを特徴とする請求項1に記載のショベル。
前記表示装置は、前記アタッチメントの操作状態にかかわらず、ショベルのエンジン回転数モードを示す画像、走行モードを示す画像、装着されているアタッチメントを示す画像、エンジンの制御状態を示す画像の内、少なくとも1つの画像を画像表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載のショベル。
前記表示装置は、前記アタッチメントの操作状態にかかわらず、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態と燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態のうちの少なくとも1つを画像表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載のショベル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0012】
図1は、実施形態におけるショベルを例示する側面図である。
【0013】
ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメント(作業部位)としてバケット6が取り付けられている。エンドアタッチメントとしては、法面用バケット、浚渫用バケット、ブレーカ等が取り付けられてもよい。
【0014】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例として掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。ブーム4にはブーム角度センサS1が取り付けられ、アーム5にはアーム角度センサS2が取り付けられ、バケット6にはバケット角度センサS3が取り付けられている。掘削アタッチメントには、バケットチルト機構が設けられてもよい。ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3を「姿勢センサ」と称することもある。
【0015】
ブーム角度センサS1は、ブーム4の回動角度を検出する。ブーム角度センサS1は、例えば、水平面に対する傾斜を検出して、上部旋回体3に対するブーム4の回動角度を検出する加速度センサである。
【0016】
アーム角度センサS2は、アーム5の回動角度を検出する。アーム角度センサS2は、例えば、水平面に対する傾斜を検出して、ブーム4に対するアーム5の回動角度を検出する加速度センサである。
【0017】
バケット角度センサS3は、バケット6の回動角度を検出する。バケット角度センサS3は、例えば、水平面に対する傾斜を検出して、アーム5に対するバケット6の回動角度を検出する加速度センサである。
【0018】
掘削アタッチメントがバケットチルト機構を備える場合、バケット角度センサS3は、チルト軸回りのバケット6の回動角度を追加的に検出する。ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、及びバケット角度センサS3は、可変抵抗器を利用したポテンショメータ、対応する油圧シリンダのストローク量を検出するストロークセンサ、連結ピン回りの回動角度を検出するロータリエンコーダ等であってもよい。
【0019】
上部旋回体3は、エンジン11等の動力源、車体傾斜センサS4が搭載され、カバー3aにより覆われている。車体傾斜センサS4は、上部旋回体3の傾斜角度を検出する。車体傾斜センサS4は、例えば、水平面に対する傾斜を検出して、上部旋回体3の傾斜角度を検出する加速度センサである。
【0020】
上部旋回体3のカバー3a上部には、撮像装置80が設けられている。撮像装置80は、上部旋回体3からキャビン10に向かって、左側を撮像する左側カメラ80L、右側を撮像する右側カメラ80R、後方を撮像する後方カメラ80Bを有する。左側カメラ80L、右側カメラ80R、及び後方カメラ80Bは、例えば、CCDやCMOS等の撮像素子を有するデジタルカメラであり、それぞれ撮影した画像をキャビン10内に設けられている表示装置40に送る。
【0021】
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられている。キャビン10の頂部には、GPS装置(GNSS受信機)G1が設けられている。GPS装置G1は、ショベルの位置をGPS機能により検出し、位置データをコントローラ30内のマシンガイダンス装置50に供給する。また、キャビン10内には、コントローラ30、表示装置40、音声出力装置43、入力装置45、及び記憶装置47が設けられている。
【0022】
コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う主制御部として機能する。コントローラ30は、CPU及び内部メモリを含む演算処理装置で構成されている。コントローラ30の各種機能は、CPUが内部メモリに格納されているプログラムを実行することで実現される。
【0023】
コントローラ30は、ショベルの操作をガイドするマシンガイダンス装置50としても機能する。マシンガイダンス装置50は、例えば、操作者が設定した目標地形の表面である目標面とアタッチメントの作業部位との距離等といった作業情報を操作者に報知する。目標面とアタッチメントの作業部位との距離は、例えば、エンドアタッチメントとしてのバケット6の先端(爪先)、バケット6の背面、エンドアタッチメントとしてのブレーカの先端等と目標面との間の距離である。マシンガイダンス装置50は、表示装置40や音声出力装置43等を介して、作業情報を操作者に報知し、ショベルの操作をガイドする。
【0024】
本実施形態では、マシンガイダンス装置50がコントローラ30に組み込まれているが、マシンガイダンス装置50とコントローラ30とは別に設けられてもよい。この場合、マシンガイダンス装置50は、コントローラ30と同様、CPU及び内部メモリを含む演算処理装置で構成される。マシンガイダンス装置50の各種機能は、CPUが内部メモリに格納されたプログラムを実行することで実現される。
【0025】
表示装置40は、コントローラ30に含まれるマシンガイダンス装置50からの指令に応じて各種作業情報を含む画像を表示する。表示装置40は、例えば、マシンガイダンス装置50に接続される車載液晶ディスプレイである。
【0026】
音声出力装置43は、コントローラ30に含まれるマシンガイダンス装置50からの音声出力指令に応じて各種音声情報を出力する。音声出力装置43は、例えば、マシンガイダンス装置50に接続される車載スピーカを含む。また、音声出力装置43は、ブザー等の警報器を含んでもよい。
【0027】
入力装置45は、ショベルの操作者がマシンガイダンス装置50を含むコントローラ30に各種情報を入力するための装置である。入力装置45は、例えば、表示装置40の表面に設けられるメンブレンスイッチを含んで構成される。また、入力装置45は、タッチパネル等を含んで構成されてもよい。
【0028】
記憶装置47は、各種情報を記憶するための装置である。記憶装置47は、例えば、半導体メモリ等の不揮発性記憶媒体である。記憶装置47は、マシンガイダンス装置50を含むコントローラ30等が出力する各種情報を記憶する。
【0029】
ゲートロックレバー49は、キャビン10のドアと運転席との間に設けられ、ショベルが誤って操作されるのを防止する機構である。操作者が運転席に乗り込んでゲートロックレバー49を引き上げると、操作者はキャビン10から退出できなくなると共に各種操作装置が操作可能になる。操作者がゲートロックレバー49を押し下げると、操作者はキャビン10から退出可能になると共に、各種操作装置は操作不能になる。
【0030】
図2は、実施形態におけるショベルのコントローラ30を含む接続構成を例示する図である。
【0031】
表示装置40は、キャビン10に設けられ、マシンガイダンス装置50から供給される作業情報等を含む画像を表示する。表示装置40は、例えば、Controller Area Network (CAN)、Local Interconnect Network(LIN)等の通信ネットワーク、専用線等を介してマシンガイダンス装置50を含むコントローラ30に接続されている。
【0032】
表示装置40は、画像表示部41に表示する画像を生成する変換処理部40aを有する。変換処理部40aは、撮像装置80から得られる画像データに基づいて画像表示部41上に表示する撮影画像を含む画像を生成する。表示装置40には、左側カメラ80L、右側カメラ80R、及び後方カメラ80Bのそれぞれから画像データが入力される。
【0033】
また、変換処理部40aは、コントローラ30から表示装置40に入力される各種データのうち画像表示部41に表示させるデータを画像信号に変換する。コントローラ30から表示装置40に入力されるデータは、例えば、エンジン冷却水の温度を示すデータ、作動油の温度を示すデータ、尿素水の残量を示すデータ、燃料の残量を示すデータ等を含む。
【0034】
変換処理部40aは、変換した画像信号を画像表示部41に出力し、撮影画像や各種データに基づいて生成した画像を画像表示部41に表示させる。
【0035】
なお、変換処理部40aは、表示装置40ではなく、例えば、コントローラ30に設けられてもよい。この場合、撮像装置80は、コントローラ30に接続される。
【0036】
表示装置40は、入力部としてのスイッチパネル42を有する。スイッチパネル42は、各種ハードウェアスイッチを含むパネルである。スイッチパネル42は、ライトスイッチ42a、ワイパースイッチ42b、及びウィンドウォッシャスイッチ42cを有する。
【0037】
ライトスイッチ42aは、キャビン10の外部に取り付けられるライトの点灯・消灯を切り替えるためのスイッチである。ワイパースイッチ42bは、ワイパーの作動・停止を切り替えるためのスイッチである。また、ウィンドウォッシャスイッチ42cは、ウィンドウォッシャ液を噴射するためのスイッチである。
【0038】
表示装置40は、蓄電池70から電力の供給を受けて動作する。蓄電池70は、エンジン11のオルタネータ11a(発電機)で発電した電力で充電される。蓄電池70の電力は、コントローラ30及び表示装置40以外のショベルの電装品72等にも供給される。また、エンジン11のスタータ11bは、蓄電池70からの電力で駆動されてエンジン11を始動させる。
【0039】
エンジン11は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15に接続され、エンジン制御装置(ECU)74により制御される。ECU74からは、エンジン11の状態を示す各種データ(例えば、水温センサ11cで検出される冷却水温(物理量)を示すデータ等)がコントローラ30に常時送信される。コントローラ30は内部の一
時記憶部(メモリ)30aにこのデータを蓄積し、適宜表示装置40に送信できる。
【0040】
メインポンプ14は、高圧油圧ラインを介して作動油をコントロールバルブ17に供給するための油圧ポンプである。メインポンプ14は、例えば、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
【0041】
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して各種油圧制御機器に作動油を供給するための油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、例えば、固定容量型油圧ポンプである。
【0042】
コントロールバルブ17は、ショベルにおける油圧システムを制御する油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ、及び旋回用油圧モータ等に、メインポンプ14が吐出する作動油を選択的に供給する。なお、以下では、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ、及び旋回用油圧モータを、「油圧アクチュエータ」という場合がある。
【0043】
操作レバー26A〜26Cは、キャビン10内に設けられ、操作者によって油圧アクチュエータの操作に用いられる。操作レバー26A〜26Cが操作されると、パイロットポンプから油圧アクチュエータのそれぞれに対応する流量制御弁のパイロットポートに作動油が供給される。各パイロットポートには、対応する操作レバー26A〜26Cの操作方向及び操作量に応じた圧力の作動油が供給される。
【0044】
本実施形態では、操作レバー26Aは、ブーム操作レバーである。操作者が操作レバー26Aを操作すると、ブームシリンダ7を油圧駆動させて、ブーム4を操作できる。操作レバー26Bは、アーム操作レバーである。操作者が操作レバー26Bを操作すると、アームシリンダ8を油圧駆動させて、アーム5を操作できる。操作レバー26Cは、バケット操作レバーである。操作者が操作レバー26Cを操作すると、バケットシリンダ9を油圧駆動させて、バケット6を操作できる。なお、ショベルには、操作レバー26A〜26Cの他に、走行用油圧モータや旋回用油圧モータ等を駆動させる操作レバー、操作ペダル等が設けられてもよい。
【0045】
コントローラ30は、例えば以下で説明する各種データを取得する。コントローラ30が取得したデータは、一時記憶部30aに格納される。
【0046】
可変容量式油圧ポンプであるメインポンプ14のレギュレータ14aは、斜板角度を示すデータをコントローラ30に送る。また、吐出圧力センサ14bは、メインポンプ14の吐出圧力を示すデータをコントローラ30に送る。これらのデータ(物理量を表すデータ)は一時記憶部30aに格納される。また、メインポンプ14が吸入する作動油が貯蔵されたタンクとメインポンプ14との間の管路に設けられている油温センサ14cは、管路を流れる作動油の温度を表すデータをコントローラ30に送る。
【0047】
圧力センサ15a,15bは、操作レバー26A〜26Cが操作された際にコントロールバルブ17に送られるパイロット圧を検出し、検出したパイロット圧を示すデータをコントローラ30に送る。操作レバー26A〜26Cには、スイッチボタン27が設けられている。操作者は、操作レバー26A〜26Cを操作しながらスイッチボタン27を操作することで、コントローラ30に指令信号を送ることができる。
【0048】
ショベルのキャビン10内には、エンジン回転数調整ダイヤル75が設けられている。エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジンの回転数を調整するためのダイヤルであり、例えば、エンジン回転数を段階的に切り替えることができる。本実施形態では、エンジン回転数調整ダイヤル75は、SPモード、Hモード、Aモード、及びアイドリングモードの4段階にエンジン回転数を切り替えることができるように設けられている。エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン回転数の設定状態を示すデータをコントローラ30に送る。なお、
図2には、エンジン回転数調整ダイヤル75によりHモードが選択された状態が示されている。
【0049】
SPモードは、作業量を優先したい場合に選択される回転数モードであり、最も高いエンジン回転数を利用する。Hモードは、作業量と燃費を両立させたい場合に選択される回転数モードであり、二番目に高いエンジン回転数を利用する。Aモードは、燃費を優先させながら低騒音でショベルを稼働させたい場合に選択される回転数モードであり、三番目に高いエンジン回転数を利用する。アイドリングモードは、エンジンをアイドリング状態にしたい場合に選択される回転数モードであり、最も低いエンジン回転数を利用する。エンジン11は、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードのエンジン回転数で一定回転数に制御される。
【0050】
次に、ショベルのコントローラ30及びマシンガイダンス装置50に設けられている各種機能について説明する。
図3は、実施形態におけるコントローラ30及びマシンガイダンス装置50の構成を例示する図である。
【0051】
コントローラ30は、エンジンコントローラ74を含むショベル全体の動作を制御する。コントローラ30は、ゲートロックレバー49が押し下げられている状態では、ゲートロック弁49aを閉状態とし、ゲートロックレバー49が引き上げられている状態では、ゲートロック弁49aを開状態とするように制御する。ゲートロック弁49aは、コントロールバルブ17と操作レバー26A〜26C等との間の油路に設けられている切替弁である。ここでは、ゲートロック弁49aは、コントローラ30からの指令によって開閉する構成になっているが、ゲートロックレバー49と機械的に接続され、ゲートロックレバー49の動作に応じて開閉する構成であってもよい。
【0052】
ゲートロック弁49aは、閉状態において、コントロールバルブ17と操作レバー26A〜26C等との間の作動油の流れを遮断して操作レバー26A〜26C等の操作を無効にする。また、ゲートロック弁49aは、開状態において、コントロールバルブ17と操作レバー等との間で作動油を連通させて操作レバー26A〜26C等の操作を有効にする。
【0053】
コントローラ30は、ゲートロック弁49aが開状態となり、操作レバー26A〜26Cの操作が有効になった状態で、圧力センサ15a,15bによって検出されるパイロット圧から、各レバーの操作量を検出する。
【0054】
コントローラ30は、ショベル全体の動作の制御に加えて、マシンガイダンス装置50によるガイダンスを行うか否かを制御する。具体的には、コントローラ30は、ショベルが休止中であると判定したときは、マシンガイダンス装置50によるガイダンスを中止するように、マシンガイダンス装置50にガイダンス中止指令を送る。
【0055】
また、コントローラ30は、オートアイドルストップ指令をエンジンコントローラ74に対して出力する際に、ガイダンス中止指令をマシンガイダンス装置50に出力してもよい。あるいは、コントローラ30は、ゲートロックレバー49が押し下げられた状態にあると判定した場合に、ガイダンス中止指令をマシンガイダンス装置50に出力してもよい。
【0056】
次に、マシンガイダンス装置50について説明する。マシンガイダンス装置50は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2、バケット角度センサS3、車体傾斜センサS4、GPS装置G1、入力装置45等から、コントローラ30に供給される各種信号及びデータを受信する。
【0057】
マシンガイダンス装置50は、受信した信号及びデータに基づいてバケット6等のアタッチメントの実際の動作位置を算出する。そして、マシンガイダンス装置50は、アタッチメントの実際の動作位置と目標面とを比較し、例えばバケット6と目標面との間の距離等を算出する。マシンガイダンス装置50は、ショベルの旋回中心軸からバケット6の爪先までの距離や、目標面の傾斜角度等も算出し、これらを作業情報として表示装置40に送信する。
【0058】
なお、マシンガイダンス装置50とコントローラ30とが別に設けられている場合には、マシンガイダンス装置50とコントローラ30とは、CAN(Controller Area Network)を通じて互いに通信可能に接続される。
【0059】
マシンガイダンス装置50は、高さ算出部503、比較部504、表示制御部505、及びガイダンスデータ出力部506を有する。
【0060】
高さ算出部503は、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2及びバケット角度センサS3の検出信号から求められるブーム4、アーム5及びバケット6の角度から、バケット6の先端(爪先)の高さを算出する。
【0061】
比較部504は、高さ算出部503が算出したバケット6の先端(爪先)の高さと、ガイダンスデータ出力部506から出力されるガイダンスデータにおいて示される目標面の位置とを比較する。また、比較部504は、ショベルに対する目標面の傾斜角度を求める。高さ算出部503や比較部504において求められた各種データは、記憶装置47に記憶される。
【0062】
表示制御部505は、比較部504によって求められたバケット6の高さや目標面の傾斜角度等を、作業情報として表示装置40に送信する。表示装置40は、撮像装置80から送られる撮影画像と共に、表示制御部505から送られる作業情報を画面に表示する。表示装置40の表示画面構成については後述する。また、表示制御部505は、バケット6が目標面よりも低い位置になった場合等には、音声出力装置43を介して操作者に警報を発することができる。
【0063】
図4は、実施形態におけるショベルがバケット6により法面(傾斜面)を掘削する作業を行っている様子を例示する図である。また、
図5は、実施形態におけるショベルのキャビン10内の運転席から前方を見た様子を例示する図である。
【0064】
図5に示すように、キャビン10の前面の窓からは、バケット6を見ることができる。キャビン10には、中央に運転席10aが設けられ、その両脇に操作レバー26A,26Bが配置されている。操作者は、運転席10aに座って、左手で操作レバー26Aを操作し、右手で操作レバー26Bを操作することで、バケット6を所望の位置に移動させて掘削作業を行う。
【0065】
運転席10aの右前方(前面の窓の右下)には、表示装置40の画像表示部41及びスイッチパネル42が配置されている。ショベルの操作者は、視界に入る画像表示部41から作業情報を読み取りつつ、窓の外のバケット6を見ながら両手で操作レバー26A,26B等を操作することになる。
【0066】
ここで、操作者は、操作中は窓の外のバケット6を注視することになるため、視界に入っている画像表示部41に表示されている情報を細部まで読み取るのは困難である。そこで、本実施形態では、アタッチメントの操作中と非操作中とで、表示装置40の画像表示部41に表示される内容が変更される。
【0067】
ショベルにおける操作中又は非操作中の判定は、コントローラ30が圧力センサ15a,15bの検出結果に基づいて行う。例えば、コントローラ30は、操作レバー26A〜26Cの何れかが操作され、圧力センサ15a,15bによって検出されるパイロット圧が所定値以上となった場合にアタッチメントが操作中であると判定する。また、コントローラ30は、圧力センサ15a,15bによって検出されるパイロット圧が所定値未満の場合にはアタッチメントが非操作中であると判定する。
【0068】
このように、コントローラ30は、センサ15a,15bによって検出されるパイロット圧からアタッチメントの操作状態を判定し、アタッチメントが操作されていない状態を「非操作中」と判定する。また、コントローラ30は、アタッチメントが操作されている状態を「操作中」と判定する。コントローラ30は、アタッチメントが非操作中であるか、操作中であるかを示す操作信号を表示装置40に送信する。
【0069】
なお、コントローラ30による非操作中と操作中との判定基準は、上記とは異なってもよい。コントローラ30は、例えば、ブーム角度センサS1、アーム角度センサS2及びバケット角度センサS3からの出力信号の変化に基づいて、アタッチメントの操作状態を判定してもよい。また、例えば、アーム5及びバケット6の何れかが操作されている状態を操作中とし、ブーム4が操作されている状態であっても、アーム5及びバケット6が操作されていなければ非操作中と判定してもよい。また、ゲートロックレバーの状態に応じて、操作中であるか非操作中であるかを判定してもよい。
【0070】
表示装置40の変換処理部40aは、コントローラ30から送信される非操作中又は操作中であることを示す操作信号に応じて、画像表示部41に表示する内容を変更する。具体的には、アクチュエータの非操作中には、マシンガイダンス装置50から送信される作業情報を詳細に表示し、アクチュエータの操作中には作業情報等の表示内容を簡略化する。
【0071】
このように、本実施形態では、ショベルの操作中と非操作中とで、表示装置40の画像表示部41の表示内容を変更し、操作中における画像表示部41の表示内容を簡略化することで、操作者が操作しながらでも必要な情報を読み取れるようになっている。
【0072】
次に、表示装置40に表示される画面構成について説明する。
【0073】
図6は、実施形態における表示装置40の画像表示部41に表示される非操作中画面41V1を例示する図である。
【0074】
図6に示すように、非操作中画面41V1は、時刻表示部411、回転数モード表示部412、走行モード表示部413、アタッチメント表示部414、エンジン制御状態表示部415、尿素水残量表示部416、燃料残量表示部417、冷却水温表示部418、エンジン稼働時間表示部419、撮影画像表示部420、作業ガイダンス表示部430を有する。各部に表示される画像は、表示装置40の変換処理部40aによって、コントローラ30から送信される各種データ及び撮像装置80から送信される撮影画像から生成される。
【0075】
時刻表示部411は、現在の時刻を表示する。
図6に示す例では、デジタル表示が採用され、現在時刻(10時5分)が示されている。
【0076】
回転数モード表示部412は、エンジン回転数調整ダイヤル75によって設定されている回転数モードを画像表示する。回転数モードは、例えば、上記したSPモード、Hモード、Aモード及びアイドリングモードの4つを含む。
図6に示す例では、SPモードを表す記号「SP」が表示されている。
【0077】
走行モード表示部413は、走行モードを表示する。走行モードは、可変容量ポンプを用いた走行油圧モータの設定状態を表す。例えば、走行モードは、低速モード及び高速モードを有し、低速モードでは「亀」を象ったマークが表示され、高速モードでは「兎」を象ったマークが表示される。
図6に示す例では、「亀」を象ったマークが表示されており、操作者は低速モードが設定されていることを認識できる。
【0078】
アタッチメント表示部414は、装着されているアタッチメントを表す画像を表示する。ショベルには、バケット6、削岩機、グラップル、リフティングマグネット等の様々なエンドアタッチメントが装着される。アタッチメント表示部414は、例えば、これらのエンドアタッチメントを象ったマーク及びアタッチメントに対応する番号を表示する。本実施形態では、エンドアタッチメントとしてバケット6が装着されており、
図6に示すように、アタッチメント表示部414は空欄となっている。エンドアタッチメントとして削岩機が装着されている場合には、例えば、アタッチメント表示部414には削岩機を象ったマークが、削岩機の出力の大きさを示す数字と共に表示される。
【0079】
エンジン制御状態表示部415は、エンジン11の制御状態を表示する。
図6に示す例では、エンジン11の制御状態として「自動減速・自動停止モード」が選択されている。なお、「自動減速・自動停止モード」は、エンジン負荷が小さい状態の継続時間に応じて、エンジン回転数を自動的に低減し、さらにはエンジン11を自動的に停止させる制御状態を意味する。その他、エンジン11の制御状態には、「自動減速モード」、「自動停止モード」、「手動減速モード」等がある。
【0080】
尿素水残量表示部416は、尿素水タンクに貯蔵されている尿素水の残量状態を画像表示する。
図6に示す例では、現在の尿素水の残量状態を表すバーグラフが表示されている。なお、尿素水の残量は、尿素水タンクに設けられている尿素水残量センサが出力するデータに基づいて表示される。
【0081】
燃料残量表示部417は、燃料タンクに貯蔵されている燃料の残量状態を表示する。
図6に示す例では、現在の燃料の残量状態を表すバーグラフが表示されている。なお、燃料の残量は、燃料タンクに設けられている燃料残量センサが出力するデータに基づいて表示される。
【0082】
冷却水温表示部418は、エンジン冷却水の温度状態を表示する。
図6に示す例では、エンジン冷却水の温度状態を表すバーグラフが表示されている。なお、エンジン冷却水の温度は、エンジン11に設けられている水温センサ11cが出力するデータに基づいて表示される。
【0083】
エンジン稼働時間表示部419は、エンジン11の累積稼働時間を表示する。
図6に示す例では、運転者によりカウントがリスタートされてからの稼働時間の累積が、単位「hr(時間)」と共に表示されている。エンジン稼働時間表示部419には、ショベルが製造されてから全期間の生涯稼働時間又は操作者によりカウントがリスタートされてからの区間稼働時間が表示される。
【0084】
撮影画像表示部420は、撮像装置80によって撮影された画像を表示する。
図6に示す例では、撮影画像表示部420に、後方カメラ80Bによって撮影された画像が表示されている。撮影画像表示部420には、左側カメラ80L又は右側カメラ80Rによって撮像された撮像画像が表示されてもよい。また、撮影画像表示部420には、左側カメラ80L、右側カメラ80R、及び後方カメラ80Bのうち複数のカメラによって撮影された画像が並ぶように表示されてもよい。さらに、撮影画像表示部420には、左側カメラ80L、右側カメラ80R、及び後方カメラ80Bによってそれぞれ撮像された撮像画像が合成された俯瞰画像等が表示されてもよい。
【0085】
なお、各カメラは、撮影する画像に、上部旋回体3のカバー3aの一部が含まれるように設置されている。表示される画像にカバー3aの一部が含まれることで、操作者は、撮影画像表示部420に表示される物体とショベルとの間の距離感を把握し易くなる。
【0086】
撮影画像表示部420には、表示中の撮影画像を撮影した撮像装置80の向きを表す撮像装置アイコン421が表示されている。撮像装置アイコン421は、ショベルの上面視の形状を表すショベルアイコン421aと、表示中の撮像画像を撮像した撮像装置80の向きを表す帯状の方向表示アイコン421bとで構成されている。
【0087】
図6に示す例では、ショベルアイコン421aの下側(アタッチメントの反対側)に方向表示アイコン421bが表示されており、撮影画像表示部420には、後方カメラ80Bによって撮影されたショベルの後方の画像が表示されていることが表されている。例えば、撮影画像表示部420に右側カメラ80Rによって撮影された画像が表示されている場合には、ショベルアイコン421aの右側に方向表示アイコン421bが表示される。また、例えば撮影画像表示部420に左側カメラ80Lによって撮影された画像が表示されている場合には、ショベルアイコン421aの左側に方向表示アイコン421bが表示される。
【0088】
操作者は、例えばキャビン10内に設けられている画像切替スイッチを押下することで、撮影画像表示部420に表示する画像を他のカメラにより撮影された画像等に切り替えることができる。
【0089】
なお、ショベルに撮像装置80が設けられていない場合には、撮影画像表示部420の代わりに、異なる情報が表示されてもよい。
【0090】
作業ガイダンス表示部430は、位置表示画像431、第1目標面表示画像432、第2目標面表示画像433、数値情報画像434を含み、各種作業情報を表示する。
【0091】
位置表示画像431は、複数のバー431aが上下に配列されたバーグラフであり、アタッチメントの作業部位(例えばバケット6の先端)から目標面までの距離を表示する。本実施形態では、バケット6の先端から目標面までの距離に応じて、7つのバーのうち一つが、他のバーとは異なる色で表示されるバケット位置表示バー431b(
図6では上から3つ目のバー)となる。ここで、位置表示画像431に表示される作業部位の位置は、作業部位先端の左右方向における任意の位置が予め設定されている。表示される作業部位の位置は、例えば、作業部位先端の中央部、左端部、又は右端部等である。また、表示される作業部位の位置は、作業内容や作業現場において任意に変更されてもよい。また、作業部位の背面部と目標面との相対距離を表示してもよい。なお、位置表示画像431は、バケット6の先端から目標面までの距離をより高精度に表示できるように、複数の画像を含んでもよい。例えば、複数のバーグラフを表示して、それぞれに作業部位先端の左右方向における異なる位置と目標面との相対距離を示してもよい。この場合には、例えば、作業部位先端の左端部と目標面との相対距離を示すバーグラフと、作業部位先端の右端部と目標面との相対距離を示すバーグラフとを表示する。作業者が作業部位と目標面との位置関係をより詳細に把握することが可能になる。ここで、複数のバー431aのうち中央のバー(真ん中のバー)は、目標面に対応する。このため、縦方向(位置表示画像431において複数のバー431aが並ぶ上下方向)で、中央のバー(真ん中のバー)のみを他のバーと異なる色にしてもよい。このように、目標面は、複数のバー431aの縦方向の中央領域に設定される。
【0092】
位置表示画像431において表示されるバーグラフでは、例えば、バケット6の先端が目標面より上に存在する場合には、目標面からの距離に応じて上側のバーがバケット位置表示バー431bとして他のバー431aとは異なる色で表示される。また、バケット6の先端が目標面より下に存在する場合には、同様に目標面からの距離に応じて下側のバーがバケット位置表示バー431bとして他のバー431aとは異なる色で表示される。このように、バケット位置表示バー431bは、バケット6の先端の目標面に対する位置及び目標面までの距離に応じて上下に動くように表示される。操作者は、位置表示画像431を見ることで、バケット6の先端の目標面に対する位置及び目標面までの距離を把握できる。
【0093】
第1目標面表示画像432は、バケット6と目標面との関係を模式的に表示する。第1目標面表示画像432には、操作者がキャビン10に座ってショベルの前方を見たときのバケット6と目標面とが、バケットアイコン451及び目標面452とで模式的に表示される。バケットアイコン451は、バケット6をキャビン10から見た形で表されている。目標面452は、実際の目標面に対するバケット6の傾斜角度(
図6に示す例では10.0°)と共に表示される。バケットアイコン451と目標面452との間隔は、実際のバケット6の先端から目標面までの距離に応じて変化するように表示される。また、バケット6の傾斜角度も同様に、実際のバケット6と目標面との位置関係に応じて変化するように表示される。
【0094】
操作者は、第1目標面表示画像432を見ることで、バケット6と目標面との位置関係や、目標面の傾斜角度を把握できる。なお、第1目標面表示画像432には、操作者の視認性を高めるために、実際の傾斜角度よりも大きくなるように目標面452を表示してもよい。操作者は、第1目標面表示画像432に表示される目標面452から大体の傾斜角度を認識できる。また、操作者は、正確な傾斜角度を知りたい場合には、目標面452の下に数値表示されている傾斜角度を見ることで、実際の傾斜角度を知ることができる。
【0095】
第2目標面表示画像433は、側面から見たときのバケット6と目標面との関係を模式的に表示する。第2目標面表示画像433には、バケットアイコン451、目標面452が表示される。バケットアイコン451は、バケット6を側面から見た形で表されている。目標面452は、水平面に対する傾斜角度(
図6に示す例では20.0°)と共に表示される。バケットアイコン451と目標面452との間隔は、実際のバケット6の先端から目標面までの距離に応じて変化するように表示される。また、傾斜角度は、実際のバケット6と目標面との位置関係に応じて変化するように表示される。
【0096】
操作者は、第2目標面表示画像433を見ることで、バケット6と目標面との位置関係や、目標面の傾斜角度を把握できる。なお、第2目標面表示画像433には、操作者の視認性を高めるために、実際の傾斜角度よりも大きくなるように目標面452を表示してもよい。操作者は、第2目標面表示画像433に表示される目標面452から大体の傾斜角度を認識できる。また、操作者は、正確な傾斜角度を知りたい場合には、目標面452の下に数値表示されている傾斜角度を見ることで、実際の傾斜角度を知ることができる。
【0097】
数値情報画像434は、バケット6の先端と目標面との位置関係等を示す各種数値を表示する。数値情報画像434には、上部旋回体3の基準に対する旋回角度(
図6に示す例では120.0°)がショベルを示すアイコンと共に表示されている。また、数値情報画像434には、目標面からバケット6の先端までの高さ(バケット6の先端と目標面との垂直方向の距離であり、
図6に示す例では0.23m)が、目標面との位置関係を示すアイコンと共に表示されている。
図6では、予め設定された作業部位であるバケットの任意の箇所と目標面との位置関係が数値で表示されている。作業部位の刃先、もしくは、背面の左右両端と目標面との位置関係をそれぞれ数値で表示したい場合には、アイコンと数値情報の複数組を並列に表示してもよい。
【0098】
ショベルの非操作中には、以上で説明した非操作中画面41V1が表示装置40の画像表示部41に表示される。操作者は、数値情報画像434に表示される各種数値から、バケット6と目標面との相対的位置関係等を、数値情報として具体的に確認することができる。なお、数値情報画像434には、上記以外の異なる数値情報が表示されてもよい。
【0099】
図7は、実施形態における表示装置40の画像表示部41に表示される操作中画面41V2を例示する図である。
【0100】
操作者によってアタッチメントが操作されると、コントローラ30が操作中であることを示す操作信号を表示装置40に送信し、
図7に例示される操作中画面41V2が表示装置40の画像表示部41に表示される。
【0101】
図7に示すように、操作中画面41V2は、非操作中画面41V1と同様に、時刻表示部411、回転数モード表示部412、走行モード表示部413、アタッチメント表示部414、エンジン制御状態表示部415、尿素水残量表示部416、燃料残量表示部417、冷却水温表示部418、エンジン稼働時間表示部419、撮影画像表示部420、作業ガイダンス表示部430を有する。
【0102】
非操作中画面41V1と操作中画面41V2とは、作業ガイダンス表示部430の構成が異なる。操作中画面41V2の作業ガイダンス表示部430は、位置表示画像431、第1目標面表示画像432、第2目標面表示画像433、目標面表示画像435を有する。操作中画面41V2では、非操作中画面41V1に比べて、位置表示画像431が大きく表示され、第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433が小さく表示される。また、操作中画面41V2では、非操作中画面41V1において表示されていた数値情報画像434が表示されず、目標面表示画像435が表示される。
【0103】
操作中画面41V2における位置表示画像431は、非操作中画面41V1における各バー431aが拡大して表示される。また、位置表示画像431の隣に並ぶように、目標面表示画像435が表示されている。このように、作業ガイダンス表示部430における表示内容の変更方法として、例えば、位置表示画像431の表示形態が変化する。
【0104】
目標面表示画像435は、例えば異なる色で表示される2つの領域435a,435bで構成され、領域435aと領域435bとの境界が目標面452の位置を表している。なお、目標面表示画像435は、異なる色で表示される3つ以上の領域で構成され、何れかの境界で目標面452の位置を表してもよい。
【0105】
本実施形態では、目標面表示画像435において目標面452を表す領域435aと領域435bとの境界が、位置表示画像431において上から4つ目のバー431aに対応する位置に形成されている。
【0106】
このような構成において、位置表示画像431は、バケット6の先端が目標面よりも上に存在する場合には、バケット6の先端と目標面との距離に応じて上側3つのバーのうち何れかがバケット位置表示バー431bとして他のバー431aとは異なる色で表示される。また、位置表示画像431は、バケット6の先端が目標面近傍に存在する場合には、上から(下から)4つ目のバーがバケット位置表示バー431bとして他のバー431aとは異なる色で表示される。また、位置表示画像431は、バケット6の先端が目標面より下に存在する場合には、バケット6の先端と目標面との距離に応じて下側3つのバーのうち何れかがバケット位置表示バー431bとして他のバー431aとは異なる色で表示される。
【0107】
このように、操作中画面41V2では、位置表示画像431が非操作中画面V1よりも拡大され、さらに目標面表示画像435と共に表示される。このため、操作者は、操作中画面41V2を注視することなく、バケット6を操作しながら、バケット6の先端と目標面との位置関係を容易に把握することが可能になる。したがって、操作者は、バケット6の先端と目標面との位置関係を確認しながら正確に作業を行うことが可能になる。
【0108】
なお、
図8に示すように、位置表示画像431は、目標面表示画像435の上に重ねて表示されてもよい。位置表示画像431と目標面表示画像435とが重ねて表示されることで、バケット6の先端と目標面との位置関係をより容易に把握することが可能になる。また、
図9に示すように、位置表示画像431において目標面近傍を示すバーを、目標面表示バー431cとしてバケット位置表示バー431bや他のバー431aとは異なる色で表示してもよい。このような表示により、バケット6の先端と目標面との位置関係を容易に把握することが可能になる。さらに、例えば、操作者が位置表示画像431及び目標面表示画像435の表示を
図7から
図9に示す構成に切り替えられるように、キャビン10内に表示切替スイッチが設けられてもよい。操作者が見易い表示構成に適宜切り替えることで、より正確に作業を行うことが可能になる。なお、目標面表示バー431cの色を他のバー431aと同じ色にしてもよい。この場合でも、目標面は、複数のバー431aの縦方向の中央領域に設定される。
【0109】
また、操作中画面41V2の作業ガイダンス表示部430では、非操作中画面41V1よりも、第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433が縮小されて表示される。第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433には、非操作中画面41V1では表示されていた目標面の傾斜角度や旋回中心軸からバケット6の先端までの距離等といった数値表示が省略されている。
【0110】
例えば上記した各数値が第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433に表示されたとしても、操作者はアタッチメントの操作中には操作中画面41V2を注視できないため、これらの数値を確認することが困難である。そこで、上記した各数値の表示を省略し、第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433を、バケットアイコン451と目標面452との関係を簡略化して表示するように構成している。
【0111】
数値が省略されることで、第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433の見易さが向上し、操作者は、操作中においてバケット6と目標面との位置関係を確認しながら、正確に作業を行うことが可能になる。
【0112】
また、第1目標面表示画像432及び第2目標面表示画像433には、バケットアイコン451が、実際のバケット6の形状を誇張した形で示されている。また、目標面452は、実際の傾斜角度よりも大きく表示されている。このように、実際のバケット6と目標面との位置関係を誇張して表示することにより、操作者が操作中にバケット6と目標面との位置関係を確認し易くなる。
【0113】
以上で説明したように、本実施形態におけるショベルでは、アタッチメントの操作中と非操作中とで、表示装置40の画像表示部41に表示される内容が変更される。操作中には、非操作中よりも位置表示画像431が拡大されて目標面表示画像435と共に表示される。また、非操作中には表示されていた各種数値が操作中には非表示となる。したがって、操作者は、表示装置40の画像表示部41を注視しなくても、バケット6と目標面との位置関係を容易に把握することができ、バケット6と目標面との位置関係を確認しながら、正確に作業を行うことが可能になる。
【0114】
なお、非操作中画面41V1及び操作中画面41V2は、上記以外に、燃費を表示する燃費表示部、作動油タンク内の作動油の温度状態を表示する作動油温表示部等を有してもよい。
図6及び
図7に示す例では、尿素水残量表示部416、燃料残量表示部417、及び冷却水温表示部418がバーグラフ表示されているが、例えば針表示等であってもよく、各領域の表示方式は本実施形態に例示されるものに限られない。また、各領域の配置等は、本実施形態において例示される構成に限られない。
【0115】
以上、実施形態に係るショベルについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【0116】
本国際出願は、2015年9月15日に出願された日本国特許出願2015−182160号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願015−182160号の全内容を本国際出願に援用する。